賭けに出た高市早苗。報道番組で岸田首相の「箝口令」を暴露した真の思惑

2021年に出馬した自民党総裁選では安倍元首相の後ろ盾を得て善戦するも、岸田文雄氏に破れ日本初の女性首相の座を逃した高市早苗氏。そんな高市氏の報道番組での「謀反」とも取れる言動が話題となっています。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、岸田首相から口が裂けても言わぬよう厳命されていたのにもかかわらず、高市氏が番組内で暴露した「機密事項」の内容を紹介。さらになぜ高市氏が今、このような行動に出たのかについて考察しています。

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中国に関する首相の箝口令を暴露。高市大臣の謀反か?

高市早苗・経済安全保障担当大臣は謀反を起こしたのだろうか。大臣就任時に岸田首相から「口が裂けても言うな」と釘を刺されていた中国がらみの話を“暴露”したのである。

高市氏が生出演した『BSフジLIVEプライムニュース』(9月28日)で、「セキュリティ・クリアランス」に話題が及んだときのこと。高市氏はこう語った。

「大臣に就任した日に言われたのは、『中国』という言葉を出さないでくれというのと、来年の通常国会にセキュリティー・クリアランスを入れた経済安全保障推進法を提出するとは口が裂けても言わないでくれと言われました」

今年8月10日の内閣改造で、経済安全保障担当大臣として官邸に呼ばれたさい、岸田首相がそう語ったという。首相と就任ホヤホヤの大臣の間で交わされた密談である。それをぶちまけるというのは、只事ではない。

経済安全保障推進法は、半導体など重要物資のサプライチェーンを確保し、国力を左右する先端技術や特許を守るため政府の関与を強めるのが目的で、中国の脅威にアメリカと足並みをそろえて対抗することを念頭に置いている。

今年5月11日に成立した法律だが、セキュリティ・クリアランスが盛り込まれておらず、経済界などから導入を求める声が出ている。セキュリティ・クリアランスとは、スパイ行為を防ぐため、個人の適性を評価し、機密情報にアクセスする資格を与える制度だ。当然、身辺調査は欠かせず、個人情報保護の観点から慎重論が根強い。

新閣僚の呼び込みで官邸に赴いた高市氏に対し、ごく短い時間のうちに岸田首相が示した留意点を、高市氏はなぜテレビで明らかにしてしまったのだろうか。その場面を今一度、振り返ってみよう。

番組の反町理キャスターのこの質問が導火線になった。

「セキュリティ・クリアランス、この話、たとえば法案として国会に提出するメドって、来年の通常国会をめざしているんですか、この秋は間に合わないですか」

高市氏は党政調会長だった今年2月、同法に関連し「外国人研究者のスクリーニングは第2弾でやります。これを入れると今国会では通りませんから」と月刊誌の対談で発言。8月17日には、「日本の学術機関の優れた民生用技術が外国の先端兵器に流用されている現状を改善するべく、外国人研究者のセキュリティ・クリアランスを法改正で実現したく、経済安全保障担当大臣として頑張ります」とTwitterに投稿していた。

反町氏の質問に対し高市氏は「この秋は全然間に合わないです。今どういう場合にセキュリティ・クリアランスが必要かってことを洗い出ししてます」と答えたのだが、それだけではおさまらず、異例の“告白”におよんだのだ。

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京大教授が激怒。財政を破壊するNGワード「バラマキ批判」が百害あって一利なしの訳

日本という国を真剣に考えるがゆえに展開されていると感じてしまいがちな、政府の支出に対するバラマキ批判。しかしこの「バラマキ批判」に関しては、全否定ともいうべき見方もあるようです。今回のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』では著者で京都大学大学院教授の藤井さんが、「バラマキ批判」が百害あって一利なしである理由を分かりやすく解説。さらに国民の実質賃金を上げ国の経済規模を拡大させるために、我々が政府支出に対して取るべき態度を提示しています。

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2022年10月4日配信分の一部抜粋です)

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財政についての「バラマキ批判」、それは一見合理的に見えて実は合理的な財政を破壊する「百害あって一利無し」な呪いの言葉

岸田総理が、物価高を受けて経済対策のために経済対策を行う見通しと報道されています。岸田総理が所信表明で「日本経済の再生が最優先課題だ」と述べ、物価高・円安への対応や、賃上げを重点課題に挙げたからです。これについて30兆円規模でとの声もあると報道されていますが、産経新聞でも読売新聞でも、その支出が「バラマキであってはいけない!」という論調が強調されています。

曰く、

バラマキに陥らず、苦境にある中小企業や、困窮した人への支援など必要

 

所信表明演説 経済再生へ具体的な道筋示せ」読売新聞

与党では編成前から巨額の財政出動を求める声が強まり、バラマキ型の対策が一層の財政悪化と市場の混乱につながる懸念もはらむ

 

総合経済対策は30兆円規模か バラマキなら市場混乱も」産経新聞

こういう主張は、一見、全くもって正しいように思います。

一方で、このバラマキ批判と似たものとして、財政には、いわゆる「ワイズスペンディング」という考え方があり、政府がオカネを使うならば、賢く使う方が良い、という考え方です。

当方はこの概念を、いろんな局面で好んで使用しています。

この両者は一見同じ事を言っているように見えますから、ワイズスペンディングを強調する当方は、バラマキ批判をしているのと同じだから、バラマキ批判という言葉も当方よく使うのかというと……全くそうでは有りません。

なぜなら、論理的には両者は同じに見えても、実質的には両者の間には天と地ほどの差があるのです。

そもそもワイズスペンディングの考え方は「どうせオカネをつかうなら」という前提があるのですが、「バラマキ批判」は、実は、「無駄だと思えるものにはカネを使うな」という緊縮的思想が明確に入っているのです。

つまり、ワイズスペンディングは「何に払うべきか」というポジティブな規範ですが、バラマキ批判は「何には払ってはならないか」というネガティブな規範なのです。

もちろん、世の中には、ポジティブとネガティブしかないのですから、両者は論理の構造としては全く同じ事を言っている、と言うことはできます。

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安倍晋三を神格化「3万円記念紙幣」の正体。「面影を永久に」何者が画策?

世論の声を押し切って強行された安倍元首相の国葬。それに懲りず、今度は「記念紙幣」発行を望む動きがあるとゲンダイDIGITALが報じネットがザワついている。永田町で今、安倍元首相の「功績」を後世に残すため「参万円札(3万円札)」の発行を提案する怪文書が出回っており、その内容が波紋を呼んでいるのだ。

いったい何者?安倍晋三「記念紙幣」を強く提案

問題の怪文書は、「『安倍晋三記念紙幣発行促進国民会議』設立準備委員会」という仰々しい名称の組織が発行元となっている。

文書の日付は安倍元首相の国葬が行われた9月27日。かなり以前から周到に準備されていたのだろうか。

同文書は、安倍氏の国葬を「世界史に残る記念すべき事柄」と称賛。一方で、国葬への抗議は「一部の野党や容共団体に扇動された」ものとした上で、そのような行為に対して「あわれみを禁じない(原文ママ)」と批判している。

さらに、記念紙幣を発行する意義について、「不世出の大政治家であり、国守であられた安倍晋三元総理大臣の面影を永久に後世に伝えるべく、氏の在りし日の面影を挿入した新たな紙幣(参万円札)を発行し、法制度によって、国民の間に永久に通用させることが必要」だと主張している。

日本を分断した国葬が終わったばかりのタイミングで、「国民の間に永久に通用」する記念紙幣発行とは穏やかではない。

露骨に安倍元首相を個人崇拝し、記念紙幣の発行を画策する「国民会議」設立準備委員会とは何者なのか?

【関連】嫌な予感が的中。菅前首相の国葬「弔辞」で飛び出した衝撃の言葉

「記念紙幣」準備団体に2つの可能性

この怪文書を詳しく分析すると、以下のような傾向が見られる。

●何の前触れもなく「共産主義」と戦い始める

●自分たちに敵対する勢力は共産主義者であると決めつける

●「容共」など、言語感覚が冷戦時代でストップしている

●安倍晋三氏を個人崇拝している

●仏教では49日が過ぎると死者の霊を「仏」と表現するのに対して「御霊」という表現を採用している

ここから推測されるのは、この怪文書の発行元が、保守派もしくは統一教会の関連団体である可能性だ。

一つ目の候補は、亡くなった安倍氏を永久顧問にした「保守団結の会」。これは自民党の保守派の勉強会で、現在、衆議院議員の高市早苗氏や古屋圭司氏が顧問となっている。

高市早苗氏と言えば、目下「国葬反対のSNS発信の8割は中国」というデマ情報の発信源と目されている渦中の人物。怪文書の「一部の野党や容共団体に扇動された~」のくだりと完全に芸風が一致しているのだ。

そのため一部では、「高市早苗責任編集」説を推す声も出ているようだ。

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もうひとつの候補は統一教会?

二つ目の候補は、ご存知「統一教会」だ。

仏教では使われない「御霊」という言葉選びや、「保守団結の会」とも共通するむやみやたらと共産主義を敵視する時代錯誤性など、本文書の全体には強い統一教会臭が漂っている。

記念紙幣の額面が「参万円」というのも、「3」という数字に異常にこだわる統一教会を連想させる。

彼らに言わせると、歴史は2000年ごとに繰り返しており、アブラハムが第1の救世主、キリストが第2の救世主、そして第3の救世主が文鮮明なのだという。

国葬の日にちが9月27日に決定したのは、9と27が「3の倍数だから」と疑う声もある。

さらにいえば、令和に改元された「5月1日」は、統一教会の創立記念日だ。これは単なる偶然なのか。普通、改元するなら年度替わりの4月1日が自然だと思うのだが……。

ちなみに、統一教会では亡くなったことを悲しいこととして捉えず、霊界にいくためのお祝いだとして「聖和」と呼んでいる。これは安倍氏が主催していた派閥「清和」会と音が同じだ。

これらの真偽はともかく、統一教会と安倍氏と自民は切ってもきれない関係にあることだけは間違いないようだ。

この「設立趣意書」では、国葬に反対する行為を「破廉恥」と批判しているが、このあたりは若干の三浦瑠麗臭も漂う。

国際政治学者の三浦瑠麗氏といえば、すぐ他人を「はしたない」と批判するので有名だからだ。

もっとも世間では「一番破廉恥だったのは国葬に参列した国際政治学者・三浦瑠麗氏のシースルー喪服だ」と言われている。見たくもない乳を強制的に見せつけられるのはセクハラでしかない。本当にやめてほしいという声が多く上がっている。

【関連】三浦瑠麗とほんこんが匂わせ大炎上。なぜ壺サーの姫は「女ほんこん」に進化したのか?保守論客の蜜月にネットざわつく

安倍晋三記念紙幣でキャッシュレス化が加速か

2000年に生まれ、国民から邪魔者扱いされてきた「弐千円札」は現在、巷ではほとんど流通しておらず、まさに幻のお札といった状態だ。ATMや自販機でも使用できない機種が多く、当時、総理大臣だった故・小渕恵三氏による「負の遺産」状態となっている。

今回の「参万円札」も、安倍元首相が発案したアベノマスク同様、使われないまま倉庫に眠る可能性が高い。

この設立準備委員会は「永遠に安倍氏の面影を後世に伝える」ためと言っているが、参万円札と共に安倍氏の存在も忘れ去られてしまうのではないだろうか。

もっとも、安倍晋三記念紙幣には思わぬメリットもある。この参万円札が市場に出回れば、安倍の顔なんて見たくないという層を中心にお札(現金)を使う人が減り、日本のキャッシュレス化が一気に促進されるはずだ。

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世界が脱マスク、脱コロナ騒動でも続く、日本の「マスク対策」の愚

日本はいつになったらマスクを外ことができるのでしょう。海外のさまざまな映像を見ていると、どうしても浮かんできてしまう疑問ではないでしょうか。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では、著者で健康社会学者の河合薫さんが、ドイツに住む“特派員たち”に聞いた、現在のドイツのコロナ対策や感染後の対応について紹介。常に対策をアップデートするドイツとは対象的に、マスクも外せず、ワクチン接種を呼びかけるだけの日本の無策に疑問を投げかけています。

プロフィール河合薫かわい・かおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

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なぜ、マスクをしないのか?

世界の国々で「脱マスク」の動きが進んでいます。そんな中、11日から水際対策が緩和され、政府はホテル側がマスク着用を求めても客が応じない場合、宿泊を拒否できるように法改正する方針を示しました。

ただでさえ欧米の人たちは、マスクを嫌います。ましてや、日本人とは異なり自主性を重んじる傾向が強い。やっとインバウンドが戻ってくることを期待してるホテルや旅館が、「宿泊拒否」するのは極めて難しい。というか無理ですよね。トラブルにならないことを祈るばかりです。

いずれにせよ、日本はある意味独自路線を走り続けているように思えてなりません。

一方で、マスクを外した海外の「コロナ事情」はどうなっているか?マスクをしなくても感染者は増えないのか?本当に、“普通の風邪”扱いになっているのか?コロナ感染に恐れはないのか?などなど、脳内は「????」だらけです。

そこで今回は、私の“ドイツ在住の特派員たち”から、色々と現場のリアルを報告してもらいましたので、みなさんにも共有します。マスクをするか、しないか、今後の参考にもお役立てください。

<マスク規制・着用について(ドイツの場合・以下同)>

  • 電車や飛行機の中はマスク着用が義務付けられているが、その他の場所ではほとんどマスクをしていない
  • 9月下旬から、世界最大級のビール祭り「オクトーバーフェスト」が始まったが年末のアメ横状態。もちろんだれもマスクしてない
  • 老人でマスクをしている人は多い。ただし、かなり使い込んだマスクをしている人が多く(ドイツ人は倹約家)、マスクの意味ないのでは?と言われている

<感染者について>

  • 新規感染者が急増しているニュースが地味に報道されている
  • 人々の感覚は「以前そんな騒動もありましたねぇ」という状況
  • 保険大臣も「コロナ対策を取る」とアピールは一応しているが、政治的ポーズと受け止められている

<治療薬について>

  • 治療薬は多くの種類があるが、医者の処方箋が必要なものがほとんど
  • 陽性になっても、医者に行くのは面倒だからと、市販の解熱剤や風邪薬を飲んで、家で休んでいる人が多い
  • そもそもPCR検査をしている人はまれ
  • 学校でも子供たちに簡易テストキットが配布されているが、やってない人が多く、在庫が家に山積み

<感染後の行動>

  • 病気休暇(sickleave)は医者の診断書なしで3日間取れるし、ホームドクターに風邪みたいなんで会社を休みたいというと、1週間の診断書を簡単に書いてくれる。もはや大騒ぎしない
  • 会社でPCR検査を推奨しているところもあるが、陽性になっても受け止め方はインフルエンザ感覚

以上です。

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黒く染まっていく世界。米国が包囲網を張る「ラスボス国」とは?

民主主義国家に対抗する「権威主義国家」が世界中に増えてきています。この黒く染まっていく世界で、日本を含む民主主義国家はこれからどう動いていけばいいのでしょうか?そこにフォーカスした一冊をメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』の中で紹介しています。  

【一日一冊】黒化する世界 民主主義は生き残れるのか?

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黒化する世界 民主主義は生き残れるのか?

北野幸伯 著/扶桑社

最近、専制主義国家が増えています。ブッシュ大統領はイラン、イラク、北朝鮮を悪の枢軸と呼びましたが、著者が注目しているのは最近、ベラルーシ、ミャンマー、アフガニスタンが黒化したことです。

ベラルーシは2020年の選挙結果に不満を持った国民がデモを起こしましたがルカシェンコ大統領が武力で鎮圧しています。ミャンマーは2021年にクーデターが発生。アフガニスタンは2021年にアメリカの撤退でタリバン政権となっています。

この原因は2020年に、中国が香港の自由を制限する法律に反対するデモを鎮圧したことで、デモは違法化して、武力で鎮圧すればいいことに、独裁者たちが気づいたからだ、と著者は分析しているのです。

こうした民主主義国家に対抗する権威主義国を著者は、黒色独裁国家と呼んでいます。もちろんウクライナに侵攻したロシア、香港から自由を奪い、ウイグル民族を絶滅させようとしている中国は真っ黒です。

2020年、香港から自由は、完全に消滅した…「デモは武力によって鎮圧すればいい」「デモは、法律によって違法化すればいい」…この「ノウハウ」が、独裁者たちに伝わったことで、「連鎖黒化」が起こった(p91)

そして黒色独裁国家ロシアが、なぜウクライナに侵攻したのか。その理由について、全ロシア将校協会イヴァショフ会長の言葉を引用して説明しています。

まず、これまでのロシアの戦争はナポレオンが攻め込んできたり、ヒトラーがソ連に侵攻したなど「自衛戦争」であったということです。しかし、現在のウクライナやNATOといった脅威は存在するが、核兵器を持つロシアの生存を脅かすほどのものではないという。

これまでウクライナにロシアの友好国となってもらうために、ロシアは武力と脅しを使ってきました。しかし、それは逆にウクライナをロシアから遠ざけることになったとイヴァショフ会長は批判しているのです。

そして現在のロシアのウクライナ侵攻は、ウクライナをロシアの勢力圏とする目的もありますが、真の目的は、新興財閥、官僚、マスコミ、軍人、警察、諜報機関が、国民から盗んだ富を維持するために戦争を引き起こしたとしているのです。その結果、ロシアは国際的に孤立し、崩壊するだろうと全ロシア将校協会イヴァショフ会長は警告しているのです。

ウクライナ侵攻、真の目的は…反国家的権力と、国民から盗んだ富を守るための手段だ(全ロシア将校協会イヴァショフ会長)(p257)

トランスジェンダーの職員へかけた言葉で、上司が「違法」になった話

日本でもトランスジェンダーについての理解は徐々に深まりつつありますが、いまだ賛否は分かれ、それは労務管理にも関係してくるようです。今回の無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』では、著者で特定社会保険労務士の小林一石さんが、某省庁が訴えられた裁判の判決から現代のトランスジェンダーのビジネス環境について言及しています。

「男に戻ってはどうか」発言とトイレの使用制限は違法か適法か

去年、国が発表した履歴書が大きく変わりました。

今まで記載が必須だった性別欄が、「任意」に変更になったのです。

元々、個別企業では性別欄を任意もしくは不要としていたところはありましたが、国が発表したことは大きな話題になりましたね。

この「性」に関する話題はときには賛否が分かれることもありますが、労務管理についても同じことが言えます。

それについて裁判があります。

某省庁でトランスジェンダー(生物学的には男性、性自認は女性)の職員が、トイレの使用を制限されたとして、国を訴えました。

その職員は、自分が勤務するフロアと、上下1階ずつの女性用トイレの使用が禁止されていたのです。

では、この裁判はどうなったか。

職員が負けました。

「使用制限には違法性は無し」

具体的には裁判所は次のように判断しました。

・省庁には他の職員が持つ性的な不安も考慮し、すべての職員にとって適切な職場環境を提供する責任がある
・面談中の上司の「手術を受けないのだったら、もう男に戻ってはどうか」は違法な発言であった

つまり、ざっくりお話すると「(この職員がトイレに入ってくると)他の女性職員が不安になってしまうから、使用を制限するのはやむを得ない」ということですね。

さて、これについてはみなさんはどう感じるでしょうか。

「習近平の3期目」ばかりに注目。稚拙な日本メディアが伝えぬ焦点

10月16日から始まる5年に一度の党大会(中国共産党第20回全国代表大会)。日本メディアの関心は、もっぱら「習近平の異例の3期目」であり、支える幹部の人事となっていますが、その論点の浅はかさを指摘するのは、多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、党大会に参加する2千人を超える代表たちの顔ぶれが大きく変わっていること。なかでも改革開放後の世代が多く、専門技術を持つ党員が数多くいることなど、本当の注目点を伝えています。

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共産党大会が近づくなか唐突に出された出世マニュアル

国慶節の連休がいよいよ始まった。中国が進めた「動的ゼロコロナ」によって中国経済は大きく落ち込んだ。その浮揚策の入り口として中国政府は旅行や消費を大いに盛り上げたいはずだが、少なくとも北京にはそうした空気とは無縁のようだ。

国慶節の休みは早ければ9月23日くらいに始まるはずだが、北京を拠点とした高速鉄道はどれも驚くほどガラガラだったという。数人の友人がその社内の様子を写真に撮って送ってくれた。そんなことになっている理由は簡単だ。16日から始まる20大(中国共産党第20回全国代表大会)の対策のためだ。

5年に一度の党大会が開かれる今年が「政治の季節」になるのは仕方のないことだ。しかしそれを扱うメディアの報道が、「習近平の異例の3期目」をめぐる話題や人事の予測ばかりになることには、首を傾げたくなる。「もう1週間も経てばすべて分かるのに、何を焦っているのか?」人事予測を書くために北京を走り回っていたころ、北京の複数の友人から同じ疑問を投げつけられ、思わずため息をついたことを思い出す。

確かに人事が少し早く分かったからといってはしゃぐ意味はない。そもそも15年前、習近平がなぜ胡錦涛の「接班(後継者)」になることができたのか。その疑問さえ日本ではまだしっかりと解けてはいないのだ。

現状、うっすらと伝わってきている党大会関連の情報によれば、今回、中国共産党中央指導部は「安定」を重視した人事を行うらしいということだ。それはウクライナ問題をめぐる予測の難しい世界の動きと、悪化の一途をたどる対米関係をにらんだ対策としての「安定」を求めてのことだ。

ただ、それは大きく人事を変えないことによって得られる安定なのか。若くてもプロフェッショナルを当てることで得られる安定なのかは定かではない。

習近平が自ら敷いたレールが後に大きく変更されないためにも、今年、未来の指導部の姿を少しは見せておく必要もあり、ある程度の新人の登用も不可欠だと考えられるのだ。つまり安定を確保しながら、どのように新鮮な空気をそこに入れ込んでいくのか。党指導部の腕の見せ所だろう。

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当時は「不法扱い」25歳の医学部生が作った遠隔医療アプリ開発秘話

新型コロナウイルスの影響で急速に広まった遠隔医療。日本でも多くのサービスが提供されていますが、IT大国の韓国では少し足並みが遅れていたようです。その理由と、現在韓国でも使われ始めた遠隔医療アプリを作り上げた25歳の医学部生のインタビューを、韓国在住歴30年を超える日本人著者が発行するメルマガ『 キムチパワー 』が紹介しています。

25歳の医学部生が始めた遠隔医療アプリの先見性

韓国最大の遠隔医療、代表は25歳の医学部生。朝鮮日報ベースでご紹介したい。

「OECD加盟国の中で遠隔診療が可能な国は何か所でしょうか?」

ドクターナウのチャン・ジホ創業家がむしろ記者に質問してきた。意外な質問に詰まっていると、「38か国のOECD加盟国のうち、何か国が非対面診療を許可しているのでしょうか?」と再度尋ねる。

「半分ぐらいではないでしょうか。20社?」という記者(朝鮮日報)の回答にチャン創業家は、「多くの人がそう思っているのですが。実はOECD38か国のうち37か国が許容しています。韓国以外、全部やっているんです。日本も以前は再診(2回目の診療)から遠隔診療を許可してましたが、今回の新型コロナウイルス感染症の時からその規制を取り外しました。G7諸国はすべて初診(最初の診療)から遠隔診療を許可しています。」

1997年生まれで漢陽大学医学科を休学したチャン代表は、いわゆる「若気の覇気」の創業だけではない。緻密な計算と計画、そしてかなり長い時間と試行錯誤に耐えた創業だったということを90分間のインタビューで悟ることになった。

ドクターナウは2022年6月、投資の氷河期に400億ウォンの投資を誘致した。今年25歳のチャン・ジホ創業家は2022フォーブス選定、30歳以下のアジアリーダー30人でもある。ドクターナウはスマートフォンのアプリで医師の診療を受け、自宅まで薬を届けてもらうサービスだ。病院や薬局に行かなくても、医療を受けられるようにサポートするスタートアップだ。韓国は遠隔診療が不法だが、現在はコロナパンデミックで例外的に許容している状況だ。

2022年第2四半期基準で、ドクターナウの累積利用者数は600万人、累積ダウンロード数は300万件。提携医療機関数は1,500か所。ドクターナウでは内科・耳鼻咽喉科・小児青少年科・皮膚科など20の診療科目をサービスしている。

チャン代表は「韓国が遠隔診療では遅れました」と言う。しかし、表情からは失望を感じなかった。遅いだけに、アメリカや日本の遠隔診療よりも良い遠隔診療アプリを作るということでもある。例えば、米国は診療から薬配達までそれぞれ異なるアプリが市場を掌握しているため、消費者は複数のアプリを転々としながら遠隔医療を受けることになる。ドクターナウでは一度に行われる。

識者が解説する北朝鮮ミサイル発射の「意図」。日本人はどう受け止めるべきか?

10月4日朝、北朝鮮の発射した中距離弾道ミサイルが日本列島の上空を飛び越え、5年ぶりに「Jアラート」が発動しました。この危機に対して、私たち日本人はどのように対処し、北朝鮮の今後の行動をどのように読み解かなければならないのでしょうか? 今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では、宮塚コリア研究所副代表の宮塚寿美子さんが、今回のミサイル発射の意図を解説しながら、中国やロシアなどの動きに関連づけて、その挑発行動を読み解いています。

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17年以来の日本通過ミサイル発射の意図 迫る東アジア危機

北朝鮮は10月4日午前に北西部から中距離弾道ミサイル(IRBM)1発を発射した。日本上空を通過したミサイルの飛行距離は約4,500キロ・メートルに達した。これはグアムを射程距離に納めることができる最長記録である。上空を通過した北海道や青森だけでなく、誤報で東京の千代田区でもJアラートが鳴った。

おかげで筆者にもあちこちからミサイル発射について問い合わせがあった。その質問内容は北朝鮮の意図、今後の日本の対応などである。

日本の防衛省統合幕僚部は、航空自衛隊と在日海兵隊の戦闘機12機が九州西方の東シナ海上空で共同訓練を行ったと発表した。韓国軍も在韓米軍と4日深夜から5日未明にかけ、日本海に向けて合同で地対地ミサイル発射を実施した。韓国軍の玄武2C(射程1,000キロ)とATACMS(射程約300キロと)と在韓米軍のARACMSである。いずれも北朝鮮に対するけん制、抑止力を見せているわけである。

北朝鮮は2017年9月にも日本列島を越えるIRBMを発射しており、その時の飛距離は約3,700キロであった。

問い合わせの回答として、筆者は北朝鮮の今回の発射の意図は、日本ではなく韓国、米国へのメッセージの意味が強いとした。米韓合同軍事演習はいつものことながら、今回は近々の9月29日に米国のハリス副大統領が訪韓し、米バイデン政権の首脳級として初めて北朝鮮との軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)を訪問した。国連軍の米兵らを激励し、「米韓同盟は、いかなる不測の事態にも対応できるものだ。韓国の防衛に対する米国の責任は鉄壁だ」と訴えていた。

10月1日は中国の国慶節、3日は韓国の開天節というそれぞれ建国記念日で祝日であるため配慮したのか、天候条件などがそろった4日に発射したのだろう。

1日明けた5日、北朝鮮は今回のミサイル発射について報道はしていない。これまで北朝鮮が発射を報道しなくなったのは、対宣伝戦略の変更を行っていると推測できるが、一番の理由は国内の人民への配慮なのだろう。

コロナ禍が始まった時期とも重なる。北朝鮮は8月には「コロナ勝利宣言」を行っているが、全世界がまだ終息していない中で、北朝鮮だけが完全に封じ込めているとも信じがたく、最近の北朝鮮の報道でも人民がマスクをしている姿がわかっている。

勝利宣言とは言えども、実態は、後遺症や慢性している食糧難などで生活は苦しいものであるはずである。そんな中、ミサイルを何発も打てる資金があっても、人民生活を優先していない指導者や体制への不満は強くなるのは明らかであろう。

今後、北朝鮮はさらにエスカレートして、ミサイル発射はデータ収集のためにも続け、核実験も行うかもしれない。

ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ侵攻で一転劣勢なっている今、核使用をちらつかせている。中国と台湾の関係も悪化している。このような国際情勢から見ても、北朝鮮にはいざという時に味方になってくれそうな同じような状況の両国があるため、この挑発は止めない。

我々日本人も対岸のことと思わず、東アジアの危機は迫っていることに気づかなければならない。

(宮塚コリア研究所副代表・國學院大學栃木短期大學兼任講師 宮塚寿美子)

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image by : 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイト

「家庭が大事」という統一教会の呪縛を解き放て。母親が抱く罪悪感「マミーギルト」の深刻度

母親が子どもや夫に抱く罪悪感、「マミーギルト」。これがコロナ禍を機に社会問題化しているようです。在宅の時間が増えることで、母親として妻として家事や育児を完璧にこなさなければならないのになぜ私はできないんだろう…という家庭における「罪悪感」を持つことですが、この「家庭が大事」という思想こそが旧統一教会の教義に通じるものがあると指摘するのは、メルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』の著者でジャーナリストの伊東森さん。伊東さんは、統一教会の問題がクローズアップされている今こそ女性が「家庭が大事」という呪縛から解放され、この考え方を見直すべきだとして、多くの事例とともに「マミーギルト」の問題点をあげています。

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母親が抱く罪悪感「マミーギルト」コロナ渦で深刻化

コロナ禍の今、私たちは「マミーギルト」という言葉とあらためて向かい合わなければならない。

「家事や育児がきちんとできず、申し訳ない。私はダメな母親だ──。」(1)

母親が、子どもや夫に抱く罪悪感を、英語で「マミーギルト」と呼ぶ。とくに新型コロナウイルス禍における在宅勤務の普及や相次ぐ休園・休校などを背景に、問題となりつつある。

マミーギルトという言葉は英語圏でも。アメリカでは、

「母親は父親に比べ、自分の仕事が家族に与える影響について多くの罪悪感を持つ」(2)

といった調査結果も。

働く女性のキャリアコーチングを行うボーク重子さんは、日本にも「母乳神話」などの言葉があるように、

「米国では以前から一般的に広く知られる概念だ」(3)

と説明する。

マミーギルトは離職理由にもなる。

「仕事を辞めたいと家計相談に来る女性らから『子どもを犠牲にしている』という言葉を呪文のように聞く」

と日本経済新聞の取材に答えたのは、ファイナンシャルプランナーの内藤真弓さん。

内藤さんは、数年前に子どもを持つ女性医師26人に聞き取り調査をした際も、この「呪文」を多く聞いたという。

コロナ禍で深刻化

マミーギルドは、コロナ禍で深刻化する。これまでは、母親たちは保育園や学童保育などを利用し、自ら仕事に集中できる環境を整えてきた。

しかし、それらの利用が制限され、さらにコロナ禍における子どもの健康管理という負荷も加わる。結果、「在宅勤務」と「家庭保育」との両立が生じた。

母親自身の仕事のみならず、子どものオンライン授業のフォローもせねばならない。

今年1月下旬から2月に日経ウーマノミクス・プロジェクトが実施したアンケートで、小学生以下の子どもを持つ女性461人の回答を集計したところ、74%が、

「家事や子育てと仕事を両立するうえで、子どもや夫、周囲に対して罪悪感を感じることがある」

と回答。

さらに罪悪感を感じる人のうち35%がコロナ禍で「罪悪感が深まった」と答えた。

「子どもが話しかけてくるのに、仕事中だと突き放さなければならない」(神奈川県・40代)

「在宅勤務中、子どもに動画ばかり見せてしまう」(東京都・30代)

などの声が寄せられる。

一方、子育て世代向け女性誌「VERY」(光文社)は2021年から22年に4号にわたり、「そんなの、かまへん!」特集を掲載。

「ご飯を作りたくない日は吉野家へ。牛皿買って夕ご飯。そんな夜があったってかまへん!」

「『ママも部屋着で登園』だってかまへん!」

と良き「手抜き」を訴える。

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