EU離脱で引き下がるほどバカじゃない。巧妙で残忍なイギリスのやり口

直接的な被害を受けていない人にとって、正直今回のEU離脱のニュースはどこか「他人事」なのではないでしょうか? しかし、メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者である中部大学の武田教授は、この問題はマスコミが報じているほど単純ではなく、まだイギリスの作戦の内である可能性もあり、日本も油断すべきではないと注意を促しています。

巧妙、そして残忍な二面性をもつイギリスのEU離脱が意味するものとは

イギリスが国民投票でEU(ヨーロッパ連合)からの離脱を決めたことは世界中にショックを与えた。イギリスに近いアメリカでダウ平均株価指数が暴落したのは当然としても、日本でも日経平均が1000円以上安値になり、円は一時99円台をつけるなど、経済界に衝撃が走った。

現在の世界の経済は三極(アメリカ、EU、東アジア(日本、中国、ASEAN諸国))がほぼ25%近いGDPを持ち、世界の経済を牽引しているし、EUは、ドイツ、フランス、イギリス、イタリアがGDPで突出しているという現状を考えると、イギリスがEUを脱離する経済的な打撃は大きいと考えることができる。

しかし、常に国際政治は複雑であり、日本人が考える範囲を超えていることが多い。しかもイギリスは一時、大英帝国という世界帝国を築いた国だ、そんなに簡単に「意外なこと」をするはずもない。用意周到、常に陰謀と作戦の中にあり、「イギリス人は何を考えているか分からない」という国民だからである。

日本のマスコミ論調を見ると、相変わらず「良い子が誠実な言動をする」ということをもとに説明している人が多いが、そんなに単純ではない

イギリスが世界に覇権を唱えだしたのはイギリスの東インド会社が設立したときとして良いだろう。それは西暦1600年のことだった。その後、イギリスはヨーロッパの小さな島国だったのに、西はカナダから、アフリカの約3分の1、インド、オーストラリア、東アジアなどを統治し、「七つの海」で「日の沈まない帝国」を築いたのである。

機械が握る「寿司ロボット」は、寿司職人を殺すのか?

人気コンサルの永江一石さんが、さまざまな質問に答えてくれる人気メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』。今回の質問は寿司職人について。「2ヶ月で寿司職人になれる」という謳い文句で話題の専門学校「東京寿司アカデミー」の人気や、ロボットの握る寿司の品質向上もあり、昔ながらの寿司職人という存在はいなくなるのではないか?という質問者からの疑問に、永江さんがコンサルらしい視点で、目からウロコの回答をしています。

たった2ヶ月で寿司職人になれる?

Question

shitumon 短期で寿司職人になれる東京寿司アカデミーという学校があります。

こちらによると2ヶ月で職人になれるとのことですが金額が86万円とかなり高額です。現在寿司といえば人が握らなくても回転寿司など機械で代替しておりますし、今後人間が寿司を握ることはなくなるのではと思っております。

ようは、ここで高額のお金を払って頑張って寿司職人になったとしてもすぐに寿司職人の仕事がなくなるのでは?と私は思っております。これに関して、今後の寿司業界についてのお考えと、この2ヶ月で職人になれるという寿司アカデミーは永江さんはどうお考えでしょうか? よろしくお願いします。

永江一石さんの回答

寿司アカデミーについては、以前ホリエモンの発言が話題になりましたね。
初めに結論を申し上げますと、いくら機械が発達しても将来寿司職人がいなくなることはあり得ないと思います。なぜなら、これは「レトルト食品があるからカレー屋は潰れるか」や「ユニクロがあるからオートクチュールはなくなるか」という質問と同義になってしまうからです。

失礼ながら、質問者さんはお若いのでもしかしたら回転寿司しか行ったことがないのかもしれませんが、本物の高級寿司店というのはただ食欲を満たすためだけに行くのではありません。一人単価が一万円を超えるような寿司屋さんでは、寿司を握る動作や魚をおろす手さばき一つ一つが芸術的で、それを見ることも一つの楽しみなんです。

また、機械では全ての寿司を均一に握りますが、本物の職人さんはシャリの大きさもお客さんによって変えてくれます。こちらから特に何も言わなくても子どもやお年寄りに合わせてシャリを小さくしたり、二つに切って食べやすいサイズにしてくれたりもします。そういったおもてなしの心は、機械では決して代替できません。

催促メールで「どうなってますか」はNG。相手を怒らせない言い回しは

会話ではそれほど気にならなくても、メールという「文字」にしてしまうと途端に感じが悪いように思えてしまう言葉や言い回しってありますよね。無料メルマガ『仕事美人のメール作法』では、相手に柔らかく伝わる「言い換え方」が紹介されています。

「どうなってますか」

ビジネスメールは用件をわかりやすく確実に伝えることが求められますが、場合によってはとげとげしい言い方、無味乾燥な受け答えになることがあります。

相手との関係が良好なときや特にトラブルなどなく、よい状況でやり取りできているときは気になりませんが、なにかしら問題が発生してよろしくない状況環境のときは、メールのやり取りも殺伐としてきます。

特にメールのやり取りは、文字として残るので、会話ではなんとも思わない言い回しが文字にすると感じ悪く伝わることも。嫌悪な状態を避けるためにも伝え方をひと工夫したいものです。

例えば、状況を相手に尋ねる場合、「どうなってますか」は「いかがでしょうか」と書き換えると丁寧で印象もソフトになります。

社内報の原稿、どうなってますか?

社内報の原稿はいかがでしょうか?

あるいは「原稿の進み具合はいかがでしょうか?」という尋ね方もあります。

相手に催促するときは「まだですか?」と伝えるより「いつごろ原稿を送っていただけますか?」のほうが相手にプレッシャーをかけつつ、期日が明確になります。

 

「どうしますか」

AとB、どちらにするか決めてほしい。あるいは相手はAにすると言うが、Bも考えられる。相手はAと言っているが、Bを推したい。

このように相手に早く決めてほしいときや、相手に判断してほしいとき、こちらが結論を急ぐほど「どうしますか?」「どっちにしますか?」と詰問調になりがちです。

そんなとき、もっと穏やかに対応する言い回しとしてお薦めしたいのが「いかがいたしましょうか?」です。

「Aということですが、Bも考えられます。いかがいたしましょうか?」
「AよりもBのほうが○○の点で優位性がありますが、いかがいたしましょうか?」
「AとB、2つの方法がありますが、いかがいたしましょうか?」

相手に詰め寄り、問いただすのではなく、問いかけ、考える余地を与える言い回しに変えるだけで決断が早まることがあります。

こんなときにも「いかがいたしましょうか?」は使えます。貸し会場を押さえたいが、希望する日時は予約でいっぱいというとき、

「水曜はすでに満室だそうです。どうしましょうか?」

という対応は、聞いたことをそのまま伝えるやりとり。これを一歩、進めて

「水曜は満室ですが、木曜なら予約可能だそうです。
 いかがいたしましょうか?」

と「水曜はNGでも、木曜はOK」と提案し、相手が別案を検討しやすいようにもっていけば「では、木曜に」とか「木曜は都合が悪いので、次の水曜は?」と次のステップへ進みやすくなります。

問題が起きたけど、「どうしたらいいですか?」と相手に全面的に頼る対応ではなく、解決策や選択肢を事前に用意して、「どうしましょうか=いかがいたしましょうか?」と尋ねるようにすると相手も判断しやすく物事が早く進みます。

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仕事美人のメール作法
著者/神垣あゆみ
広島を拠点に活動するフリーランスのライター。若手ビジネスマン向けにメールマナーの基本を解説した『メールは1分で返しなさい!』(フォレスト出版)など著作多数。
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上場コメダ珈琲の新業態「和風喫茶」も徹底した顧客目線で革命を起こす

成功するお店と失敗するお店、細かい違いを挙げればキリがありませんが、メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』の著者でマーケティングの専門家・理央周さんはコメダ珈琲が展開する和風喫茶チェーン「おかげ庵」を例に、成功するために最も大切なことは「客観」であり、「主観」を捨てられない店は成功しないと断言しています。

お店の価値は誰が決めるのか?:困った時には客に聞け

小売店が店内を改装する時に考えるべき点は多くある。

「全体のトーンはどうするべきか」

「基調にする色が何色がいいか」

「レイアウトはどうしようか」

などといったことを、資金と相談しながら決めていくことになる。

毎月準レギュラーとして出ているZIP-FM番組のコーナーで、リスナーの方からこんな質問をいただいたことがある。

「店の内装の基調となる色について、嫁さんと意見があいません。私はちょっと鮮やかなえんじ色にして、上品な高級感と清潔感を演出したいと思っています。年齢・所得、ともに高めの客層とも合うと思うのです…。しかし、嫁さんは、そんな色じゃ商品の色が分からなくなるので、ありえないと大反対。どうやって、この論争に結論を出せばいいでしょうか?」

という質問だった。

さて、この議論どこに問題があるのだろうか?

親の影響たった2%…。高コレステロール症は、ほぼ遺伝しない

これまで高コレステロール症は遺伝性とされてきましたが、実は遺伝子が原因となるのはわずか2%であるという研究結果が出たそうです。とは言え、それは決して安心材料にはならないようで…。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』で詳しく紹介されています。

コレステロール値が高いのは遺伝?

日本人は比較的コレステロールの値が低いとされていました。ところが最近のデータでは、若年層のコレステロール摂取量は米国人に比べて男性1.5倍、女性2倍という状況で、コレステロール値が高いことによる疾病が問題となってきています。

さてこの高コレステロール症は遺伝性で、日本の家族性高コレステロール血症の患者総数は約30万人と推定されています。ところが最近、遺伝子が原因となっているのは高コレステロール血症のわずか2%で、これまで考えてきたよりもはるかに低いとする研究が報告されました。

これは先日、米シカゴ(Chicago)で開催された2016年度米心臓学会(American College of Cardiology)で、マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)のアミト・ケラ(Amit Khera)氏が発表したものです。

Genes Causing High Cholesterol Are Less Common than Previously Thought

今までは、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の値が190mg/dl以上の高コレステロールの人では、25%が遺伝子異常による家族性高コレステロール血症であるといわれていました。そこで今回の研究では、コレステロール値が非常に高い2万6,000人以上を対象に、過去最大規模の遺伝子の配列解析を実施したそうです。

その結果、家族性高コレステロール血症につながるとされる遺伝子変異を持つ人はわずか2%であることがわかりました。その一方で、こうした人が50~60代までに心臓の動脈血管内に命を脅かすほどのプラークが形成されるリスクは、平均的なコレステロール値(LDLが130mg/dL未満)の人と比べて22倍高かったということです。

以上の結果から、高コレステロール値を招く原因には、偏食や運動不足など数多く存在しており、遺伝子変異単独では影響が少なくても、他の要因が重なることによりコレステロール値に大きな影響を与える、と結論しています。

ということですので、遺伝子は思ったようには変えられませんので、まずは偏食や運動不足の解消を!

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トヨタを成功に導いた、ドラッガーも賞賛する日本の「非常識」

日本人の「控えめで人に合わせる」という性質は「農耕民族のDNAによるもの」などとも言われますが、一部の経営者はこの「日本人独自の性質」を嫌って、アメリカなど他の先進国の経営手法などを積極的に導入しています。しかし、無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』の著者・浅井良一さんは、無理に風土の違う経営スタイルに飛びついても良い結果には結びつかないと警鐘を鳴らしています。

国民性と「経営スタイル」

日本の常識世界の非常識』」と言われることがあります。この言葉を何気なく聞くと「謙虚」な日本人は「世界の常識」に合わせなければならないと考え込んでしまうのですが、ドラッカー(経営学者)は、この日本の非常識を高く評価していました。「世界の常識」にない強みあるからこそ、不安が増すと円高に振れます。

一頃、アメリカの合理性を見習って強い経営を実現しようということで「成果主義評価制度の導入が流行しました。そしてこれが「戦略的判断」とされました。日本の「非常識」の持つ戦略的「強み」を知らずして、吟味もしないままにアメリカの「常識」を導入するのは合理的なのかと疑われます。

今でも成果主義は行われていますが、いろいろ修正がなされているようです。どこの国もそうですが、日本にも独自のメンタリティーがあります。風土のためそうなのか農耕を行い始めてからそうなったのか分かりませんが、和しやすく「道楽」なのか「匠」のDNAなのか、物欲とは異次元でモノづくりを行うといった「凝り性」な面を持つようです。

最近、日本で経営(生活)基盤の持とうとする中国の方も増えてきています。それらの中国の方との接点で印象深いのは、自己中心の論理展開とその単刀直入な金銭感覚です。その方たちに「日本の商慣習」を「取引する場合には、お金を出したからと言って、すぐに相手にしてくれると限りませんよ」と説明します。

その時に、言うに言われぬもどかしさを感じてしまいます。合理的には「お金を支払うのだから売らないのはおかしい」はずです。しかし、日本の商慣習ではお互いが信用しての利害関係の構築を求めます。望むのは長期の安定した信用できる相互関係です。今は崩れる傾向があるのですが、ここから生まれたのが「系列」でした。

この日本の独自な性向は、とうぜん日本人の多くが持つところのものです。報酬を得るにしても業績を上げるにしても突出すると後ろめたさを感じたり、例え有能であっても「出る杭は打たれる」のたとえ通り謙虚さのない欧米流の個人プレーでは嫌悪されます。ただしグローバル化がすすむと、虚弱な「個」では対応できないのですが。

英国のEU離脱で、なぜ中国軍が日本に「攻撃動作」を仕掛けるのか?

世界中に衝撃を与えた英国民の「EU離脱」という選択。この責任を取りキャメロン首相が辞意を表明しましたが、これら一連の流れが中国にとってかなりの痛手になると、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で評論家の黄文雄さんは分析します。さらに、この離脱劇を境に中国の軍事行動が頻発する、とも。一体なぜ? そこには世界の経済状況にいともたやすく振り回される「中国の体質」に問題があるようです。

【中国】英EU離脱で中国の軍事行動が頻発する

中国、キャメロン首相辞任は痛手か 元安阻止で介入観測 市場混乱を警戒

6月23日、イギリスのEU離脱を問う国民投票において、賛成票が多数となりました。投票日の世論調査では残留がほぼ確実視されていただけに、離脱が決定されたことによるショックが世界を駆け巡りました。

キャメロン首相は当日に首相辞任を表明しましたが、これは中国にとっても大きな痛手となるでしょう。キャメロン首相は昨年の10月に習近平が訪英した際、「英中関係は黄金時代を迎えた」と自画自賛していました。

もちろんキャメロン首相も、欲しかったのは中国のカネであり、別に中国と本当に親密になりたかったわけではないでしょうが、しかしこのキャメロン政権の親中姿勢に対しては、イギリス国内でもいろいろと批判もありました。

チベットにおける人権問題で批判的なチャールズ皇太子は習近平への晩餐会を欠席しましたし、今年の5月にはエリザベス女王が「習近平の訪英団一行はとても失礼だった」と発言したことが、世界的なニュースとなりました。

これまで旧英国領だった香港にしても、中国政府によるデモへの弾圧や、習近平批判本を販売していた書店関係者が中国当局によって拉致・拘束されるといった人権弾圧が繰り返されています。

一応、イギリス外務省も、香港返還の際に「一国二制度を50年間は堅持する」と決めた英中共同声明に違反するということで抗議はしていますが、キャメロン政権の親中姿勢が、こうした中国の香港への強権姿勢を助長してしまった面も否定できないでしょう。

英国外務省が「共同声明違反」と指摘 「本人の意思に反して中国本土に移送された」

それゆえ先の国民投票では、EU離脱派のみならず、中国に急接近するキャメロン政権への批判票も多数あったと目されています。先のエリザベス女王の発言も、政権批判の材料として使われていました。

イギリスは3度裏切った。EU離脱で遂に米中にも見捨てられる

EU離脱問題でイギリスと各国との関係が早くも変わりつつあります。英国を自国とEUの仲介役にと考えていた中国からは「用なし」と見捨てられると読むのは、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さん。さらにはアメリカからも同様の扱いを受けるのではと見ています。

EU離脱でイギリスは、中国にも見捨てられる

前号では、「イギリスのEU離脱」について書きました。今回の話は、前号ととても関係があります。まだの方は、まずこちらからご一読ください。

英国のプライドが世界を狂わす。EUというドイツ第4帝国からの独立

この記事の中で、EU離脱の影響の一つについて、以下のように書きました。

外交面での打撃も避けられないでしょう。アメリカと「特別な関係にある」と言われるイギリスは、常にアメリカとEUの「仲介役」を行ってきました。アメリカは、イギリスを通し、EUの政策に影響を及ぼしてきた。しかし、イギリスがEUを離脱すれば、同国はEUへの影響力を失うでしょう。

 

では、アメリカはどうやってEUへの影響力を確保するのでしょうか? もちろん、EU最強国家ドイツやフランスと直接対話、交渉を行うようになるでしょう。イギリスは外され、国際的地位は大きく下がります。

そう、イギリスは、アメリカとEUの仲介役をやっていた。EUは、アメリカにとって重要なのですね。なぜでしょうか? 28か国からなるEUの経済力は世界の約4分の1を占めているからです。

ところで、上の話、少々修正というか補足する必要があります。実をいうと、イギリスは、アメリカとEUの仲介だけではなく、「もう一つの大国とEUの仲介もしてきた。「もう一つの大国」とは、中国です。

悪魔のデータ。政府発表の「全国地震動予測地図」のデタラメぶり

熊本地震の混乱が未だ冷めやらぬ6月16日、北海道の函館近海で震度6弱の大きな地震が発生しました。まさに地震大国日本に住む我々にとって「地震予測」は必要不可欠なものです。しかし、メルマガ『辛坊治郎メールマガジン』では、日本政府が発表した「全国地震動予測地図」を「デタラメなデータ」と一刀両断。その背後にある利権構造を指摘し、予測図を一面に掲載した読売、産経の2紙を痛烈に批判しています。

地震調査委員会が発表した「予測」という名のデタラメなデータ

新聞を広げた瞬間、怒りがふつふつとこみ上げてきました。いつもは、朝日新聞や毎日新聞で起きる心理現象なんですが、今回の原因は読売と産経でした。

6月11日の両紙の一面の見出しはそれぞれ、「南海トラフ沿い確率上昇 高知73% 和歌山57%」「30年内に震度6弱以上 南海トラフ沿い確率上昇」だったんです。朝日は同じ内容の記事を一面の左側に三段見出しで伝えました。読売、産経の四段見出しに対して少し小さめです。

近年、ニュースのバリュー判断が東京新聞(極端な左派系新聞)チックになっている毎日新聞は、「とりあえず載せましたよ」という扱いの第三社会面での掲載でした。いつも判断を誤る毎日新聞ですが、今回の思い切った記事の扱いに、私は惜しみない賛辞を贈ります。

だってそうでしょう、政府の地震調査委員会の「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を示した全国地震動予測地図」の2016年版なんて、オカルト以上のなんの価値も無いどころか、日本国民の地震に対する備えを誤らせ、地震保険の掛け金を誤誘導し、人命を奪う「悪魔のデータ」ですからね。

今回発表されたのは、2016年1月1日を基準日にした「予測」という名のデタラメなデータです。なんとこの予測地図によと、今年4月に震度7の地震が二回も起きた熊本県益城町の発生確率はわずかに8%です。熊本市の発生確率は7.6%で、実は前回公表された2014年版よりも0.2%発生確率が減ってるんです。何を根拠に熊本の地震発生確率が過去2年で下がったのか、下がったのに何故大地震が起きたのか、全く訳が分かりません。

この「オカルトデータ」は2005年に発表、その後不定期に更新され続けているんですが、このデータ発表以降、大災害をもたらした地震発生地域を見ると、新潟中越沖、東北、熊本など、データ上明らかに東海から四国の太平洋側に比べて発生確率が低い場所ばかりです。

これらの地域は、この「オカルトデータ」に基づいて、地震保険の保険料が低く設定されていたり、熊本などは「大地震の発生リスクの低い地域」を前面に打ち出して企業誘致をしていたのは皆さんご承知の通りです。

また、今回発表されたデータでは、千葉85%、静岡68%、大阪55%などと、太平洋岸を中心に軒並み50%以上の確率になっている一方、なぜか京都は13%、さらに鳥取5.2%、長崎2.6%、札幌0.92%等となっています。このデータを見たら札幌に住む皆さんは「北海道は大丈夫だなと思い込んでも仕方ないですよね。

当然耐震診断や耐震補強のモチベーションは生まれず、古い耐震基準の建物が放置される中、明日にも「0.92%」が札幌を襲って大勢の人が犠牲になるかも知れないんです。これは正に、熊本で起きた悲劇そのものです。