まるで「談合」!?コロナ新薬を高額にする厚労省と製薬会社の深い闇とは

昨年11月末に緊急承認され、3月15日から保険適用となったコロナ新薬「ゾコーバ」。厚労省は、この3月31日から一般流通(メーカー → 卸 → 医療機関・薬局)を開始し、それに伴い、国供給(メーカー → 国 → 医療機関・薬局)を前日の3月30日までの申請分をもって終了すると発表しました。注目すべきはその薬価で、5日で5万2,000円とかなりの高額となっています。当面の患者負担は無料とは言うものの、なぜこれほどまでに高価に設定されているのでしょうか。今回のメルマガ『長尾和宏の「痛くない死に方」』では現役医師の長尾先生が、読者からの質問に答える形で「薬価設定の闇」を暴露。さらに自身がこの先ゾコーバを使うか否かについても明かした上で、これまでの政府のコロナ対策を強く非難しています。

長尾和宏(ながお・かずひろ)プロフィール:町医者、「長尾クリニック」名誉院長。1958年香川県生まれ。高校時代に実の父親が自死をしたことをきっかけに医者を目指すことを決意し、苦学して東京医科大学に入学。学生時代に無医地区活動に邁進したことから、地域医療に目覚める。1984年、大阪大学第二内科入局。1995年、尼崎に「長尾クリニック」を開業。町医者という名前に誇りを持ち、外来と在宅医療に邁進。『平穏死10の条件』『痛くない死に方』等ベストセラー多数。

ボッタクリ!?コロナ新薬の薬価は誰が決めているのか

Q.コロナ新薬「ゾコーバ」5日分で5.2万円! なぜこんなに高いの??

長尾先生、先日の毎日新聞(3月8日付)の記事にびっくり仰天です。

中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は8日、新型コロナウイルス感染症の飲み薬「パキロビッド」(米ファイザー社製)と「ゾコーバ」(塩野義製薬製)の保険適用を了承した。薬価(薬の公定価格)は、患者1人、5日間の投与でパキロビッドが約9万9,000円、ゾコーバが約5万2,000円とする。ただ、負担が急増しないようゾコーバやパキロビッドなど新型コロナ薬の患者負担は9月末まで無料を継続する。

出典:『塩野義のコロナ薬「ゾコーバ」 5日分で5.2万円 9月末まで無料』(毎日新聞 2023/3/8)

「5類」になっても、9月末まで患者負担は無料?とはいっても、結局、税金で賄うということですよね?

どこまで国は、税金の無駄遣いをするつもりでしょうか?

結局、「5類」になっても、医者と薬屋が儲かる仕組みは変わらないようにも思えますが、お医者さんたちはどうして、税金の無駄遣いに無自覚なのですか?

そもそもこの異常な値付けは、何処からくるのでしょう?

先生は、ゾコーバを使うのですか?ご見解を教えてください。疑問だらけです。

薬価設定の裏事情。誰と誰が「談合」めいた値付けを行っている?

長尾和宏先生からの回答

A.薬価とは、病院で処方される薬の公定価格のことです。厚労省が薬価を決めて、「薬価基準」という価格表に載せます。薬価をすべて患者さんが払うわけではなく、たとえば3割負担の場合は、薬価の30%が、患者さんに請求される金額となります。

さて、この異常ともいえるほど高額な値付け。「新薬創出加算」という名のもと製薬会社と厚労省間で、まるで談合のような取引があったと国民から思われても仕方のない値段です。いや、ゾコーバに限らず、昨今、この手の新薬は目が飛び出るような値付けがなされます。

本庶佑先生のノーベル賞受賞(2018年 医学・生理学賞)もあって、新たながん治療薬として注目された免疫チェックポイント阻害薬の「オプジーボ」は当初(2019年頃)、年間で3,500万円かかっていましたし(現在はその5分の1程度まで引き下げられました)、このメルマガでも先に取り上げたましたが、今年1月にアメリカのFDA(米国食品医薬品局)が迅速承認(正式承認は7月予定)したアルツハイマー治療薬の「レカネマブ」は、年間2万6,500ドル。日本円に換算すると、年間約360万円です。

このように、薬価に車や家が買えるような値付けが行われている中でのゾコーバなので、僕はさしてこの金額に驚きません。昨年夏に薬価収載された「ラゲブリオ」もたしか5日間の経口投与で約10万円(1日薬価は1万8,862円)でしたよね。

だから、ゾコーバは安いほうかもしれませんよ(笑)。

長尾和宏医師がこの先もゾコーバを使わない2つの理由

薬価は、厚労省内の審議で決まりますが、算出根拠は「神事」と言われています。市民には明かしませんよ、ということです。明かせない理由は……いわゆる相場観と談合的に決まるのではないでしょうか。一般人は決定プロセスを知ることができません。

また、ラゲブリオやゾコーバは、当院のような一般の医療機関には「配布」されないのが常です。だから僕は、ラゲブリオもゾコーバも、投与例はゼロなのです。

医師会などのエライ先生方だけに配布され、たいした説明もなしで「いい薬が出たのであげるよ」とバンバン処方している先生も少なくないようです(患者さんからの証言)。

配布されなくって、悔しいかって?いいえ、まったく。

近い将来、使えるようになっても使いませんよ。理由は単純。こんなに高いお薬を使う意味が見い出せないのと、副作用が怖いからです。

今年9月まで無料としたのは、医療機関と製薬会社への配慮です。国民のためではない。

製薬会社からの政治献金もありますからね。医療界は、大きな票田です。

ワクチンも治療薬も無料ならば、市民は軽微な発熱でも気軽に受診されますよね。

でも、タダほど怖いものはない、という昔からの言い伝えがあります。

ワクチン、PCR検査……この3年間のコロナビジネスは、まさにそうでした。ゾコーバも同じと思います。

すでに健康被害の報告を聞いています。善良な医師は、薬が手元にあっても実際にはほとんど「配布」していないでしょう。常識的な考えを持つ医師も、当たり前ですが、います。発売前も発売後も知見が希薄です。だから現在、臨床現場ではほとんど使われていません。

大量に余っています。これって何か似ている?そう。アベノマスクと同じです。

この記事の著者・長尾和宏さんのメルマガ

もはや瀕死の立憲民主党。最大野党が聞いて呆れる幼稚園レベルの安保論議

「まっとうな政治」を旗印に掲げ結党し、政権と対峙してきた立憲民主党。そんな野党第一党が今、瀕死の危機に陥っているようです。。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、岸田政権が進める大軍拡に「条件付き容認」という、リベラル系支持者への裏切りとも言える姿勢を見せる同党を厳しく糾弾。党としての全滅を避けるには、もはや分裂しかないとの見解を記しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2023年3月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

立民が失った結党時の気概。岸田軍拡の容認で瀕死のリベラル政党

このところ、立憲民主党の幹部級と意見交換する機会が何度かあったが、その結果、衆院97、参院40の議席を持つ野党第一党である同党は、岸田内閣の防衛費倍増による大軍拡路線と正面切って対決し、それを阻止する気概を持ち合わせていないことがはっきりした。

これは相当絶望的な状況で、岸田大軍拡に正面から反対する組織政党は共産党だけになってしまい、その勢力は衆院10、参院11議席。れいわと参院の沖縄会派を加えても13、17。その共産党も、2人のベテラン党員の党を思えばこその提言を「反共キャンペーン」とか「外からの攻撃」とか罵倒して除名処分にするという愚行によって自損し、党内に動揺が生じ支持層が離れつつある中で踏ん張りが利かなくなっていることを考慮すれば、すでに国会は大政翼賛会的な様相呈していて、全議席のわずか4~5%程度の反対派を苦もなく蹴散らして大軍拡に進んでいくのである。

もはや「分裂」しか残されていない立憲民主党を全滅から救う道

この状況に歯止めをかけるまでには至らないとしても、多少ともブレーキをかける手段があるとすると、立憲民主党を大軍拡賛成もしくは容認派と反対派とに分裂させることだろう。もちろん思想信条や政策の違いだけで野党第一党から離脱するのは議員個人にとって容易なことではなく、数十名の塊にしかならないかもしれない。しかしその明快な主張を持った政治的な塊がなければ共産党及びその他の弱小会派との共同戦線を形成することが出来ない。

逆にそれがあれば、とりあえず共産党が孤立化し衰退化するのに多少とも歯止めをかけて、共同戦線を張り直すことが出来るかもしれない。その下で、院内協力だけでなく、市民・労組レベルの共同行動、その延長での選挙協力、さらに連立政権構想の描出を進めなければならない。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

最強戦車が続々到着。プーチンの人海戦術を凌ぐウクライナ軍の大攻勢

2月末にウクライナとロシア双方に対して、独自の停戦案を提示した中国。3月20日からは習近平国家主席がモスクワを訪れプーチン氏と首脳会談を行ったものの、停戦に関しては何ら具体的な進展を見ることができませんでした。開戦から約400日、混乱はこの先も続くのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ウクライナ各地の最新の戦況を詳しく解説。さらに中国による停戦案が受け入れられなかった場合、世界はどのような事態に襲われるのかを考察しています。

ロシア軍の勢いがなくなった今、ウクライナ軍「バフムトで反撃開始」の可能性

ロ軍は、バフムト包囲から部隊をアウディーイウカなどに移動させて、ワグナー軍だけでバフムトを攻撃しているようである。このため、兵力も装備も枯渇している。

ウ軍も増援部隊を出して、バフムトを死守するとしたが、ロ軍大規模攻勢も限界にきているようである。ロ軍とワグナー軍の攻撃頻度が落ちてきている。

ワグナー軍とロ正規軍が仲間割れで、ロ軍精鋭部隊をアウディーイウカに移動させたようであり、ロ軍精鋭部隊が、ワグナー軍をフォローしなくなっている。

このため、ワグナー軍は主力部隊を投入したが、その損耗が大きく、かつ補充ができないことで、前進が停滞している。ザリジネンスクを占領して、その先のミシキウカの攻撃を中止した。もう1つが、バフムト市内金属工場から前進できないでいる。ウ軍はザリジネンスクに機械化部隊が反撃して、半分を奪還したようだ。

バフムトフカ川の防衛線は、ワグナー軍は突破できずにいる。南側は混戦模様であり、ウ軍も反撃に出て、両軍がジグザグの前線になっている。ここが一番今、激戦の地域であるが、しかし、ウ軍もロ軍の前進を阻んでいる。

1日1,000人以上の兵員を失うワグナー軍

ロ軍は、オリホボ・バシリフカやボダニウカを攻撃したが、ウ軍に撃退されている。また、ワグナー軍は、ヤヒドネを占領したが、その先では攻撃して確保した陣地を、ウ軍機械化部隊により、押し戻されている。ウ軍の機械化部隊が、効果のある場所で反撃に出ている。

イワニフスク方向では、ロ軍精鋭部隊を一部撤退させたことで、ウ軍が押し戻す展開になり、T0504主要道の補給路が安全になったことで、バフムト市内への補給も確保できる状態になっている。また運河の西側でウ軍はロ軍を駆逐した。

ロ正規軍はワグナー軍を見捨てことで、ウ軍の攻撃でワグナー軍は身動きできない。1日で1,000人以上の兵員を失い、戦車も4両、その他戦闘車も20台程度も失っている。ワグナー軍は、前線を維持できなくなるはず。

このため、ワグナー軍を置き換える方向で対応するようであり、空挺部隊が引き継ぐことになるようだ。フォローはしないで、ワグナー軍を撤退させるようである。

プリゴジン氏が、「3月末から4月初旬に(ウ軍が)大規模攻勢を計画中という情報がある。ワグナー軍がロ軍から切り離されないよう必要な措置を講じてほしい」とショイグ国防相に要請したが、ショイグ国防相は無視して、支援も弾薬なども優先的にワグナー軍に補給しないようである。ロ軍はワグナー軍排除に動いている。

このため、プリゴジン氏もワグナー軍の活動場所をウクライナからアフリカにする方向で検討を開始した。また、「ウ軍を過小評価し、内部紛争に関与するのを止めろ」と求めた。その内、ワグナー軍はバフムトから撤退になり、この方面でロ軍は総崩れになる可能性が高い。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

理不尽に殴られたことがある政治家と、ないボンボン議員の違いとは

周辺国の脅威に対し軍事力の強化を打ち出し、ついにはトマホークという敵基地攻撃能力の保有も閣議で決めたわが国。こうした重い決定をやすやすとできてしまうのは、理不尽に殴られた経験を持たないボンボンの世襲政治家なればこそと指摘するのは、辛口評論家として知られる佐高信さんです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、丸山真男と田中角栄という、ファシズムを嫌い日本の戦後民主主義に大きな影響を与えた2人の人物評を紹介しています。

理不尽に殴られた体験

旬報社から出ている「佐高信評伝選」の第4巻『友好の井戸を掘った政治家』の解説を書くために早野透と私の共著『丸山真男と田中角栄』(集英社新書)を再読した。

その4巻に私の『田中角栄伝説』が入っているからである。早野の決定版的名著『田中角栄』(中公新書)が出たのは2012年10月で、私は2014年5月に光文社知恵の森文庫に入る時に『伝説』と改題した『未完の敗者 田中角栄』(光文社)を出した。

東大法学部に学んで丸山真男教授のゼミ生となった早野は、『朝日新聞』の政治記者となってから、ゼミのOB会の席で、丸山に「田中角栄とはどういう男か?」と尋ねられたという。あるOBが、「下品な俗物です」と斬り捨てたので、早野は、「そうじゃありませんよ。角栄は民主主義です。丸山先生の弟子ですよ」と反論したが、丸川は何も言わなかったとか。

早野への弔辞でも引用したが、早野はある座談会で、こう指摘している。

「僕は戦後民主主義というのは、シンボリックに言えば、上半身の部分は丸山先生がつくっていったと思っています。戦後というものの自覚、あるいは戦争観というものです。そして下半身は田中角栄がつくっていった」

丸山の生まれた4年後に角栄が生まれ、角栄が亡くなった3年後に丸山が没している。つまり、75年間はこの国の空の下で共に生きていた。「本人たちは、お互い会ったこともないし、まったく違う世界に住んでいると思っただろうけど」と語る早野は、「軍隊でぶん殴られて、ファシズムは嫌い」という2人の共通点を挙げる。

通産(現経産)次官となっても非武装の旗を降ろさなかった佐橋滋を含めて、3人とも、軍隊で理不尽に殴られた経験を持っている。マインドコントロールをして殺人鬼にしなければならない軍隊は一切の反論、異議を認めない。いわば統一教会の信者と同じく天皇教の信者をつくるのである。

いきなり海軍主計将校となって殴られた体験を持たない中曾根康弘などが、同い年の角栄と違って軍拡論者となる。ボンボンの安倍晋三や岸田文雄も殴られたことがないだろう。だから敵基地攻撃能力などと言えるのである。

早野は、丸山が級長で角栄がガキ大将というたとえ話も披露した。

「ガキ大将は乱暴も働くし、親の財布から金をくすねることもある。周囲から反感を招くことが多いけれども、クラスの弱い子をかばったりもするでしょう。その点、丸山先生は級長だと思う。級長ではあるが、単に先生の言いつけをよく守るのではなく、ガキ大将に一目置いているような級長だ」

早野によれば角栄は「百姓の家で10人子どもがいたら、ひとりくらいは共産党になるものだ」と口癖のように言ったという。世襲政治家はこれが理解できない。

この記事の著者・佐高信さんのメルマガ

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かわいがっていたインコを亡くした悲しさをいい思い出に変えるには

コロナ禍以前の状況が戻り始めたことは、人によっては良いことばかりとは言えないようです。家にいる時間が減って、かわいがっていたインコの異変に気づくのが遅れて亡くしてしまい、4ヶ月も落ち込んだままという読者の相談に答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で、公認心理師の永藤さん。悲しみに浸っていたいのでなければ、一歩ずつ、一歩ずつ前に進む決心をして、まずは「つらくない5分」を作ることを提案。亡くしたのがインコであることに心無い反応をした同僚との付き合い方についてもズバリ、アドバイスをしています。

世界がずっと灰色

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。

Question

shitumon

40代女性。一人暮らしです。4か月前に、ずっとかわいがっていたペットのインコが亡くなって以来、世界がずっと灰色です。

ステイホーム中はずっと家にいて、世話ができたし何か異変があってもすぐに気づけたのですが、コロナの規制が緩和されて、出勤するようになってからすぐに、水やえさの減りが悪くなり、週末に病院に連れて行こうと思っていた矢先に、私が会社から帰ってきたら亡くなっていました。

看取ることもできませんでした。私がもっとちゃんと見てやれていたら、とか、なんで気づいてあげられなかったのだろうと、後悔しかありません。

私があまりにも落ち込んでいるのを見かねた同僚が、「どうしたの?」と尋ねてきたので、「ペットのインコが…」と涙ながらに話したら、「え?鳥?犬とか猫とかじゃなくて?」というようなことを言われ、さらに傷つきました。

いつまでもこんなじゃいけないと思っています。でも、あのかわいい姿ばかり浮かんできてしまいます。ずっと悲しくて、つらいです。

【永藤より愛をこめて】

心無いことを言う人がいるものですね。犬や猫だけがペットじゃないのにね。あなたにとって、インコが大切な家族だったというのに。

大切な家族を失ったら、そりゃ世界が灰色になります。部屋の中でも、その子がいた場所や使っていたケージを見たりすれば、「ああ、もういないんだよね」と、ものすごく大きな喪失感にすっぽりと包まれてしまうのは当たり前です。どんなに手を尽くしてあげていたとしても、後悔は残ります。だから今の気持ちは決しておかしなことではないです。

でも、「いつまでもこんなじゃいけない」と思っているんですね。悲しみを少しずつ手放したいと思っているんですね。「悲しみに浸ったままの自分」でいたいわけではないんですよね?

そうだとしたら、まずは一歩ずつ、一歩ずつ、小さな歩みでも構わないので、前に進んでいく決心をすることです。どうなっていたら、あなたはつらくなくなっているでしょうか?周りの風景は色を取り戻すでしょうか?インコちゃんの思い出を、笑顔で話せるでしょうか?

この記事の著者・永藤かおるさんのメルマガ

元朝日新聞校閲センター長が考察、侍ジャパンと「一生懸命」の縁

まさにドラマのような劇的なラストシーンで締めくくられたWBC。大車輪の活躍を見せた大谷翔平選手は昨年、WBCについて「より多くの人に楽しんでもらえるように一生懸命プレーしたい」と語っていたことが報じられました。そんな大谷選手が口にした「一生懸命」という言葉を取り上げているのは、朝日新聞の元校閲センター長という経歴を持つ前田安正さん。前田さんは自身のメルマガ『前田安正の「マジ文アカデミー」』で今回、「一生懸命」の本来の形である「一所懸命」が生まれた時代背景や意味を紹介するとともに、侍ジャパンと「一生懸命」の縁(えにし)について考察しています。

「一生」ではなく「一所」にかけた武家社会

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、みごと優勝した日本。アメリカとの決勝戦は、視聴率が42.4%だったそうです。この視聴率を見ても、国内の熱狂ぶりがわかります。

チームの「家庭的な一体感」が、サッカーW杯とは異なる魅力を醸し出していたようです。選手たちの一生懸命なプレーが奇跡的な演出をもたらし、劇的なドラマを見たような気がしたのは、僕だけではなかったのではないでしょうか。

それまでさほど興味のなかった人たちをも、アッという間にファンにしていました。野球を真剣に楽しむ姿が、これまでになかった魅力に映りました。

ということで、今回は「一生懸命」について考えていきます。

小学5、6年のころ「一生懸命」という4字を見て、なんと厳しい熟語なのだろうとやるせなくなったことを覚えています。

「一生」は「生まれてから死ぬまで」のことです。「懸命」は「力を尽くして頑張るさま」を言います。つまり「生まれてから死ぬまで、力を尽くして頑張る」という意味になるからです。もちろん子どもだったので、明確に字義を押さえていたわけではありません。

「一生」は「一所」のこと?

それでも、そんなにずっと頑張れるわけがないし、僕には絶対できないと思っていました。毎日、力を尽くして頑張っていたら、心のゴムが伸びきってしまうような気がしたのです。こんなことができるわけがない。僕はこの四字熟語に対して強烈な敵意を持っていました。

中学に入って、大きな辞典を使うようになりました。あるときふと、このことばを引いてみると「一生懸命」はもともと「一所懸命」だということがわかりました。

「一所」なら、一つところだから、まあ自分でも頑張る余地があるかな、と思いながら、さらに読み進めました。

すると「一所」は「主君から与えられた領地」のことだと書いてありました。さらに「懸命の地」とか「一所懸命の地」ということばがあることも知ったのです。これは、「一家の家計を支えるべき大切な領地」のことでした。

武家社会から生まれたことば

『国史大辞典』によると、『北条五代記』には「是は頼朝公より以来我家につたはる所領なり、此所領なかりせハ君をもたつとふへからず(尊ぶべからず)、戦場にて命をも捨へからず、此所帯に身命を売切たる故に一所懸命と書ていのちをかくとよめり」と記されているとあります。「武士階級が主君への奉公、軍役の義務を果たすうえで、命をかけて守るべき本領を一所懸命地と称していた」(鈴木英雄)というのです。

「武士階級にとって一所懸命地の確保と新恩所領の給与にあずかることは主君への奉公と一族の発展にとって不可欠の要件であり、一所懸命という語は、在地に居住して領主的支配をおしすすめている時期の武士階級にふさわしい表現」(鈴木英雄)だったのです。現代でも、土地が重要な資産となっているところが面白いですね。

この記事の著者・前田安正さんのメルマガ

もはや中国の属国に。開戦1年で没落したプーチンが滅ぼすロシア

3月20日からの3日間、モスクワを訪問しプーチン大統領と首脳会談を行った習近平国家主席。しきりに両国の親密さがアピールされましたが、この習氏訪ロは双方にとって実りのあるものだったのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、具体的成果は何一つなかったと断言。さらにウクライナ戦争の開戦からわずか1年で、ロシアが中国の属国と化してしまったという「残酷な事実」を紹介しています。

かくしてロシアは中国の【属国】になった

3月20日から22日まで、習近平はロシアを訪問していました。この訪問について私は、2,455号(3月20日号)で、結果を予測しました。

習近平の目的は、「ウクライナ戦争の和平を仲介し、世界での評判を爆上げすること」。プーチンの目的は、「中国から武器を受け取り、戦争でウクライナに勝利すること」。

両者の思惑がずれているので、実質的進展は望み薄。それでも、「両国関係は最高だ!」と宣伝するだろうと。

実際、何が書いてあったか、一部引用してみましょう。

習近平は、ロシアとウクライナを停戦させることができるでしょうか?

 

プーチンは、一度併合したクリミアと4州を手放すことができないでしょう。ゼレンスキーは、侵略されて奪われた自国領を手放すことができないでしょう。それで、習近平の試みは、うまくいかないでしょう。

 

プーチンは、中国から武器を受け取るでしょうか?こちらも、なかなか難しい。中国がロシアに武器を供与していることがバレれば、欧米は中国に制裁を科すでしょう。

 

欧米日は、世界GDPの約半分を占めています。一方、ロシアが世界GDPに占める割合は、2%以下。中国が、欧米日との経済関係を犠牲にして、ロシアに武器を供与するとは思えません。もちろん、「ばれない程度にこっそり」というのはあり得るでしょう。

 

結局、習近平の訪露は、成果をあげられない。しかし、習近平もプーチンも、「中国とロシアの関係は、歴史的に最高レベルだ!」などと宣言し、良好な関係をアピールすることでしょう。

実際は、どうだったのでしょうか?

中国の和平案について。

プーチンは、「西側とウクライナは受け入れる準備ができていない」といいました。これは、「西側とウクライナのせいにして、習近平の和平案をやんわりと断った」ということです。中国が発表した「停戦案」要旨はこちら。

外交部が「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」を発表

習近平の和平案は、具体的なものではありません。だから、習近平は、プーチンの合意をとりつけ、「具体案」に進みたかった。

ところが、プーチンが、「いや、西側とウクライナは準備ができていないだろう」といったので、話が進展しませんでした。

東大卒が教える、口下手でも人を思い通りに動かせる4つの枕言葉

ビジネスやプライベートでも、口が立つ人は何かとうまくいっている気がしませんか? そうでない人にとってはうらやましい話です。ところが、口ベタでも思った通りに人を動かす方法があるといいます。今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、 皆さんの思い込みを払拭する一冊です。

人を動かす話し方?⇒『「口ベタ」でもなぜか伝わる 東大の話し方』

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「口ベタ」でもなぜか伝わる 東大の話し方

高橋浩一・著 ダイヤモンド社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、東大卒の営業プロフェッショナルが、口下手でも人から「イエス」を引き出すコミュニケーションノウハウを述べた一冊。

相手から強引に「イエス」を勝ち取るやり方ではなく、「断られない」「ノー」と言われにくい、ツボを押さえた話し方を提唱しています。

仕事ができる人の定義にはいろいろあると思いますが、「他人にお願いできる」「お願いして協力してもらえる」というのは、間違いなく「できる人」のスキルだと思います。

本書では、どうお願いすれば聞いてもらえるのか、どう切り出せば断られないか、何を押さえれば人が動いてくれるのか、著者の経験に基づくやり方が書かれています。

最近の本は、とかく客観性、再現性を重視するあまり、どの本も似たような理論紹介が多いのですが、本書はプロからの実践アドバイスが中心で、リアルなコーチングを受けている感覚で読むことができます。

読者が営業であれば、すぐさま役立つと思いますし、そうでなくても、本書の人を動かすスキルは、人生のどこかの場面で役立つと思います。

土井はバイヤーをやっていた関係で、数百人単位の営業さんのトークを聞いてきましたが、できる営業さんというのは、こういうツボを押さえた話し方をマスターしているものです。

そしておそらく、僕とそれ以外の方では、話し方やアプローチも思いっきり変えているはずです(笑)。

相手を知ること。そして相手のニーズを知ること。

営業や商売で大切なことが、コンパクトにまとめられています。

 

大学全入時代が元凶?現代の若者が失敗を恐れるようになった理由

桜が満開になる今頃は、進級、進学、新生活の季節。これから大学生になる皆さんの中には、目標としていた第一志望の学校に合格し、晴れやかな思いで入学を心待ちにしている人もいるでしょう。反対に、願いが叶わず暗澹たる気持ちのまま春を迎えたというケースもあると思います。メルマガ『喜多川泰のメルマガ「Leader’s Village」』の著者で自己改革小説の第一人者・喜多川泰さんは、大学受験の意味と「不合格」に含まれたあなたの勇者たる印について語っています。

勝者より、勇者たれ

十数年前、高校入試の実績として「塾生の合格率100%!」を謳った広告を掲げている塾があった。

数字のインパクトが凄いから、それだけ見ると「いい塾なのかなぁ」と思ってしまう人もいるのかもしれないけど、実際には中3生が1人しかいなくてその子が合格しただけかもしれない。

その状況でも「合格率100%」というのは嘘ではない。数字って怖い。

人数が多くなるほどに100%を達成するのは難しくなる。

特に真剣に勉強をする人が増えるほど100%は難しい。

だから人数が多くて本当に100%を達成したのであれば、その塾の生徒たちは合格できる高校を受験するように指導されただけかもしれない。

「このまま受けても絶対落ちるぞ。受けるだけ無駄だから志望校を変えたほうがいい」と毎日言い続けて、合格できるところに志願を変更させる。

そうすることで誰もが合格できるところを受験した可能性もある。

実際に「行きたい高校」を受験するのではなく「合格できる高校」を選択する人は多い。

まあそれを「進路指導」と言うのかもしれないけど。

もちろん頑張った結果「合格できる高校」のレベルが上がって、そこに合格できるようになったということであれば「おめでとう」という言葉も相応しいのかもしれないし、単純に高校のレベルの問題ではなく、最初から行きたい高校というのが、それほど勉強を頑張らなくても行けるときもある。それも「おめでとう」なのかもしれない。

とにかく状況は一人一人違う。

一つ一つの合格に、それぞれの意味がある。

だけど、受験生を指導していると、「頑張るのが嫌で」「遊ぶ時間が欲しくて」「努力をしなくてもいけるところで」という理由で志望校を下げて合格できる高校を選択する子もいる。

もちろん、それらをすべて一括りにして「めでたくない」と言うつもりはない。

義務教育は中学まででも「高校までは行くもの」というのが社会通念上の一般論ではあるので、行きたいところではなく合格できるところを選択しなければならないという背景もあるのは理解している。

だから実は村長も、高校合格に際しては個々の状況に関わらず「おめでとう」と伝えてきた。

ただ、その意味合いは、人によっては「合格おめでとう」であったり、別の人に対しては「進学おめでとう」であったりと様々だ。つまり、何かをクリアすることに対する「おめでとう」ではなく、七五三や成人式などと同じように、そこまで成長し生きて来たことに対する「おめでとう」もあるということだ。

この記事の著者・喜多川泰さんのメルマガ

謙遜は本当に「美徳」なのか?やりすぎる人の人生が好転しないワケ

日本独特の表現に“謙遜”があります。謙遜は美徳とも言われますが、「それをやりすぎてしまうと自分にとって良くない」と語るのは、無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょうおんさん。それは一体なぜなのでしょう? 佐藤さんは、その理由について解説しています。

謙遜バイアスを外す

他者に何か良いことをした時、例えば募金や寄付行為をした時に、

 ▼ ほんの少しですが…
 ▼ 大した金額じゃないのですが…
 ▼ 自慢できる金額ではないのですが…

みたいに謙遜する人っていますよね。

たしかに謙遜の意味があるわけですが、このセリフがクセになると運勢は良くなりません。

金額が少ないかどうか、そのおカネや行為が相手の役に立っているかどうかは、施しをしたあなたが判断することではないんです。たとえ100円であれ、better than nothing なんですから。

あなたは出来得る範囲で、施しをした、サポートをしたということを誇りに思えば良いんです。それを打ち消すかのような謙遜に意味はありません。

私は運勢を変えるために、コンビニで募金箱を見掛けたら10円で良いから募金しなさいということを話すのですが、これだって

 ■ たったの10円で人生が変わるわけないじゃん

と思ってやる人には、幸運はやって来ないんです。だって、募金という行為を、人生が変わるわけがないという言葉で打ち消してしまったんですから。

 ● この10円の積み重ねが私の人生を変えるのだ!ガッハッハッ!!

と言える人の方がサクッと、圧倒的に人生を好転させられるんです。