習近平政権をイライラさせる米の「言行不一致」は2023年も続くのか?

2023年の年明け早々にも中国を訪問するアメリカのブリンケン国務長官。12月11日と12日には次官級の事前協議が行われ、中国側はその内容を評価するコメントを発表しました。しかし、額面通りに受け取れないと解説するのは、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、バイデン政権が今回の事前協議の前後にも中国への対抗を意図した言動を繰り返し、習政権を苛立たせる「言行不一致」が続いていると指摘。アメリカ・アフリカ会議で米国が表明した投資強化も、アフリカ諸国に響くかは疑問とする理由を伝えています。

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アメリカ・アフリカ会議でバイデン政権は第三世界の勢力図を塗り替えられるのか

先週も書いたように、中国の都市部では新型コロナウイルス感染症(=コロナ)が凄まじい勢いで拡大し、街から人影が消え、多くの学校が休校になった。

習近平が「ゼロコロナ(=動的ゼロコロナ政策)にこだわり経済を犠牲にしている」と半ば嘲笑し、反ゼロコロナで声を上げた若者を持ち上げたメディアは、そのロジックがいかにいい加減で、身勝手なものだったかを思い知ったのではないだろうか。

習政権が恐れてきた「中国の国情」というものが、まさにこれなのだ。コロナが弱毒化したと見切り、対策緩和に踏み切ったものの、ここから先は大きな賭けだ。果たしてどうなることか。

さて、今回はコロナの話題ではない。米中関係に目を向けたい。目下の注目は、2023年の年明け早々にも実現するとされているアントニー・ブリンケン米国務長官の訪中である。その前提の話し合いのため、2022年12月11日と12日の2日間、訪中したダニエル・J・クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)と国家安全保障会議(NSC)のローラ・ローゼンバーガー上級部長(中国・台湾担当)が謝鋒外交副部長(外務次官)と会談した。場所は、河北省廊坊市だ。

国務省はこれに先立ち、今回の話し合いについて、「先の首脳会談を踏まえた検討状況を確認し、両国間の競争を責任を持って管理し、協力できる可能性がある分野を探る」(10日)と発表していた。

会談終了後の会見で、中国外交部の汪文斌報道官は、「バリ島での中米首脳会談での共通認識の実行、中米関係の指導原則に関する協議の推進、台湾問題など双方関係における重要かつ敏感な問題の適切な処理、各レベルでの交流と関連分野における協力の強化について踏み込んだ意思疎通を行うとともに、関心を共有する国際・地域問題について幅広く意見を交換した」と説明。協議は「率直で、深く、建設的だった」と評価をした。

だが、これを額面通り受け止めるわけにはいかない。というのも中国側はずっとアメリカとの会談において、会談の中身よりもその後の言動をより重視しているからだ。このメルマガでも書いてきたように習政権は、バイデン政権の「言行不一致」に苛立ちを募らせてきたのだ。

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中国の民主化に光。在日中国人から見たゼロコロナ「白紙革命」という希望

中国では、新型コロナウイルスの感染拡大から3年が経過し、若者たちが率先して「白紙革命」を起こしました。今回のメルマガ『黄文葦の日中楽話』では、2000年に来日し現在は日本に帰化されている中国出身の作家・黄文葦さんが、その革命について詳しく解説。白紙革命がもたらした民主主義の力とはどのようなものだったのでしょうか。

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コロナと民主主義の曙光

19年前、当方が書いた修士論文のテーマは『中国マスメディアにおける批判力の「量」と「質」』。主にSARS報道を例として、中国マスメディアの姿勢を分析した。数ヶ月間、当方がSARS報道を研究していた。広東地方のメディアがかつて情報公開に消極的な当局の姿勢を批判した。当時、政府が情報隠蔽をした…。

残念ながら、十数年に経っても、コロナ初期、政府の隠蔽の体質が変わっていなかったようだが、コロナの感染拡大から3年、つい中国の若者たちが率先して「白紙革命」を起こし、全国封鎖の状況を変えてきたことが、確かに慰めである。コロナと民主主義は、これからの中国研究の重要なテーマであるかもしれない。

今年11月、大勢の一般の中国人が街頭に出て、中国の新型コロナ流行時の高圧的な封鎖や、中国全体の弾圧に不満を表明したのである。ただし、「言いたいことが言えない」ので、多くの人が白い紙を掲げていた。それが「白紙革命」の由来だ。

警察は多くのデモ参加者を拘束し、人々が集まりそうな場所を封鎖したが、それでも中国政府は世論に屈することを余儀なくされた。12月7日、「ゼロコロナ政策」の緩和を明確に発表した。中国指導部は抗議活動を認めない一方で、自らの判断で行動しているように見せかけ、国民を弾圧してきたコロナ政策の過酷な制限の多くを終了させた。

隔離はより短期間に、より対象を絞って行われるようになり、コロナに陽性反応を示した軽症者は、隔離に連れて行かれるのではなく、自宅で過ごすことができるようになる。PCR検査は、ほとんどの公的な場では、もはや定期的に必要なものではない。症状を隠せないように規制されていた風邪薬やインフルエンザの薬が、再び買えるようになる。

「白紙革命」は、一定の効果を発揮した。中国人はようやく、権力に声を届けるという民主主義の力を味わったのである。もちろん、政府の対応は、独裁を終わらせたいという大きな願いに応えるものではなかった。独裁体制が続いており、街頭抗議行動で拘束された人たちは、今も拘束されているだろう。状況は依然として芳しくない。

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「愛国」ではなく「愛アベ」が増えすぎた結果、日本の保守が変わってしまった

誰かのファンになると視点が狭まって周りが見えなくなってしまう─。芸能人に対しても、政治家に対しても、一個人に対してもよくあることだと思います。現役医師の和田秀樹さんが今回、自身のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』で語ったのは『愛アベ』になってしまった保守派たちのお話です。

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保守論壇の一員が語る「保守の変質」

安倍元首相の大ファンの方のFacebookの記事が私のもとによく届く。

その人は私の編集者で昔の同志と思っていたので、いろいろとコメントを書いてお送りするが、まったく通じないようだ。

安倍氏が圧倒的に雇用を改善させたので、若者の支持が厚いとも書いている。

いろいろな統計をみると確かに失業率は下がっているが、民主党政権だってその前の自民党政権より失業率が下がっている。

そして民主党政権時代は一人当たりのGDPにしても、最低賃金にしても韓国を圧倒していたが、アベ政権末期くらいからそれがおおむね並び、現在は抜かれてしまった。

いちばんの問題は、失業率が下がり、人手不足と言われているのに、賃金がさっぱり伸びないことだ。

経済学の原則としては人手不足が起これば賃金が上がる。実際、オーストラリアでは清掃職員が月収70万円くらいもらっている。ところがアベ政権は移民法を作って外国人を入れることで人手不足なのに給料が上がらない政策を断行した。

この記事の主はそれでも圧倒的な雇用の改善により、若者の支持が厚いと言っている。

日本も30年不況で安い給料でも雇われるだけましと思う若者が増えているのだろうか?そんなことでは消費不況は改善しないし、日本は外国から安い国と思われてしまう。

ついでにいうと、失業率を改善させるためには役場の窓口が残酷になって生活保護を門前払いにするのがいちばん有効だ。悪い条件でも飢え死にするよりましと思って働くから失業率が改善する。失業率がゼロに近いのに賃金が上がらない国というのは、たいがいそういうメカニズムだ。それでも働き口があるといって喜ぶとしたら先進国とは言えない。

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現代版にリメイクされた『うる星やつら』の舞台は、なぜ「昭和」のままなのか?

昭和の時代にアニメ化されていた『うる星やつら』が、現在リメイクされて放送されているのはご存知でしょうか?しかし、リメイクされたというのに、舞台は「昭和」のまま。これはなぜなのか、心理学者・富田隆さんのメルマガ『富田隆のお気楽心理学』の中で語っています。

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リメイク版『うる星やつら』の制作者たちはなぜ敢えて「昭和」という舞台設定を変えなかったのか?

貴方様はテレビアニメなどはご覧になりますでしょうか?

今、高橋留美子さん原作の『うる星やつら』がリメイクされ放送されています。作画技術の進歩などに合わせて、多少は今風にアレンジしている面があるとはいえ、基本的に原作の雰囲気に忠実な仕上がりになっています。

高橋さんの漫画の原作が1980年(昭和55年)、最初にテレビアニメ化されたシリーズの放送が1981年から1986年(昭和61年)のことですから、『うる星やつら』は完全に「昭和」の物語です。ですから、今回のリメイク版、つまり「令和版」も舞台背景は昭和に設定されています。

部屋に置かれたテレビ受像機も角が丸いブラウン管型ですし、家庭用の電話は黒電話、もちろん、ケータイなんぞ影も形もありません。街並みや高校の教室なども「昭和」ですし、高校生の主人公、諸星あたるが両親と暮らしている木造二階建て家屋(物語の中で何度も破壊されますが、いつの間にか直っています)の雰囲気も「昭和」そのものです。この点、テレビアニメの『サザエさん』一家が暮らす家が「平屋(ひらや:一階建て)」で、経済高度成長期「以前」の雰囲気を醸し出しつつあるものの、放映の時代に合わせて少しずつ変化して、いつの間にか現代の話のようになっているのとは違います。

令和版『うる星やつら』の場合は、バブル期(1986-1991年)直前の明るく開放的な人々の生活がほぼ忠実に描かれています。

なぜ制作者たちは敢えて「昭和」という舞台設定を変えなかったのか?

この物語は、高校生の「諸星あたる」、というよりは宇宙人の「ラムちゃん」を中心に展開するハチャメチャなSFコメディーであるわけですが、「SFだから、時代背景は関係ないだろう」などと考えたとしたら、文化というものの本質を見誤ることになります。この物語を構成する基本的なプロットや物語の中で生じる葛藤などが「昭和」の時代背景を前提にしなければ成立しないからです。

つまり、SFであろうが妖怪物語であろうが、推理ものやアクションものであろうが、大衆に支持されたヒット作品は一様に「その時代」を反映しているのです。それは、こうした作品がポピュラーな「大衆文化(ポップカルチャー)」に属しているからということが理由ではありません。いわゆる「芸術」と呼ばれるものを含めて、あらゆる領域の文化的遺産が、多かれ少なかれ生み出された「時代」と「地域文化」を反映するものだからです。

確かに、優れた文化芸術作品には時代や地域文化を超えた「普遍的な要素」も含まれています。ですから、普遍的な面を多く内包した作品は、時空を超えて愛され称賛されるわけです。しかし、そうした作品であっても、それらもまた時代や地域文化の「衣(ころも)」を纏っています。たとえ、それが古代の女神像であり裸体の彫刻であったとしても、実は彼女もまたそうした「衣」を纏っているのです。

この現実を時代や文化による「限定」とみるか「豊かさ」とみるかは、受け止める側である鑑賞者の「教養(広い意味での)」と「精神の自由度」にかかっているのではないでしょうか。

ですから、「ラムちゃん」たちが繰り広げる物語は、最早「古典」となっているのです。

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安倍氏に習った手口か。“大軍拡”を先に「閣議決定」する岸田首相の大暴走

十分な議論も説明もなされぬ中、閣議決定された安保関連3文書。「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」として保有することが明記されるという、まさに戦後防衛政策の大きな転換点となるわけですが、識者はどう見るのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』ではジャーナリストの内田誠さんが、反撃能力の保有が安全保障につながらない可能性を指摘するとともに、その理由を解説。さらにかような重要事項を閣議決定後に国会に諮る、岸田首相の乱暴さを非難しています。

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岸田首相「防衛政策大転換」会見、あまりに酷く最悪だった中身:「デモくらジオ」(12月16日)から

冒頭にお話申し上げようと思いますのは、つい先ほどまで、いや、まだやっていますか、もう終わりましたかね、6時半からでしたか、岸田総理の官邸での記者会見がありました。きょうの臨時閣議で、例の、防衛関係の3文書をかえるということで、それについて閣議決定をしたようです。

これ、内容的にはこれまで言われてきたことプラスアルファですが、基本的には戦後の防衛政策の大転換。2015年、安倍元総理が推進した例の安保法制、あれこそ、戦後防衛政策、安全保障政策の大転換そのものだったわけですが、それに勝るとも劣らない、非常に大きな変化をこれから我が国はやろうとしていることになってしまいます。

もっとも、自民党内でもかなり大きな反発を呼んでいる、とりわけ財源論のところですが、来年の統一地方選を控えて増税の話とは何事かというタッチの、いかにも議員らしい発想の批判もあるようですし、閣内でも高市さんとかね、あるいは与党内、公明党はどうだかよく分かりませんが、批判があります。

もちろん、年明けから始まる通常国会の中で、野党からのそれはそれは厳しい批判を浴びることになるでしょう。日本維新の会とか国民民主党などは基本的な反撃能力云々に関して、これ、あとでお話し申しますが、その部分については賛成のようですので、そのような批判ではないのかもしれませんが、少なくとも立憲民主党や共産党やその他の政党に関しては、戦後の憲法違反の政策だというタッチになると思います。

後でご紹介する本会議プレーバックのなかでも、もしかしたら語られているかもしれませんが、なかなか人が集まらないというね、いわゆる反対運動を組織しようとしてもなかなか人が集まらない状況になっているという。これはコロナの影響もありますけれど。そのもとで大衆的な反対運動が起こるかどうか、なんとも言えないですが、論議の内容そのものについては大変危ういというか、岸田さんという人はいったいどういう人なのだろうかという感想を今日も…。

私、クルマを運転しながら岸田さんの、例によって途切れ途切れになるような不思議なしゃべり方の会見を聞いていたのですが、ある場所で危なくブレーキを踏みそうになりましたよ。非常に、酷い会見でしたね。どういうことだったかというと、基本的に安全保障環境が大きく悪化していると。ごく一般論としては正しいと思います。中国の力による現状変更というような話とか、北朝鮮がミサイルをバンバン撃っている、しかもそのミサイルがロフテッド軌道だったり、飽和攻撃だったり、つまり防衛しづらい状況になっている。つまり日本の国の領土と国民の生命・くらし・財産、こうしたものが脅かされているのだということです。で、安全保障の考え方を変えなければいけない、そういうことだと思われます。

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残る手段は核使用のみ。プーチンが国家の存続に関わる賭けに出た

西側諸国から最新鋭兵器の供与を受け続けるウクライナの攻勢に、多数の戦死者を出しているロシア軍。もはや戦術核の使用しか事態を打開する手立ては残されていないようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、両軍の激戦が続く各地域の戦況を詳しく解説。さらにロシアを代表する国際政治学者がインタビューで口にした衝撃発言と、「唯一の停戦手段」を紹介しています。

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冬に攻勢へ転じるはずが…ウクライナ軍まさかの停滞

ウ軍は、冬に攻勢に転じるはずが、まだ攻勢になっていない。凍結が十分ではなく、戦車などの移動がまだできないようである。今後を検討しよう。

冬になり、道の凍結するはずが、まだ泥濘の状態で、機甲部隊も動けないようである。このために、前線が、あまり動かない。

前回述べたウ軍の機甲化部隊が動かない理由は、まだ泥濘の状態で動けないことである。しかし、徐々に、ウ軍の戦略の方向性が見えてきている。温存の機甲化部隊の進軍はどこかを推測したい。

ザポリージャ方面

メルトポリ周辺のロ軍基地、補給基地、橋などをHIMARSの砲撃、パルチザンの破壊工作などで、破壊している。特にマリウポリと繋がるM14道路のモロチナ川の橋をウ軍特殊部隊が破壊した。その後、銃撃戦も起こっていた。

この橋は、メルトポリとマリウポリを結ぶM14道路の橋で、ロシアのロストフ・ナ・ドヌーとマリウポリとメルトポリ、そして、クリミア、ヘルソンを結ぶ補給のメイン道路である。このメルトポリは補給の拠点でもある。

このため、メルトポリには、この一帯の重要な拠点として、ロ軍兵の基地や補給拠点などが密集している。その基地や拠点をHIMARSで砲撃されて、多くのロ軍に死傷者を出ている。

そして、ベルジャンスク市でも、ウ軍特殊部隊が、変電所を爆破したようである。同州エネルホダルやトクマクなども攻撃したと報告。この攻勢で総数150人を負傷させ、砲門の陣地3カ所に被害を与えたとした。ザポリージャ州の補給の要衝を複数個所に攻撃しているようである。

ウ軍の狙いは、補給を止めて、撤退せざるを得ない状態にロ軍を追いやることだ。南ヘルソン州でのロ軍撤退のような状態を作り、その上で冬にメルトポリへの機甲部隊による攻撃を計画しているのであろう。

このため、攻撃の数週間前に、ロ軍基地や橋などの重要な基地・補給ラインを切ってきたというようである。

しかし、ロシア本土からアゾフ海をフェリーや揚陸艦で渡り、物資を運ぶ方法で、クリミアへの物資輸送はあり、陸路での補給ということになる。

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既に感染爆発が発生か。ゼロコロナ破綻の中国を2023年に襲う地獄

ゼロコロナ政策に対する猛烈な抗議デモを受け、大幅な緩和策に出た習近平政権。果たしてその判断は正解だったのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、北京で早くも発生したという感染爆発を伝える記事を紹介。さらに中国にとって2023年が、「進むも地獄、退くも地獄」となってしまう理由を解説しています。

なぜ中国の2023年は【進むも地獄】【退くも地獄】なのか?

今回は、中国の話です。

中国でゼロコロナ政策に反対する大規模デモが起こった。皆さん、ご存知でしょう。

デモでは、「習近平やめろ!」「共産党やめろ!」といったスローガンを掲げている人たちもいました。「国家主席やめろ!」というデモは、1989年の天安門事件時以来、実に33年ぶりとのことです。

習近平も驚いたのでしょう。速やかに、「ゼロコロナ政策」をやめました。問題は、これからどうなるかです。

中国ゼロコロナ政策の成果

新型コロナパンデミックは、中国から始まりました。ところが、中国は強権を発動し、ゼロコロナ政策を推進することで、新型コロナを抑えこむことに成功します。

新型コロナの感染者数と死者数トップ10を見てみましょう。2022年11月末時点で、

  1. アメリカ 感染者数98,628,566人 死者数1,079,477人
  2. インド 感染者数44,673,293人 死者数530,615人
  3. フランス 感染者数36,671,077人 死者数155,221人
  4. ドイツ 感染者数36,419,717人 死者数157,657人
  5. ブラジル 感染者数35,149,503人 死者数689,442人
  6. 韓国 感染者数27,031,319人 死者数30,454人
  7. 日本 感染者数24,541,816人 死者数49,289人
  8. イタリア 感染者数24,260,660人 死者数181,098人
  9. イギリス 感染者数23,998,168人 死者数211,845人
  10. ロシア 感染者数21,273,541人 死者数383,993人

では、中国はどうなのでしょうか?

 53.中国 感染者数1,524,446 死者数5,233人

中国は人口世界一の国でありながら、感染者数は人口10分の1以下日本の16分の1、死者数は9.4分の1です。それで、習近平がゼロコロナ政策を自画自賛する理由も理解できます。

独裁体制でないため、完璧なゼロコロナ政策を実行できなかった他の国々は、どうなったのでしょうか?2020年にパンデミックがはじまり、2021年、2022年にかけて、いくつかの波を越えてきました。日本は、現在第8波だそうです。

2020年は、新型コロナのことがわからず、本当に恐ろしかった。2021年は、ワクチンが普及しました。2022年は、自分がコロナにかかったか、親戚、友人、知人がコロナにかかったか。「コロナ慣れ」して、恐怖心がなくなってきた。日本も他の国々も、3年かけて「ウィズコロナ」の時代に移行したのです。

ところが、「ウィズコロナ」に移行できなかった大国があります。そう、中国です。

なぜ多くの人が、中島みゆきの「時代」という歌に救われてきたのか?

歌はときに傷ついた人に寄り添い、元気づけ、明日を生きる力を与えてくれることがあります。85の手記が編まれた『私を支えたこの一曲』(1996年 歌の手帖編)という本の中で、最も多い3人があげているのが、1975年に発表された中島みゆき作詞作曲の「時代」でした。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』で、評論家の佐高さんは、3人のうちの1人のエピソードを紹介。50年近くも聴き継がれ、多くの歌手がカバーして歌い継いではその歌詞のままに生まれ変わり、さらに多くの人とのめぐりあいをくり返すこの歌が、なぜ人の心に響くのか、探っています。

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中島みゆきが歌った「時代」に救われた人々

「時代」の歌詞を、お堅い役所(経済企画庁)がもろに関わっている雑誌に書く原稿の冒頭に引いたことがある。時代は変わっても、お役所言葉は変わることがない、と皮肉ったのである。

1975年秋、帯広で医者をやっていた中島の父親が脳溢血で倒れた。51歳だった。「時代」はこの父親が再び歩き出す日への祈りを込めて歌われたと言われる。しかし、その日が来ることはなく、翌年の1月に父親は亡くなった。

歌の手帖編の『私を支えたこの一曲』(青年書館)という本がある。全国から寄せられた85編の手記の3編もが「時代」を挙げている。他にこれほど挙げられている曲はない。『この一曲』は1995年に募集されているが、当時33歳の家事手伝いの淡路みさほは3度「時代」に支えられたという。

1度目は彼女が中学2年の時だった。父親の仕事の都合で転校し、「転校生のくせに生意気だ!」と、ひどいイジメにあう。思い出したくないが、文化祭のキャンプファイヤーを囲むフォークダンスで、男子生徒が誰も手をつないでくれなかった。1人輪を抜け出して自宅に帰り、思いきっり泣きながら、怒鳴るように「時代」を歌った。この曲がなかったら…。

2度目は岩見沢高等看護学校2年の時。父親が急逝した。45歳の母親と中学2年の弟は落胆しきっている。しかし、彼女は泣けなかった。
「人は本当に哀しい時、泣けないんだ」
そう思った。

今後の生活のことで頭がいっぱいだったからかもしれない。半年くらい経って、何とかメドがついたら、今度は涙が止まらなくなった。「みさほ、どうした」という父親の声がする。そんな感じの中で、まるまる2週間、部屋にこもって「時代」を聴いた。

「1つ1つこわれたお皿の破片を合わせるよう」な思いだった。いわば、1人だけの葬式である。「しっかり俺の分まで生きてくれ!」涙も涸れるほど泣き続ける彼女に向かって、天国の父親はそう言っていた。

そして3度目。ナースになって4年後。彼女はメニエール氏病、および自律神経失調症になり、ドクターに難病と診断される。それから10年の闘病生活。自分が情けなくて、何度か「死」の世界へ旅立とうとしたが、そのたびに「時代」のメロディに重なって父親の姿が見え、自殺を思いとどまった。

『魔女伝説 中島みゆき』(集英社文庫)を書いたこすぎじゅんいちは、この歌姫について、「近眼」と「転校生」というポイントを挙げている。「見えないものに、いくら眼をこらしても無駄だと教えてくれる近眼故に彼女は自分の世界に沈潜する傾向を持ったし、転校生故に、人見知りと人恋しい感覚の双方を強めた」というのである。

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デキるビジネスマンがやっている、仕事の効率を上げる3つの方法

仕事の効率を飛躍的に上げるためには何をすればいいのでしょうか。今回のメルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』では、著者で営業コンサルタントの菊原智明さんが、そのための3つのステップを紹介しています。

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仕事の効率を飛躍的に上げるための3つのステップ

以前から付き合いのある知人のこと。少し前からボディメイクにのめり込んでいる。会うたびに大きくなっている。今やちょっとしたレスラーのように。

知人は「体が成長していくのが楽しい」と言っていた。

さらには「運動するようになってから余計なことも考えず、脳のキレも良くなった」と話している。これは思わぬ副産物になったという。この話を詳しくしたいが、長くなりそうなのでこのあたりで本題に入る。

これから仕事の効率を飛躍的に上げるための“3つのステップ”について紹介させて欲しい。

まず1つ目のステップ。以前より“パフォーマンスを上げる”といったことが注目されてきた。

その一つの方法として“悪いものを体内に入れない”といったものがある。

いくら運動しても体に悪いものを食べていたら効果は激減してしまう。体に悪いものを入れないようにする。これをやらずしてパフォーマンスの向上は望めない。

これは体だけの話ではない。むしろ心やメンタルに非常に大きな影響がある。

あなたのまわりの結果を出している人を思い出して欲しい。結果を出す人はいい情報も入れるが“害のある情報をシャットアウト”しているはずだ。

私の知人は「ネガティブな影響を受けることは極力避ける」といった行動をとっている。例えば、

・愚痴が多い人とは付き合わない
・ネガティブ思考の人との接触を避ける
・言い訳をする人と距離を置く
・悪いニュースを見ない

などなど。これは見るものすべてに言える。もちろんドラマや映画も影響される。

少し前のこと。感動するがちょっと胸が苦しくなる映画を見た。内容的は非常に良かった。

しかし、その日はもちろん。数日、経っても「なんか気持ちが暗くなる」といった感じが抜けなかったのだ。

すべてのことは自分に影響がある。まずはネガティブな要素を持ち込まない。これはぜひ意識するべきこと。

これができたら2つの目ステップへ。次にして頂きたいのは“気持ちが盛り上がり仕組みをつくる”ということ。

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