米国債を大量投げ売り中。中国は一体何を考えているのか?

年初から波乱含みの展開を見せる各国の株式市場。メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』の高城剛さんによると、世界経済の実態がわかるある指標の数値が史上最低を記録、さらに下げ続けているのだそうです。その原因を「米中間の問題」であるとする高城さんは、中国が捨て身の対米経済戦争を仕掛けている、と読んでいます。

本当の株価大暴落は、これからやってくる

今週は、世界経済の体温と呼ばれるバルチック指数につきまして、お話ししたいと思います。

先週に引き続き、今週も多くの方々から市場の暴落が続いている世界経済の行方につきまして、ご質問を頂戴しています。そこで、以前も一度お話ししましたが、ここで改めまして世界経済の体温計とも言われる「バルチック海運指数」とその現状、また、今後の世界経済につきまして、私見たっぷりにお話ししたいと思います。

通称BDIと呼ばれる「バルチック海運指数」は、ロンドンのバルチック海運取引所が発表する外航不定期船の運賃指数で、ブローカーなどから鉄鉱石・石炭・穀物といった乾貨物(ドライカーゴ)を運搬する外航不定期船の運賃を聞き取り算する、世界経済の実態がわかる的確な指標のひとつだと言われてます。この基準となる数値は、1985年1月4日を「1,000」として算定しており、リーマンショック前の「11,793が最高値です。

実体経済が大きく乖離したリーマンショックを前後して、世界中が「異次元」の金融緩和を続けてきましたので、どこかで「異次元」から「現実」に引き戻されることが予測されます。金融緩和によって株式や先物が高騰し、実体経済とあまりにも乖離していることは、本メールマガジンでも長年に渡ってお話しし、また、多くの皆さんの生活実感の中でもお感じになっていることだと思います。

そこで、「現実」を確かに見るひとつの指標として、「バルチック海運指数」を用います。「バルチック海運指数」は、ドライカーゴの移動を数値化したものですので、意図的に操作できる先物とは違う「現実を反映した数値です。リーマンショック時には「バルチック海運指数」が暴落し「650」で大騒ぎしていましたが、今週の数値はなんと「390」で、まだまだ下落が続いています。この「390」という数値は、史上最低であるだけでなく、ピーク時の30分の1の数字です。事実、僕が世界をまわりながら貿易港を見る限り、昨年秋頃から船の動きが極端に悪くなっているのを感じます。特に、年末に訪れたシンガポールは顕著でした。

たった62人の大富豪の資産が、下位36億人の資産と同じという衝撃データ

「格差社会」という言葉が世間に浸透してから久しく経ちますが、その根底には金儲けを提唱する「新自由主義」という思想があります。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者、北野幸伯さんは、この新自由主義はもはや力を失い始めており、近い将来、新しい思想が生まれてくるだろうと推測しています。

世界の格差は、本当にすごい

日本も近年は、「格差社会だ!格差社会だ!」といわれます。それでも、世界の現状をみたら、かなりマシですね。先日、本当に驚きの情報をみつけましたので、シェアさせていただきます。

CNN.co.jp1月18日から。貧困問題に取り組むNGOオックスファム・インターナショナルは、最新の報告書を出しました。そこには「驚愕の事実」が明らかにされています。

オックスファムは今週スイスで開かれる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に向け、米経済誌フォーブスの長者番付やスイスの金融大手クレディ・スイスの資産動向データに基づく2015年版の年次報告書を発表した。

 

それによると、上位62人と下位半数に当たる36億人の資産は、どちらも計1兆7,600億ドル(約206兆円)だった。

どうですか、これ?

上位62人と下位半数に当たる36億人の資産は、どちらも計1兆7,600億ドル(約206兆円)だった。

つまり、トップの金持ち62人の資産は、貧しい方36億人の資産に匹敵する! また、オックスファムの報告書は、「格差が急速に拡大していること」をはっきり示しています。

富裕層の資産は近年、急激に膨れ上がっており、上位グループの資産はこの5年間で計約5,000億ドル増えた。

 

一方、下位半数の資産は計1兆ドル減少した。
(同上)

上位グループの資産は、5年間で60兆円(!)増えた。下位半数の資産は、5年間で120兆円(!)減った。さらに、驚きの事実が出てきます。

また、上位1%の富裕層が握る資産額は、残り99%の資産額を上回る水準にあるという。

(同上)

上位1%の資産は、残り99%の資産額より多い!!!

もう少し広くみてみましょう。

富裕層と貧困層の所得格差も拡大を続けている。

 

1日あたりの生活費が1.90ドル未満という極貧ライン以下の生活を送る下位20%の所得は1988年から2011年までほとんど動きがなかったのに対し、上位10%の所得は46%も増加した。
(同上)

世界には、1日当たり1.9ドル(=228円)、つまり月7,000円以下で暮らしている人が、20%もいる。世界の人口が73億人とすると、14億6,000万人もいる。どうですか、皆さん。私は、かなり驚きました。

節分の「豆」知識。どうして豆で鬼が追い払えるのか?

「鬼は外!福は内!」―。節分は悪い鬼を追い払って、福の神を家に呼び込むというのは何となく知っていますが、そもそも鬼って何? 何で豆で追い払うの? 考えたらたくさん疑問が出てきますよね。無料メルマガ『おもしろい京都案内』では、そんな節分にまつわる“豆”知識と「京都節分おばけ祭」という一風変わったイベントについて詳しく紹介しています。

京都の節分はハロウィン?

今日は京都の節分にはハロウィンのような風習があることを紹介します。そして、節分の行事、由来、鬼の正体などを合わせてお伝えします。

節分の日の京都はハロウィンのような光景を目にすることがあります。「節分お化け」という風習があり、街の人は仮装をして歩いているのを見かけます。

陰暦(旧暦)で正月にあたるのは立春の日曜日です。その大晦日である節分に仮装をして寺社にお参りし1年の厄を落とすという行事です。これは平安時代まで遡るとされているので、千年の歴史があります。

どうして仮装するのか? これは仮装することによって、節分の夜に出現するとされる鬼を驚かし撃退するためなのです。立春前夜は、暗い季節から明るい春の季節になる変わり目の時期です。また旧暦では1年の始まりです。

このような季節の変わり目や年月の変わり目は秩序が大きく変わり不安定な時期とされてきました。豆まきなどの行事と同じように、「節分お化け」もそうした民間信仰のひとつとして今も続いているのです。最近では京都の幾つかの町では地域によって「節分お化け」の取り組みをしているところもあるようです。

京都節分おばけ祭り 公式サイト

そして花街で芸舞妓が行なう行事としても知られています。芸妓などが時代劇やスポーツ選手など、様々な扮装をして座敷に出るそうです。また時には客の方が芸妓や舞妓に扮して他の客の座敷に出ることもあるそうです。通常このようなことはタブーですが、節分お化けの時は特別だそうです。花街のお化けは、厄年の人が変装して厄払いをすることも行われると言います。

そもそも「鬼」って何者?

」は、安倍晴明で有名な陰陽師の「おん)」に由来 します。鬼は、「おぬ)」にも由来する言葉です。「陰」「隠」は、「目に見えない邪気」「この世のものと思えないもの」、怖いものです。災害や疫病、飢饉などの災いなどはこの「の仕業だと考えられていたのです。人間の想像を超えた恐ろしい出来事はみんな鬼の仕業と考えられていたのです。

節分は大晦日

新しい年(立春)を迎える前日(立春の前日・節分 )に、鬼に豆をぶつけます。そして邪気(鬼)を払い、福を呼びこもうとしたのです。最近は恵方巻きを節分に食べるというのがブームになってきました。しかし一昔前まで節分で食べるものは鰯(いわし)でした。

『真田丸』第3話をマニアック解説。クルミはある作品へのオマージュ

今年のNHK大河ドラマ『真田丸』。三谷幸喜が脚本をつとめ、主演の堺雅人をはじめ豪華な顔ぶれが話題を呼んでいます。そんな『真田丸』をもっともっとデイープに楽しみたい……。そんな方のために、MAG2 NEWSではナワバリストと呼ばれる城郭研究家たちが、毎回のドラマをさらに楽しむためのワンポイント解説をお送りいたします。これを読むだけで『真田丸』を10倍楽しく観れますよ。さて、今週のキーワードは「クルミ」です。

今週のワンポイント(1月 24日)

今回のワンポイントはセリフ。僕が脚本を実際に読んでいて感心するのは、三谷さんの頭の中で 「」がイメージできているらしい、ということ。当たり前と言えば当たり前かもしれないけれど、さすが、と思うこともある。それぞれの場面を映像にしたら何分くらいになり、45 分の中でテンポ起伏をどうつくるか、ちゃんとイメージできているんだろうなあ、と思う。それに、文章として読んで面白いのと、ドラマにした時、面白くなるのとは別。 ちなみに、大河の脚本は最低2回、多い時は3回書き直されている。最初に局側と相談しながら三谷さんが書いたものを、関係者が読んで考証などのチェックが入り、書き直すたびに、本の表紙と変わってゆく。だから僕の家にも、週2回くらいの頻度で色のちがう本が送られてくる。時間に追われながら何度も書き直す三谷さんも大変だなあ、と正直思うけれど、こちらも、送られてきた本を置いておくスペースが大変になってきた(笑)。

ところで、気付いた人も多いと思うけれど、昌幸が囲炉裏ばたでクルミをカチカチいわせているシーン。あれは、かつて『真田太平記』で、丹波哲郎さん演じる昌幸がやっていた。実は、クルミ第1回からこっそり登場している。

masayuki

今回は舞台が真田の里という事もあって、全体に『真田太平記』へのオマージュ感が漂う演出となっていたように思う。皆さんは、どう楽しんだかな?

今週のワンポイントイラスト

クルミシーン、NHK 新大型時代劇『真田太平記』で丹波哲郎扮する真田昌幸が地炉ノ間にてカチカチしていたのを思い出します。このときの信繁(幸村)役が草刈正雄。何十年かして再び真田家が大河ドラマになることがあったら、今度は堺雅人が昌幸役になるかも…!?

主家・武田家を滅ぼした織田家に付く決心をした昌幸。ここから真田家は、大勢力の中で命がけで生き抜くことを余儀なくされていきます。

 

文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)

ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組

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なぜ一番上の子は目が悪くなる?イギリス国立大学の笑えない研究結果

日本人は欧米人よりも近視の人が多いそうです。確かにメガネやコンタクトの人、多いですよね。そして…、第1子のほうが第2子以降よりも近視の子が多いという研究も発表されています。いったいなぜ? 無料メルマガ『e-doctor ドクタースマートの医学なんでも相談室』の著者で内科医のドクタースマートさんが詳しく解説しています。

長子のほうが次子よりも近視が多いし酷いんだって?

今日は、長子のほうが次子よりも近視が多いし酷いんだって? というお話です。

先行研究で、15~22歳の近視/強度近視について出生順との関連を調べた結果、長子のほうが次子以降よりも約10%多いとの報告がある。同関連について英国・カーディフ大学のGuggenheim氏らは、40~69歳集団 について調べ、より上の世代でも同様の傾向がみられるのか、また関連の傾向は「次子以降では親の教育熱心さが低減するから」という仮説によって予測可能なのかを検証しました。その結果、仮説を裏付ける結果が得られました。

検討は、2006~10年のUK Biobank登録者を断面調査して行われ、視力評価を行い、白人、眼障害なしと自己申告した40~69歳、8万9,120例をアンケートにて出生順と最終学歴などの情報を調べたそうです。

主要評価項目は、出生順にみた近視および強度近視で、年齢と性別で補正(モデル1)、年齢、性別と最終学歴で補正(モデル2)し評価したそうです。

主な結果は以下のとおり。

・モデル1(学歴について未補正)において、出生順(例:長子 vs.第2子)と近視/強度近視の関連が認められた。強度近視1.21だった。

・モデル1において、近視のリスクは出生順が後になるほど低下することが認められた。

・モデル2(学歴について補正後)では、モデル1でみられた出生順と近視/強度近視の関連に関する効果が、約25%減弱し、1.15で明白な用量反応がみられなかった。

・これらのデータから、出生順と近視の関連は、ここ30~40年に派生した新たな環境圧力に起因するものではないことが示唆された。

・また、学歴の影響について補正後の減弱した効果サイズから、次子以降への両親の教育投資の減少が、相対的に近視からの保護につながっていることが裏付けられた。

長子は、親の過度の期待から勉強させられ、視力が悪くなったというんですね。この報告は英国ですが、日本でも同じでしょうね。やっぱり、1人っ子だとメガネをかけた子供が多くなるんでしょうね。

image by: Shutterstock

 

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楽しんでください。視覚障碍者が伝える「あなたの知らない世界」

目が見える人間にとっては想像がつきにくい「見えない」という世界。それだけに、視覚障碍者の方とどう接していいのか迷ってしまうことも多いかと思います。無料メルマガ『視覚障害児ママ応援ホームページ「Mothers’ Cafe」』では、自らも先天性全盲として誕生した著者の西田梓さんが、「違いを面白がってもらいたい」と綴っています。

違いを面白がってもらいたい

最近知り合った見える人数人から同じことを言われました。

「あなたを見てると、自分がどれだけ努力してないかわかる」
「あなたを見てると、自分がちっぽけに見える」

みなさん、視覚障碍者に出会うのは私が最初という方ばかりでした。ちっぽけな人なんていないし、誰かと比べて私が特別努力してるということではないと思います。

前々から感じていますが、障碍者は極端に2つに分けられるのではと思います。どちらも経験しています。

1.何にもできないかわいそうな人

「目が見えないなんてかわいそう、大変ね、がんばってね」というタイプです。そんな人が子どもなんて連れてようもんなら、子どももろとも「かわいそうでえらい生き物」に分類されてしまいます。「えらいね、お嬢ちゃん立派だね。ママを助けてあげてね」ということになるわけです。

2.超能力者!

「目が見えないのに料理ができるんですか? 外を歩けるんですか? 素晴らしい!!」というタイプ。すごい能力のある 何でもできる天才みたいに思われてしまいます。こういうタイプの人からよく言われることは「感覚でわかるんですか?」というもの。 確かにそうなのですが、何を伝えても「へぇ、感覚ですか?」という答えが返ってくることが多い気がします。こういうタイプの人が使う感覚という言葉は超能力的な印象を受けます。そういう人には、どういうときには指先の感覚を使い、どういうときには手のひらの感覚を使っているか、足裏の感覚や音はどういうときに使っているかをお話しします。一言で「感覚」といっても、それはさまざまなものであるからです。

上に書いた2つの人のタイプに共通することは 「今自分が目が見えなくなったら」 という気持ちだと思います。今目が見えなくなったら、怖くて料理なんてできない。今目が見えなくなったら一歩も家から出られない。こういう思いから「かわいそう」であったり「天才」という表現になるのでしょう。

残るのはトラウマだけ。子供に対して絶対に言ってはいけない言葉とは

例えばお子さんが描いた画を見せに来た時、あなたはどんな言葉をかけますか? 現役教師の松尾英明さんは、街で遭遇したある母親のひとことに衝撃を受けたそうです。ご自身のメルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』でそのシーンを紹介しつつ、子供に対して絶対に取ってはいけない言動について記しています。

子どもの作品をけなさない

最近あった、ある水族館での出来事。

水族館内のあるコーナーの遊び場。大きな画面があり、さまざまな魚が画面内を泳いでいる。自分が書いた魚が画面内を泳ぎ回るというもの。子どもたちが自由に描いて、それを「水槽」に放つ。見ていて楽しい。

我が子らも個性的な魚を描いて、ついでに自分の名前も入れていた。親に似て、なかなかに自己主張の強いやつである。大いに褒めた

隣で、5~6才ぐらいの子どもが、ニコニコしながら同様に魚を描いていた。画面に大きくポンっと出た。瞬間、母親と思しき人の口から出た言葉が「何これ、ださっ。」であった。その子どもは、何も言わずに魚を眺めていた。

ここで「あんたねぇ」とは、もちろんいかない。休日の穏やかな時間に、見知らぬ家庭の親を説教する気合いはない。

ただ、暗澹とした気持ちになり、思うところはあった。

これは、遊びである。だからこそ、「うまく描く」必要はまったくない。楽しく描いたものを褒めてやればいい。それだけの話である。

子どもには、ブラックジョークは通じない。「けなして褒める」という手段であっても、あくまで大人向けである。例えば「お前みたいなバカはいない」という褒め方は、子どもには通用しない。直接的に「発想がすごい!素敵!」と褒めてやるに尽きる。

「上手い下手」という話でいえば、どんなに上達しても、上には上がいる。この例でいえば、本当はその親に「じゃああんた手本を描いて」と言ってやりたい。それで、周りの人に評価してもらえばいい。まず怖くて描けないはずである。

常に比べていたら、永遠に自信が持てない。

下のレベルの人と比べない。傲慢になるだけである。以前の自分だと思って、温かく見守るか励ます。

上のレベルの人と比べない。自信を失うだけである。まだ見ぬ自分だと思って、憧れをもって教えてもらい、学ぶ。

子どもをけなさない。まして他人と比べない

子育てどうこう以前に、教育全般の超基本中の基本である。

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なぜ首都圏の電車はこうも雪に弱いのか?在米作家がメカニズムを解説

1月18日、東日本や北日本を中心に大雪が降り、東京の都心など関東の平野部でもかなりの積雪がありました。このため、首都圏では交通機関に大きな遅延が発生。なかには出勤・通学に半日ほど掛かった方もいたようです。メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の著者で米国在住の作家・冷泉彰彦さんは、なぜ降雪が交通遅延に繋がるのか、そのメカニズムについて詳しく分かりやすく解説してくれています。

降雪と鉄道の運行障害

1月18日(月)は東京を含む首都圏で降雪があり、公的交通機関が大混乱しました。多くの人が勤務先にたどり着くのに4時間から5時間を要したというのですから大変なことです。

この、鉄道の運行障害ですが、基本的には「ポイント不転換」つまり、ポイントに雪が詰まって動かなくなるという事故が多くの場合、不通や遅れの原因になっています。

ですから、雪国の鉄道では、様々な対策が講じられています。例えば、日本海側などの降雪地帯では温水を使った「散水消雪」といった技術が使われたり、北海道などの低温で多雪の地域では、電熱式の融雪機構、あるいは圧縮空気での除雪などの機構も使われています。

この3月に開業する北海道新幹線では、更に多くの技術が使われていますが、この点については今月の1月21日に発売となる、雑誌『鉄道ジャーナル』の3月号に詳しく寄稿していますので、ご覧いただければと思います。

こうした技術ですが、首都圏でも導入が進んでいます。たとえば、ポイントに「温水を噴射」して不転換させないようにする機構などは、特に山梨での一件を契機として危機感を強めたJR東日本などは、かなり広範囲で導入を進めているのは事実です。

ですが、首都圏とはいえ、通勤通学輸送のマーケットには限界があり、その一部では縮小の兆しが出てきています。一方で、通勤の運賃を値上げすると、通勤手当の支払いについて、多くの勤務先が「自動的に100%払う」という制度を維持できなくなる危険性もあるわけです。

そんな中で、各鉄道事業者は必ずしも無限にはコストをかけられない中で、安全な運行のために様々な努力をしているのが実情だと思います。その中で、どうしても首都圏の場合は「降雪時のポイント不転換対策」を100%実施するということは不可能になります。

【冬本番】ふやけたような指のシワシワが日中に出たら何のサイン?

今年の冬は暖冬といわれていましたが、ここ最近になって急に寒さが厳しくなりました。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』では、この寒い冬を乗り切るために注意したいことについて教えてくださっています。突然あらわれる指先のシワシワ、この正体についても紹介していますよ。

「大寒」のころ

暖冬といわれる今シーズンの冬は、ご近所の梅がすでに咲ほころんでいるのを眺めると、やはり例年より温かいと実感します。 日中の気温の上昇と朝夕の冷え込みの寒暖の差は、カラダに負担となり風邪の原因ともなります。 大事なのは適切な体温調整。 まずは寒がらないことが大切です。

指先のシワシワ・チェック

カラダを滋養してうるおい成分をたくわえることができなくなると、カラダの末端からシワシワと「しわ」ができます。

湯上りに指先の腹がシワシワになりますが、あのようなしわが日中にもあらわれます

【指先のシワシワは疲労困憊のサイン】
カラダを滋養する「潤滑油」のはたらきは、
・脳の働きを円滑にする
・関節をなめらかに動かす
・歯を丈夫にする
・髪の毛を黒くツヤツヤにする
・肌に張りをもたせる
・風邪からカラダを守る
などが役割です。

顔や目じりのしわ、指先や手の甲のしわは、年齢と共に徐々にきざまれていきますが、突然にわかに出現する指先のシワシワは、寝不足や疲労長引く風邪や慢性疾患などでみられます。

【カラダの「潤滑油」を取り戻す】
つねに負担を感じるカラダは、リラックスすることが大切です。 たくさんの睡眠時間が必要ですが、慢性的疲労のカラダはつねに萎縮してちぢこまっています。 このため、ただカラダを横にして休んでいても、こわばり続けるカラダでは質の良い回復がのぞめません。

慢性的なカラダの萎縮をゆるめることが「潤滑油」を取り戻す必須条件です。

【潤滑油を取り戻すポイントは深呼吸】
深い呼吸をうながすことができると、カラダは緊張を続けることが出来なくなります。 また深い呼吸は副交感神経を刺激して、内臓のはたらきを高めて回復力をたかめます。

・ストレッチやヨガ
・瞑想や座禅
・森林浴やハイキング
・お灸やマッサージ

手軽なのはお風呂にゆっくりつかること。 ただ寒いだけでもカラダには負担になります。 毎日しっかりカラダを温めながら深い呼吸をうながせる入浴の習慣は、とても効果的です。

ゆずやミカンの皮を入れたり、アロマテラピーのお気に入りの香りをバスタイムに楽しむのもよいですね。

冬の暦はまもなく終わりを迎えますが、まだまだ寒さはつづきます。 カラダの疲労をすこしでも効率よく抜きながら、カラダの潤いを取り戻しましょう。

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中国進出した米企業の不満高まる…収益悪化、政府の国内企業優遇

19日に発表された中国の2015年の国内総生産(GDP)成長率は、25年ぶりの低水準だった。中国経済の減速は、中国で事業を行う外国企業の活動にも影を落としている。だが、外国企業にとっての問題は、景気の減速だけではない。中国に特有のリスク、「チャイナリスク」がある。日本企業であれば、歴史問題や、わが国の尖閣諸島に対する中国の領有権主張に端を発する、反日感情の悪化、中国政府の対応の硬化といったリスクが考えられる。日本企業に限らず、外国企業は、現在どのようなチャイナリスクを感じているだろうか。在中国米国商工会議所が会員の米企業に対して行ったアンケート調査は、それを浮き彫りにしている。

中国のビジネス環境は厳しくなりつつある、と米企業

この「ビジネス環境調査」は、在中国米国商工会議所が18年間、毎年行っているもので、2016年の報告書が20日発表された。昨年に引き続き、米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーと共同で行われた。今年の回答企業数は496社だった。

同商工会議所はプレスリリースで、中国市場の成長可能性について、依然として過半数の企業が楽観的だと冒頭で伝え、明るいイメージを強調しようとしている。だが、中国での事業について、改めて困難を感じている企業は少なくないようである。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)やロイターは、むしろほとんどそういったマイナス面だけを報じている。

どちらの記事も、形となって現われたチャイナリスクと、景気減速から来る影響について報じているが、その伝え方は若干異なっている。まずロイターの指摘する景気減速の影響を見てみよう。

黒字企業減る。企業はさらなる景気後退を覚悟

ロイターは、中国の景気減速が、より多くの外国企業の収益に打撃を与えつつあることが調査で判明した、と報じた。米商工会議所は、昨年、企業は売り上げと収益に関して、ますますプレッシャーにさらされるようになったと語っている。昨年(2015年)は黒字だったと回答した企業の割合は64%だが、これは5年ぶりの低さだった。ロイターによると、昨年の調査では73%だった。

売り上げに関しては、2015年は前年と比べて横ばい、もしくはマイナスだったと回答した企業が45%。昨年は39%だったので、伸びが鈍化したことが分かる。

今年の景気の見通しについて、企業はさらなる減速を覚悟しているようだ。中国の中央銀行である中国人民銀行は昨年12月、2016年の中国のGDP成長率は6.8%に低下するだろうと予測した(ロイター)。だが調査では、半数近い48%の企業が、GDP成長率は6.25%以下になると予測した。35%の企業は6.25~6.75%になると予測した。

中国の自国企業への保護主義が再び強まっている?

そういった経済状況の中、中国指導部は、外国の多国籍企業と競い合うよう、自国企業を強化している(WSJ)。おそらくそのためだろう、以前よりも海外企業が中国政府から歓迎されていないと感じる、と回答した企業の割合は77%に及び、昨年の47%、おととしの44%を大きく上回った。

米商工会議所によると、工業、資源、テクノロジー、重点的な研究開発を必要とする部門でその割合が最も高く、WSJによると83%に上るという。これらは、中国政府が自国企業に最も奮闘を期待している分野と見てよさそうだ。

種々の規制や法律や政策を通じた保護主義、外国企業への圧迫という形で、企業は歓迎されていないと感じるようである。

調査では企業の57%が、一貫性のない規制の解釈と、不明確な法律が、中国でのビジネスでの最大の難題だと回答した。これは、規制や法律が当局によって恣意(しい)的に運用されている、あるいは運用される可能性があることをほのめかすものだろう。

WSJは、中国政府が価格設定での圧迫と、独占禁止の調査において、これまで以上に断定的になっている、と語る。またテクノロジー企業に対し、自社保有データの提供と、ソースコードの開示を義務づける規則と法律を制定した、と伝えている。ロイターは、国家安全保障に関する法律によって、海外技術の使用が制限されていることについて語った。WSJによると、10%の企業は、規制の障害を理由に、中国から会社機能の一部を移転する計画、もしくはすでに移転済みだという。また、テクノロジー企業の44%は、将来の規制環境について悲観的と回答しているそうだ。

ロイターは、規制と保護主義への懸念によって、企業心理は影響を受けている、と語っている。米商工会議所によると、中国での保護主義の高まりは、企業が挙げる中国でのビジネス上の難題の6位にエントリーしている。必要な認可を取得する難しさも、難題のトップ5に入っているそうだが、これは外国企業に限った話かどうかは分からない。

「中国指導部は、中国は法の支配に従うと力説しているけれども、当商工会議所の会員企業は、規制措置、法的措置が、公正とはとても言えず、十分な監督を欠いていると、引き続き報告している」と、米商工会議所のジェームズ・ジマーマン会頭は報告書で語っている(ロイター)。

岐路を迎えつつある中国での外国企業のビジネス

こういった懸念がありながらも、企業の68%は、今後も中国での投資を拡大すると答えている。だが、残りの32%は、中国で新たな投資を行う計画はないと回答しており、WSJによると、これは世界経済危機以来、最大の割合だという。2014年には27%だったそうだ。

米商工会議所によると、25%の企業は、過去3年以内に中国から生産能力の一部を移したか、現在それを計画中だという。工業、資源、消費財企業では、移転先として発展中のアジア諸国を挙げたところが最も多かった。テクノロジー企業と他の研究開発重視企業では、アメリカか、北大西洋自由貿易地域(NAFTA)を移転先として挙げたところが最も多かったという。2016年、20%以上の企業が人員削減を計画しているという。

ジマーマン会頭は、米企業は「今後、中国での収益の伴う成長を確かなものにするために、戦略を見直す必要があるだろう」と語っている。

米商工会議所は、いくつかの面ではビジネス環境と規制環境は改善している、とも語っている。例えば、知的財産権の取り扱いに関しては、中国はこの5年間で改善したと90%の企業が答えている。また、汚職は、過去には中国でのビジネス上の難題のトップ5に入っていたものだが、昨年から2年連続で、主要な難題のリストに入らなかった、と伝えている。

(田所秀徳)

 

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