なぜ「外国人参政権」を認めると、沖縄が中国に編入されるのか

かねてから外交政策の観点から安倍政権支持を明言している無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係研究者・北野幸伯さんですが、希望の党の政策についても一部評価しているようです。今回は、小池氏が「外国人参政権に反対でなければ希望の党には入党できない」と表明したことについて絶賛するとともに、その理由をわかりやすく解説しています。

小池さん、「外国人参政権反対」を踏み絵に

選挙戦盛り上がっています。私は、「外交が素晴らしい」ということで、安倍続投を願っています。しかし、安倍さんの政策をすべて支持しているわけではありません。

たとえば「消費税引き上げ」に反対しています。小池さんは、「消費税引き上げ凍結を宣言している。この方面では、是非がんばっていただきたい。もう一つ、小池さん、こんなことを宣言しています。

毎日新聞10月3日から。

◇民進党からの入党希望者に、「政策協定書」署名を義務づけ

 

希望の党の小池百合子代表は「寛容な保守」「ダイバーシティー(多様性)社会」を掲げている。その一方、民進党からの入党希望者には、外国人への地方参政権の付与に反対する「政策協定書」への署名を義務づけた。

希望の党に入りたければ、「外国人参政権に反対でなければならない」そうです。毎日新聞は、この決定を批判しているわけですが、私は、「素晴らしいじゃないか!」と思います。皆さんはどうですか?

東京に魅了された外国人が撮った、ブレードランナーっぽいTOKYO

日本国外で暮らした経験があったり、海外旅行が好きな方なら誰もが同じように感じたことがあると思いますが、海外の町並みやそこに漂う空気というものは本当に独特で、もし今まったく別の環境にいても、たとえその土地に長年足を踏み入れなかったとしても、ふとした瞬間に細部にわたって簡単に思い出すことができます。その場所が持つ風や音や匂いまで、不思議なほど鮮明に身近に感じることができるもの。それは日本を訪れる外国人にとっても同じこと。日本が放つ独特なエキゾチックさは彼らにとっては魅力的で知らず知らずのうちに惹きつけているかもしれません。今回ご紹介するのは、東京に魅了された若き外国人フォトグラファー。どうやら彼女の目には、東京の町並みが私たちとはまったく違って映っているようです。
※本記事はジモトのココロに掲載された記事です(2017年10月4日)

 

他の国にはない『バランス』を持ったユニークな街、東京の魅力

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いつも見慣れたはずの私たちの住む東京の街。控えめだけどカラフルな色彩や、見事に整ったフォルムのビルなど、確かに東京の風景なのですが、どこか違ったようにも見えます。

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これらの写真を手がけたのは、東ヨーロッパに位置する国ベラルーシから東京に移住して2年目のフォトグラファー、Yulia Shurさん。てっきり風景写真を専門としているのかと思いきや、彼女が普段手がけている作品のテーマは、人物。実に彩り豊かで独創的な世界観が広がっています。

 

 

Yulia Shurさん(@ph_yuliashur)がシェアした投稿

 

 

Yulia Shurさん(@ph_yuliashur)がシェアした投稿

 

驚嘆の一言。亡くなった祖父が製作した『鉄道ジオラマ』に絶賛の声

アマチュアのレベルを完全に超越!

Twitterユーザー、てみおじさん (@405murtagh)さん。

この方が先日、自身のアカウントに投稿したある一連の写真が話題になっている。

 

 

 

曰く、これは、てみおじさんのお爺さんが生前、制作していたものであるらしい。

その出来は、個人制作の域を完全に超えているレベルである。

TMSレイアウトコンペ賞というものを獲得したという情報のほかに、Twitterの“反応”によって集まった情報によると、このジオラマはかつて専門雑誌に掲載されたこともあったそうだ。

こんな“傑作”を作れる人が家族として近くにいたなんて、羨ましい・・・。

 

 

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

 

記事提供ViRATES

中国人

「前向きに検討」「やった!」日本語の意味を真に受ける中国人

「本音と建前」を使い分けるのが日本人だと言われていますが、「言葉の裏に隠された意味」は海外の人にはわかりにくいものらしいです。無料メルマガ『上海からお届け! 簡単3分、写真で覚える生活中国語』で中国在住の日本人著者・ジンダオさんが今回取り上げているのは、日本語が話せる中国人の方が投稿されたというある表。中国人と日本人との解釈にこれだけの違いがあること、我々も覚えておいたほうがいいのかも知れません。

真に受けてました。言葉の裏に隠れた日本人の本音とは

100%その通り! と言えませんが確かに裏にある意味って存在しますよね。日本語が話せる中国人でも、理解できない部分はあるでしょう。

日本語を話せる中国人が投稿した「WeChat モーメンツ」「確かに! それってあるかも」という内容でした。その内容というのが、「日本人が話す言葉にある本当の意味と中国人が聞いて思う解釈について」。

どんな内容なのかは、実際にフレーズを見て判断して下さい。

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いやいや、そこまで裏の意味は無いよ! 違っている。な部分もありますが、何にしても注目は中国人の解釈との相違点。個人差もあり全ての部分に対して解釈の相違が生まれるとは思いませんが、例えば、中国人が日本人の言葉を中国語に翻訳した際に、翻訳者の日本人に対する理解度によっては、今回の表のような解釈のズレが生まれている可能性があるはず。その生じるギャップを日本人側も中国人側も想定しておかないと、話が進めば進むほど「あれ?」と方向性が乖離するのでは無いでしょうか?

また日本語を話す中国人がストレートに言葉を伝えると、「随分と使う言葉がきつい人だなぁ」と感じるかも知れませんが、中国語の表現をそのまま日本語に変換しているだけなので、中国的には「分かりやすい当たり前の表現」という事にもなります。

確かに「前向きに検討します」や「一度社内に持ち帰って」と聞くと、まー商談的には良くて半々、この場で断ると失礼だからの前フリ、自分で判断できないので上司と相談などの可能性を秘めている等、その場の雰囲気にもよりますが「ほぼ成約だ!と日本的には思わないのも確か。お断りの理由を伝える場合に「社内で検討した結果」、「予算の都合上」というのも、私だけではなくスタッフと決めた点、会社のルールで予算もあり難しかった点など、失礼の無いようにヤンワリと伝えるのかと思います。

ただし、気をつけないといけないのは、中国人に対して分かりにくい回答をすると、社内でどんな検討をした結果なのですか? 予算いくらくらいなのですか? そちらの予算に合わせます! など、日本語の裏の意味を勘違いして、グイグイっと来る中国人もいるかも知れません。そんな場合はストレートに「今回はダメ、興味がない」と伝えた方が、落とし所としてはいいのかも知れません。

言葉と言葉の裏にある本当の意味。今回の日本語とその裏の意味、そして中国人の解釈の例は、両者に生じる誤解を分かりやすく表した一例なのかも知れません。

福岡では生徒が逮捕…。暴力教師を守る「国家賠償法」の不可解

教師に暴行を働いた生徒が逮捕されるというニュースが連日メディアを騒がせています。しかし、教師が生徒を暴行し逮捕されるという事例はほとんど耳にすることがありません。無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』ではこの「不可解さ」を批判するとともに法律の不備を指摘しています。

守られすぎている教師

9月29日、教師に暴行を働いた16歳の高校生が逮捕されるというニュースが大きく流れました。

28日午後3時ごろ、福岡県の私立高の男子生徒が、授業中にタブレットで授業に関係ない動画を見ていて教師に注意され、ついにはタブレットを取り上げられたことで事件を起こしました。生徒がタブレットを取り返そうとして、教師の背中をけるなどの暴行を加えたというものですが、この事件が発覚したのは、ネット上の動画がきっかけだったということで反響が大きくなったように感じます。その場にいた生徒が撮影して動画をネットに上げていたのです。ちなみに、その授業は、教師が大声で制したために騒ぎは収まったようです。

続いて3日、同じ福岡県で、中学の男子生徒が教員を殴り、顔面打撲の傷害を負わせ、暴行を受けた教員が生徒を傷害容疑の現行犯で「常人逮捕」したというニュースが飛び込んでまいりました。授業を受けずに外にいた生徒を連れ戻そうとして起きた事件のようです。警察官でない一般人が逮捕することを常人逮捕、あるいは私人逮捕と呼びますが、珍しいケースです。

「暴力に及んだら逮捕される」ということは当然です。不思議なことに生徒が教師を殴って逮捕されたというニュースはよく目にしますが、逆に教師が生徒を殴って逮捕されたというケースはあまり目にしません。日頃、いじめ相談を受けていると、警察は、なぜ生徒には厳しいのに教師には甘いのだろうと感じています。

先日も、服装がだらしないということで、「顧問の先生から殴られた」という相談がありました。この生徒からの相談は、「殴られたのは、自分が悪かったから、しょうがないと思う。でも、転んでボタンがとれてしまって、止められなくなっただけなのに。いつもちゃんとしているのに、理由も聞いてくれないし、試合にも出してくれない」というものでした。

学校という場であろうとなかろうと暴力に及んだら教師であっても逮捕されてしかるべきです。しかしながら、教師による体罰で、懲戒処分を受けたというニュースはありますが、教師が逮捕されたという事案はほとんど聞いたことがありません。

親が読ませたい本は与えるな。我が子を読書好きに育てる方法

無料メルマガ『子どもが育つ「父親術」』に多く寄せられるという、「子どもが本を読まない」というお悩み。たしかに読書の大切さを説いても、子どもはなかなか理解してくれないものですよね。今回は育児に詳しい著者が「子どもが本を読みたくなる」意外な方法を教えています。

読書 – 興味を持たせる

先日読んだ育児本(外国の学者さんが書いたもの)に、こんな実験が紹介されていました。

  • 2つの4歳児グループに、同じオモチャ(紐がいくつか付いていて、引っぱるとそれぞれ違った反応をする)を与える
  • 片方のグループには、「新しいオモチャが来たので、使い方を説明します」と言いながら、1本の紐を引っぱって変な音を出す
  • もう片方のグループには、「さっき拾った」と言って見せながら、偶然を装って1本の紐を引っぱり、変な音を出す
  • どちらのグループも、与えられたオモチャで紐を引っぱって変な音を出しては笑って楽しむ、というところは一緒
  • その後、最初のグループはすぐに飽きて遊ばなくなり、後のグループは他の紐の反応を発見しながら、ずっと遊び続ける、との違いが出た

本では結論として、

  • 明確に指示され、知るべきことを教えられると、自分で探ってみようとは思わなくなる
  • 好奇心とは繊細なものなのだ

と書かれていました。そんなこと、当たり前!──と思いますよね(私は思いました・笑)。ですが、日々の子育ての中で、この「当たり前」を踏まえて子どもに接することができているかどうかは、また別なんですよね(苦笑)。

個別相談の中でも時々出てくる「子どもが本を読まない」とのお悩み。何とか読書の習慣をつけさせたいのだけれど…とご相談いただきます。お話をお聞きすると、

  • 子どものために図書館で面白そうな本を選んで借りてきて与える
  • 読書の良さ(楽しい、賢くなる、漢字を覚えられる、など)を説く

など、とても熱心に頑張っていらっしゃる方が多いです。ですが、私からのお返事では、別の方法をお勧めしています。

国民をベーシックインカムで釣る希望の党「小池劇場」の三文芝居

10月6日午前、記者会見で「衆院選公約・政策集」を発表した希望の党の代表・小池百合子氏。「ユリノミクス」を掲げ、安倍政権が成しえなかったとする経済格差の是正を、ベーシックインカムなど大胆な政策で解決すると表明しました。これを受け、無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』の著者でITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さんは「ベーシックインカムの政策ひとつ取っても、希望の党や小池氏の中身のなさがわかる」と厳しく批判しています。

ベーシックインカムと希望の党

小池百合子氏率いる「希望の党」が2017年10月6日午前9時より記者会見を開き、その政策を発表しました。「都民ファースト」のコピペに、脱原発など一部加筆で、その大半が「議論をすすめていく」というもの。

私はこう考えます。「議論してから政策を発表せよ」と。その代表が「ベーシックインカム」。まず、「ベーシックインカム」を1分で解説します。

ベーシックインカムの歴史は古くトマス・モアが1516年刊行した「ユートピア」にそのひな形があり、フリードリヒ・ハイエクやミルトン・フリードマンもその列にならびます。かつて米国のニクソン大統領が、真剣に導入を検討したこともあります。

ざっくりといえば、国民一人当たりに国家が毎月なり毎年一定額の現金を支給するというもの。超バラマキ政策ながら、一方で健康保険や年金、その他の公共福祉を停止します。

世界中各地で実験が行われ、それなりに良好な結果も得られており、これをポジティブにまとめたルトガー・ブレグマン著「隷属なき道」が世界中でベストセラーに。そして古くからあった概念「ベーシックインカム」に再び光が当てられます。

ここまでが「ベーシックインカム」の説明。絶望の党…もとい、希望の党の政策は、まるでこの本の「あらすじ」のようです。だから、ベーシックインカムの現実を理解していません。それについても1分でまとめてみます。

「頭を使いすぎて知恵熱が出た」この使い方が間違っているワケ

「話のさわり」「ぞっとしない」「知恵熱」ー。よく耳にするこれらの言葉、100%完璧に使いこなせているという自信のある方、どれくらいいらっしゃるでしょうか。今回の無料メルマガ『仕事美人のメール作法』では著者の神垣あゆみさんが、「国語に関する世論調査」で多くの人が間違えた問題をあげつつ、それらの正しい使い方を解説しています。

話のさわり

平成28年度「国語に関する世論調査」では、下記に挙げた3つの慣用句はどちらの意味か、尋ねています。

あなたはどちらだと思いますか?

 

1.さわり 例:話のさわりだけ聞かせる。
 ア)話などの要点のこと
 イ)話などの最初の部分のこと

 

2.ぞっとしない 例:今回の映画は、余りぞっとしないものだった。
 ア)面白くない
 イ)恐ろしくない

 

3.知恵熱 例:知恵熱が出た。
 ア)乳幼児期に突然起こることのある発熱
 イ)深く考えたり頭を使ったりした後の発熱

本来の意味は、いずれも ア)です。

「2.ぞっとしない」については、本来の意味である「ア)面白くない」と回答した人は22.8%、「イ)恐ろしくない」と回答した人は56.1%でした。

「ぞっと」は、寒さや恐怖や、強い感動を受けて、からだが震え上がる様を意味します。

例:大事故になっていたかもしれない、と思うとぞっとする。

「ぞっとしない」は、「ぞっとする」の反対語というイメージから、「恐ろしくない」という意味で捉えてしまうのかもしれません。「ぞっとしない」については、ちょうど10年前の当メールマガジンでも取り上げています。

誤用の実態<間違いやすい慣用句>VOL.655

安倍総理もホッとした、「小池ファースト劇場」の自滅

公約にベーシックインカム導入や原発ゼロ、消費増税反対などを盛り込むと言われている「希望の党」ですが、候補者公認で生じた不協和音、明確にできぬ安倍政権との対決構図、加えて枝野幸男氏による新党立ち上げ等で早くも失速ムードが漂っています。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では、著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんがこのような事態に陥った原因を解説するとともに、小池氏が政権交代を実現するために示さねばならないことを記しています。

安倍政権打倒への本気度がわからない小池都知事

依然として、わからない。「希望の党」の小池百合子代表は、本気で安倍政権を倒すつもりがあるのだろうか。

まるで敵は合流民進党にいるかのように、「全員受け入れはさらさらない」と高飛車に民進党左派を排除し、安倍首相と親密な日本維新の会にすり寄ってみせる

たまらず、枝野幸男氏は「立憲民主党」なる新党を立ち上げた。いわゆる「リベラル票の受け皿が誕生した。

だが、この状況が野党分断なのか、野党結集なのか、あるいは自民と希望による保守票の奪い合いなのか、まだはっきりとしてこない。

小池氏と前原氏は「同床異夢」ながら、小池新党と民進党の合流を決断した。しかしそれぞれの野望の食い違いから、思い通りに船出ができず、メディアはゴタゴタぶりを連日、長時間にわたって視聴者に見せつけた。

森友・加計疑惑など「総理の権力私物化問題はどこかに置き忘れたかのようだ。

このためか、希望の党への期待感は急速にしぼみ、自民党首脳は「小池さんは衆院選に出るべきだよ」と余裕を装っている。

10月1日付朝日新聞の天声人語は、民進党の前原誠司代表を倒産のふちの社長に例えた。「この会社に未来はない、上り調子の新興企業の社長に拾ってもらえ」。

あわれな代表の姿である。そんなイメージの報道も目立った。はたして、そうなのだろうか。

国政で実績ゼロの「希望の党」。大看板の小池百合子代表と若狭勝氏、細野豪志氏ら何人かの自民党、民進党離党者、それに「日本のこころ」の中山恭子氏が参加して産声を上げたばかりだ。

資金がなく、候補者の擁立に苦戦していた。供託金や選挙資金を準備できない新人は立とうにも立てない。

そこに、前原代表が民進党の候補者資金スタッフ連合の組織力を持参」して合流する話を持ち込んだのだ。

小池氏にとって、渡りに船。というより、千載一遇のチャンスだった。苦し紛れの大義なき解散への世間の風当たりは強い。政権が自分に転がり込んでくるかもしれない。

若狭、細野両氏に任せていた新党のプランをリセットし、自らが代表に就いて「希望の党」を旗揚げしたのは、「小池総理誕生の可能性が生まれたからにほかならない。

そうした心の動きを見越して、前原氏はあえて軍勢を率いて小池氏の軍門に下る決心をしたということだろう。

ここまでのシナリオは前原主導で進んだといえる。決して倒産寸前の社長が泣きついたという感じではない。

民進党が希望の党への合流を決めた両院議員総会。そのさい、前原代表は「名を捨てて実を取ろう」と呼びかけた。

名を捨てるのはわかる。実とは何か。小池旋風に吹き飛ばされるより、そのなかに飛び込んで一体化し、風に乗る。もちろんそういう意図があるだろう。

だがそこに、もっとギラギラした前原氏自身の野望はなかっただろうか。検証してみよう。

現役医師が警告。米国で深刻化する「医療用麻薬」乱用の深い闇

日本においてはがんの緩和ケアなど、限定された場面でしか使用が認められていない「オピオイド系鎮痛剤」(医療用麻薬)。しかし、アメリカ、カナダなどいくつかの国では慢性の腰痛や関節痛でも処方されるため薬物中毒者が急増し多くの死者を出しているようです。今回のメルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では、現役医師の徳田先生が、この現状に警鐘を鳴らしています。

オピオイド大国アメリカ

アメリカ国内での薬物中毒は既に深刻な事態です。アメリカの薬物中毒による死亡者数はHIV感染症での死亡者がピークとなった年のHIV感染症の死亡者数をすでに超えています。アメリカにおける過去15年間で薬物中毒による死亡者はなんと53万人にも及んでいるのです。

アメリカで薬物中毒の蔓延のきっかけとなったのはオピオイド薬の処方数の増加であり、この15年間で4倍に増えています。薬物中毒による死亡に関連したオピオイド処方薬で主なものは、オキシコドン、ハイドロコドン、そしてメサドンです。

もちろん、従来の違法薬物で代表格であるヘロインも、薬物中毒による死亡の主要な原因薬物の1つではあります。ヘロインに加えて、違法に製造されたフェンタニルも加わりました。しかしながら、このへロインやフェンタニルのマーケットが進出してきたのは、もともとオキシコンチンの依存症が蔓延していた地域。アメリカ闇社会のディーラーたちは、オキシコンチン大量消費地域をターゲットとしたのです。

先進国の中でオピオイド処方量を比較すると、アメリカは突出してダントツ1位の国であることがわかります。2位のカナダや3位ドイツの倍程度のオピオイドをアメリカの医師たちは処方しています。慢性の腰痛症や関節症でオピオイドが処方され始めたのが、アメリカでのオピオイド依存症蔓延の大きな要因です。

日本でも、がんの緩和ケアではオピオイドは必須です。また激しい急性疼痛でも、短期間に限って使用される事はあります。しかしながら、がん以外の原因による慢性疼痛で使用されることはほとんどありません