お金もうけの上手な人は「人の不満」さえカネに変えられる

お小遣い稼ぎサイト「不満買取センター」をご存知でしょうか。人々の不満を1ptから最大50ptで買い取るというこのサービス、具体的には、Aという店の接客が悪いというクレームからスーパーの税抜き価格はわかりにくいというような身近な不満まで、投稿すればポイントがもらえるというシステムです。そんなサービスを立ち上げた企業の着眼点を高く評価するのが、無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさん。その理由は?

不満はおカネに変わるのだ

先日、「不満買い取りセンター」をご紹介したんですけど、早速登録してみた人はいるんでしょうか? これは全然アフィリエイトじゃないので、私の方は全く動向が分からないんですけどね。

このサイトの狙いは、集まって来た不満を解析して、これを分類して、企業に販売するところにあるんです。は? 企業がそんな不満を買うのかって? そう考えた人はまだまだビジネスを作る側の目線になっていませんね。

ビジネスの基本は、人の役に立つ便利だと思われるところにあるんです。その便利を強調したのがコンビニですよね、なんたって名前からして「便利」ですから。その便利の対極にあるのが不満」なんです。つまり世の中の、人々の不満が分かったら、そしてそれを解決する方法が見つけられたら、これはビジネスの種として非常に効果的ですよね。

オマケにライバル企業がここと提携していたとしたら、自分はムシするってわけに行きませんから。となると、このウラ側で不満を買い取りたいという企業は、非常に高い料金を支払っているんだろうな、ということに気付きませんか?

聞いた話ではこの不満のリストが数百万円という価格で売られているらしいです。さらにこの会社は企業向けに不満をベースにビジネスを作るという思考法を訓練するセミナーもやっているみたいです。このあたり抜け目がありませんね。

GWに絶対いく! 水を汲む人が後をたたない松本市「源智の井戸」

環境省が発表した日本全国の名水100選(昭和の名水100選)、平成の名水100選にも選出された信州・松本市が誇る「まつもと城下町湧水群」。なかでも有名なのが「源智の井戸」です。最近では観光地としても人気ですが、その歴史は古く、松本に城下町が形成される以前から住民たちの貴重な水源として大切にされてきたのだとか。今回の無料メルマガ『安曇野(あづみの)通信』では、著者のUNCLE TELLさんが「源智の井戸」の歴史とその魅力について紹介しています。

信州・松本の名水、源智の井戸

江戸時代後期、豊田利忠という人の表した「善光寺道名所図会源智の井戸の図」には、こんこんとわく清水で喉を潤す旅人の姿が描かれ、説明には当国第一の名水、付近の町内の飲料水のほか酒造用水として利用されているとある。豊田利忠が見聞と取材のために松本を訪れたのは1830年頃(天保年間)、当時の源智の井戸の様子を伝える史料としても貴重という。その絵では、井戸のまわりに柵を巡らし、水神を祭っている。この井戸が当時も大切に使われていたことが伺える

松本の名水、源智の井戸は、松本市の中央三丁目、旧宮村町、通称高砂通りが瑞松寺に突き当たる手前にある。JR松本駅から歩いて15分ほどの市街の中心部にある。

松本の市街地一帯は、扇状地で丁度地下水脈が地形の上で地上に湧出するポイント(扇端といわれる)にあり、源智の井戸に限らず湧き水が豊富なのである。市街地で井戸のある家庭も多く、随所に流れる水路は多くその湧き水で実にきれいなものである。

悪人よりタチが悪い、良かれと思って迷惑をかける「善意の悪人」

最近、世の中には「善い人」「悪い人」のほかに、「善意の悪い人」という最もたちの悪いタイプの人がいると気付いたというのは、無料メルマガ『人間をとことん考える(人間論)』の著者で薬剤師の小原一将さん。臨床心理学についての知識も豊富という小原さんは、毎号「考える」をテーマに日常の出来事を深く掘り下げながら、「人間として考えるべきこと」を誰にでもわかりやすく投げかけてくれています。さて、私たちの周りにもいる「善意の悪い人」とは、一体どんな人を指すのでしょうか?

人間論 「善い人と悪い人ともう一人」

世の中には色々な人がいる

善い人も悪い人もいて、悪い人には気をつけなさいよと昔から母親にうるさく言われてきた。知らない人について行ってはいけませんとか悪いことしている友達とは付き合わないようにとみなさんも言われていたはずだ。私も悪い人には気を付けようと思って生きてきたように思う。

しかし善い人と悪い人だけではなく、その他に第三の人がいることを最近身をもって知った。

それは善意で悪いことをする人である。様々なパターンが考えられるが、基本的には善いことだと思って周りの人に悪影響を及ぼす人をあらわす。

これが非常にたちが悪い。悪いことをしようと思って悪いことをする人なら、初めから距離をとったり、だまされてしまっても悪い人間にひっかかったのだと納得できる。

しかし善意で悪いことをする人は、そもそも悪い人ではないので仲良くなってしまったり、害が及ぶと思っても善意で近寄っている分、正面から不満を言いづらい時がある。

戦火の朝鮮半島で、自衛隊による「日本人救出」は可能なのか?

緊張感が高まる一方の朝鮮半島情勢。関係各国がギリギリの「攻防」を展開していますが、万が一軍事的な衝突が起きてしまったとしたら、韓国滞在中の邦人をどう救出すればいいのでしょうか。米国在住の作家で以前から「在韓邦人救出問題」について言及されている冷泉彰彦さんが、自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の中でその具体的な方法と懸念ポイント、さらに4つの留意点を記しています。

朝鮮半島「有事」における邦人救出問題を考える

今回の危機にあたって、韓国からの「邦人救出問題」が改めて話題になっています。この問題ですが、かなり以前から色々な形で議論になっている問題で、例えば、東日本大震災で政権が混乱する前の2010年の12月に当時の総理大臣菅直人氏が「自衛隊派遣を念頭に朝鮮半島有事の際の日本人救出計画を策定する意向」を示したようです。

この意向に関する報道を受けた韓国側は李明博政権でしたが、当時の金星煥外交通商相は「どのような文脈で話されたのか分からないが、韓国側と事前の協議はなかった」というコメントを出しています。また、社民党の福島党首(当時)は「これはひどい。自衛隊を派遣すれば、戦争に突入するかもしれないと批判したそうです。

この時点での論議ですが、現在から見ても意味があったように思います。まず「福島みずほ氏の言動は、あながちポジショントークではない」ということです。福島氏の言う「戦争になる」というのは、この時点では昔から言われている「日本の自衛隊が朝鮮半島に侵入したら南北が力を合わせて撃退するだろう」という曖昧模糊とした言説を心配している、あるいは枢軸国日本のあらゆる軍事行動を批判すればいいというイデオロギーまみれの言説に聞こえたのです。

ですが、その後の日韓関係の不幸な歴史は、残念ながらそうではないことを証明してしまいました。北朝鮮だけでなく、韓国の世論として日本の自衛隊が韓国領内で活動することへの抵抗感は、明確にあると思います。今回2017年バージョンの「邦人保護」論に対する韓国側の姿勢には2010年以上に冷淡なものを感じるからです。

では、具体的に半島有事における邦人保護というのは、どのような流れになるのでしょうか。仮にソウルが大規模な攻撃を受けた場合は、北朝鮮側は金浦・仁川の両国際空港の滑走路も破壊した上で攻撃を行うとか、高速道路や海上輸送路なども寸断してくることが予想されます。その場合は、1945年や50年の状況などを参考にするのであれば、人里を避けた山道を南へ向かう等の厳しい策が考えられますが、非常なリスクを伴います。

ですから、まずはシェルターに避難し、民間ではなく武装した装備を持った艦艇もしくは航空機で、戦地からの脱出を図るということになるのは不可避でしょう。できうる限り米軍の庇護を受けつつ、米国民間人や軍属の避難のルートに乗せてもらうか、仮に自衛隊を出すにしても可能な限り米軍の艦艇や航空機に掩護してもらうということになると思います。

略奪婚で逆に人気上昇。フランス大統領候補・マクロン氏の素顔

先日行われたフランス大統領選挙の結果、5月7日の決選投票に進むことが決まった極右政党「国民戦線」の女性党首マリーヌ・ルペン氏と、グローバリストでEU支持の若きエリート、エマニュエル・マクロン氏。正反対の主張をする二人ですが、果たしてフランス国民はどちらを新しいリーダーとして選ぶのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者の北野幸伯さんが、候補者二人の人物像に迫っています。

フランス大統領選 ロスチャイルド銀行、略奪婚、トップ当選 マクロンさんてどんな人?

皆さんご存知と思いますが、フランス大統領選挙が4月23日、行われました。結果は、

1位 エマニュエル・マクロン前経済相 23.9%
2位 マリーヌ・ルペン国民戦線党首 21.4%

この二人が、5月7日の決戦投票に進みます。

この選挙、「時流的」には、非常に大事です。なぜ? 2016年は、「反グローバリズム」の強い流れが形成された年でした。それで、16年6月、イギリスの国民投票で「ブレグジット」が決まった。11月のアメリカ大統領選挙で「アメリカ第1主義」(=反グローバリズム)を掲げるトランプが勝利した。

この「反グローバリズム」の流れに乗っているのが、極右と呼ばれる国民戦線のルペンさんです。彼女は、「大統領になれば、イギリス同様EU離脱の是非を問う国民投票を実施する」と宣言しています。

  1. ルペンさんが勝つ
  2. EU離脱の是非を問う国民投票が実施される
  3. EU離脱派が勝利する
  4. フランスがEUを離脱し、EUは事実上崩壊

そもそもEUは、ドイツ、フランス、イギリス3大国が引っ張ってきた。イギリスが抜け、フランスが抜ければ、まさしく「EU崩壊」です。こういう「悪夢」が現実になるかもしれない。

伝説の日本人エンジニアがソニー「Xperia Touch」に感じた可能性

Windows95の設計に携わり、「右クリック」「ダブルクリック」を開発した世界的エンジニアである中島聡さんが、自身のメルマガ『週刊 Life is beautiful』の中で、ソニーの画期的な新製品「Xperia Touch」について紹介しています。同製品は、壁や机に投影した映像や画面をスマホと同じようなタッチオペレーションが可能という「超短焦点プロジェクター」。中島さんは、この製品の最も効果的な使い方について、相手にインパクトを与える方法やミーティングでの活用法など、起業家目線、エンジニア目線でさまざまな案を提示しています。

私の目に止まった記事

「Xperia Touch」ファーストインプレション:家にでっかいスマホがやってきた

ソニーが発表した、タッチオペレーションが可能な短焦点プロジェクターの紹介です。記事の中には動画もありますが、机に投影された画像を指で操作するという体験は、マン・マシン・インターフェイスの進化という意味でも、とても重要な一歩だと思います。

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Microsoft の Hololens に代表される Augmented Reality が次世代インターフェイスの一つの形として注目されていますが、このプロジェクターは、特殊なメガネの装着も、特別なソフトウェアも必要とせず、ビジネスの場面ですぐにでも使えるという点が優れていると思います。

応用はいろいろと考えられますが、もっとも効果的なのは少人数のミーティングの場でのプレゼンだと思います。通常のプロジェクターだと壁に投影することになるため、皆の視線がそちらを向いてしまうので親密さに欠けてしまいます。このプロジェクターを使って、テーブルの中心に投影し、かつ、指で直感的に操作できれば、より親密な形でのコミュニケーションが可能になります。

スポーツの日本代表名が「監督の名前+ジャパン」ばかりの根拠

昨今、個人情報保護の観点からマンションのポスト等に名前を敢えて出さない家庭も少なくありません。そんな中、無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者・廣田信子さんが耳にしたのが、思わぬ「名前の効用」。廣田さんは、こんな時代だからこその「名前や名前で呼ぶことの重要性」について記しています。

名前は単なる識別記号じゃない

こんにちは! 廣田信子です。

先日、昭和20年代、アメリカの影響を強く受ける戦後デモクラシー時代に小学生だった知人よりとても考えさせられる話を聞きました。その方が通う大阪の小学校では、クラスを1組、2組、3組…とは呼ばずに、別の呼び方をしていたといいます。

どんな呼び方だと思う? と聞かれて、アメリカだからA組、B組…?(全然、ユニークじゃない)、い組、ろ組…(ちょっと時代に逆行?)、じゃあ花の名前で、ゆり組、バラ組…(幼稚園じゃないよね)、色は! 紅組、白組…(う~ん、運動会みたい…)、と、みんなで考えましたが、これ以上浮かびません。

そこで、ヒントが!「○○組」じゃなくて、別の呼び方だと…。そこでも、「○○クラス」というベタな発想しか浮かばずお手上げ状態。

そこで、半分答えが…。「○○ホーム」と呼んでいた…と。「ホーム」…そうなんだ~! そういえば、「ホームルーム」というという呼び方は、今も学校に残っています。そうか、クラスは、学校における「ホーム」なんだ。

では、○○に何が入るか…。数字でも、アルファベットでもなく…。これもお手上げで、答えを教えてもらいました。

なんと、○○には、担任の先生の名前(名字)が入るのです。廣田ホーム、田中ホーム、森ホームといった具合に。そうか…クラスって、担任の先生が親代わりの学校におけるホームなんだ!!

ものすごく新鮮でした。先生の名前が付くだけで、クラスと言うものが、単に1学年の人数を機械的に分けて、それぞれのグループに識別記号をつけたものじゃなくなります。で、きっと先生の意識も、単なる1組の担当という呼び名とは違うはずです。実際に、ものすごく先生と生徒に一体感があるいい学校だったといいます。今ではすっかり姿を消してしまいましたが、こんな呼び方が広がっていたら、ひょっとしたら、今とは少し違ったクラス運営になっていたかも…。

実家がどんどん汚れていくことで気づく、両親の深刻な「老化」

久しぶりに帰った実家の様子がおかしい、よくよく観察してみると以前よりも汚く、片付けもされていないー。そんなシーンに遭遇した経験のある方、多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、高齢者の「家事問題」を記すとともに、その対処法を紹介しています。

シニア家事

さて、本日はオトシヨリの家事のお話。

子供のころ、祖父母と同居していました。二人とも比較的几帳面な方だったと思いますが、それでもだんだん部屋が片付かなくなっていきました。今になって思い返してみれば、おそらく視力が弱くなってゴミや小さなモノが見えなくなり、多少散らかっていても、それを認識できなかったんだと思います。

祖父母に限らず誰でも、年をとると家事が億劫になるものです。まあ、その気持ちは実感としてまだ理解できないので想像するしかありませんが、気力も体力も衰えてくればそんなものかもしれません。

一緒に暮らしていても別居していても、親の家事回りにもだんだんと気をつけてあげなくてはなりません。そもそもトシヨリはどんな家事を億劫だと感じるんでしょうか。これが解らないと、気をつけてあげることもできませんよね。

億劫=メンドクサイということですから、メンドクサイと感じる理由を教えてもらえる必要がありますよね。たとえば

  • 重たくて持ち上げられない
  • 高いところにあって取り出しにくい
  • 字が細かくてよく見えない
  • フタがカタくて開けられない
  • 音が小さくて聞こえない

などなど。家事は、身体を使う仕事なので、身体的な機能が衰えてくると、衰えた機能を使う家事がメンドクサくなるんです。できればこうしたメンドクサイ家事をノートに書き出してみるととてもイイでしょう。字にするといろいろなことがハッキリしますから。メンドクサイ家事に共通性があって、本人さえ気がつかなかった身体の衰えが発見されることもあるかもしれません。また、字にすると、家族以外の人にもメンドクサイ家事が何かが解りやすく、解決策が出やすくなるからです。

男性から共感の嵐? 「こんな女性とは暮らせない!」と思った瞬間

結婚する前、あんなに可愛くて、尽くしてくれて、何でも自分のことを「スゴイ!」と目を輝かせて褒めてくれていた妻が今は…とお嘆きのお父さん、旦那さん。あの綾小路きみまろさんが「嫁イジリ」で食べていけているところをみると、同じ思いを抱いている男性はかなり多いはず。今回のメルマガ『そうだったのか! この違いがわかれば、きっと許せる「男女の違い105」』では、世の男性が抱える「妻(彼女)への不満」を大公開。共感しているうちに、きっと気持ちが明るくなってくるはずですよ。

ここが我慢できない、こんな人とは暮らせない

私が主催している「相談室」には、恋愛相談、夫婦関係相談も多く寄せられるのですが、その中でも多いのが、

夫(妻)の彼(彼女)のここが我慢できない。どうして、こんなことをするのか? これをどうしたらいいか?」

というものです。

この相談をしてくる方々は、まだまだ二人の関係をなんとかしたい、という気持ちがあるので、いろいろな対処方法を模索されるのですが、正直なところ、パートナーを変えていくのは至難の業で、どちらかが、諦めるか、変わるまで根比べ状態になります。

なぜでしょう?

こちらにとっては我慢できないことが、パートナーにとっては、ものすごく自然なことだったり(今までそのようにしてきたし)そうしたいからしている無意識なことだったりして、とても直したくない直せないことでもあるからです。

「自分を愛していたら、直すはず…」

なんてことには、なかなかならないのですね~。

パートナーはパートナーで、

「これを直したら、自分ではない。だってこれは自分にとっては普通のこと。知り合う前からの習慣だし。相手を愛していても、直す必要はない。むしろ、相手が自分を愛していたらこんなことは大目に見るべきだし受け入れるべき

と、思っているかもしれません。

「愛」が、水戸黄門さまの印籠にはならないのですね~。

お互いさまというところもありますし、ね。

今号は、この辺りのお話ですが、うんうん、こんなことあるある~こんなことはないな、などなどと軽い気持ちで、自分たちのことを振り返ってみてくださいね。

少し冷静になってパートナーを眺めることができ、何かしら、発見もあると思います(笑)。

なお、今号は、相談室に寄せられた実例と、こちらの本↓の事例を参考に紹介いたします。

出典名:こんな女とは暮せない 著者: 荒谷 慈

出典名:こんな男とは暮せない 著者: 荒谷 慈

また、暴力、ギャンブル(を含む依存症)、浮気、借金などの深刻な事例は省いております。

よろしくお願いいたします。

今号のキーワードは、

  • 男性は、「代替えがきく」
  • 女性は、「だまされない」

どんなことか、最後まで読んでみてくださいね。

自分たちとは違うよ~と、思われる方もおられると思いますが、何かの参考にしていただければ幸いです。

その食事がうつ病の原因に?「うつ病と食生活」の意外な関係

うつ病を招く生活習慣として、ストレスや睡眠の習慣が関連していることは広く知られています。

最近では、食生活も深く関わることが注目されているのをご存じでしょうか。

誰でも起こりうるうつ病を予防するために、身近な食生活の見直しをしてみましょう。

今回は「うつ病と食生活の関係」についてご紹介していきます。

うつ病と食事の関係

うつ病はまだまだわからないことが多い疾患です。

それでも、これまで多くの研究が行われ、原因になりうることや、うつ病によって起こる身体の変化がわかってきています。

その人がもともと持つうつ病になりやすい性質である遺伝的要因、几帳面、責任感が強い、他人からの依頼を断れないなどの性格的要因、ストレスや環境の変化、睡眠不足、運動不足、食生活の乱れ、身体の病気、薬の影響といった環境的要因など、複数の要因が重なりあって発症します。

うつ病になると脳の機能に異常が生じ、神経伝達物質のセロトニン、ノルアドレナリンの量が減っていることがわかっています。

また、精神活動、運動、言語などを担う脳の前頭葉を中心に、脳の血流や代謝が低下していることもわかってきています。

ヒトは食事で摂る栄養素のおかげで身体のあらゆる機能を働かせることができます。

当然ながら、脳の機能も例外ではありません。神経伝達物質を作り、運び、働かすことや、脳の血流や代謝を促すことにも、食事で摂る栄養素や食事の摂り方が深く関わっているのです。

何気なくやっていませんか?うつ病を招く食生活

何気なくやっている食生活が実はうつ病のリスクになっていることもあります。

次のような食生活をしていませんか?

食事を抜くことがある、朝食を食べない

健康な身体づくりのためには、特定の栄養素を摂ることよりもまず、「1日3回の食事をバランスよく」が基本です。

なぜなら栄養素はそれぞれが影響しあって働き、全身のさまざまな場所で働いているからです。

特定の栄養素ばかりをたくさんとっても、一緒に働く栄養素がなければうまく働かなかったり、働いてほしいところで働かないということが起きます。

また栄養不足は、集中力の低下やイライラなどといった精神的不安定につながります。

適度なタイミングと量で必要な栄養素を補うためには、基本を守ることが大切なのです。

食事を短時間で済ますことが多い、仕事をしながら食べることが多い

カラダとココロの健康は、戦闘モードの「交感神経」とリラックスモードの「副交感神経」という2つの自律神経のバランスによって保たれています。

副交感神経が優位になる時間が少なく、自律神経のバランスが乱れると、不眠や抑うつ状態など、うつ病につながる症状を引き起こします。

副交感神経が優位になる時間のひとつが食事中。

ひとりでパパっと食べるなど、戦闘モードのまま食べると、副交感神経が優位になる時間が減ってしまいます。

必要な栄養素が摂れていない(食生活が偏っている)

また、身体に必要な栄養素が不足することもうつ病に関係しています。次のような食生活を送っていませんか?

○主食・主菜・副菜がそろわない食事が多い、菜食主義者だ

○インスタントやレトルト食品、ファストフードが多い

○食事制限のダイエットをしている

 

このような食生活を送っていると、身体に必要な栄養素が不足してしまいます。

どういうことなのか、次の項で栄養素について詳しく解説していきます。

うつ病を予防する栄養素

精神疾患が広く知られるようになり、発症や悪化の予防に効果のある栄養素についても、多くの研究が行われるようになりました。

けれども、残念ながら、明確に効果があるといえる特定の栄養素は今のところありません。

ただ、改善効果は明らかではないものの、うつ病に関わる可能性が示唆されている栄養素がふたつあります。

その1.オメガ3系脂肪酸

「オメガ3系脂肪酸」は、脂質の一種です。体内で作ることができず、食物から摂る必要がある必須脂肪酸のひとつです。

なぜオメガ3系脂肪酸が効くのかは研究段階ですが、脳の細胞膜を柔らかくし、脳を活性化させる働きが関係していると考えられています。

また、オメガ3系脂肪酸のひとつであるDHAは神経伝達物質を受け取る膜を作る材料です。

不足すると神経伝達がうまくいかなくなり、それが精神疾患の発症や悪化に影響しているのではないかと考えられています。

オメガ3系脂肪酸は、アジ、イワシ、サバなどの青魚に多く含まれる魚油、エゴマ油や亜麻仁油などに多く含まれています。

その2.トリプトファン

セロトニンが不足すると、脳の働きに不調が起こります。トリプトファンはセロトニンの原料となるアミノ酸です。

アミノ酸はたんぱく質の構成成分であることから、たんぱく質の多い食品に含まれます。中でも豆腐や納豆、肉、魚、チーズなどにはトリプトファンを多く含む食品です。

脳の組織や神経伝達物質を作るには、ビタミンB群、鉄分なども必要です。

これらは肉、魚、大豆製品に多く含まれるものなので、主菜をしっかり食べることが大切です。さらに、脳に栄養素を運び、合成を促すためには「糖質」が必要です。

結局のところ、特定の栄養素だけではなく、主食と主菜を合わせて食べるという基本の食事が重要というわけです。

うつ病を予防する食生活を始めよう!

うつ病を予防する食生活とは、1日3回、主食・主菜(特に魚)・副菜をそろえた和食中心の食事をとること、そしてよく噛み、楽しんで食べることです。

しかし、忙しい日常生活でこのような食生活を毎日毎食で実現することは難しいでしょう。

まずは、1日3回食べるようにする、1日の中で1回は基本の食事を心がけるなど、自分ができる範囲で予防に取り組んでみましょう。

 

執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ

 

<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

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