ホンマでっか池田教授が説く「コオロギ食バッシング」デマの構造

SNSで噴出した「コオロギ食」バッシングの背景として、前回記事で、昆虫食どころか昆虫そのものが身近でなくなったことによる嫌悪感を指摘したのは、CX系「ホンマでっか!?TV」でもおなじみの池田清彦教授。今回のメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』では、「コオロギ食」に関するデマを具体的に取り上げて検証し、SNSが作り出す「現代版オカルト」の構造をあぶり出しています。

現代版オカルトのデマの構造

前回は、科学が発達してきて、ごく一部の専門家しか、ある科学理論の当否を判断できなくなった現代社会では、少なからぬ人がSNSというおもちゃを駆使して、その感性はだんだん中世の迷信社会に近づいていると述べたが、中・近世の迷信と現代社会のオカルトは、エビデンスも再現可能性もないという点では同じだが、社会的な存在様式が異なるのだ。

中・近世の迷信は、信じるか信じないかはともかくとして、地域社会のほぼ全員に共有されていた言説であり、長い伝承性を持つが、現代のオカルトの多くは、SNS上で、一部の人たちに一瞬で広がり、線香花火のように消えていくことが多い。

中・近世の迷信には科学的エビデンスという概念はもちろん存在しないが、現代のオカルトは、科学的なエビデンスらしきものやごく常識的な主張が言説の一部に含まれていることが多く、なんとなく正しそうに見えるように装っているので、論理的思考力がない人が騙され易くできている。

これは、現代版オカルトに見られるデマの特徴で、このメルマガではコオロギ食バッシングと、新型コロナワクチン接種に対するバッシングについて、いくつかの事例を紹介したい。コオロギを食って死んだ人はいないが(日本では聞かないが、外国では、甲殻類アレルギーの人で、コオロギを食って死んだ人がいるかもしれない)、新型コロナのワクチンを打って死んだ人がいるという違いはあるが、デマの構造は良く似ている。

まず、前回でも述べたコオロギ食バッシングについて、いくつかの事例をこの観点から説明したい。最初に紹介するのは、日本では伝統的にイナゴは食べられていたが、コオロギを食べる習慣はなかったので、コオロギを食べると不都合が起きるという言説である。

確かに日本では、イナゴは伝統食として、日本各地で良く食べられていたし、コオロギはあまり食べられていなかったのは事実である。オカルトのオカルトたる所以は、ここから非論理的な飛躍をして、日本人が食べなかったのは、コオロギは日本人には毒だからだ、あるいは、日本人はコオロギを分解する消化酵素を持っていないからだ、という結論にもっていったことだ。

この記事の著者・池田清彦さんのメルマガ

始める理由と終わりを設定。続かないダイエットを成功させるコツ

ダイエットしたいと思っていろいろ試しても、長続きせず家族にも呆れられている。意志の弱い自分を嫌悪する読者の悩みに答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で公認心理師の永藤さんです。まずはなぜダイエットをするのか理由をはっきりさせ、いつまでにと期限を決めることをアドバイス。三日坊主で終わっても100回やれば300日坊主と後押ししています。

ちょっと御相談がありまして:意志が弱い

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。

Question

shitumon

50代女性。兼業主婦です。私は意志がとても弱いです。具体的に言うと、ダイエットができません。ネットや雑誌などに書かれている方法を試してみたり、いわゆるダイエットサプリのようなものを飲んだりしているのですが、続きません。ジムにも入会していますが、ちゃんと通えていません。

夫や娘には「またダイエット?何回目?」とあきれられています。私が家で何か甘いものを食べたりしているときに、二人からイヤミを言われたりします。自分の意志の弱さに、嫌になります。

【永藤より愛をこめて】

うんうん、わかります、ダイエットが続かない、ということ。ワタクシ永藤も、何年も何年もこの問題を放置しておりましたもの。放置していた期間だって、別に何もしていなかったわけではなく、あなたのようにサプリ飲んだりはしてましたもの。痛いほどわかりますよ。

ところで、質問者さんは、何のためにダイエットを成功させたいんでしょうか?

そう、ご存じだと思いますが、ダイエットにはとにもかくにもそれを阻む誘惑が非常に多いです。美味しいものというのは、十中八九カロリーが高いものですし、現状のサイズが理想と離れれば離れているほど、運動するのにはハードルが高くなっています。

ただなんとなく「体重落とさなきゃなー」では、阻む強敵になかなか勝てないので、「〇〇のため、絶対に成功させるんだ!」の、強力な〇〇が必要になってくるのです。この〇〇が強ければ強いほど、結果として私たちは「やらねば!」という意志が強くなるのではないでしょうか?

え?ない?

そっかー。じゃ、それを作ることから始めてみませんか?別になんだっていいんです、サイズアウトしてしまったお気に入りのこの服を着るため、でも、推しに会いに行く日にキレイでいるため、でも。

始めるからには終わりも設定しておいた方がいいです。3か月後の私、6か月後の私、1年後の私。どうなっていたいですか?どんな服を着ていたい?どんな笑顔をしていたい?パートナーや娘さんに、なんて言われたい?3か月後そうなっているために、今すべきことは?6か月後そうなっているために、今すべきことは?逆に、今好き放題食べていたら、明日、1週間後、1か月後、どうなってる?

この記事の著者・永藤かおるさんのメルマガ

櫻井翔の父親が“黒幕”か?ジャニー喜多川の性加害を上回る「日本のタブー」

被害者たちの勇気ある告発を受け、これまでの「慣例」を破る形でジャニー喜多川氏の性加害について報じ始めた大手メディア。しかし未だマスコミが沈黙を貫く「ジャニーズのタブー」が存在するようです。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、櫻井翔氏の父である桜井俊氏を巡る疑惑を紹介。メディアどころか与野党議員までもが桜井氏に対して及び腰である理由を解説しています。

【関連】全メディアが沈黙。ジャニー喜多川「性加害」問題を報じぬニッポンの異常

ジャニー喜多川氏の性加害問題を上回る、ジャニーズのタブー 嵐・櫻井翔パパ 桜井俊氏(元総務官僚) 自民党と電波利権をつなぐ者 放送法文書の“黒幕”か?

ジャニーズ事務所創業者ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題について、NHK、そして各キー局ともに“ようやく”というべきか、報道するようになった。

今月12日、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが日本外国特派員協会で記者会見。以後、NHKが日本のテレビ局として初めて、13日に報道。テレビ東京と日本テレビは14日に、それぞれ自社のWebメディアの「テレ東BIZ」「日テレNEWS」で報道。

その後、21日にジャニーズ事務所が社員や所属タレントに対し、聞き取り調査を行い、今後の対応について取引作企業に説明したと、「朝日新聞デジタル」が報道。

以前とは違い、ジャニーズ事務所の“タブー中のタブー”を大手メディアがここまで報道するようになった背景には、明らかにインターネットの存在があっただろう。

だからこそ、テレビがあからさまに報道しなくても、Web媒体が報じて、単なる“噂”として終わらなかった。

一方で、ジャニーズ事務所をめぐっては、もう一つ、触れなければならない問題がある。

活動休止中の「嵐」の櫻井翔氏の父親、桜井俊氏についての問題だ。くしくも、放送法をめぐる「政治的公平」の問題が国会でなされている。その“黒幕”が、桜井氏であると噂されているからだ。

目次

  • 放送法文書の”黒幕”か?
  • 桜井俊氏とは?
  • 自民党と電波利権をつなぐ者

放送法文書の“黒幕”か?

放送法が定める「政治的公平」についての解釈をめぐり、立憲民主党の小西洋之参院議員が公表した文書は、松本剛総務大臣は、総務省が作成した行政文書であることは認めたものの、しかし、それ以上の動きはみられない。

しかしことの本質は、問題の黒幕が当時の旧郵政省出身者の総務審議官であった桜井俊氏であること。

ただ、小西議員が示した文書には、「配布先」として当時の高市早苗総務大臣や事務次官の名前は入っておらず、“最初に”桜井総務審議官の名前が登場。

あるいは、

「礒崎陽輔総理補佐官からの連絡(総理レクの結果)」

の報告では、

「桜井総務審議官限り」

となっている文書もある。

つまり、桜井氏は“当時の全てを知る人物”であるのだ。

「『取扱厳重注意』の文書を小西洋之議員に手渡したのは、国家公務員法違反の機密漏洩に当たる可能性がある。文書は情報流通行政局保管だったが、大臣室からも閲覧できない。

つまり、旧郵政省グループしか知らない文書だった。おのずから『犯人』も限られてくる。桜井氏が招致されれば、監督責任問題が当然のことながら出てくる。与野党ともに『櫻井パパ』を追及することに腰が引けている」(*1)

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

プロに講釈を垂れてしまうド素人さんがビジネスで成功しないワケ

SNSを見ていると時折みかける、プロに講釈を垂れてしまうド素人さん。そのような人たちはビジネスで成長できると思いますか?今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょうおんさんは、 勝てない相手と戦うのは無駄であるとして、持論を語っています。

勝てない相手と戦うな

人間の能力は公平でも平等でもないのどころか、極端な偏りがあるので、巨大な能力を持つ人がいる一方、その状態だと大変ですね、ご愁傷様と言いたくなるような人もいるわけです。厳しいですが、これが現実ですよ。

そこに意欲とか努力の差が加わるわけですから、猛烈な格差が生じるのは当然です。

で、このメールマガジンの読者さんは、その平均的なところ、中間層にいる人が多いわけですが、それはつまり何を意味するかというと、

 ● 自分よりも圧倒的に優れた人間と戦う愚を犯すな

ということであり、

 ● イージーに勝てる相手を見つけて楽に勝て

ということなんですよ。

なんだか最近はえげつないことを書いていますが、リアルな社会ってそういうもんですよ。

どこに行けば自分が有利に戦えて、イージーに勝てるのかを考えることが人生の戦略を考えるということですよ。

ツイッターを見ていると、素人がプロに講釈を垂れたり、プロの意見に異論を唱えたりしている人がいて、どんだけエラいヤツなのかとプロフィールを見ると、完全な素人さんだったなんてことが良くあるんですね。

会社にも、その道のプロっているモノで、それが専門職と言われる人たちで、開発だろうが商品管理だろうが、プログラマーだろうがマーケターであろうが、門外漢が及びも付かない知識や経験を持っていたりするんですよ。

ところが自称頭の良い人に限って、そういう人にマウントを取ろうとしたりするんです。なんであんた素人のタダの営業なのに、マーケティングのプロに集客のやり方でマウント取ろうとしているの?

エンジニアでもないあなたがなんで、ウチの会社の技術力をバカにするようなことを言えるわけ?

あなたはPLを背負っていないのに、なんで部門の責任者の人事にケチを付けられるわけ?

これは門外漢がその道のプロにケンカを売ってしまったおバカな例なんですが、同じ専門家、プロ同士であっても、そこにはレベル差があるわけですよ。

現実にはこちらの方がシビアな結果になるわけなんですがね。

頑張っているのに成果が出ない人が使っている「ダ行」の言葉

「AI分析でわかったトップ5%」といえば、ビジネス書としてすでに定着しつつあるシリーズ。今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』で土井英司さんが紹介するのは、シリーズのなかでも営業に特化したセールス編です。

人気シリーズ営業編⇒『AI分析でわかったトップ5%セールスの習慣』

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AI分析でわかったトップ5%セールスの習慣

越川慎司・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、累計18万部を超え、すっかり定着した感のある、「AI分析でわかったトップ5%」シリーズの最新刊。

今回は、セールス編ということで、800社2万1,000人の営業職に調査・行動分析した結果が紹介されています。

今回、ちょっとこれまでと違うのは、セールスには「ラッキーパンチ」があるため、あえて営業成績トップではなく、「3年連続で目標を達成している人」に絞った点。

成果が安定しており、再現性のある方法論を実践しているトップ5%セールスのやり方を紹介しています。

セールス職は、時間との勝負のため、いかにムダをなくすかという点が重要ですが、本書を読む限り、95%セールスの書類関連のムダはかなり多いようです。

「営業部門の『パワポ職人』でトップ5%セールスに入っている人は13%しかいない」と著者が述べているように、ムダに色が多かったり、量が多かったりする資料はトップ5%セールスには好まれていないようです。

実際、著者らが826人の意思決定者にヒアリングしたところ、評価されるのは「10秒程度で要点が分かる資料」。

「要点が分かると、そのあとに詳細な情報が知りたくなる」のだそうです。

他にも、トップ5%セールスは自己紹介が95%セールスと違っている、「よろしくお願いいたします」で商談を始めない、など、興味深いファクトがいくつも示されています。

コロナですっかり定着したオンライン商談の成約率をアップさせるヒントなども示されており、営業職の方は、チェックしておくといいと思います。

 

高齢化社会へ突入した韓国。この国ではなぜ高齢者が「差別」を受けるのか?

日本と同様に高齢化問題が深刻になりつつある韓国では、高齢者関連の制度が整備されるようになってきました。今回の無料メルマガ『キムチパワー』で、韓国在住歴30年を超え教育関連の仕事に従事する日本人著者が、その制度に貢献した「大韓引退者協会」というものについて詳しく紹介しています。

韓国で老人はなぜ差別を受けるのか

チュ・ミョンリョンさん(78)。大韓引退者協会(KARP)代表。2000年代初め「老齢社会を先導するNGO」を掲げて活動を始めた。過度な政治色もなく、政府支援なしに会費と寄付金(プラス自分の金)だけで運営されていた。

13日、ソウル広津区(クァンジング)の商店ビル地下にあるKARP事務所を(東亜日報の記者が)訪れた。天井から水が漏れたりトイレもない90坪余りの空間は、各種冊子と書類がぎっしり詰まった事務室と会議室、講義空間などに分かれていた。隅ではちょうど高齢の講師が生徒2人(お年寄り)に携帯電話の使い方を講義していた。

大韓引退者協会は1月15日、創立21周年を迎えた。その間、韓国社会も大きく変わった。特にシニア関連制度、すなわち年齢差別禁止法、住宅年金、定年延長、基礎老齢年金などが導入されたことには彼が寄与した役割が少なくない。

――最もやりがいがあると挙げる業績は何ですか。

「住宅年金が導入されたことですね」

07年7月に実施された住宅年金制度は、実需要者が多くなった最近さらに注目されている。住宅年金制度は、今住んでいるマンションなどを担保として(マンションの価格に応じた)年金をもらい、生の終わりまで年金をもらい続けていくというもの。

KARPは創立初期に派手な照明を浴びた。2002年に韓国プレスセンターで開かれた創立総会には、当時の金元吉(キム・ウォンギル)保健福祉部長官、米国引退者協会(AARP)テスケンザ会長、駐韓米国大使館公使、ムン・テジュン韓国社会福祉協会長ら名士が総出動した。

ソウル麻浦(マポ)に家賃1,000万ウォン以上の事務所を設け、職員18人を採用した。

――背後にすごいスポンサーがいるのかと思いました。

「スポンサーが私でした。私財を投入しました。オフィスに電話機を100台も置きました。アメリカで見た引退者協会の感じを生かそうと思ったんです(笑)。何年か投資すればうまくいくと思っていました。本当に無謀でした」

毎年6億ウォンずつ赤字が出て、3年ほど経つと「現実自覚タイム」がやってきた。「大変だな…」と。結局、事務室を現在の広津区(地価の安い)商店ビル3階に移した。3年前には再び地下階に降りてきた。

――今協会はどのように運営されていますか。

「私たちの年会費が10万ウォンです。全国会員18万人といってはいるんですが…。真の会員があまりいないので…。運営費を賄うためにお菓子工場やカフェ、食堂も運営してみましたが、うまくいきませんでした」

――モデルにした米国引退者協会は会員3,800万人、予算2兆ウォン規模で盛業中ですが。

「最大の違いは収益モデルです。1950年代に退職教師協会から始まったアメリカ協会は、保険会社が入って財政が定着しました。最近は米国メディアがAARPを『世界で一番大きな保険会社』と批判するほどです。私も韓国で保険の方を調べてみたんですが、既存の保険会社の支部の役割しかできなくなっていましたね。保険会社の取り込みを諦めるしかなかったんでいきなり大変になったんです。結局はお金が問題です」

中国がスーダンへ特使派遣の情報も。内戦の仲介に乗り出す習近平の目論見

国軍と準軍事組織それぞれのトップの権力争いが激化し、内戦状態にあるスーダン。両者とも一歩も引く気がないと伝えられ、停戦は絶望視されているのが現状です。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田久仁彦さんが、この内戦が地域全体に飛び火する危険性を指摘。さらに独自に掴んだという、中国が両者の仲介に乗り出すという情報を紹介するとともに、その裏にある習近平政権の「狙い」を考察しています。

中国が調停役に名乗りか。歯止めの利かないスーダン情勢でも見せたい実力

「このまま戦いを続ければ、絶対に我々の側が勝利し、栄光を得る」

これはスーダンで戦争を繰り広げる国軍・そしてRSF(即応支援部隊)双方が、調停の場で堂々と主張している内容です。

若干の誇張と意地の張り合いの兆候があることは否めませんが、今回、当事者となっている両方の軍事組織は一歩も譲歩するつもりはないようです。

時折72時間の停戦合意ができるものの、国内の外国人の退避のために用意したはずの72時間の間、スーダン各地で戦争は継続され、ほぼ無差別な攻撃が行われています。

報じられている通り、これまでに少なくとも500人が死亡し、その大部分が民間人であるとされ、その中には、本来ターゲットになってはいけない国連職員3名(WFP 世界食糧計画)も含まれています。

それに加え、病院や学校などが次々と標的にされ、国内からは飲み水が消え、停電が常時起きており、戦闘から逃れることが出来ても、生きるためのbasic needsが奪われ、近年、まれにみる人道危機に瀕しているとの報告を受けています。

ニュースでも報じられているように、在留日本人を含む外国人はすでに各国の協力もあり、ほとんどが国外への退避を終えていますが、スーダンの人々については、差し迫る戦火と対峙しつつ、大多数がスーダン国内に国内避難民(Internally Displaced People)として留まっています。

経済的・物理的に余裕がある家族については、隣国への退避を決行しているものもありますが、それはそれで、ただでさえ不安定な東アフリカ情勢へのさらなる緊張要因になりつつあり、それがまた新たな火種に発展する恐れがあります。

そして一気に悪化する治安状況を受け、すでに国内数か所でPrison break(脱獄)が大量発生し、約2万人の囚人が街に出た結果、略奪と殺戮が横行し、そこにRSFなどの蛮行も加わってもう歯止めが効かない状況になっているようです。

スーダン政府にはかつて仕事を共にした仲間がたくさん働いていますが、家族をいち早く国外に逃がし、自らはハルツームに残って戦っているようですが、ぽつりぽつりと連絡が途絶えていく状況に言葉が見つかりません。

今回の内戦は、決して国内で治まることはなく、早くも地域安全保障にとっての大きな問題・脅威に発展しています。

スーダンを軸に見た場合、隣国はかつての同胞である南スーダン、そしてティグレイ紛争以降、さらに対立が深まるエチオピア、そのお隣のエリトリアなどがありますが、この地域は実は国際情勢の勢力圏争いの縮図のような場になっています。

今回の舞台、スーダンについては、アメリカ政府がかねてより経済的・軍事的に肩入れしており、東アフリカと中東地域を監視する情報の主力拠点になっています。それゆえに、今回の内戦についても、勃発からすぐにアメリカのインテリジェンスからの情報が流され、同盟国に共有されていますし、無人偵察機をスーダン上空に飛ばし、情報収集を許可されているという状況があります。

それに加え、アメリカの支援は、今回戦う国軍とRSF双方に及んできたことから、他の紛争に比べ、ペンタゴンや国務省曰く、当事者意識が強いそうです。ゆえに国軍側とRSF側双方にアクセスでき、今回の紛争とその原因になった政治的な権力・主導権争いの様子は掴んでいるようです。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

教団トップも「同等」と発言。山口県下関市が「統一教会の聖地」説は本当か?

さまざまな議論を引き起こした、衆院山口4区の補選に出馬の有田芳生氏による「下関は統一教会の聖地」発言。識者は一連の騒動をどう見たのでしょうか。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さんが、有田氏の発言を「重要な注意喚起とみる」としてその理由を解説。そして有田氏の発言を「ヘイトスピーチ」とする声に対して、現役信者たちがどう感じているか、元信者の立場から推察しています。

統一教会の被害が生まれる可能性の高い場所。「下関は統一教会の聖地」発言が意味すること

山口4区補欠選挙に出馬した、有田芳生さんは残念ながら、当選となりませんでしたが、「この下関って統一教会の聖地なんです」との演説の言葉は、多くの人たちへの注意となる大事なメッセージになったと考えています。

そもそも、この言葉は文鮮明教祖が日本に初めて下関から入国した1941年4月1日を記念する「日臨節」の大会における講演で、教団トップである、方相逸大陸会長が「山口の下関は聖地と同等の場所です」と祝祷を捧げたところからきています。

すでに元信者の立場からヤフーコメントもしましたが、教団トップの言葉は、神様の言葉なので、絶対視しなければなりません。

「聖地と同等」と言われれば、文字通りに信者は下関を捉えます。

つまり、下関が教団トップによって「聖地」と位置づけされることで、他の地域に比べて教団の信者らがより力を入れて伝道やお金集めの活動をしてくる場所になります。

つまり、旧統一教会による被害が生まれる可能性が高い場所ということになります。

まして安倍元首相の地盤でもあるので、信者らは彼を「教団に多大な貢献をしてくれた人物」として英雄視しており、信者らの力の入れようは半端ではないものになると考えます。

長年、詐欺や悪質商法を見てきて、被害に遭わないためには、まず自分が狙われているかどうかを知ることが必要です。

その上で身を守るための術を考えなければなりません。特殊詐欺であれば、詐欺グループは取得した名簿をもとに一定の地域を狙い打ちして詐欺の電話をかけてきます。不審な電話のかかってきた地域を警察は警戒します。

ターゲットにされているという状況を知ることは、何より大事になります。

住民たちも知らない下関と統一教会の深い関係

日本の統一教会の礎を築いた西川勝氏も下関にゆかりがある。

私が「下関は聖地と同等」という言葉で、すぐに思いだすのは、日本の教会の礎をつくった、西川勝氏(崔奉春:脱会)という宣教師のことです。

彼は文鮮明教祖の命をうけて、1958年に韓国から日本へ密入国しますが、捕まります。その後、収容所に送られて、病気のために「下関」の療養所に入ったと聞いています。しかし彼は療養所から逃げ出しました。

その後、彼の布教活動により、松本道子(松本ママ)、久保木修己元統一教会会長など、早々たるメンバーが入信していき、今の日本の統一教会の礎が築かれました。

彼がいなければ、久保木修己氏もいないし、今の教団の信者らは存在しないわけです。もちろん、今の日本の教団がありえないといってもよいと思います。

そうした意味においても、西川氏が一時期「下関」に身を寄せていたことは信者にとって、教団の出発点となる思い入れのある土地と考えている人もいると思います。

おそらく下関に住む多くの方は、この地が教団にとって縁のある土地であることを知らなかったと思います。

教団の正体を隠した布教活動や、霊感商法、高額献金等の被害が起こりやすい土地柄になっているとの認識が大事だと考えます。

この記事の著者・多田文明さんのメルマガ

魚フライ500個を売り切った戦略。セブンイレブンが活用する「仮説-検証」の力

長きにわたりコンビニの王者として君臨するセブン-イレブン。その圧倒的な強さの秘訣はどこにあるのでしょうか。今回、同社の力の源泉を探っているのは、神戸大学大学院教授で日本マーケティング学会理事の栗木契さん。栗木さんはセブン-イレブンが組織的な仕組みのもとで繰り返してきた「仮説-検証」に焦点を当て、その優れたシステムを詳しく解説しています。

プロフィール栗木契くりきけい
神戸大学大学院経営学研究科教授。1966年、米・フィラデルフィア生まれ。97年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(商学)。2012年より神戸大学大学院経営学研究科教授。専門はマーケティング戦略。著書に『明日は、ビジョンで拓かれる』『マーケティング・リフレーミング』(ともに共編著)、『マーケティング・コンセプトを問い直す』などがある。

魚フライ単品で500枚も売れた事例も。セブン-イレブン「仮説-検証」の複眼的活用

日本の小売産業のなかにあってセブン-イレブンは、収益性の高い経営方式を確立している。セブン-イレブンは、組織的な仕組みのもとで仮説-検証を繰り返すことで、売り逃しのロスの低下などを実現していることで知られている。

コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻などの事態に直面しなくても、変化が絶えないのが市場である。消費者の嗜好や生活は、常に変化していく。

セブン-イレブンの個店舗では、こうした日々のなかにあって、「今、何が、いつ売れるか」の仮説を考えてみては、この仮説をそれまでの販売データや気象データなどの各種のデータと突き合わせて、その妥当性を確認した上で、発注を行い、さらにその結果となる販売実績をPOSデータで検証するのだという。

そして個店舗で実績をあげた仮説については、エリア内の他の店舗にすばやく導入し、この試行の結果をエリアで検証し、全国に広げる。セブン-イレブンは、このような組織的な仕組みのもとで仮説-検証を繰り返している。

科学的な予測精度の向上にも通じる仮説-検証

セブン&アイ・ホールディングスの会長などを長らくつとめた鈴木敏文氏は、過去の成功体験にしばられることを「成功の復讐」と呼び、過去の体験を未来に向けた行動に持ち込むことを避けるように説いている。そしてそのためにセブン-イレブンでは、組織的な仮説-検証の仕組みを整えている。

セブン-イレブンの成長と収益を支えてきたこの仕組みには、一面で批判的合理主義という科学の方法論と通じるところがある。科学哲学の大家であるK.ポパー氏によって提唱された批判的合理主義は、1回のデータ分析だけで高い再現性のある関係を実証することは難しくても、複数回の仮説-検証を繰り返していくことで、仮説の予測の精度を高めていくことができることに注目する。この批判的合理主義との共通点をもつアプローチが、セブン-イレブンの仕組みには取り入れられている。

グーグル日本元社長が苦言。ChatGPTを触らぬノリの悪い日本の経営者たち

あまりの性能の高さを危険視し、使用を制限する国まで出るに至ったChatGPT。はたして我々は、この新しいツールとどのように接してゆくべきなのでしょうか。先日創刊したばかりのメルマガ『『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~』では、『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』等の著作でも知られる辻野さんが、AIの歴史を振り返りつつ各種生成AIの今後について予測。さらにビジネスの世界に身を置く人間に求められる、「生成AIとの関わり方」を提示しています。(この記事は音声でもお聞きいただけます。

最近気になったニュースから。ChatGPTについて

ChatGPTのデビューは昨年11月ですが、日本でも年明け位からぼちぼち話題になり始め、最近はすっかりこの話題で持ち切りですね。先日は開発元であるOpenAIのサム・アルトマン氏が来日して、岸田首相や自民党議員たちと懇談したことも広く報道されました。

ChatGPTについてはすでに大勢の人たちが、さまざまな視点から解説したり論評したりしていますが、私もこの話題について技術史的な観点も含め、簡潔に取り上げておきたいと思います。

ChatGPTのような、文章、画像、音声、プログラムなどさまざまなコンテンツを生成することができるAIを生成AIとか生成系AIなどと呼びますが(Generative AIの訳)、そもそもAIの研究開発には1950年代からの長い歴史があり、ブームと冬の時代を交互に繰り返してきました。

50年代から続くAI研究の長い歴史

私がまだ大学にいた1970年代後半から80年代初めは、「人工知能の父」とされるMITのマービン・ミンスキー博士などが活躍した1960年代の第一次AIブームが過ぎ去った後の冬の時代が終わり、エキスパートシステムと呼ばれる推論マシンの登場で、ちょうど第二次AIブームが幕を開けた頃でした。日本でも1982年に「第五世代コンピュータープロジェクト」と呼ばれる国家プロジェクトが鳴り物入りで立ち上がり、大学での所属研究室でも大いに注目していましたし、研究テーマとしてもAI関連のテーマが人気でした。

しかしながら、一時期もてはやされたエキスパートシステムは、人力でやるしかなかった知識ベースの構築がネックとなって限定的な成功に留まりました。また、期待された第五世代コンピュータープロジェクトも大きな成果を上げられないまま、次第に世間の関心を失っていきました。第二次AIブームは結局10年あまりで下火となり、以降、AI研究は再び冬の時代に戻ってしまいました。

その後、2010年頃から、人間の神経細胞の仕組みを模したニューラルネットワークを基にしたディープラーニング(深層学習)が注目されるようになり、いわゆる第三次AIブームといわれる時代に入りました。ニューラルネットワーク自体は古い研究テーマですが、ディープラーニングにより、精度の高い自己学習が可能となったAIは、インターネットや半導体の飛躍的な発展にも支えられて、ついに二度と冬の時代に逆戻りすることのない継続進化のステージを迎えたといえます。

2016年には、まだまだ人間の方が強いと思われていた囲碁の世界で、グーグルが買収した英国のAIベンチャー ディープマインド社が開発した「アルファ碁」が、韓国人のトップ棋士イ・セドルとの5局勝負を4勝1敗で勝ち越して、世間に大きな衝撃を与えました。個人的には、ここから既にシンギュラリティ(*)の時代に入ったと捉えています。すなわち、シンギュラリティ元年は2045年ではなく2016年だったということです。ちなみにこの年は、前述のミンスキー博士が亡くなった年でもあります。

この記事の著者・辻野晃一郎さんのメルマガ