米中首脳会談で露呈。トランプにも権力闘争にも敗れた習近平

中国で今年秋に開催予定の「共産党第十九回全国代表大会」。この場で決定する最高指導部のメンバー如何で、今後の習近平国家主席の影響力が大きく変わってくるとされています。一体どのような人選がなされるのでしょうか。4月13日に創刊された有料メルマガ『石平の中国深層ニュース』の著者で中国出身の評論家・石平(せきへい)さんは、先日の米中首脳会談の参加者にそのヒントがあるとし、前国家主席の胡錦涛氏が打った「布石」について詳述しています。

米中首脳会談から見た共産党権力闘争の行方

前回「屈辱の容認。なぜ中国は北朝鮮をあっさり捨てたのか?」では、4月6日、7日に行われた米中首脳会談で、中国の習近平国家主席がトランプ大統領にたいして「画期的」ともいうべき大きな譲歩を余儀なくされたことを記述した。実は同じ米中首脳会談において、中国共産党政権の内部における権力闘争の行く末を占うための重要なヒントも隠されていた。

現在、共産党内の権力闘争の焦点となっているのは、今年秋開催予定の共産党第十九回全国代表大会(十九回大党大会)における最高指導部人事の入れ替わりである。

2012年11月開催の共産党第十八回全国代表大会(十八回党大会)では習近平氏が共産党総書記に選ばれ、習近平政権が誕生したことは周知のとおりである。実はこの大会で誕生した政治局常務委員会、すなわち最高指導部の人事は、習氏にとっては甚だ不本意なものであった。政治局常務委員の7名のうち、いわば「習近平派」となっているのは彼自身と盟友の王岐山氏の2人、後述の共青団派からは李克強氏が1人、他の4名は全員江沢民派のメンバーか江沢民氏の息がかかっている人たちである。

それ以来の4年あまり、習氏はまずは江沢民派を目の敵にして叩き潰そうとした。彼は盟友の王岐山氏を腐敗摘発の専門機関である党規律検査委員会の主任に据え、腐敗摘発を政治闘争の武器にしてすでに引退した江沢民派の幹部たちを片っ端から摘発して潰す一方、これを以て、政治局常務委員となっている江沢民派の幹部たちを恫喝した。

これで最高指導部において江沢民派幹部はいっせいに黙ってしまい、習氏に正面から反抗する者はいなくなった。結果的には、習氏への権力集中が急速に進んでいた

そして今年秋に開かれる予定の共産党十九回大会では、政治局常務委員である江沢民派の4人の幹部は全員高齢となって引退する運びとなっており、政治局常務委員会人事の大幅な入れ替わりが予定されている。もちろん習近平にとって、それこそ自分の子分たちを最高指導部に引き上げて本格的な習近平政権を築き上げる絶好のチャンスであろう。

しかし今、習近平氏の邪魔となっているのは別の派閥である。首相の李克強氏が所属する共青団派である。

共青団派というのは、習氏の前任の共産党総書記・国家主席だった胡錦涛氏が作り上げた派閥である。共産党指導者となる前、胡氏が長期間にわたって中国共産党の外郭団体で「党の予備軍」と呼ばれる共産主義青年団(共青団)のトップを務めていたが、2002年に胡錦涛氏は共産党の最高指導者になってから、共青団派から自分の子分たちを大量に抜擢してきて、党と国家の要職に据えた。そして2012年11月に胡氏は「二期十年」の任期満了で党総書記のポストを習近平に明け渡す時、それとの引き換えに、共青団派の50代の若手幹部を共産党政治局に送り込むことに成功した。

そうすると、今年秋の十九回党大会において、政治局常務委員会人事の大幅な入れ替わりが行われる時、今はその一段下の政治局に入っている共青団派、すなわち胡錦涛派の50代、あるいは60代になったばかりの若手幹部たちはいっせいに、政治局常務委員に昇進してくる流れとなっている。しかしそれでは、この党大会で誕生してくるのは、本格的な習近平政権というよりも、実質上の胡錦涛政権」となってしまうのである。

もちろん、現役の党総書記・国家主席の習近平氏にとって、それは何とか阻止すべき由々しい事態であるに違いない。実際、習近平氏はこの数年、腐敗摘発で江沢民派を叩き潰す一方、共青団派に対する圧迫も牽制も忘れていない。本来、首相である李克強氏の管轄する領域である経済運営にも足を踏み入れ、李氏から経済運営の決定権を奪ったことはその現れの一つである。

しかし今になってみると、どうやら習氏の努力は無駄に終わってしまい、次の党大会における共青団派勢力の上昇はもはや止められない勢いとなっている様相である。それが、今月6日、7日の米中首脳会談における中国側の参加者の顔ぶれを見れば一目瞭然なのである。

一級国と二級国に分ける差別宣言を採択? 岐路に立つEUの未来

ギリシャやスペインなど加盟国の財政問題が山積し、さらにはイギリスの離脱がほぼ決定するなど、存続の危機すら囁かれているEU(欧州連合)。今回の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では嶌さんが、その発足から現在までの流れを振り返り、EUの今後を独自の視点で占います。

理念死守に踏みとどまるEU

EUの原点となったローマ条約の制定から60年が経った。3月末、EU離脱を決めたイギリスを除く27加盟国がローマに集結。結束を誓い「異なる速度と強さで行動を共にする」との宣言を採択した。統合速度を多様化させる方針は、一見すると欧州の格差に見合った統合を進めるように見えながらもEUを一級国と二級国に分ける差別ともとられ、東欧諸国の反発もありEUは新たな曲がり角に立っているようだ。

「当店はNo.1です」という店にかぎって満足度が低いワケ

街を歩いていると、「当店は満足度 No.1です!」などという看板を掲げているお店をよく見かけますよね。同様のチラシやWebサイトなどもありますが…、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、「このような宣伝文句はどれもピンとこない」とバッサリ。それでも「ナンバー1」だとアピールしたいなら、その根拠をしっかりと提示すべきだとしています。

何がNo.1なの?

「当店は、地域で一番元気なお店です!」

「当店は、接客No.1を目指しています!」

「当店は、どこにも負けない癒し空間です」

「顧客満足No.1です!」

みたいなポスターやポップを店内やWebサイトに掲げたりしているお店を時々見かけますが、正直言ってどれもピンときません

地域で一番元気なお店」って言われても、声が大きいだけなのか、スタッフが元気なのかどうかなんてことは他店と比べてもその基準はイマイチ分からないですし、「接客No.1を目指しています」なんて言われても、どのような接客がNo.1なのか、お店の業態、コンセプトによっても異なります。「どこにも負けない癒し空間」なんて言われてもそもそも癒し空間に勝ち負けがあるかどうかなんてことも分かりません。「顧客満足No.1です!」といったところで、どことどこをどう比べて満足なのか? も、よくわからないものがほとんどです。

第三者から見て、わけの分からないことは、そこで働くスタッフたちも分かっていないことが大半です。よくマーケティング本なんかで他社にはない強みを打ち出しましょう、なんてことが書かれていますが、それをやってみて、強みどころか訳が分からないものが出てきた、なんて経験、もしかしたらあるかも知れませんね。

強みや会社・お店の目標をお客さんにも見えるように掲げる、ってことは良いことですが、訳が分からないようでは全く意味がありません

【豆知識】問題です。なぜ葉っぱは緑色に見えるのでしょうか?

街路樹などの新緑が目に鮮やかな季節がやってきました。その木々の葉、なぜ私たちが緑色と認識できるか、ご存知でしょうか。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』の著者・須田將昭さんがその仕組を解説、さらに「光合成」の意外な事実も紹介しています。

葉っぱはなぜ緑色に見えるの?

目には青葉 山ほととぎす 初がつを(素堂)

皆様もよくご存知の俳句です。多くの人は「目に青葉」で覚えていらっしゃると思いますが、本来は目には青葉」です。ただ、「字余り」なので、「目に青葉」で広まったようです。

意味は、「目には新緑が眩しく映り、耳には山ほととぎすの鳴き声が聞こえてくる。口には初がつおを味わう」という感じでわずか17文字の中に、「視覚・聴覚・味覚」の三つの感覚で捉えた初夏の季節の様子を封じ込めています。

この時期、まさに新緑のまぶしい季節です。我が家の東には「河内富士」と呼ばれる交野山があり、職場からは六甲の山並みが見えます。実に美しく、気持ちのいい季節です。

さて、この「新緑」はもちろん、木々の芽・葉が緑色だからそう見えるのですが、なぜ葉は緑なのでしょう?

小中学校の理科で「光合成」を習ったことを覚えている人なら「葉緑体があるからでしょ?」とお答えになるかもしれません。正確には「葉緑体の中の葉緑素」が緑色の素なのですが、では「なぜ葉緑素は緑に見えるのか?」というのが疑問として残ります。

私たちはどうして「色を感じる」のでしょうか? 私たちの目が「赤色だ」「緑色だ」と感じているのは、その物質がその色を反射しているからです。その物質が反射した色を受け止めて色を感じています。

そもそも太陽の光はあらゆる色の波長を含んでいます。ですから、太陽の光は特定の色はしていません(明け方や夕方は赤っぽくなりますが)。そのあらゆる色の波長を含んだ太陽光線を受けて、葉っぱは緑色の波長だけ反射しているのです。

では残りの波長は? そう、葉緑体が残りの波長を吸収して、光合成を行っているのです。光合成は、水と二酸化炭素を原材料に、光のエネルギーを受けて、酸素と養分を作る作用です。その「光のエネルギー」は、太陽光でも人工光でもいいのですが、緑色の波長ではダメだということになります。

そして私たちが見ている「赤」「青」「黄」などの色は、その物質は他の色の波長は吸収して、それぞれ「赤」「青」「黄」を反射している、ということなのです。

私たちが色を感じる、物質がある色をしている、ということの仕組み、面白いものですね。

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これからの時代は「どれだけオタクになれるか」が価値になる

誰でも簡単に専門的な情報を入手できるようになった昨今、我々の趣味嗜好はディープに、そしてマニアックな方向へとシフトしています。そんな時代のビジネスはどうあるべきなのでしょうか。無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんが、これからの「新しいマーケティング」について考察しています。

狭く深く生きるのがふさわしい時代

ネットがこれだけ発達して、スマフォを初めとするツールがこれだけ普及すると、情報を手に入れるということのハードルがほとんどゼロになりました。何か知りたいと思ってググれば、そこそこ精度の高い情報が瞬く間に手に入るからです。

そういう時代に何が起こるかというと、物事がドンドン細分化しニッチな方向に枝分かれして行くはずなんです。もう少し別の表現をすると、よりディープな方向に興味がシフトして行くということです。かつてはヒットソングといったら、テレビでもラジオでも有線でも、そして街中でも同じ曲が繰り返し流されている曲、国民の大半が知っている曲という定義だったんですが、今では、

  • 高校生の中だけで売れている曲
  • 40代50代の男性で売れている曲
  • アイドル好きの中だけで売れている曲
  • 洋楽ファンに売れている曲

は当たり前ですが全然違うんです。そしてこの垣根が飛び越えたり混ざったりすることはないんですね。お互いが完全に独立したマーケットとして、別の世界として動いている。だから宣伝広告や、流通の方法もそのマーケットに特化したモノを用意しないとビジネスにならないわけです。そういうことがドンドン顕著になってきました。

これはスポーツだって、旅行だって、グルメだってみんな同じで、出来るだけ他の人とは被らない自分だけの好き嫌いを追及するようになって来たんですね。

オタクの世界でも同じで、ミリオタ(ミリタリーオタク)とか鉄ちゃん(鉄道マニア)もドンドン細分化していて、ミリオタなら

  • 戦史オタク
  • 制服オタク
  • 艦船オタク
  • 体験オタク

では興味の対象、おカネの使い方が全然違うんです。鉄ちゃんも同じで、撮り鉄(写真を撮るのが好きな鉄道マニア)と、乗り鉄(実際に乗るのが好きな鉄道マニア)、模型鉄(Nゲージとかでジオラマを作るのが好きな鉄道マニア)では、一緒に集まっても全く会話が成立しないみたいです。つまり彼らを大きな枠の「ミリタリーオタク」とか、「鉄道マニア」と呼ぶのがふさわしくないわけです。

【書評】あの『週刊文春』編集長がぶっちゃける、文春砲の撃ち方

数ある総合週刊誌の中で13年連続実売部数トップを走り続ける「週刊文春」。「ホンが売れない」と言われて久しい昨今ですが、なぜ文春は「完売に次ぐ完売」を記録できるのでしょうか。今回の無料メルマガ『ビジネス発想源』では、そんな文春の現役編集長の著書が紹介されています。

情報は信頼

最近読んだ本の内容からの話。

1989年に文藝春秋社に入社した新谷学氏は、「Number」、「マルコポーロ」、月刊「文藝春秋」などの編集部を経て、2012年に週刊文春の編集長となった。新谷氏が編集長に就任するや「週刊文春」は、「小沢一郎 妻からの『離縁状』」「巨人 原監督が元暴力団員に一億円払っていた!」という独自ネタで注目を集め、創刊以来初の2号連続完売を成し遂げた。

「ASKA氏の覚せい剤疑惑」、「佐村河内氏の偽ベートーベン事件」、「清原和博氏の覚せい剤疑惑」など、次々に世の中を賑わすスクープを連発し、新聞やテレビなど多くのメディアは後追いするだけ。2016年には「ベッキーとゲス川谷の禁断愛」、「甘利明氏の金銭授受疑惑」、「SMAPの裏切りと屈服」などで完売を記録

「週刊文春」は総合週刊誌の中で実売部数13年連続1位を走り続けており、雑誌業界は斜陽と言われている今、まだまだペンの影響力が健在であることを知らしめている。

新谷氏は、編集長になって最初の挨拶で、「週刊文春の最大の武器は、スクープ力だ。スキャンダルは雑誌の華。どんどんいいネタを持ってきてほしい」と全員に言った。「週刊文春」がトップの座を維持しているのは、「週刊文春」が「スクープを狙うという戦い方を変えていないからだ、と新谷編集長は語る。

「週刊ポスト」や「週刊現代」などライバル誌はヘアブームに乗っかったり、「死ぬまで性行為」などの高齢層をターゲットとした企画を出したりして売上を伸ばしたが、一時的だった。こうした「頭で考えた企画モノ」には、どうしても限界がある。

「週刊文春」の場合は、常に目の前の「生ネタ」を追い続けてフルスイングし、うまくジャストミートすればホームランになる、そんな戦い方を続けている。スクープこそが「人間への興味」の原点であり、知らないことを知りたい、おもしろいことを知りたい、おもしろいことを聞いたら人に伝えたい、という好奇心が人間にあるからこそ、スクープには圧倒的な価値がある

頭カタイ生産者を尻目に、フランス人が面白くした日本茶の売り方

この時期のお楽しみの1つ、新茶。おもてなしの際にも重宝しますよね。しかし、煎茶や番茶、玉露など、日本茶の種類の違いについてはご存知ない方も多いのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、日本人なら知っていて損なし、の日本茶の基礎知識について記しています。

鬼も十八

さて、本日はシブいお話。夏も近づく八十八夜♪ ポンポン♪ と子供のころ習った歌を思い出す陽気ですね。この歌のテーマは、茶摘み。そう、今が旬の緑茶です。

紅茶の産地に詳しい紅茶通はいても、なぜか緑茶通って聞きませんよねえ。紅茶と緑茶は、同じ茶葉から出来ていてちょっと作り方が違うだけなのにねえ。

こう言っちゃナンですが、日本人は日本茶の売り方がヘタすぎですよねえ。フランス人で紅茶のブレンダーをしていた方が、日本茶の素晴らしさを知って日本茶ブレンドを作り出し、若い人にファン層を広げているそうです。

ステファン・ダントン「おちゃらか」

で、この彼が日本茶の生産者や販売者に話しをしても「分かるが認めたくない(`3´)」と言われるんだとか。香りがついているフレーバードティーや複数の産地のものをブレンドしたものは日本茶とは受け止めたくないと言うんです。石頭ってのはイヤですねえ。

ああ、いや、ブレンドティーのハナシがしたいわけじゃないんだった。緑茶のハナシでした。ちなみにワタクシ。こう見えてお茶好きです。最近はコーヒー好きのオットの影響でコーヒーを飲むようになりましたが、以前は断然お茶派でした。

あ、ちょっとだけ紅茶との違いを書くとね♪ 紅茶と緑茶は、同じお茶の木の葉を使っているんです。木自体が違うわけじゃないんですよ。お茶の葉っぱを摘むところまではオンナジなんです。が、その後、紅茶は茶葉を放置して発酵させるのに対し、緑茶は蒸したりして発酵を止めるんです。その違いです。ちなみにウーロン茶は「半発酵茶」と呼ばれ、紅茶と緑茶の中間的なお茶です。

ところが、まだまだたくさん種類があるんですよね。番茶、煎茶、ほうじ茶、玄米茶、玉露…。もっともメジャーなのは「煎茶」でしょう。日本茶の7割を占めていますから。みなさんが思い浮かべる緑茶がコレです。それ以外のものは、意外と分からないかな?

番茶は、普段使いのお茶のことです。「番」が「粗末な」というイミだそうです。まあ、ちょっとグレードが下と言えばそうなのかもしれません。

ほうじ茶・玄米茶は、番茶のようなグレードの低い茶葉を使って、ちょこっと加工したお茶です。ほうじ茶は焙煎してあり、玄米茶にはお米が入っています。いずれも香ばしく、好きな人は大好きですね。

玉露は、茶葉に覆いをかけて日光を遮って育てた葉っぱで作ったもので高級茶です。ぬるめのお湯で淹れるのがポイントですが、以前、お高めの玉露を買おうとしたら、お店の方に「淹れ方、分かります??」と繰り返し念を押されました。ガサツに見えたんでしょうね、プンだ。

今が旬の緑茶。世界中で一番美味しい緑茶について、もう少し関心を持ってみましょう。

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え、仕事がつまらない? じゃあ質問、面白く感じる工夫したの?

仕事に対してネガティブな感情を抱いてしまうこと、誰でもありますよね。そんな時こそ「仕事、職場を自ら楽しむ工夫をすべし」と言うのは、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さん。中久保さんはとある営業会社での実例をあげ、「ネガティブな感情は、改善策や有益な情報源となるサインであると肝に銘じるべき」と記しています。

ネガティブになった時の処方箋

「毎日が単調で仕事に面白味がない」
「いわれたことだけをやっていればそれでいいや」

などと、仕事に対してネガティブな感情を持ってしまったことがある。心当たりのある人も少なくないかも知れません。本人だけの気持ちの問題なら全く構わないのですが、このようなネガティブな感情というのは知らず知らずに顔に出ていたりするもので、そうなると周りにはとっても迷惑なことなのです。

たとえば、ミーティングや会議の場で活発な意見が飛び交っていたとします。でも、体調が優れないのか、なにがおもしろくないのか、1人だけムスッと、席の端っこに居座っている。お構いなしに周りでは意見が飛び交うのですが、やっぱりみんなはその1人が気になり、次第に意見も出なくなり、そのうち誰もが黙りこくってしまう。こうしたケース、実際あるものです。

特にムスッとした人が経営者や管理職など上の立場にいる人だと余計に問題があります。ネガティブなたった1人の表情が、場の空気もどんどんとそっちの方向へ向かわせていき、それは職場全体の士気を下げやがて現実的な損失になっていくからです。

とはいえ、誰しも落ち込んだり、悩んだり、機嫌が悪いときはあります。そうしたとき、周りに悪影響を与えると判断すれば1日休みを取ればいいだけのことです。

ですが、休んでリフレッシュできるものでなく仕事や会社そのものに対して常日頃不満を持っていてネガティブな感情があるときは、「愚痴という口撃で周りの空気を益々悪くしていきます。本人は愚痴をいってスッキリするでしょうが、聞いているほう、その表情を察知している周りはそうではありません。せっかくの気分を害したり、建設的な意見が出ていても、いつの間にか消滅したりと、何かしらの負の影響を与えてしまっているのです。

アクションカメラで感動を売る。GoProのしたたかな販売戦略

スマートフォンの普及により販売数が減少傾向にあるデジタルビデオカメラの中にあって、売上を伸ばしているのがアクションカメラ。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者の青山烈士さんが、「アクションカメラの代名詞」とも言えるGoProの巧みな戦略・戦術を図表を交えつつ徹底分析しています。

新たな価値の創出

アクションカメラの世界トップメーカーの戦い方を分析します。

GoPro(アクションカメラメーカー)

※アクションカメラとはアウトドアでの使用を想定した小型デジタルビデオカメラのことです。

戦略ショートストーリー

スポーツシーンで撮影を行う方をターゲットに「広い範囲を撮影できる」「動きの激しいシーンも撮影可能」「使い勝手がいい」などの強みで差別化しています。

個人でも手軽に感動させるような動画を撮影することを可能にし、撮影した動画のコンテストなど、シェアする場を提供することで顧客の支持を得ています。

分析のポイント

新たな価値の創出

デジタルビデオカメラは、スマートフォンの普及の影響もあり販売数が減少傾向のようです。これは、デジタルカメラにも同じことが言えます。要するに、デジタルビデオカメラもデジタルカメラもスマートフォンに少しずつ取って代わられているということです。スマートフォンでも高画質の動画を撮影することが簡単にできますので、この流れは続きそうです。そのような状況の中で、アクションカメラは販売数が増加傾向にあります。

アクションカメラが伸びている要因としてまず上げられるのが、スマートフォンでは難しい、広角撮影激しい動きの撮影水中での撮影などを可能にしていることでしょう。スマートフォンにできないことを価値として提供しているからこそ、他のデジタルビデオカメラとは異なり、スマートフォンの普及の影響をあまり受けていないわけです。

また、ビデオカメラのイメージとして、いままでは、「思い出を残すためのもの」として、例えば、子どもの運動会、お遊戯会、入学式、卒業式などのイベントごとを記録に残すには必須のアイテムだったと思います。ですが、最近はそういったイベントもスマートフォンで撮影する方が多いようです。

一方でアクションカメラは、「感動体験を伝えるためのもの」として、使われている印象です。例えば、サーフボードに設置して、波乗りの映像を撮影したり、頭上に付けて、モトクロスに乗った映像を撮影するなど、まさに体験をそのまま撮影しています。そして、撮影した映像を簡単に編集・シェアできるアプリを提供することで、皆に伝えることを可能にしています。

何が言いたいかというと、アクションカメラは、ビデオカメラを使う新たな目的を創出することでビデオカメラの新しいイメージを作ったということです。つまり、

  • 誰にでも感動体験映像の撮影をできるようにする。
  • 簡単に編集・シェアできるようにする。

この二つの組み合わせにより、ビデオカメラの新たな価値を生み出したということです。この価値は、特にアウトドアスポーツをされる方に支持されているようです。

アウトドアスポーツでの体験を共有したいという方は多いようですし、やはり、すごい映像を撮ったら見せたいと思うのでしょう。そして、周りのアスリート仲間が、すごい映像を撮ってシェアしてくれたら自分も同じように撮りたいと思うでしょうね。

もともと創業者であるニック・ウッドマン氏はサーフィンをするようでその映像を撮影するためにアクションカメラを開発したそうです。開発者がユーザーでもあるということですので、アウトドアスポーツをされる方のニーズはよく理解していたと思われます。だからこそ、従来のビデオカメラやスマートフォンでは満足できないユーザーのニーズを捉えることができたと言えます。

リリース当初は、既存のビデオカメラと比べると機能面で劣っていたようですが、機能を絞り込むこと、利用シーンを絞り込むことで提供価値が研ぎ澄まされたように感じます。改めて、絞り込むことフォーカスすることの重要性を教えてくれる事例でもありました。

先日、360度撮影可能なアクションカメラ「Fusion」が発表されましたし、今後、GoProがどのような価値を創出していくのか楽しみにしています。

「ディズニー神話」に崩壊の兆し。TDR、今後の成長に灯る黄色信号

これまで絶対無敵と思われていた、東京ディズニーリゾートに暗雲が立ち込めています。東京ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランドは4月27日、2017年3月期の連結決算を発表しました。その内容は、前年比で増収増益と悪くないものでしたが、笑っていられる余裕はないようです。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんは、ディズニーが大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンに近畿圏からの客を奪われはじめているなどの問題点を挙げ、このままでは将来「ディズニー神話が崩壊しかねない」と厳しい見方を示しています。

オリエンタルランドの決算は好調。一方「ディズニー神話」崩壊の兆しも

佐藤昌司です。ディズニー神話が崩れかけています。オリエンタルランドは4月27日、2017年3月期の連結決算は売上高が前年比2.7%増の4777億円、本業のもうけを示す営業利益は5.4%増の1131億円と発表しました。増収増益です。決算内容は悪くありません。しかし、今後の成長において黄色信号が灯っています

東京ディズニーリゾートTDRの2016年度の入場者数は前年から微減の3000万人で、過去最高となる3137万人を動員した2014年度以降、2年連続で前年を下回りました。今年度は東京ディズニーシー(TDS)の15周年の翌年となるため、入場者数は2950万人に落ち込むと予想しています。USJなど他のテーマパークと比べてTDRは精彩を欠いています

経済産業省によると、2016年のテーマパーク・遊園地の市場規模は6581億円で、5年連続での増加となっています。市場規模は拡大傾向にあります。また、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンUSJ)の2016年度の入場者数は前年比5%増の1460万人で、3年連続で過去最高を記録しました。TDRの停滞を尻目に好調に推移しています。

TDRの停滞は、USJの影響が全くないとは言えないでしょう。USJがある「近畿からの入場者比率は低下傾向を見せています。2008年度は7.9%ありましたが、2015年度は6.3%にまで低下しています。近年で言えば、2013年度が7.6%、2014年度が7.0%で、この3年間で大きな落ち込みを見せています。他の地域と比べて近畿の落ち込みが顕著です。

一方、海外からの入場者数は増加傾向を示しています。2015年度の入場者比率は6.0%で、4年連続で前年を超えています。2020年の東京オリンピック開催に向けて、海外からの入場者数は増えていくと思われます。成田空港から近いこともあり、チャンスといえるでしょう。