「東京問題」バトルは時間のムダ。今こそ議論すべきPCR検査の戦略

専門家会議が廃止され初めて開催された専門家の分科会後、尾身会長は「検査体制拡充を戦略的に進める必要性」を強く訴えました。メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』著者で健康社会学者の河合薫さんは、専門家会議を解散した途端、専門家の知見や意見は全く生かされなくなっているのではないかと、東京都の発着を除外すると決定したものの「Go Toキャンペーン」を計画どおり実施しようとする国の姿勢を疑問視。県をまたぎ公共交通機関を利用するにはPCR検査を義務化するなど、検査のあり方を早急に議論する必要があると訴えています。

PCR検査。なぜやらぬ?

「東京問題」を巡り、国と東京、いや、正確にいうと菅官房長官と小池都知事が火花を散らしています。…このコロナ禍に、残念すぎる、極めて無責任なバトルです。あまりに“アレ”なので、おさらいするのもはばかれるのですが、ざっと振り返ります。

きっかけは菅氏が11日、北海道の講演で、「この問題(コロナ感染の急拡大)は圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではないほど、東京中心の問題になっている」と述べたことです。

これに対し小池氏は13日、「国の問題」と反発。感染者が全国で再び増加している中、政府が旅行を促進する「GoToキャンペーン」の前倒しを発表したことにかみつき、「冷房と暖房の両方をかけるようなこと」と、批判したのです。

メディアからすればこのバトルはおもしろいようで、テレビ、新聞、ネットニュースがこぞってとりあげ、「東京問題」という新語が急速に広まりました。まぁ、感染者数の推移を全国地図で見れば、東京などの首都圏を中心に感染者数が増えてることは明らかですし、都内の感染者数が200人を越えている中で「今さら辞められない」という理由で、「GoToキャンペーン」を前倒しするのも、「?????」なお話ではあります。

でも、だからこそ、一緒に何をすればいいのか?を考えるのが政治家の仕事ではないのでしょうか。そもそもついこないだまで、まるで水戸黄門の印籠のように、「専門家の意見が~~~」という言葉を連発して拡大防止措置をとっていたのに、専門家会議を解散した途端、専門家の知見や意見は全く生かされなくなってしまいました。これではただ単に「責任逃れ」したいがために、専門家をスケープゴートにしたと批判されてもしかたがありません。

専門家会議が廃止され、新たに設置された専門家の分科会の第1回目の会合が行われた7月6日。尾身会長は「検査体制拡充を戦略的に進める必要性」を強く訴えていました。

「検査は国も拡充した方が良いということで、様々な努力をしていただいた。しかし、実は検査拡充をするため、一体どういう風な戦略を取るのか、今まで十分に議論されていなかった。今後は、感染リスクをどこまで許容できて、どこまで防ぎたいのか、コンセンサスが必要」(by 尾身会長)

尾身会長は、検査体制を考えていくことが「感染症対策の王道」であり、これまでの「有症状者」に加え、「無症状者+事前確率が高い」人々にPCR検査を徹底的に行うことが重要だ、と指摘。さらに、「無症状者+事前確率が低い」人々への検査のあるべき姿について、「一定のコンセンサスを構築する時期にきたのではないか」と、訴えていました。

マスコミはスルー。ひと目見て疑うべき戦闘機開発計画の問題点

7月7日、防衛省がF2戦闘機の後継機の開発計画を発表。新型コロナの問題もあるためでしょうか、マスコミ各社はその大枠のみを報じるに留まりました。軍事アナリストでメルマガ『NEWSを疑え!』を主宰する小川和久さんは、これではレポートすらできないただの「ポーター」と厳しく指摘。防衛省の計画にはひと目で疑うべき点があると解説し、突っ込んで問いただすことができないマスコミに呆れ気味ながらも、今後の調査報道へのヒントを示しています。

戦闘機開発計画を疑わないマスコミって

国民の目がコロナに奪われているうちに、いろんなことがどんどん進んでいるようです。例えば、次の記事にあるような戦闘機の開発問題。

「防衛省は7日、2035年ごろから退役する航空自衛隊のF2戦闘機の後継機について、31年度に量産機の製造を始める基本方針を自民党に示した。ステルス性能など主要機能は原則、国内開発を目指す一方、米英政府や企業と部分協力する方針で協議を進めている。開発協力相手を年内に決定する方針も示した。

 

7日の自民党国防議員連盟の会合で示した案では、今年度から27年度までの8年間で構想、基本、詳細の設計を行い、24~32年度の9年間をかけて試作機を製造。地上試験は27年度から8年程度、飛行試験には28年度から7年程度かける。

 

国内開発を目指すのは、敵のレーダーに捕捉されにくいステルス性能▽味方と連携する「ネットワーク戦闘能力」▽探知機能(先進統合センサーシステム)──などとする案が出ている。

 

一方で米軍と一体的に作戦を遂行する「相互運用性(インターオペラビリティー)」は米国の支援を受け、同時期に新戦闘機開発を進める英国からはエンジン開発で協力を受ける案などを検討している。政府は米英との協議を進める」(7月8日付毎日新聞)

この記事を読んで、メルマガ『ニュースを疑え!』の読者のみなさんは、「あれ?」と思われたのではないでしょうか。時代の最先端をいく第6世代戦闘機だというのに、常識的に見ても開発期間が短すぎるからです。もう一度、記事に出た時間の流れを整理しておきましょう。

  1. 2027年度までの8年に構想、基本、詳細の設計を行う。
  2. その間、2024~32年度の9年間で試作機を製造する。
  3. 地上試験は27年度から8年程度、飛行試験には28年度から7年程度。

つまり飛行試験が終わるのは2035年度ごろ。ちょうどF-2戦闘機の退役が始まる頃に間に合うという寸法です。しかし、構想を描き始める2020年度から飛行試験が終わる2035年までの15年ほどで、本当に国産化が実現するのでしょうか。

【書評】人が死ぬことを認めない延命治療だらけの国、ニッポン

長寿大国・日本。その背景に、医学の進歩を欠かすことはできませんが、しかし寿命が伸びることで、私たちは何か大切なものを忘れてしまったようです。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんが取り上げているのは、臨床医が語った現代の医療論。読み応えのあるこの本の中で、柴田さんがより気になった「人の死」についての一遍を紹介しています。

偏屈BOOK案内:里見清一 著『「人生百年」という不幸』 

41Y6LWyF+VL「人生百年」という不幸
里見清一 著/新潮社

「週刊新潮」の連載「医の中の蛙」20172019から選んだものに加筆した40編。すべて非常に読み応えがある。考えさせられる。わたしが考えても仕方がないが。最後の「人が死ぬのはそんなに嫌か」を紹介したい。いままでわたしの家族の死は7人になるが、全て死に頃で、いわば「自然」だから何の感慨もない。

ところが、いまや死は「自然」どころの話ではなく、「見たくない」を通り越して「あってはならない」くらいの扱いを受けているようだ。神戸市須磨区で、余命宣告を受けた末期患者とその家族を受け入れ、介護や看護を実費で提供する「看取りの家」施設が計画された。まことにけっこうな話である。ところが、住民の猛反対に遭い、計画はけっきょく頓挫してしまったというのだ。

事業者側の説明会の申し入れを住民自治会は拒否し、揉み合いで警察まで出動したという。主な反対理由は「住宅地に死を持ち込むな」だった。ある住民女性は「必要な施設だが離れた場所につくって欲しい。見える範囲でなければあってもいい」と語ったという。“NIMBYnot in my backyard”、自分の裏庭には嫌だ、という言葉があるが、彼女のセリフはそれの最たるものである。

例によって新聞は、誰に何を遠慮しているのか、事業者側の手続き的な不備を含めて中立「的」に報道している。これが、「裏庭に米軍基地ができてうるさい」とか、「原発ができるのは不安だ」とか、「兇悪犯専用の刑務所ができるのは怖い」とかいうのなら理解はできる。しかし、よりよき死に場所を求めている人に「自分の近所で死んでくれるな」とは、何たる言い草かと著者は怒る。

それなら、孤独死しそうな独居老人を近隣から追い出す方がはるかに理にかなっている。死んでから数か月もたって発見されたりすれば後片付けも大変だ。一方、施設で家族に看取られる病人が、コミュニティにどういう迷惑を及ぼすというのか。

この計画では5人程度の受入れだったそうで、せいぜい亡くなるのは週に一人だろう。大きな病院ではどこでも毎日、死亡退院が出ている。

「死を日常的に目にするのがつらい」という住民コメントは、ほとんどビョーキだ。そりゃ、若い人や子どもが事故や犯罪の犠牲で死ぬのはつらいが、不治の病の人がやすらかに臨終を迎えたいというのを「どこかよそで死んでくれよ」と喚き立て、警察沙汰にしている人たちの神経はとうてい理解できない。著者は「現代の社会は人が死ぬことを認めないかのようである」と書くが……

いや、認めないのではなく、死から目をそむけたいのだ。それは人命を軽視していることだ。

お疑いの向きは、「人が死ぬことを認めない」現代の延命治療の現場をご覧になればよい。そこで「命」が尊重されているように感じられるだろうか?

わたしは癌で死にたい。痛くない癌ね。そして治療しない。すぐには死ねないから、ぎりぎりまで人生の整理ができる。いいね。

編集長 柴田忠男

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「見せてもらえますか?」と客に言える販売員が好かれる理由

相手を褒めることは接客でも重要な要素ですが、お客様に響く「褒め方」となると、実践するのはなかなか難しいものです。しかしつい最近、「ショップ店員からとても嬉しい接客を受けた」と言うのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』で、自身が唸ったその「褒め方」を紹介しています。

見せてもらうという褒め方

先日ある店で接客を受けていた時に、こんなことを言われました。「お客様のアクセサリー、カッコいいですね。少し見せてもらえませんか?」と販売員の方から言われたのです。

アクセサリーショップだったということもあり、私もアクセサリーをつけていたからなのですが、こう言われて個人的にはとても嬉しくなりました。単純に褒め方がうまいと思ったからです。

相手を褒めるというのは、コミュニケーションにおいては欠かせない要素です。だから販売員はお客様の持ち物などについて、「それいいですね」「可愛いですね」など、いろんな言葉を使って褒めようとします。これらはやらないよりはやった方が良いコミュニケーションのポイントでしょう。しかしこの方のように、「実際に手に取らせてもらい見せてもらう」というところまで行くと、その褒め言葉はさらに真実味が増します。

「それいいですね!見せてもらえませんか?」「気になってるんですけど、見てもいいですか?」など、見せてもらうための言葉はいかようにも考えられますが、実際に見せてもらうことでお客様は、「本当に興味を持っているんだな」「本当に良いと思ってくれているんだな」と感じやすくなります。ただ褒めるだけではなくて、そこまで行くとよりリアルさが増すのです。

もちろん手に取れるアイテムかどうかは物によって変わりますが、よくよく見せてもらえるように伝えるだけでも、その効果はあると言えるでしょう。わざとらしくなく、スムーズに本心から伝えていることを感じてもらうための言い方や表情なんかもポイントになりますね。

お客様の持ち物を褒める時、実際に見せてもらうところまで行くにはどういう言葉が出せるでしょうか?

今日の質問です。

  • お客様の持ち物を見せてもらうという褒め方をする時に、注意したいポイントはどんなところですか?

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最終兵器。トイレ掃除をサボってできた「尿石」を撃退する洗剤

以前掲載の「サンポールとドメストは役割が違う?トイレ用洗剤の使い分け方」では、トイレ掃除の極意を披露してくださった科学者のくられさん。今回くられさんは自身のメルマガ『アリエナイ科学メルマ』で、掃除をサボってしまったばかりにできてしまった「尿石」の簡単な落とし方をレクチャーしています。

トイレの尿石を落とす

以前のトイレ用洗剤の追記となる記事です。

現在トイレ用洗剤に売られているのが、次亜塩素酸ナトリウムを基剤としたアルカリ性のもの、塩酸を基剤とした酸性のものがあり、汚れ別に使われている…という話でした。

サンポールとドメストは役割が違う?トイレ用洗剤の使い分け方

しかし、水道の水質にもよるのですが、トイレの手洗い水回りや、トイレの中に、石っぽい汚れの塊ができることがあります。こまめに掃除していればできないのですが、少しでもサボると出来てしまいます。

これは人の尿に含まれる尿素をもとに細菌がアンモニアを製造、アンモニアは水に溶けやすいので中の水がアルカリ性に変化、するとカルシウムイオンが細菌の出す二酸化炭素と反応し炭酸カルシウムになるからです。炭酸カルシウムは貝殻の成分ですから水に不溶で固い成分です。

さらにそこに細菌の作り出したタンパク質で固定され、そこを足場に屎尿を吸い取っては中で尿石を増やすように細菌が環境を整えて…と、一度出来ると、それをあしがかりに尿石はどんどん大きくなっていきます。

実際に配管詰まりの原因にもなるくらいに結構大変です。故に自動トイレなどでは一定時間誰もつかわなくても流れるような設定になっているトイレもあるくらいです。

基本的にカルシウム塩は塩酸で破壊すればいいのですが、最近、メタンスルホン酸、スルファミン酸を基剤とする酸性洗剤が売られ始めているので試してみました。

洋式便器の表面用尿石おとし(Amazon)

メタンスルホン酸も塩酸に負けず劣らず強い酸で炭酸カルシウムを溶かす能力がありますが、塩酸とどっこいです。そこにスルファミン酸が加わることで、スルファミン酸は尿素ときわめて反応しやすく、尿石中の尿素を溶かしていくため、尿石を骨抜きにしていきます。そこにメタンスルホン酸が土台を破壊してくれることで、単純な酸攻撃(塩酸)よりよくおちる…という寸法なのでしょう。

しかし値段が高い。サンポールが数本買える値段します。

これでサンポールとどっこいだったら怒るぞ…と、普段余り使わないトイレに少し尿石が発生していたので実験。

薬液は非常に刺激臭が強く、皮膚にも刺激があるため、ゴム手袋とマスク、しっかりとした換気が必要です。窓のないトイレではオススメしません。

説明書通りに使用して、ブラシでこすりながら流してみました。

めっちゃきれい…たしかに酸性洗剤よりよくおちます。ただ、刺激臭は比較にならないほど強いのと、毒性もそれなりなので、万人にもオススメできるか…どうかはなんともいえません。

ただ、掃除をさぼりすぎてどうにもきれいにできなくなったトイレには原液ドバドバで勝負にうつにはアリな特殊洗剤かもしれません。

[関連記事]
トイレの洗剤はなぜ二種類あるのか?

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実は筆を選んでいた。「弘法筆を選ばず」の本当の意味とは?

 達筆で有名だった弘法大師にちなんだ言葉「弘法筆を選ばず」。誰しも聞いたことがある言葉だと思いますが、この本来の意味を知っていますか?実はちょっと想像している意味と違うかもしれません。今回の無料メルマガ『毎朝1分! 天才のヒント』では著者の倉橋竜哉さんが、 身の回りの道具を使いこなすことのできる人が一流になると話し、その言葉の本来の意味も紹介しています。

道具を選ぶ

皮むきは100均のピーラーを使う倉橋竜哉です^^;

「指を切り落とさないように気をつけてねー」と言われたのは、中華料理屋でお手伝いをした時のことでして、もう数十年も前の話になりますが、友人のお店でスタッフがインフルエンザにかかってしまい、スタッフ数名が欠勤、しかもその日はどうしても断れない宴会の予約が入っていて、「とにかく手伝って欲しい」と連絡がありまして、お店に入ったことがあります。まあ、野菜の皮むきぐらいなら手伝えるかなと。

その時、まず任されたのが青菜を5cm幅に切っていくことでした。大量の青菜が入ったかごを渡されて、「ココでやって」と案内された所に置いてあったのが、まな板とでっかい中華包丁でした。牛の首でも落とせそうな、四角くて平べったい刃がついた包丁であります。

使ったこと無いので怖くて、他の包丁は無いのか聞いたところ、それしか無いそうで、「指を切り落とさないように気をつけてねー」と言われて、その場を任されました(汗)。

最初はおっかなびっくりでして、なんせ握っているところと、刃が食材に当たる部分と距離があるので、感覚が掴みづらいわけです。それでも少しは慣れてきて、青菜をザクザク切ることぐらいはできるようになりました。

その後、じゃがいもや大根などの根菜類を渡されて「皮むきよろしく!」と言われたのですが、これが苦労しまして、でっかい包丁でやるのが本当に難しいのです。皮むき器が無いのか聞いたところ、「こうやってやればいいんだよ」と、でっかい中華包丁を小器用に使って、スルスルと皮を剥いていきました。

その手付きは鮮やかで、芸術的でしたね。思わず見とれてしまいました。これがまさに「弘法筆を選ばず」だな、と。弘法大師(空海)は、達筆で数々の書を遺したと言われていますが、それにちなんだ言葉も残っていまして、「弘法も筆の誤り」とか「弘法筆を選ばず」とか

自分の不出来を道具のせいにする人に対して、「弘法筆を選ばずって言うよ」なんて皮肉を言ったりしますが、実際に弘法大師は、筆を選んでいなかったのかというとむしろ逆でして、彼は遣唐使として大陸に渡った際に、筆を作る工房で優れた筆の作り方を習っていますし、遺した書からも、逸品と呼ばれるような高級な筆を使っていたことがわかっています。

雑な作りの筆でも最高傑作が生み出せたのか、というと、そうではありませんでした。やはりいい作品を作るには、いい道具が必要なわけです。

その上で、なぜ「弘法筆を選ばず」と言われるのかというと、弘法大師のように優れた技術を持っている人ならば、大衆が使う粗野な筆はもちろんのこと、手間ひまかけて作った高級で貴重な筆もその真価を発揮して使いこなすことができますよ、というのが本来の意味であります。決して「道具にこだわるなんて野暮だぜ」という意味ではありません。

使い物にならないようなガラクタを使って、最高級のものが生まれた!というのは、美談としてはステキですが、現実は、いいものを生み出すには、それなりの道具や技術が必要であります。

ありがちなケースとして、道具にこだわりすぎて、道具を揃えることが目的になってしまっては本末転倒ですが(汗)、少なくても、一流を生み出す人の手元には、一流の道具があることでしょう。

ちなみに上述で私に渡された中華包丁は、かなりの高級品だそうでして、お店を開いた時にお祝いでもらったものだったそうです。私には完全にオーバースペックでしたが、オーナーの彼は見事に使いこなしていましたね。

さてさて、これをお読みのあなたの手元には、どんな道具があるでしょう。そこから、どんな成果が生み出されていますか?

★まず私からあなたにこの言葉をお届けします

「どんな道具を使っていますか?」

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なぜ大事な仕事や勉強をする時に、「我慢」をしてはいけないのか

すべきことやりたいことが多すぎて、時間がいくらあっても足りないと感じている方、多いのではないでしょうか。これまでもたびたび「時間活用術」を紹介してくださった弁護士の谷原誠さんですが、今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』で着目したのは、ウィルパワー。米国人心理学者が提唱したこの言葉をキーワードに、改めて時間管理について深く考察しています。

ウィルパワーも時間管理

こんにちは。弁護士の谷原誠です。

最近のメルマガでは、時間管理に関する内容を頻繁に書いています。それは、現在、時間管理に関する本を執筆しているためです。時間管理はとても難しいですね。あなたも、「もっと時間があったらいいのに」「忙しくて死にそうだ」などと感じていることでしょう。

では、時間を有効に活用するためには、どのような方法があるでしょうか。スマホのアプリなど、ツールを活用している人も多いと思います。でも、私が書いているのは、ツールなど技術的なことではありません。自分の時間を大幅に増やすための考え方についてです。

たとえば、私の考えでは、「ウィルパワー」も時間の有効活用のために効果的に使うものです。「ウィルパワー」とは、人間の意志力のようなものです。「ウィルパワー」という言葉は、アメリカの心理学者、ロイ・バウマイスターが提唱しました。彼は、ウィルパワーの源泉は一つだけで、1日に使えるウィルパワーの量には限りがあるという考え方をとっています。

意志力が枯渇すると、集中力がなくなり、判断力がなくなりますので、仕事に支障を来します。したがって、大事な仕事、集中力を要する仕事にウィルパワーを大量に投下するために、それ以外の部分では、ウィルパワーを温存することが大切になってきます。

また、枯渇したウィルパワーは、睡眠によって回復するので、いかにウィルパワーを満タンにした状態で起床するか、も重要になってきます。

ロイ・バウマイスターの実験で、こんな実験があります。食事を抜いて空腹を感じている被験者を焼きたてのクッキー、チョコレート、ラディッシュ(二十日大根)が乗ったテーブルの前に座らせました。

2つのグループに分け、1つめのグループはおいしいクッキーとチョコレートを食べていいと言われ、2つめのグループはお菓子を我慢して、ラディッシュだけ食べていいと言われます。その後、被験者達は、別の部屋で、解けないように作られた図形パズルを解くように言われます。

さて、それぞれのグループは、図形パズルを「継続して、何分間解き続けることができるか」という実験です。

  • 第一グループ
    お菓子を食べてよいと言われたグループは約20分パズルを続けられました
  • 第二グループ
    単にお腹がすいていて、何も食べなかったグループも同じでした
  • 第三グループ
    しかし、お菓子を我慢してラディッシュのみを食べたグループは、8分しか続けられませんでした

つまり、我慢をすると、ウィルパワーが減る、ということです。したがって、仕事や勉強をする環境には、スマホやマンガ、ゲームなどを目に入る位置においてはいけない、ということになります。目に入った瞬間我慢をすることになり、ウィルパワーが減少するからです。喫茶店などに行って勉強すると意外に集中できるのは、この作用です。

私の考える時間管理とは、「自分にとって優先順位が高いことに対して最高の集中力をもって時間を投下し、その他のことは犠牲にし、諦める」ということです。その考え方のもとに今、頑張って執筆しています。完成したら、お知らせします。

その前に、次の本もよろしくお願いします。ぜひ、読んでみてください。

● 『7タイプ別交渉術』谷原誠 著/秀和システム

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今日は、ここまで。

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コロナでタワマン神話が崩壊。見直されつつある「戸建て」の魅力

新型コロナウイルスの流行を境に、大きく変わった住居選びの基準。都内では崩壊することはないと思われていたタワマン神話が揺らぎはじめ、「ミニ戸建て」の売れ行きが好調だと言います。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者でマンション管理士の廣田信子さんが、不動産業界の知人から聞いた「戸建て住宅見直し」の動きを紹介するとともに、購入する前に注意すべき点を記しています。

コロナ禍で「戸建て住宅」が見直される?

こんにちは!廣田信子です。

不動産業界の知人が、今、新築マンションの売れ行きは芳しくないけど、その代わり都内の「ミニ戸建て」が売れている…と。

テレビコマーシャルでもよく見ます。「東京に家を持とう」「価値が変わらないのは駅近の土地」と、都内の戸建て住宅を宣伝しています。あまり形状がよくない土地や、相続で手放された土地をできる限り安く購入し、分割して敷地一杯に数棟の戸建てが建てられます。

こういうミニ開発は、都市の景観としてはどうなんだろうな…と思っていましたが、同じ地域に建つ、同じ床面積の新築マンションより安く手に入ります。逆に言えば、同価格なら、マンションより広い居住スペースが手に入るのです。

そして、コロナ禍の中では、共同で使用する共用部分がないことはかえってメリットです。開口部が多いので、換気がしやすいし、たとえ狭くても、敷地内で、子供の水遊びぐらいはできます。部屋数が多いので、テレワークにも向いています。何より、エレベーターに乗らなくてもいいし、玄関を出ればすぐ自家用車に乗れます。

管理費・修繕積立金・駐車場使用料の負担もありません。固定資産税もずっと安いのです(軽減措置がある土地の部分の評価が高いため)。

  • 高いところに暮らす(エレベーター利用が不可欠)
  • 充実した共用スペース

というマンションのメリットが享受できないばかりか、弱点にもなりかねない今の状況だと、「ミニ戸建て」が人気だというのもうなずけます。

さらに、手ごろな価格で買える郊外の戸建て住宅も動き出しているようです。今、売れているのは、買ってすぐ住めるような物件ですが、次にくるのは、戸建てリノベ物件だと言います。

かなり痛んでいてそのままでは住めなくて、土地の値段以下にまで値下がりしているような戸建てを、今、安いうちに買ってハイセンスにリノベーションすれば、いい商売になるよ。まだ安いから、投資するなら今が買い時。自分も副業でやろうかと思っている…と。売っても、賃貸で貸してもいい。

景色がよくて、近くに気軽に遊びに行ける海や山があれば、夫婦ともテレワーで、ゆっくり子育てしたいという家族に絶対にニーズがあるよ。コロナ禍の中で、
家族で過ごす時間の価値に気づいた人がけっこういるから…と。

うなずける話です。

彼自身は、都内のタワマンに住んでいます。都心のタワマンの価値は絶対に下がらない…と昨年は強気でしたが…。今は…、考えられないよ。密にならないようにと、エレベーターの乗車人数は最大5人という制限があって、朝なんか、5、6階以下の階では、止まっても、もう定員オーバーで乗れないし、ドアが開くと、そのくらい階段で行け…という冷たい視線を浴びせられて、ベビーカーの人なんかかわいそうだよ…と。

エレべーターに乗らなくちゃいけない…というだけで、これだけストレスなんだから、「戸建て」がいいと思う人の気持ちも分かる。でも、自分は、はやり都心にいたい。子供たちも、もう高校生だから、やはり都心がいいというだろうから。今さら、平地の近所付き合いもできないし…。でも、子供が小さかったら違ったかもしれないな…と。

私は…コロナ禍では、「ミニ戸建て」がいいと思うのは分かるけど、戸建て住宅は、豪雨による内水氾濫に弱いので、その土地のハザードマップをよく確認してほしいと思いました。いろいろな思いが絡み合いながら、「戸建て」人気は、しばらく続くのでしょうか。注目しています。

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トランプの愚行。米国WHO脱退を日本の大手新聞はどう報じたか

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、アメリカのトランプ政権は世界保健機関(WHO)に対し、脱退を正式に通知しました。正式な脱退は、1年後の来年7月6日になるそうです。WHOは中国に完全に支配されていると、批判を繰り返してきたトランプ大統領。しかし、この選択は正しかったのでしょうか。メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』の著者で、ジャーナリストの内田誠さんが新聞各紙をウォッチ。WHOの知られざる情報を紹介するとともに、米国の厳しい惨状も明らかにしています。

WHOからの脱退を表明した米国を新聞各紙はどう伝えたのか?

【ラインナップ】

◆1面トップの見出しから……。
《朝日》…Go To 強まる逆風
《読売》…都「夜の街」実態調査へ
《毎日》…都、警戒最高レベル
《東京》…都 感染警戒度最高に

◆解説面の見出しから……。
《朝日》…中国包囲網
《読売》…香港 揺らぐ「金融都市」
《毎日》…Go To「なぜ今?」
《東京》…防止指針 守られたか

【プロフィール】

*何か、第1波のときより緊張感が漂っているように感じます。コロナでまた1つ大きな岐路を迎えています。

■寄付を頼みとするWHO■《朝日》
■「再流行防ぐ戦略」は?■《読売》
■ポリアンナ症候群■《毎日》
■米国の惨状■《東京》

寄付を頼みとするWHO

【朝日】は13面のオピニオン欄に、日本国際交流センター執行理事・伊藤聡子さんの寄稿。タイトルを以下に。

コロナ対策の司令塔
WHOへの更なる寄付 期待

このコロナ危機の最中、WHO(世界保健機関)は民間からの寄付による資金調達に踏み切ったという。米国の脱退表明の影響もあり、各国政府の拠出が伸び悩むなか、わずか7週間に世界で2億ドル(216億円)以上の寄付が集まり、日本からも10億円を超える寄付があったという。この寄付が、WHOの新型コロナ対策を支える最大の資金源だという。

政府拠出の場合、意思決定や手続きに時間がかかったり、各国の政策的判断から地域や使途に縛りが掛かっていたりするが、民間資金にはそれらがなく、迅速かつ柔軟に支出できる。新型コロナのように感染拡大の震源が世界地図の上を頻繁に移動するような相手と戦うには、民間資金の方がよいと言える。

米国は「自国第一主義」を掲げて脱退したが、寄付の多くは米国の企業と個人からのもので、その多くがテック企業(IT企業)からのものだという。「世界中に市場を持つ以上、国際社会への支援は必要な社会貢献であり投資でもある」と。

●uttiiの眼

知らなかった。大変興味深い内容で、WHOが一種のNGO化していて、しかもその方が行動しやすいのだという話と受け取った。日本国際交流センターは、WHOへの寄付の日本の窓口で、伊藤聡子さんの寄稿は「さらなる支援を期待したい」と寄付を促すものになっている。

現状でIT企業からの寄付が圧倒的であることについて、肯定的な文脈のみで書かれているが、仮にWHOが「テック企業」寄り、あるいはテック企業の所在する米国寄りの判断や決定を行う懸念はないのだろうか。反対に、テック企業にとってマイナスになるような決定も行う自立性は確保されているのだろうか。併せて、トランプ氏による「中国寄り」批判の当否についても一言欲しかった気がする。

「再流行防ぐ戦略」は?

【読売】は3面の社説を取り上げる。タイトルを以下に。

コロナ予算委
政府は再流行防ぐ戦略を示せ

「経済活動を着実に進めつつ、感染が再び拡大する事態を防がなければならない」として、そのために政府には「明確な戦略」を示すことが求められているという内容。

昨日の衆院予算委の閉会中審査では、Go Toキャンペーンについて野党は「延期」を要求した。全国知事会は一律でなく段階的に範囲を拡げるよう提言。野党も知事も、需要喚起策の「修正」を求めた形になっている。社説子は、「経済活動を軌道に戻すのは重要な課題だ。そのためにも政府は感染拡大防止と両立させる戦略を練り、幅広く理解を得ることが求められる」と言っている。

●uttiiの眼

タイトル通りであれば「再流行防ぐ戦略」を政府に求めているはずだったが、議論に具体性がなく、これでは話にならない。経済再生と感染拡大防止の両立というだけなら、誰にでも出来る。「両立」をいう議論から、肝心の「両立の方法」を聞いたことがない。つまり、出来ない、いや、「運任せ」ということなのだろうか。

この社説、昨日の衆院予算委の閉会中審査でのやりとりを中心に、各方面の意見を箇条書きでまとめたような不思議な社説になっている。社説というより、記者のメモのような内容。

社説の最後に、このところめっきり姿を見せることが少なくなった安倍首相について書いていて、ここだけ興味深い。野党が閉会中審査の場に安倍首相と関係閣僚の出席を求めたのに与党が拒否したとして、「国の対処方針や現状認識について、首相が積極的に説明することは大切だ。政府は適切に情報を発信し、国民の不安を払拭するよう努める責任がある」という。

《読売》的にはギリギリの安倍批判。「野党の求めに応じて予算委員会に出てくるべきだ」と書かなければ、首相批判であることさえ大半の読者は気付かないだろうが…。

二階氏が目指す「幹事長続投」。八方美人ぶりでポスト安倍を手玉

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、「Go Toキャンペーン」をめぐり批判を受けている政府自民党。その一方で、党内の最高権力を握る二階俊博幹事長が、今慌ただしく動いている。ポスト安倍と呼ばれる次期総理大臣候補たちや、党の重鎮たちとの会食を頻繁に行っているのだ。ポスト安倍候補の“二階詣で”であるだけではなく、その裏には二階氏のある思惑が浮かび上がってくる。それは二階氏の「幹事長続投」だ。

二階幹事長の動きが活発化

二階氏は15日夜、銀座のステーキ店で麻生太郎副総理兼財務相らと会食。二人だけではなく、二会派、麻生派から複数議員がそれぞれ参加したという。過去には麻生氏の地元・福岡県知事選挙で対立をするなど、決して良好な関係ではない二人。二階氏と麻生氏はお互いにけん制し合う仲といって良い。

そんな両氏が何を話し合ったのか? 15日付の時事通信は、会食に参加した二会派の河村建夫元官房長官の話として、「立憲民主党と国民民主党の合流の動きに話が及んだものの、衆院解散・総選挙の時期や自民党役員人事は話題に上らなかった」と報じている。もちろんそれはただの表面的な話だろう。お互いの腹の内を探りながら、二階氏の狙いは自身の存在感を高めることにある。

ポスト安倍候補者たちと二階氏の思惑

ポスト安倍の候補者たちも続々と二階氏との接点を持ち始めた。すでに大きく報じられている通り、安倍内閣とは距離を置いてきた石破茂元幹事長が9月に予定されている自身の政治資金パーティーに、二階氏の講演を依頼。明らかに次期総裁を睨んでの二階氏へのすり寄りにほかならない。

それに対し、二階氏は「石破氏は将来さらに高みを目指して進んでいただきたい期待の星」と持ち上げるなど、お互いを利用し合おうとしている構図が見えてくる。

また、新型コロナウイルスの対応をめぐって隙間風が吹いていた岸田文雄政調会長とも、今月2日夜に会食をしている。二階、岸田両派閥のメンバーが集い、党運営を巡って意見を交わしたとみられる。今やすっかり影が薄くなってしまった岸田氏だが、次期総理大臣の座を狙う一人。ポスト安倍として後方支援が欲しい岸田氏、幹事長の座を死守したい二階氏、お互いに良い距離感を持っておきたい思惑があるだろう。

二階氏は「トップを目指すのだから。前途洋々、次に期待する」とこちらも岸田氏を持ち上げた。

ポスト安倍や政権中枢だけではない。二階氏は下村博文選対委員長や稲田朋美幹事長代行を中心とする議連の会合にも参加するなど、まるで党内の全方向を味方につけようとしているようだ。

二階氏が目指すのは幹事長続投

二階幹事長の任期は今年の9月まで。自民党の幹事長は党の人事と資金を一手に握る。選挙の候補者調整も事実上は手の内にあり、二階幹事長がそのポストを手放すはずがない。総理の次のナンバー2のポジションであり、その権限は絶大だ。

このところの二階氏の活発な動きは、まさに役員人事で幹事長を死守することにある。それぞれの利害が錯綜する自民党。しかし、党内争いだけではなく、新型コロナウイルス対応も同じ熱量でやっていただきたいものだ。