放送権で「コロナ」バブル?欧州唯一のサッカー開催国ベラルーシ

新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、世界中のスポーツが中止や延期となる中で、公式戦を開催しているサッカーリーグが存在する。欧州で唯一試合を行っているベラルーシは、海外から放送権契約が殺到するなど「コロナバブル」に沸いているという。

コロナ感染が広がる中でも開催

ロイター通信によると、現在公式戦を開催しているサッカーリーグはベラルーシ(欧州)、タジキスタン(アジア)、ブルンジ(アフリカ)、ニカラグア(北中米カリブ海)の4リーグ。世界的に見れば、いずれも普段なら見向きもされない超マイナーリーグだ。しかし、現在は違う。多くの国から注目を集めているという。

特に顕著なのがベラルーシ。欧州主要リーグが既に試合開催を断念していた3月19日に開幕し、国内感染者が700人、死者数13人(7日現在)が出た今も続行している。異例の強行開催に踏み切ったといえるベラルーシだが、同国協会の広報は「安全策は講じている」と強調する。

感染者や死者が出る中でのリーグ運営に批判が集まる中、なぜベラルーシは試合を続行させているのか?そこには、「コロナバブル」ともいえる、多額なコンテンツ収入が関係している。

FIFAランキング87位(2020年2月発表)とレベルも知名度も低いベラルーシのプレミアリーグ。それでも欧州で唯一行われているトップリーグとなったことで、スポーツイベントが軒並み中止となる状況での貴重なコンテンツとして海外から引き合いが急増しているという。

英紙デーリーメール(電子版)によると11カ国の放送局と放送権契約を締結。ロシアのマッチTVとは21万ドル(約2300万円)で、同リーグとしては高額契約となる。。同紙は「リーグ上層部にとっては人命よりも放送権が上」と報道。マイナーリーグに世界中から批判も注目も集まっているとスポーツニッポンは伝えている。

現金給付の対象は月収8万円以下世帯のみ?政府の基準に批判殺到

自民、公明両党は6日、新型コロナウイルスの感染拡大の対応策として「1世帯当たり30万円の現金給付」に厳しい条件を設定したうえで、緊急経済対策案を了承したと、毎日新聞などが報じている。年収が700万円の人の場合、350万円に半減したとしても対象にならないという厳しい条件に、ネット上では不満の声があがっている。


狭すぎる現金給付対象者

現金給付の対象となるのは、世帯主の2~6月のいずれかの月収が新型コロナウイルス発生前より減少した家庭で、非課税水準となる世帯または月収が半分以下となり、個人住民税非課税水準の2倍以下に落ち込む世帯など。しかし、非課税になるのは「年収が156万円以下の世帯」のみ。また、共働き世帯でどちらかが解雇されたとしても、「世帯主でなければ対象外」となる。

日本共産党の小池晃書記局長は6日、田村智子政策委員長との記者会見で、「対象者の狭さ」について疑問を投げかけた。小池氏は、「単身者で月収8万円の人が対象になる」としたうえで、「仮に月収17万円の単身のサラリーマンが半額近くの月収9万円になったとしても対象にならない」と解説。また、フリーランスの人は「必要経費を除いて月収3万円にならないと対象者にならない」、「月収が7万円の人が4万円になったとしても対象にならない」と、政府の経済対策を批判した。

ほかにも、「月収20万円の人が半額以下の月収7万円になったとしても、住民税非課税水準の2倍を切っていないことから対象にならない」と訴えている。小池氏は説明の途中、「もう、ほんとこれ説明していて頭がおかしくなる」と思わず本音をもらした。

日本だけが世帯に2枚の布マスク

世界各国は緊急経済対策として、4月20日ごろから国民への現金給付を開始する。マネーポストによると、米トランプ大統領は年収約810万円以下の成人に1人約13万円、17歳以下の子どもには約5万4000円の現金給付を決定したことを表明している。それぞれが年収810万円以下の共働きの夫婦の場合で26万円、夫婦に子どもが2人いた場合36万8000円ほどになる。対象者には小切手が郵送され、本人がサインし、銀行に持っていくだけで換金できる仕組みだ。日本のように複雑な申請手続きは必要はない。

アメリカのほかにも、香港は18歳以上の市民に現金約14万円の支給、フランスは休業する労働者の賃金を100%補償し、自営業者には約18万円を給付、ドイツは自営業者に3カ月間で約108万円を支給、イタリアでは子育て世帯に約7万円を支給している。一方日本はどうだろうか。現金給付の対象者は驚くほど少なく、1世帯にたった2枚の布マスクを配布するだけ。これだけの補償で自粛を要請したところで、企業や国民が応じると思っているのだろうか?

今年最大「スーパームーン」が今夜出現。気になる天気と時刻は?

2020年で地球に最も近い満月「スーパームーン」が本日7日夜から明日朝にかけて見られる。最大満月の瞬間は、8日午前11時35分。新型コロナウイルスの感染拡大で暗いニュースが続くが、コロナ収束を願って今夜のスーパームーンを観察してみてはいかがだろうか。


4月は「ピンクムーン」

「スーパームーン」とは、地球にもっとも近づいた満月のこと。国立天文台によると、今年は8日午前3時9分にもっとも地球に近づき、完全に満月になるのは8日午前11時35分だという。最大満月の瞬間は日本ではまだ月が登っていないため、残念ながら見られない。満月にはさまざまな呼び名があり、1月はウルフムーン、2月はスノームーンなどつけられているが、4月の満月は、春に花が多く咲くことから「ピンクムーン」とよばれている。

気になる天気は?

満月がもっとも近く今夜の天気は、北海道から九州にかけて広い範囲で晴れ。空気も乾燥しているため、夜空を観察するにはぴったりな天気だ。

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source:tenki.jp国立天文台

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SNS「東京脱出」「コロナ疎開」が話題。全国へ感染拡大の危険性

新型コロナウイルス感染拡大を受け、7日にも出される見通しの緊急事態宣言。そんな中、ツイッター上では「東京脱出」「コロナ疎開」というハッシュタグが拡散されている。「東京脱出」とは文字通り、東京に住んでいる人が、地方へ移動すること。「コロナ疎開」もほぼ同義で、感染症が拡大する都市部から地方へ向かうことをいう。しかし、これがウイルスを地方へ運んでしまうのではないかと心配されている。

「東京脱出」「コロナ疎開」はとにかく危険

「東京疎開」や「コロナ疎開」にはいくつかのパターンが考えられる。首都圏から実家や地元へ帰省する人、別荘などの別宅でしばらくの間生活する人、ホテルやキャンプ場などで過ごす人などが想定される。

その内、朝日新聞ではいくつかの事例を挙げてその危険性を指摘している。

静岡市では3月末、家族4人の感染が確認された。東京都に住む10代の女子学生が同18日から帰省。女子学生は24日に東京へ戻った後、4月1日に感染が判明したという。母親の40代看護師が勤務する市立静岡病院では、濃厚接触者とされた患者や同僚らがPCR検査の対象となった。

一方、佐賀県では3月末に東京都から帰省した30代の女性が、祖母宅に滞在中に発症。今月4日に感染が確認され、70代の母と80代の祖母も同5日にそれぞれ感染がわかった。秋田県でも東京都から帰省した専門学校生の10代女性と母親で看護助手の50代女性、50代の父親の感染が判明している。

緊急事態宣言が出されれば、「東京脱出」「コロナ疎開」が加速することが予想される。しかし、病院数が多い東京などの首都圏とは異なり、地方は医師が十分にいなかったり、ベッド数が少なかったりと、医療体制が脆弱なところが少なくない。

首都圏からウイルスを地方に運び、そこで広げてしまえば、新たなクラスター(感染者集団)を生んでしまう恐れもあり、専門家は注意を呼びかけている。

指先のむくみと腫れに効果。鍼灸師が教える改善法は「OKサイン」

「春に3日の晴れなし」と言うように、天気が安定しない春先は、手や足の指先に「むくみ」や「腫れ」の症状を起こすことがあるようです。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者のぶ先生が、そんな「むくみ」や「腫れ」が起こる理由と改善する簡単な方法を教えてくれます。

指先のむくみ、腫れ

【天候不順でむくみ、腫れ】

大気の状態が不安定だと、自律神経の働きが混乱を起こして、全身の血流や呼吸に乱れが生じやすくなります。全身を流れるリンパ液や血液などは、栄養や体内にたまる老廃物をしかるべきところへ運ぶわけですが、呼吸と心拍が正常に働かないと、滞りを生じて「むくみ」や「腫れ」症状を引き起こします。

【むくみと腫れ】

「むくみ」は体内の液体をポンプする働きが低下することで生じます。一日中立ちっぱなしで、下半身に水分がたまったり、冷たい風に顔をさらして血流低下で顔やまぶたがむくみます。

「腫れ」症状は皮下の筋肉の緊張により血流がせき止められ、熱を伴う「むくみ」を生じます。とくに手の指先などは「はばったさ」という筋肉の緊張を伴い「腫れ症状」がおこりやすいです。

【手の指先は「指先合わせ」】

手の指先の腫れやむくみは、指先を刺激することで、正常な循環を生み出します。親指と人差し指の先端を合わせて丸くすることで「お金のサイン」や「OKサイン」を表します。この指先同士を合わせて、ギュッとつまむように力を入れることで、それぞれの指の血流が改善されます。

コツは4本指それぞれと向い合せる親指の付け根を十分に開くこと。4本指それぞれと向い合せることのできる親指ですが、しっかりそれぞれの4本指と向き合うように「合谷(ごうこく)」と呼ばれる指の付け根を開くことで、手首の血流がさらに良くなります。

また、足の指先は爪の付け根を手の指でギュッとつまむようにして、指先に停滞している体液を体に押し戻すように圧をかけて血流を改善するようにします。

台風シーズンや雨降り前の気圧の下がるときにも、指先はむくみや腫れを生じやすくなります。指先を刺激して血行促進と自律神経調整を試みてみましょう。

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五輪と人命を天秤にかけたツケ。世界各国から日本へ届く厳しい声

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、安倍首相はようやく7日に「緊急事態宣言」を発出すると表明。しかし、世界各国からの声は厳しいものばかりのようだ。共同通信によると、韓国メディアからは「東京オリンピックへの未練を捨てられなかった」、アメリカのアジア外交専門家からは「(今夏のオリンピック開催をにらみ)感染リスクをできるだけ低く見積もってきた」などの声があがっており、世界から「オリンピックの影響で対策が後手に回った」という辛らつな意見が多く出ているという。


武漢から到着した女性の検査、国が断る

すでに日本国内で新型コロナウイルスの感染者が出ていた1月19日、中国・武漢から関西空港に到着した女性が新型コロナウイルスと疑わしい症状が出ていたという。診察した病院は厚生労働省に検査要請を出したが、これを受け入れなかったと共同通信が報じている。3月末になって冷蔵保存していた女性の鼻やのどの検体を検査すると陽性だったという。女性は関西地方を旅行したあと帰国していることから、新型コロナウイルスを拡散した可能性があるとしている。

もしも「感染リスクをできるだけ低く見積もる」という狙いで検査を拒否していたのであれば、国民を危険にさらす最悪の行為だが、厚生労働省は「当時は検査態勢や基準の整備途上で、できる限りの対応だった」としている。共同通信の取材を受けた「りんくう総合医療センター」は、「春節前に現場の声を受け止めてくれたら、もっと早く対策を打ち出せたかもしれない」と話している。

いまだに検査数が少ない日本

TBSニュースがまとめた各国の検査件数によると、人口100万人あたりの検査件数は先月29日のドイツで11127件、3日のオーストラリアで1917件、3日のイタリアで1482件、3日の韓国で8606件、2日のアメリカで3824件、3日のイギリスで2580件だったのに対し、3日の日本は311件と明らかに少ない。もっとも多いドイツと比べると、35倍以上の開きがある。安倍首相は「3月中に国内の検査件数を1日8000件にする」と述べていたが、これまで1日に4000件すら超えた日がない状態だ。

正確な感染者数が把握できない現状では「数週間後に医療崩壊を起こしているか判断ができない」ということから、在日アメリカ大使館は日本に滞在しているアメリカ国民に、直ちに帰国に向けた手続きを始めるよう呼びかけているとのこと。国際ジャーナリストの高橋浩祐さんがYahoo!個人に寄稿している。

米国大使館が在日米国民に自国への帰国を促すほど、日本は「危険な状態」になってしまったのかもしれない。

剥がれた化けの皮。安倍首相「やってるフリ」で逃げ切り図る賭け

先日掲載の「これぞ『アベノマスク』首相の1世帯マスク2枚配布発表に批判殺到」等でもお伝えしているとおり、国難とも言える状況下でリーダーシップを発揮できているとは言い難い安倍首相。東京五輪の「1年延期」決定も現実的ではないという声が各所から上がっています。そんな首相について、「国民をバカだと思っている」と強く批判するのは、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんは自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』でそう判断せざるを得ない理由を記すとともに、今回の「新型コロナ禍」をきっかけに世界の政治経済が構造転換に向かうのではという見解を示しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年4月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

米国でも物笑いの種となった「アベノマスク」──コロナ禍対応で問われる指導者像、そして国家像

今井尚哉補佐官が脚本・演出を担当し、安倍晋三首相が主役を演じる「やってるフリ」芝居は、4月1日の「アベノマスク」宣言に至って、ついに国内ばかりでなく米国の複数のメディアからも揶揄されるほどの物笑いの種となってしまった。

なぜ突然に「布製マスク」なのか?

一般に家庭用として売られている使い捨ての不織布マスクは、業界用語ではサージカル・マスクと呼ばれている。「外科用のマスクという意味で、本来、手術の時などに医師の口から唾液や雑菌などが患者の手術部位に付着しないように開発されたマスクを指します。ウイルスなどの『吸入』を防ぐためのものではありません」(スリーエム社HPの解説:「マスクには種類がある」)。

これに対して、プロ仕様のマスクとしてはN95防護マスク、DS2防塵マスクがあり、これらは「マスクを正しく装着し、顔にフィットさせれば、PM2.5、ウイルス、放射性粉じんの吸入リスクを低減する目的には有効」「N95は米国労働安全衛生研究所(NIOSH)が定めた規格、DS2は日本の厚生労働省が定めた規格で、両者はほぼ同等」(同上、写真参照 )。N95とは粒子捕集効率95%以上という意味である。

かつて北京のPM2.5大気汚染が激しかった時には現地の日本大使館がN95の装着を推奨していたものだが、今はその仕様のものは感染症に立ち向かう医療関係者に集中しなければならない時で、我々は一般の不織布マスクで我慢しなければならない。しかしそれは、自分が感染している場合に他人に移すのを防ぐこと、ウイルスに触れた手で自分の口や鼻に触るのを防ぐことに一定の効果が期待されるという以上のものではない。布製マスクも同様だが、布の編み目は不織布よりも遙かに粗いので、その効果は相当低くなる。

そもそも安倍首相は3月5日に3月中にマスク6億枚以上を供給できると表明したが、その公約が一体どうなったのかをきちんと国民に説明しなければならない。増産が思ったようにうまく行かなかったのか、増産はしたけれど大元のところで買い占めている者がいたのか、それとも流通体系にネックがあって店頭になかなか出回らないのか、実状を明らかにして対策を示す必要がある。そして、それが奏功して不織布マスクが十分に出回るようになるのは(例えば)4月下旬になる見通しなので、それまでの繋ぎとして、性能的にはやや落ちるけれども布製マスクを全戸配布させて貰います──というのなら、まだ話は分かる。

しかし実際はそのような丁寧な検討の結果ではなく、今井が「全国民に布マスクを配るというサプライズを打てば、国民の不安なんかパッと消えますよ」と進言して、安倍首相が盲従しただけのようである。国民をバカだと思っているこの2人だからこそ出来る、愚劣極まりないパフォーマンスである。

『半沢直樹』ロケ地で脚光、あの老舗居酒屋のコロナ生き残り戦略とは?

新型コロナウイルス流行の直撃を受け、一時休業や時短営業等、苦しい展開を強いられている外食各社。もちろん手をこまねいているばかりではなく、消毒の徹底や「3密」を避ける取り組みに注力したり、通販に活路を求めたりと、その試みは多岐に渡っています。そんなアイディアや施策を、フリー・エディター&ライターでジャーナリストの長浜淳之介さんが紹介。苦境に喘ぎながらも消費者に安心感を届けたいという各社の努力をレポートしています。

プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)、『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ、行列研究所名儀)など。

3密を回避。コロナショックを乗り切るため懸命な対策を行う外食各社

新型コロナウィルス感染症の影響が、外食を直撃する中、いわゆる「3密(密集、密閉、密接)」を回避し、安心・安全な空間で食事を取ってもらおうとする、前向きな動きが出てきている。

席と席の空間を離し、空気清浄機を導入、アルコール消毒の徹底など、コロナショックを乗り切るための懸命な対策を行う、バイキング形式の飲食店を取材した。

飲食店に新型コロナの影響が本格的に出だしたのは、2月末に小中学校、高校の一斉休校の要請が安倍晋三総理から発表されてから。密閉空間の濃厚接触を避けるため、3月、4月の歓送迎会の宴会のキャンセルが相次いでいて、パーティー需要の多い居酒屋、中高価格帯のレストランに甚大な影響をもたらしている。

その1ヶ月前の1月末に中国政府が海外への団体旅行を全面禁止にして、インバウンド消費に注力する飲食店は大打撃を受けていた。現在は、日本人の団体観光客もほとんどいない状況だ。

具体的な感染の起こりやすい場所として、バイキング形式のレストラン、屋形船、ナイトクラブ、バー、ライブハウス、カラオケ店、などが政府、東京都から名指しされており、最も苦境に立たされている。

バイキング形式のレストランでは、江戸一(本社・東京都足立区)が経営する焼肉・寿司・デザートのバイキング「すたみな太郎」チェーンが、3月5日から系列を含め、全国約150店の営業を自粛。13日より順次再開しているが、12店がそのまま閉店となった。

また、ホテルに多い、バイキングの店は帝国ホテル東京にある日本初のバイキングレストラン「インペリアルバイキング サール」が休業するなど、大半の店が一時休業。ランチやモーニングのみバイキングの店も自粛している店が大半である。立食のバイキング形式のパーティーも同様だ。

東京都中央区のJR浅草橋駅、馬喰町駅に近いビジネス街にある、創業して37年になる海鮮が売りの老舗居酒屋「おさかな本舗 たいこ茶屋」では、3密の回避に熱心に取り組んでいる。

主な改善点は次の6つだ。

  1. スタッフのマスク着用・ゴム手袋の徹底
  2. 小まめなテーブル、椅子のアルコール消毒
  3. ランチバイキングで使用するトングやお玉、しゃもじなどの定期的な交換(15分ごとを目安に)
  4. 入口ドアを開放し常に換気をする
  5. コロナが落ち着くまで暫くの間、他のお客様同士でのご相席はさせない
  6. コロナウィルスにも効果的なプラズマクラスター大型空気清浄機を店内各所に設置をし、常に店内の空気が綺麗な状態を保つ

同店は、お昼は山盛りに盛り付けられた刺身などが食べ放題のバイキングのランチ、夜はほぼ毎日開催するまぐろの解体ショーやじゃんけん大会が人気で、昼も夜も150席ほどある大箱が常時満席になるような繁盛店だ。まぐろの解体ショーは、商業施設の出張イベントに呼ばれるほどの名物である。

人気ドラマ『半沢直樹』や、映画『ヲタクに恋は難しい』のロケ地にもなった。

ニューヨークタイムズも伝えた日本のコント王・志村けんさんの死

志村けんさんの死の報は、世界を駆け巡り、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なNYでも、ニューヨークタイムズ電子版が速報で伝えたようです。メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者で『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんは、「初めて呼吸が出来ないほど笑わせてくれた」「東村山の存在も、教会のゴスペルミュージックも、カエルぴょこぴょこも志村さんが教えてくれた」と、その死を悼みます。そして、志村さんの死を教訓に日本での感染は最小限にしてほしいと訴えています。

ニューヨークタイムズが伝えた志村けんさんの訃報

まるで身を持ってコロナの脅威を伝える為、と言えば、不謹慎と怒られるだろうか。都知事のように糾弾されるだろうか。死去を「最後の功績」と表現した言葉は確かにどうかと思うけれど、その言葉の真意は僕にはわかる気がします。(もちろん、その表現自体が批判の対象なのだとは思うけれど)

特に小池さんを庇うつもりはないけれど、稀代のスーパースターの死は、「まるで」国民全員に強烈なインパクトを残すほど、コロナの脅威を浸透させた、その結果、多くの日本人を志村さんは死を持って救ったのではないだろうか。そういう意味では、僕は発言の真意それ自体には同意します。

そう、日本一のコメディアンの死は、日本国民にとって何より衝撃だったから。日本人の意識を変えるほど、日本人に愛された人だったから。実際、30日付「ニューヨークタイムズ電子版」にも以下のように日本の国民的コメディアンの訃報を伝えました(以下、要約致します。著作権の問題もあるので、あくまで概要です)。

「新型コロナウイルスに感染して入院した日本人コメディアンの志村けんさんが亡くなり、日本人初の有名人の訃報となった。彼の死は多くの日本人に悲しみをもたらす日曜日となった。

 

70年代から始まった彼のキャリアは彼を日本で最も有名なコメディアンにした。テレビの主役だった彼の最も有名なキャラクターは、顔を白く塗ったお殿様。眉毛は特にユーモラスだった。

 

SNSでは多くのファンが、コロナウイルスの脅威を強調する。「彼の死がこのウイルスを真剣に受け止めていない日本人の態度を改めてくれることを願っている」とあるTwitterユーザーはツイートする。

 

政府の最高報道官である菅義偉官房長官も「大変残念に思う。心よりご冥福をお祈りする」と述べ、国内の感染状況について「急速な感染拡大を回避する上で極めて重要な時期だ。感染拡大防止に全力で取り組む」と強調。緊急事態宣言を出すかどうかの判断に関しては「ぎりぎり持ちこたえている状況だ」と指摘した」

軍事アナリストが呆れる。自衛隊将官OBの「武漢ウイルス」発言

新型コロナウイルスのパンデミックが、中国武漢での感染拡大を発端としていたことが影響してか、中国や中国人に対するヘイトスピーチの増加が問題となっています。メルマガ『NEWSを疑え!』を主宰する軍事アナリストの小川和久さんは、自衛隊の将官OBの中に「支那」や「武漢ウイルス」などの発言をする人がいることを指摘。好きか嫌いかで外交・安全保障戦略を推進するのは幼稚で危険だと警鐘を鳴らしています。

コロナの呼び方で評価は分かれる

コメディアンの志村けんさんが新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなり、その死を悼む声とともに「中国憎し」という声がネット上に飛び交うようになっているようです。

「新型コロナウイルスに感染し、3月29日に肺炎で亡くなったコメディアンの志村けんさん(70)。突然の訃報を受け、ネット上では『中国人に殺された』『許せない』などというヘイトスピーチも広がっている。政権批判に結びつけるものも拡散している(後略)」(3月30日付BuzzFeed Japan)

むろん、これは的外れな誹謗中傷でしかありません。しかし、私たちが考えなければならないのは、そうしたヘイトスピーチの根底にある日本国内の反中国感情です。新型コロナウイルスを「中国ウイルス」「武漢ウイルス」と呼ぶ人々は、中国側が嫌がる「シナ」「支那」の呼称を使う人々と重なっています。

これは、中国と外交的に渡り合い、中国の軍事的拡張と対抗していくといった日本の基本姿勢とは別次元の、感情的で幼稚とさえ言えるものです。

これまで私は、自衛隊の将官OBたちで反中国的な言辞を吐いている人々に、なぜ中国を挑発するようなことを口にするのか質問してきました。中国とは毅然と向き合えばよいだけの話なのに、どうして「支那」とか「武漢ウイルス」と言うのか。

論理的な説明をしてくれた人は皆無でした。「中国は嫌いだ」という感情の赴くままに発言しているのがわかりました。この人たちは、韓国、北朝鮮にも同じ姿勢をとっています。しかし、好きか嫌いかで外交・安全保障戦略を推進することなどできません。

もう少し階級的に上位の自衛隊の将官たちは、「若手の尉官が将官の階級章をつけているようだ」と苦笑いしていましたが、「支那」や「武漢ウイルス」を口にする人々は最高学府を出て、教養もあるエリートたちです。その発言は「階級章の権威」によってマスコミにも取り上げられますし、一人歩きしていく恐ろしさがあります。マスコミは「自衛隊の将官=権威者」だと思い込んでしまうのです。

中国の目には、これは御しやすい日本、簡単に勝てる日本として映っているでしょう。こんなことでは、日本は中国を向こうに回し、圧倒していくほどの国家安全保障戦略を備えていないことを白状しているようなものです。

新型コロナウイルスには、WHO(世界保健機関)によって「SARS-CoV-2(SARSコロナウイルス-2)」という名前がつけられています。WHOのテドロス事務局長が中国の影響の強いエチオピアの出身で、中国に忖度してきたという批判はあるものの、ウイルスの名称は客観性を持ったものです。

子供の喧嘩につながりかねない「武漢ウイルス」「中国ウイルス」を排し、少なくとも「新型コロナウイルス」と呼ぶなかで、日本という国家の水準の高さが明確になるのだと思います。新型コロナウイルスのパンデミックによって、日本は外交・安全保障についても試されていることを忘れてはならないでしょう。(小川和久)

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