名ばかりの「美しい調和」。米とEUの板挟みで苦悩の安倍首相

大きな破綻もなく閉幕した、G20大阪サミット。安倍首相も議長としての役割を無事果たしたようにも見えますが、ドイツの有力紙が「G19+1」と揶揄したように、欧米諸国とアメリカとの間の「深い溝」に悩まされていたようです。元全国紙社会部記者の新 恭さんは今回、自身のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』でその真相を探るとともに、「首相はもっと強いリーダーシップを発揮できなかったのか」という不満を記しています。

G20大阪サミットで議長役、安倍氏を最も悩ませたこと

大阪での「G20」サミットは、「G19 + 1」サミットとなった。ドイツの主要紙、南ドイツ新聞はそう書いた。

プラス1とは米国のことである。サミットの首脳宣言はまとまったが、米国のみ協調できないテーマがあった。地球温暖化対策だ。

2020年に始まるパリ協定からトランプ大統領は2017年6月に離脱した。「非常に不公平だ」というのがその理由である。

温暖化ガスを「2025年までに05年比で26~28%削減する」とオバマ前政権が表明していた国別目標は、白紙に戻された。世界第2位のCO2排出国が抜ける影響や責任など、トランプ氏にとってはどこ吹く風だ。

安倍首相を議長としてまとめられたG20大阪サミットの首脳宣言。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に関する記述はこうなった。

*ブエノスアイレスにおいてパリ協定の不可逆性を確認し、それを実施することを決定した署名国は、完全な実行へのコミットメントを再確認する。

 

*米国はパリ協定から脱退するとの決定を再確認する。

昨年のG20ブエノスアイレス宣言とほぼ同じである。米国のパリ協定脱退を確認するが、他の19か国は目標達成をめざすという。

これについて「パリ協定」を主導するフランスのマクロン大統領は最悪の事態は避けられた」と語った。どういうことか。

マクロン氏はブエノスアイレス宣言より後退する恐れを抱いていたのだ。議長の安倍首相がトランプ氏に忖度して、パリ協定実行に向けた文章のトーンを弱めるのではないかと。

6月27日の共同通信の配信記事にはこうある。

フランスのマクロン大統領は26日、フランス大使館で演説し、大阪市で開かれるG20サミットの首脳宣言について「パリ協定について触れず、野心的な目標を擁護できないなら」署名しない可能性を表明した。マクロン氏はこの点について「レッドライン(越えてはならない一線)」と言及。大統領府当局者は記者団に、昨年や一昨年の首脳宣言に盛り込まれた内容より後退することは「受け入れられない」と説明した。

どうやら、マクロン氏が来日した時点で、首脳宣言文原案には、ブエノスアイレス宣言の「署名国はパリ協定が不可逆的であることを再確認し完全な実施を約束する」といった表現が含まれていなかったらしい。米国を孤立させないよう配慮した可能性があると共同の記事は指摘している。

仕事関係の「通信教育」自宅でやったら労働時間と認められる?

スキルアップのために自宅でeラーニングに取り組んでいるという方が増えているようです。その内容が仕事に関わるものであり、会社も把握しているのならば当然「労働時間」とみなされるべきだと思われますが…。今回の無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』では著者で特定社会保険労務士の小林一石さんが、自宅でのeラーニングは労働時間に含まれるか否かを論点に争われた裁判の結果を紹介・解説しています。

eラーニングの時間は労働時間になるのか

「バナナはおやつに入りますか?」

これは非常に難しい問題です。例えば、朝にヨーグルトと一緒に食べるようであれば朝食と言えるでしょうからおそらくおやつには入らないでしょう。ただ、これがチョコをかけたチョコバナナであればはたして朝食と言えるのか?また、普通のバナナでも3時に食べるのであればおやつに入ると言って間違いないでしょう。このように同じバナナでも状況によってとらえ方が変わってきます。

これは「労働時間」についても同じことが言えます。例えば、

  • 制服に着替える時間
  • 仮眠時間
  • 許可なく残業している時間

これらは労働時間と言えるのか?そして、最近増えている「eラーニング」。もしかすると、みなさんの会社でも導入しているところもあるかも知れません。それではもし自宅でeラーニングを行った場合その時間は労働時間になるのか?

これについて裁判があります。ある通信会社で、「WEB学習(eラーニング)の時間は労働時間である」として社員がその分の給与を払うように会社に要求をしました。それに対して会社は「WEB学習は任意であり、あくまでも社員のスキルアップのものであるからその時間は労働時間ではない」としたため、その社員が会社を訴えたのです。

では、この裁判はどうなったか。

労働時間かどうかの判断基準の1つのポイントが「(その業務を会社が指示していたか」です。これについて会社は「受講は任意である(指示ではない)」と主張しました。ではこれを裁判所はどう判断したか。

裁判の結果、会社が負けました。裁判所は「その時間は労働時間である」と判断したのです。なぜか?その理由は次の通りです。

  • WEB学習の内容は一般的な知識だけでなく会社固有の仕様で作られた設備に関するものも含まれており業務との関連性が密接である
  • 上司から取り組むべき課題が個別に指示され、会社もその進捗を細かく管理していた

これらの理由から「会社の指示があった(その時間は労働時間である)」と判断したのです。

いかがでしょうか。最近は様々なeラーニング研修のシステムが開発され、値段も非常に安いものもあります。タブレット端末でも受講が可能なものも多いため「自宅で学習させれば労働時間にしなくてもすむ(残業代を払わなくてよい)」と考えて導入する会社もあるようです。

ただし、実務上は今回の判例の点は気をつけるべきでしょう。もしこれを労働時間としないようにするのであればあくまでも「自己啓発のためとして厳しい管理や強制はしないように注意する必要があります。また、その内容も自社特有の知識を学ぶようなものではなく一般的なスキルなどにするようにしましょう。

2千万もってないオレたちはどう生きるか?年金崩壊時代待望の一冊

金融庁が公表した「老後資金2000万円不足」問題が大きな波紋を呼んでいます。人生100年時代なのに、年金制度が「崩壊」するかもしれない、2000万円なんて持っていないのに、これから自分たちはどう生きていけばよいのか、大きな不安や戸惑いを感じた人も多いでしょう。不安な情報ばかりが飛び交うなか、年金問題が争点になる選挙も間近。そんな今、明らかにある本を意識していると思われる注目の書籍が誕生しました。2019年7月3日に刊行された 『2000万円もってないオレたちはどう生きるか-60歳からのリアル-』 (株式会社自由国民社)です。

「安倍さん、この本、読んでください!」2000万円もライフシフトも無理無理!これがわれわれ“定年シニア”の生きる道。

この本、あれ?どっかでみたことが…既視感たっぷりなのもそのはず、ベストセラーになったあの本に装丁が実によく似ています。

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「2000万円もってないオレたちはどう生きるか -60歳からのリアル -」
(岡 久+日本ライフシフト研究会・著)

老後が不安で仕方ない、そう思って読みはじめた避けては通れない「60歳からのリアル」。でも実は、必要以上に不安がることはないようです。会社員時代とは少しだけマインドを変えて、自分に合った生活にダウンサイジング。 独りぼっちを恐れずに孤独を愉しみ、たまにはパートナーとお付き合い。実は本書からはこんな緩やかな人生の過ごし方も垣間見えます。
誰もが知りたかった、たくさんの「60歳からのリアル」な疑問を、実績豊富な社会保険労務士・コンサルタントがひとつずつ解きほぐして、現実的な対策をアドバイスをしてくれます。

例えば・・・

・本当はいくらあればよいのか?
・年金を収めた分の元が取れる年齢は?
・働きながら年金をもらう「在職老齢年金」でリスクヘッジ
・独立後の保険や税金の自己負担に耐えられるのか?
・「特別支給の老齢厚生年金」の誤解
・「加給年金」と「振替加算」で年金収入をアップ
・「リバースモーゲージ」は本当に高齢者の味方か?
・九つの食物で毎日“アンチエイジング”生活
・五つの数値チェックで健康寿命を延ばす
・定年シニアは「3K」から「3S」のススメ

など。漠然と不安になってしまっている方も、本書を最後まで読んでみれば、悩みの正体が鮮明になり身の丈にあった老後のイメージを前向きに描くことができるのではないでしょうか。

【目次】
プロローグ 何はともあれ、まずはお金が大事!
第1章 60歳から“リアル”生活の裏・表!
第2章 60歳から仕事の“リアル”!
第3章 60歳からお金の“リアル”!
第4章 60歳から心と人間関係の“リアル”!
第5章 60歳から住まいの“リアル”!
第6章 60歳から健康の“リアル”!
エピローグ 人生100年時代、生きてるだけで丸儲け!

【著者プロフィール】
岡 久 (おか ひさし)
シンクタンク岡事務所/ナイン・ヒル・パートナーズ株式会社代表。人材開発や働き方改革から労務管理までさまざまなコンサルティングを手掛ける社会保険労務士。今回、長年のコンサルタントの実績と専門分野の知識を活かし、社労士歴&コンサル歴20年以上のプロならではの実例を挙げて、60歳からのお金と人生についての実用書を執筆。

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「2000万円もってないオレたちはどう生きるか -60歳からのリアル -」
(岡 久+日本ライフシフト研究会・著)
楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/search?sitem=4426125073&sv=30
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source: PR Times

現役30年のアナウンサーが伝授。論点を絞りわかりやすく話すコツ

人前で話すあらゆるシーンに役立つプロの技を伝えてくれるメルマガ『話し方を磨く刺激的なひと言』の著者で、アナウンサー歴30年の熊谷章洋さん。今回は、話がわかりにくくなってしまう人が、何を意識したらわかりやすくなるのか、話し方のコツを明快に教えてくれました。

論点を絞ればすべての話がわかりやすくなる

相手の話がわかりにくい、自分の話がわかりにくくなってしまう。その原因は、ほとんど3つぐらいしかありません。

ひとつは、聞き取りにくいこと。これは当たり前ですよね。その話の音声自体が認識できない、あるいは間違って認識されてしまうわけですから、内容が伝わらなくて当然です。

発声、発音の問題や、話す環境の問題(例えば騒音で聞き取りにくいなど)はもちろん、相手が聞く態勢にないのに話を進めてしまうような場合も、聞き取りにくいと感じられてしまいます。「え?いま何て言った?」と聞き返されるようなケースですね。

ふたつめは、言葉の意味がわからないこと。知らない外国語で話しかけられて理解できないのと同様に、たとえ日本人が日本語で話しているとしても、聞き手の知っている語彙の範囲内でないと、話は通じません。

カタカナ語や専門用語、それに仲間内でしか通じない言葉や言い回しもそうですね。ただし、人間には類推する能力もありますから、たとえ、言葉がひとつぐらい理解できなくても、文脈で理解することは可能です。

とはいえ、知らない言葉が多すぎて、理解できない時間が長くなると、聞き手は聞くことを放棄するようになる、つまり、積極的に聞く気を無くしますから、結果的に、話は通じにくくなりますし、それどころか、潜在意識の中に、「話を聞くに値しない相手」というレッテルを貼られてしまう恐れもあります。つまり、なんか苦手な人と思われてしまうこともありますから、要注意ですね。

ここまでの話の詳細、そして改善法などは、これまで再三、テーマにしてきましたから、まぐまぐから過去記事を検索して、ご一読いただければ幸いです。

【動画】100年前の日本を特殊技術でカラー化した映像が美しい

日本史の授業などで昔の様子を聞いても、白黒の写真などの資料しか残っていないため、我々の国の過去だとなかなか実感が湧きづらい部分もある。

しかしこちらの映像は、なんと今からちょうど100年前の日本の映像をカラー化したものなのだ!

 

 

100年前の1919年(大正8年)には当然カラーで映像を残す技術などはない。

現代の特殊技術により、当時の白黒の映像をカラー化して復元したのだ。

時代劇などとは違い、カラーで見ることによって人々のリアルな生活の様子が見て取れる。

白黒とカラーの違いをここまで実感することもそうそうあるまい。

このような時代を生き抜いてきた人々のおかげで今の日本がある。果たして100年後の日本はどんな国になっているのだろうか。

 
(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:YouTube(Pearbook)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

 

記事提供ViRATES

やってませんか「プレ虐待」。子を叱る前に思い出したい5つの言葉

親や親の同居人などによる痛ましい虐待事件が相次ぎ、親による体罰の禁止を明記した児童虐待防止法などの改正案が6月19日に成立。そういったことも影響してか、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』には、自分自身の行動が虐待に当たるのか、どうすれば止められるのかとの相談が届いています。メルマガ著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんは、虐待へと進展する「プレ虐待」行為と、そうしてしまう親の心理的原因を解説。頭文字の合い言葉「はみだして」で、思いとどまってほしいと訴えています。

私は虐待予備軍?

Q. 独身時代からの仕事を、結婚し母となっても続けています。会社や保育園では「素敵なワーキングママ」「やさしいワーキングママ」と言われています。夫も両家の親も協力的です。 それでも子どもたちに振り回され、思うように自分の時間をとれず、言うことをきかない子どもたちをひっぱたき、邪険に扱ってしまいます。これは虐待になるのでしょうか?どうすれば抜け出せるでしょう?(4歳女児、1歳男児の匿名のお母様より)

柳川さんからの回答

お一人で抱え込んでいて、精神的にきつそうですね。だからといって、子どもに手を挙げて良いわけではありません。あなたは、「虐待予備軍」と呼ばれる精神状態だと思います。虐待傾向にあるママたちの特徴と、そこから抜け出す方法についてお伝えします。

1.増える虐待予備軍

虐待予備軍とは、しつけという名目で体罰をしたり、放置したり、という虐待に成りかねない子育てを言います。具体的には、

  • 手や身体を叩いて叱る
  • 子どもが傷つくことを言う
  • 子どもを無視する
  • 子どもを押し入れ土に閉じこめる
  • 子どもをベランダや外へ閉め出す

などです。 子どもの成長に伴い、体罰が重くなり、「しつけ→体罰→虐待」へと進展するケースが多いのが事実です。ご自身の行動を振り返り、こうした行為はすぐにやめましょう。

2.プレ虐待をする心理

子どもにきつく当たる親の心理として、幾つか挙げられます。

  • 強すぎる脅迫観念:「〇〇でなければいけない」などという思い込みにより、子どもを枠にはめてしまうことです。
  • 自己愛が強い:子どもよりも自分を優先し、自分が周りからどう見られているかを気にします。ですから、自己評価が下がるような子どもの行動や態度を許せないのです。
  • 自分の存在を否定されることへの恐れ:子どもが言うことを聴かないのは、親としての存在を否定されている、と無意識に捉えています。
  • 完璧主義・真面目さ:手を抜くことができない、融通が利かないことです。

3.虐待する前に唱える合い言葉「はみだして」

しつけをする上で手を挙げてしまう方には特に覚えておいて欲しい5つがあります。

  • は:「恥じない」。子育てに悩んでいる自分、上手くいかない自分を恥じないと言うことです。
  • み:「みんな違ってみんないい」。自分の考えと違う価値観を受け入れることです。
  • だ:「脱・完璧」。仕事と家庭の両方を完璧にこなすのは無理です。完璧を求めるのをやめましょう。
  • し:「信じる」。子どもの育つ力を信じましょう。親の言うことを聴かないのは子どもなりの理由があるからです。自分の子どもを信じて待つこと。それが親の役目の一つです。
  • て:「手を借りる」。一人で全てをしようと思わずに、周囲の力を借りましょう。

香港デモと『レッドカーペットの屈辱』への反応にみる各国の思惑

海外のメディアのニュースを、日本のマスコミではあまり報じられない切り口で本当はどういう意味で報じられているのか解説する、無料メルマガ『山久瀬洋二 えいごism』。今回は、安倍首相のアメリカ訪問、香港の大規模デモ、習近平国家主席の北朝鮮訪問などから読み取れる極東各国の事情について解説しています。

香港の騒乱と『レッドカーペットの屈辱』が語ること

That stronger hand threatens Hong Kong’s future as a global commercial hub, but business leaders increasingly fear resisting a Chinese government that does not tolerate dissent.

訳:世界経済のハブとしての香港の将来が大きな脅威にさらされるなか、ビジネスリーダーたちは中国政府の強硬で頑なな態度にどう向き合うか神経をとがらせている(New York Timesより)

【ニュース解説】

この数週間の極東でのできごとは、アメリカと中国との駆け引きに翻弄されるこの地域の現状と本音をくしくも炙りだしてしまいました。

まずは香港で犯罪者の中国への引き渡しを容認しようとした「逃亡犯条例」の制定に市民が強く反発し、大規模なデモが街を覆い尽くしたことです。
北京の息のかかった現在の香港政府は、市民の圧力の前に条例の撤回を余儀なくされました。香港の中国との最終的な統合を目指す北京にとって、これは確かに痛手だったはずです。
一つは、香港が中国の意のままにならないことを北京が改めて実感したこと。そして、もう一つは、グローバル経済への重要な窓口の役割を果たしてきた香港の存在そのものの将来への不安を中国が自ら世界に伝えてしまったことです。
シンガポールなど、他の金融センターに香港の地位が譲られかねない理由を煽ってしまったことは、中国の失策だったといっても過言ではないでしょう。

次に注目されることは、習近平国家主席の北朝鮮訪問です。アメリカとの貿易戦争を通した緊張の高まりに押されるように彼は北朝鮮を訪問しました。
そこには、トランプ政権との交渉に揺さぶられ、ともすると中国離れが囁かれていた北朝鮮を自らの覇権の枠の中に取り戻そうという意図がみてとれます。そして、返す刀で香港の沈静化に注力をというわけです。

今後香港での動きが中国本土に影響しない限り中国は強硬策にでないだろうという人がいます。実際中国は見事に国内の世論を統制しているのです。

「今仮に中国国内の人に、香港でこんなことがおきているといっても、その情報自体を信じる人は殆どいないと思いますよ。報道が規制されているだけでなく、中国共産党の宣伝が行き届いているからね」

これは日本在住のある中国人のコメントです。確かにそれはその通りでしょう。

であればこそ、今回のヘッドラインのように、香港在住のビジネスリーダーは困惑を隠せません
今、香港だけで仕事をしているグローバル企業はほとんどないからです。
米中関係が氷河期となっている状況下、これからは、北京の意向を踏まえながら、世界の金融センターである香港の現実も容認し、双方の狭間で損をしないよう今まで以上に気をつかわなければならないからです。

一方、隣国である日本や韓国でも、ここ数週間様々な反応がありました。

韓国のテレビ局は、アメリカを訪問した安倍首相を大きく取り上げました。
その解説が興味深いのです。メディアの前に立ったトランプ大統領は、もてなさなければならない日本の首相を無視するかのようにレッドカーペットの中央に立ち安倍首相は彼の側に控えるかのように、カーペットの外に追いやられていたのです。
そして、首相がトランプ大統領の方ににじり寄ると、大統領が“Stop”とそれを制したのです。
この場面を韓国のメディアは皮肉たっぷりに報道し、アメリカの「腰巾着」に甘んずる日本の指導者の有様を視聴者に伝えます。
この報道の裏には、中国とアメリカとの狭間にありながら、それでも日本を心情的に受け入れられない韓国の本音が見え隠れします。
それは韓国自身の抱える矛盾でもあり、日本にとっても良いこととはいえません。

韓国にとって中国は最大の市場。そしてアメリカは政治上の同盟国。この矛盾は日本にも通じる矛盾でしょう。ですから、韓国のミサイル配備に神経を尖らせた中国が韓国を敵視している状況を打開しようと、韓国政府は苦慮しているのです。面白いことに香港の情勢に対して韓国政府は何もコメントをしていません。これ以上中国を刺激したくないのです」

これは韓国の知人の解説です。そういえば、日本政府も香港のデモについては同様の対応をとっているようです。
言葉を変えれば、日本も韓国も二つの大国の谷間にいるという同じ課題をかかえながら、双方への不信感は拭えないでいるのです。

「確かに日韓関係は冷え切ったままですね。ここが一枚岩にならないと、これからも中国とアメリカとの間で翻弄され、日韓ともにレッドカーペットの屈辱を味わい続けることになるのではないでしょうか」
韓国の知人はそうコメントしてくれました。

一方アメリカはアメリカで、日本や韓国への影響力をしっかりと維持しながら、香港の騒乱などをテコに中国を包囲し、暗礁に乗り上げた北朝鮮との交渉も進めなければなりません。
そして、トランプ大統領はそれができる人物であることをアメリカ国民にアピールし、次期大統領選を有利に進めるためにも、「レッドカーペット」の中央に立っていなければならなかったのでしょう。

そして、このように極東の政治に関わる国々の利害が複雑に拮抗する中で香港や台湾の人々は、今回の香港での騒乱への各国の冷めた反応に当惑します

彼らが脅威を抱いているのは中国でのインターネットをはじめとしたメディアへの徹底した管理です。
一見便利に見える消費者のオンライン決済ですら、国家が個人の趣向やものの考え方をモニターするには絶好の材料です。
例えば、香港で反中国関連のニュースソースにアクセスをしている人を、北京がモニターすることなど簡単なのです。
民主主義を擁護しようとする人が中国当局の監視に晒されることがどのようなリスクかと多くの人は考えます。今回の「逃亡犯条例」の施行はそんな香港市民の恐怖感という油に火を注いだのです。
そして、中国はさらに市民への監視体制を整え、内に向けては外の情報をブロックしながら指導体制を維持してゆくはずです。

これらの現状からみえてくること。
それは、香港での騒乱を多くの国が当惑しながら傍観している現実です。
香港市民の勇気ある行動には同情するものの、アメリカ寄りにも中国寄りにもコメントできず、事態の沈静化をおどおどしながら見守るというのが極東の国々の実情です。

であればこそ、いざ何かがおきれば、結局どこも助けてはくれないのではという深刻な脅威に、香港や台湾の人々は晒されます。
そうした状況を踏まえ、習近平国家主席は北朝鮮を訪問し、中国の影響力を敢えて世界に誇示しながら、香港市民の熱が冷めるのをじっと待っているのです。
確かに、一枚岩ではない極東での様々な思惑と複雑な利害関係が見え隠れしたひと月だったのです。

日本政府が「日米同盟の双務性」を理解しているとは思えない理由

大阪でのG20サミットを前にしたトランプ大統領の「日米同盟の見直し」発言を受けて、「片務的ではない」と見解を示した日本政府。これに対し、政府が真の日米同盟の双務性を理解しているとは思えないと指摘するのは、メルマガ『NEWSを疑え!』の著者で軍事アナリストの小川和久さんです。小川さんはその理由として、政府関係者を情報筋としている新聞記事に欠けている視点があると解説。メディアに対しても、より高度な調査報道の姿勢と能力を身につけるべきと厳しく指摘しています。

日本の双務性を語るための条件

大阪でのG20サミットでは、隠された重要テーマとして日米同盟が浮上しました。トランプ大統領が来日直前から「日米同盟の見直し」を口にし、安倍首相との会談でも提起したからです。 

むろん、トランプ大統領の発言には経済問題で日本に揺さぶりをかけることのほか、日本の軍事大国化に歯止めをかけている米国の立場を強調して、中国、ロシア、韓国、北朝鮮などとの個別の課題でも優位に立つ狙いがあったと見ることができるでしょう。

それはともかく、菅義偉官房長官は6月27日の記者会見で次のように切り返しました。「全体としてみれば日米双方の義務のバランスは取られている。片務的ということ(指摘)は当たらない」。しかし、菅さんがいくら毅然とした態度で日本の立場を強調したとしても、日本政府が本当に日米同盟の双務性について理解しているかどうかは疑問です。 意外かも知れませんが、その証拠は朝日新聞の佐藤武嗣編集委員の記事に表れているのです。

「日本政府は、在日米軍駐留経費として年間約2千億円の負担もしており、マティス前国防長官は『他の国にとって、お手本になる』と称賛していた」

佐藤編集委員は外交・安全保障問題を専門とする朝日新聞のエース記者の一人です。その佐藤編集委員の記事には、「米国にとっての、金銭に換えられない日米同盟の戦略的重要性」を踏まえた視点が欠落し、駐留米軍経費負担という金銭の話をしてしまっています。そこが問題なのです。

これまで取り上げてきたように、日本列島に展開する84カ所の米軍基地には、陸海空軍と海兵隊の出撃機能ばかりでなく、巨大な軍事力を支える補給・兵站(ロジスティクス)と情報の機能が備わり、アフリカ南端の喜望峰までの間で行動する米軍を支えています。 佐藤編集委員の記事は、「実際、イラク戦争では在沖縄米軍がイラクに派遣されている」と書いていますが、湾岸戦争の時に最大70万人にのぼる多国籍軍の80%近くを占めた米軍の戦闘能力を支えたのも、日本列島でした。その日本列島に置かれた巨大な戦争遂行能力に触れられていないのです。

貴方も動け。「自分で気づける社員」は育てなければ滅多に出ない

自ら気づき人から指示を受ける前に行動できる「自分で動けるスタッフ」は、どんな現場でも重宝され、そして多くの上司がそんな部下を求めるもの。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、「何も言われず自分で動ける人はめったにいない」として、そのようなスタッフを育てるためにまず上司が気づくべきことを記しています。

自分で動けるようになるために

たまーにですが、お店の店長と話していると、「スタッフに自分で気づけるようになってほしい」といった声を聞くことがあります。要は、いろんな仕事がある中で、スタッフさん自身が気づき動いてほしいということですね。

簡単な話ではゴミが落ちていたら拾っておくみたいな話ですが、接客で言えば、お客様から言われる前に行動するとか上司から指示を受ける前に行動するといった話です。

そうなってもらいたい気持ちはもちろんよくわかりますし、そういう人材がいることでお店のレベルは上がっていきますから、お客様の満足度というものも変わってきます。

ただ、これを言うのは、スタッフさんが自分で気づいて行動できるようになるための教育をしている人でなければいけません。それをしていないのに、「自分で気づいて動いてほしい」というのは、少し違うのではないかと思います。

確かに、何も言われずに自分で気づいて動ける人というのはいます。それはこれまでの人生経験であったり、問題を発見して動くような経験を積んできた人たちです。

でも、10人スタッフがいたら、恐らくは、その内の1人いるかどうかくらいの話でしょう。そういう人ばかりを採用するという方法を取っているのなら別ですが、そうでもなく、スタッフに勝手に成長してもらおうというのは教育の放棄でしかありません。

店長などのマネージャー職や、教育係は、自分で気づいて動けるようになってもらうために教育をするのが仕事です。そしてその教育とは、指示命令だけでなく、学ぼうという姿勢を作るための問いかけや、意識を作るために気づきを与える工夫が常に必要とされます。

どれを取っても、相手が人間である以上は絶対の正解などはなくて、個人個人に合ったやり方が求められていきます。正直、そう簡単な話ではありません。

ですがそれでも、スタッフを育てることを諦めて、勝手にどうにかなってくれればと言い出してしまったら、もう誰も成長などしてくれることはありません。

常に工夫とチャレンジを続けてコミュニケーションを取り続けることで人は育っていきます。

もし、スタッフさんと関わっている時に、成長してもらうことがスタッフ任せになってしまっているとしたら、非常に危険な状態だと思ってください。それでは、いつまで経っても今のままです。

自分で動いてもらうために、何をするのか?自分自身への問いかけを忘れないようにしていきたいですね。

今日の質問です。

  • あなたが上司だとして、スタッフが自分で気づいて動けるようになるためには、どんな教育をしていきますか?

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