誰でもなれる「週末作家」。文章力は要らない、出版社が求める別の能力とは?

在京ラジオ局の社員というサラリーマン生活のかたわら、これまで50冊近く著書を出してきた筆者。周りからは、「私も本の原稿を書いてみたい」といった相談を受けることが多い。また、講師として「出版セミナー」などに顔を出すと、同じように「書いてみたい」という方から質問攻めにされる。そこで、今回は、「どうすれば本が出せるのか」、拙い経験則と出版関係者への取材からまとめてみた。

清水克彦(しみず・かつひこ)プロフィール
政治・教育ジャーナリスト/大妻女子大学非常勤講師。愛媛県今治市生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得期退学。文化放送入社後、政治・外信記者。アメリカ留学後、キャスター、報道ワイド番組チーフプロデューサーなどを歴任。現在は報道デスク兼解説委員のかたわら執筆、講演活動もこなす。著書はベストセラー『頭のいい子が育つパパの習慣』(PHP文庫)、『台湾有事』『安倍政権の罠』(ともに平凡社新書)、『ラジオ記者、走る』(新潮新書)、『人生、降りた方がことがいっぱいある』(青春出版社)、『40代あなたが今やるべきこと』(中経の文庫)、『ゼレンスキー勇気の言葉100』(ワニブックス)ほか多数。

誰でも「週末作家」になれる!

どのような職種の方でも、10年、20年と経験を重ねる間に、本の1冊や2冊くらいは書ける材料が溜まってくるものだ。

仕事に限らず、旅行、グルメ、園芸、陶芸、絵画、それにスポーツ、健康といった趣味や特技、また、医療や介護、子育てなどを通じて得た経験などからも、1冊の本にまとめるだけの材料は集まるはずだ。

かく言う私も、浅学の人間ながら、「週末作家」生活を始めて約20年になる。報道記者という経験に、独自の取材や調査を加え、政治・国際情勢、教育・生き方をテーマにした著書を出版してきた。

「自分には文才もなければ時間もない」という方もいるだろうが、書く気さえあれば、誰だって「週末作家」になれるのだ。

書きたい人には追い風が吹いている!

まず、記事で使いたいデータのほとんどはネット検索で見つけられる時代になったことだ。また、「google forms」などを使えば簡単に世論調査もできるようになったことが大きい。

2つ目は、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として進められてきたテレワークの拡がりだ。企業の規模や職種によって温度差はあるものの、在宅勤務やリモートワークの定着によって、上司や同僚から監視されない自由な時間が増えた。裁量労働制など働き方改革とも相まって、空き時間を作りやすくなった。

3つ目は、企業の間で副業や兼業を推進する動きが拡がってきたという点だ。厚生労働省に促される形で、副業や兼業を認める企業も増えてきた。

つまり、これらの動きによって、「本を書く」「ネット記事をアップする」→「収入(印税)を得る」という行為が、誰はばかることなく安心してできる環境が整いつつあるのだ。

「週末作家」にはこんなメリットが!

では、私が「週末作家」になって得たメリットを列記しよう。

  • 臨時収入が得られる。
  • モノの見方が細かく丁寧になる。メモを取ったりするようになる。
  • 執筆時間を確保するため、時間の使い方が上手になる。だらだらする時間が減る。
  • 曖昧だった知識や記憶が整理される。
  • 類書やデータ、論文などの先行研究にも目を通すため、知識や気づきが増える。
  • 本が完成すれば名刺代わりになる。その分野に詳しいという証拠になり一目置かれる。

一方、私が体験したデメリットも付記しておく。

  • 副業が認められていない時代は、上司に呼ばれ「次にやったら訓戒だからな」と怒られた。
  • 「あの人、印税で豪華な生活をしている」と陰口を叩かれた。
  • 著書の売れ行きやネット記事の反応が気になる。
  • ネット上で批判にさらされる。(もちろん評価もされる)

なぜ女性は「話が飛ぶ」人が多いのか?好き勝手に喋る人の特徴と心理

話があちこち飛ぶ人の根底にあるネガティブな感情

さて、本日はなんだか好評らしいコミュニケーションのお話。今日は「話が飛ぶ」現象について考えてみました。

いますよね。今期の売り上げの話をしていたのに、いつの間にか昨日のランチの話になちゃう人。気がつくといつのまにかトンでもない話をしているんですよね。

この、話が飛ぶってどういうことかというと、「関係ナイ話題が突然持ち出される」ことですよね。模様替えの話をしていたのに、介護資金の話になっちゃうようなヤツですね。

これをやられると、相手はいわゆる「話にツいていけない・・・」状態になります。だって、カンケーない話なんだからね。

カンケーある話題なら、そのままスムーズに着いていけるので『話が飛んだ』かどうかは、持ち出された話題が元の話題と「カンケーあるかないか」に依ることになります。

で、問題なのは、飛ばしている本人はカンケーあると思っていることです。これ、注意して聞いていると分かるんですが、話の中心から外れていることが共通していたりするんですよ。

  • 子供の塾代の話・・・なのに、そのとなりにあるパン屋さん
  • 結婚記念日の話・・・なのに、デキ婚友人へのプレゼント
  • 親の病気の話・・・なのに、ダイエットサプリの定期購入代

とか。中心からズレているんですけど、なんとなく連想ゲーム的に分からないでもないみたいな。まあ、ここからもう一回飛ばされたらもう初めの話はなんだか分からないでしょうけど。

この本人はカンケーあると思っている系で一番難しいのが「感情が共通している場合」です。

今現在の話題から想起される感情と、同じ感情を味わった過去の出来事に話を飛ばすってことです。たとえば

今度の休みに行く家族旅行(楽しみにしている)→友人みんなでやったカラオケ(楽しかった)

こういうヤツです。感情は共通しているけど、登場人物もコトも全然違うので、相手はほとんどツいていけません。

しかも、これが「ネガティブな感情が共通」している場合だと、文字通り藪蛇的なグチとウラミが炸裂し始めちゃうんですよ。

いかんわ。また長くなっちゃった。続きは次回。

出典:メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』

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小泉悠氏がシミュレーション。ロシアの北海道侵攻はあり得るのか?

プーチン大統領のウクライナ侵略を受け、周辺各国でにわかに高まったロシア脅威論。日本でも露軍の北海道侵攻を懸念する声が各所で上がっていますが、そのような事態は起こりうるものなのでしょうか。今回のメルマガ『小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略』ではロシアの軍事・安全保障政策が専門の軍事評論家・小泉悠さんが、現状では「想像し難い」としてそう判断する理由を解説。さらに10年後に起きうる可能性についてもシミュレーションしています。

 

※ 本記事は有料メルマガ『小泉悠と読む軍事大国ロシアの世界戦略』2022年4月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール小泉悠こいずみゆう
千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了(政治学修士)。外務省国際情報統括官組織で専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所(IMEMO RAN)客員研究員、公益財団法人未来工学研究所特別研究員などを務めたのち、現在は東京大学先端科学技術研究センター特任助教。

ロシアは日本に侵攻するか

「意外」な対露脅威認識の高まり

最近、ちょっと意外だったのは、今回の戦争で「ロシアは日本も狙っているのではないか」という懸念の声が意外と強いということです。「意外」と書いたのは、いちロシア軍事屋としての自分はこういうことをあまり真剣に懸念してこなかったからです。

たしかにロシアがウクライナに侵攻したのはショックなことではありますし、そう考えてみると日本もロシアの隣国ではあります。最近、フィンランドとスウェーデンがNATO加盟の動きを本格化させているのも、最大の(そしてほとんど唯一の)動機は対露抑止でしょう。

また、近年では野党「公正ロシア」のミロノフ党首が「北海道の全権利はロシアにある」などと発言したことも波紋を広げました。J-CASTニュースの記事はその背景までよく掘り下げたものなので一読をお勧めします。

露の野党・公正ロシアのセルゲイ・ミロノフ党首「北海道の全権はロシアにある」と主張

しかし、冷静に考えてみれば、ロシアがウクライナに対するように日本に軍事侵攻してくることはちょっと想像し難い。日本側は北海道に2個師団(機甲師団である第7師団を含む)と2個旅団の計4個兵団を配備しており、これを打破するのは相当にホネでしょう。

しかも、ロシアが極東に配備している地上兵力は8万人ほどに過ぎず(防衛白書による)、このうちのかなりの兵力をウクライナに投入しているらしいことは第168号で既に紹介したとおりです。

ウクライナ戦争三週間 核エスカレーションと北方領土

特に痛いのはロシアが太平洋艦隊の二つの海軍歩兵旅団(ウラジオストクの第155海軍歩兵旅団とカムチャッカの第40海軍歩兵旅団)を双方ともウクライナに投入してしまっていることです。

揚陸戦力も全く足りていません。太平洋艦隊が保有する揚陸艦は1171型1隻と775型3隻の計4隻に過ぎず、1個旅団を上陸させるにも足りないでしょう。さらに上陸作戦を行うには日米の海空戦力を制圧して上陸地点を確保しなければなりませんが、これもロシアが配備している既存の海空戦力では難しいと思われます(何しろ世界最強の米軍と世界有数の戦力を持つ海空自衛隊を打倒せねばならない)。

 

プーチンと同じ手口の自民党。民意無視で原発処理水を海洋排出の異常事態

自民党政権が得意とする強引な政治手法が、またも繰り返されてしまうようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、東京電力が福島第一原発の処理水を海洋排出するための海底トンネル工事を、認可前のタイミングで開始したというニュースを紹介。この海洋放出ありきの東電と政府の姿勢を「プーチン的手法」と強く批判した上で、政権を内部崩壊に導く方法と、それをリードすることが可能な自民党議員の名を挙げています。

【関連】採取されると不都合なのか。福一原発処理水を1km先の海に放出する謎
【関連】汚染水「放出ありき」の非道。政府と東電の“密約”が炙り出す大嘘

 

プーチン手法の自民党政権

ウクライナのニュース一色だったところに、知床で観光船の事故が起こり、今度は観光船の事故のニュース一色となった右へ倣えのメディアですが、あたしが何よりも驚いたのは、こうした大きなニュースの影に隠れるように、4月25日(月)にシレッと報じられた「東京電力 処理水の海洋放出に向け海底トンネル放水口の工事に着手」というニュースでした。

何故かと言うと、先週号のこのコーナーの「アベ政治の負の遺産」に書いたように、海洋放出計画の今後の手続きは、まず国民の声を聞くためのパブリックコメントを行ない、その次に原子力規制委員会による東京電力の海洋放出計画の最終認可が行なわれ、最後に福島県と地元自治体の了解が得られれば、これでようやく東電は海洋放出のための設備工事に着手できる、という流れだったからです。

【関連】採取されると不都合なのか。福一原発処理水を1km先の海に放出する謎

それなのに、まだ原子力規制委員会による認可も受けていないのに、まだ福島県と地元自治体の了解も得ていないのに、もう工事を始めたというのです。福島県の地元紙の報道によると、東電は25日、海上に工事の範囲を示すためのブイを設置し、作業船を固定するためのアンカーを設置したそうです。そして、4月29日以降に海底の掘削工事に取り掛かり、8月上旬には自称「処理水」を放出するための海底トンネルが完成予定だというのです。

おいおいおいおいおーーーーい!!…というわけで、これも先週号に書きましたが、今月半ばに福島民報社が福島県内59市町村長を対象に実施した「海洋放出について、この1年で政府との合意形成が進んだか?」というアンケート調査では、「かなり進んだ」はゼロ、「少しは進んだ」は5人、83%に当たる49人の首長が「あまり進んでいない」と回答しています。

1年かけてもこのアリサマなのに、岸田政権は一体どのように福島県と地元自治体の了解を得るつもりなのでしょうか?やはり最後は自民党政権のお家芸、札束で地元の人々の口を塞ぐつもりなのでしょうか?しかし、問題はそれだけではありません。1年前に海洋放出を決定した当時の首相、菅義偉も、現在の首相、岸田文雄も、口を揃えて「地元関係者の理解なしに、いかなる処分も行わない」と公言して来たのです。これって詐欺じゃないですか?

ま、現状を見る限り、東電が総予算430億円にも及ぶ巨大工事に着手したということは、パブリックコメントについては「結果は無視する」、原子力規制委員会による認可については「確実に認可される」、福島県と地元自治体の了解については「どんな手段を使っても了解させる」という3点が、政府と東電の間で決定事項となっているのでしょう。それに、仮に地元の了解が得られなかったとしても、自民党政権には「沖縄の民意を無視して辺野古の埋め立て工事を強行する」という必殺技があります。

 

停滞ゴルファーが“落とし穴”から抜け出す術は?レッスン歴38年のプロが伝授

ピーク時からは減少したとは言え、日本だけでも500万人以上を数えるというゴルフ人口。コロナ禍を機にクラブを握り始めたという層も存在するようですが、なかなか上達しないという悩みを抱えているゴルファーの声も多く聞かれます。そんな方に毎月有益なメッセージを伝えてくださるのが、今年でゴルフレッスンキャリア38年目を迎えたという尾林弘太郎さん。尾林さんは自身のメルマガ『尾林弘太郎のロジカルゴルフ(R)~実践スコアアップ進学塾』で今回、練習を積んでもレベルアップしていないゴルファーが陥っているという落とし穴を紹介。何より「考え方の修正」が重要とした上で、その落とし穴から脱却する方法をレクチャーしています。

 

停滞ゴルファーの落とし穴。スコアアップするために必要なゴルフの考え方とは?

ゴルフを長年続けてきて、それなりに練習をしているけど、なかなか上達していかない。そんなお悩みを抱えていませんか。

一方で周りを見回すと、ゴルフをはじめたばかりなのに、どんどんスコアを伸ばしている人も少なからずいます。

全国で約520万人と言われるゴルフ人口ですが、実は3種類のゴルファーが存在する事をお伝えします。

  1. 上級ゴルファー
    ⇒既に高いレベルに達しているゴルファー
  2. 上達ゴルファー
    ⇒常にレベルアップするゴルファー
  3. 停滞ゴルファー
    ⇒練習を積んでもレベルアップしていないゴルファー

レッスンキャリア38年目を迎え、感じる事をお伝えします。

多くのゴルファー…特にレッスンを受けるゴルファーは後天的には「上達ゴルファー」になれる資質を持っていると感じます。

では皆さんにとってゴルフが上手くなるとは、どのような状態だと思いますか?

ドライバーの飛距離?

アイアンでピンそばに打てる?

1パットでカップイン……。

私の考えをお伝えします。

ゴルフが上手くなるとは?

「スコアが良くなる事」これに尽きます。

それも平均スコアのレベルアップだと断言します。

その為にパットの精度を高めたい!飛距離をアップしたいという願いがあるのではないでしょうか?

誰しも最初は初心者です。

そして多くの人が「停滞ゴルファー」の方向に進んでいく可能性を持ち合わせています。

それは「停滞ゴルファー」が注目しがちなポイントが魅力的に見えてしまうからです。

どんな思考でどんなプレイなのでしょうか?

ポイントは?

  1. 常に飛ばしたい
  2. 常に100点狙い
  3. ショートホール以外のティーショットはドライバーのみ
  4. スウィングだけに興味がある
  5. 状況判断をしない

ゴルフの世界には「停滞ゴルファー」への入り口が、数多く存在します。

そしてとっても大事な事実が、「少し練習したくらいでは大きな変化はなく、コースで使えるように体と理由をつなげる事を意識し、実践する事ではじめて上達(スコアアップ)に繋がる」ということです。

この現実を停滞ゴルファーは信じたくないと思います。

何故?魔法を探しているからです。

 

頭脳流出の危機。理研に600人リストラを決断させた「天下の悪法」

理化学研究所の労働組合は、研究系職員約600人が2023年の3月末で雇い止めになるとして、理研に対し撤回を求めるよう文部科学大臣と厚生労働大臣宛てに要請書を提出したと報じられています。日本からの頭脳流出が取り沙汰されるなか、このニュースの背景について質問を受けたのは、メルマガ『週刊 Life is beautiful』著者で「Windows95を設計した日本人」として知られる世界的エンジニアの中島聡さん。正社員への転換ルールを定めた改正労働契約法によりかえって契約社員が職を失う現状について、日本の場合、正社員にしてしまうと解雇できなくなることが「本当の悪法」と指摘しています。

 

質問コーナー:理研600人リストラの背景がわかりません。

Question

shitumon

質問というかお願いなのですが、「理研600人リストラ」の記事を読みましたが、なぜそのようなことをするのかがわかりませんでした。この件の背景も含めて説明して頂きたいです。

中島さんからの回答

この質問を読んでから調べたところ「理研600名リストラ危機が示す研究現場の疲弊」という記事に、雇い止めの理由が書かれていました。

この記事によると、2013年に労働契約法が改正され、契約社員はある一定の期間以上契約関係が続いた場合、(解雇のできない)正社員への転換を申し出る権利が生じることになったそうです。

正社員への移行をうながそうという意図で作られた法律ですが、逆にその期限が来る前に雇用者側が「雇い止め」をするという慣習が出来てしまった「悪法」です。

その期間というのが、当初は5年間だったのですが、そのままでは(契約社員の多い)日本の研究機関に壊滅的なダメージを与えると、研究職に限っては10年間に伸ばすという条項(通称「10年ルール」)が2016年に追加されたそうです。

その10年ルールは、2013年に遡って適用されるため、2023年にはその10年ルールにより、数多くの研究者が「雇い止め」されることになり、その対象は理化学研究所だけでも600人に登るそうです。

10年ルールの適用対象になるからと言って、必ずしも雇い止めをする必要はないのですが、日本の場合、一度正社員にしてしまうと解雇できなくなってしまうという問題があるので(こちらこそが、本当の悪法です)、このままでは重要な研究が続けられなくなってしまい、頭脳が海外に流出してしまうと言われているのです。

 

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総務省と有識者が難癖をつける、スマホ「周波数対応問題」の真実

総務省と有識者による会議で、キャリアの乗り換えが活発化しない一因として、全キャリアの周波数に対応していないスマホが多くあることをあげ、キャリアの圧力ではないかとの意見があるようです。その真相をケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんがメーカー関係者に直撃。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、総務省と有識者の見解を否定したうえで、そもそも考えなしにバラバラな周波数を割り当てた総務省にこそ問題があると呆れます。さらに、一部の人の利便性のために全周波数への対応を求めるのは、総務省が端末割引を規制したことと矛盾すると指摘しています。

スマホ全キャリア周波数対応問題をメーカー関係者に直撃──「これ以上、面倒なことはしないで欲しい」と本音

今週、メーカーの人に会う機会があったので、「ぶっちゃけ、総務省の周波数問題をどう見ていますか」と質問したところ、とても困惑している様子だった。

有識者は「キャリアがメーカーに対して、他キャリアの周波数に対応しないように圧力をかけているのではないか」とキャリアを悪者のようにしようとしているが、メーカー関係者は「そんなことは言われたことはない」と真っ向から否定する。

総務省の議論では欧州や韓国で流通しているスマートフォンはすべてのキャリアに対応している。「日本もそうすべきだ」という論調にしようとしているが、そもそも欧州や韓国では、割り当てられているバンドの種類も少なく、またかなり近いバンドとなっている。つまり、日本に比べて各キャリアに割り当てられているバンドに対応しやすい環境が整っているのだ。

メーカーの幹部は「総務省は、あちこち離れたバンドをキャリアに割り当てるから、我々が対応するのに苦労している。これ以上、変なことはしないで欲しい」と本音を漏らす。

そもそも、キャリアで購入したスマートフォンのままで、他キャリアにMNPして使い続けるという人は、多く見積もっても数%もいないだろう。その人たちにメリットを出させるために、なぜそれ以外の90数%の人が購入するスマートフォンのコストが上がるようなことをしなくてはいけないのか。

その昔、総務省は「割引が適用されている端末を頻繁に機種変更する人が得をして、あまり機種変更しない人は損をしている。この不公平感を是正しないといけない。割引は辞めて、端末と通信は完全分離すべき」という論法をかざしていた。

今回の「乗り換えしやすいように、すべてのバンドに対応しろ」という議論は、結局のところ、乗り換えする人のために、乗り換えない人もコストを負担しなくてはならないという「不公平感」が出てくる話だ。なぜ、総務省はこうした矛盾に気がついていないのか。

すべてのキャリアに対応するとなれば、一部キャリアにしか納入していないメーカーの製造コストは上がるだろうし、ただでさえ、日本ではFeliCa対応しなければならないのに、さらに全キャリアの周波数対応となれば、中国メーカーなどは日本市場から撤退も検討するのではないか。

4月25日に開催される総務省の有識者会議には、メーカーの人が参加して、プレゼンを行う予定とされている。会議ではこうした事実をきっちりと聞き取り、メーカーに対してすべての周波数に対応するという無駄なことをさせないよう、現実をしっかりと理解した結論を導き出してもらいたいものだ。

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戦闘を美化するプーチン「5月9日マリウポリで軍事パレード」画策の異常

常軌を逸した行動論理でウクライナへの侵略行為を続けるプーチン大統領ですが、ここに来て言動にある変化が現れていているようです。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、その変化を紹介するとともに、そこから読み取れるプーチン大統領が置かれつつある立場を分析。さらに我が国は既にロシアによって独立を強く脅かされている状態にあるとし、まさに今、どのように動くべきかを考える時に来ているとの認識を示しています。

 

「デモくらジオ」(4月22日)から:プーチンの心は5月9日「大祖国戦争勝利記念日」軍事パレードに向かっている

なんか、ものすごいことが起こっているのに、隔靴掻痒と言いますか、ああそうなんですね、で終わってしまう辛さ。テレビなどの解説に防衛関係の専門家と言われる人たちが登場されるのですが、客観的な、余りに客観的なというか、それは当然なんですが、お仕事柄、多分、御自分で抑制されているのだと思います。客観的にどうなのかということを中心に述べられるのが当然なのですが…。

今、明らかに事実として指摘というか忘れてはならないのは、要衝マリウポリという町ですね。ここの市民が10万人から12万人くらい市内にとどまっている。その状況でロシア軍は市街地をほぼ制圧したと発表する。

プーチンさんとショイグさんというんですか、国防大臣が割と近くで顔を合わせて、プーチンさんが報告を受けるという、実に分かりやすい茶番をやっておられました。昔からあの手の映像はよく見ますけれど、ほぼすべて茶番と言って良いのですが。「マリウポリの解放作戦は終了した」というようなね。

で、製鉄所に立てこもっている数千人の兵士および民間の人もたくさん逃げ込んでいるはずですが、その人たちに対する直接の攻撃はもうしなくてよいと、中止を命ずるということを言っていました。

ところが、普通は「アリの這い出る隙間も…」というのですが、ロシアではハエ一匹出さないようにと言うらしく、そのようにして完全に封鎖をしろとも命じている。となると当然これは兵糧攻めの形になるわけですから1万2,000人、いや数千人が一度に飢えるという話になるわけですね。その人たちの運命をプーチンさんは握っているわけですけれど。

彼の心は既に5月9日の対独戦勝利記念日、大祖国戦争勝利の記念日に向かっていて、なんと、マリウポリで軍事パレードをやるという話まで。あの廃墟の中で、廃墟と化してしまった町で軍事パレードをやりたいのだそうで。なんか、その話だけで、ちょっとおかしいんじゃないの、いや、ちょっとじゃないんですけどね。そういう気がしてきます。

事実として重要なのは、近郊の村でどうもマリウポリ市民の殺害された遺体の集団埋葬地が見つかったようだということもあります。アメリカのマクサーという宇宙関係の会社、衛星をたくさん飛ばしている会社ですけど。そこの衛星の画像を時系列で分析すると、次第に「墓」の様なものが掘られていく。これが明らかになりました。おそらく、そこを掘れば夥しい数の市民の遺体が発見されるのではないかという状況です。

もちろん、ロシア軍がそのあたりからも完全に撤退したあとにならなければ分からないことでしょう。そういうことがあります。この数字の出し方には、いつも「墓」らしきものの規模の他に、目撃証言のようなものもあるのかもしれませんが、それは表に出ていない。3,000人から9,000人という、非常に幅の広い数字が出ているようですね。まあ、3,000人にしろ9,000人にせよ、とんでもないことで。その人たちが激しいミサイル攻撃や砲撃や爆弾の攻撃でたまたま亡くなったかというと、おそらくはそうではないでしょう。おそらくは銃で撃ち殺されている。

市民を無差別に殺害するというのがロシア軍の習い性になっているというか、そのような作戦のようでして、ウクライナ人はもしかしたら全員殺害してかまわない、というようなことなのかもしれませんね。まあ、なんとも野蛮なことが行われているという…。ロシア側はよくウクライナはナチだ、それをやっつけるのだという言い訳を侵攻が始まった最初の頃からずっと言っていますが、どっちがナチかと言われたら、それは逆、ロシアの方でしょうという感じですよね。

 

最悪、うつ病や突然死も。今年のGWはただひたすらに休んだ方がいい訳

3年ぶりにコロナによる規制のない大型連休を迎える日本列島。しかし今年は過密日程を避け、心身ともにゆっくりと休めるのが得策と言えるのかもしれません。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』では著者で健康社会学者の河合薫さんが、日本人の間に「連続休暇=遊ばなきゃ幻想」が蔓延した理由と、大型連休を休養に当てないことで起こりうる心身の不調について解説。さらに「うつ」のないアフリカの狩猟民族の人たちの生活に学ぶ、今年のゴールデンウィークの理想的な過ごし方を紹介しています。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

 

日本人が休み下手になったワケ

今週末からゴールデンウィークです。ゴールデンウィーク中は通常どおり働き、好きな時期に休むことができる「GW選択制」を導入する企業もあるようですが、みなさんはどのように過ごされますか?

日本人は世界にも類を見ない「休み下手」と揶揄されることもしばしば。欧州のように長期休暇が「働く人の権利」として根付いていないこともその理由の一つです。

欧州にはすでに19世紀に産業界の幹部や商店主が、夏の休暇を取る習慣がありましたし、20世紀には、給与の減額なしの休暇、すなわち有給休暇を取る権利が、企業の中堅幹部、一部百貨店の従業員、公務員にも与えられていたのです。

例えば、イタリアでは1925年に「自由時間を活用して、労働者を肉体的に、知的に道徳的に鍛錬する」との目的から、鉄道旅行やアドリア海への団体旅行を割安料金で実施し、ドイツでも同様の取り組みが行われていました。

しかしながら、労働者には「連続して休む権利」は与えられていなかった。産業革命以降、労働者の間で、過労が原因と思われる心身の不調が多発していたにも関わらず、です。そこでスウェーデンが先陣をきり、1926年「精神的かつ知的な休息は労働者の健康のために不可欠である」と、労働者に「有給休暇制度」を導入。

1935年にはほとんどの欧州諸国の企業が、労働者に有給休暇を与えていたとされています。こういった流れを鑑み、ILOは1936年、「1年以上継続して働く全ての労働者は、連続した最低6労働日の有給休暇を享受する」とした条約(第52号条約)を定め、「この最低基準を超えるものに関してのみ、特別に有給休暇の分割を認める」としたのです。

一方、戦後復興にあえぐ日本では、連続休暇など夢のまた夢。詳しくは日経ビジネスのこちらのコラム(「ロシアは悪か? 東大祝辞騒動と「労働者の幸福」願った先人の希望」)に書いた通りです。

「やむにやまれぬ事情の下、有給休暇では『1日単位の分割取得』というおかしな制度を、あえて導入した」(コラム参照)ことが、「休暇とは仕事の合間にあるもの」という価値観を育み、長期休暇をまるごと旅行にあててしまったり、日替わり弁当のように予定を立てて、「連続休暇=遊ばなきゃ幻想」に囚われる人を量産したのです。

 

秀岳館サッカー部の異常な暴力体質。入部前の中学生をボコボコ、監督は逆ギレで隠蔽を画策&校長は女子生徒にセクハラ疑惑

コーチによる暴行動画がネットで拡散した熊本県八代市にある秀岳館高校のサッカー部で、新たな問題が発覚した。同校のサッカー部員が入部前の中学生に暴行を加えた容疑が浮上している。部員による謝罪動画の投稿や監督による部員恫喝音声の流出など、次々と暗部が吹き出している秀岳館高校サッカー部。さらに校長による女子生徒へのセクハラ疑惑まで巻き起こっている。

サッカー部員による中学生暴行まで発覚

熊本日日新聞によると、今年3月に仮入寮した中学3年の男子生徒がサッカー部の2年生(現3年生)から暴行を受けたといい、すでに生徒の保護者が暴行容疑で八代署に被害届を提出し、4月5日に受理されたと報じている。

生徒が寮の食堂で決められたご飯の量を器によそったところ、2年生からいきなり「調子にのるな」と言われ、殴る蹴るの暴行の上に、「殺すぞ」と恫喝を受けたという。

生徒はスポーツ推薦で入学予定だったが、4月4日に辞退届を提出したため、入学扱いにならず、転校もできずに現在は浪人状態だと記事では伝えている。

同時期に仮入寮した生徒数人も同じように暴行を受けて退寮し、現在は他県の他の高校に通っているといい、入学前に入寮し練習に参加した中学3年生の退寮が相次いでいる形だ。

浪人となった生徒には気の毒だが、もしこの件の被害届が受理されなかったら、一連の疑惑はずっと藪の中だったかも知れない。この問題の闇はかなり深いとみられる。

根っからのパワハラ・セクハラ隠蔽体質が発覚か

4月20日、サッカー部寮内でコーチが背中を向けた部員を蹴ったり殴ったりしている様子を側にいた部員2人が撮影し、Twitterで拡散した。

翌日、警察が捜査介入する事態となり、22日にはサッカー部の段原一詞監督が撮影した2人を「俺は完全な被害者だ。お前らは加害者だ」と何度も訴え、あげくには損害賠償をすると生徒を脅迫。

後日、その音声もネットで拡散されたことで波紋を呼び、部員達が謝罪動画を出すという前代未聞の出来事が次々と怒っている。

一連の騒動に対する説明や謝罪をする前に、なぜか25日には段原監督が朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)に出演。涙ながらに謝罪したものの、「順番がおかしい」と集中非難を浴びた。

学校側は今回の動画SNS投稿による騒動を受けて、5月10日に警察による生徒へのSNS講習会を行う予定だとしたが、「生徒からツイッターに真実をリークされないようにするためだろ」と揶揄される事態となっている。

おまけにネットでは、数日前から秀岳館の公式Facebookページ(現在は削除)で中川靜也校長の女性徒とのハグや握手写真が大量に拡散され、「校長と女生徒の距離感がおかしい」「これセクハラだろ」と話題になる始末。

画像を確認すると、密着度が高すぎて違和感を覚えざるを得ず、明らかに行き過ぎているとしか思えない。ネットでは「ここはキャバクラ?」との声が上がるほどだ。

生徒たちはサッカーが大好きで、強豪校である秀岳館高校で汗を流したいと期待を胸に入学してきたはず。にもかかわらず、今回のような騒動が起きたことは残念でならないだろう。

安心してサッカーボールを追う日が再び来るよう、学校側はすべての膿を出し、後手後手に回っている対応、そして隠蔽体質を改める必要がありそうだ。