新型コロナ特措法改正を閣議決定。要請に応じない場合の罰則は?

政府は10日、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案を閣議決定した。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための「緊急事態宣言」が可能になる。13日の参院本会議で成立させると見られている。


何が可能になるのか

「緊急事態宣言」の際に首相が対象の区域や期間を定め、対象地域となった都道府県知事は具体的な対応を取ることが可能になる。たとえば、「外出自粛の要請」や「学校・保育所の使用制限、停止の要請・指示」、「床面積1000平方メートル超の映画館、百貨店、博物館など多くの人が集まる施設の使用」、「イベント開催の制限、停止の要請・指示」、「鉄道や日本郵便への緊急物資の運送要請」、「医薬品や食品の生産・販売・輸送業者らへの売り渡し要請・収用」、「臨時の医療施設の開設、土地・家屋の使用」などが可能になる。正当な理由がなく応じない場合の収用も可能で、保管命令に応じなければ罰則を科すなどの措置をとることもできる。

米トランプ大統領は減税へ。安倍首相は減税に否定的で野党と対立

アメリカのトランプ大統領は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、10日に大規模な経済対策を発表すると明らかにした。経済対策のなかには、休職せざるを得なくなった労働者への減税措置や所得補償を盛り込む方針だ。不況に陥る可能性について、ムニューシン財務長官は「アメリカは世界中で最もリスクに強い経済だ」と述べた。ロイターNHKなどが報じている。では、日本ではどうか。


野党は減税を求める声多数

日本でも、野党から消費減税を求める声があがっている。国民民主党の木戸口英司氏は9日、新型コロナウイルスが深刻な景気後退につながる懸念が増しているとし、「生活密着型の新たな経済対策が必要。消費税減税、所得税減税も大胆に行なえばいい」と訴えた。国民民主党は、玉木雄一郎代表が首相と面会した4日にも、東日本大震災以上、場合によってはリーマンショックほどの経済危機の可能性について述べ、「前もって十分な対策を講じるべき」と消費減税を直談判している。また、日本維新の会の柴田巧氏も、全商品を軽減税率の対象とし、消費税を8%に戻す案を述べた。

立憲民主党は慎重

立憲民主党の枝野氏は、「経済的弱者に対して優先的、重点的に対応すべき」としているものの、消費税や所得税の減税についてはコメントしなかった。周囲には「非常時はみんな買い物をしない」として、消費減税は意味がないと漏らしているという。

中国がWHOに21億円の寄付。ネット「言いなりのお礼?」の声

中国がWHOに新型コロナ対策でお返しか? 中国政府はWHO(世界保健機関)に対し、2000万ドル(約21億円)を寄付することを決めた。新型コロナウイルスをめぐる国際協力のためとしているが、この時期の寄付は、中国の対応に賛辞を繰り返すテドロス事務局長への「お返し」とも受け取られかねないと時事通信が伝えている。

WHOは中国の言いなりなのか?

中国の陳旭・駐ジュネーブ国際機関代表部大使がWHOのテドロス事務局長と会談。NHKによると、中国政府はWHOに関して「テドロス事務局長のもと、感染拡大の防止に重要な役割を果たしていることを称賛する」と高く評価したうえで、「今回の寄付は保健医療体制が整っていない国々への支援が必要だというWHOの呼びかけに応えるものだ」としている。

テドロス事務局長は中国での感染が急激に拡大した今年1月に北京を訪れて習近平国家主席と会談し、「中国の取り組みを称賛した」などと国営メディアで伝えられていた。

一方、日本は菅官房長官が9日午後の記者会見で「日本としてはWHOが保健専門機関としてその専門性をいかした活動を推進することを期待しており、発展途上国の感染症対策の強化に充てるためにすでにおよそ10億円の拠出を表明している。引き続き、WHOおよび関係各国などと連携し、事態の収束に向けて全力で取り組んでいきたい」と述べている。

台湾との差が歴然。新型肺炎でも馬脚をあらわした後手の安倍政権

先日掲載の「中国に忖度なし。日本が学ぶべき、台湾の蔡総統『新型肺炎』対応」でもお伝えしたとおり、新型コロナウイルスに迅速かつ的確な対応で臨んでいる、台湾の蔡英文総統。すべてが後手後手に回っている感が否めない我が国ですが、その差は何に起因しているのでしょうか。ジャーナリストの高野孟さんは自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で今回、台湾の対応を改めて振り返りその敏速さを評価するとともに、日本国民の不安をかき立てる安倍政権のデタラメさを強く批判しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年3月9日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

後手後手をカバーしようと前につんのめる安倍首相の醜態──新型コロナウイルス対応で台湾との余りの落差が評判に

「後手後手の 後で叫ぶ 先手先手」の一句が7日付東京新聞の「時事川柳」欄にあったが、図星である。

昨年12月12日に中国・武漢で原因不明の肺炎患者が見つかってから2カ月以上もの間、危機感どころかそれ以前の関心さえろくに持たずにノホホンと過ごしてきた安倍晋三首相が、尻に火が着いたように慌て始めたのが2月24日からの週で、27日に発作的とも言えるような唐突さで全国一斉休校を宣言。それが余りに不評であったため急いで取り繕おうと29日に記者会見を開いて、これがまた準備不足でむしろ傷を広げる結果となった。

なぜこの時期に尻に火が着いたのかと言えば、本誌のNo.1,035(2月24日号「4月末までに新型肺炎の完全収束がなければ東京五輪は絶望的な訳」)はじめあちこちで「五輪は7月に始まると思ったら大間違い。聖火リレーは3月下旬、事前キャンプの選手団は5月上旬から来日し始めるので、遅くとも4月一杯に終息宣言を出さないと」いう指摘が広がり始めて、さすがの安倍首相とその周辺のボンクラどもも事の重大さに気付いたからに違いない。

これは単に、疾病対応の技術的な巧拙とか、また政治指導者が「やってるフリ」を演じる振り付けの出来不出来とかの戦術的レベルの問題ではない。

米外交問題評議会シニアフェロー(グローバルヘルス担当)のヤンゾン・ファン教授が言うように「公衆衛生は信頼を基盤にしている。政府への信頼は社会資本であり、これが効果的な公衆衛生上の対策をとる上で極めて重要になる」(フォリン・アフェアズ・レポート3月号)。

ところが安倍首相は、そもそも13年ブエノスアイレスで「福島原発事故の汚染水問題はアンダー・コントロール」と真っ赤な嘘をついて五輪誘致に成功したことから始まって、改憲や安保法制など政治課題も、拉致や北方領土など外交案件も、モリ・カケ以来、近頃のカジノ、河井夫妻、お花見、検察人事など数々の疑惑事件に至るまで、どれもこれもその場限りの口先だけの嘘、誤魔化し、はぐらかし、捏造、隠蔽で切り抜けようとするばかりで、国民はもう長い間、そうやってジタバタ、オロオロ、何とかして逃げ切ろうとしている彼の卑屈な姿しか見たことがない。内閣不支持の理由の断トツ・トップが毎度「首相の人格が信頼できない」であることが示すように、彼には危機突破のための結束を呼びかけて国民に耳を傾けて貰えるだけの「社会資本」はとっくに残っていない。そのような本質的かつ戦略的レベルの理由からして、安倍首相のこの後手後手の後の先手のフリは成功しない。

とすると、そのため4月一杯までに新型コロナウイルスの終息宣言を出すことができずに、五輪を中止もしくは延期しなけれならない可能性はますます大きくなっていると見なければならない。中止・延期となればその戦犯容疑は安倍首相一人が負うことになり、血祭りにあげられることになるだろう。

楽天モバイル「名ばかり使い放題」基地局4400のみという貧弱さ

3月3日、国内携帯電話の第4のキャリアとなる楽天モバイルが料金プランを発表しました。「月額2,980円で使い放題」という面ばかりがクローズアップされ報じられる傾向にありますが、「完璧な使い放題とは言い難い」とするのは、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。石川さんは自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で今回、そう判断する明快な理由を記すとともに、月額7,480円設定のソフトバンクとの比較を試みています。

楽天モバイルが月額2,980円で自前網限定「使い放題」を提供――安さの理由は「完全仮想化」よりも「4,400局」なのではないか

3月3日、楽天モバイルは4月8日から本格サービスを開始する携帯電話事業の料金プランを発表した。

月額2,980円で楽天自前エリアであれば使い放題。ただし、パートナーエリアは2GBまでしか使えず、超過した場合は128kbpsになるが、1GB500円で追加も可能。300万人は1年間無料となるキャンペーンもある。ぶっちゃけて言えば「無料サポータープログラム第3弾」みたいなものだ。5,000名が2万5,000名となり300万名になったといえるだろう。

やはり、月額2,980円のインパクトは大きいようで、一般紙などはこぞって「これで4社間の料金競争が起こる」とのんきなことを書いている。やはり、どんなに安くても「いつでもどこでもつながる」ということが重要であり、都内でも地下などではパートナーエリアにつながってしまうようでは完璧な「使い放題」とはいいがたく、ユーザーにストレスを強いることになるのではないか。

一般メディアから「なぜ、楽天はそんなに安いのか」と聞かれることが多いが、表向きの理由としてあげられるのが完全仮想化ネットワークだ。楽天モバイルでは「設備投資は40%、運用コストは30%削減できる」と強調する。

ただ、別の基地局ベンダー関係者に言わせると「完全仮想化ネットワークは3年早すぎる技術。コストが削減されるように言われるが、実際には設備を置く場所がかなり必要になってくるし、マシンのパワーも必要になってくるため、電力コストがかなりかかる。既存の設備とコスト的にはあまり変わらないのではないか」とのことだ。

ぶっちゃけて、楽天が安価な料金プランを提供できているのは、三木谷浩史社長の思いつき的な料金設定と、「基地局の少なさ」なのではないか。

楽天モバイルの基地局数は3月末の見込み数で4,400局となる。短期間にこれだけの基地局を設置したのは大したものだといえる。ここは素直に称賛に値する。

ただ、無理を承知でざっくりとしたことをいうと、月額2,980円で4,400局しかつながらないということになる。一方、ソフトバンクの場合はメリハリプランの月額7,480円で23万局つながるという計算が成り立つ。

楽天モバイルとソフトバンクの料金の差は2.5倍あるが、使える基地局数で見ると、52倍の開きがあるのだ。

つながる場所、使える基地局という視点に立つと、ソフトバンクのほうが安いといえなくもない。

果たして、4,400局だけの使い放題で本当にユーザーは満足するのか。1年無料とはいえ、ユーザーの反響が気になるところだ。

獣医師が教える。「動物用救急箱」に用意しておきたい8アイテム

気をつけていても突然やってくるペットのケガや病気。飼い主さんなら、まずは自分で応急処置をする機会も多いはず。そんなときに用意しておくと安心で便利な「動物用救急箱」に必要な8アイテムを教えてくれるのは、メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』の著者で獣医師の佐藤貴紀先生です。すでに準備している人も内容をチェックの上、注意点とともに確認してみましょう。

家庭で簡単に作れる「動物用救急箱」

飼い主さんがどんなに気をつけていても、犬や猫はケガをしやすい動物たちでもあります。また、ちょっとした生活の変化で体調を崩してしまう可能性もあるデリケートな部分も持ち合わせています。ぜひ、人気同様に応急処置ができる「愛犬愛猫用救急箱」をご家庭にご用意してほしいです。

すぐに動物病院に連れていけない状況にも、適切な応急処置を行えるだけの正しい知識と道具のご説明をしましょう。

1)犬、猫の救急箱の準備8点セット

  • 必ず用意しておきたい基本グッズ
  1. 各種書類
    緊急の場合、予防接種や過去の治療、投薬などの医療記録を必要にもなります。鑑札やマイクロチップ番号なども含めて、関係書類のコピーをとって救急箱に置いておくと慌てなくて安心です。
  2. 粘着性伸縮包帯
    止血や、傷の保護に使います。普通の包帯と粘着性のあるタイプもの2つ用意しておくと便利です。
  3. ガーゼ
    傷の保護、軽く圧迫しての止血使用。

  4. 通常服用しているお薬があれば、1つぶでもいいですし成分が書いてあるメモでもいいので置いておくと非常に便利です。かかりつけ以外の病院に行く可能性がないとも限りません。
  5. はさみ
  6. ウェットティッシュ
    アルコールなどの入っていない純水のウェットティッシュか赤ちゃん用のおしりふき用のウェットタオルでも可能です。
  7. ビニール袋
  8. 生理食塩水
    傷の洗浄に使えます。

2)その他、用意しておくと便利なもの

人間用の靴下があると便利です。例えば、足を怪我すると犬や猫は舐めて治そうとします。もし、包帯を嫌がった時などは靴下で覆って病院に連れて行けます。ただし、清潔なものにしてください。

●まとめ

救急箱を準備したからいいのではなく定期的に消費期限などを確認してください。使用期間が過ぎていたら準備をしていても意味がありません。注意してください。

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「ついつい間食」にはワケがある。鍼灸師が教える理由別対処法

お腹が空いているわけでもないのにもぐもぐ。家にいるとき、気づくと何か食べ物を口にしている。なぜかヒマにしていると食べてしまう。そんな「つい間食してしまう癖」にはいくつか理由があるようです。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者、のぶ先生が、理由に応じた対策を教えてくれました。

「ついつい間食」の対策

【ついつい間食】

  • 気が付くと口に物を運んでいる
  • ウッカリお皿の上のものを食べてしまう
  • ついつい間食してしまう

こうしたことに罪悪感を感じる人がいるみたい。こうした「ついつい間食」してしまうのには、ちゃんと理由があります。

【間食で暇つぶし】

暇だと「暇つぶし」に「食べる」ということで、その暇を埋め合わせることがあります。こんなときには、ノンカロリーのものを口にできるように「間食」を用意しておく。

たとえば、こんにゃくの田楽、なんていいですね。できれば温めてから食べるとよいです。

【冷えや疲れで間食】

カラダが冷えていたり、疲れているとエネルギー補給をしたくて、ついつい間食してしまうことがあります。血流が悪くなって下垂している腸の血行を促して、胃腸を引き締めることができると空腹感の予防がかないます。

こんな時おすすめなのが「昆布茶」。適度な塩分が腸の血流を促しながら体を温めてくれます。また「うまみ」の昆布エキスは、疲労感の回復に役立ちます。そして「昆布の粉末」は食物繊維の働きで、腸の運動を活発にして体内を温める一助となります。

もし、「昆布茶」を飲んでも空腹感を感じるなら、それは「まともな空腹」です。自信をもって甘いものを口に運びましょう。口に運ぶ「甘いもの」は「おむすび」が最適。

結びたての「おむすび」もおいしいですが、できれば一度冷めたものがよいです。冷めたおむすびは、でんぷんが食物繊維のような働きをしてくれて、腹持ちがよくなります。もしもし、もっと甘いものが欲しいなら、「あんこ」をつけた「おはぎ(ぼたもち)」がよいですね。

もしもしもし、これ以上甘い「チョコレート」や「ケーキ」などが食べたいようなら、それは「ストレス」が原因。「ストレスの原因」を取り除かないと、「間食」「過食」の習慣は簡単には治りません。ストレスを発散する自分らしい方法を編み出してみましょう。

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スーパーチューズデーに躍進のバイデンはトランプに勝てるのか?

米大統領選挙の民主党候補者を決めるための予備選は、3日のスーパーチューズデーを終えてバイデン氏が躍進。これまでリードしてきたサンダース氏を逆転しました。票を伸ばせなかった候補者の撤退が相次ぎ、一騎打ちの様相となったこの予備選の行方と、その後の大統領選の展望を各紙はどう伝えたのでしょうか?ジャーナリストの内田誠さんが、メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で、詳しく解説します。

バイデン氏とサンダース氏

【プロフィール】

■「穏健派」対「革新派」■《朝日》
■「中道派」対「急進左派」■《読売》
■「穏健派」対「急進左派」■《毎日》
■「中道派」対「左派」■《東京》

「穏健派」対「革新派」

【朝日】は1面トップに2面は大統領選特集、8面に関連記事。見出しから。

(1面) バイデン氏復活 9州制す
サンダース氏と一騎打ちへ
ブルームバーグ氏 撤退表明

(2面) 穏健・革新対決 鮮明に
危機意識が生んだ一本化
バイデン氏ならトランプ氏に勝てる
支持層2分 長期戦か
本選 70代の争い

(8面)
劣勢2氏 立て直せず
民主党候補者選び 票の集中焦点
撤退 バイデン氏支持へ
穏健派ブルームバーグ氏
トップランナーから失速
革新派ウォーレン氏
「革命が必要」サンダース氏に
「秩序取り戻して」バイデン氏

uttiiの眼

《朝日》は、バイデン氏を「穏健派」、サンダース氏を「革新派」と呼ぶ。《読売》は「中道派」と「急進左派」、《毎日》は「穏健派」と「急進左派」、《東京》は「中道派」と「左派」となっていて、それぞれ微妙に違う。少なくともきょうの時点での呼称はこのようになっているのだが、この間、呼び方に変化あるいは揺らぎがあったかについては詳らかにしない。それぞれの呼び方を選ぶ根拠もありそうだが、敢えて深入りしない。ただ、「穏健派」というのは如何なものだろうか。

各紙、復活したバイデン氏とこれまで首位を保ってきていたサンダース氏の一騎打ちと報じる点で違いはなく、両派の対立、あるいは「溝」は一層深まるだろうと推測していて、《朝日》も「穏健・革新対決 鮮明に」と2面記事の見出しに大書している。

ユニークな論点が2面記事最後段に見えている。見出しは「本選70代の争い確実」というもの。民主党候補がバイデンになろうがサンダースであろうが、いずれも70代。共和党候補はトランプ氏で決まりだろうから、やはり70代。共和と民主、どちらが勝っても新大統領は70代の白人男性ということになる。

「若者や女性、黒人やヒスパニック、アジア系らを含めた多様な候補者の中から、高齢の白人が残ったのは、「トランプ氏に勝ちたい」という民主党支持者の考え方が影響しているとも言われる」のだそうで、昨年の世論調査で次の大統領候補としては「中年以上の白人男性」が適しているという回答が多かったのだという。

候補者が高齢の白人男性になったことと世論調査の結果との連関は今ひとつうまく読み取れないが、《朝日》の指摘の中で間違いなく当たっていると思われるのは、「本選に向け、健康不安などが焦点となる可能性もある」という部分。おそらくは候補者中最高齢で、いくつか具体的な健康に関する不安材料が公になったサンダース氏のことを指しているのだろう。

「共に生きる」ために。障がい者を「体感」し言葉をつくる意義

昨年12月から全国6ブロックで開催されてきた「共生社会コンファレンス」。2月14日に開催された関東甲信越ブロックでの様子について、統括責任者を務めた引地達也さんが、メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』で伝えています。引地さんは、ワークショップで初めて会った障がい者同士が楽しむ様子に手応えを感じ、これを機会に「学びの場に障がい者をどう入れるか」から「障がい者中心の学びをどう作っていくか」へと、考え方の転換が起こることを期待しています。

共生社会コンファレンスで「共に生きる」ために言葉をつくること

本欄で紹介してきた「共生社会コンファレンスIN関東甲信越」(主催・文部科学省、一般財団法人福祉教育支援協会、共催・東京大学大学院教育学研究科)が2月14日、東京大学本郷キャンパスの伊藤国際学術研究センターなどを会場に行われた。

主催者であり全体を統括する立場としては、まずは事故なくすべてのプログラムが遂行されたことにほっとしているが、やはり支援が必要な人が社会で「学ぶ」ことを切り口に展開されたシンポジウム、ワークショップや分科会などで見えてくる課題は、明らかに「今、社会に欠如している部分」である。それを直視することがコンファレンス開催の意義だったと考えている。

ここから「言葉」を作る、「言葉」が浮かび上がるのが次への第一歩であり、そこから理解や共鳴、共感が生まれ文化が生じたら、多くの人の安らぎにもなる。その安らぎこそが「アンカーを下す」ことにつながり、学びが安定したものになる、なのだと思う。

コンファレンスは、前半のシンポジウムの作り付けから半年以上前から議論したもので、タイトルは「障害者発・新しい学びの提起─『健常者』中心の学びを超えて」だった。コンファレンスで語られる「学び」がこれまで健常者が作ってきた学びの場に「障害者をどう入れるのか」ではなく、「障害者中心の学びをどう作っていくか」がポイントであり、これは視点の大転換である。

シンポジウムのコーディネーターは全国で初めて知的障がい者を聴講生として受け入れている神戸大学の津田英二教授で、シンポジストは、社会教育が専門の牧野篤・東京大教授、障害学の星加良司・東京大准教授、そして私がシャローム大学校学長として務めた。

牧野教授は社会教育分野のこれまでの常識に疑問を呈し、星加准教授も障害者からの視点を整理した語り口は「東京大でやっている」感覚になるような、深くクリアな論点整理となり、私自身はその論点の実践例として、そして現場で起こっている話として「学びの実践」の話に繋げた格好だが、詳細は後日記したい。

「国家非常防疫体系」の北朝鮮「新型肺炎の感染者なし」は本当か

中国での新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、「国家非常防疫体系」を宣言し中国との国境を事実上閉鎖した北朝鮮。「新型肺炎の発症者はいない」との主張を、メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』の著者で、北朝鮮研究の第一人者の宮塚利雄さんは、疑わしいと見ています。その証拠とまでは言わないものの、例年金正恩の父、金正日の誕生日に開催される中央報告大会がなかったことなどを伝えています。

武漢発・新型コロナウイルスを隠匿した金正恩

2月2日から8日まで某宗教団体が主催する国際行事に参加した。なんでもこの宗教の創立者の誕生100周年と後継者の妻の77歳の誕生日、それと2人の結婚60周年記念を祝って、ソウルで世界から2万5000人を集めて様々な行事を開催した。

誤解のないように説明しておくと、私はこの宗教の信者でもないし、またこの宗教団体が主催する行事への参加も積極的ではなかったが、唯一、後継者の女性の77歳の誕生日に際し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長から花輪が贈られてきて、会場でそれが披露されたときは緊張してそれを見入った。

名前は金正恩ではなく「アジア太平洋委員会金ヨンチョル」名であったか。会場内の他の参加者はあまり興味を示さなかったようで、すぐに引き下げてしまったが、私には驚きであった。なぜ、金正恩がこの後継者の女性の誕生日に花輪を贈ったのか。

この宗教関係者によると、この後継者は、金正恩に場合によってはこの集会に参加した各国の代表団4000人を引き連れて平壌に行くと言って、金正恩から承諾を得ていたとのこと。この話は少し違うかもしれないが、ともかく、この宗教団体が大勢の訪朝団を計画しており、後は茶坊主の文在寅大統領が承諾すれば板門店を越えて行くとの話が進んでいたことは確かである。

それはそうとして、私が行ったときは(今もそうだが)中国武漢発の新型ウイルスによる症状が叫ばれており、韓国の仁川空港に到着し、検疫カメラの前でマスクをしない私に女性の係員が「なぜマスクをしていないのか?」という表情で、段ボールに入っていた韓国製の水色のマスクを渡してくれた。韓国人はあまりマスクをしないが、今回だけは違っていた。ほとんどの人が様々なマスクを使用していた。