日本も他人事ではない。「ドーハの悲劇」カタールに迫る動乱の嵐

中東で続く紛争や、後を絶たないイスラム国などテロリストによる事件。ジャーナリストの安田純平さんがシリアで拘束されるなど、日本人にとっても他人事ではない事態となっています。今回の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では著者の嶌信彦さんが、混迷する中東・湾岸地域の情勢について、石油を巡る問題を中心に考察しています。

カタールの嵐

中東・湾岸地域の情勢は、ちょっと目を離すと複雑化、混迷化し、わけがわからなくなる。最近の注目はカタールだ。

カタールはアラビア半島東部に位置しサウジアラビアからアラビア湾に突き出ている秋田県並みの面積を持つ小国。日本人には1993年のサッカー・ワールドカップアジア予選で、勝てばW杯初出場が決まるイラク戦で時間切れ寸前にゴールされた「カタール・ドーハの悲劇」が今も語り継がれている。天然ガスの確認埋蔵量では世界3位日本のLNGガス輸入相手国としても3位の親日国だ。アラビア語圏では大きな影響力を持つ放送局アルジャジーラの本社があることでも有名だ。

そのカタールが6月、サウジアラビア、バーレーン、アラブ首長国連邦など湾岸3ヵ国とエジプト、イエメン、モルディブなどイスラム圏計6ヵ国から断交を宣言された。6ヵ国はカタールによるテロリストへの支援やイランとの友好関係を理由にあげており、特にイスラム主義組織「ムスリム同胞団」やイスラム国を支援していると批判しているようだ。

カタールはアラビア湾を隔ててイランの真向かいに位置し、安全保障の上からイランと友好関係を保ちたい事情があるとみられるが、現在イランとサウジアラビアは断交状態にありカタールは板ばさみ状態に陥っているのだ。

都議選「大敗」が見えた民進党は、まず野田幹事長をクビにせよ

「安倍一強政治」が続く中で、「体たらく」と言わざるを得ない状態の野党・民進党。ジャーナリストの高野孟さんは自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で、前回より「安倍一強」を招いた原因について分析。高野さんがRPGよろしく想像力を働かせ、「民進党の体たらくをどうしたらよいか」をシミュレーションした「某シンクタンクへの回答」を紹介しています。

民進党をいったいどうしたらいいのか(その2)──まずはアベノミクス失敗総括と、それに代わる社会像を

某シンクタンクから「この民進党の体たらくをどうしたらいいと思うか」と意見を求められたので、とくに名案がある訳もなく、余り気が進まないのだけれどもと断りつつ、私なりの考えを述べた。それに若干の肉付けをしてここに掲載する。

自分が一員でもない政党にああせいこうせいと言うのも失礼だとも思うが、私たちの仕事は常に、自分が日本国の総理大臣だったら今どうするか、米国大統領だったら、露大統領だったら、中国国家主席だったら……というようにロールプレイ・ゲーム的に想像力を働かせて、それを基準に実際の日本の首相やどこぞの大統領を批判するものなので、これもまたそのようなロールプレイングの1つである。

要は、2018年秋の任期満了近くになる可能性が高い次期総選挙民進党が現有95議席を約1.5倍の150議席前後に、さらに2019年夏の参院選で前回17議席から倍増の35ないし前々回並みの40前後まで議席を回復し、その次の総選挙で政権奪回を狙うところまで到達できるには、どうしたらいいか、ということである。

都議選敗北の乗り切り方

まず第1は、共謀罪法も森友・加計学園問題も決して“逃げ切り”を許さず、国会閉会後も追及を緩めずに、秋の臨時国家にまで引き継いで行く姿勢が大事である。

気に入らないものはことごとく蹴散らして進むかのような「安倍一強政治」ではあったが、前川喜平=前文科次官の正々堂々の反乱を境に、にわかにダッチロール状態に陥り、菅義偉官房長官の目にもオロオロとした灰色の不安と動揺が宿るようになった。後々、この通常国会会期末のドタバタが、内閣支持率が崩れる始まりだったと言われるに違いない。

第2に、悩ましいのは6月23日〜7月2日の都議選で、これは[小池新党+公明党vs自民党]で基軸が形成されてしまって民進党はまったくお呼びでない状況。最も厳しい予測では同党は1〜2議席しか取れず、2009年に59議席にまで達したというのが夢ではないかと思えるほどであるけれども、今更どうしようもない。

いま日本の政治戦線の最先端をなすのは沖縄県で、そこで民進党は国会議員も県会議員もゼロ、辛うじて那覇市会議員に1人いるんだったのかな? という状態で、つまりそこに何の政治的・組織的な足がかりも持ち得ないほど衰弱してしまった。首都=東京でも似たような状態に陥りつつあって、国会議員は蓮舫自身を含め何人かいても、それを支える都議が1人か2人だけというのでは、国政選挙でも態勢が組めない。中枢部の首都と最突端の沖縄の地方議会で、ロクに議席を持てないというのでは全国政党の形をなさないことになる。ここに今の民進党が抱える病がある。

そのため、都議選結果によっては「蓮舫=野田体制」に対する“責任追及論”が出てくるだろうが、そんなことでゴタゴタすることに私は賛成ではない。

まず原則論として、東京といえども1ローカルの選挙であって、その結果でイチイチ全国指導部を交代させたのでは、オロオロしているという印象を広げるだけで何ら意味がない。また、蓮舫代表は大変な才人なので、こんな程度のことで使い捨ててしまう訳にはいかない

と言っても、1〜2議席というのは余りに酷いので、その責任は野田佳彦幹事長に被ってもらうのがいいのではないか。そもそも蓮舫が幹事長に野田を指名したことが間違いの始まりだったのだから、この機会にそれを正せばいいのである。

第3に、地方選挙のレベルでは、その先に、7月9〜23日の仙台市長選、7月16〜30日の横浜市長選があり、これは勝ちに行って反転のきっかけにしなければならない。仙台は、旧民主と社民の支援で2期を務めた林恵美子市長が引退し、民進党の郡和子=衆議院議員(比例・東北)が後継を狙うのに対して、自民は会社経営者を立てる。しかし取り立てて政策的な争点があるわけではなく、民進としては昨年の参院選で共産を含む野党4党の共闘で自公候補を破って桜井充=元厚労副大臣を当選させた態勢を維持して次の衆院選に繋ぐことが課題だろう。

横浜は、カジノ誘致の賛否が焦点となる。3選をめざす現職の林文子市長は、元は旧民主党が擁立・推薦してきたが、最近は自公とも関係良好で、菅官房長官や地元経済界が推進するカジノ誘致に(今は「白紙」と言いながら)賛成しそうな気配である。民進は、旧民主党系は引き続き林支持であるのに対し、維新系は江田憲司=民進党代表代行の子飼いで39歳の伊藤大貴=横浜市議を立ててカジノ反対を明確に打ち出そうとしていて、調整がついていない。さらに、元逗子市長で旧民主党で衆議院議員も1期務めた長島一由も「カジノ反対」を唱えて早くから手を挙げ
ていている。一本化に失敗すれば負ける。

夜の川崎はSFの世界。あの名作にも影響を与えた美しい工場夜景

今回は、こうした街のイルミネーションでは満足できないという方や、人ごみが苦手という方のために、一風変わった光の世界、“工場夜景”をご紹介したいと思います。あのリドリー・スコット監督の映画「ブレードランナー」の冒頭に登場するシーンも、日本の工場夜景に影響を受けて作られたものなんだそうです。では、美しい工場夜景の世界をみてみましょう!

美しい!浮島町と千鳥町の工場夜景

015

工場夜景というと、数年前に「まるでSF映画の世界」とか「まるでゲームの世界」、あるいは「美しすぎる」などという言葉と共にブームになっておりましたが、ここのところ、工場夜景ブームも落ち着いた感があり、「工場夜景?何それ?」という方もいると思います。

そういった方のために、工場夜景がどんなものなのかを見ていただき、彩るためのイルミネーションではない、生活に密接した光の美しさや妖しさといった魅力を実感していただければと思い、神奈川県川崎市の工場地帯に行って来ました。

川崎市の工場地帯は、日本5大工場夜景と称されるスポットの一角を担う有名スポットです。

ちなみに、日本5大工場夜景とは一般的に、北から、北海道室蘭市、神奈川県川崎市、三重県四日市市、山口県周南市、及び福岡県北九州市であると言われています。

写真からでも、巨大なプラントの迫力金属表面を照らし出す照明の光により、幻想的な雰囲気を感じ取れるものもあるのではないでしょうか?

巨大な柱や煙突は、まるで古代ギリシャの神殿にある柱のようにも見え、現代の神殿という表現すらしっくりくるような気がします。

もっとも、巨大プラントでは、様々な製品や原料の製造、加工が行われ、入った物と異なる物が出荷されるわけですから、古代人の視点では、神の力が宿る場所と見ることができるでしょうから、“神殿”という表現も言い過ぎではないのではないかと思います。

ジメジメ湿気なのにゴホゴホ。梅雨は、長引く「咳」にご用心!

気象庁の発表によると、2017年は6月7日に四国地方から関東地方が一斉に梅雨入りしました。

この季節は真夏のような暑さの翌朝には、朝から雨がシトシト降って肌寒い、という日もあり、気温差に体がついていけず体調不良をおこしやすくなります。

またエアコンの使用もはじまるので室内外の温度差も大きくなります。

先日も長引く咳を訴える患者さんがクリニックに相談に来られました。

今回はこの患者さんのケースをもとに、梅雨時に気を付けたいことをご紹介していきます。

咳の原因は「アレルギー」?

長引く咳の背景には、結核に代表される呼吸器の感染症や気管支喘息に代表されるアレルギー疾患などが隠れている場合があります。

単なる風邪と思わずに、呼吸器内科の専門医の受診が必要です。

また咳は1回・2kcalものエネルギーを消費するとも言われています。

咳が続くと疲労を感じやすくなるだけでなく夜中に起きると睡眠の質が下がります。

「先生のおかげで、早めに適切な治療を受けたので咳が止まりました。血液検査や問診で咳がひどくなる時間や場所、季節の話しをしたら部屋のカビが原因かもしれないと言われて驚きました」

これは長引く咳を訴えていた患者さんの声です。

アレルギーは、ダニやハウスダスト、カビなどの抗原に対して、体内で抗体が生じることで炎症につながります。

気管支に炎症が生じて気道が狭くなり、止まらない咳や呼吸困難などの症状を起こすのが気管支喘息です。

マンションなどの密閉性が高い住宅では、カビなどを排除しづらく、梅雨時に窓を閉めた状態でエアコンをつけると、エアコン内のカビが空中を舞ってしまうことがあります。

掃除機をかけても、空中に舞ったカビを排除することはできません。

住宅の密閉性の高さゆえに、カビに対するようなアレルギーを起こしやすいのです。

対策は住まいの環境を変えること

この患者さんの場合、治療と並行して以下のことを行いました。

 

・除湿機を使う

・空気清浄機を使う

・洗濯物の部屋干しを止める

・料理のときは換気扇を回す

・窓をまめに開けて換気する

・エアコンのフィルターをクリーニングする

・床の絨毯をフローリングに変える

 

住まいの環境を変えることで快方にむかったそうです。

また、アレルギーは、免疫機能のバランスを崩すことも関係しています。

梅雨時で湿度が高いとき、日中の寒暖差や室内外の温度差の激しいときはアレルギー症状が重症化しやすくなるので、食事や栄養バランスを整えることが大切です。

アレルギーや疲労が長引く場合は点滴療法も

国内外の医療機関でアレルギーの重症化予防と体質改善に使われるのが「マイヤーズカクテル」というビタミンBとビタミンCを中心した点滴です。

この点滴には慢性疲労や喘息に効果があることが、米国で報告されています。

日々の食事に気をつけていてもアレルギーや疲労が長引く場合は、医療機関にぜひ相談してください。

執筆:柳澤 厚生(医師・医学博士)

 

<執筆者プロフィール>
柳澤 厚生(やなぎさわ・あつお)
医師・医学博士。元杏林大学教授、点滴療法研究会会長。国際オーソモレキュラー医学会会長。日本オーソモレキュラー医学会理事長。日本におけるビタミンC点滴によるガン細胞の抑制研究、統合医療研究の第一人者。2015年4月からは事業構想大学院大学にて「統合医療」について教鞭をとる。著書多数(日本オーソモレキュラー医学会HPはこちら

image by: Shutterstock

 

【関連リンク】

29連勝・藤井四段の母親が実践した「天才を育てる方法」

プロ入り以来負けなし、前人未到の公式戦29連勝を達成した14歳の最年少棋士、藤井聡太四段。「どうすればこんな子に育つのだろう?」と、世の親御さんたちほとんどが思われているのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『育児に成功する【楽しい子育て絵本講座】』では、著者の山口理加さんがご自身で徹底的に調べたという藤井四段のお母様の「天才の育て方」が紹介されています。

藤井聡太四段のお母様の育て方3つのポイント

14歳の将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段が、公式戦連勝記録歴代で1位の29連勝をしたニュースがにぎわっていますね。

将棋は記憶力や集中力など様々な能力が必要ですよね。だから、藤井四段はどのように育てられたか、興味はありませんか? 私はあります。そして、興味を持った時、私は、徹底的に調べます。調べると、偉人や素晴らしい発明をした人や芸術家との共通点が必ずあるからです。その共通点を自分の子育てで実践すると、子どもの天才性を開花させる可能性が高くなると思いませんか。

公式記録1位タイの6月22日の日本経済新聞や西日本新聞に、お母様の話が載っていました。その中で、藤井四段が才能を伸ばすことができたと思われる、お母様の育て方を3つ見つけました。

藤井四段が才能を伸ばすことができたと思われる、お母様の育て方とは、どのようなことだと思いますか? それは、次の3つです。

  1. 「他の習い事は長続きしなかった」(西日本新聞)
  2. 「何かに集中しているときは極力、邪魔をしないようにしてきた」(日本経済新聞)
  3. 負けるといつも泣きじゃくったが「心行くまで泣かせた」(日本経済新聞)

以上です。

この3つをまとめると、「いくつもの習い事をやってみてやめたいものはやめ、やりたいことに集中している時は見守り、感情を表現することを認める」ということですよね。

これは、子育てのスキルやテクニックではありません。心を込めて子どもを尊重して育てるということではないでしょうか。

【千葉・勝田台】ラーメン官僚が「ここまでの隙ナシは稀有」と断言する煮干しソバ【篤々】

日本全国に数多あるラーメンの中でもとっておきの一品を食べ歩きながら紹介する、ラーメン官僚かずあっきぃこと田中一明さん。豪華執筆陣による興味深い記事を1本から購入できて読める、まぐまぐの新サービス「mine」で無料公開中の、田中さんの記事から本日ご紹介するのは、千葉・勝田台「中華そば篤々(とくとく)」の煮干しソバ。今まで12,000杯のラーメンを食べ歩いたラーメン官僚が、ここまで隙がない1杯に出逢えるのも珍しいと語る、中華そば篤々の煮干しソバのお味とは?

オススメ!【ラーメン官僚かずあっきぃの麺遊記】中華そば篤々

中華そば篤々@勝田台にて、煮干しソバ&和え玉。

オープンは昨年9月。

京成勝田台駅から徒歩約5分。路地裏に佇む小さなこの店舗が、比較的動きが少ない北総エリア待望のニューカマーだ。

8e61db0c762b5789a6fd0809b929105d copy

基本メニューである「煮干しソバ」をオーダーさせていただいた。

8fa0a9695c602936b028734a42955112 (1) copy

ひと言、これは美味い!掛け値なしに美味い!!

ここまで隙がない1杯に出逢えるのも珍しい。

乾物の過不足なき滋養味が、城郭のごとく堅固にスープの味を支える。揺るぎのないこの1杯の土台だ。

無制限に膨らみがちな乾物のうま味が、素材の組合せの妙によって、ビシッとひと所に収まっている。うま味のコントロールもバッチリであり、作り手のセンスを感じさせる。

スープの水準の高さもさることながら、麺のチョイスも素晴らしい。スープの持ち味を十二分に引き出す硬めのストレート麺。

線の細さを感じさせない優秀な麺だ。

麺の水準が高いので、こちらでは和え玉も必食。

a0431e5a79801c6538b6ac0a08dfd7bf (1) copy

登場時のビジュアルも良ければ、甘辛いタレの味付けも良い。

麺の下にセットされているタレだけで、ひと玉平らげることができる。

連食する予定だったところなのに、つい和え玉まで頼んでしまった。だが、後悔はしなかった。

こちらのラーメンには、それだけの価値がある。未食の方は是非、一度足を運んでみていただきたい。

きっと、乾物系清湯の新潮流を肌身で感じることができるだろう。

自身が食べて美味かったラーメンのみUPする、田中一明さんの記事をチェックしたい方はこちらでフォロー

DATA

中華そば篤々

営業時間 11:00~14:30 18:00~20:00

住所 千葉県八千代市勝田台1-5-27

定休日 月曜日(祝祭日の場合は営業)

視界不良のアベノミクス。日経平均株価はもはや予測不能なのか?

6月2日、1年半ぶりに2万円の大台を回復した日経平均株価。20日には年初来高値をつけましたが、今後の株価を占う予想記事自体が少なくなるなど、その先行きは専門家であるアナリストでも予測不能となっているようです。果たして景気は上向くのでしょうか。メルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の津田慶治さんが、トランプ大統領の政策や中国の一帯一路路線、そして日本企業の業績など、国内外の様々な要因を鑑みつつ、今後の景気の動向を大胆に分析しています。

日経平均株価はどうなるか?

景気の動向を見るには、先行指標である日経平均株価や米国ダウを見る必要があるが、その株価予想がアナリストで真逆になっている。もう1つが、予想記事が少なくなってきて、アナリストが予想できない状態のようである。それなら、ここで予想してみよう。

高値圏での上下への振れは大きい

アナリスト達の予測が、真逆な予測になり予想自体も少なくなり、レイモンド・メリマンなどの占星術まで株価予想の世界に出てきたようである。当たるも八卦ということのようだ。

この理由は、ダウも日経平均も高値圏にいることである。株価が下がると押し目買いが入り、上がると利益確定売りが出て株価を下げるからである。このため、上げ下げの方向がない。もう1つが、良い情報では上げ悪い情報では下げることになっている。

日経平均は、PER14倍で低く、より一層の高値の可能性がある。PER15倍では2万1,000円に届く。このため、野村證券など証券系のアナリストは、日経平均はまだまだ上がるという。その可能性は否定できない。

一方、ダウは、PER17倍となり、IT株はPER20倍以上にもなっている。そして、米国のダウには、ヒンデンブルグ・オーメンのサインが出ているが、そのサインが出ても株価は上昇している。サインを無視している。

これは、企業業績の一層の利益が見込めると予想していることで、その根拠がトランプ政権の行う法人税減税である。

このことで、現時点では米国の株価水準は異常に高い状態にある。イエレンFRB議長は、株価を下げるためにも金利を上昇させたいようであるが、米国の長期金利は上がらず、賃金上昇もなく、景気指標の一部には減速のサインも出ている。このため、イエレン議長がもう1回の利上げと資産の圧縮を言っているが、複数のFRB理事が再度の利上げに反対している。それを受けて長期金利は上昇していない。

米長期金利が上がらないので、利上げを行っても円安にもならない

日本株のPER14倍と割安なのは、配当率の低さからそうなっている。配当率は30%以下であり、IT株以外の米国の高値株の配当率50%以上でだいぶ低い。

株価を決めているのは、景気の動向=金利の動向と配当の動向=企業業績の動向であり、この2つの観点を見ることが必要である。

喫煙者数は増えている。「途上国」で巨大化するアジアのタバコ企業

日本でも年々拡大する「全面禁煙」の流れで、肩身の狭い思いをしている喫煙者たち。しかし、以前もお伝えした通り世界レベルでは喫煙者の数は増加しており、さらにタバコ会社はM&Aによってますます巨大化しています。今回のメルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では、著者で現役医師の徳田先生が、タバコ会社が公然と撒き散らす健康脅威の恐ろしさと、それが放置されている現状に怒りの声を上げています。

アジアのタバコ会社による健康脅威

2017年3月に、インドネシア大学に招聘された私は、初めてインドネシアを訪問しました。インドネシア大学医学部の教員の先生方に身体診察法の教え方を教えるためでした。ところで、イスラム教国であるインドネシアではほとんどの人々はお酒を飲みません。しかしながら多くの男性がタバコを吸っているのを見かけました。

最近インドネシア政府が、2020年までに国内でのタバコの生産量を現在の約3倍に増加させると発表しました。インドネシアはすでに世界第4位の喫煙者数を出しています。そして10年以内に喫煙者世界第一位になる予想がなされていたときに、この発表がなされたのでした。

実はこのインドネシア政府の動きは、世界的なタバコ会社の激しい商業主義的競争原理主義がもたらした出来事でした。1990年以降、世界の大手タバコ会社はM&A(企業同士の合併吸収)を繰り広げて巨大多国籍企業となっていきました。市場価値では、フィリップモリスとブリティッシュアメリカンタバコは二大巨頭です。

元CIAが逮捕。中国は、アメリカの機密情報をいくらで買ったのか?

スパイの身柄が拘束されるという話は海外では珍しくはないようですが、最悪「終身刑」になるリスクまで冒して売買されている機密情報というのは、一体どれくらいの金額で先方に「買い取って」もらえるのでしょうか。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で世界情勢に詳しい北野幸伯さんが、中国に機密情報を売りCIA職員が逮捕された事件を例にあげつつわかりやすく解説してくださっています。

アメリカ機密情報のお値段は???

大統領就任前は、中国を「主敵」としていたトランプさん。その後、北朝鮮問題などもあり、中国と和解しています。トランプは、自他ともに認める親ロシア。こちらは、「ロシア・ゲート」の圧力があり、本人の意志と関わらず、なかなか関係が改善していない。現状は、「結局、AIIB事件前のオバマさんと変わらないよね~」という感じです。

しかし、米中関係が一見穏やかでも、水面下では活発な「工作」が行われています。特に、「中国側の工作」は、1年365日、休むことがありません。今回は、そんなお話。

中国に機密情報を売った、元国務省職員

時事=AFP6月23日に、興味深い記事が載っています。

中国に防衛秘密を売った元国務省職員を逮捕・起訴、米国

時事=AFP 6/23(金)12:22配信

 

【AFP=時事】米国務省外交保安局(Bureau of Diplomatic Security)の元特別捜査官が22日、米国の防衛に関わる秘密情報を中国に売り渡したとして逮捕・起訴された。

米国務省外交保安局の元特別捜査官が秘密情報を中国に売って逮捕されたそうです。これって、「悪を取り締まる側自身が、悪をしていた」ということですね。もう少し詳しくみてみましょう。

司法省の発表によると、米バージニア(Virginia)州リースバーグ(Leesburg)のケビン・マロリー(Kevin Mallory)被告(60)は今年3月から4月にかけて中国・上海(Shanghai)に旅行した際、中国の情報機関員に機密文書を売り渡したとされる。
(同上)

上海に旅行した際、「中国の情報機関に機密文書を売った」そうです。それで、マロニーさんは、中国から金をもらった。いくらだと思います? 答えを、紙に書いてから、読み進めてください。

問題となっている文書の出所や内容は明らかにされていないが「防衛情報」とされており、マロリー被告はこの対価として2万5,000ドル(約280万円)を受け取った。
(同上)

280万円……。この数字を聞いて、皆さんはどう思われましたか? 私は、「安い!」と思いました。理由は、後述します。

マロリー被告は米陸軍を経て米外交官や訪米した外国要人の警護、国務省職員のセキュリティー関連事件の捜査などを担当する国務省外交保安局の特別捜査官になり、退官後はさまざまな政府機関から仕事を請け負っていた。

 

標準中国語を流ちょうに話せるマロリー被告は2012年まで、中国、台湾、イラク、米首都ワシントン(Washington D.C.)で「極秘情報」を閲覧できる立場にあった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は同被告が中央情報局(CIA)に勤務していたと報じている。
(同上)

CIAに勤務していた! CIAの「モグラ」ですね。

起訴状によると、マロリー被告は今年2月、ソーシャルメディアを通じて中国側の「リクルーター」と連絡を取り、翌月からの上海への旅行と中国の情報機関員との面会を手配させたという。
(同上)

ソーシャルメディアを通じて連絡をとり…」

面白いです。CIA勤務の方が、「ソーシャルメディアで連絡とっても安全と思ったのでしょうか? 私がソ連に行ったばかりのころ、「電話で重要な話をしないほうがいい。聞かれているからね」と警告されました。今風にいえば、「ソーシャルメディアで重要な話をしないほうがいい。読まれているからね」ということでしょう。