空だけではない。海からも放たれる、金正恩ミサイル外交の脅威

去る10月31日、北朝鮮は日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射しました。10月2日にも同様に発射していることから、日本政府は警戒感を強めています。北朝鮮が繰り返す弾道ミサイルの発射。相次ぐ空からの脅威に、不安を感じる人も多いでしょう。メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』の著者で、北朝鮮研究の第一人者の宮塚さんは、最近の金正恩党委員長の大胆発言を分析しつつ、冬の到来とともに始まる新たな脅威や、日本で発足した対抗組織について展望を語っています。

北朝鮮だより:日本海を守る頼もしい組織が青森に発足

11月に入り「北風」の冷たさが身に染みるようになったが、北朝鮮の金正恩委員長はそのような季節の移り変わりには「我関せず」とばかりに「白頭山で白馬に跨っている雄姿」を披露したり、観光名所の金剛山を現地指導しては韓国側が建てた建造物などを「我が国の情緒気風に向かないから撤去しろ」とのたまったかと思うと、「こんなくだらないものを誰が作ったのか。前任者の責任だ」と、自分の父である金正日を「無能者」呼ばわりすることも躊躇わなかったが(この“前任者の責任”については、金正日ではなく、当時の計画実務担当者などを指すとも言われている)、実に大胆な発言である。

金正恩はさらに、1031午後4時25分頃に平安南道・順川付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射した。「朝鮮中央通信」は11月1日に「国防科学院が“超大型放射砲(多連続ロケット砲)”を再び試射し、成功した」と報じ、連射システムの「完璧性まで検証され、奇襲攻撃で敵の目標区域を焦土化できるようになった」と強調した。

金正恩は国防科学院の報告を受け「大きな満足の意を表した」と言うが、111日の『労働新聞』はなぜか、移動式発射台からの発射場面の写真を掲載したものの、金正恩の写真はかった。珍しいことである。2日前に届いた『画報朝鮮』10月号には、ミサイル発射試験場での金正恩の写真を大々的に載せており、テーブルの上にはいつもの灰皿が置かれているだけでなく、金正恩のものと思われる携帯電話も写っている。

今年の5月以降12回目で計20発目となる発射実験の視察を見送った金正恩の真意は「米国など国際社会を過度に刺激するのを避けたため」と言われているが、日本政府は幸いにも日本のEEZ(排他的経済水域)内に落下はしなかったものの、例によって「厳重に抗議する」とのコメントを出した。金正恩にすれば、日本の抗議など「意に介ない」とでも思っているだろう。

日本は今、「北朝鮮からの空と海の脅威に晒されている」。北朝鮮からのもう1つのありがたくない“贈り物”である、北朝鮮の小型木造漁船の日本海岸への漂着が始まったが、この事態に備えて青森海上保安部(青森市)は11月4日に「青森機動監視隊」を発足させた。季節風や潮流の影響で漂着が増える冬季限定で日本海沿岸の陸上をパトロールするもので、監視隊は鰺ヶ沢町役場(弘前に隣接し日本海に面する町)を拠点に韓国語ができる数人が常駐し、沿岸を警戒するという。

「韓国語ができる数人」とは頼もしい限りである。日本で韓国語ならぬ朝鮮語ができる(まねることでも構わないが)人は、ラヂオプレスなど北朝鮮の放送を傍受し翻訳・分析している一部の関係者ぐらいなものだろう。しかも、北朝鮮訛りの朝鮮語を話せる人は朝鮮総連系の在日朝鮮人の中でも少ないであろう。

北朝鮮の小型木造漁船が漂着し、中に生存者がいると「何漁をしていたか?」と必ず尋問するが、時には「イカ漁」を「タコ漁」と通訳する事例が多い。韓国語と朝鮮語では「イカとタコ」の表現が違う。先月、日本海の生簀である大和堆付近で北朝鮮の漁船が水産庁の監視船に衝突して沈没したが、これは日本側からの撤去勧告を無視した結果であった。空からのミサイルの迎撃は不可能に近いが、海からの脅威である漂着船と漂流者の捜索なら十分に対応できる。

今年1月号の『画報朝鮮』にハタハタの大漁に相好(そうごう)崩す金正恩の姿が大々的に報じられていたが、ハタハタ漁は、例年11月から1月が最盛期とされる。ハタハタは「波多波多」という海が荒れたときに獲れる魚でもある。

北朝鮮の小型木造漁船の漂流、漂着が頻発する時期になった。(宮塚コリア研究所代表 宮塚利雄)

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不透明支出で「組合私物化」のマンション理事長を解任させる方法

マンションに住み始めて気が付く管理組合理事長の人柄ですが、たとえ高圧的だったりワンマンであったりといった「問題」を抱えている人物であったとしても、仮にも総会で選ばれた理事長を解任させることはなかなか難しいようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』ではマンション管理士の廣田信子さんが、このような不適格理事長解任の手段を記すとともに、理事長解任を諦めたマンションが管理不全化する理由を解説しています。

区分所有者は一人でも問題ある理事長を解任できる?

こんにちは!廣田信子です。

「長年、理事長が管理組合を私物化していて、多額の報酬を取っているのにさらに不透明な支出をしている。何とか解任したいが、理事長は、マンション内で恐れられていて、理事も監事もイエスマンで固めている。他の住人は、高齢でもあり、事なかれ主義で関わってくれないので、総会でいくら言っても、理事長をやめさせられない何とかできないかというような相談が時々あります。

「理事は総会で選任して、理事長は選任された理事の中から理事会で選んでいるのだから、外からはどうしようもない。一般組合員に仲間を増やして、自分たちも理事会の中に入って、問題ある人を理事長に選ばないようにするしかない…」。

そういう正論を言うのは簡単ですが、実際には、ワンマンで高圧的な理事長をやめさせるのはたいへんなことなのです。そして、それと戦おうと思うより、巻き込まれたくないと無関心を決め込むのが、大多数の人の心理なのです。仕事が忙しかったり、高齢になれば、そう思う人が多いのも分かります。

しかし…このままでは管理不全マンションへの道をたどってしまって自分のマンションの資産価値を守れない…と気づいた人の苦悩が始まるのです。先日、相談があったのは、そういうマンションを中古で購入した方からでした。

じゃあ、総会で、理事長解任に過半数の賛成が得られないのなら、もうどうしようもないのか…というと、実は一人でも戦える方法が1つだけあります区分所有法第25条選任及び解任)では、

区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる。

としています。管理者とは理事会方式では理事長のことです。理事会方式の場合は、理事を総会で選任して、理事会で理事長(≒管理者)を選任し、解任もできる。これが、一般的な理事長選任、解任のルールです。

それに続いて、区分所有法第25条には第2項があります。

管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。

ですから、管理者に不正な行為等があれば、区分所有者は1人でも、裁判所に解任請求できるのです。総会決議できなくても、不正行為をしている理事長をやめさせる方法はないのか…と聞かれると、この第2項の話をしますが、私は、この第2項を使って裁判所に解任請求をし、認められたという具体的な事例を知らないので、どのくらいの証拠がそろえば認められるのかというようなことはわかりません。あとは、マンション問題にくわしい弁護士に相談して…と言うしかないのですが…。

相談者は、弁護士さんは、「こういう訴訟をやってくれるか…」と、聞きますので、「不正な行為を立証できるようなら、受けてくれる弁護士さんはいると思いますが、もちろん、弁護士費用はかかります」と言うと、「弁護士費用は私が勝ったら、管理組合に請求できますよね?管理組合のために戦ったのですから…」と聞かれます。

でもそれは難しいのです。ここが悩ましいのです。

「三つ子の魂百まで」は本当だった。衝撃の国際機関の調査データ

様々な事象が科学的に証明されるようになった現代。人間の脳の発達や感情の動きなどもその一つです。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師の松尾英明さんが、「子供の性格や感情を決定づけるのは何歳からか?」という疑問について、とある国際機関の調査結果を紐解きながら解説しています。

「三つ子の魂百まで」は本当

発達と感情コントロールについて。

『OECD 保育の質向上白書』という分厚い本がある。タイトルの通り、OECDの出している白書である。そこに次のグラフが示されている。脳の敏感性と4つの項目(「言語」「」「社会性」「感情」)が経年変化でどう変わるかを調べたグラフである。

● The early years are pivotal for children’s brain development

このグラフは、衝撃である。感情のコントロールと言語に対する脳の敏感性は、生まれた時から既にピークに近い状態である。つまり、生まれた時からあるいは胎動期から感情を込めて話しかけ続けることには、大きな意味があると考えられる。

更に感情のみを見ると、1歳時でピークを迎え、2歳半ばにはピークの半分、3歳には底ちかくまで急落する。つまりは、感情面の教育については生まれてから遅くとも2歳半ばまでが大きな勝負どころである。

乳幼児期にたくさん笑顔で話しかけられ、赤ちゃんが笑ったり泣いたりしていることにいちいち反応してあげること。面倒な「いやいや期」に親をはじめ周囲が感情を受け止めること(これは難関。だからこそ価値が高い)。これらが最も重要であると考えられる

つまり幼児の性格と言われるものが、学校教育で本質的に変わるということは、ほとんどないといえる。4歳までにはその基礎が固まるということである。「三つ子の魂百まで」というが、あれは本当のようである。

しかし小学校であっても、子どもが「変わった」ように思える。なぜかというと、グラフを見てもわかる通り、社会性(peer social skills)は伸び続ける。仲間との関わりの能力が発達するため、そこが主に変わるのである。

例を挙げると、もともと「怒りっぽい」性格とする。その場合、幼児期はこれがダイレクトに感情として外に出る。しかし社会性の発達に従って、周りの目を意識して、我慢ができるようになる。

つまり、幼児期から小学校段階においては、仲間と交流するような学習が成長の肝である。学級づくりの重要性がここでもわかる。

ここで忘れてはならないのは、社会性でその表出をコントロールしているだけで、必ずしも怒っていない訳ではないということ。一方で同じ場面であっても、感情面での怒り自体がそもそも湧きにくいという子どももいる。そこが性格の違いである。「そもそもが穏やか」という子どもと「怒りを外に表出しない」という子どもは、見た目が同じでも内面で起きていることは別物である。

例えば列に並んでいたのに自分の前で終了してしまった時、どういう感情が湧くか。「惜しい~。残念だったな~」としか思わない人がいる。一方で「自分は被害者」という怒りの感情がふつふつと湧く人とが存在する。外から見たら、両方同じように黙っているのだが、その違いである。

さて、グラフの他の項目も見てみる。言語や数に対する脳の敏感性も、緩やかに下り傾向とはいえ、高い水準を維持し続ける。幼稚園段階で、言葉や数の概念を形成しておくことの意義は大きいといえる(だからといってごりごり勉強をさせるというのは違う。あくまで自然にそういうものにふれる環境づくりをすることが大切である)。

脳の発達というのは、教育において抗い難いものがある。例えば脳の一部に問題があるというのを無視して何かを教えようとしても、それは逆効果になり得る。科学的データを無視せずに、教育の在り方を根本から考え直していく必要がありそうである。

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なぜ、現場に行きたがらない社長が経営する店は売上が悪いのか

スタッフが真面目に働いているにもかかわらず、なぜか成果が上がらない…、そんな現場が存在するのも事実。何が悪いのか、自分たちでは原因が見出せないような時、意外なほど効くのが外側からの客観的な視点です。今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』では飲食店コンサルタントの中西敏弘さんが、社長が現場に足を運ぶことの意義を、著者ご自身の経験も踏まえて解説しています。

事件は会議室で起きているのではない!現場で起こっている!

昔、あるご支援先で、客単価がどんどん落ち来ていたお店がありました。当初は、3,800円ぐらい取れていたのに、気が付けば、3,000円を切る事態に。

ミーティングで、「なぜ、客単価がこんなに落ちたのだろう?」と皆で喧々諤々と議論をしていたのですが、それまで足が遠のいていたお店に行くと原因がすぐに分かりました

客単価が落ちた原因は、「客層が変化」していたからでした。当初は30代後半ぐらいの方が中心だったこのお店ですが、見に行くと気が付けば、20代前半から中盤の若年層中心に変化していたのです。

その光景を見て、すぐに原因が分かりました。原因は、当時、流行っていた「無料クーポン券」をずっと配布していたからです。このクーポン券を利用する人は、若い人が中心で、行ったことがないお店にクーポンを利用して行く。そして、最低金額ぐらいの注文で帰ってしまう、ということが、そのお店で起こっていたのです。

この日以来、店、現場に行くことの大切さをすごく痛感したのを今でも鮮明に覚えています。

僕はコンサルティング契約をしていただいているご支援先では、基本的に「現場に行く」ことを絶対にしています。なぜなら、上記のような経験をしたということもありますが、やはり、問題はすべて現場にある」と考えているからです。

僕の仕事は基本的には、会議室で理念を作ったり、戦略を考えたり、数字を分析したり、仕組みを作ったりすることがメインになります。でも、「現場」を踏まえて数字の分析をしたり、仕組みを作るのであり、また、毎月の営業計画も「現場の今」を踏まえて、決定するものです。だから、「現場を自分の目で見ないとやはり本当のことは分からないので、「現場」になるべく行くようにしているのです。

しかしながら、社長さんで、自分のお店に行くことをすごく嫌がる人がいます。常連さんに会って、色々と話しかけられたりしたりなど、店にいると色々な声が聞こえるのが嫌なのかよくわかりませんが、「お客様としてお店に行く」ことをとにかく嫌がる人が多いなあって感じています。

でも、今までの経験上、そんな社長さんの会社ほど、売上があまり良くない、停滞していることが多いなあと思います。

特に、規模が小さい時ほど、現場で起こっていることをトップ自らが感じ、小さな問題を発見し、すぐに改善していく、ということを繰り返していかないと会社は成長していかないと僕は考えています。なぜなら、現場スタッフには、また、社長以外のスタッフではまだまだ「現場のお客様の課題・問題点を発見、把握することが難しいからです。

だから、社長が現場に行かない店、会社は、「現場の問題を現場が気づかず、放置していることが多いので、それが売上が上がらない、停滞してしまったいる原因だと最近つくづく感じるようになりました。

「事件は会議室で起こっているのではない!現場で起こっているんだ!」ではありませんが、ぜひ、定期的に店を観ることをお勧めします。

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迷惑じゃなくチャンスを与えてる。人に無理なくものを頼む思考法

「これ、お願いします」というが一言が言えないがために、一人で大変な負担を背負ってしまった経験をお持ちの方、少なくないと思われます。今回の無料メルマガ『東北NO1メンタルトレーナーが送る『自信をはぐくむ、幸せな自分のなり方』』で心理カウンセラーの吉田こうじさんが紹介しているのは、そんな方に送る、人にものを頼めるようになる思考法。まさに「逆転の発想」は目からウロコ、今すぐ使える考え方ですよ。

人に頼ることは「悪」だと思っている残念な考え

企業や自治体で研修をしていると、人にものを頼めないということで、何かとご苦労をされてばかりしている人が結構多いことに気づかされます。あ、「自分が一番優秀で、周りに頼めるような人材がいない」というケースはここでは除きます。

で、どうしてそんなに胃がキリキリするくらい追い込まれているのに、人にものを頼めないのかを聞いてみると、ビックリするほどみな同じような回答なんです。それは何かというと頼んだら相手に迷惑をかけてしまうから…です。なので、とにかく遠慮してしまって、素直に助けて欲しいと言えずに我慢するというか、諦めるというか…。

ちょっと前に「頑張り損・我慢損・真面目損ばかりの辛く苦しい人生が続くのはなぜ?」で、「頑張り損」「我慢損」「真面目損」ばかりの辛く苦しい人生が続く人は、人に尽くすことでしか人と関係性を築けない」という特徴があるということをお話ししましたが、まさに尽くすことの真逆が頼むことですから、そりゃできなくてもしょうがないかなとは思います。

でも、そうやって一人で抱え込んで頑張っているからこそ、これまで「頑張り損」「我慢損」「真面目損」ばかりの辛く苦しい人生が続いてきたわけで…。なので、そろそろ頑張る方向性を180度転換しないと、これからもっと大変な目にあうんじゃないかなって思うんです。

でも、どうしてそこまで迷惑をかけることを恐れてしまうのでしょうか?

それは、迷惑をかけたことで「嫌われる」「能力がないと思われる」「印象が悪くなる」といったことが怖いっていうのもあるし、自分が「助けて」って勇気を出して素直な気持ちを吐露しても、誰も手を差し伸べてくれる相手がいなかったらどうしようという怖れもあるし、今回自分が助けてもらった相手から、今度は助けてって求められるかもしれない…でも、自分には助けられる自信がないし…せっかく恩という「モノ」をもらったのに、自分にはその恩をお返しするようなモノがないし…とまあ、色々なことが頭を駆け巡っているわけです。

と言っている以前の僕自身も、人にものを頼めない人間だったので、こうした気持ちはよくわかるつもりです。ここら辺については先週アップした「自立と依存」の動画「自立しようと頑張っているつもりで、実は依存心を強化しているかもっていう悩ましいお話し」でお話してます。

でも、いくら人に頼まないで、自分の力で真面目に頑張っていても、結局、「頑張り損」「我慢損」「真面目損」ばかりの辛く苦しい人生が続いてしまうので、ある時からそれまでとは全く違う考え方を持つようにしました。

それはどういう考え方かというと、人になにかを頼むということはその人に活躍する場面をプレゼントすることだ!です。言い換えるなら、なんでもかんでも一人で背負いこんでいる時って、周りの人が活躍するチャンスや、ありがとうって感謝されるチャンスを強欲なまでに全て奪っているということです。

こういう考え方を持つようになるまでは、ちょっと時間がかかるかもしれませんが、幸いなことに、人間って習慣の生き物です。なので、行動を繰り返しているうちに自然となれるものです。「頼むこと=迷惑をかけることではなくて、頼むこと=活躍のチャンス、感謝してもらえるチャンスをプレゼントすること。そんなふうな考え方を持ってみるといいかと思いますよ~。

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知識より知恵、理論より行動。小林秀雄が妹に語った、人生の幸福

偉人と呼ばれる人たちが残した文章や意見は、時に私たちに大きな気づきを与えてくれることがあります。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、劇作家・随筆家である高見沢順子さんが兄である評論家・小林秀雄氏から教わったという、「生きていく知恵(wisdom)」の大切さと考え方を紹介しています。

兄・小林秀雄から学んだこと 高見澤潤子(劇作家)

評論家として大きな足跡を残した小林秀雄氏。その妹であり、劇作家として活躍した高見澤潤子さんが、小林秀雄氏から教わったことを『致知』で話してくださったことがあります。

本日は約20年前の『致知』に掲載された貴重な記事をご紹介します。


子どものころから兄・小林秀雄は、私には尊敬すべき存在だった。

私は兄から多くのことを教えられた。しかし、私があんまり知らないことが多すぎて恥ずかしいといったとき、「何ももの知りにならなくてもいい」といってくれて、学者はknowledgeだけあって、wisdomがないから駄目だといったことがある。

人間は生きていくためにはもちろん学問、知識(knowledge)は必要である。しかし、物事をよく判断し、よく処理する心の動き、賢さというようなもの、生きていく知恵wisdomは、それ以上に大切であることを、兄はいうのである。

兄は理論よりも行動を重視した。

何かせずにはいられないという気持ちは、愛情とか尊敬からおこるものである。頭で考えているだけでは、そういう気持ちにはなかなかなれない。愛情をもって対象物を本当に理解しなければ、実行することはできない

知ることは行うことだ、と兄はいっていたし、「実行という行為には、いつでも理論より豊かな何かが含まれている。現実を重んじる人というよりは、現実性を敬う心がある」というようなこともいっていた。

私たちはあまりにも観念的になり、抽象的になり理論的になっている。理屈ばかりいって、実行しない者は多い。現実を大切にしないからである。実行するのは難しいことなのだが、具体的にものをいうよりも、抽象的にいった方が深みがあるように思っているからである。

しかし目の前に現れている現実、具体のほうが大事なのである。私が自分の結婚問題について、手紙で兄に相談したとき、兄は長い返事をくれた。その中にこういう言葉があった。

「人間が人間の真のよさだとか悪さだとかわかる迄には大変な苦労が要るものだ。

人間を眺める時、その人間の頭にある思想を決して見てはならぬ。それは思想だ。人間じゃない。その中によさも悪さもあるものでない。

大体、アリストテレスの言ったように、人生の目的は決してある独立した観念の裡(うち)にはないものだ。

人間の幸不幸を定める生活様式の裡にあるのである、いい生活様式を得れば人間はそれでいい

兄は何も知らない私に人間の見方と、人生の幸福というものを教えてくれた。

人間は頭より情緒、心の優しさが大切で、人間をみるというのは、実生活の具体的なものを、しっかりみることである。

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教育委員会が直接目撃。校長自らいじめ不登校問題を握りつぶす姿

いじめによる不登校を裏付ける診断書を握り潰そうとした校長や、いじめ被害生徒が訴えた暴行内容を意図的に公文書に虚偽記載した警察署…。本来、生徒や市民を救うべき公的機関が、隠蔽工作を働く事例が後を絶ちません。なぜこのようなことが平然とまかり通ってしまうのでしょうか。今回の無料メルマガ『いじめから子どもを守ろう!ネットワーク』では、いじめ事実の組織的隠蔽に関する2つの事例を紹介、その呆れた実態を批判しています。

学校に付き添いました

先日、いじめの相談者と学校を訪れました。その子は、6月から不登校になっていて、もう既に11月の末。保護者からは、「転校を認めて欲しい」と学校、教育委員会に何度も申し出ていたのですが、そのたびに「転校の前例がないので認められない。お子さんがどうしたら学校に来られるようになるか、学校と話して欲しい」との回答でした。どうしようもなくなって、こちらにご相談いただきました。

教育委員会は、学校との話し合いに立ち会うつもりもありませんでしたので、お母さんと相談し、私たちの方から教育委員会に直接電話をし、「もう既に重大事態である診断書も出ている放置しているのは学校と教育委員会ではありませんか」。

結局、当日は、学校、教育委員会、保護者、そして私をいれての話し合いを開催することができました。保護者としては「転校を認めて欲しい」ということなのですが、相変わらず学校は「前回、ご質問いただいたいじめの原因と学校の対処について説明します」との言葉で始まりました。このことは保護者から見れば、学校から何度も聞かされていた話の繰り返しでしかありません。

保護者と私からは、「電話でも話しているように、30日以上休んでいるし、医師の診断もある。重大事態だとわかっていますか」「首長への報告義務もありますし、第三者による調査委員会も開かれて当然の案件である」「本人は、今の学校は怖い、行ったらいじめられると登校を拒否している」「本人の心身の症状は改善されていない」「文科省からの通知は、いじめによる転校には対応すべきであること」「重大事態は、保護者からの訴えがあれば疑いの段階でも、重大事態として扱うこととなっていることはご存じですよね」「したがって、早急に転校を認めて欲しい」との申し出をすると伴に、回答の期限を決め、連絡をするように要請いたしました。

話し合いの結果、保護者の要望である「転校が認められる方向で進んだのですが、その中で、お母さんが「診断書、何通もだしましたよね」と話したところ、校長は「私は受け取っておりませんし、見てもおりません」とのたまわったのです。驚きました。さらに教頭も「記憶にありませんが」と話し始めました。お母さんは、担任、教頭に手渡しをし、この話し合いの前には教育委員会にも送っていたのにもかかわらずです。このことを指摘された後、校長も教頭も、まったく黙ってしまいました。ここまでくると意図的な隠蔽」そのものです。ここまで隠蔽する学校が、いまだにあることが残念です。

塾も無ェ、書店も無ェ、だけど学力日本一の小さな村の秘密とは?

文科省実施の全国学力テストでトップクラスを走っている、秋田県で2番目に小さな村に、国内外から視察者が殺到しています。一体何が、塾も書店もないこの村の子どもたちの学力を支えているのでしょうか。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、東成瀬村教育長のインタビューを通してその秘密に迫っています。

学力日本一。秋田県・東成瀬村の秘密

文部科学省が平成19年から実施している全国学力テストで、開始以来トップクラスの成績を収め続けている秋田県。

中でも人口僅か2,500人余りの東成瀬村の成績が特に高いといわれています。

民間の塾がない豪雪地帯で、特別な教材を用いずにいかに子供たちのやる気を引き出してきたのか。その独立独歩の歩みを東成瀬村教育長の鶴飼孝氏に伺いました。


―秋田県の東南端に位置する東成瀬村は、“学力日本一の村”として注目を浴びていますね。

ありがとうございます。文部科学省が実施している全国学力テストにおいて、秋田県は13年間連続でトップクラスの成績を収めています。

市町村ごとの成績は公表されていないものの、2007年に当時の秋田県知事が「東成瀬中が秋田県で一番。小学校もいい」と言及したことで、一躍有名になりました。おかげで毎年、国内外から600名近い視察者が訪れているんです。

―海外からも来られるのですか。

韓国は毎年、それ以外にアジアや南アメリカ、アフリカなど様々な国から訪ねてこられます。

「山間部にあり、最先端の技術を導入しているわけでない東成瀬村が成功できた要因こそを知りたい」
「自国で活用したい」

と、実際に教育現場に立たれる先生方が足を運んでくださるのです。

そもそも東成瀬村は秋田県内で2番目に小さな村で、人口は2,500人余り。村にはスーパーも民間の塾も書店もありません。面積の約93%が山林原野で覆われており、特別豪雪地帯に指定され積雪量は2メートルにもなります。

こう見ると大都市と比べてマイナス面が多く感じられるかもしれませんが、この村にしかない長所もたくさんあります。

まず特徴的なのが、三世代同居率が7割を超えていること。そして年に6回ある小学校の授業参観の参加率が120%に達していることです。

一般的に20%もあればよいといわれる中、なぜ100%以上の数字になるのかといえば、祖父母世代が孫の姿を見に来るから。

学校支援ボランティアの登録者は200名以上いて、防犯対策や環境整備などを手伝ってくれています。

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精神科医がマリオカートを走破して判った任天堂からのメッセージ

誰かの背中を追いかけているうちは勢いもあるし気持ちもノリノリなのに、先頭に立ってみると意外な程に切ない…。そんな経験、お持ちではないでしょうか。今回の無料メルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』では著者で現役精神科医のゆうきゆう先生が、ゲーム「マリオカート8デラックス」をプレイしているうちに気付いてしまった、「切ない人生訓」を紹介しています。

マリオカートに秘められた1位の切なさ

こんにちは。ゆうきゆうです。

最近、ニンテンドースイッチの「マリオカート8デラックス」というゲームをよくプレイしています。

実は、今までマリオカートのシリーズで遊んだことがこれまでありませんでした。3D系のゲームは酔ってしまうので、控えていたのです。特に以前、新宿にあるバーチャルパークではじめてマリオカートをプレイしたときは、開始10秒で「あぁこれダメなヤツだ」と悟り、ひたらすらグロッキー状態で耐えていて、半日は人として使い物にならなかったのを思い出します。そんなひどい記憶を乗り越えつつプレイしてみると、意外に酔わず、また面白かったので、かなりの時間プレイしました。

そしてほぼ全ステージにおいて一等、二等などを得ることができたので、まぁ、うん。ほぼクリアと言っていい状態までやり遂げることができました。

しかし。

このゲーム、どうしても許せない共産主義みたいなシステムがあるのです。それこそが、アイテムボックスです。

アイテムボックスというシステム

レースゲームですから当然ですけども、このゲームでは順位が決まります。そしてプレイヤーに最後まで楽しんでもらうためだとは思うのですが、このゲーム、1位は不利になり、下位が有利になるようなアイテムが豊富なのです。しかもこのアイテム、ランダムなはずなのに、結構、意図的な出方をします。

例えば、1位のプレイヤーがアイテムを2コ取るときは、たいてい「コインバナナ」が出てきます。例えばコインは、「ちょっと速度をアップする」程度の、究極に地味なアイテムです。そもそもその辺の路上にも落ちているので、あまりありがたみのないアイテムです。わざわざ取ったのに切ない気持ちになります。

続いて「バナナ」です。こちらは前に投げるか後ろに落とすかして、それを踏んだプレイヤーをすべらせ、妨害できるアイテムです。しかし、前に投げて相手にぶち当てるのはなかなか至難の業です。それに1位だったら、前に投げる必要もありません。だから後ろに投げるしかないのですが、後ろの相手に当てるのも難しいです。というか、ある程度慣れているプレイヤーはバナナなんて回避できて当然という感じです。

つまり、1位がゲットするアイテムは、たいして意味のないものばかりなのです。「お前、もう1位だからそれ以上リードしなくていいだろ」という無言の圧力なのでしょうか。「これ以上良い目はみせないぞ」みたいな。切なすぎです。

そして、ある程度下位になってくると「カメの甲羅」が出てきます。カメの甲羅は緑と赤の2種類があります。緑は直線的に飛ぶので扱いづらいですが、赤は無条件で相手を追いかけます。すなわち2位や3位が赤の甲羅を投げれば、必ず1位は止められてしまうのです。しかも、ほぼ回避の方法がありません。いわば「強制下克上」です。

いずれにしても、1位は追い落とされることが確定しているのです。

また、「キノコ」というアイテムもあります。カートを加速させてくれる、当たりのアイテムです。でも1位がアイテムボックスからゲットできる可能性は非常に低く、2位以下になるにつれ出てくる確率が上がります。やっぱり1位だけ不利です。

そして極めつけは、青い「トゲ甲羅」。これは下位のプレーヤーが投げれば、必ず1位に当たるという、まるで共産主義のかたまりみたいなアイテムです。これをゲットできるのは、本当にビリ近くの順位のプレーヤーのみです。しかしこれ、果たしてそのプレイヤーにとっても、トクなのでしょうか?1位が止まれば、2、3、4位当たりの人たちは抜かして喜ぶことができますが、9位や10位の人たちは結局追いつけず、彼らの順位は結局変わりません。

すなわちもう「全員で1位を攻撃するという図式で、かなり切ない状況です。心理学では全員が共通の敵を作り、いじめる心理を「黒い羊効果」と言いますが、まさにその体現みたいな状況でした。

いえ、楽しいんですよ!?でも何と言うか、切ない理不尽さというか。

アフガンで中村哲医師が銃撃され死亡。各紙はどう報じたのか?

12月4日、アフガニスタン東部で武装勢力の凶弾に倒れた中村哲医師。アフガニスタンの干ばつ対策や医療支援にすべてを捧げた中村医師の銃撃死亡事件を各紙が大きく報じました。ジャーナリストの内田誠さんは、自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で、各紙の定番コラムなどによる、中村医師の人となりが現れた印象的な逸話を紹介しています。

中村哲医師の銃撃死亡事件を各紙はどう報じたか?

ラインナップ

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…「中村哲医師 銃撃され死亡」
《読売》…「文章作れぬ若者」
《毎日》…「中村医師 銃撃され死亡」
《東京》…「中村哲医師 撃たれ死亡」

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「不審車から男 何度も銃撃」
《読売》…「NATO 隠せぬ亀裂」
《毎日》…「日米貿易協定 承認」
《東京》…「日本車と車部品 追加協議延期も」

プロフィール

亡くなった中村哲さんを偲んで、各紙の定番コラムが印象的な逸話を紹介しています。《東京》の「筆洗」だけは別ネタですので、特集記事の中から探します。

■信念の人■《朝日》
■支援に全力■《読売》
■シロップ一さじの治療■《毎日》
■とにかく生きていてくれ!■《東京》

信念の人

【朝日】の「天声人語」は、虫取りに明け暮れ、ファーブル昆虫記を読みふけった中村少年が長じて医師となり、そして5年目、ヒンドゥークシ山脈に向かったのは希少種の美しいアゲハチョウが見られるという期待からだったという。

そして、アフガンでの支援。干ばつの猛威を目の当たりにした中村さんは「飢えや渇きは薬では治せない」と、井戸を掘り、用水路を通す事業に入っていく。持論は「100の診療所よりも1本の用水路」。

911のあと、国会に参考人として出席した中村さんは、自衛隊のアフガン派遣を「有害無益」と言い切っている。

人語子は「これほど強固な信念を持ち、遠い国に尽くした医師をほかに知らない」と書いている。

支援に全力

【読売】の「編集手帳」は、意外な逸話から。辛口で知られる劇作家・井上ひさしさんが「ペシャワール会」の会計報告を見て、寄付の96.6%を現地で使っていたことに驚き、賛辞を惜しまなかったという。経費を極限まで抑えて、支援に全力を注いでいる姿に、井上さんは「こんなに偉い人がいたのか」と随筆に書いたという。

そして中村さんが凶弾に倒れたアフガン東部とは、まさしく中村さんたちが灌漑に成功し、「緑地に65万人が生活をきずく場所だという」。そのような場所で殺害されたことに、手帳子は「なぜだ」と疑念を投げかけている。