だからトヨタは世界で負ける。危機的状況をまったく理解していない致命的な企業体質

世界的なEV化の波に完全に乗り遅れた感があるものの、猛追する姿勢を見せ始めたトヨタ自動車。しかしもはや彼らに「勝ち」はないようです。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、Windows95を設計した日本人として知られる世界的エンジニアの中島聡さんが、トヨタを取り巻く現状を解説しつつ、同社の「負け」を決定づける4つの理由を列挙。さらにそんな危機的状況を正しく認識している経営陣がいないという事態に対しては、致命的以外の何物でもないとの見方を示しています。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

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日本のトヨタ自動車が世界で負ける理由

先日、ハワイに暮らす知り合いと、彼らを日本から訪ねてきた妹さんを含めて食事をしたのですが、彼女が、突如「トヨタ自動車は大丈夫か?」という話題を振ってくるので、少々戸惑いました。確かに私が得意な話題ではありますが、その場で簡潔に回答できる話でもないし、食事の場で、その手の話題を延々としては食事が美味しくなくなると感じたからです。

とは言え、私の得意なトピックでもあるし、このメルマガでも時々触れる話でもあるので、一度考えをまとめる上で、包括的に書いてみるのも良いと思いました。

トヨタ自動車の強みを列挙すると、

  • 他社を圧倒する品質の高さ
  • ハイブリッドを活用した「低燃費でクリーン」な自動車
  • 米国におけるマーケットシェア
  • 米国工場
  • 健全なバランスシートとキャッシュフロー(豊富な資金力)
  • ブランド力
  • カンバン方式
  • 高い製造技術
  • デンソーを筆頭にしたパートナー企業群
  • 強力な販売網(ディーラー・ネットワーク)

となります。EVシフトなどが起こらず、今のままのマーケットが続くのであれば、ピックアップトラックでしか利益を上げることができない米国勢(GM、Ford)、ディーゼル車の不正事件でブランド力が大きく傷ついたドイツ勢(VW、BMW、Audi)と比べてトヨタ自動車は「圧倒的な力」を持つとさえ言える状況でした。ハイブリッドの次の世代のエンジンとして水素エンジンの開発も進めており、トヨタ自動車の戦略は盤石のように見えました。

この状況を大きく変えてしまったのが、Teslaが起こした、急激な「EVシフト」なのです。Tesla以前にも、電気自動車を発売した企業はありますが、どれもコストが高すぎる、航続距離が短い、などの理由で失敗に終わりました。1996年に発売された、GMのEV1が良い例です。トヨタ自動車も、一度はTeslaと提携して電気自動車を発売しましたが、同じく早々に撤退してしまいました。

そんな中で、なぜTeslaだけがEVビジネスを立ち上げることに成功してしまったのかに関しては、いろいろな見方がありますが、一言で言えば、Elon Muskの「からなずEVシフトを起こす」という強烈なビジョンとリーダーシップに尽きると言えます。

Teslaの成功により、業界関係者が「来るはずがない」もしくは「来るとしても随分先のこと」と考えていた「EVシフト」が、突如、現実のものになってしまい、トヨタ自動車をはじめとする既存の自動車メーカーは、「足元をすくわれる」状態になってしまったのです。

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自民党こそが「平和ボケ」岸田政権では有事の対応などできぬ“証拠”

今国会での激しい論戦が予想される、防衛費増税を巡る議論。政府は今月3日に「防衛力財源確保特措法案」を閣議決定し国会に提出するなど、前のめりの姿勢を崩そうとしません。このような動きに大きな疑問を投げかけるのは、毎日新聞で政治部副部長などを務めた経験を持つジャーナリストの尾中 香尚里さん。尾中さんは今回の記事中、自民党政権に「有事への対応能力」などないとしてそう判断せざるを得ない理由を詳述するとともに、岸田政権に対して抱いている「恐れ」を具体的に記しています。

プロフィール:尾中 香尚里(おなか・かおり)
ジャーナリスト。1965年、福岡県生まれ。1988年毎日新聞に入社し、政治部で主に野党や国会を中心に取材。政治部副部長、川崎支局長、オピニオングループ編集委員などを経て、2019年9月に退社。新著「安倍晋三と菅直人 非常事態のリーダーシップ」(集英社新書)、共著に「枝野幸男の真価」(毎日新聞出版)。

【関連】荒井首相秘書官「見るのも嫌だ」オフレコLGBTQ差別発言は、岸田首相の代弁か?

防衛費増額とコロナ禍

通常国会が1月23日に召集された。昨年の臨時国会から引き続き、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題が大きな焦点となることは疑いもないが、今国会ではさらに、政府が新型コロナウイルス感染症を季節性インフルエンザと同等の扱いにする(感染症法上の「5類」への移行)問題、そして「敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有」をはじめとする防衛政策の大転換が、論戦の大きな焦点に浮上しそうだ。

コロナ禍と防衛政策。一見全く関係ない問題のように見える。コロナ禍は医療問題の専門家が、防衛政策は安全保障や憲法の専門家が「その道のプロ」として議論している。

それはそれで大事だが、どうも筆者は両者の「共通項」が気に掛かる。なぜなら、コロナ禍も安全保障上の危機も、ともに「日本の非常事態にどう対処するか」という点では、同じ枠組みで語れる話だと思うからだ。

結論から先に言いたい。「コロナ禍でまともな対応ができなかった歴代自民党政権が、防衛政策などまともに取り組めるはずがない」と。

岸田文雄首相は23日の施政方針演説で、防衛力の「抜本的強化」について「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、いざという時に国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行った上で、十分な守りを再構築していく」と語った。ロシアによるウクライナ侵攻というあり得ない事態が起きている状況で、安全保障環境の変化に対する国民の不安に政治が一定程度寄り添う必要性を、筆者も全否定するつもりはない。

問題はこの政権に「国民の命を守り抜く」覚悟が、全く感じられないことだ。

他国からの軍事攻撃は確かに非常事態だが、現時点でその切迫感は薄い。それ以上に国民にとってはるかに分かりやすい直近の非常事態がコロナ禍だ。そしてその時に歴代の自民党政権が「国民の命を守り抜く」姿勢で臨んだとは、筆者にはとても思えない。

例えばコロナ禍初期の安倍政権の対応だ。安倍晋三首相(当時)は、法的根拠を伴う緊急事態宣言の発令を、国内で初めて感染者が発見されてから、3カ月近くも渋り続けた。緊急事態宣言に基づき政府が飲食店などへの営業自粛などを要請した際、その結果生じる損害に対し補償を求められるのを嫌がったのだ。実際に安倍氏は「民間事業者や個人の個別の損失を直接補償することは現実的ではない」と国会で答弁している。

「国民の命を守り抜く」姿勢を見せなかった安倍氏。その結果、多くの飲食店が壊滅的な打撃を被り、一方で感染拡大を防ぐこともできなかった。

現役医師が解説。夜間のfreestyleリブレ「低血糖」は測定誤差なのか?

指先穿刺の必要がなく、上腕に貼り付けた500円玉大のセンサーで24時間いつでも血糖値の測定が可能という、画期的なブドウ糖測定装置「freestyleリブレ」。そんな便利な装置ですが、使用するにあたって理解しておくべき「特性」もあるようです。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、糖尿病専門医で糖質制限の提唱者としても知られる江部康二先生が、読者から届いた質問に答える形で、睡眠時や空腹時のfreestyleリブレで表示される「低血糖」の扱いについて解説しています。

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持続ブドウ糖測定装置(freestyleリブレ)と測定誤差

Question

shitumon

43歳女性・糖尿病ではありません。

5か月前に低血糖症状のようなものがあったため、5時間OGTT検査をしたところ、反応性低血糖症と言われました。

そこで糖質制限を始め、血糖値測定器(freestyleリブレ)を4週間装着し、血糖値の乱高下はほぼ見られなくなりました(ブドウを食べた時には高値でした)。

しかし測定器によると、睡眠中はほぼずっと低血糖となっています(空腹時間が長いと日中も低血糖症になります)。

日中の乱高下もなく、糖質制限していても夜間低血糖になるのでしょうか?

またなぜ起こるのでしょう?

江部先生からの回答

まずは、糖質制限食実践で、反応性低血糖の症状が改善して良かったです。

しかしながら、空腹時や夜間睡眠中にリブレのデータでは低血糖になってしまうということです。

高雄病院では、糖尿病入院患者さんにfreestyleリブレProを装着して持続ブドウ糖測定を実施しており、既に140人以上の実績があります。

freestyleリブレProは、freestyleリブレよりは、精度が高く誤差も少ないと思います。

それでも誤差は生じます。

特に、夜間睡眠時の低血糖を示す患者さんにおいて、どうやら低く出すぎている印象があります。

例えば、ある入院患者さんは、スーパー糖質制限食実践で速やかに血糖値コントロール良好となりました。

そして、freestyleリブレProで睡眠時は50-60mg/dl程度で、夕方6時前の空腹時血糖値も60mg/dl程度となりました。

それで、睡眠時のSMBGは困難なので、夕方6時前にSMBGを実施してみました。

そうすると、CGMでは60mg/dl、SMBGでは100mg/dlくらいの差がありました。

つまり、freestyleリブレProでは低血糖のデータであっても、この患者さんにおいては、40mg/dlくらい低くでる誤差があったということとなります。

勿論、個人差があると思いますが、リブレで低血糖レベルの50-60mg/dlといった数値が出る場合は、SMBGのデータより30-40mg/dlくらい低く出ているように思われます。

従いまして、この方の場合も、睡眠時や空腹時のfreestyleリブレで表示される低血糖は、本当のデータより、30-40mgくらい低く出ていると思われるので、実際には低血糖ではないと思います。

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実にくだらない。プーチンが3月末までの「ドンバス占領」を命じた理由

ウクライナ東部において、すでに大攻勢に出たとの見方もあるロシア軍。プーチン大統領は3月末までのドンバス地方完全掌握を命じたと伝えられていますが、その裏にはどのような事情があるのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』ではジャーナリストの内田誠さんが、プーチン氏の思惑を推測し解説。その上で、「実にくだらないもの」と斬って捨てています。

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終盤に入ったウクライナ戦争で何がどのように起きているのか?:「デモくらジオ」(2月10日)から

冒頭でちょっとだけお話申し上げたいのは、先週の頭でお話しすることが出来なかったウクライナの話なんです。ウクライナに関しては、今年1年の中で非常に歴史的に大きな出来事になるだろう、去年からですけれどね。特に今、この戦争がその終盤に入ってきているのではないのか、まあ、そう願いたいところでもあるわけですが、そのような状況の中で何がどのように起きているのかについて、簡単に「こうではないのかな」という風に私が思うところを述べてみたいと思います。

まず、この間、ロシア軍がミサイルなどを多用して、ウクライナのインフラ施設、電気・水道・ガス、そういうものを破壊してウクライナ市民・国民の生活を破壊するために軍事力を行使するという、大変卑怯なやりかたをしてきた、卑怯かつ国際法に明らかに反する、国連憲章にも勿論反するだろうと思いますけれど。そういう試みを繰り返してきた。

そのために直接殺された市民も大勢いましたし、寒さの中で苦しみを味わわされた人も、何百万人とおられたわけですよ。その攻撃によってウクライナ市民の戦意を喪失させよう、あるいはウクライナ軍を圧倒して打ち破ろうという目論見は、まあ、失敗したということだと思いますね。世界中、いや、日本を含む大変多くの国からの支援。破壊されたインフラ施設を使えるようにするための、人々が臨時に暖をとるための様々な工夫、デバイス、そういうものの助けを得てウクライナのインフラを受け持っている人たち、組織がフル稼働して、必死に、攻撃されても攻撃されてもそれを直し続けたということがありますね。

で、その状況のなかでも東部の戦線ではロシア軍の攻勢がある。一部で非常に無謀な人海戦術まで行われていて、囚人兵あるいは部分的に動員された新兵、そのような人たちを大砲の援護もなく、ただウクライナ陣地に向かって叫びながら突進させるという…。それでは、ただ死にに行くようなものですが、それでもその戦術によって、ウクライナ側の防御態勢を見定めて、後ろから正規軍がそこを攻撃するという、およそ近代戦では考えられないような、なんとも泥臭いといえばむしろ軽く言い過ぎですが、実に血なまぐさい戦い方をしている。少しでもウクライナ軍の力を削ぐことに大勢の人を犠牲にしながらやってきた。今、そこにロシア正規軍とか、かなり軍隊らしい軍隊、精鋭の部隊を送り込むようなことにもなってきていると。

どうも、新しくゲラシモフさん、参謀総長が総司令官になったことによって、ハッキリとした目的が見えてきたといいますか。ゲラシモフさんというのは戦略家、戦術理論というのか、戦争の理論家として有名な方のようですが、プーチンさんから3月末までにドンバス地方を完全占領せよとの命令を受け、その目的に従って、その目的の範囲で合理的なことをひたすら行おうとしているように見える。これは、これまでの司令官たちとは全然違っていて、ある種の凄みを感じるわけですが、そういう形で戦線を打開しようとしているようです。

もう一つあるのは、3月末までというのはプーチンさんの時計での話ですが、ウクライナに対する西側諸国の支援、この間、戦車の供与、特にドイツ製の戦車の供与を巡ってのゴタゴタ、あるいはアメリカのF16戦闘爆撃機の供与を巡る鞘当てと言いますか、すったもんだがあったわけですが、戦車に関してはかなりの数のものがウクライナに供与されることになりました。しかしその時期の問題からいうと、3月末以降になるだろうと。あるいはアメリカ軍、アメリカが供与を決めたハイマースの弾となる新しい爆弾ですが、射程が150キロにも及ぶ。今までのものは70キロから80キロでしたから、射程を2倍にするような弾を大量に供給するということが決まっている。

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ホンマでっか池田教授が考える「共食い」が発生する条件と合理性

人間社会にあってはタブー中のタブーとも言える「共食い」ですが、広く生物界を見渡せば、ある種においては当たり前に起きている現象です。44年前に「共食い」に関する論文を書いたことがあると語るのは、CX系「ホンマでっか!?TV」でもおなじみの池田清彦教授。今回のメルマガ『池田清彦のやせ我慢日記』で池田教授は、自身の論文を振り返りながら、共食いが起こるいくつかのケースを上げ、効率的な共食いと言えるのはどんな条件の場合か述べています。

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共食いの生態学について

少し前の「生物学もの知り帖」で自分の体を子に食べさせるクモの、究極の子育ての話をしたが(第178回)、これは一種の共食いである。自分と同種の個体を食べる共食いは、人間社会では殺人以上のタブーで、最もおぞましい行為とされることもあって、動物生態学の分野でも、余り脚光を浴びることはなかった。しかし、動物社会を広く見渡すと、それほど稀な現象ではないことが分かり、その重要さが見直されてきた。

私は山梨大学に就職したばかりの頃、「動物個体群とくに共食い個体群におけるエサのムダ食い」と題する論文を書いたことがある。1979年のことだから、44年も前のことだ。野生生物の個体にとって、もっとも重要なことは、繁殖して次世代を残すことである。親になれずに死んでしまった個体の摂食量は、繁殖の役に立たなかったという点ではムダ食いである。

エサが少ない個体群では、ムダ食いを少なくすることが、種の存続のためには極めて重要である。共食いをしないで、安定的な個体群を維持できればそれに越したことはないが、エサが足りなくなって、餓死する個体が出てくるような場合は、共食いによって、生き延びるのは重要な戦略になる。共食いされて死んだ個体の摂食量は、全部がムダ食いになるわけではないからだ。

たとえば、カマキリの卵嚢をケージに入れておくと、暫くすると沢山のカマキリが孵化してくる。適当にエサを与えておくと、徐々に大きくなっていくが、数がだんだん減ってくる。カマキリは同種の個体もエサと看做すため、かなりの個体は食われてしまったのである。

エサが豊富な時は共食いをせずに、エサが不足した時だけ、共食いをすればいいように思うけれども、カマキリにはそのような戦略はインプットされていないようで、動くものは何であれ食べるというやり方で、生き延びてきたのだ。

一方、特別な状況の時に限って共食いをする動物もいる。例えば、ヒョウやライオンなどは、弱って生育の見込みのない自分の子を食べてしまうことがある。これは、資源を無駄にしないという観点からは合理的な行動であるが、常に行われるわけではない。

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まずリサイクルより生産量を減らせ。SDGsなファッションを真面目に考えた結果

持続可能でよりよい世界を目指す国連の指標「SDGs」。さまざまな企業がその取り組みについて発表していますが、ファッション業界ではどのようなことができるのでしょうか。今回のメルマガ『j-fashion journal』では、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、 真面目にSDGsなファッションを提案しています。

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真面目にSDGsなファッションを考えてみよう

1.安売り商法はサスティナブルではない

地球上の資源は限られています。例えば、綿花です。通常、綿花栽培には大量の化学肥料、農薬等が使われます。これが蓄積されると土壌汚染につながります。

例えば、高いシャツでも安いシャツでも、使われる綿花の量は変わりません。低価格のシャツを大量生産し、大量販売することは綿花を大量に使うということです。また、大量廃棄ということになれば、完全に資源の無駄遣いです。

同じ資源の量で効果的な経済活動をするには商品の単価を上げることです。我々は、安い商品を消費者に供給することは正しいことだと思っています。しかし、資源を大量に使う廉価販売はサスティナブルではない、ということです。

安い商品を生産するために、人件費の低い海外生産を行っていますが、遠隔地から安い単価の商品を大量に輸入することは、エネルギーを大量に消費します。これまではエネルギーが安かったので、物流コストより生産コストを追求してきましたが、エネルギー価格が上がれば、消費地に近い場所で生産した方が良いということです。単価が上がっても、むしろ消費する数量が減れば、それだけでも資源の消費が減り、サスティナブルになります。

バーゲンセールもサスティナブルではありません。バーゲンを行うということは、商品を作り過ぎているということです。大量に作るからシーズン末に大量の在庫が発生します。プロパー価格で売れる量だけ生産すれば、資源を無駄遣いすることもありません。

そう考えると、売り逃しを防ぐという名目で、シーズン末まで店頭在庫の欠品を許さないという百貨店や量販店の商法もサスティナブルではありません。それがバーゲンにつながり、資源の無駄遣いにつながります。

更に言うならば、委託仕入れという仕組みもサスティナブルではありません。委託仕入れは返品可能です、店頭の商品を次々と返品して、新しい商品を展開するという百貨店商法そのものが資源の無駄遣いを奨励しています。

小売店が自社の利益の最大化を考え、原料や生産者のことを考えないことも、サスティナブルではないということです。

タオル業界で面白い話を聞きました。ホテル仕様の重くて大きなバスタオルはサスティナブルではない、というのです。綿花を大量に使用するし、洗濯でも洗剤や水を大量に消費します。電気の使用量も増えます。

一方、日本の浴用タオルは小さくて薄く直ぐに乾きます。欧米ではタオルはドライタオルです。乾いた状態で水分を吸収するために使われます。日本の浴用タオルはウェットタオルです。濡らして石鹸を付けて身体を洗います。そして、浴場を出る時に、硬く絞って体の水分を拭います。日本の浴用タオルは実にサスティナブルなのです。

サスティナブルな商品を考える時に、日本の伝統的な暮らし方が大きなヒントになるのかもしれません。

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幸福度が高い東南アジアの人々は、生きにくそうな日本人と何が違うのか?

NHK「クローズアップ現代」で若者の海外『出稼ぎ』に関する特集が組まれ、大きな話題となっています。今回のメルマガ『東南アジアここだけのお話【まぐまぐ版】』では、マレーシアに11年以上滞在する文筆家で編集者の、のもときょうこさんが、マレーシア人と日本人を比較し「生きやすさ」というものについて語っています。

※本記事は有料メルマガ『東南アジアここだけのお話【まぐまぐ版】』2023年2月9日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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クローズアップ現代の移住特集。果たして「生きやすさ」ってなんなんだろうか

若者が海外に出ていく話をクローズアップ現代が特集し、話題です。

日本人が海外で出稼ぎ!? 若者たちが海外を目指す背景にあるもの

どこに住むかで収入が変わる時代

世界経済がグローバル化し、世界の工場になる国、世界の頭脳が集まる国、貿易のハブとして生きる国、みたいに国による役割分担がある時代です。

さしづめ、マレーシアから見ると、今の日本は「漫画文化と観光の国」でしょうか。

そんな時代には、実は「どこに住むか」が重要になります(そこに目をつけたのがFireの「地理的アービトラージ」の人だったりします)。

本放送を私は見ていないのですが、以下の動画(切り抜き)で印象に残ったのは、話している人たちの笑顔です。

この特集はお金にスポットライトを当てているけど、実は、お金だけの問題でもないのかなーと。

新事業作りで失敗ばかりの「暴走社長」をサポートする“5つのステップ”

意欲ある2代目社長が、次々に新事業を企画しては失敗して、社員たちの信頼を失っている。そんな社長のそばで悩む経営企画室長の相談に答えるのは、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さん。今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』では、社長1人に任せずに、成功する新事業を創り出すには、どんなステップを踏むべきか具体的にアドバイスしています。

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社長が新事業を作り出すことにあせっており暴走気味です。どうしたらいいでしょうか?

Question

shitumon

中堅機械メーカーの経営企画室長をしています。売上は数百億円のレベルです。社長が新事業を作り出すことにあせっており、次々に新しいものに手を出しては失敗して社内では総すかん気味です。2代目社長で10年前に代替わりしたのですが、最初から信頼が薄い感じです。本人はやる気があって頑張っているので、何とかしてあげたいのですが。

赤羽さんからの回答

ご相談どうもありがとうございます。ちょっともったいない状況ですね。社長のアプローチが悪いのか、あるいは社員の理解不足なのかわかりませんが、会社全体としては、せっかくの努力が実を結ばず、早い段階での立て直しが必要かと思います。

社長に助言できる状態なら次のようにアプローチされるのがお勧めです。直接助言できない場合は、取締役などを巻き込んで進めてください。

1.新事業はねらって当たるものではないので、2~3事業並行して取り組みます。新事業創出支援チームを作り、社内でもっともできる部長をリーダーとしてメンバー2名、計3名が今後の新事業創出支援をしていきます。

2.新事業は、事業可能性が大きい分野で、その事業をぜひやりたいという強い意思を持った人材がいる場合に、挑戦する価値があります。お勧めは、会社の事業ビジョン、基本戦略方針に基づき、「こういった分野での新事業を立ち上げます。本気で取り組みたい新事業推進リーダーを募集します。上司には相談せず、社長と事務局だけが見るメールアドレスに応募してください。新事業リーダーはメンバーとして必要な人材2名を社内から指名できます」ということで社内で手を挙げてもらいます。

3.秘密厳守で、審査を進め、2~3名の新事業推進リーダーを選びます。そこで初めて全社に発表し、後は6ヶ月、ビジネスプラン作成とMVP(実証ミニプロダクト)開発を進めてもらいます。鍵はやる気のある人材に提案させ、その中から選抜して、新事業推進リーダーに抜擢することです。また、そのリーダーが同志として全力投球できる優秀人材を2名指名できることです。これはこれまでの社長主導での思いつきで進めるアプローチとは真逆です。

4.6ヶ月という短い期間での検討、実証実験をへて、6ヶ月後には事業化提案をしてもらいます。可能性が大きければ事業化を進め、可能性が小さければそこでプロジェクトを解消すれば、会社としての費用は小さくすみ、スピードは圧倒的に早まります。6ヶ月ごとに2~3事業を並行して進めれば、1つはまともな事業が立ち上がります。

5.新事業創出支援チームはこのプロセスすべてを全面的に支援します。

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人口の数は関係ない。なぜ徳島県海部町は日本一自殺が少ないのか?

昨今、日本では高齢者の自殺が増えている一方で、日本一自殺が少ないことで話題となっている街があります。今回、メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者で一級建築士及びマンション管理士の廣田信子さんは、そのコミュニティの「秘密」を解き明かしています。

日本一自殺が少ない町「海部町」のコミュニティ

こんにちは!廣田信子です。

2013年11月に発表したマンションコミュニティ研究会の本、『これからのマンションコミュニティはこの一冊から「集まって住むってステキ!」』の中で、私は、目指す都市型コミュニティの形ということで、日本一自殺が少ない町、徳島県「海部町」のコミュニティを紹介しました(「海部町」は、今は市町村合併で「海陽町」の中にあります)。

岡檀(おか・まゆみ)さんの研究論文を読んで感動した話です。

今でも鮮明に覚えていて、マンションのコミュニティを考える場合の私の原点です。

10年が経過し、地元の自治体で、岡檀さんの講演があると言うので、聞きにいきました。

慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 特任准教授、一橋大学 経済研究所客員教授になっていらっしゃいました。

変わらないお話に心魅かれました。

久しぶりに、「海部町」のコミュニティを紹介したいと思いました。

自殺率は、コミュニティの性質と深い関係があるといいます。

一見、人間関係が濃い地方の方が、自殺率が低いと思われますが、実は、そうではないのです。

海部町には、「病、市に出せ」という格言が伝わっています。

悩みは、一人で抱え込まないで、周りの人に開示して助けを求めよというものです。

それが、回りまわってみんなのためになると自然に思われているのです。

ですから、海部町では、「がん」になっても、「うつ」になっても周りに隠しません。

みんなで悩みを共有してサポートするのです。

でも、これは意外に難しいことです。

近い関係ほど、弱みを見られたくない、迷惑を掛けたくないという心理が働き、一人で悩みを抱え込んでしまいがちです。

なぜ、海部町の人は周りに助けを求められるのか…です。

ロシアの勝利か、人類滅亡か。狂気のプーチンがウクライナの次に侵攻する国の名

2月24日の侵攻開始1年という節目に、大攻勢を展開すると見られているロシア軍。現在も各地で激しい攻防が続いていますが、ウクライナ軍が思わぬ苦戦を強いられている地域もあるようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ロシアの人的被害を厭わぬ戦術に、ウクライナと西側諸国がどう対応すべきかを考察。さらにプーチン大統領がウクライナの次に侵略を狙っている国の名を挙げ、戦争が拡大傾向にあることを指摘しています。

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ロシア軍に高速道M03号線を切断されたウクライナ軍の危機的状態

ロ軍が人海戦術でバフムト北側の高台を奪い、ウ軍補給路の高速道M03号線を切断される危険的な状態になっている。今後の戦況を検討しよう。

ロ軍の大規模攻勢が始まった。クピャンスク方面、スバトボ・クレミンナアの反撃、バフムト包囲の3ケ所である。ホハレダラはロ軍海兵隊が大損害が出て、頓挫している。このロ軍大規模攻勢には、1,800両の戦車、3,950両の装甲車、2,700の火砲、400機の戦闘爆撃機が準備されているという。

ロシアの戦車製造能力は月50両、装甲車製造能力は100両もあり、このため、プーチンも戦争に負ける気がしないようである。世界で一番、生産能力を持つ国であると、英紙デイリーメールは言うが、本当であろうか。

もし、本当なら、ウクライナへの戦車、戦闘機、火砲の一層の供与が必要になる。そうしないと、ウ軍が負ける事態にもなるからである。

バフムト・ドネツク方面

ロ軍・ワグナー軍はブラホダトネも占領し、ウ軍が撤退したT1503号主要道の西側までワグナー軍が攻撃して占領した。ここからザリジネスクを占領し、直角に曲がり、M03高速道路に向けて、攻撃している。

M03は補給路でもあり、ここが使えないと、補給路は地方道00506道しかなくなる。

このため、M03を守るために、ウ軍は予備役の第30機械化歩兵旅団を投入して、ロ軍の前進を止めたが、ワグナーの兵員は技能が高く、ウ軍の機関銃攻撃をかわして、ウ軍の高台陣地を占領した。

一方、ロ軍も反撃のために、ブラホダトネに兵を集めている。それと、ワグナー軍も、バフムトフカ川の渡河に成功して、パラスコビイウカに迫っている。このことでM03補給路が占領される可能性が増している。そろそろ、バフムトからウ軍の撤退を考えるべきである。しかし、ゼレンスキー大統領は、バフムトからの撤退はあり得ないという。

現時点でもバフムトに6個旅団を配備しているが、バフムト周辺にも予備役を入れて、守ることになる。歩兵突撃のロ軍に対して、ウ軍は陣地戦ではなく、装甲歩兵で回り込み、撃滅した方が良いように思う。敵に居場所を知られると、砲撃が来ることになる。

もう1つ、人海戦術に対抗する防御戦術を確立しないと、ウ軍も今後も撤退を繰り返すことになる。

バフムト市東側の工場地帯、住宅地などにもロ軍が侵入しているが、あまり前進できていない。南側のオプトネから市内に攻めるロ軍も前進できていない。

どうも、ロ軍は、ワグナー軍囚人兵のような突撃ができずに、攻撃力が落ちているので、なかなか、ウ軍を突破するのは大変かもしれない。歩兵突撃だけの攻撃では、陣地戦での突破は容易ではないようだ。その点、ワグナー軍はすごい威力である。

バフムトの南側のイワニフカにロ軍が攻めてきたが、ここはウ軍が防衛している。

T0504主要道の交差点にもロ軍は攻撃してきたが、ここで止めないとチャシブ・ヤールを取られる。チャシブ・ヤールは、バフムトへの00506道の補給路上であり、ここを取られるとバフムトへの補給がなくなる。このため、執拗にロ軍は攻めてくる。

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