社員が「精神疾患」を理由に休職を求めてきたら、まず会社側がすべきこと

現代の休職理由の多くが適応障害やうつ病などの精神疾患なのだそうです。今回、無料メルマガ『採用から退社まで!正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』の著者で社会保険労務士の飯田弘和さんは、このような精神疾患による休職、また労災として認められるケースについて、詳しく紹介しています。

精神疾患による休職

最近、休職に関連する相談が増えている様に感じています。休職理由の多くが、適応障害やうつ病等の精神疾患によるものです。

休職制度は、設けるか設けないか、設ける場合、どのような制度とするかは、原則、会社が定めるものです。

ただし、休職とは、私傷病によって働けない場合に適用するものであり、仕事・業務が原因での発病については労災として扱うべきものです。

ところで、精神疾患が労災として認められる場合とは、どういった場合でしょうか。

1つは、長時間労働です。発症直前あるいは発症前数か月にわたって長時間労働が行われていた場合には、労災と判断される可能性があります。

とくに、転職や異動等で業務内容が変更になった直後などの、新たな業務に従事したばかりの長時間労働は、労働者の心的負荷も大きく、労災と認められる可能性が高くなります。

また、繰り返し行われるいじめやハラスメントについても、精神疾患の発症原因になり、労災と認められる可能性があります。

労災と認められた場合、治療費や休業補償費が労災保険から支給されます。

しかし、それとは別に、会社の労働者に対する安全配慮義務違反を根拠にした損害賠償請求がされる可能性があります。長時間労働やいじめ・ハラスメントを放置することは、会社がこのようなリスクを抱え込むことになります。

もし、労働者が精神疾患での休職を申し入れてきた場合には、簡単に私傷病であると判断せず、職場環境や働かせ方をよくよく確認し、労災に該当する可能性がないか検討する必要があると考えます。

もし問題があれば、職場環境の改善を行い、再発防止に努めましょう。

また、もし労働者が労基署に対して労災申請を行う場合には、可能な範囲で協力しましょう(協力するといっても、会社が労災であることを認めるということではなく、労災に該当するか労基署の調査があるので、その調査に協力しましょうということであり、労災かどうかの判断は、あくまで労基署が行います)。

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元国税調査官が激怒。天下の悪税「消費税」の真実と、財務省がついた大嘘の数々

トイレットペーパーも宝石類も同じ税率なのが日本の消費税。この「悪税」が導入されたことで、低所得者ほど年収に占める消費税負担率が高くなり、富裕層との格差は広がり続けています。当初は3%だった税率も今や10%、その税収は社会保障費に当てられているという説明は果たして真実なのでしょうか。メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で、元国税調査官で作家の大村さんは、自身の著書『消費税という巨大権益』が取り上げられた国会答弁を紹介し自ら解説。税収が増えた分は所得税と法人税減税の財源になっていると、大蔵省(現財務省)が御用メディアを使って喧伝した「消費税は福祉財源」のウソを暴きます。また、最高40%課されていた物品税を廃止するなど、富裕層と大企業優遇の実態を伝えています。

 

苦しい言い訳に終始。天下の悪税「消費税」を作った財務省の呆れた答弁

ついに、10月1日からインボイス制度が始まりますね。このメルマガでも何度か触れましたが、インボイス制度は零細事業者に大打撃を与えるものです。

インボイス制度に限らず、消費税という税金自体が、中流層以下に大きな打撃を与えるものであり、日本が格差社会になっていった時期と、消費税が導入され増税された時期というのは、まったくリンクするのです。

筆者は、この消費税の弊害について、たびたび訴えてきたのですが、2023年6月9日の国会・財政金融委員会において、立憲民主党の福田昭夫衆議院議員が、約30分にわたり、筆者が書いた『消費税という巨大権益』を引き合いに出し財務省を問いただしました。

筆者は、立憲民主党の関係者というわけではなく、一度、税制の勉強会に招かれた程度です。国会質問で拙書が引き合いに出されたことについても、事前にまったく連絡はありませんでした(後で福田昭夫議員から連絡をいただきました)。だから、このことを知った時には少々驚きました。

もちろん別に拙書が使われたことに異存はないし、質問の中身を見ても本旨を捻じ曲げて解釈されたような部分はありませんでした。このときの模様はYouTubeにいくつかアップされ、長尺の国会動画としては異例の再生回数(2023年7月時点で40万回以上)となっています。

この質疑では財務省は苦しい言い訳に終始し、この動画を見た人は誰もが「財務省は信用できない」と思ったはずです。なので、今回から数回に分けて、この質疑の模様を質問項目ごとに書き起こし、筆者の見解等も加えたいと思っています。

項目ごとに分けているので、実際の答弁とは若干、文言が違っている部分もありますが、発言趣旨ははずしていないはずです。その点、もし疑問があればYouTubeなどで確認してください。

この記事の著者・大村大次郎さんのメルマガ

愚策の嵐。名ばかり経済対策で39兆円をムダにした岸田クソメガネ税金泥棒政権

昨年10月、「物価高克服、経済再生実現のための総合経済対策」として39兆円の総合経済対策を閣議決定し、「未来に向けて経済を強くしてまいります」と高らかに宣言した岸田首相。しかし1年近くが経過した今、ほどんどの国民がその効果を感じ取ることができていないのが現状です。そんな岸田政権の政策を「39兆円をドブに捨てたも同然」と一刀両断するのは、人気ブロガーのきっこさん。きっこさんは今回「きっこのメルマガ」で、そのように判断せざるを得ない理由を詳しく解説するとともに、「税金泥棒政権」に国民が実感できる経済対策などできるはずもないと厳しく批判しています。

何をやってもこの有り様。税金泥棒政権がドブに捨てた39兆円の血税

もう息が切れそうなほど続いている値上げラッシュですが、食料品や日用品だけでなく、多くの消費者が苦しんでいるのが、電気代やガス代などの光熱費です。そして、このメルマガでも、2022年11月2日配信の第189号で詳しく取り上げましたが、岸田文雄首相は昨年10月末、「総合経済対策」を閣議決定し、「物価対策と景気対策を一体として行なう」と宣言しました。

【関連】やってる感バレバレ。岸田首相「4万5千円軽減策」という印象操作

当事の岸田首相の説明では、「事業規模72兆円、財政支出39兆円の大型対策によって、GDPを4.6%押し上げ、消費者物価を1.2%以上引き下げる」とのことでした。しかし、約1年が経過した現在、GDPは実質で1.2%、名目でも2.7%しか伸びていません。そして、消費者物価に至っては「1.2%以上の引き下げ」どころか、シャレにならないほどの値上げラッシュが絶賛継続中です。

多くの経済学者が提言していたように、消費税を1年限定で減税していれば、どちらの目標も余裕でクリアしていた上、予算も半分で済んだのに、いかりや長介さんも草葉の陰で「ダメだこりゃ!」と嘆いていることでしょう…なんてのも織り込みつつ、この時に岸田首相が鳴り物入りで発表したのが、「電気・ガス・ガソリンの負担軽減策」で、その内容は「1家庭当たり総額4万5000円の支援をして国民の暮らしを守る」というものでした。具体的には、今年の1月から9月までの電気代とガス代を、全国すべての世帯に対して、1世帯当たり月額5000円、9カ月で計4万5000円ほど補助すると言うものでした。

しかし、その中身を細かくチェキしてみると、毎月5000円の補助の内わけは、電気代が約2100円、ガス代が約900円、ガソリン代が約2000円なのです。そして、これは、たくさん電気やガスを使っている4人世帯を基準としていたのです。そのため、あたしのような母さんとの2人暮らしとか、日本で最も多い単身世帯とかでは、補助額は大幅に低くなってしまうのです。

そして、車を持っていない世帯、持っていてもほとんど乗らない世帯は、毎月約2000円のガソリン代補助はまったく受けられません。しかし、それぞれの使用量に対して補助額が増減するというのは、ま、一応はスジが通っています。でも、あたしがどうしても納得が行かなかったのが、ガス代の補助でした。岸田首相は、ガス代の補助が受けられるのは「都市ガスだけ」と差別をしたのです。

資源エネルギー庁の公式データによると、全国の都市ガスの需要は約2900万世帯で全体の53%、プロパンガスの需要は約2500万世帯で全体の44%です。都市ガスのほうが若干多いとは言え、44%を占めるプロパンガス世帯を丸ごと無視しておきながら、岸田首相は一体どの口で「国民の暮らしを守る」などと抜かしたのでしょうか?

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

本当に大丈夫?深田恭子「セクシー路線強化」報道で感じた、W不倫で堕ちてゆく広末涼子からの“影響”

2021年5月に適応障害で休養を発表し、ドラマや仕事を降板していた女優の深田恭子。その後すぐ活動を再開したものの、過度の飲酒や激ヤセが報じられるなど心配の声が今も絶えません。すでに41歳を迎えた深キョンは大丈夫なのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、不惑を過ぎて“セクシー路線”に切り替えはじめた深キョンを憂いています。

深田恭子、40歳を超え“セクシー路線”に…でおぼえた私の違和感

『18/40~ふたりなら夢も恋も~』を終えた深田恭子の近況を『週刊ポスト』が報じていました。

オンエア前は3年振りの地上波連ドラ出演と、共演者が朝の連続テレビ小説『舞い上がれ!』以来となる福原遥ということで森七菜・間宮祥太朗主演の『真夏のシンデレラ』に視聴率でどのくらい肉迫するのか話題でしたが、逆に大きく煽ってみせたのには本当に驚かされました。

“驚異の41歳”ここにあり!です。

記事のタイトルは“深田恭子、『18/40』ロケで見せた“口半開きの表情”と“ピンクだらけ”姿 「年齢気にせずピンク着る!」の決意”という、パッと見、刺激的な文言でした。

この記事の肝は、芸能関係者の証言として紹介された「女優として、今後はセクシー路線を強化する!と話している」の部分でしょう。

同誌のスタッフが目撃した撮影風景と周辺取材からこういう記事になったのでしょうが、個人的には深田本人が周囲に「セクシー路線でいくからね」と宣言するとは、彼女の性格を考えてもとても思えません。

しかし本人の意向はわかりませんけれど、所属事務所がこういった“40歳を超えてセクシーさを前面に出す女優は日本にはいない”という営業スタンスに舵を切っている可能性は十分考えられるでしょうね。

かなり昔の話で恐縮ですが、私が深田と同じ事務所で当時は大プッシュ中だった女性タレントにインタビューした際「事務所は私をそういう方向で売り出そうとしているんです…」と小声で答えられ、付いてきた事務所スタッフの顔色を伺いながら少々困惑したことを思い出しました。

タレントのこの言葉に、本人が描く未来予想図と事務所側の思惑が一致していないんだろうなぁ…と記憶しています。

これはあくまでも私の推測ですが、彼女の“セクシー路線”は2歳上の広末涼子のW不倫騒動に無関係ではないと感じます。

好感度抜群だった、同年代と言っていい女優が、全ての仕事や評判をあっという間に失っていくプロセスを目の当たりにして、深田の心境にも何らかの変化があったとしてもおかしくないでしょう。

広末が堕ちていくのを見て、深田はどんな思いでいたのでしょうね。

実は卑劣なことばかりやっていた文在寅。いま韓国で何が問題になっているのか?

隣国の前大統領にさまざまな疑惑が持ち上がっているようです。無料メルマガ『キムチパワー』を発行する韓国在住歴30年を超えて教育関係の仕事に従事する日本人著者が、日本では報じられない韓国の文在寅前大統領に関する問題を、メルマガで詳しく解説しています。

統計データを捏造していた文在寅

文在寅政府のアパート価格統計捏造範囲が2020年2月17日、文在寅が主宰した青瓦台(大統領府)首席・補佐官会議直後に拡大されたことが確認された。監査院はこの会議でマンション価格上昇率捏造範囲をソウルから首都圏全域に拡大するよう指示が出た可能性があると見ている。ただし当時青瓦台高位関係者たちが「上層部」に関する陳述を拒否し、文在寅は監査院の捜査要請対象から外された。

9月18日、監査院によると、文政府青瓦台は2017年6月からマンション価格上昇率統計を操作してきた。韓国不動産院が本来週1回行っていた「週間アパート価格動向」調査の平日中間集計値を作って持ってくるようにし、この集計値より週全体を対象に最終集計された上昇率が高ければ不動産院を圧迫して上昇率を削る方式だった。

このような「中間集計」を通じた捏造は、最初はソウル地域のマンション価格統計だけを対象にしていた。しかし2019年ソウル投機過熱地区アパート購買を難しくする「12・16不動産対策」の副作用でソウル以外の首都圏アパート価格まで急騰するやムン政府は京畿(キョンギ)・仁川(インチョン)地域アパート価格統計にも手を出し始めた。

当初、文政府は京畿道の住宅価格を抑えるためにソウルと同じ規制をする方案を推進したが、共に民主党指導部が「総選挙に不利だ」として反対するや規制の代わりに統計操作(捏造)を通じて京畿・仁川地域のアパート価格を低く見せる方向に旋回したということだ。

2020年2月17日、文前大統領主宰首席・補佐官会議に参加してきたユン・ソンウォン国土交通秘書官(当時)は行政官たちに「今後は不動産院で京畿・仁川地域に対しても中間集計値をあらかじめ受け取るように」と指示したと伝えられた。

監査院の調査でユン元秘書官はこの事実を否認したが、多くの行政官が指示を受けたと陳述したことがわかった。監査院はユン元秘書官が当時のキム・サンジョ政策室長やそれ以上の関係者に指示を受けたと見ている。

文在寅は、監査院が統計操作の疑いで検察に捜査を要請した22人から除外された。当時、不動産政策を決めた青瓦台・政府高位関係者の中で事実上唯一捜査要請を免れた。これは当時、青瓦台高位関係者たちが統計操作と関連して青瓦台内部で起きたことに関して「覚えていない」として事実上陳述を拒否したためだ。

文在寅が捜査対象から除外されたとはいうものの、最終的な決定権は文在寅がもっていたのはいうまでもない。大統領なのだから。統計データを捏造してまでアパート価格は上昇していないと嘘をついていたわけだ。

先進国に仲間入りしているはずの韓国だけれど、統計データを捏造・改竄するという発展途上国でもやらないような卑劣なことをやっていた文在寅。早く捜査が進んで一日も早く監獄に収監されるべきだと筆者は考える。

そしてこの文在寅よりさらに輪をかけて悪質なのが李在明。今、根拠のない断食闘争をやっている有様だ。同情をかってうまく逃れようとする意味および裁判(あるいは逮捕)を遅らせる意味だけでやっている。こんな人間がもしも韓国の大統領にでもなったら日韓関係・米韓関係はめちゃくちゃとなり、うまい具合に南朝鮮が北朝鮮に吸収されてしまうだろう。ケッタルと呼ばれる中年おばさんらからの支持が篤いのには驚かされるばかりだが。なぜにあんな嘘で固められた人間を支持するのか。韓国は不思議、というしかない。

(無料メルマガ『キムチパワー』2023年9月19日号)

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“やぶ蛇”のトランプ。核兵器の開発意図なきイランを激怒させた代償

これまで繰り返し核兵器開発の意図を否定してきたイラン。しかし国際社会による度重なる「翻弄」が、中東の大国に核保有を決心させてしまった可能性が高いようです。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、IAEAの査察をイランが拒否したことを伝えるニュースを紹介。その上で、イランの核保有が招きかねない世界を揺るがすことになる事態を解説しています。

イランの核兵器保有と次の戦争が近づいている?

イランがIAEAの査察を拒否しました。「日経新聞」9月17日付。

国際原子力機関(IAEA)は16日の声明で、イランからIAEAの一部査察官の受け入れを拒否すると通告があったことを明らかにした。査察官はウラン濃縮などを検証している。グロッシ事務局長は「強く非難する」と述べ、査察に深刻な影響が出るとして再考を求めた。国際社会の懸念が一層強まるのは必至だ。

この問題、少し振り返ってみましょう。

アメリカは、ウソの理由でイラク戦争をはじめた2003年頃から、「イランは核兵器を開発している!」と非難していました。

ネオコン・ブッシュ政権のアメリカは当時、「2016年までにアメリカ国内の石油が枯渇する」と信じていた。それで、資源がたっぷりある中東支配に動いていたのです。「イラクの次は、イランだ!」と(しかしその後、「シェール革命」が起こり、アメリカは世界一の産油国、産ガス国に浮上。中東の資源を確保する必要はなくなり、この地域への熱意は減りました)。

はっきりいってネオコン・ブッシュ政権の主張は、イラク戦争の開戦理由同様「大ウソ」でした。証拠もあります。「毎日新聞」2007年12月4日付。

〈イラン核〉米が機密報告の一部公表 「脅威」を下方修正

 

[ワシントン笠原敏彦]マコネル米国家情報長官は3日、イラン核開発に関する最新の機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部を公表し、イランが03年秋に核兵器開発計画を停止させたとの分析結果を明らかにした。

さらに、「ロイター」2009年7月4日付。

イランが核開発目指している証拠ない=IAEA次期事務局長

 

[ウィーン 3日 ロイター] 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥次期事務局長は3日、イランが核兵器開発能力の取得を目指していることを示す確固たる証拠はみられないとの見解を示した。ロイターに対して述べた。天野氏は、イランが核兵器開発能力を持とうとしていると確信しているかとの問いに対し「IAEAの公的文書にはいかなる証拠もみられない」と答えた。

ここからわかることは何でしょうか?

ブッシュ政権が2000年代、「イランは核兵器保有を目指している!」と非難していたのは、「ウソだった」ということです。

それで、リベラルなオバマが2015年7月、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国を巻き込んで「イラン核合意」を成立させました。これで、イランは制裁が解除され、石油が輸出できるようになった。イランは、そもそも核兵器を開発する気がなかったので、大いに喜びました。

ところが2018年5月、トランプが、イラン核合意から一方的に離脱。2018年8月、トランプ政権は、イラン制裁を復活させます。

これは、何でしょうか?

イスラエルは、「イランが核兵器開発を目指している」と確信している。トランプは、親イスラエルなので、核合意から離脱したのです。

習近平に味方する者なし。国内外で完全に“孤立”し始めた四面楚歌の独裁者

これまでに例のない3期目の国家主席として中国を率いる習近平氏。しかしその立ち位置は盤石どころかむしろその逆との見方もあるようです。そんな習氏の苦しい立場を取り上げているのは、安全保障や危機管理に詳しいアッズーリさん。アッズーリさんは今回、国内外で習氏の孤立化が進みつつある原因を徹底解説しています。

国内外で孤立し始める習近平

最近、国内外での習近平の孤立化に拍車が掛かっている。中国は日本の6倍近くのトリチウムを放出し、福島第一原発の処理水放出を巡ってもIAEAや欧米など諸外国が問題ないとしている中、中国は日本産水産物の全面輸入停止という暴挙に出た。米国もこれは中国お得意の経済的威圧だと非難しているが、習政権がこれを撤回することはしばらくないだろう。その理由は、これは国内で嫌われる習近平が国民の不満を逸らすため、ガス抜きするために取った措置だからだ。

3年にわたるゼロコロナによって、中国国民の経済的不満が膨れ上がり、それによって経済格差や失業が今日大きな社会問題になっている。中国の経済成長率は以前のような10%からはほぼ遠く、今年は5%前後になるとも言われ、その鈍化傾向にブレーキが掛からない状況だ。若者の失業率も深刻化し、最近は3ヶ月連続で20%台を記録し、中国政府はとうとう失業率の公表をストップした。これ以上公表すると共産党政権の統治が危うくなるとの危機感からだろう。

習近平が日本産水産物の禁輸を解けない理由

そういった不満は監視社会の中国各地で確認されている。昨年秋の共産党大会の直前、北京市北西部にある四通橋では、「嘘ではなく尊厳を、ロックダウンではなく自由を、嘘ではなく尊厳を、PCR検査ではなく食糧を」などと赤い文字で書かれた“反習近平”の横断幕が掲げられる動画が一時ネット上に拡散した。また、上海でも若い女性2人が「習近平、不要」などと書かれた横断幕を持って行進したと台湾中央通信社などが伝え、チベット自治区の中心都市ラサでは新型コロナ政策に抗議する数百人レベルの大規模デモが発生し、同自治区に出稼ぎに来た漢民族と警官隊と衝突した。

日本産水産物の輸入を全面的に禁止することで、習近平としては嫌われる指導者の地位を脱却し、“国民の命と安全、衛生を守った”とアピールすることで信頼回復を狙ったことは間違いない。ここに来てやっぱり間違ってましたと全面輸入停止を撤回すれば、習近平は弱腰だと国民の怒りが再び噴出することは避けられず、3期目の政権運営は危機的状況に追いやられるだろう。

日本が中国から「核恫喝」を受けても跳ね返すことが出来る“2つの方法”

最近、まとこしやかに囁かれている「日本が中国の属国になるのでは」という予測。これは果たして真実なのでしょうか? 今回のメルマガ『j-fashion journal』では、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、さまざまな視点から日本と米国、中国の現状について解説しています。

核恫喝は無敵なのか?

1.核の傘は嘘

最近、いくつかのYouTub番組で、日本が中国の属国になるのではないか、という予測が語られている。頼みとしている米国の核の傘は機能しないというのだ。仮に中国が日本を核攻撃しても、米国は中国と核戦争をすることはない。むしろ、米軍は日本から撤退するのではないか、という予測である。

これは多分真実なのだろう。大統領がどんなに口約束しても、最終的には議会が認めなければ戦争はできない。そして、議会は同盟国を守るためだけに、米国の兵士を犠牲にすることはない。

米国が日本から去れば、中国は日本に「核攻撃をするぞ」と脅すかもしれない。日本には対抗手段がないので、無条件降伏して中国の属国になるというのだ。つまり、米国の属国から中国の属国に転換するという予測である。

2.日本は米国の属国か

まず、日本は米国の属国なのか、という問題について考えてみたい。確かに、米国は戦後一貫して日本政府をコントロールしているように見える。

しかし、本当にコントロールしているのなら、常に米国経済は日本経済を圧倒していなければならない。一部の産業が圧力を受けても、それは経済全体のことではない。そう考えると、ある種の取引関係であり、米国が有利な立場にいるものの、完全にコントロールされているとはいえないだろう。

そもそも、戦後、日本政府は「国家の独立」と「皇室の継承」を条件に米国と交渉してきたはずだ。そのためには、国産の飛行機を生産しないことなど、様々な要求を受けいれただろう。

従って、属国的な屈辱を感じることもあるが、やはり、一応の独立と尊厳、自由は保たれているといっていい。

少なくとも、現在の日本は米国の核恫喝により属国になっているわけではない。

3.戦わずして勝つ

中国が考える戦争とは、孫子の兵法にあるように、「戦わずして勝つ」ことだろう。従って、買収、恫喝、スパイ活動等が重視される。敵国を怖がらせるための兵器、怖がらせるための軍事パレードなのだ。その延長線上に中国の核兵器がある。核兵器を持っているということが重要であり、それが確実に作動するかは二の次だ。

中国は実戦の経験がない。だから、戦わず勝つのは良い戦術なのだろう。

日本が考える戦争とは実戦である。歴史的に実戦経験も多い。戦って勝つ、という考え方だ。

中国は核兵器で恫喝すれば、相手は降伏すると考えている。しかし、日本人は戦ってみないとわからないと考えるだろう。核基地を先制攻撃で潰せばいいのだから。

そもそも、日本が核兵器を持つのは容易だ。原材料も技術も揃っている。大陸間弾道ミサイルの開発も可能だ。原子力潜水艦も開発できる。もし、米国が日本の核武装を容認すれば、1年もせずに核武装できるはずだ。

もし、日本が中国の恫喝に屈するとしたら、戦う前に政治家が降伏してしまう場合だろう。まさに、戦わずして勝つという孫子の兵法そのものであり、中国の理想の戦い方である。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

日本語の「オノマトペ」が世界の言語の中でも群を抜いて多いワケ

擬音語、擬声語、擬態音の総称とされる「オノマトペ」。実は日本語のオノマトペは他言語に比べて非常に多く、特に擬態語の数の多さは群を抜いているそうです。今回のメルマガ『前田安正の「マジ文アカデミー」』では、朝日新聞の校閲センター長を長く務め、ライティングセミナーを主宰する前田さんが、日本語を使う“日本語人”の脳の構造が他の言語を使う人とは違うという実験結果を紹介。音で感性を表現し捉える力に長けた日本語の秘密を明かしています。

音と脳は、日本人の感性を育んでいる

丸い曲線でできたアメーバのような図形と、ギザギザの直線でできた星のよう図形を被験者に見せます。そして、一方の名前がブーバで、もう一方がキキという名前だと伝えます。そして「どちらの図形がブーバでキキでしょうか」と聞くと、約98%が「曲線でできた図形がブーバで、ギザギザの直線の図形がキキだ」と答えたという結果が出ました。

これは、ドイツの心理学者ヴォルフガング・ケーラーが1929年に報告したものだと言われています。この実験は言語(ことば)として発せられた音と図形の持つイメージがどのように印象づけられているかを示したものです。年齢や母国語にほとんど関係なかったというのが特徴です。音がもたらす概念に、文化や言語の違いを越えた共通性は見つからないと言われています。しかし、音と図形に関してはそこに共通したものがありそうです。

音とイメージといえば、代表的なものが「オノマトペ」だと思います。オノマトペは「擬音語」「擬声語」「擬態音」を包括的にいうことばです。擬声語は、ものの音や人。動物の声などを表す語で、擬音語とほぼ同様の概念です。たとえば「ざわざわ」「ワンワン」「バタン」などがその類いです。

擬態語は物事の状態や様子などを感覚的に音声化して表現するものです。「にやにや」「うろうろ」「まったり」「ふんわり」「てきぱき」などがあります。広い意味では擬声語の一種とも言えます。しかし、狭い意味での擬声語が自然の音や人間・動物の音声を直接的に言語にしています。それに対して擬態語は、音には直接関係のない事柄の状態を言語に写し取っているものだと言えます。

日本人脳は左脳で論理以外の音を感知する

日本語には、この擬態語が豊富です。音で感性を表したり捉えたりするのが得意な脳の構造を持っているとも言えそうです。実際に角田忠信医学博士は、著書『日本語人の脳』(言叢社)のなかで、西洋人と日本人とでは、左脳(左半球)と右脳(右半球)での受け止めが異なることを、実験を通して報告しています。

著書には、こう書かれています。

非日本人では左の言語半球優位の音は言語音に限られ、持続母音、感情音、自然音の大部分は右半球が優位となることを確認した。すなわち、言語、論理の左半球と情動、自然界の音、機械音を扱う右半球とにはっきり分離している。一方、日本人では左半球は言語、論理以外に感情音、自然界の音、邦楽器の音などに優位で右半球優位の音は西洋楽器音や機械音に限られる。日本人と非日本人の差は日本語の話言葉で作られた無意識で働く自然認知の枠組みの違いによるもので、これが現在でも日本人の心情の基礎になっていると考えられる。

これが直接、擬態音を生み出すことにつながるかどうかは、検討を要するにせよ、心情に何らかの関係があることは理解できます。

この記事の著者・前田安正さんのメルマガ

普段は誰もいない「無人駅」に、土日祝日は“謎の行列”ができる理由

秘境の「無人駅」に謎の行列が土日祝日にできている……なんとも不思議な現象ですが、その理由とは? 今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者、佐藤きよあきさんが紹介するのは、幻といわれる駅弁のマーケティング方法です。

秘境の無人駅に謎の行列。その先には?

鹿児島県霧島市にある、JR肥薩線「嘉例川駅」。

明治36年の鉄道開業当初から残る、国登録有形文化財に指定された駅舎には、現在無人駅ながら、土・日・祝日になると、大勢の人が押し寄せます。

歴史ある駅舎の見物に訪れる人もいますが、ほとんどの人はある目的のために、遠くからやって来るのです。

「百年の旅物語 かれい川」。

駅弁マニアなら誰もが知っており、幻の駅弁と言われています。

土・日・祝日しか売っておらず、しかも、100食程度の限定。

すべて地元産の食材で、郷土料理ばかりが詰め込まれています。

地元の棚田で栽培される米「ひのひかり」を使い、原木栽培の椎茸と筍を入れた炊き込みご飯。

さつまいもと人参、ニラ、生姜で作るかき揚げ「ガネ」。

「ガネ」とは、鹿児島弁で「カニ」のこと。揚げ上がりの形がカニに似ていることから、こう呼ばれています。

千切り大根とこんにゃくの煮物を春巻きの皮で包んだ「千切り大根の煮物」。

茄子とかぼちゃに手づくりの麦みそを塗って焼いた「みそ田楽」。

大根と人参の酢の物「スセ」。これも方言です。

椎茸と筍をまぜ込んだ「嘉例川コロッケ」。

豪華さはなく、地味な色あいですが、田舎のお母さんが心を込めて作る、味わい深い優しいお弁当です。

竹の皮で作られた弁当箱に入っており、掛紙は黒バックに駅舎のモノクロ写真。

非常に渋く、趣きがあります。