さすが世界のケン・ワタナベ、ブロードウェイ主役でも全くブレない取材対応

渡辺謙が主演を務めるブロードウェイ公演『王様と私』の本公演が全米でスタートし好評を博しています。そんな世界のケン・ワタナベを過去2回インタビューしたという米国邦字新聞「WEEKLY Biz」の発行人・高橋克明さんは、謙さんの”どんな相手に対しても態度を変えない姿勢”を絶賛しています。

インタビューの舞台裏 -Bout.12- 渡辺謙

日本でも報道されていることと思われますが、ミュージカル「The King and I(王様と私)」が先週、正式なオープニングを迎えました。日本を代表する”ハリウッドスター”渡辺謙さんが主演を務めます。

そのオープニングレセプションに取材で行ってきました。共演者や招待されたハリウッドスターの中でも堂々とした謙さんのオーラは特筆すべきものでした。

過去、2回渡辺謙さんに単独インタビューをさせて頂きました。お会いする前のイメージでは、もう少しガッチリされた体格の方と思っていたのですが、テレビ画面やスクリーンで見る以上にスラッとされていて(テレビで見ると少し太って見えるっていうのは本当だな)、とにかくカッコ良かった、というのが印象です。

そして見た目の印象以上に、強く思い出として残っているのは「なんて親切な方だろう」といった内面の印象でした。

ちょうど僕たちが取材をする直前まで、アメリカの某大手テレビ番組の取材を受けていました。全米に放送される地上波の番組です。

その直後に、現地のローカル新聞の、しかも在米の日本人だけを対象にしている僕たちの取材に入って頂いたわけですが、さっきまでの有名リポーターへの質問の受け答えと、僕のソレと、声のトーンも、真剣に聞いてくれる眼差しも、答える内容も、寸分の違いもなかった。まったく同じように正面から真摯に受け答えをしてくれました

実はコレ、意外と珍しい事なんです。

その人が「いい人」、とか「悪い人」とか、そんな問題じゃない。

人間、特に表に出る職業をしている人にとって、対象の媒体、大小に関わらず、すべてに同じように対応するって不可能に近いくらい難しい事だと、地元のローカル紙である僕たちは経験上知っています。

従来、取材日という日を設定して、朝から晩まで何社も連続で質疑応答が繰り返されます。例え、その人が”いい人”であったとしても、朝から何度も同じ質問をされるのは、やっぱりウンザリだと思うんです(そこをウンザリさせないのがインタビュアーの力量であったりもするのですが)。

それが、例えば、誰もが知っているテレビ番組のカメラと、誰がどこで読んでるかわからないフリーペーパーの素人丸出しの編集者と、同じように対応する方が無理ってもんだと思います。

実際、名前は伏せておきますが、元メジャーリーガーの某日本人選手なんて、こっちが笑っちゃうくらい、むしろ気持ちいいくらい対応を変えられたこともあります(笑)。

謙さんの場合は、それが、まっっっっぁたく、ありませんでした。

ひとつのインタビューに対しても、まったく手を抜かない姿勢―。それを感じたときに、かつてアジア人では絶対不可能と言われたオン・ブロードウェイの主役をはることも、ハリウッドスターとして世界的な名声を手に入れる事も、僕にとってはまったく不思議な事ではありませんでした。

image by: Wikipedia

『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 Vol.017より一部抜粋

【Vol.017の目次】
1.今日のニューヨーク  Vol.16 「NYのチップ事情(1)」
─最前線で日々NYを取材している筆者の感じた、今日の摩天楼、今日出会ったニューヨーカーetc. 思うままに綴るコラム。

2.インタビューの舞台裏 -Bout.12- 渡辺謙
─過去400人の著名人に取材した際の舞台裏。本記事に書けなかった「あの人」の裏話。

3.NYの雑種犬、みりんの大冒険 -第14章-
─フェイスブックやブログ上では筆者以上の人気を誇る、うちの雑種犬”みりん”のNY冒険綺譚。

4.NEW YORK の一枚 Vol.13
─ 弊紙カメラマンが撮った今日のニューヨーク

5.Q&A

著者/高橋克明
全米No.1邦字紙「WEEKLY Biz」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ400人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる
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鳥貴族vs鳥二郎のパクリ訴訟、関ジャニ∞ファンも巻き込んだ争いになるかも

関ジャニ∞の大倉忠義の父が経営する焼き鳥チェーン店『鳥貴族』が、ロゴや内装、メニューに至るまでほぼすべてを真似られたとして『鳥二郎』に対して訴訟を起こしました。このように競合店を真似ることを業界内ではTTP(徹底的にパクる)というそうです。そんな外食業界の注目度大の訴訟について、『鳥貴族』社長と個人的な付き合いもあるステーキけんの社長が詳しく解説しています。

『鳥貴族』vs.『鳥二郎』

 

「鳥貴族」が『鳥貴族』を完全にパクった『鳥二郎』に対して6,050万円の損害賠償と看板や広告物の撤去を求めた訴訟を起こしました。

『鳥二郎』の運営会社である「秀インターワン」は、京都が本拠地の外食企業で、多業態で90店舗ちょっとを運営しています。この話は昨年の暮れにフードリンクニュースで取り上げられて知りました。

『鳥貴族』の大倉社長を存じ上げておりますが「似てようが似てまいが、お客様に支持してもらえる店が残ればいいんです」なんてことを言いそうな温厚な性格です。なのでこの裁判は株式上場も果たしたことで投資家からのプレッシャーだったのかなぁ、なんて推測します。

内容証明を送ったりはしてたのだろうけど「秀インターワン」社が全く応じなかったので裁判になったのでしょうが、裁判は時間もお金も手間もかかります。できることならやりたくありません。訴える方も訴えられる方も弁護士を付けるでしょうからコストがかかります。弁護士によって報酬規定は大いに異なりますが、強い弁護士はやはりそれなりの弁護士報酬を要求してきます。コスト優先で弱っちい弁護士に頼むと、まさかそんな和解案持ってくる? とか判決まで持ち込まれてサクッと負けてくれたりします。一旦判決で敗訴した場合に、上告審で巻き返すのは相当大変です。

さてこの度の裁判は外食業界において注目度は非常に高いです。確かに似てますが、全く同じではありません。『鳥貴族』が全品280円を売り文句にしているのに対し、『鳥二郎』じゃ全品270円をうたってますので、利用者側からすると、むしろ価格競争力では同社の方が上なのであります。「不正競争防止法を知りながら営業している」と『鳥貴族』は主張していますが裁判でそれを立証するのも困難かと思います。

どちらにしても訴えられた「秀インターワン」社は仮に勝訴したとしても弁護士の成功報酬が発生します。着手で10%、成功報酬で20%ぐらいを請求してくる弁士は多いです。6,050万円の訴訟ですから、勝訴したとしても1,800万円かかったりします。タイムチャージで1時間5万円とかそんな契約もありますが、判決が長引けば長引くほど弁護費用がかさんで行きます。

またコストの問題以外に従業員のモチベーションを維持するのが難しいですよね。周知の事実ですが『鳥貴族』の大倉社長のご子息は、関ジャニ∞の大倉君。ファンの有志が恐らく結束してネガティブキャンペーンとかやるんだろうな。そうなると『鳥二郎』だけじゃなくて他の店にまで影響が及ぶことになるだろうから、意地にならず撤退した方が私はいいと思います。新規採用するにも絶対にネガティブになると思うんだけどね。どうなんだろう。

僕はいわゆるあのような、パクり業態と世間に言われながらも一生懸命働ける人のモチベーションがどうも理解できないのでね。いずれにしても今後の動向に注目したいと思います。

『<ロードサイドのハイエナ> 井戸実のブラックメルマガ』 190号店より一部抜粋

【190号店の目次】
★ご挨拶
★レストラン訪問記
★井戸実コンシェルジュ
★『イヌオク』コラボ今週の物件!
★新コーナー!! 失敗の軌跡
★アーリーの失敗例から学ぶ Mr.Idoの成功哲学
★Q&Aコーナー
★物語 「チバカラス」
★最後に

著者/井戸実
神奈川県川崎市出身。寿司職人の修業を経て数社の会社を渡り歩く。2006年7月にステーキハンバーグ&サラダバーけんを開業。レストラン訪問記やQ&Aが充実のメルマガは毎週水曜配信。
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source: フードドリンクニュース

あなたの家に潜む、飼いねこの命を奪うこれだけの危険

あなたの日常に癒しを与えてくれるねこ。家族も同然という方も多いかと思います。そんな大切な”家族”が命を落としてしまう危険が、家の中にもたくさん潜んでいること、知っていましたか? 悲しい思いをしないよう、医学博士でしゃべるねこを飼うしんコロさんが提唱する「ねこの命を守る7個条」をしっかり頭に入れておいてください!

ねこの命を守る7箇条

『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』 Vol.075号より一部抜粋

メルマガ読者さんの中には、ねこを飼っている方は多いと思います。家庭内での事故は、人間だけでなくねこ達にも起き得ます。今日は、ねこに起きやすい家庭内事故の防止について一緒に考えてみるのはいかがでしょうか。皆さんはきっと既に色々気をつけられていることとは思いますが、幸せな毎日を決して悲しいものにしないように、今一度どのようなことに気をつけるべきか、一緒に考えてみましょう。

僕が思いつく、ねこに起こりうる家庭内事故を、「ねこの命を守る7箇条」としてリストアップしてみたいと思います。

(1)熱いものから目を離さない!

大量の熱湯などを鍋で沸かす時はコン奥を使ったり、鍋なども安定したものを使うのも良いでしょう。また、ねこが突然コンロの上に飛び乗ることもあります。キッチンがドアを閉められるのであれば、料理中はねこを入れないのが最も安全です。我が家のようにオープンになっている場合は、鍋に火を入れたら決して目を離さないことです。

また、キッチン以外でも熱を持つものはあります。古いタイプの石油ストーブなどは至近距離ではかなりの高熱になります。ストーブの上に飛び乗ったり、その上のやかんをひっくり返す可能性もあります。ペットがいても安全なタイプのファンヒーターなどを使うのが良いでしょう。その他、アイロン等でもやけどの可能性はあります。アイロンが熱いうちは目を離さないようにしましょう。

(2)風呂場にいれるべからず!

お風呂の浴槽でねこが溺死するという事故は恐らく家庭内事故のトップ3に入ります。日本のお風呂は深いので、使用後に水位が下がっている状態の所にねこが落ちると、足が底に届かず、なおかつ淵に掴まることもできないということが起き、溺れてしまうことがあります。残り湯があたたかいので浴槽の蓋の上でくつろぐのが好きなねこも多いですが、これは危険なのでやめて下さい。お風呂には入れないようにするか、使用後は水を抜いて下さい。蓋があっても安全ではありません。蓋ごとねこが浴槽に落ちて、蓋が邪魔して這い上がれないなどの事故も起き得ます。

また、洗濯機も要注意です。洗濯する服の中にもぐってしまうねこもいるので、ねこが入っているのを気づかず洗濯機を回してしまう危険性もあります。特にドラム式の洗濯機は、一度回し始めるとすぐにドアを開けられないものがあります。その短時間でもねこは窒息死します。洗濯機を回す時には、中にねこが入っていないことを確認しましょう。

(3)放置禁止なのはおもちゃだけではない!

ねこはおもちゃで遊ぶのが大好きですが、誤飲してしまいそうな小さいおもちゃや等は放置しないようにしましょう。目を離している時に飲み込んで窒息してしまうこともあります。

またカプセルや錠剤などのなども放置しないようにしましょう。薬をテーブルに出して、水をとりに台所に向かう一瞬でさえねこが飲み込んでしまうことがあります。代謝ができない薬だったら死に至ることもあります。

しおちゃんはつり遊びが大好きですが、体に絡みつく可能性があるも時には危険です。首と家具の足に絡んでしまい、もがいてさらに締め付けて窒息してしまう危険性もあります。ビニールの手提げ袋なども、手にもつ部分が輪になっており、ねこが首を通して絡みつく可能性があります。

さらに、メルマガの読者さんからのお便りでもありましたが、意外にあるのが箸やペンをくわえたまま高いところから飛び降り、それが脳に刺さってしまうというケースです。食卓の準備をしているほんのちょっとの隙に、ねこが箸をくわえて飛び降りてしまうということもあります。以前、しおちゃんも箸を齧る癖があって、それ以来僕も箸は放置しないようにしました。ペンなども、先が鋭利なものは、引き出しや安定したペン立てに入れるようにしています。

また、鋭利繋がりでは包丁を扱う時も注意です。意外に危ないのは包丁で食材を切っている時よりも、包丁を洗ったり拭いたりしている時など、気を抜いている時にねこがキッチンに飛び乗ってきたりした時です。包丁を扱う時は一時も気を抜かず、ねこの位置を把握しておきましょう。もちろん、包丁やナイフを放置することは論外です。

以上、これらの危険になる可能性のあるものが身の回りにないか今一度見回して、目を離したり留守にする時には必ずねこの手がとどかない所に閉まっておきましょう。

>>次ページ 飼い主のお尻も凶器に!

【今日の3分間書評】いま改めて学ぶべき「トヨタ生産方式」の真髄

今回の3分間書評は、「トヨタ生産方式」をお手本に、ビジネスで最も大事なものとはなにか、という原点に立ち返らせてくれる一冊。「お客様満足」と「コスト」とのバランスを巧みにとることが、経営改善へと繋がる道とのことで……。

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『トヨタ生産方式の逆襲』鈴村尚久・著 文藝春秋

こんにちは、土井英司です。

日本企業の影響力が弱まり、いまや米ビジネススクールのケースで取り上げられるのは、トヨタだけ。

従来通りのやり方でやっているはずなのに、なぜ日本のメーカーは勢いを失ってしまったのでしょうか?

その原因はおそらく、ビジネスで最も大事な「お客様」を忘れてしまったからだと思います。

どんなに素晴らしい機能も、生産システムも、「お客様の役に立つ」という視点なくしては、価値と結びつかない。

本日ご紹介する一冊は、その原点に立ち返らせれくれる、素晴らしい一冊です。

著者は、トヨタ生産方式の「生みの親」大野耐一氏の片腕として活躍した鈴村喜久男氏の息子で、自身もトヨタに入社し、経理部、第2購買部、産業車両部、生産調査部、販売店業務部、国内企画部を経験。現在は、独立してコンサルタントを務めています。

本書は、著者がトヨタ生産方式のコンサルティングを通じて得た気づきや、大幅に改善したクライアント企業の事例、そしてトヨタ生産方式の本流のノウハウをまとめたもの。

単なる生産の合理化にとどまらず、どうすれば顧客価値が増大するのか、その本質的な部分をとらえ、顧客価値を実現するための生産を論じています。

著者によれば、消費者がモノを買うのは、概ね次の三つの理由から。

1.機能やブランドを評価し、気に入って買う
2.価格が安いので買う
3.欲しい時にぴったりのタイミングなので買う

このうち、あまり重視されていない3の「タイミング」を活かした販売と生産を心掛ければ、利益が増えるというのです。

著者の言葉を引用すると、

納期を短縮してタイミングで売る発想があれば、国内生産でも収益率を維持するどころか、上向きにすることも可能

お客が求める納期に即座に対応できる能力。それは価格競争力よりも「武器」になる

のです。

本書では、誤解されている「ジャスト・イン・タイム」(=在庫ゼロ)ではなく、あくまで顧客価値を重視して時には在庫を持つことの重要性を強調。

そして、武器としての「ストア」の設置を推奨しています。

「製品ストア」を設置し、そのストアにどの商品を何個置くのか、1日当たりの出荷予定は何個なのかを明示させれば、今、何日分の製品在庫があるのかが、明らかになる。

これがわかることによって、後補充もスムーズに行くのです。

本書には、この考え方で成功した事例がいくつも載っており、なかでも「コープさっぽろ」の例は、顧客価値を高めた事例としてわかりやすいので、紹介しておきます。

◆「コープさっぽろ」の当初の問題点

・午後4時までに各店舗から集めた注文情報に対して、翌々日の朝に1回、工場から開店前に商品を届けるシステム
・注文から納入まで、要する時間は40時間以上

◆著者の取り組みとその後の成果

最大のポイントとなったのは、物流体制の改革でした。店舗への配送を、朝のみの1回から、朝・夕の1日2回に改めるように指示しました

改善当初、2回配送をすれば物流費が高くなると抵抗を受けましたが、「物流コストは上がっても、結果としてそのコスト増を上回る収益が必ず出る」と私は説得を続けました

豆腐や惣菜のような生ものは、つくりたての方が美味しいので、配送回数が2回になれば鮮度のよい商品が店頭に並び、顧客の評価が高まるのは当然です

案の定、多目に注文し過ぎて廃棄する商品が減少すると同時に、顧客の評価を得て売り上げが上がりました。豆腐だけで年間1500万円分廃棄していたのがほぼゼロになりました

配送回数を2回にすることで、廃棄ロスが減り、顧客満足度が上がった。素晴らしい事例ですね。

やはり利益はお客様満足とコストとの間に宿るもので、どちらか一方だけ考えるのは得策ではありません。また、コストに関しても、一面的な見方だと全体を見失います。

本書には、このような素晴らしいケーススタディがたくさん載っており、経営改善の良いヒントとなります。

ぜひ読んでみてください。

『トヨタ生産方式の逆襲』目次

第1章 「常識」を疑い、パラダイムを変えよ
第2章 「タイミング」を売れ!
第3章 顧客ニーズと生産体制のマッチ
第4章 「サラダ理論」で需要予測とオサラバしよう
第5章 ホワイトカラーという「魔物」
第6章 下請けを巻き込んで効率的なモノ造りを
第7章 短納期こそ最大の顧客満足

『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』
著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行
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ドローン落下はホワイトハウスでも起きていた。米国でも防空体制の見直しへ

4月22日午前10時半ごろ、東京都千代田区の首相官邸屋上にドローン(小型無人飛行機)が落下しているのを職員が発見しました。機体にはペットボトルのような容器が装着されており、微量のセシウムが検出されたとのことです。幸い怪我人はなく、安倍首相もインドネシア訪問中で官邸にはいませんでした。

首相官邸上空の警備体制は?

やすやすとドローンの”侵入”を許してしまった首相官邸。どのような警備体制が敷かれていたのでしょうか。中日新聞の記事を引用します。

首相官邸事務所の担当者は取材に「今回のような事案を防ぐための警備はなかった」と話した。警視庁は今後、官邸周辺の上空も含めて警備態勢を検討する。

日進月歩の進化を遂げるドローンの来襲は、まさに”想定外”、何の手も打ってこなかったということが白日の下に晒された格好です。

ここでひとつ浮かぶのは、ドローンに対する法的規制はどのようになっているのかという疑問です。NHK NEWS WEBによると、

無人機を巡っては、航空法に基づいて、空港の周辺で飛ばす場合に国の許可が必要なほか、航空機の飛行ルートにかかっている場合には150メートル以上、それ以外では250メートル以上の高度で飛ばす場合には国への通報が必要となります。一方、それ以外には低い高度を飛行する場合の運用のルールや、飛行の安全について、航空法に基づく取り決めはなく、総理大臣官邸の上空でも少なくとも200メートル以下での飛行についてルールは設けられていません

ということは今のところ低空飛行に関しては法的な縛りはなく、首相官邸であろうが国会議事堂であろうがその上空は飛ばし放題ということになります。

ワシントンD.C.の防空危機管理は?

それでは、ホワイトハウスや連邦議会議事堂を擁するワシントンD.C.の防空危機管理はどのようなものなのでしょうか。軍事アナリストの小川和久さんがメルマガ『NEWSを疑え!」の2015年4月15日特別号で、以下のように記しています。

米連邦航空局(FAA)は、ワシントン・ナショナル空港の無線標識から30海里(56キロ)以内を防空識別圏(ADIZ)と定め、進入する自家用機や社用機に対し、飛行計画を事前に電話で申請することなどの条件を課している。

さらにFAAは、ナショナル空港無線標識から13‐15海里(24‐28キロ)以内の飛行制限区域(FRZ)には、域内の飛行場を利用する、身元調査済みの者が操縦する航空機にのみ進入を許可している。

ワシントンD.C.都心のホワイトハウスや連邦議会議事堂を含む区域と、海軍天文台(副大統領公邸)周辺は、民間機の離着陸と高度5400メートル以下の飛行が禁止されている。

この防空識別圏は地上レーダーのほか、係留気球システム「JLENS」からも監視されている。JLENSは「統合対地巡航ミサイル防衛上空センサー網」の略称。高度3000メートルにとどまる全長74メートルの気球2機1組で、1機はVHFレーダーで最大半径550キロの全周を監視し、1機は対空ミサイルなどを誘導する。ワシントンD.C.の北東100キロ、陸軍アバディーン性能試験場に係留されている。

とのことで、200メートル以下の飛行が可能な日本の首相官邸とはまったく異なる規制がなされています。では、これに違反した航空機に対してはどのような措置が取られるのでしょうか。同じく小川和久さんのメルマガによると

防空識別圏の規則に違反し、地上の管制に従わない航空機があれば、アンドルーズ空軍基地から5分以内にF-16戦闘機が緊急発進する。低速の航空機に対しては、狙撃銃を搭載した沿岸警備隊ヘリがナショナル空港から発進することもある。最後の手段として、中高度・低高度の地対空ミサイルも配備されている。

空軍の戦闘機、沿岸警備隊のヘリコプターはおろか地対空ミサイルまでも配備されているとのことで、そのスケールの大きさからはアメリカという国の危機管理意識の高さがうかがえます。

そんなワシントンD.C.で……

これだけ厳重な規制が敷かれているワシントンD.C.上空ですが、今年1月26にはドローンがホワイトハウスの敷地内に墜落、さらに4月15日にはオートジャイロの連邦議会議事堂正面への違法着陸を許すなど、今年だけでも二度の大失態を犯しています。両機とも低速で飛行していたためにレーダーが捕捉できなかったことが原因とされていますが、小川さんはこれについて「意外な盲点が明らかになったことで、ワシントンD.C.の防空体制は抜本的な見直しを迫られることになった」と述べています。

翻って日本を見れば、首都上空の警備は手薄としか言いようがありません。強固な防空識別圏が設定されているワシントンDCでも上述のようなエラーが起きています。今回の首相官邸への”不審機の侵入”のような事件・事故を防ぐためにも、一刻も早い規制強化が望まれます。

info:NEWSを疑え!

AIIBというバスどころか21世紀そのものに乗り遅れてしまった日米の誤算

世界の大国が次々と参加を表明し、予想をはるかに上回る57カ国での船出となるアジアインフラ投資銀行(AIIB)。日米は参加を見送りましたが、ジャーナリストの高野孟さんはこの状況を「両国はAIIBどころか21世紀そのものに乗り遅れた」と厳しい見方をします。

AIIBの「運営が不透明」?とは戯言

『高野孟のTHE JOURNAL』Vol.182より一部抜粋

中国主導の「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」は、大方の予想だけでなく当の中国自身の思惑をも超えて、中東や欧州の多くの国々を含む57カ国を当初メンバーとして、今年中にも発足することが決まった。主要国の中で現段階ではっきりと不参加なのは米国とその属国の日本だけ(カナダは検討中)。「ニューズウィーク」4月14日号の特集が「アメリカの反AIIB工作は失敗に終わった。オバマ政権にとって、これまでで最悪の外交的失敗と呼べるかもしれない」と言っているのはその通りで、要は、米国が自らの衰退と中国の台頭という21世紀的な事態をどう理解し対処したらいいのか頭をうまく整理できないままオロオロ、バタバタしているうちに、米日のみが置いてけぼりを食ったということである。

米国の中には、親中=米中協力、対中=積極的もしくは消極的関与、反中=中国包囲網による共産党独裁解体促進と、大きな意見の分かれがあって、オバマ自身やブレジンスキーはじめ民主党系の外交政策マフィアは対中協力と積極関与の間くらいなのだろうが、キッシンジャーをカリスマとする共和党系外交政策マフィアは消極関与、共和党右派や軍産複合体勢力、それに世界民主化革命を夢みるネオコン残党などは反中・嫌中に徹している。TPPが構想からして間違っていたのは、アジア・太平洋で米国の輸出を倍増させることが目的であればその最大の輸出・投資先となるはずの中国を最初から巻き込むことは必須であるはずなのにそうしなかったことで、それはつまりは、本来は対中協調派であるオバマが反中・嫌中派に引き摺られて中途半端に陥ったためである。今回もまた同じ間違いが繰り返された。

日本の悲劇はもっと深刻で、本来であれば、21世紀の日本はどう生きるべきなのかという自分自身の考えに従って、米国がどうであれ自分の頭で考えて態度を決めなければならないのに、米国の顔色ばかりを窺って、しかも、共和党右派的な反中国路線が米国の主流だという誤った米国観に取り憑かれているために、中国からの熱心なAIIB参加要請を無視し続けてきた。米国にはまだいくつかの戦略的思考の争いがあるけれども、日本には戦略的思考そのものが不在であるという悲喜劇である。

>>次ページ 上海協力機構の15年

民主主義の終わりの始まり――「報ステ圧力問題」と日本のテレビメディア史

古賀茂明氏の「報ステ降板騒動」を契機に、にわかにクローズアップされている、“報道機関への政治圧力”の問題。新聞記者を経て、現在は全国の大学等でメディア論の教鞭をとるジャーナリストの柴山哲也さんは、日本のテレビメディアがいかにして誕生したかを知らないことには、この問題の真相は理解できないと語ります。

自民党の思惑は総務省判断に直結する?

今回は自民党議員集団がテレビ朝日やNHKの報道内容にクレームをつけていることに関し、政治圧力の背景の闇を分析したい。

電波は「公共=国民」のもので、電波が公正に使われているかどうか監視するのは国民の役割だが、政治家が国民に代わって監視している、というタテマエを使っている。

しかし、自民党は圧倒的多数を占める政権与党だから、自民党国会議員の思惑はそのまま政府行政権の反映されるはず。日本の電波の許認可権を持つのは総務省。総務大臣は与党の人だから、呼ばれたテレビ局の幹部は、ここでの査問が総務省判断に直結すると考えて、ビビりまくるのは当然のことだ。

日本のテレビが、英国BBCや米国CNNのような正統派のジャーナリスム機関なら、事実は曲げられないと、邪な政治圧力を跳ね返す力量もあるが、視聴率とスポンサーと政府の顔色ばかりうかがってきた日本のテレビ局幹部には、腰が抜けるほど恐ろしい出来事だったんではないかと推察する。同情と共に!

どうしたらいいか。テレビ局の腰抜け批判、キャスター批判、出演者の古賀茂明さんのパフォーマンスを批判しても、自民党が心を改めない限り、圧力はどんどん深まるに違いない。現に、最近のテレビはお笑い芸人のニュース解説あり、アイドルと笑いさざめく桜見会のアップ、グルメ、バラエティとウルトラエンタメに走っている。危険のない番組作りのために、ハイテンションで出演者たちが、ゲラゲラ笑って見せているが、彼らの目は笑っていない。何かを怖れている目だ。

しかし、血相を変えてテレ朝批判をしている自民議員は、間違ったことをしているという思いはないだろう。そこが問題なのだ。

>>次ページ 「波取り記者」と田中角栄のテレビ局支配

【佐世保バーガー】マクドナルド会長の弟が経営する噂のバーガー店を勝手に評価

佐世保バーガー食べ歩きで勝手に☆でランキング

Stamina本舗 Kaya 佐世保市大和町113-2

メルマガ『大原さんちの九州ダイナミック』を漫画家の妻・大原由軌子と共同配信しているライターの大原広軌です。佐世保バーガー食べ歩いて勝手に☆で評価する『ボーサセのガーバー』、今回は日本マクドナルドの会長・原田泳幸氏の弟さんが経営しているという噂のバーガーショップを勝手に評価します。

皆さん今年のお花見はいかがでしたか? 私ら一家は妻の姉妹両親甥っ子姪っ子という総勢12名で、自宅からほど近い旧海軍墓地で満開の桜を見てまいりました。

その際、せっかくだから佐世保バーガーを皆でいただこうということになり、義母が予約を入れてくれたというお店に二人、受け取りに向かったのですが……、市街地からどんどん離れ、到着したのは町工場が立ち並ぶうらぶれた地域。こんなところに食べ物屋があるのかと見回すと、ラジエーター屋の横に掘っ建て小屋が立っています。

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隣のラジエーター屋のシャッターが開き、中から奥崎謙三のような人間が出てこないかちょっとドキドキですが、あれはたしかバッテリー屋だったので大丈夫。そう自分に言い聞かせ、例のキャラクターを写真に収めました。

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店名は…、「Stamina本舗 Kaya」

Kaya?Kayaと言ったらジャマイカで大麻を指すはずでは?まさかパティにそういったものが練り込まれていて、一度食べたらブラックカレーを食べた時のような状態に陥ってしまうのでは!?などとウキウキしながら予約しておいたハンバーガーとフライドポテトを受け取りに掘っ建て小屋のカウンターに向かいました。

と、接客してくれたのは、20代と思しき女性。総茶髪でギャル風のメイクをバチッときめた、木下優樹菜ちゃんによく似た子と、ギャル曽根にそっくりの子です。

うわー、「なんすか」的な対応をされて気分悪くなるのかなーなんて一瞬思いましたが、真逆。とにかく驚くほど優れた接客態度なのです。義母がこのお店にこだわるのは、見た目と態度のギャップに心を打たれ、以来ご贔屓にしているからなのだとか。

ちなみにこちらのお店はテイクアウト専門店で、掘っ建て小屋の中は厨房があるのみ。

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ただ、上記写真のスペースで飲食するのは自由とのこと。

そして最近は人気急上昇らしく、昼食時には30分~40分待ちなどはザラなのだとか。そんなわけで行かれる方は事前に電話予約することをオススメします。

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さて、こちらが旧海軍墓地。佐世保市でも有数のお花見スポットということで、この日も平日ながら数組が宴を開いていました。

そんな人々を見守るがごとく立っている東郷平八郎元帥の直下でハンバーガーをいただきます!

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デカい。とにかくデカい。バンズのサイズは16cm~17cmはあるでしょうか。携帯電話と並べたショットを押さえておかなかったことが悔やまれますが、小学校4年生の長男坊の顔と比べていただければ、その大きさがお分かりになるかと思います。

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パティは若干薄めながら、それはきっと大きすぎるバンズと比べるからそう感じてしまうだけであって、ボリュームは満点すぎ。”Stamina本舗”と謳っているだけあって相当ガッツリしています。

いただいたのはオーソドックスな「ハンバーガー」だったのですが、写真の長男はボリュームがありすぎて食べきることができませんでした。

こちらのお店はフライドポテトの味にも定評があるとのことで同時購入したのですが、200円のМサイズとハンバーガーで私ですら満腹状態。ハンバーガー400円ですから、コストパフォーマンスは最高です。

これだけのサイズですから大味なのでは、とかぶりつく前には思ったのですが、佐世保バーガーの命でもあるレタスのシャキシャキ感もキープされていますし、ソースも甘すぎずスパイシー。質・量ともに他を凌駕する、これまでで一番のオススメといっても過言ではないバーガーです。ブラックカレー並みに癖になりそうで少々心配です。

というわけで「Stamina本舗 Kaya」、このコーナー始まって以来の最高点・星三つです!

info:Stamina本舗 Kaya

『大原さんちの九州ダイナミック』
著者:大原広軌(おおはら こうき)
1969年、東京生まれ。フリーランスライター、構成作家。代表作は『精神科に行こう!(文春文庫)』。妻は漫画家の大原由軌子。2011年、家族とともに妻の実家がある長崎県佐世保市に移住。現在は夫婦でメルマガを配信しつつ、様々なメディアに寄稿する日々を送っている。
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21世紀はアジアではなくユーラシアの時代!高城剛独占インタビュー第1弾

ISIS騒動に始まり、中国主導のAIIB、新興国の台頭、そして米国の衰退……、世界情勢は明らかにこれまでとは異なるフェーズに入っています。変わりゆく世界の中で日本はどう振る舞うべきなのでしょうか? そこでまぐまぐは、世界中を放浪し続ける高城剛さんに、これからの日本人が進むべき道を聞いてきました。ロングインタビューを受けるのは、なんと2年ぶりだそうです。日本の景気の真相、大勝した安倍政権が待ち受ける世界、音楽、食、テクノロジーの未来まで多岐に渡って語り尽くしてもらいました。

全4回にわけてインタビューを掲載します。第1回となる今回は、最新のアジア情勢や注目国について言及しています。

これからの一番注目な国はマレーシア

―昨年末の堀江隆文さんとの対談も読者からご好評をいただきましたが、今回は2015年に向けて、高城さんの世界の見方を聞かせて欲しくて、時間をいただきました。今回もお引き受けいただきましてありがとうございます。

早速ですが、2015年について高城さんはどういう年になると予想していますか? 昨年は朝活やサードウェーブコーヒーとか、高城さんが言ったことがズバリ流行りました。それと、今の生活から離れて、もっと”圏外”に行けるように準備しようよという提言も印象深かったです。

まさにちょっと前まで「圏外」にいました。つい二週間くらい前はカンボジアの無人島にいまして、そこは電気がない島で、もちろんネット環境もなければお湯も出ない。ただ、メルマガの発行があるので、発行の前日か当日の朝にネットがある港まで船で行って、書いてまた「圏外」の島に帰る。週に一回、買い出しと兼ねて、そんな生活をしていました。

―高城さんは世界中を飛び回っていますが、これから面白そうだなって一番感じている国ってどこですか? 最近はアジアの国々が着目されていますが。

絶対数が多い中国やインドは成長の踊り場があっても、それなりに経済発展が予想つきますが、文化的には東南アジアが今後面白くなるでしょうね。特にマレーシアで、続いてインドネシアでしょうかね。どちらにしろ、21世紀はアジアというより、ユーラシアの時代は間違いありません。

―マレーシアの話はあまり日本国内では話題に上りませんが、どのような点が特別なんでしょうか?

マレーシアは他民族国家ですが、基本的にイスラムなんです。だから今アメリカと良くも悪くも距離がありますし、大きな人口を持つインドネシアを文化的に牽引できる可能性があります。また、いま世界的に問題になりつつある中東とアジアを上手につなぐことができるとしたらマレーシアだとも思いますね。21世紀はイスラム人口が爆発的に増え、「文明の衝突」が起きるのは間違いありません。東南アジアを見ればインドネシアもタイの南部もイスラムです。それらをつなぐのが平和的で文化があるマレーシアが有望で、今後アメリカの衰退とともに面白くなる国だと思います。日本と違い、明確にアメリカと距離を置け、中東のように好戦的ではなく、しかも今勢いがある東南アジア。面白い国ですよね。なにしろ、世界はいま「接続性」に悩んでいるんです。グローバルといっても、イスラムと上手く接続できていないのは明らかです。今後、あらゆる「接続性」の問題が浮上するでしょう。「接続性」は、大事なキーワードですね。

マレーシアのクアラルンプールに行くと、「反グローバルモール」っていうのがあるんです。モールって世界中どこでも一緒ですよね。スターバックスやスワロフスキーがどこでもある。反グローバルモールっていうのは、そのようなグローバル・チェーンがひとつも入ってないんです。クアラルンプールで一番人気で巨大なモールなのに、聞いたことがない服屋や家具屋しかない。地元のすごい美味しいけれど、ボロボロのラーメン屋を綺麗にデザインして入れたりして、女性にも大人気です。時代の落とし込み方が上手です。そのモールには、ローカルのサードウェーブコーヒーの店も何店も入っていますが、スターバックスはありません。そういう一般的な世界標準から外れたイスラム圏、マレーシアとかインドネシアとかタイの南部とかはいま面白いですよ。同じアジアだし、イスラムの文化を理解する必要が世界の誰にもありますからね、いま。

じつは、アジア通貨危機が起きた時にIMFの協力をマレーシアは断りました。韓国はIMFの言われるがままになって、その後経済はボロボロになり、海外移住者が増え、いまや7人にひとりの韓国人は海外居住になっています。マレーシアはIMFを拒み、自分たちで再建しました。そのことで、英米メディアからすごく叩かれたんです。でもちゃんとその後もやっているわけですよね。それを、いまのギリシャはお手本にしようとしている。だからマレーシアのような、ポストグローバルとリージョンを軸にした新しい動きに個人的に注視しているんです。そろそろ、次の社会を本気で考えねばいけない時期なんだと感じています。

そんなことを考えながら、最近、僕は世界中の南の島を回っています。いうまでもなく、僕ら日本人は良くも悪くも島国メンタリティーを持っているのですが、でも今は、近代化しすぎちゃって島国育ちであることをほとんどの人が忘れてしまっているように思います。このまま日本がもっと衰退したり、もしくはなにかをきっかけに初心に戻ることがあるなら、言葉だけの「オールジャパン」や「サムライ魂」じゃなくて、具体的なシステムを考える必要が生まれるはずです。世界の果てにあるどこかの島国は、もしかしたら日本の未来像かもしれないので、次の社会を理解するヒントがあるのではないか、と思って考えながら、仕事の合間にあちこち出向いています。島国って本当に閉鎖的で、閉鎖的内需というか自給自足というか、それでいて素晴らしいところが多く、学ぶことがたくさんあるわけです。言い換えれば、いまのグローバルシステムに変わるのが、もしかしたら「南の島的ポジティブなガラパゴス・システム」ではないか、とも考えています。適度に開かれたね。

今マレーシアとかタイ南部とかイスラム圏の島国に行くと、面白いことにやたらスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、ロシアの人がいっぱいいるんです。プーケットといったわかりやすい観光地ではなく、アジアの辺境の島にいるんです。そんなところに来ているヤツはよっぽど変人で、僕と気が合いますね(笑)。そういった変人は以前はイギリス人が多かったんですけど、今は北欧とロシア人ばかりです。これは、世界が多様化しつつある傾向だと感じています。グローバリゼーションの次を探して、ついでに楽しんでいる人が、実は世界にはいっぱいいると実感します。

―北欧とかロシアの人がそんなに世界を回っているなんてイメージはなかったです。

そうかもしれないですね。でも、そんな変わり者が辺境の地でひらめいて、その後帰国して、新しい会社や文化や製品とかができるわけですよね。カリフォルニアからインドに大勢の人が流れていって、その中にスティーブ・ジョブスみたいなのがいたわけですから。時代の流れをわかっている変人が、あたらしい製品や社会を作るんです。SNSやカンファレンスからは、革新的なものはなにも生まれません。とんでもない場所に来ている変わり者の奴らが国に戻って、新しいカルチャーが生まれるのは、いまも昔も同じだと思いますよ。最近、カリフォルニアのITから突出した製品やサービスが出ないのは、小利口な人ばかりになってしまったからでしょ。世界を変えるって、日本の雑誌とかの表紙で見るけど、本当はもっとアナーキーなことじゃないですか。雑誌の特集になるわけがありません。いつも体制を疑問視し、なんとかアクションしようとしている問題がある人間ばかりで、ピカソの時代もビートニックも、そうだったと思います。ITの源流もその次も本当はそこにあるのです。

また、アメリカが、というよりアメリカ的なやり方が衰退するのは、もはや規定路線のように思いますが、その次の世界がなかなか見えません。いま、世界で起きていることは、インターネットのようなシステムと中央集権システムが合わないことに起因すると僕は考えています。その混乱をついて、市場経済システムが台頭してきたと思いますね。

———— このインタビューの全編は—————

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著者:高城 剛
コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。ファッションTVシニア・クリエイティブ・ディレクターも務めている。毎週お届けする『高城未来研究所「Future Report」』では、今後世界はどのように変わっていくのか、私見と俯瞰的視座をあわせてお届けします。
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最高裁で逆転判決!子供が蹴ったボールでバイク事故、親の賠償責任認めず

道路に飛び出したボールを避けようとしたバイクが転倒してしまい重大事故に……。ボールを蹴った児童とその両親に対し損害賠償を求めた訴訟の最高裁判決が、先日出されました。親の監督義務はどこまで及ぶかが、大きな争点となったこの裁判。弁護士自らが監修する無料メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』では、逆転判決となった最高裁の判断について、詳しく解説しています。

親の監督義務をめぐり、最高裁で逆転判決。その理由は?

校庭から飛んできたサッカーボールを避けようとしたバイクの転倒事故で、サッカーボールを蹴った当時小学生の男性及び両親に損害賠償を求めた訴訟の最高裁判決が、2015年4月9日に出されました。今回はこの判決について見てみたいと思います。

事故は、2004年に起きました。オートバイに乗った80代の男性が、少年が蹴って、小学校から飛び出したサッカーボールを避けようとして転倒し、足を骨折しました。事故によって寝たきりとなった男性は、入院直後に認知症の症状がでて、約1年4か月後に肺炎で死亡しています。その後2007年に、遺族は約5,000万円の損害賠償を求めて提訴しました。

1審では、「蹴り方次第でボールが道路に飛び出すことを予見することができた」と少年の過失を認定して、事故と死亡の因果関係についても、因果関係はあるとしています。その上で、少年の両親には監督責任があるとして、1審では約1,500万円の損害賠償の支払いを命じました。

2審でも「ボールが飛び出さないよう注意する義務があった」と同様に過失を認めて、因果関係も認め、両親についても「本件ゴールに向けてサッカーボールを蹴らないよう指導する監督義務がある」として監督義務を認め、約1,100万円の損害賠償の支払いを命じました。

監督義務とは、民法上の不法行為を行った者に責任能力がないために不法行為責任を負わない場合において、その者が第三者に対して加えた損害を、その者を監督する義務者が賠償する責任のことを言います(民法714条1項)。不法行為における未成年者の責任能力については画一的な基準は存在しませんが、一般的に12歳位を基準に責任能力が判断されているようです。未成年者の監督義務者は親権者と定められています(民法820条)。

最高裁では、両親の監督義務について争われました。最高裁は、少年が本件ゴールに向けてサッカーボールを蹴ったことは、通行者に対しては危険を有する行為であったとした上で、

1.少年の行為は開放された校庭の日常な使用方法として通常の行為であること
2.本件ゴールに向けてボールを蹴ったとしてもゴールの設置された場所やフェンス等の関係からボールが常に道路にでるという状況ではなかったこと
3.事故は少年が殊更道路に向けてボールを蹴ったといった事情もない

としています。

その上で、責任の能力のない未成年者の親権者は、直接的な監視下にない子の行動について、人に危険が及ばないように注意して行動するように日頃から注意監督する義務があるが、問題となったサッカーボールを蹴った行為は、上の1~3の各事情から、通常は人に危険が及ぶような行為であるとは言えず、このような場合は、その行為について具体的に予見可能であるなど特別な事情が認められない限りは、監督義務を尽くしていなかったとすべきではない、としています。

本件では、特別な事情も認められず、少年の両親には監督義務違反はないとしました。

子供を持つ親御さんにとってはかなり気になっていた判決のようで、この判決に対しては反響が多く、インターネット上でもかなり話題となっています。そもそも、事故と死亡の間に本当に因果関係があるのかという疑問も多く出されているようです。

また、今回監督義務者の責任が認められないことで、被害者側の救済に欠けるのではないかという意見もあります。かなり特殊な事例といえますので、親の監督責任が問題となる場面で、この判決が適用されるかについては、今後の判例の積み重ねを待つしかないようです。

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