日本の「女子プロレス」に魅了される外国人。何に心を奪われたのか?

1980年代から90年代にかけて、日本に一大ブームを巻き起こした女子プロレス。現在は大手が解散し、複数の小規模団体が興行を行っており、静かな人気を保っている。海外メディアは、プロレスが持つドラマや興奮に憧れて、日本でレスラーとなったアメリカ人女性の目を通し、日本の女子プロレスの魅力や課題を伝えている。

女性が宙を舞いぶつかり合う。プロレスに衝撃

31歳のクリスは、外国人として初めて、日本でキャリアをスタートさせた女子プロレスラーだ。ウェブ・メディア『Broadly.』によれば、彼女はフリーの写真家としてサンフランシスコで働いていたが、20代後半のときに休暇で来日し、そのまま帰国することなく英語教師となった。

友達に勧められて見た「小さな女性たちがキラキラのコスチュームを着て宙を舞い、互いを投げ合い膝蹴りを食らわす。だけど誰も死なない」という、「アクションスターのような」女子プロレスのビデオに衝撃を受けた彼女は、女子プロレス団体「スターダム」に入団し、2014年8月にクリス・ウルフとしてデビューを果たした。ウルフはリングネームで、オオカミの頭としっぽを付けたコスチュームを着用しており、「飢えた黒い狼」のキャッチフレーズも持っている。

貧乏、文化の違いも乗り越える。プロレスは夢だ

ウルフ選手は入門後、トレーニングに集中するため英語教師をやめ、住まいを他のレスラーとシェアし、貯金を取り崩して生活。電車代を節約しようと、稽古場まで4時間かけて歩く日もあった。「先輩には話しかけられるまで口をきいてはならない、先輩が帰るまで残って片付けをする、先輩より30分前に集合する」など軍隊のような日本の女子プロレス界の厳しい上下関係も受け入れた(ロイター)。試合の後には、ファンとビールを飲みに出かけるなど、リーグのスターとしてのサービスにも努めている(カナダCBCニュース)。

毎週の興行で稼ぐのは250ドル(約2万6000円)ほどだが、プロレスをするのは「かっこいいから」で、お金は問題ではないとウルフ選手は話す。彼女は、女子プロレスという体と体のぶつかり合い、汗、派手なコスチュームに自分の夢を賭けたのだとロイターは伝えている。

内気な女性が爆発!プロレスは解放だ

インドのウィーク誌は、日本の職場での男女格差は伝統的に大きいが、女子レスラーたちはその慣例に挑戦していると述べる。同誌は1970年代以降、女子プロレスは多くのスターやアイドルを誕生させたとし、彼女らの筋肉モリモリの見た目と身体能力が、日本の厳しいジェンダー規範への挑戦を助けてきたとしている。ワイルドできらびやかなコスチュームと並はずれたキャラが、スポーツ・エンタテイメントの演出と言われればそれまでだが、それでも彼女たちにとっては、リングは神聖な場所であり、社会のしきたりを振り払う場所であると説明している。

『Broadly.』のライター、ルーク・ウィンキー氏は、アメリカでも女子プロレスの「泥レス」や「ブラ&ショーツマッチ」は過去のものとなり、より本格的なものに移行しているものの、顔面への大振りパンチや危険な投げ技などをもろに受ける選手はおらず、荒っぽさでは日本は世界一だと述べる。また、細部に気を配ったリアリティ番組的なアメリカのものと違い、日本の女子プロレスにはシナリオはあるが自由もあり、女性がスポーツへの情熱を思う存分表現できる場だとしている。

ウルフ選手は、「普段は優しくて内気な選手が、リング上で感情を爆発させる場面を何度も見た」と話しており、控えめで可愛いことを女性に期待する日本では、荒々しい乱闘が多くのレスラーにとってのはけ口なのかもしれないと述べている(ロイター)。

男性ファンのためのもの?興行的成功には仕方ない

女子プロレスには女性の解放という側面もあるが、興行側からすれば金儲けであるのも事実だとウィンキー氏は指摘する。暴力や残忍さたっぷりの、女同士の絡み合いが見られる唯一の場所というのがビジネスモデルであり、性的にもギリギリの線だという同氏は、会場を埋め尽くす男性ファンが、その事実を物語ると説明する。女性の有り余るエネルギーの解放を促す場が、いやらしいお金のための見せかけと思われるのはフェアではないが、男の視線を振り払うのは容易ではないとも述べている(Bloadly.)。

来場する男性のフェチ(性的嗜好)の対象となっていると感じたことはあるかと尋ねられたウルフ選手は、「それについてはよく考える」と答えたが、「短いスカートでお尻が見えていればカメラはよって来るもの」と割り切っているようだ。

ウルフ選手は、ろっ骨への強烈なキックの中にある純粋さに、夢や希望、生きる力を湧き立たせるものを見つけたのだとウィンキー氏は述べる。辛さに堪えるのは自分の求めるものを得るためという彼女は、「自分と日本の女子プロレスは夫婦関係のトラブルを乗り越えたカップルのようだと感じる。ホントにこれでいいの?って自分に聞いてみる。多分常に愛し合っているわけではないけど、なんとか折り合いをつけてきた。だって一緒にいることは、価値あることだから」と、プロレスへの愛を語っている(Bloadly.)。

(山川真智子)

image by: WikimediaCommons

 

記事提供:ニュースフィア

目を凝らして美に浸る。銀座「画廊の夜会」レポート

画廊を巡る、ということ

普段アートや美術作品に触れる場所と言えば、美術館をイメージする方が多いのではないでしょうか。美術館は作家や時代、みどころなどが示されていて、気軽に観に行きやすいですよね。

今回、画廊を巡って美術作品に触れる「画廊の夜会」にお邪魔してきました。画廊を巡ることは、多くの方にとってなかなか馴染みのないことだと思います。

5月27日に行われた「画廊の夜会」は銀座ギャラリーズという、銀座で定期的にアートイベントを開催している任意団体の主催で、2004年から始まり毎年5〜6月に行われています。画廊に対し、「入りづらい」「敷居が高い」と感じている人も、ギャラリストや作家と交流したり、気軽に作品が楽しめる企画となっており、画廊を身近に感じられる機会になっているとのことです。普段は日中にオープンしているのが一般的ですが、このイベントでは開催時間が17:00〜21:00なので、夜会というネーミングになっています。

今回は、美をテーマに仕事をしている田中美那がレポートいたします。

普段は食生活を中心に皆さんのサポートを行っていますが、今回は私もアートに触れてより目を養おうと思い、参加させていただきました。

 

 

テーマ別のギャラリー巡り

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画廊の場所がわからない、ひとりで入りにくいという方のために、テーマ別にギャラリー巡りツアーを実施されていました。

A:眼を凝らして美に浸る

B:個展で多彩な技法を鑑賞

C:キーワードは“歴史”

D:描写力に注目!

E:現代アーティスト十人十色

以上、5コースがあったのですが、私は「美」とついたAに参加しました。

Aコースは4軒のギャラリーをまわりました。

 

1軒目「銀座 黒田陶苑」

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銀座 黒田陶苑さんは元々北大路魯山人の作品の専売店だったそうです。

実際、魯山人の作品も見せていただきました。

現在は若手作家・今井完亮の新作展を開催しておられます。

陶器で出来ているとは思えない繊細なお花など、とても素敵です。(残念ですが、撮影は不可でした)

同じツアー参加者の方で購入された方もいらっしゃいました!

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和田さんと記念撮影

2軒目「表玄」

 

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もともとは京都で創業されたそうで、作品も京都のものが中心とのこと。

内装が和風で凝っていて扉を閉めると、銀座の街の喧騒が消え静かに時を過ごせます。

奥には畳と床の間があり実際部屋に飾る際のイメージができます。

ゆっくり作品を鑑賞して寛げる雰囲気となっています。

表玄さんでは絵画を引き立てる照明について教えていただきました。

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金子さんが説明してくださいました

3軒目「万葉洞みゆき店」

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万葉洞の関谷さんと撮影

ビルの2階にあるのですが、万葉洞さんも同じく奥に畳の間と床の間があり室町時代の書が飾られていました。

お客様の中にはお茶を飲みながら長時間鑑賞される方もいらっしゃるとか。居心地がとてもいいので、納得です。

この日、Etherジュエリー展が開催されており、繊細なジュエリーの作品を見ることができました。とても可愛らしい印象でちょっと欲しくなりました!

女性の方で、時を忘れてずっと見入っていた方もいらっしゃいました。

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Ether(エーテル)の田村謙一さん(左)と関谷晶子さん(右) 3人で記念撮影

4軒目「靖山画廊」

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私達が着いた時は、すでに振舞い酒も始まっていて熱気ムンムンでした!

現在は入手困難な作品の作家さんが集ったグループ展が開催されていました。開催までいろいろと調整があったようで、こちらは構想から5年かかったそうです。

十人十色、様々な作品が多く並んでいたので、アート初心者の方は靖山画廊さんでアートデビューするといいかもしれません。

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オーナーの山田さんは素敵な方で気さくに話してくださり、画廊にも入りやすい雰囲気です。

「お気軽に~」とおっしゃっていました。

今まで銀座には幾度となく行っておりましたが、今回ギャラリーツアーに参加してみて、初めてギャラリーがたくさんあることに気づきました。

美しいものに触れると心が和みます。

銀座にお買い物ついでにふらっとギャラリーに立ち寄ってみるというのも素敵だなと思いました。

次回、銀座ギャラリーズさんのイベントは、10月29日に「アフタヌーン・ギャラリーズ」、12月9日〜17日に「Xmasアートフェスタ」と、毎年開催されているイベントが控えています。

画廊の夜会HP

文:田中美那

地震で被災、一番困るのはトイレ。あらかじめ備えておくべき物とは?

地震大国・日本に住む私たちにとって、災害対策はどれだけしてもこれで充分、とはいかないものです。意外な盲点となるのがトイレ対策、というのは無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者・廣田信子さん。東日本大震災時、10日に渡りトイレが使えなかったというご自身の経験を元に、一般家庭が備えておくべき対策グッズなどについて記してくださっています。

地震対策の要はトイレ対策

こんにちは! 廣田信子です。

大地震発生時の備えで一番大切なものは…と聞かれたら、迷わず、「トイレ対策と答えます。私自身が、東日本大震災時には、10日間トイレが使えない生活の体験者ですから、切実にそう思います。

大震災では、給水がストップしてしまうだけでなく、排水ができなくなることも想定しなければなりません。よく、お風呂の残り湯を捨てないでトイレの水に使うという防災対策を耳にしますが、排水そのものができなくなると、水があっても流せないのです。まさに、私たちが浦安で体験したのはその状態でした。

トイレの重要性は、私はもちろん他の防災関係者もいろいろな媒体で伝えていますので、マンションの防災担当の方の間にはだいぶ浸透したかな…と思いますが、実際にお話を聞いて、まだ理解が浅いな…と感じることが続きました。

まず、マンションで、災害用の仮設トイレを購入したことで、トイレ対策ができている…と思っている方もいますが、それでは甘いのです。屋外に設置された仮設トイレをみんなで使うという状況は実際に体験してみないとわからないでしょうが、そんなにたやすいことではありません。

需要を満たすことも、プライバシーを確保することも、衛生状態を保つことも、汚物の処理も、簡単にはいきません。後ろに人が並んでいる状態でトイレを使うというのは、かなりのプレッシャーです。避難所で体を悪くする人が出るのも、トイレを使えないことが原因になることが少なくないのです。マンホールの上にトイレを設置して、そのまま下水管に汚物を落とすという方法も、排水管がつまって、水が流れない状態では、連続使用は難しいと思います。

また、エレべ─ターが止まっていたら、高層階の人はトイレの度に階段で1階に降り、戻るということを繰り返さなければならないということです。電気が止まってしまったら、夜中に真っ暗な非常階段を行き来しなかればならないのです。

欧州で「おにぎり」ブーム。1番人気は謎のアボカド・パクチー・ライム

「おにぎり」は日本のソウルフードのひとつと言っても過言ではないでしょう。幼い頃は母親のお弁当の定番であり、社会人になってからはコンビニで手軽に買えるファストフードとしてずっと日本人の身近にあったおにぎり。そんな「おにぎり」ですが、日本から遠く離れたヨーロッパでも親しまれ始めているようです。

おにぎりを見事にカスタマイズ。ドイツのおにぎり屋さん事情

ドイツのベルリンの駅構内に設置されたおにぎり屋さん「rice up (ライス・アップ) 」が、いま若い女性を中心に人気なのだそう。

中でも1番人気は「アボカド&コリアンダー&ライム」おにぎり。

コリアンダーとは、そう、パクチーのこと。

アボカドといえばマヨネーズで和えるのが定番ですが、ライムでさっぱりと仕上げた味も、何だか美味しそうですよね。

もともとジャーナリスト・カメラマンだったトーステン・ロイター氏とアレフ・カルバート氏が開いたこのお店のメインターゲットは、在住邦人ではなくドイツ人。

仕事での数回の来日を経て、ベルリンでのおにぎり需要の可能性を感じ、2011年にrice upを開店させました。

食に関する冒険心が少ないというドイツ人好みの具材をアンケート調査や試食を重ねて開発し、使用する食材はすべて無添加というのが人気の理由とのこと。

素材にこだわり、手軽に取り入れられる健康食としてアピールしているようです。

確かに私もアメリカで出会った多国籍の人達に何度か和食について聞いたことがありますが、みんな口をそろえて「日本食はヘルシーだ」と言っていました。

和食の持つヘルシーさが、ドイツでも健康志向が高く美容に気を配る女性にウケているのでしょうか。

和食の魅力を世界にアピール、日本の海外戦略

他にも、パリでは日本の弁当をモチーフにした、その名も「NEO BENTO」が話題だったり、イギリス発のおにぎり屋「wasabi」がアメリカにも支店を展開するなど、ますますその勢いを増しているように見える和食。

2013年にユネスコ無形文化遺産へ登録されたことも、このブームの大きな要因と言えるでしょう。

寿司やラーメンは海外でもすっかりおなじみですが、おにぎりの知名度はまだまだ。

最近では日本国内で「おにぎり協会」なるものが発足し、「日本が誇る『ONIGIRI』を世界の共通語に」をスローガンに活動に取り組んでいます。

 

歩きスマホは罪になる?ポケモンGOで遊ぶなら知っておきたい法律集

7月22日の国内リリース以降、話題にならない日がないポケモンGOですが、トラブルのニュースも後をたちません。無料メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』では、「ポケモントレーナーがプレイ中に破ってしまう可能性のある法律」が紹介されています。よーくお読みになり、マナーを守って楽しんでくださいね。

ポケモンGOを始める前に注意しておきたいこと

今回はゲームを楽しむためにも注意しておきたいことについて見てみたいと思います。

日本に先駆けてリリースされた地域の情報によれば、ポケモンを捕まえるためにいろいろな場所に立ち入るそうです。このようなゲームのシステムの場合、私有地等に勝手に立ち入ってしまうことが問題となる場合があります。刑法130条は、正当な理由がないのに人の住居(住居若しくは人が看取する邸宅、建造物、廃墟等)に侵入した場合に、住居侵入罪が成立すると規定しています。マンションの共用部分なども住居侵入罪の対象となります。住居侵入罪の法定刑は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金と定められており、未遂も罰せられます。

似たようなゲームで「Ingressイングレス)」というものが流行しているときには、神社等でお参りをするわけでもないのにずっと滞在している不審な人がいて不快である、と問題になったことがありました。ゲームのシステムは、この辺りに配慮して作られていることとは思いますが、夢中になってしまってつい…ということもあります。トラブルになりかねませんので十分に注意しましょう。

また、もう一つ問題となりそうなものとしては、自転車を運転しながら、歩きながらゲームをすることが挙げられます。

自転車を運転しながらスマートフォンを使用することは、道路交通法によって禁じられています。道路交通法は、自転車による危険な違法行為として「安全運転義務違反」という項目を定めており、スマートフォンを操作しながらの運転はこの項目に該当します。道路交通法の違反で3年に2回摘発された運転者は、自転車運転者講習(受講手数料5,700円)を受講することが義務付けられています。受講命令に従わなかった場合は、5万円以下の罰金に処されます。

突然の冷や汗、めまい… それって貧血じゃなくて「低血糖」かも

朝食を抜いて仕事へ出かけたり、残業で遅くなったものの何も食べずに満員の通勤電車で帰宅。

そんなとき、特に体調が悪いわけでもないのに急に全身の血の気が引いたようになり、冷や汗やめまいが生じてしゃがみ込んでしまう…。

こうした症状があった時、とくに女性の場合はまず貧血が疑われますが、血糖値が正常の範囲を超えて下がってしまう「低血糖」を起こしている可能性もあります。

低血糖とは、一体どのようなものなのでしょうか。

低血糖症とは?

 血糖値とは、文字どおり血液中の糖分(ブドウ糖)の濃さをあらわしており、70~120mg/dlぐらいが一般的な正常値です。これが、60~70mg/dl以下に下がってしまった状態を低血糖といいますが、年齢・性別や体質、妊娠の有無などによって、基準値より血糖値が下がっても特に症状が出ない場合もあります。

一般的には、低血糖はおもに糖尿病患者が起こしやすい症状としてしられています。

これは、インスリン注射や血糖降下薬による治療を受けている人が、空腹時などに薬が効きすぎて、血糖値が下がりすぎてしまうことによるものです。

しかし、欠食などの偏った食生活、糖分の摂りすぎなどにより、健康な人や子どもでも低血糖を起こしやすくなっている人がいます。

これは、糖分を多く含むお菓子やジュースを摂る→急激に血糖値が上昇する→体が血糖値を下げるホルモンであるインスリンを分泌して血糖値を正常に戻そうとする、というサイクルによるものです。

これ自体は人体の正常な働きなのですが、多量の糖分を摂取して血糖値が急上昇→インスリンを分泌して血糖値を下げる、という反応をしょっちゅう繰り返していると、すい臟の働きが乱れ、なんでもないときにインスリンを分泌したり、少量の糖分に過剰反応してインスリンを必要以上に分泌するという事態が起こってきます。

これが、近年問題となっている低血糖症のメカニズムです。

感情の不安定も問題に

 低血糖の状態になると、上記のように空腹感やめまい、ふらつき、冷や汗といった症状を感じるほか、「ボーッとする」「やる気がでない」「イライラする」「感情のコントロールができない」といった、うつ病に似た症状が起こる場合もあります。

そう、「お腹がすいてイライラする」というのは、まさに低血糖の症状ですね。これは、低血糖になると「攻撃ホルモン」といわれるアドレナリンが大量に分泌されることが原因。

このように、低血糖は人間の精神の健康にまで影響する症状なのです。

また、最近ではお菓子やジュースの摂りすぎによる子どもの低血糖症も問題となっており、低血糖が集中力の低下や落ち着きのなさ、キレやすさの原因となっているという指摘もあります。

低血糖の対処法は?

低血糖の対処法としては、昔から「アメやクッキーなど効率よく糖分を摂取できるもの」を用意しておくとよいといわれていますが、この方法には、こうしたお菓子を手元に置く習慣をつけると、つい手が伸びて食べすぎてしまうという欠点があります。そのため、低血糖には、お菓子よりも薬局やドラッグストアで売られているブドウ糖のタブレットをいつもカバンにしのばせておき、症状が出たときのみ摂るようにするとよいでしょう。

低血糖になりやすい体質を改善するには、普段からお菓子やジュース、菓子パンなど糖分を多く含む食品を摂りすぎないように注意することも大切です。

また、見落とされがちなものとして、ブラックや微糖タイプ以外の缶コーヒーや、エナジードリンクがあります。これらは多量の砂糖を含んでいるだけでなく、毎日飲む習慣がある人も多いため、自分が「イライラしやすくなっている」と感じたら、思い切って飲むのをやめてみるのも心身の健康のためには良いかもしれません。

自分へのご褒美としての「甘い物」もときには必要ですが、くれぐれも食べ過ぎには注意して、習慣にならないように気をつけることが大切です。

執筆:Mocosuku編集部
監修:岡本 良平(医学博士、東京医科歯科大学名誉教授)

image by: Shutterstock

 

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記事提供:Mocosuku

二日酔いに特効薬はあるのか。科学者に聞いてみたら意外な答えが

ビールが美味しい季節になりましたが、調子に乗って飲み過ぎると次の日襲い来るのが「二日酔い」。特効薬があればうれしいですよね。無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』の著者で科学者のくられさんが、そんな薬を紹介してくださっていますが…、悪用厳禁とのこと。一体、なぜ?

暮らしと科学:酔いにまつわるクスリ

アルコールで酔っ払っているときは楽しいものの、次の日になると二度と飲むまいと後悔する二日酔い。そんな「酔い」に関係するクスリをまとめてみた。

まずは、二日酔いを悪化させる薬。なんの需要があるんだと言われそうだが、アルコール依存症に向けて使われるシアナミドという薬剤(商品名はシアナマイド)は、アルコールの代謝経路の最後のアセトアルデヒドから酢酸への変換を邪魔するクスリで、少量のアルコールでも血中にアセトアルデヒド(二日酔いの原因)が大量に残り、凄まじい不快感を残します。しかしこの程度でアル中がアルコールをやめることがないことからもアル中は実は笑えない薬物依存症といえます。

次に、すぐに酔っ払ってしまう…それをなんとか遅らせることはできないだろうか…これが実はできてしまう。その薬とはH2ブロッカー。なんのことはない、胃薬であり、現在薬局でも売られているH2ブロッカーは何故か胃からのアルコール吸収を阻害する(厳密には胃壁内のアルコール分解酵素を阻害するとされているが、詳しくは不明)。ともあれ1時間程度の酔いはじめのズレが起こることがある。しかし、アルコールの回りがあまりに遅くなるが、あくまで吸収が遅くなるだけなので、まとめて後で来る…ということは急性アルコール中毒で一撃死の可能性があるなどよいことは何もないのでオススメは当然できません。

信長から学ぶ、企業「戦国時代」統一のための正しい「仕事の流儀」

社長であれば社員を、上司であれば部下を正しく導くため、「マネジメント」を学ぶことはある意味当たり前と言えますが、実は戦国武将も自らの兵を率いて戦に勝つため、マネジメント能力を磨く必要がありました。無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』の著者・浅井良一さんが、織田信長を例に「正しい仕事とは何か?」を考えます。

正しい仕事の話

織田信長が「天下布武」の端緒を開くのは、永禄3年(1560年)尾張国桶狭間で行われた今川義元との合戦に勝利したことによります。そのときの兵力は義元が2万で、一方の信長の兵は10分の1以下のわずか2,000でしかなかったのは誰もがよく知るところです。毛利元就も、数倍する敵を天文24年(1555年)厳島戦で破っています。

寡兵で数倍する敵を打ち破る賭けは敵の虚をついてなした快挙ですが、命がけのぎりぎりの計算のうえでなされた行動でしょう。毛利元就は孫氏の兵法をはじめとする兵学書を徹底的に読み浸っていたそうで、信長は兵学書を読んでいないような雰囲気があるのですが「うつけを演じた様子などは楚の荘王の故事そのままです。

兵法書はマネジメント書に通じるものですが、生き死の修羅場を経験してきた武将にとってはその理解は「生もの」の知識だったと思われます。戦国武将にとって、戦に勝つことは命がけの成果です。しかし、この戦を行うこと自体は成果を得るためには下策であり、調略などの兵を損じない手立てこそが上策と言えます。

事実、信長にしろ元就にしても、合戦は「苦肉の策」で勝利後は勢力拡大のために手法は違うものの周辺の武将の取り込みに全精力を傾けています。ここで確認しておかなければならないのは命を懸けての「大ばくち」の目的ですが、それは周辺の武将が自身の保身と領地の保全のために駆け参じて来る「成果」がもたらされる「効用」があると見越してのことです。

大きな成果を実現させるには、いつの時代にも飛躍をかけた「大ばくち」つまり最大の成果を得られるための知恵を絞った仕事が必要です。今も、原理は同じで「画期的で顧客が喜ぶ」「未だ誰も行っていない」「初めて」の「仕事」を実行しなければチャンスはありません。「活動」は「成果」が実現できる「効用」があるからこそ実行するものです。

「仕事」のあるべきあり方とは「成果」つまり現在では「顧客満足」させる「効用」があり「従業員満足」も併せて実現させられる「活動」とします。もちろん、顧客の欲求は少なからずやってみなければ分かり得ないものであり、さらに「競争」と「変化」がその困難さを加重させます。だからこそ、正しい仕事の意味の理解は経営者にとっての基本教養です。

大前研一「位置情報3.0の効率化。アマゾン物流からゴルフ場芝刈りまで」

【連載第4回】スマートフォン、SNSの普及に加え、測位技術の発展、さらにはドローンなどの新技術出現によって「位置情報ビジネス」が飛躍的に進化している。そう、世界は今「位置情報3.0」時代に突入しているのだ。 本連載では位置情報を活用したビジネスを取り囲む様々なテクノロジーの現状を大前研一氏が解説します。

位置情報3.0時代の業務効率化とは

コマツの位置情報活用サービスの広がり

前章では、位置情報がさまざまな分野に影響を与えることをお伝えしました。では具体的に、どのような事業において改革が起こっているのでしょうか。その具体例に迫っていきたいと思います。

建設機械のコマツ(小松製作所)は、かねてよりGPSを使った建機のポジティブメンテナンスを行っています(図-10)。
「KOMTRAX」と呼ばれる車両管理システムにはGPS、通信システムが装備されており、車両内ネットワークから集められた情報やGPSによって取得された位置情報が、通信システムからデータサーバに送信されます。

サーバに蓄積されたデータはインターネットを通じて、建機使用者(顧客)やコマツの販売代理店などに提供。このシステムによって、保守管理、車両管理、稼働管理、車両位置確認などユーザーの車両管理業務をサポートしています。

中国では、建機のローン支払いが途中で止まると、建機を動かないようにしてしまう、あるいは盗難にあった場合にエンジンを止めると同時に場所を特定する、といったことにも利用しているようです。

さらに最近では、建設・土木現場の施工作業を支援するスマートコンストラクション「KomConnect」というサービスも拡充させています。
ドローンや3Dレーザースキャナーなどを使ってあらかじめ現場を3Dモデル化し、さらに完成図面も3Dデータ化。土質・地下埋没物などのリスク調査や解析、施工計画の立案を行い、ICT搭載建機を使ってシミュレーション通りに施工していく、というものです。

工事費の削減に繋がることなどから、公共工事においてはこうした手法が必須となっていくことが予測されますので、今後、建設機械分野では取り入れていかざるを得ないでしょう。

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図-10 コマツの位置情報システム

GPS搭載の農機から、いずれは自動田植え機まで進化

農業建機などの製造・販売を行うヤンマーは、「スマートアシスト」というシステムを開発しています(図-11)。

これは、日本の農業従事者の多くがシニア層であることも考慮し、トラクターやコンバインにGPSやセンサーを装着し、農機の位置や稼働情報を遠隔管理することで、農場経営をサポートするものです。

作業内容をログで取っておき、例えば、1年前の×月×日にこんな作業をしました、という履歴が誰でも分かるようにしてくれる。

稼働状況に応じてメンテナンスを提案し、機械にトラブルが起きた場合はエラー箇所を早期に把握するなど、アフターサービスも強化することで、顧客の囲い込みを図っています。

今後はおそらく、自動コンバイン、自動田植え機というように、自動稼働の方向に進んでいくのではないかと思います。

 
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図ー11 ヤンマーの「スマートアシスト」

アマゾンの倉庫を縦横無尽に走るロボットKiva

 

物流では、アマゾンに注目です。ドローンによる配達を試みたことでも話題となったアマゾンですが、同社の最も驚くべき点はドローンではなく、ウェアハウス=倉庫です。

アマゾンは2012年にKiva Systemsというロボットの会社を買収しました。

そして、ひとつの配送センター内につき同社の物流ロボットKivaを数千台という数で導入しました(図-12)。

従業員の指示によって、Kivaそれぞれがものすごいスピードで縦横無尽に走り回り、パッキングした商品を運ぶだけでなく、商品ラックごと持ってきてパッキングステーションに下ろすことまで、全自動で行っています。YouTubeでその様子を見ると本当に驚きます。

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図-12 Amazonの物流ロボット
 

ロボットたちには、周囲の物体の動きを検知するモーションセンサーが搭載されていますので、お互いぶつからないように移動ができます。

このロボットを他の企業に使わせないように会社ごと買収するなど、アマゾンほど物流に膨大な投資をしている会社はないでしょう。

日本では小田原に大型物流センターを造り、このKivaを取り入れています。

寺岡精工のエンジニア&顧客マッチングのソリューション

全国の小売店で使用されている計量器やPOSシステムなどを製造する寺岡精工 は、製品の稼働状況を24時間365日コールセンターで監視し、センターには現場経験7年以上のオペレーターを常時配置しています(図-13)。

何かあればいつでもオペレーターが遠隔で、顧客の端末のメンテナンスを行えるというわけです。

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図-13 寺岡精工のサポートサービス
 

さらに全国140カ所以上の拠点に600名以上のフィールドエンジニアを備えていますので、トラブルを抱えた顧客に最も迅速に対応できるエンジニアを派遣することも可能です。

これは言ってみればオーソドックスなやり方ですが、IoTと組み合わせて、部品ごとの摩耗状態や温度変化などを測って異常を検知していくことで、予防保全へと繋げていくことができます。

シスコシステムズなども自社のルーターを同じようなかたちでモニターしています。

いずれにしても、このようなフィールドエンジニアの測位、つまりエンジニアの行動スケジュールの把握と、直近の顧客への派遣というサービス事業が、中核事業のひとつになっているということです。

継続的な営業から市場動向の把握までを可能にする「GPS Punch!」

レッドフォックス という東京のベンチャー企業が開発した、クラウドサービス「GPS Punch!」は、今後みなさんがすぐに活用できるものではないかと思います。

どのようなサービスかというと、スマホやタブレットなどスマートデバイスのGPSをクラウド活用し、営業・保守・建設など、あらゆる現場の業務効率アップを支援するものです(図-14)。

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図-14 「GPS Punch!」
 

例えば法人営業の場合。当日行く予定の営業先をスマホに入れると、ルートが出てきます。そして、その通りに行っているかどうかを、チーム内でリアルタイムに共有します。

営業後は、どのような商談をしたのか、電子報告書に記載すれば、そのまま日報として上司やチームメンバーが閲覧できる。チーム全員がこれを行うことで、業務の効率アップが図れるということです。

また、現状では営業マンの引き継ぎというものは難しいものがあり、せいぜい担当顧客の名前を引き継ぐくらいしかできないのですが、このサービスを利用すれば、訪問履歴や商談内容を含めて、次の担当者に引き継げます。

そのようになれば、会社としても継続性のある営業ができることになるのです。

GPS Punch! 位置情報を活用して現場の売上を最大化する

また「GPS Punch!」の保守・メンテナンス業務のソリューションとしては、同サービスを使うことで検査員が位置情報とビフォー・アフターの写真付きで検査報告ができます。

また、外勤スタッフの出勤、訪問、休憩などを記録し、位置情報と合わせることで勤怠のエビデンスとして残すこともできます。さらに、報告書を利用し、製品の市場からの反応を現場担当者から収集することで市場動向の把握にも役立ちます。

おそらくこのクラウドサービスは将来的に、まだまだ多様なソリューションが生まれていくでしょう。

例えばSNSと連動することで、顧客の関心やローカル情報を関連づけたセールストークが営業活動で可能になる。

また、センサーとの連動で機械の故障等を自動検出するなど、保守業務の効率化。さらに、市場動向に合わせて店舗在庫を自動検知して自動発注するなど、あらゆる業務で可能性を秘めているように思います。

ゴルフ場管理費の65%を占める芝刈りコストを半分に

ゴルフ場の芝刈りも位置情報の利用で効率化が進んでいます。

電子機器事業などを手がける東京のマミヤ・オーピー と米国の芝刈り機メーカー大手Jacobsen が共同で、自動芝刈りロボットを開発しました(図-15)。

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図-15 ゴルフ場用芝刈り機
 

マミヤ・オーピーの自律移動制御モジュール「I-GINS®」は、3軸ジャイロセンサー、GPS、無線通信、障害物検知機能を搭載しています。

この「I-GINS®」とJacobsenの芝刈り機を機器間通信することで、自動制御の芝刈りロボとなるわけです。

どのようなことができるかというと、GPSでゴルフ場の高精度地図を生成し、フェアウェイ、ラフ、グリーンなど、自動生成した軌道で予定通り夜のあいだに芝を刈ってしまう。時速10kmで芝刈りしながら走行するのですが、設定した軌道に対して3~5cmという精度を維持できるというから驚きです。

タブレットなどで簡単に操作できますし、もちろん必要に応じて自動から手動へ切り替えて、通常マニュアル運転も可能です。これがあると、たったの20分ほどで1ホールの芝刈りが完了します。

導入価格は1台で7~9万ドル(1000万円前後)。通常ですとゴルフ場管理費の65%を芝刈り費が占めるとも言われますが、そのコストを半減することができるため、導入すれば3年で償却できる計算です。

ゴルフをされる人はご存知かもしれませんが、ゴルフ場は意外と、位置情報に支えられている場所なのです。

芝刈りのような裏方のメンテナンスはもちろん、表のプレイヤーのほうも位置情報にサポートされることがあります。私が以前行ったオーストラリアのゴルフ場では、GPSを使ってプレイヤーに「ピンまであと何メートルです」と知らせるようなサービスもありました。

(次回に続く)
 

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この記事の話し手:大前研一さん

 
株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長/ビジネス・ブレークスルー大学学長1943年福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号、マサチューセツ工科大学(MIT)大学院原子力工学科で博士号を取得。日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年に経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社後、本社ディレクター、日本支社長、常務会メンバー、アジア太平洋地区会長を歴任し、1994年に退社。以後も世界の大企業、国家レベルのアドバイザーとして活躍するかたわら、グローバルな視点と大胆な発想による活発な提言を続けている。現在、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役社長及びビジネス・ブレークスルー大学大学院学長(2005年4月に本邦初の遠隔教育法によるMBAプログラムとして開講)。2010年4月にはビジネス・ブレークスルー大学が開校、学長に就任。日本の将来を担う人材の育成に力を注いでいる。
 

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