接客のプロは自分が「接客される」時、販売員の何を見ているのか

販売員が「接客を受ける側を体験」することはスキルアップにとても有効なため、研修でも取り入れられていますが、その後の自分の接客に生かせるタイプとそうでないタイプに別れるようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、その差はどこから生じるのかをプロの視線で解説しています。

接客を受けるなら

接客をする販売員にとって、接客を受ける機会というのは、とても大事な勉強の機会です。どんな接客をされれば嬉しいと感じるのか、逆に、どんな接客をされれば、嫌な思いをすることになるのか。そうしたお客様としての視点を持ちながら接客を受けていくことで、自分自身の接客の糧にすることができます。

だから、自分だけではなく、自店のスタッフも含めて、接客を受ける機会を作ってもらうのは、とても良いことです。

ですが、同じように接客を受ける機会があっても、それが仕事に生かせる人とそうでない人はいます。その違いは、どこを見るかを決めているかどうかに尽きると感じます。

例えば、販売を教えている学校の授業などでも、生徒に接客を受けに行ってもらうことがあります。しかし、受けに行ってもらう際に、「良い接客がどんなものか考えながら行ってきて」と伝えても、ほとんど何も得るものがないまま帰ってきます。

その原因はシンプルで、「良い接客という視点が大きすぎて、どこを見ればいいかがわからなくなるのです。だから、接客を受けてみても、「なんか良かった」「いい感じだった」という曖昧なものしか得られません。

これが、「一番最初にどんな声をかけられるかという視点を持たせると、大きく変わります。1つのことに絞っているため、「こういう声をかけられたから、良かった」「こういう声をかけられると、店に居づらい」といった感想が出てくるんですね。

すると、声かけという部分において何が良くて何がいけないのかが、生徒たちでもすぐにわかります。つまり、どこを見るかが明確になっていると、同じ接客を受けるでも、効果が変わるのです。

これは自分自身に置き換えても、同じことが言えると思います。普段、自分が買い物をする時などに、「良い接客を受けられると、勉強になるよね」と思っていても、なかなかそういう機会は訪れません。良い接客なんて言っても、何を持ってそうなのか定義が曖昧すぎますし、視点が大きすぎるので、見る視点が散ってしまうのです。

これも、じゃあ例えば、「どんなことを質問してくるのか」「提案の時に、何点くらい商品を見せるのか」「どの立ち位置から接客してくるのか」など、細かく見る視点を絞ると、それが良いかどうかがすぐにハッキリします。そこから、自分の接客に生かせるヒントを得ることで、接客をより良いものにしていくことができるのです。

ただ単に、「接客を受けよう」ではなく、「この部分をしっかり見てみよう」「ここをどうするかを確認しておこうと決めておくだけで、見えるものは変わります。

ちなみに、私が普段お店に行くときは、必ず、最初の声かけで何と言ってくれるか、どんな質問をしてくるかという部分は、意識して見ています。ここが上手な人は、他のことも上手なことが多いので。

ぜひ、皆さんも、ご自身なりの視点で接客を受けてみてください。

今日の質問です。

  • 普段接客を受ける時には、どこを注視して接客を受けますか?
  • 視点を絞って見ると、どんな発見がありますか?

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台湾人「最も好きな国は?」日本が59%で過去最高更新、理由は?

日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会は13日、台湾人を対象にした対日意識に関する最新の世論調査の結果を公表し、最も好きな国で「日本」と回答した人は59%となったと、日本の共同通信、台湾のフォーカス台湾などが報じた。台湾の「親日」ぶりが浮き彫りとなった形だ。

フォーカス台湾によると、「日本」を選んだ人は2016年実施の前回調査より3ポイント上回り、2008年の初回調査以降で過去最高だったという。2位以下の中国(8%)、米国(4%)を大きく引き離す形となった。また、共同通信によると、日本の関心がある分野として観光が80%、食文化が68%、日本人の精神・哲学が56%。年齢層別では30代の70%、20代の66%が「日本が最も好きな国」に選んだという。現在の日台関係について「良い」が53%、「悪い」は4%。日本を「信頼できる」は50%、「信頼できない」は9%だったとしている。

また、フォーカス台湾によると、台湾が最も親しくすべき国では、日本が37%で最多となり、前回の39%からわずかに減少。一方、中国と回答した人が2番目に多く、前回の22%から31%に増え、日本との差を縮めたという。 台湾に最も影響を与えている国については、中国(45%)と米国(33%)を挙げた人が多かったが、中国と答えた人は前回より5ポイント下がり、日本と答えた人は前回比4ポイント増の15%に。

この結果を受けて、日本のネット上では「韓国とは違うね」「普通にありがたい」「日台友好!」など喜びの声が多く投稿されている。

Twitterの反応







※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source: 共同通信フォーカス台湾

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総理の辞任不可避か。明るみに出た「桜を見る会」の不都合な真実

総理大臣主催の「桜を見る会」に関して野党の激しい追求を受けるや、突然2020年の会の開催中止を発表した政府。早期の幕引きを図りたいという意図は明白ですが、事は官邸の思惑通りに進むのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、改めてこの「疑惑」について整理し不可解な点を洗い出すとともに、「桜を見る会」が選挙対策の一つと見られても仕方がないという見方を示しています。

総理、「桜を見る会」招待は後援会へのご褒美ですか

「内閣総理大臣 安倍晋三」の名でその“晴れの催し”の招待状は送られてくる。

季節外れの話のようではばかられるが、毎春恒例の総理主催「桜を見る会」が、今国会のホットな問題になっている。ある理由によって。

吉田茂氏が総理大臣の頃から続く「桜を見る会」。その一般的なイメージは、各界の著名人や功労者が会場の新宿御苑に集い、桜を愛でながら歓談する風景に違いない。もちろん、税金が使われる催しであるから、ときの首相が、招いた人々の日ごろの活躍や努力をたたえ、慰労するという意味合いがあるだろう。

しかし、その実態たるや、型通りの美しい言葉だけで尽くせるものではないようだ。「桜を見る会」のニュースに映し出されるテレビでなじみの顔に隠れて目立たないながらも、政治権力の蜜のひとしずくの甘さをいちばん知っているのは、安倍首相や有力議員らの後援会の人々らしいのである。

11月8日の参議院予算委員会で、「桜を見る会」をめぐり、共産党の田村智子議員が安倍首相らに投げかけた問題提起は、「さもありなん」と思わせる内容だった。

安倍晋三氏が総理になって「桜を見る会」の参加者は年々増え、安倍以前は参加者が概ね1万人程度だったのに2014年になると1万3,700人、今年はなんと1万8,000人に。

当然、かかる費用もどんどん増加し14年の3,000万円から19年は5,520万円にふくらんだ。もちろん、この費用は税金で賄われている。

なぜ参加者が増えたかの内訳をみると、皇族、各国大使、地方議会、行政関係者の数は約2,000人ほどでほぼ一定しているが、「その他各界の代表者等」が大幅に増加している。

各界の代表者まではいい。どうやら「が曲者らしい。「等」は誰を指すのか、と田村議員が安倍首相に問う。大塚幸寛・内閣府大臣官房長が手を挙げた。

「等、でございますが、幅広く招待できるよう“等”をつけているものでして、特定の分野、カテゴリーを想定しているものではございません。各省庁からご推薦をいただき、最終的には内閣府でとりまとめております」。

質問に答えていない。安倍首相も口を閉ざしたままだ。

そこで、田村議員はとっておきのネタを次々と繰り出した。自民党議員たちのブログなどの記事らしい。稲田朋美世耕弘成松本純といった大物自民党議員の名前が続々と登場する。

「稲田朋美・日々の活動報告には、桜を見る会に地元福井の後援会の皆様も多数お越しくださり、たいへん思い出深い会になりました、とあります」

「世耕弘成後援会ニュースには、桜を見る会にて、地元女性支援グループの皆さんとと、写真が載っています」

「松本純衆院議員・国会奮闘記には、選挙のうぐいす嬢の皆様をはじめ後援会の皆様と参加いたしましたと書かれています」

どうやら「後援会の人々のことのようである。こうした議員の後援会に入っていれば、総理大臣名で招待状が届くのである。ありがたいことではないか。きっと、家宝として、名誉の証として、大切に招待状と封筒は保管されているに違いない。

そして新宿御苑のみごとな桜並木の下、あちらこちらと移動して回ってくる安倍総理と運よくカメラにおさまることができれば最高だが、それが叶わぬとも、自分はこういう場に招かれる人間だという錯覚に陥らせてくれる。あらためて、自民党大物議員の後援会員であることに喜びを感じるのだ。

中国の差し金か。香港デモに乗じて市民を分断する中共の「犬」

先日掲載した「香港デモで高所から転落の男子大学生が死亡。香港で相次ぐ不審死」等でもお伝えしているとおり、香港情勢が混迷を極めています。11日には抗議活動に参加していた21歳の男性に対し、警官が至近距離から実弾を発砲するなど、香港警察の暴力もエスカレートしていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。台湾出身の評論家・黄文雄さんは今回、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、その裏には習近平中国国家主席による「命令」があると指摘し、警察による弾圧はますます激化すると予測。さらにここまでデモが激化した原因についての持論も記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年11月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【香港】香港警察の暴力がエスカレートしている理由

香港デモ隊が「口論の相手に火を付けた」と警察 動画も拡散

日本のメディアでもいろいろと報道されていますが、香港が第二の天安門になりそうなので、改めてここで取り上げたいと思います。この数日間の香港関連のニュースは過激なものばかりでした。以下に一部を列記してみます。

香港デモ、警察の強制排除で転落した男子大学生が死亡 抗議活動で初の死者
香港警察発砲で若者重体 動画が波紋、デモ隊「報復」も
香港で警察が実弾3発発砲 デモ隊紛糾「殺人だ!」
香港警察 実弾で再び負傷者 背景に習主席の圧力も
香港 日本人観光客がデモ隊に暴行される 地元新聞

これらの報道は枚挙に暇がないので、このくらいにしますが、とにかくひどい。これまでなんとか保たれていた一線のようなものがだんだんと崩壊していくのがよくわかります。

警察が実弾発砲したから、デモ隊も人に火をつける。憎しみの応酬ですが、実力の差は歴然です。デモ隊がどうあがいても、警察の武装に勝てるわけがありません。双方がもみ合っている映像を見ても、装備が全く違います。中国は、こうしてなし崩し的に香港を天安門にしようとしているのでしょうか。

香港の民主の女神と言われる周庭(アグネス・チョウ)さんは、こうなると親中派と民主派の闘いではなく善悪の問題ですとツイッターでコメントしています。

香港 実弾発砲 活動家女性「警察は殺人鬼のよう」

今の香港警察は完全に人民解放軍化しています。香港警察に偽装した人民解放軍が紛れ込んでいるという噂もあります。人民解放軍は人を人とも思わぬ凶行が得意です。そろそろ本領発揮といったところでしょうか。

香港の人々は、このままでは身の危険すらあります。まずは命を守る行動をとるべきです。身の安全を確保した上で抗議活動をしなければ、簡単に傷つけられ、命を奪われてしまうのです。香港の人々は、中国の恐ろしさをもっと知るべきです。

私が何より残念なのは、傷つけられ命を奪われるのが若い命だということです。情熱があり、明るい未来を持っている若い命が簡単に奪われてしまうことは、絶対に避けなければなりません。

この非常事態に台湾の蔡英文総統もコメントしています。以下報道を引用します。

蔡英文総統はフェイスブックで、北京と香港の政府に対し「銃弾ではなく、民主主義や自由への約束で香港の人民に応えるべき」と呼び掛けた。

 

蔡総統は「政府は丸腰の人民に発砲すべきではない。発砲は問題を悪化させるだけだ」と香港政府を非難。「対話でこそ問題を解決できる」とし、香港の人々の自由や民主主義に対する思いを真剣に受け止めるよう改めて呼び掛けた。

蔡総統、北京と香港の政府に呼び掛け「民主主義の約束で応えるべき」/台湾

しかし私は、香港政府に対話ができる余裕はないと思っています。行政長官は保身ばかり考えている操り人形です。何も期待してはいけません。また、それを指摘し非難する人は、香港政界にはいません。いや、いましたが、そうした人はすべて排除されています。

ある民主派議員は、親中派と民主派の小競り合いが発端で、男が数人をナイフで刺した事件現場に居合わせました。そこで仲介に入ったところ、その男に耳を噛みちぎられてしまいました。

香港デモ、ナイフ男が5人襲撃 区議は耳を噛みちぎられる

プーチンの決断。中国と組みアメリカを殲滅する道を選んだロシア

米中派遣戦争が激化する中、ついにロシアが中国と組みアメリカと対峙することを決断したようです。今回の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』では著者で国際関係ジャーナリストの北野さんが、先日報じられた「中ロの軍事同盟検討開始」のニュースを取り上げ、プーチン大統領の決心が米中派遣戦争に与える影響と、日本が取るべき外交政策について持論を展開しています。

中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日

世界最大の問題は、米中覇権戦争です。アメリカと中国が覇権をかけて戦っている。どっちが勝つのでしょうか?いろいろファクターはあります。ありますが、米中の勝敗に大きな影響を与えるのが、「ロシアの動き」です。なぜでしょうか?

「大国」という言葉があります。ルトワックさんは、アメリカ、中国、ロシア、イギリス、フランスなどを「大国」と呼んでいます。しかし、「リアリズムの神」ミアシャイマーさんは、世界の大国は、「アメリカ中国ロシアだけ」としています。実際、今の世界は、アメリカ、中国、ロシアの【三国志といってもいい。アメリカは70年代、中国を味方につけて、ロシア(当時ソ連)を崩壊させました。

中国ロシア同盟の成立

中ロ関係について、日本は「破滅的」ともいえる誤解をしています。「中国とロシアはお互い憎みあっていて決して同盟などありえない!」という迷信がひろく信じられている。しかし、RPEは、「中国とロシアは05年以降、【事実上の同盟国だ」と書きつづけてきました。どうしてそういう話になったのでしょうか?

03年、アメリカは、ロシアの石油最大手ユコスを買収しようとしました。ところがプーチンは、ユコス社長のホドルコフスキーを逮捕させ、アメリカ(具体的にはエクソンモービル、シェブロンテキサコ)の野望を阻止した。同年、ロシアが「影響圏」と考えている「旧ソ連」のグルジア(ジョージア)で革命が起こりました。2004年、今度はロシアの西隣の旧ソ連国ウクライナで革命が起こり、「親米反ロ政権ができました。2005年、今度は中央アジアの旧ソ連国キルギスで革命が起こった。プーチンは、これらの革命の背後に「アメリカがいる」ことを確信しました。そして、「このままでは、ロシアでも革命が起こる」と恐怖した。

こうして彼は05年、「アメリカに勝つために中国と事実上の同盟関係になることを決断したのです。この辺の経緯は、07年に出版された『中国ロシア同盟がアメリカを滅ぼす日』に、大量証拠つきで書いてあります。興味がある方は、入手してみてください。【無料】レポート「世界一わかりやすいアメリカ没落の真実【無料】」でも十分理解できるでしょう。こちらでも、かなり詳しく解説しています。

その後、中ロ関係はどうなったのでしょうか?08年まで、中ロは結託してドル攻撃をつづけていきました。リーマンショックから「100年に1度の大不況」が起こってアメリカが沈んだ。そして、中国は浮上しロシアは沈んだ。09年からアメリカとロシアの関係はよくなりました(いわゆる、米ロ再起動時代)。この時、ロシアの大統領は、アメリカ好きのミーハー男メドベージェフです。

しかし、2012年にプーチンが大統領に返り咲くと米ロ関係は再び悪化した。2014年3月、ロシアがクリミアを併合した。アメリカは、日本と欧州を誘って、対ロシア制裁を科した。これで、ロシアと日本アメリカ欧州の関係は最悪になった。

一方、中国はこの時、ロシアを一言も批判しませんでした。もちろん制裁にも加わりません。さらに中国は、ロシアからのガス、原油輸入を激増させ、ロシア経済が崩壊しないよう支援したのです。中ロ関係は、05~08年以上に強固になりました。

2018年、米中覇権戦争がはじまった。リアリストのルトワックさんやミアシャイマーさんは、「アメリカは、ロシアを味方につけて、中国を封じ込めろ」とず~~~~~~と主張しています。しかし、オバマ政権もトランプ政権も成功しないまま時が流れていった。そしてロシアは米中覇権戦争で中国につくことを決断したようです。

ロシアと中国、軍事同盟検討か 対日関係への影響必至

10/29(火)16:38配信

 

【モスクワ共同】ロシアが中国に対し、ミサイル攻撃の早期警戒システムの構築を支援していることが判明、両国が事実上の軍事同盟締結を検討しているとの見方が強まっている。ロシアと中国を敵視する米国が中距離ミサイルのアジア配備を検討する中で、軍事協力強化を急ぐ。両国が同盟関係を結べば北東アジアで日米韓との対立が深まり、日本との関係にも影響が出るのは必至。日ロ平和条約交渉が一層難航するのは避けられない。中ロはこれまで「同盟関係」を否定している。しかし、中ロ関係に詳しいロシア国立高等経済学院のマスロフ教授によると、両国指導部は「軍事同盟締結」の方針を決定済みという。

生涯学習の場で学びの「面白さ」を伝えやすい「外国語」の効果

さまざまな福祉活動に関わるジャーナリストの引地達也さんが、その活動の中で感じた課題や、得られた気づきについて伝えてくれる、メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』。今回は、12月5日、6日に秋田で開催される「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」で模擬授業を行う引地さんが、その準備の中で改めて気づく「学び」につながる大切な感覚について。特別支援学校の生徒さんが目を輝かせた引地さんの「仕掛け」とともに紹介しています。

学習を「面白く」するために、外国語への衝撃をもう一度

文部科学省事業で全国6ブロックに分かれ行われる「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」は12月1日開催の東海北陸ブロック(名古屋市)を皮切りに2月まで各ブロックで行われる。

東北ブロックでは秋田県教育員会が主催となり12月5-6日開催予定で、私はこの中で、秋田大学附属特別支援学校の生徒10人に対する模擬授業を行うことになっている。

よくよく考えてみると、初対面の生徒向けにいきなり授業を行い、それが来場者の有益な参考になるほどの自信もなく、先日「せめて生徒と交流して当日の緊張感を和らげたい」と秋田に出向き、生徒たちと自己紹介をしあい、自己紹介にちょっとした工夫をしたところ生徒たちは新鮮な驚きの表情を見せた。それは外国語への衝撃とでもいうのだろうか、何気ない私の言動の反応が面白かった。

生徒と対面した私は、名前は名簿で受け取っていたものの「漢字の読み方も正確に知りたいので、教えてください」と話し、ホワイトボードを前にし「正確に覚えるためにここに書いていきます」と言い、「だた、ひらがなか英語かハングルのどれか1つで書きますから、言語を選択してください」と話した。

それは、ホワイトボードをいくつかの言語で表現することで、「学び」の雰囲気がつくられる、との考えからの演出であったが、これが結構効果的だったようだ。

名前を聞き、言語を選んでもらい、ホワイトボードに自分の名前が英語か日本語かハングルで記される、いや「描かれる」。それを、見たままノートに写そうとする生徒がいる。見学していた先生曰く、「普段とは違った驚きの表情を見せていた」というから、予想以上に大きな効果があったようだ。

「黙っているのが会社の存続に繋がる」という会社は存続しない

しばしば批判の的となる、組織トップの「高給」。しかし食品衛生コンサルタントとして活躍中の河岸宏和さんは、「条件付きで」としながらも、「組織の責任者の給料はいくら高くてもいい」と断言します。河岸さんは今回、自身の無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』でその条件を記すとともに、「リーダーの責任」についても論じています。

登る山と時期を決めること リーダーの責任とは

「組織のリーダーの一番大切な仕事はなんですか」

私は講演の初めに会場の方に質問をします。一般従業員の方より高い給料を貰う方、仕事中の時間も自由に使える方の一番大切な仕事は何か皆さんはどんな答えを出しますか。

日産自動車の外国人社長の給料が桁違いに高いと報道されました。東京電力の社長の給料も高いと評判になりました。私は、組織の責任者の方の給料はいくら高くてもいいと思っています。組織のリーダーとして仕事をしっかりしてくれればいいのです。

「組織のリーダーの一番の仕事は何か」、答えは組織を継続させることだと思います。10年後ではなく、最低30年後の組織のあるべき姿を思い浮かべ思い浮かべた理想の山を組織全体に見せることがリーダーの仕事なのです。

確かに目先の利益、売り上げは食べて行くために必要な事です。しかし、目先の売上、利益はリーダーでなくても作ることができるのです。

得てして人間は自分が経験してきたことを繰り返すという楽な道を選んでしまいます。組織の将来を考えるより、自分の経験してきたことを部下と一緒に行動してしまうのです。

苦しくても、組織の将来の登るべき山の絵を描く事がリーダーの仕事だと思います。売り上げが伸びないときに、「店にお客さんが来ない」「お客さんさえ来れば売り上げが増えるのに」と考えるよりも、お客さんから「あの商品は置いていないの」と声を掛けられるような商品作りをする事、商品を作り上げるための基礎体力である研究開発に経営資源を投入すべきなのです。

定番で売れ続ける商品を作り上げ、売り上げが落ちる前に次の商品を作り上げる、目先の事では無く、会社の将来を考えて商品を開発する事に経営資源を投入することがリーダーの仕事だと思います。マスコミを使っての宣伝の前に、お客様の事を考えた商品を作るべきなのです。

基礎体力が必要

まだ登ったことが無い、高い山に登るためには、基礎体力が必要です。組織を食品工場で考えれば、工場は毎日生産活動を行い、結果として利益を稼ぎ出します。

生産活動を行うためには、品質という土台が必要です。この時の品質という言葉は、検査室、出荷判定の検査結果という狭い意味ではなく、「御社の商品の品質は高いですね」、と使う時の、会社の総合品質になります。

従業員の工場に対する忠誠心も品質に含まれます。組織に対する忠誠心と言うと、組織が行っている不正行為を知っていても、墓場まで持っていく事を忠誠心と考えてしまいますが、私は、組織の継続を考えた従業員が、組織の不正を公にすることも忠誠心と考えます。

外国産の原料を国産と表示し、出荷するという単純な産地偽装は何時まで経ってもなくなりません。原料の入っているダンボールに外国の産地が入っていれば、作業している従業員の方は気がついているはずです。仕入れを担当している方も、仕入れている原料と出荷している製品の産地が異なることに気がついているはずです。

気がついても、声を出さないこと。「屏風と商売は曲がらないと成り立たない」などと言われますが、従業員が生きてきた人生の中で身につけた倫理観から外れている行為は組織の中で声をあげるべきだと思います。

玄関に草が生えたままになっている。トイレの便器が割れている。製造現場の壁が割れている。包丁を折れたまま使用している。細菌検査を行って居ないのにデーターを作成してしまう

食品工場としてあり得ない現場であることは従業員全員が気がついているはずです。気がついても声を出さないこと、これが組織の中で生きていく大切な事の様になっていませんか。

工場の生産を支えるのが品質品質を支えるのが従業員の倫理観なのです。工場の玄関に草が生えたままの工場は、現場に入るまでもなく、現場が乱れているに間違いありません。玄関に草が生えている工場には将来は無いと思います。

あなたの工場は基礎体力を上げることを行って居ますか。

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お客様は見ている。店主と従業員の間の冷めた空気感やPOPの汚れ

店主として思いつく対策は実行しいるのに、売上げが伸びない…。そんなときには「普段と違った視点で店舗や従業員を再確認」してみてはいかがでしょうか。経営コンサルタントとして活躍中の梅本泰則さんは今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』で、店主や従業員が抱える業務上の疑問や不満などを可視化する「3つのアイデア」を紹介しています。

強み弱み発見会議

私はコンサル先のスポーツ店さんには「お店の強み弱み発見会議」をしていただくように提案しています。社員の人たちが集まって、お店の強みと弱みを出し合うという会議です。

会議の進め方は先方にお任せしていますが、方法はお伝えしてあります。全員に白紙の用紙を配り、それぞれ、まずお店の強みを箇条書きで出していきます。一人につき30個から50個です。

それが終わったら、次はお店の弱み」です。これも各30個から50個書き出してもらいます。

社員が10人のお店ならば、強みも弱みもそれぞれ300個から500個が出ることになります。この会議は結構ハードですが、社員の皆さんがお店の強みや弱みを真剣に考える機会になりますので、とても意味のある時間です。

各自が書き出した「強み」「弱み」は、内容をグループ分けします。例えば、接客、スタッフ、運営、組織、商品力、サービス、価格、経営陣、情報発信、店舗、歴史、立地、地域支援、福利厚生、外商、ネットなどといった項目です。

その後、グループ分けした強み弱みの内容を皆さんに知らせます。ここで、「そうだ、こんな強みもあった!」と気がつく人もいます。「弱みは、自分たちの姿勢にも問題がある」と反省する人もいます。経営者にとっても社員の考え方がよく分かるきっかけにもなりますので、今後の運営に大きな参考となるのです。

そして、この「強み・弱み発見会議」を行うと、皆さんのやるべきことがはっきりとします。お店の方向性も共有できますので、ちょっと大変ですが、実に効果的な会議です。

日報を書く

町の小さなスポーツ店さんで、従業員が日報を書いているところは少ないです。そのお店もそうでした。どうも、社員の皆さんに覇気が感じられません。店主とのコミュニケーションもそれほどうまくいっていない様子です。

そこで、このお店の販売スタッフの皆さんに「日報を書いていただくことにしました。初めてのことですので、どんな書式が良いのか、どんな内容を書いたらいいのか分かりません。

私は、一人A4用紙1枚で1日の報告を書いてもらうようにお願いしました。内容は、まずその日に行った仕事を午前、午後、夕方以降に分けて箇条書きにしてもらいます。その下に、仕事を通じて気付いたことを、「商品」「売場」「お客様」「その他」に分けて、これも箇条書きです。

これだけですので、慣れればそんなにむつかしい作業ではありません。ところが、日報など書いたことのない人ばかりですから、皆さん戸惑います。それでも、必ず毎日書いてもらうことを徹底しました。

提出された日報は、全部1冊のファイルにして事務所に置いておきます。従業員の誰もが読むことが出来るのが目的です。提出された日報には、毎日店主が赤ペンでコメントを書くことも義務付けていただきました。すると、だんだん皆さんどんな内容を書けばいいのか、他の人の日報を参考にするようになります。店主のコメントを見ながら、仕事のポイントも押さえていくようになりました。朝礼では、ときどき日報に書かれた内容が話題になります。

やがて、従業員の皆さんはメーカーさん問屋さんお客様と話をするとき日報に書くことを意識するようになっていくのです。他のスタッフの日報に書いてあったことも情報として会話に差し込まれます。

半年を過ぎたころ、日報はお店にとってはなくてはならないものになっていきました。お店の中の風通しが良くなったようです。ですから、今でも「日報」は多くのお店に提案をしています。

語源を知れば判る、「お母さん」がいるだけで温かく感じられる訳

私たちが普段何気なく使っている、「お母さん」という呼称。この温かな響きの言葉は、「母」のイメージにピッタリです。それでは、この「お母さん」という言葉はどういう語源、由来を持つのでしょう。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、「お母さん」という呼び方を一つづつの「音」にまで遡って、その由来を解説しています。

「お母さん」という言葉の由来 境野勝悟

僕が小学校の1年のときのある日、「ただいま」って家に帰ると、お母さんがいないときがありました。お父さんに、「お母さんどうしたの?」と聞くと、「稲刈りで実家へ手伝いに行ったよ」と言う。そして、「きょうはお母さんがいないから、おれが温かいうどんをつくってやる」と言って、親父がうどんをつくってくれました。ところが、温かいうどんのはずなのにお父さんのつくったうどんはなぜか冷やっこいんです。

一方、「ただいま」と家に帰ってお母さんがいるときは僕はいつでも「お母さん、何かないの?」と聞きました。すると、母は「おまえは人の顔さえ見れば食い物のことばっかり言って、食いしん坊だね。そこに、ほら、芋があるよ」って言う。

そういうときは決まって、きのうふかしたさつま芋が目ざるの中に入っていました。かかっているふきんを取ると、芋はいつもひゃーッと冷たいんです。だけれどもお母さんのそばで食う芋は不思議に温かかった

これは、もしかすると女性には理解できないかもしれないけれども、男性にはわかってもらえると思います。お母さんが家にいると黙っていても明るいのですあたたかいのです。それで、わたくしたち男は自分の妻に対して、「日身(カミ)」に「さん」をつけて「日身(カミ))さん」と言ったんです。丁寧なところでは、これに「お」をつけて「お日身(カミ)さん」といったんですよ。

何でしょうか。この「日身(カミ)」という意味は?

は古い言葉ではカカ」といいました。もっと古い言葉では「カアカア」といった。さらに古い言葉では「カッカッ」といったんです。「カカ」「カアカア」「カッカッ」これが「カ」となるんですね。「というのはわたくしたちの身体という意味です。

ですから、「日身カミ)」とはわたくしたちの身体はカカの身体である、「カアカア」の身体である、「カッカッ」の身体であるという意味なんです。

では、「カカ」「カアカア」「カッカッ」という音は、古代では一体何を意味したのでしょうか。

「カッカッ」というのは、太陽が燃えている様子を表す擬態語でした。「カッカッ」とは、実は太陽のことを指したのですね。「カアカア」「カカ」という音も同様です。つまり、わたくしたちの体、わたくしたちの命は太陽の命の身体であるということを、「日身(カミ)」(太陽の身体)と言ったんです。「カミという漢字が当てられているのを見れば、「カ」が太陽のことを意味しているということがわかるでしょう。

日身カミ)とは太陽の体太陽の身体という意味だったのです。

お母さんはいつも明るくて、あたたかくて、しかも朝、昼、晩、と食事をつくってくださって、わたくしたちの生命を育ててくださいますわたくしたちの身体を産んでくださいます

母親というのはわたくしたちを産み、その上私たちを育ててくれます。母親は太陽さんのような恵みの力によってわたくしたちを世話してくれる。母親はまさに太陽さんそのものだということから、母親のことをむかしは「お日身(カミ)さん」といったのです。

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富士山噴火へも備え。災害派遣で戦車や装甲戦闘車が活用される訳

静岡県は、災害対応にあたる組織のトップが集まる「指揮官会議」を毎年1回開催していて、メルマガ『NEWSを疑え!』を主宰する軍事アナリストの小川和久さんも危機管理の専門家として出席したそうです。その際に、キャタピラ走行の戦車、装甲戦闘車の活用法が説明され、南海トラフなどの大地震だけでなく、富士山をはじめとした噴火災害も想定しなければならない静岡において、参加者の理解を深めていたと評価しています。

静岡県の「指揮官会議」

11月8日、陸上自衛隊富士学校(静岡県小山町)で静岡県の「指揮官会議」があり、私も関係者として出席してきました。

南海トラフ地震などの大災害に備えて、1年に1回、関係組織を指揮する立場のキーパースンが出席し、「顔の見える関係」を維持していこうという試みです。川勝平太静岡県知事に率いられた静岡県危機管理部、富士学校長、海上自衛隊横須賀地方総監、航空自衛隊航空教育集団司令官、中部航空方面隊司令官、陸上自衛隊第1師団長など自衛隊側を中心に、警察、消防、海上保安庁などの指揮官が顔を揃えました。

そのおり、装備品の展示・説明・体験搭乗に関連して、キャタピラで走る戦車、装甲戦闘車の火山災害に当たっての活用法の説明があり、それを熟知している陸上自衛隊以外の出席者の胸に刻み込まれた様子でした。

キャタピラを備えた装甲車両と戦車は、1991年6月の雲仙普賢岳の火砕流災害に投入されました。タイヤ式の車両では走れない火砕流で熱された地域を走って様々な活動をするためです。このとき、60式装甲車と同時に投入された74式戦車は搭載している赤外線暗視装置によって火砕流の発生に目を配る役割も果たしました。

2014年9月の御嶽山の噴火では、富士教導団の89式装甲戦闘車4両が投入されました。こちらは、登攀路《とうはんろ》を確保できる7合目くらいまでは登ることができますし、装甲によって火山弾から身を守るシェルターの役割を果たすことができ、3人の乗員以外に7人の隊員を乗せていることから、救助活動に当たることもできるからです。

静岡県にとっては、南海トラフ地震と同様に富士山の噴火も関心事です。富士教導団が噴火災害にも備えていることがわかり、有意義な1日となりました。

富士山が大噴火すれば、火山灰が首都東京や羽田、成田の空港などの国家機能を奪うことは間違いありません。むろん、富士山麓の御殿場市などの住民の安全確保は最優先事項です。そんな事態は起きてもらいたくありませんが、備えはしておかなければなりません。

万一の時、もう御嶽山の時のようにキャタピラの装甲車両に機関砲が搭載されている姿を見ただけで、「どうして戦車を出してくるのか」といった認識不足による批判は出ないと思います。(小川和久)

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