ChatGPT大成功の裏にある深い闇。時給2ドル以下のケニア人にさせていた事

昨年末にローンチされた「ChatGPT」はすぐさま注目を集め、全世界で多くのユーザー数を獲得しています。しかし、その凄さの裏にある闇と限界について、メルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』の著者であるジャーナリストの伊東森さんが明かしています。

ChatGPTの凄さと限界 ChatGPTを支えるマンパワーの闇 問われる人間側の学習

米企業OpenAIが開発した「ChatGPT」という対話型AIが注目を集めている。ローンチからわずか2カ月後の今年1月に、月間のアクティブユーザー数が1億人に達す。

史上最速の消費者向けインターネットアプリケーションとなった(*1)。

ChatGPTは人間がコンピューター上で入力した自然言語を理解し、それに応じた回答ができる。

ChatGPTのモデルは、人間と対話しているような自然な文章が生成されるよう訓練されており、その精度の高さから注目を集め、爆発的にユーザー数が広がった。

ChatGPTは、全世界でユーザー数を獲得するのに、ローンチからわずか5日しかかからなかった。

この数は、iPhone(74日)、Instagram(75日)、Spotify(150日)、YouTube(260日)、Facebook(310日)と比べても圧倒的な早さだ。

GoogleやMicrosoftなど、他のIT企業も追随する。Googleは、2月6日に「Bard」という独自のAIチャットボットを発表。CEOであるサンダー・ピチャイ氏は、

「Bardは、世界の幅広い知識と大規模言語モデルの能力・知性・創造性を組み合わせることを目指している」(*2)

とTwitter上でツイート。

Microsoftも、ChatGPTを支える技術を搭載した検索エンジン「Bing」の新しいバージョンを発表する。

 

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

「ゾンビを見た」あのクリントン米元大統領から直接聞いたハイチの恐怖体験談

第2次世界大戦後生まれ初の大統領として、2期8年に渡りアメリカを率いたビル・クリントン氏。そんな元大統領が、とあるパーティで隣り合わせになった世界的エンジニアに、にわかに信じがたい内容の話を語り出したといいます。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、Windows95を設計した日本人として知られる中島聡さんが、クリントン氏の口から飛び出したゾンビ目撃談を含む衝撃的な「本当のゾンビ話」を紹介。30分にも及ぶ会話の内容を誌面で公開しています。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

偶然会ったビル・クリントン氏から聞いた「本当のゾンビ話」

先週、ビル・クリントン氏(第42代アメリカ合衆国大統領)と30分ほど1対1で話す機会があったので、その報告です。

その日、いつも海岸でのエクササイズを仕切ってくれている人たちが、釣った魚のバーベキュー・パーティをするというので、妻と浜に行きました。すると、途中ですれ違った人に見覚えがあったので、「今のビル・クリントンじゃない?」と妻に聞くと、彼女も驚いて首を縦に振ります。

BBQ会場について、列に並んでいる時に、前にいる知り合いに「今、ビル・クリントンに会ったんだけど」というと、「このコミュニティに泊まっているらしい。娘さんはまだそこにいるよ」と教えてくれました。

後から分かったのですが、私の家が属しているコミュニティのオーナーの一人が、クリントン氏のお嬢さんと仲が良く、家族そろって遊びに来ていたそうです。VIPがこのコミュニティに来るらしいという噂は聞いていたのですが、それがビル・クリントン一家だったのです。

とはいえ、お腹が減っていた私にとっては、お目当ての魚を食べることが最優先です。紙の皿に美味しそうな魚のから揚げ(バーベキュー・パーティと言いながら、から揚げがメインでした)を二つ取り、食べる場所を探しました。すると、部屋の真ん中の長いソファーに空きがあるので、妻と座りました。妻が端に座りで、次が私、その次が3歳ぐらいの子供と、その父親、という順番です。

隣に座った子供には、私の妻が「何歳なの?」などと話かけましたが、人見知りなのか、まともに返事をくれず、お父さんが申し訳なさそうに、「3歳です」などと答えてくれました。

そんな座り方で、魚のから揚げを夢中で楽しんでいた私が、「クリントンさん戻って来ないのかな」と私の妻に話しかけると、「あなたの隣にいるわよ」という返事が返ってきました。子供はそのままでしたが、父親の座っているところにクリントン氏が座って、魚のから揚げを食べているではないですか。このお子さんは、クリントン氏のお孫さんだったのです。

せっかくの機会なので、話しかけようとは思ったのですが、何を話して良いのか分からないし、クリントン氏も骨の多い魚の唐揚げと格闘しているので、話しかけることは出来ませんでした。

しばらくすると、その子供の父親(クリントン氏の義理の息子)がやってきて、「僕らは家に戻っているけど、ジョンはまだここにいるから」と言い残して、私とクリントン氏の間にいる子供を連れていってしまいました。

間にいた子供がいなくなってしまったこの状況で話しかけないとは逆に失礼と思い、思い切って「この魚、美味しいですね」と話しかけると、とても嬉しそうに、子供が置いていった「地元の魚カタログ」のフグを指差し、「この魚には毒があるんだ。日本だと特別な調理師免除を持っている人しか料理できないのに、ハワイでは誰でも料理が出来るのは変だと思わないか?」と話しかけて来ます。私が「私の次男は、日本で修行した料理人で、日本に帰った時に、フグ調理師の免許を取得しています」と答えました。

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

三木谷会長「お手並み拝見」楽天がMWCでドコモに見せた強烈な対抗意識

先日閉幕した世界最大級の携帯電話関連展示会「MWCバルセロナ2023」では、話題の中心だったOpen RAN関連の展示において日本のNTTドコモと楽天シンフォニーの2社がその一角を占め、存在感を見せていたようです。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんが、2社の代表が語ったO-RAN事業の展望を紹介。楽天の三木谷会長が「(ドコモから)見下されている」と言いながら、すでに600億円以上の売り上げがある現状を踏まえ、ドコモに対し「お手並み拝見」と余裕の言葉で、対抗意識を隠さない様子を伝えています。

井伊ドコモ社長「芸風が違う」、三木谷楽天会長「見下されている」──MWCで盛り上がりを見せた「Open RAN」

今回のMWCではノキアがロゴを変更し、Open RANに舵を切ろうとするなど、Open RANが話題の中心であった。数年前からO-RANに注目が集まっているが、景気後退もあって、思うようには進んでいない。まだまだ「様子見」のところも多いようだが、だからこそ、このタイミングで売り込みをかけているようにも見える。

NTTドコモはO-RAN事業に「OREX」というブランド名をつけた。すでにボーダフォンやSingtel、Dishなどと交渉しており、支援に向けた話し合いが進んでいるという。一方で、楽天シンフォニーも、MWC期間中にプライベートイベントを実施。世界のキャリアに向けてのアピールに余念がなかった。

NTTドコモと楽天シンフォニーという日本企業がOpen RAN事業に参入しているということで、メディアとしてはどうしても両社を比較したくなってしまう。しかし、NTTドコモの井伊基之社長は「楽天シンフォニーとは芸風が違う」と言い切る。

「彼らは買ってきて、売るというモデルだが、僕らは研究所などで技術を磨き、13社入れて、自分のネットワークで使って、その結果を他キャリアに売るというビジネスモデル。検証し、サポーティング能力、フォローする能力を信頼してもらい、売るモデル。売り切るよりも、アフターもしっかり面倒を見る。

そもそも、会社の成り立ちが全く違う。全部とは言わないが、グリーンフィールドのように新しくやるところとは楽天シンフォニーのほうが相性がいいのかも知れない。しかし、ブラウンフィールド的に3G、4Gをやってきた人たちからすると『いったい、どうやって移行すればいいの』という話になってくる。ハイブリッドとなるとどうしたらいいのか。僕ら自身がそういう状態なので、そのノウハウを上手くシフトしながら、数%をOpen RANにするというアプローチをしている」と語る。

一方で、楽天の三木谷浩史会長はNTTドコモのOREXに対して「実績はあるんですか。お手並み拝見といったところ。もしかしたらうまく行くかも知れませんが」と一蹴する。三木谷会長は「我々が世界で一番先を行っている。大きいテレコムカンパニーからの関心が寄せられ、一度試してみたいという要望がある」という。

楽天には「実績がない」という指摘があるなか、三木谷会長は「いろんな周波数帯域があり、いろんな機器があり、3GPPの仕様だけでなく、それぞれのキャリアに個別の使い方がある。それらにすべて対応していかなければいけない。単純に動けばいいわけじゃない。いろんな機能をつけていかなければいけない。パフォーマンスも必要。実際に使ったとき、オートメーションやオートヒーリング、オートスケーリングが本当に動くのか。動いたけど、消費電力が3倍では意味がない。みんなが昔、これは不可能だと言っていた理由は、それなりにある。いつかはほかの人もできるでしょうけど、結構時間はかかるのではないか」と、先頭を走っているからこその苦労を明らかにした。

では、Open RANビジネスは儲かるものなのか。三木谷会長は「仮想化の市場は、15兆円や20兆円になる。そのうち、全部が全部うちに来るわけではない。ここにはハードウェアも入っているが、うちはハードウェアは基本的にやらない。利益率は高いビジネスになると思いますが、あとはしっかりデリバリーができる体制の構築が重要になる」とした。

一方で、井伊社長は「儲かってくれないと困る。売り切りモデルじゃないので、売った後のフォロー、サポートをリカーリングでもらっていく。数が集まれば、収入が上がっていく。数を増やさないとしょうがない。私は社内で売上げ100億円いかないとビジネスじゃないといっている。楽天シンフォニーは600億円をいっている。そういうレベルにいくビジネスになると思っている」と語った。

記者から「NTTドコモと一緒にやればいいのでは無いか」と提案があったが、三木谷会長は「どちらかというと、(NTTドコモから)見下されていると思っている。ウチは表向きは日本の会社だが、中身は国際チームなので、そこは違うところではないか」と語った。

いずれにしても、来年のMWCでどちらがOpen RAN市場で勢いづいているのか。かなり楽しみになってきた。

この記事の著者・石川温さんのメルマガ

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ChatGPTが苦手な日本語の形態素解析が得意「Notion AI」が使える予感

メモやタスク管理、Todoリストにドキュメント管理などが一つになった人気の万能ツールNotionが「Notion AI」を正式リリース。早速試して使い勝手を報告してくれるのは、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者で人気ブロガーのりばてぃさんです。マーケティングの仕事にはつきものながら、時間もコストもかかる日本語の形態素解析で完璧に近い働きをしたと、ChatGPTを上回る能力を確認。入力した情報が暗号化されることもビジネスユースに適していて、エクセル+αの使い途に大きな可能性がありそうと伝えています。

未来をつくる仕事術:Notion AIは形態素解析をするのに便利

様々な機能のついているNotionですが先週、正式にAIをリリースしました。昨年末にお試しとして一部のユーザーに公開されていましたが、その使用状況などを参考に改善し、正式リリースとなったそうです。
Notion AIを正式リリースしました!

Noitonのアカウントを持っている人ならば無料版であっても20回無料で利用できます。もっと使いたい方は月額8~10ドル、利用するバージョン次第ですが、けっこう安価で使えます。

なお、Notion AIは他のChatGPTやPerprexicityと違い、入力した内容をAIトレーナーが開発に参考にするというのがないので、入力した情報は暗号化され外部には漏れないとのこと。これはビジネスで利用する方には重要なポイントだと思います。

というわけで、早速各所で使い方など話題になっていますが、その多くが文章を要約させたり、文章を書かせるものが多いですが、中にはNoitonはもともと関数使えたりと多機能なので、エクセルで処理していたものプラスアルファ的な作業を試しているのもあったりします。

それらを見ていて、ふと、日本語の形態素解析ってしてくれるのだろうか?と思ったのです。少し前にデータサイエンス会社のお仕事で日本語処理において、日本語特有の形態素解析がけっこうやっかいだという話をしたことがありました。

仮にキーワードが少なくても一仕事(もしくはそれ以上)増えるし、数が数百以上になると確実に外部にアウトソースして処理してもらっています。でも外部に出すと少し時間がかかるし、数百ドルのコストではあるので、少量であっても効率化できたらいいのになと思っていたところにNotion AIが登場!

早速試してみたらきちんと形態素解析してくれました。微調整が必要なところは若干あるけども完璧に近いです。なおNoiton AIはGPT3を使っているとのことなので、ChatGPTでも試したら全然ダメでした。調べたところ、Notion AIは形態素解析を導入しているから対応できているのだとか。

そんなわけでこの実験結果を上司と創業者に連携したので、テックチーム含めデータチームでの効率的な活用を今後いろいろ模索していくのかなと思います。

Noiton AIは自分で処理するには時間がかかるようなエクセルプラスアルファの作業とかで力を発揮してくれそうな気がします。

個人では無料版を利用していますが、Notionを使っているので、いよいよAIを使うために有料版を購入しても良いかもしれないなと思いはじめています。お試しできるので、ご興味ある方はぜひどうぞー。

この記事の著者・りばてぃさんのメルマガ

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ロシア“崩壊”にも言及の異常事態。プーチンがついに「戒厳令」を口にした意味

プーチン大統領の「ドンバス地方完全制圧指令」の期限まであと1ヶ月を切り、猛攻を続けるロシア軍。人的被害無視の戦術で主要都市バフムト攻略も間近との報道もありますが、事はプーチン氏の思いどおりに運ぶのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ウクライナ戦争の最新の戦況を解説しつつ、ロシア軍とワグナー軍の「仲間割れ」の可能性を指摘。さらに世界が今後、どのような方向に進んでゆくのかについて考察しています。

バフムト陥落か?人的被害を無視して進撃スピードを上げるロシア軍

ロ軍が人海戦術でバフムト包囲完成真近で、ウ軍のバフムト撤退開始という事態である。今後の戦況を検討しよう。

ロ軍は、冬の大攻勢の結果が出ている。バフムト以外の攻撃は失敗しているようだ。このため、結果的に成果が期待できるバフムトにロ軍は兵力を集めていることになる。

そして、ロ軍大規模攻勢の成果がバフムトだけで出ている。ウ軍は、バフムトから撤退して、チャンプ・ヤールに新しい防衛線を作り、その準備ができ次第、撤退なりそうである。

ロ軍は、クレミンナの攻撃要員もバフムトに回した可能性がある。この方面での攻撃が少なくなっている。人海戦術ということは、人的資源を集中して、ウ軍の数倍以上の人員を集める必要がある。

ウ軍も大増援部隊を出して、ロ軍の人海戦術に対抗するので、ロ軍も人員を集める必要になる。そして、人的被害を無視して進撃スピードを上げるしかない。ワグナー軍は巧みに前線を突破してくるが、その戦術もワグナー軍のマニュアルを鹵獲したことで明らかになっている。

ウ軍の陣地正面に多数の10人程度の小隊を突撃させて、ウ軍の機関銃をその迎撃に向けさせている間に、その外側を機甲部隊がすり抜けて、後方の陣地を攻撃して、手前の陣地を無力化することで、前進させるという戦術のようである。

ワグナー軍は、M03号線を超えて西側のベルキウカを占領し、トボボバシリフカを攻撃している。そこを超えて、地方道00506線を切りたいようだ。しかし、今のところ、トボボバシリフもカザリジネスクの街も、ウ軍が防衛している。

また、ロ軍とワグナー軍は、パラスコビイウカを全面的に占領して、M40号線を超えてヤヒドリウカも占領した。そしてステプキー駅周辺も占領した。

侮れないワグナー軍の柔軟性に富む戦術

ウ軍はスタフカのダムを破壊して、ロ軍の侵攻を遅らせる手段をとっているが、前進が止まらないことで、とうとう、ウ軍陸軍司令官のシルスキー大将が、バフムトを訪問して、さらなる増援で撤退戦の支援をするようである。今までに6個旅団を投入したが、追加で数個旅団を投入するようである。ヤヒドリウカから攻撃してくるワグナー軍との戦闘にウ軍国際旅団も投入した。

ウ軍機械化部隊は、M03号線を東に進軍したが、ロ軍の装甲部隊に、パラスコビウカで阻まれた。ワグナー軍とロ軍空挺部隊の混成軍の戦術は柔軟性に富んでいる。このため、ウ軍装甲部隊は押し戻された。

ワグナー軍の歩兵数も少なくなっているが、その穴埋めとして、ロ軍空挺部隊が参加したようであるが、戦術と指揮はワグナーの司令官が行っているようだ。戦術の柔軟性が高いので、ウ軍もおちおちできない。

ワグナー軍の中核は、今や南ア軍退役者になっているようである。このため、柔軟な作戦指揮ができるようである。ワグナー軍を侮ってはいけない。

これにより、メインのM03補給路だけではなく、地方道00506道も切断される可能性が出てきた。

ワグナー軍トップのプリゴジンは、すでにバフムトを包囲したと豪語したが、この状況でロ軍は、ワグナー軍の撤退を命令して、バフムトの前線からワグナー軍を排除して、手柄をロ軍だけのものにするようであり、プリゴジンは、今ワグナー軍がいないと、前線が崩壊すると苦言を述べている。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

露に攻め込まれる可能性も。日本の岸田首相が「キーウ行き」を渋るワケ

政府が慎重に検討を重ねている、岸田首相のウクライナ訪問。G7に限れば日本の首脳だけがキーウを訪れていないことになりますが、そもそも我が国の宰相はウクライナに出向くべきなのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、この問題を取り上げた香港の有力英字紙の記事を紹介。エネルギー安保やロシアによる軍事的脅威、さらに台湾問題といった要素を鑑みつつ、首相のウクライナ訪問の是非を考察しています。

はたして岸田首相はウクライナ訪問を実行すべきか?海外も注目する日本の「国家戦略」

岸田首相はウクライナを訪問すべきなのでしょうか?

「断固たる姿勢をしめすためにも行くべきだ」という意見もあれば、「日本が戦争に巻き込まれるのは嫌だ」という意見もあるでしょう。

海外もこの問題には注目しています。

以下3月3日のサウスチャイナモーニングポスト紙の記事です。

先月、バイデン米大統領が突然キエフを訪問して以来、岸田外相も同じことをするようにという国際的圧力が高まっている。

 

しかし、岸田首相は、ウクライナ訪問を渋っているようだ。

 

その理由は、ロシアからのエネルギー供給が危うくなる恐れがあることと、戦争に巻き込まれるべきでないと考える日本国民を怒らせるかもしれないという懸念があるからだ。

 

木原誠二官房副長官は日本のメディアに対し、「具体的なことは何も決まっていない」と述べた。

 

また、「ウクライナは地理的にかなり遠い」「自衛隊が首相の安全を保証するのは難しい」とも述べた。

解説

岸田首相がウクライナ訪問が国際的な注目を浴びる要因のひとつは、G7で日本のリーダーだけが訪問していないからです。

そして今年、日本はG7の議長国です。さらにサミットが5月に広島で開かれるのですから、タイミング的にも報道されやすくなります。

広島サミット開催時、岸田首相だけがウクライナに行っていないとなれば、なんらかの形でロシアに対する共同声明がなされる場合、開催国である日本だけが腰を引けている印象を与えるでしょう。

しかし、日本がこれ以上にロシアを怒らせたくない理由もあります。記事を読み続けましょう。

エネルギー自給率が11%とG7諸国の中で最も低い日本は、ロシア極東のサハリン2プロジェクトから年間の液化天然ガスの10%近くを購入している。

 

エネルギー・大気浄化研究センターによると、昨年2月から7月にかけて、日本はロシアの石炭、石油、ガスを26億米ドル購入したという。

 

東京大学先端科学技術研究センターの山口特任助教は「ロシアの反発」は係争中の領土に関する日露交渉にも影響するかもしれないと述べた。

 

「日本はロシアの軍事的脅威にさらされる可能性さえある」とも述べた。

この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ

レイプ被害者にすら示談を説得。とことん「働きたくない」日本の警察

青森県で発生したタクシー暴行事件における女性警察官の不適切な言動が、ワイドショーなどで報じられ大きな話題となっています。そんな案件を取り上げているのは、現役医師で作家の和田秀樹さん。和田さんは自身のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』で今回、交通取締りや楽な事件にしか動こうとせず、働くべきところで仕事をしない日本の警察を強く非難するとともに、彼らを批判することがないテレビメディアに対して厳しい目を向けています。

楽な事件ではよく働く日本の警察

仕事をしない点では私の予想通りのニュースが情報番組で流された。

青森県警の女性巡査部長が、タクシー運転手が暴行を受けたとの通報を受けたのちに、被害届を受け付けず、微罪処分でいいかと半ば脅すような口調で説得している一部始終がドラレコに残っていて、それが報じられたのだ。

前からここでも問題にしているように、警察はなるべく仕事はしたくない、マスコミが騒いでいる事件だけを捜査すると私は考えている。

そんなはずはないという人が多いが、この巡査部長の対応が、まったく当たり前のような感じでやっていることがそれを物語っている。私には例外に見えなかったが、それを指摘するコメンテーターはいない。それどころか、仕事が忙しいのがわかると警察に同情的なコメントを出す人までいた。やはり警察組織全体への批判はできないのがテレビ局なのだろう。

しかしながら、私の何人かの患者さん(というより、私の知っている臨床心理士のクライアントさん)は、ストーカー被害を訴えても、人手不足を理由に被害届が受理されないという話をしてくれる。

人手不足のはずだが、主要な交差点では一時停止違反の車を捕まえるのに24時間(16時間くらいかもしれない)警察が張り付いている。

一時停止違反で重大な事故が起こるというのか?警察は交通違反を取り締まるただの金儲け組織に成り下がっているとしか思えない。

実際、ルフィと言われる人たちが命じて、数千件の特殊詐欺と強盗が起こっているが、始まったのが2、3年くらい前らしいのに、これまでほとんど騒ぎになっていなかった。おそらく「微罪」あつかいにして、まじめに捜査もしてこなかったし、仕事が増えるから、こんな事件があちこちで起こっていますよという情報開示もしてこなかった。

たまたま、狛江で間違えて人を殺したから、やっと世間が騒ぎ出し、警察が動いたということだろう。殺人がなければ、今でも世間が知らないままに強盗事件が続いていたというのが私の読みだ。

この記事の著者・和田秀樹さんのメルマガ

激安スーパー「ロピア」も「業務スーパー」も。焼肉店への参入で見せる戦略と本気

激安スーパーとして知られる「業務スーパー」と「ロピア」。今絶好調の業績を誇るこの2社が外食業界に本格参入し、本業さながらの人気を呼びつつあります。そんな両社が展開する注目の飲食店を取り上げているのは、フードサービスジャーナリストの千葉哲幸さん。千葉さんは今回、彼らのこれまでの歩みを紹介するとともに、それぞれの戦略を詳細に解説しています。

【関連】客単価7000円超の衝撃。いま焼き鳥居酒屋が「高度化」してきている

プロフィール千葉哲幸ちばてつゆき
フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

急成長の激安スーパー企業「ロピア」「神戸物産」が外食事業に進出。差別化はかる焼き肉食べ放題、料理の鉄人ブランド展開…

スーパーマーケットの世界で急速に業績を伸ばしている企業に神戸物産(本社/兵庫県加古川市、代表/沼田博和)の「業務スーパー」と、ロピア(本社/神奈川県川崎市、代表/高木勇輔)の「ロピア」が挙げられる。「業務スーパー」は1981年創業で2000年にFC体制をスタートさせて全国に展開、2022年10月期には1,007店舗となった。ロピアは1971年創業、2022年2月期に2,469億円となった。店舗数は2022年12月末で73店舗となっている。

この2社に共通していることは商品が低価格であること。そして社長が2代目。沼田社長(42)は2012年社長に就任。高木社長(40)は2013年社長に就任と経歴は似ている。特に高木社長の場合は社長就任時の年商が501億円だったが約10年間で5倍に伸ばしている。「2013年2兆円」を標榜し事業の多角化を推進している。

さらに共通しているのは事業拡大のために外食事業を推進し、その主力業態として焼き肉を位置づけていることだ。日本の人口が先細りしていくなかで、外食分野で成長していくためにそれぞれどのような戦略で臨んでいるのだろうか。

日本のアニメ・SF界に与えた大きな影響。漫画家・松本零士さん死に思うこと

『宇宙戦艦ヤマト』、『銀河鉄道999』、『宇宙海賊キャプテンハーロック』といった作品で誰もが知る漫画家の松本零士さんが2月13日、急性心不全のためになくなりました。85歳でした。松本さんに憧れ、何とかお会いできないかとさまざまな企画を立てたことがあると明かすのは、ジャーナリストで作家の宇田川敬介さん。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』では、松本さんの宇宙描写の素晴らしさやアニメやSFの世界に与えた影響の大きさについて、思い入れたっぷりに語っています。

松本零士さんの逝去について

松本零士さんとは、会ったことがない。私は会いたいと切望し何度も企画を作ったのです。例えば国会新聞社時代に、宇宙戦艦大和が好きという石破茂氏に、松本零士さんとの対談をするという企画を作ったのですが、ちょうどタイミングが合わなくてうまくゆかなかったということがありました。

宇宙戦艦ヤマトに関して、結局石破茂氏と話をするのですが、かなり詳しい話をお互いにしていたことを覚えております。

それ以外にも、日本の地酒を各都道府県から選び、その酒に松本零士さんがキャラクターをつけるというような企画もあったかと思います。この話に関しても、かなり前向きに進めたのですが、その途中でイタリアで松本零士さんが倒れられてうまく合わなかったということになります。

ある意味で、宇宙戦艦ヤマトが出てくるまで、宇宙に行くものというのは、円盤かロケットということになっていました。また、その宇宙人に関しても完全に人間と同じ形の宇宙人が出てくるというのは、なかなか少なかったのではないかという気がします。

もともと、宇宙ということに関しては、「地球を侵略する者」という感覚がありキリスト教的なかちかんから足がたくさんあるものが悪魔の使いであるというような、考え方から「火星人」などは、すべてタコ型の宇宙人(生命体?)になっているという話を聞いたことがありますが、まさにそのような観点から言えば、宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999は、かなり画期的な内容であったと考えます。

そもそも「船が空を飛ぶ」「鉄道が宇宙を走る」という感覚は、世界で松本零士さんが初めてであり、その思想がしっかりと存在することが、日本のアニメーションでは高く評価されているだけでなく、その後のSFの世界では、かなり大きな飛躍を持ったのではないでしょうか。そしてそのことから出てくるのが、そののちの日本のアニメではないかという気がします。

ある意味で、そのような自由な発想は、先に「キリスト教的価値観では、悪魔の使いは足がたくさんある」などの話があり、そのような価値観があるのですが、日本では「宗教的価値観」や「政治的価値観」に縛られることはないということがあり、そのことから、自由に様々な発想があるということではないかと思います。

天才とは「何か他の価値観からの束縛がないこと」であり「様々な要素を自由につなぎ合わせて考えることができる事」ではないかと思います。その意味では松本零士さんはすごい人ではなかったかという気がするのです。

その後の日本のアニメーションでも様々な凄い人がいると思います。しかし、そのような人々の原点ではなかったかと思います。改めて、ご冥福をお祈り申し上げます。

この記事の著者・宇田川敬介さんのメルマガ

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「片頭痛」の予防に電気刺激が効果。医学の最新研究を現役医師が解説

日々進歩を遂げている医療。その最先端の研究や論文を日刊で紹介してくれる「もりさわメンタルクリニック」さんの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では今回、1月27日に公開された「偏頭痛」の予防に関する研究を取り上げています。248人の偏頭痛に悩まされている人たちへの試験によって、上腕に電気刺激を与えることで有意な予防効果がみられたと、偏頭痛持ちにとって今後の予防に期待が持てる研究結果を伝えています。

電気刺激による片頭痛の予防効果

片頭痛が強い日には、集中が困難になったり、起き上がれない状態になる等、生活への大きな影響が認められます。

今回は、上腕からの電気刺激 remote electrical neuromodulation (REN)によって、片頭痛に改善効果を認めるかを調べた研究をご紹介します。

Remote electrical neuromodulation for migraine prevention: A double‐blind, randomized, placebo‐controlled clinical trial – The Journal of Head and Face Pain

遠隔的電気刺激による片頭痛予防

片頭痛のある248人が対象となり、遠隔的電気刺激(REN)を行うグループと偽刺激を行うグループに分けて、4週間の経過を観察しました。結果として、以下の内容が示されました。

  • RENを用いたグループでは、片頭痛の強い日が減るなどの明らかな効果を認めました(例:発作の強い日の減少について、平均で示すとREN 4.5日 vs 偽刺激 1.8日)
  • 発作の強い日が50%以上減ったのは、REN 51.6% vs 偽刺激 35.7%でした。

要約:『遠隔的電気刺激(REN)は片頭痛に対して、予防的効果を認める可能性が高い』

1日おきの刺激で、明らかな副作用もなく、負担の少ない予防のための選択肢として検討可能な方法であると思われました。

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