科学者は部屋中の布についたペットの毛を、どう落としているのか

犬や猫も今や家族の一員として室内で飼われるケースが圧倒的に増えましたが、衣服や寝具などに付いたペットの毛は頭の痛い問題です。無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』の著者で科学者のくられさんは今回のコラムで、洗濯機・乾燥機の上手な活用法など、ペットの毛にまつわるお悩み解決法を紹介しています。

ペットの毛を布から除去するテクニック

ペットの毛を取るには、以前「辛口の科学者も太鼓判、ペットの抜け毛問題を解消する洗剤が凄い」で、LIONのペットの毛を落とす洗剤で落とす方法を紹介しましたが、それでも衣類やベッドシーツなどのリネン、特に綿の生地には動物の毛は細かく絡みつき除去するのが大変です。

基本はコロコロ粘着か毛取りローラーで取りますね。下記2つはわが家でも重宝しているアイテムですが、それでも限界があります。

● ニトムズ コロコロ スペアテープ(Amazon)
● パクパクローラー(Amazon)

まず、換毛期のベッドシーツ、布団カバーに関しては頻繁に洗うのは当然なのですが、洗う際も、ペット用洗剤にさらに柔軟剤を2割ほど足して洗濯します。当然柔軟剤も専用のものを使うことでかなり落とせます。

またドラム式洗濯機の場合は乾燥までを全部やってしまいます。当然カバー類は多少痛みますが、もともと消耗品ですし、乾燥までドラムでやってしまうとかなりペットの毛は取れます。

また、軽くついただけの毛は、ちょっとした工夫ですごく落とすことができます。

まず、霧吹きを用意してその中にCMCカルボキシメチルセルロースを小さじ一杯ほど入れます。CMCは食品添加物用や化粧品材料などで買うことが出来ます。床にこぼすと掃除が死ぬほどめんどくさいブツなので取り扱いにはご注意を(無限にぬるぬるになります)。

霧吹きの中でよく振って水とまぜたあとは、普通のスプレーとして使います。

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ペット毛のついたシーツにスプレーして動物毛の毛取りブラシ写真のものはダイソーで購入でこすれば普通にこするより遙かにとれます。これはCMC自体が細い毛をダマ化させやすいのと、他の毛や埃を抱き込んで取れやすくなるからです。

ハウスダストを抑える系スプレーでも同じ効果がありますが、自作した方が安上がりです。

● アリエナイ理科ポータルのこの記事をお読みになりたい場合は、こちら

※記事の一部に誤りがあったため修正いたしました。

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語り継がれるのには訳がある。納得できる美しいドラッカーの教え

「マネジメントの父」「自己啓発の友」と呼ばれるピーター.F.ドラッカーの教えを伝え続ける、ドラッカー学会。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では同学会理事の佐藤等さんが、『経営者の条件』などドラッカーの名著を引用しつつ、顧客の変化・組織の成果の観点から個人の貢献はどうあるべきかについて考察しています。

仕事と人生に生かすドラッカーの教え ドラッカー学会理事 佐藤等

「貢献」と聞くと社会貢献という意味を思い浮かべる人も多いと思います。

結果としてそこに通じるのですが、ドラッカーが用いた「貢献」とは、組織が成果をあげるために一人ひとりが組織の中でどのような貢献をなすべきかと考えることです。具体的には、上司、部下、同僚に対して次のように聞くことです。

「あなたが組織に貢献するためには、私はあなたにどのような貢献をしなければならないか」

 

「いつ、どのように、どのような形で貢献しなければならないか」

 

(『経営者の条件』)

組織が手にする一つの成果は、多くの人の貢献がつながって実現するものです。

ちなみにドラッカーの「成果」は、組織が手にするものではなく外の世界における変化を意味します。端的にいうと顧客にどのような変化があるかということです。たとえば、学習塾の成果は成績が上がることであり、治療院は痛みが軽減することです。

どんな業種でも顧客に何の変化も起きなければやがて顧客はいなくなるでしょう。顧客満足という言葉が用いられることがありますが、その満足の中身が何かが重要です。「顧客にとっての価値は何か」や「われわれの成果は何か」を組織に属する人が共有してはじめてその組織の「なすべき貢献」が決まります。つまり組織が一定の方向を示すことではじめてなすべき貢献を決めることができるのです。こうして主体的に仕事をする組織の土台が形成されます。

「なすべき貢献」とは、自分勝手には決めらません。貢献の先に常に顧客がいるからです。つまり、「なすべきこと」は顧客が決めるということです。

なすべきことできることに変えていくことが自己開発です。仕事においては、顧客の存在抜きに「やりたいこと」が先行することはありません。目の前の「なすべきこと」は、いろいろな縁の中でたまたま自分がさせてもらっているのです。目の前のなすべき貢献、すなわち仕事をさせてもらっていることに感謝し、さらに自分を磨き高める努力を続けることです。

徴用工問題、日本が韓国に「仲裁委」開催要請もSNSに「弱腰」の声

日本の時事通信やNHKなどによると、日本政府は20日午前、韓国最高裁が日本企業に元徴用工らに賠償を命じた判決をめぐって、韓国側が日韓請求権協定に基づく協議の要請に4か月以上たっても応じず、日本企業の資産「差し押さえ」の動きが進んでいることなどを勘案して、「仲裁」への付託を韓国側に申し入れたと発表した。政府は「仲裁委員会」を開催するよう韓国政府に求めたという。河野外務大臣も自身のツイッターアカウントで表明した。(随時更新)





このニュースをめぐって、Twitter上では、日本政府に対して「弱腰だ」「制裁だろ」「甘すぎ」など、批判的な意見が多く投稿されている。

Twitterの反応






※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

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元国税が暴く「ヨーロッパに比べ日本の消費税はまだ安い」の大嘘

前回の記事「国際機関が『日本は消費税26%必要』発表の大ウソ」で、財務省の策略を暴いた元国税調査官で作家の大村大次郎さん。今回のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では、「ヨーロッパの先進国に比べれば日本の消費税はまだ全然安い」という消費増税推進派が用いる言説について、欧州の手厚い低所得層保護の政策や幅広い軽減税率等を解説し、その嘘を暴きます。

ヨーロッパ諸国の間接税と日本の消費税はまったく違う

「ヨーロッパの先進国に比べれば日本の消費税はまだ全然安い」消費税推進派の人たちは、よくこう言います。というより、このことを最大の武器にしてきました。

が、ヨーロッパの先進国の消費税と、日本の消費税というのは、その中身がまったく違います。同じように間接税ではありますが、両者はまるで違うものなのです。

消費税の最大の欠点というのは、このメルマガでも何度もご紹介しましたように、「低所得者ほど負担が大きくなる」ということです。年収200万円の人は、年収のほとんどを消費に使うので、年収に対する消費税の負担割合は、限りなく8%に近くなります。

一方、年収1億円の人はそのすべてを消費に回すことはあまりありません。2割を消費に回すだけで十分に豊かな生活ができます。2000万円の消費に対する消費税は160万円です。

そうすると年収1億円に対する消費税の負担割合は、1.6%に過ぎません。つまり、年収200万円の人からは年収の8%を徴収し、年収1億円の人からは年収の1.6%しか徴収しないのが、消費税なのです。このように間接税というのは、低所得者ほど打撃が大きいのです。

ヨーロッパ諸国の低所得者への手厚い支援

ヨーロッパの先進国は、間接税の税率は高いですが、低所得者に対する配慮が行き届いています。ヨーロッパでは、低所得者に対して様々な補助制度があります。

イギリスでは生活保護を含めた低所得者の支援額はGDPの4%程度です。フランス、ドイツも2%程度あります。が、日本では0.4%程度なのです。当然、低所得者の生活状況はまったく違ってきます。

日本では、低所得者の所得援助というと「生活保護」くらいしかありません。しかも、その生活保護のハードルが高く、本当に生活に困っている人でもなかなか受けられるものではありません。

日本では、生活保護基準以下で暮らしている人たちのうちで、実際に生活保護を受けている人がどのくらいいるかという「生活保護捕捉率」は、だいたい20~30%程度とされています。

生活保護というと不正受給ばかりが取り沙汰されますが、本当は「生活保護の不受給」の方がはるかに大きな問題なのです。イギリス、フランス、ドイツなどの先進国では、要保護世帯の70~80%が所得支援を受けているとされています。

国際交渉人が説く。ロシアが北朝鮮を生かしておきたい本当の理由

アメリカのポンペオ国務長官がロシアを訪問。ラブロフ外務大臣及びプーチン大統領と会談しました。ここのところ隔たりが目立った米ロ関係に修復の兆しが見られるようです。メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』の著者で、数々の国際舞台で交渉人を務めた島田久仁彦さんは、陰での北朝鮮支援や中東進出のためのイラン支持など、ロシアの巧妙な外交戦略について解説。北方領土についてもまったく返す気はないと結論づけています。

高まるロシアの外交的存在感

今週はさまざまなところで『ロシアにまつわる外交案件』が話題になりました。その代表は、ポンペオ国務長官のロシア訪問と米ロ間での外交的なやり取りでしょう。 ヘルシンキで会ったばかりのラブロフ外務大臣と、数日開けてロシア・ソチで会談し、ソチではプーチン大統領もポンペオ国務長官と1時間半にわたる会談を行いました。 米ロが間接的に国際情勢において対峙する案件(イラン問題、ベネズエラ問題など)では、両国の意見の隔たりが目立ったようですが、米ロ双方共に、関係の修復を図っている印象があります。

そのきっかけは、アメリカ国内では政争の具にされていますが、トランプ大統領をめぐるロシア疑惑について、法的にはシロに近い判定が出たことで、両国とも関係の修復と、様々な国際問題における協力を再開する動きに出てきています。

もともとトランプ大統領就任時は、イラン問題も北朝鮮の非核化といった問題でも協力し合う旨、確認していましたし、互いにとっての懸念材料である中国の台頭についても、共闘体制が取られるはずでしたから、約2年の時を経て、トランプ政権スタート時の状態まで戻す方向にベクトルが向いているような感じです。ゆえに、米ロ間の衝突については、近いうちに修復されるものと考えられます。 次にロシアの影響力が高まってきたように思えるのが、北朝鮮問題です。先日、ウラジオストックでやっと開催された金正恩氏との首脳会談を機に、ロシアは北朝鮮をめぐる様々な問題の解決のための駆け引きの舞台に主役級で登場することになりました。

裏には、中国・習近平氏とプーチン大統領の間のパワーバランスを天秤にかけようとしている北朝鮮の思惑があるのですが、実際にここで主導権を握っているのは、プーチン大統領でしょう。

当初、首脳会談がウラジオストックで開催される運びになったのは、ロシアおよび北朝鮮の経済的な思惑が一致してのことと考えていました。ロシアにとっては、プーチン大統領の経済政策の核として、シベリア・ロシアの開発の深化があり、慢性的な人手不足が問題となっていたため、ここで北朝鮮と何らかの関係を構築することで、北朝鮮からの労働者を投入して、プロジェクトの進展を図ろうという狙いがあると聞かされていました。

現役医師が危機感。生命を脅かす地球温暖化に言及せぬニッポン

世界で頻発する巨大な台風やハリケーン、サイクロンによる被害。さらにはつい先日も与那国島を襲った「50年に一度の記録的豪雨」など、極端な気象現象が、世界の人々の生活や生命を脅かしています。メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』の著者で現役医師の徳田先生は、かねてから二酸化炭素排出量世界第5位であるわが国の責任と行動の必要性を訴えていますが、今回、テレビの討論番組でエネルギー問題がテーマにも関わらず、温暖化を意識した発言がなかったことに失望と危機感を抱いています。

もっと必要な気候変動議論。サイクロンによる被害は人災

2019年3月、アフリカ南東部のモザンビークに非常に強大なサイクロンが襲いました。暴風雨、洪水、そして土砂崩れによって1000人以上の死者が出ています。数万戸の家が破壊されました。数十万人もの人々が避難生活を余儀なくされています。今後は、食料難とコレラの流行による死亡者数の増加が危惧されています。

このような巨大なサイクロンの襲撃は、日本からみて地球の反対側の国で起きましたが、同じ程度の台風が日本を襲う可能性があります。気象学者たちは、今回の巨大サイクロン襲撃の根本原因として地球温暖化を挙げています。

実際、最近数年間でも頻繁に、強力で非常に大きい台風が日本を襲っています。暴風雨、洪水、そして土砂崩れによる被害は深刻でした。台風以外にも、熱帯地域で見られるような突然の激しい大雨や突風、竜巻に襲われることが多くなりました。これらによる事故、住宅破壊、交通事故、航空機事故がよくみられるようになりました。猛暑による熱中症被害も年々深刻化しています。

地球温暖化対策の責任

地球温暖化による気候変動は人災です。二酸化炭素を始めとする温室効果ガスを排出しているのは人間です。化石燃料の燃焼、畜産、農業、化学工業、軍事などの人間活動です。

国別で見ると、日本は二酸化炭素排出量で総量で世界第5位、国民一人当たりで世界第4位です。地球規模の大規模災害を引き起こす原因のかなりの部分を作っている日本には、温室効果ガス排出を最小限に抑える行動をする責任があるのです。

2018年にスウェーデンの女子高校生が1人で始めた気候変動ストライキが世界中に広がっています。世界中の子供達が、大人たちに向ける大規模なメッセージです。大人たちが十分な対策を行っていない、と抗議の声を上げているのです。日本の子供たちも抗議活動に参加していますが日本の大人たちはその声を聞いているのでしょうか。

いじめ探偵が告発する「いじめ防止法」座長試案の許せぬ改悪部分

5月19日に放送のNHKスペシャル「いじめと探偵 ~行き場を失った“助けて”~」で、山口の大島商船高専のいじめ自殺事件をはじめ、いじめ被害者に寄り添い、問題を隠蔽しようとする者に対してはとことん詰め寄る姿勢が大反響となっている現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。そんな阿部さんが今回、自身のメルマガ『伝説の探偵』で、抜け穴だらけのいじめ防止対策推進法を改正すべき出された馳浩元文部科学相による座長試案のあまりの酷さを、痛烈に批判しています。

いじめ防止対策推進法改正が暗礁に

いじめ防止対策推進法は平成25年6月28日に公布され、同年9月28日に施行となった。

いじめに対応する活動をする者として、いじめの定義や学校の責任などが書かれた法律があることはよりどころとなる事が多かったが、その一方で努力規定を理由に何もしない学校や法を逆手にとって隠蔽に走る教育委員会など、悪用されることもあった。

これまでも遺族会の働きかけや有志の活動によって、この法律は改正の機運はあったが、国会での法案の関係で改正されることはなかった。今期、超党派の議員らによって「いじめ防止対策推進法」は、改正あと一歩のところまできている

しかし、平成31年4月10日、超党派の国会議員の座長であった馳浩議員の座長試案によって改正に大きな影が落ちてしまった

まずは、即座にいじめで子供を亡くした遺族から一斉に反発が起きた、そして、専門家も超党派の議員として改正案をそれまで話し合ってきた議員たちも改正ではなく後退だと批判をしているのだ。

実は、平成30年12月6日の段階で、超党派の議員らは改正案の条文のたたき台(以下、「12月改正案」という)を作っていたのだ。この「12月改正案馳座長の試案の差はあまりに大きいものであった。もはや、馳座長の暴走とも言える試案の公表とも言える事態になっている。

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軍事アナリストが警戒。原発へのテロよりも恐ろしいテロとは?

国家として常に怠ることはできないテロへの備え。ラグビーW杯やオリンピック・パラリンピックを控えたいまの日本の対策は万全なのでしょうか?メルマガ『NEWSを疑え!』の著者で軍事アナリストの小川和久さんは、警戒すべきテロと、抑止し被害を大きくしないために必要な法整備について持論を展開。特に、単独犯でも実行可能でかつ甚大な被害になりかねない大規模停電テロへの備えの必要性を訴えています。

費用対効果から見た大規模停電テロ

先日、ラジオ日本のマット安川さんの番組『マット安川のずばり勝負』に出ていたら、色々な質問が寄せられる中で原発へのテロを心配するものがいくつかありました。ちょっと整理しておく必要がありましたので、今回はその話をさせていただきます。

まず、原発に北朝鮮などが弾道ミサイルを撃ち込んでくる可能性。これはテロではありませんが、備えなければならないテーマでもあります。

対策は、日米同盟による報復能力を相手にわからせておくこと、つまり、何かをすれば100倍になって戻ってきて国ごと消滅することを知らせておくことしかありません。

原発に対するテロとしては、多数の乗客を乗せた旅客機がハイジャックされ、燃料満タンの状態で突っ込んでくる9.11型のテロが最も被害が出そうです。

各国政府と電力会社は、その場合にもダメージが最小限になるような新しいタイプに変えていく動きですが、基本はやはり、躊躇なく撃墜できるように法整備をしておくこと、それしかテロを実行させないための抑止力は生まれてきません。

乗客乗員の生命が大事だということは言うに及びませんが、旅客機による自爆テロが大都市部で起きたことを前提に、もっと多数の生命を守るという選択しなければならないのです。各国がそういう方向で取り組んでいます。

日本の原発防護の訓練シナリオに登場するテロリストや特殊部隊による迫撃砲攻撃と、それに続く自動火器を持った突入は、少なくともサブマシンガンを備えた警察部隊が備えているだけで、そう簡単には目的を達成できないわけで、攻撃を諦めさせるうえでの一定の抑止効果があります。

サイバー攻撃で原発を暴走させることも、サイバー面での守りを高いレベルで備えるのと同時に、なりすましなどによって管理者パスワードをだまし取られないようにすることが第一です。これについては、内通者や脅迫された従業員による破壊工作が起きないよう、人権を侵害しない範囲で重要な任務に就いている従業員の行動を監視することが必要です。

対策をきちんとしているところを攻撃してくるテロリストはいないわけで、その意味では日本も一定の水準になりつつあるといってよいかもしれません。

「すぐ、簡単、費用、効果」で決めれば間違いない仕事の優先順位

店舗経営は日々、他店との競争を強いられている為、常に新しい販売対策案が求められる厳しい側面もあります。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、店舗経営以外でも活用できる、生み出された無数の対策案の中から短時間で優先課題を見つけ出す「4つの分類法」をレクチャーしています。

立てた対策の実行法

考えついた販売対策案は、どのように活かしていけばいいでしょうか。このメルマガの634号(2019年4月17日発行)は、「対策が分からないスタッフ」でした。今回は、その続編ともいうべきものです。

634号では、打つべき対策が分からないスタッフに参考になる本を読むように勧めたと書きました。すると、どうでしょう。このお店のスタッフ3名が、素直に本を読んでくれました。しかも、それぞれ50個以上の販売対策案を考えてくれたのです。驚きましたね。出てきても一人20個くらいまでだろうという私の予想は、見事にはずれたのです。

その上、全部で150個を超える対策案はテーマごとに分類し、一覧表にしてあるではありませんか。いやあ、お見それしました。その分類テーマは、「商品」「企画」「情報」「集客」「セール」など何と20個もあります

分類したのは良いけれど、これでは少し多すぎますね。あまり細かく分けると、かえって分かりづらくなります。そして、あれもしなくてはならない、これもしなくてはならないと、対策の優先順位が見えなくなってしまうのです。

では、どんな分類がいいでしょう。これは、4つに分類することです。4つというのは、「商品」「価格」「流通」「プロモーション」。そうです、「マクドナルドとモスバーガー、なぜお互いに事業が成り立つのか」で経営戦略の中の事業戦略を考えたとき、この4つについて考えましたよね。これに沿って分類すれば、おおもとの戦略と照らし合わせることができます。

そうすれば、4つの事業戦略と対策案がマッチしているかどうかが見えてくるでしょう。

優先順位の決定法

さて、対策案の分類が出来ました。次は、対策案の実行優先順位を決めます。実行順位を決めるポイントは次の4つです。

  • すぐに出来ることか、時間がかかることか
  • 簡単に出来ることか、難しいことか
  • 予想される費用は少ないか、多いか
  • 見込まれる効果が大きいか、小さいか

当然、すぐに出来て簡単で費用が掛からず効果が大きいと判断される対策から始めることです。その逆ならば、優先順位は低くなります。こうした基準にもとづいて、4つの戦略ごとの対策案実行順位を決めていきましょう。

例えば、今回の商品戦略に分類された対策の中に「社員全員に商品勉強会を開きお客様の役に立つ情報を発信する」というものがありました。これは、すぐに、簡単に出来て、費用がかからない対策案ですので、優先順位は高いです。大きい効果が出るかどうかは、やってみなくては分かりません。

一方、「当店オリジナルの商品を企画開発し、他店との差別化をはかる」という対策案も出ました。この案は素晴らしいですが、時間も費用も掛かります。簡単なことでもありません。うまく行けば効果は大きいと思われますが、実行順位としては後のほうになるでしょう。

価格戦略の実行順位も見てみます。「クーポンやポイントを発行して、購買動機につなげる」という対策案がありました。これは、すぐにでも出来そうなことです。簡単な方法で、費用の掛からないやりかたを探せれば、優先順位は高いですね。

また「自社在庫を処分販売するのではなく、メーカーさん問屋さんの処分在庫を仕入れて販売し、利益を確保する」という対策案がでました。これは、交渉には時間がかかるかもしれませんし、簡単ではないかもしれません。しかし、交渉に費用は掛かりませんし、効果の点から見ると重要度は高いです。優先順位は高めた方が良いでしょう。

このような判断も入れながら、優先順位を決めていくと良いです。