日本人の患者にだけ共通するセリフに、米国の医師が驚いた理由

新型コロナウイルスの感染拡大への対応の仕方と国民の行動は、国によってさまざまですが、緊急事態宣言を発出しながらロックダウンの措置を取らないわが国の対応は、諸外国からは違和感があるようです。NY在住20年、『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんは、自身のメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』で、日本人の独特の考え方を指摘するアメリカの医師の話を紹介。その指摘とは、科学的エビデンスと心情的側面をごっちゃにするという耳の痛いものでした。

日米間で違う、緊急事態宣言の懸念

以前、友人のアメリカ人医師とごはんを食べに行った際の話です。彼はスコットランド系のユダヤ人。ニューヨークで開業医をやっているので、患者は世界中の国籍と人種に渡ります。そんな彼が「日本人の患者ってさ、(診察時)必ず決まっていうセリフがあるんだよ」と僕に面白いことを教えてくれました。

「『そうは言っても、先生!!少しくらいのお酒は、逆に身体にいいですよね。たま~に食べるケーキ・ブッフェくらい、そんなに悪くないですよね』って、日本人は必ず、みーーーんな言ってくるんだよ」と、ちょっと驚いた顔します。

「少しくらいのお酒は身体にいい」「たまのデザートくらい問題ない」何がおかしいのか。僕だってそう思います。なぜ、彼が驚いた顔をしてわざわざ報告してくるのか、その意図がわかりませんでした。

「オレも日本人だし、そう思うよ。日本では“酒は百薬の長”って言葉があるくらいで、飲み過ぎなければ、ストレス解消にもなるし、むしろ健康にいいんじゃないかな。いつもいつも大量の砂糖を摂取するのは、さすがに問題あると思うけど、たとえば女の子たちが仲の良い友達とたまにケーキブッフェ行くのは、幸せを感じることだろうし、長い目で人生の幸福度を計った場合、それくらいはいいいじゃん。むしろ、健康にいいという理由だけで美味しくもないものばかりを食べる生活って、それだけでストレスが溜まって、むしろ健康に悪い気がするけどな」と答えました。

すると彼は、「もちろん!そのとおりだよ!僕も医師の立場から言って100%そう思うよ」と同意します。「じゃあ、何が問題なの?」と聞く僕に被せるように彼は続けました。「だから、彼ら(患者)もそう説明してくれればいいのに!」と。意味がわかりませんでした。日本人の患者の言ってることと、彼が今、100%同意した僕の意見は同じです。「いや、同じじゃない」と彼は言います。

「いいかい。少しくらいのお酒がストレスを緩和したり、たまのスイーツが幸福感をもたらしたり、それらの事実がQOL(クオリティー・オブ・ライフ、つまり人生の質)を上げるのは間違いない。長い目でみたら、健康にいいとも言えるかもしれない。さっきも言ったように僕も同意見だよ」
「うん」
「それと、“お酒や砂糖が健康にいい”というのは全く別問題なんだよ」
「言ってることがわからない」

コロナによる追い風で見えてきた5Gが創造するリモート型社会の姿

NTTドコモが4月28日に決算説明会を開催。そこで語られた5Gの契約状況や新型コロナによる影響について、メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが伝えます。石川さんは、ドコモが掲げる5Gによる「リモート型社会に対応した価値創造」というぼんやりしていたビジョンが、リモート診療の広がりなど、コロナの影響下で鮮明になってきたと解説。以前のようには戻らない日常を支えるものとして5Gの力が不可欠になると見ています。

ドコモ、5G契約者数は4万超。約半分が5Gギガホを契約――コロナ終息後、ニッポンの経済を5Gが救うか

4月28日、NTTドコモは2019年度決算説明会を開催。コロナウイルス感染症拡大の影響が語られた。

外出自粛要請の中、モバイル通信トラフィックには大きな影響があった。対面コミュニケーションの減少によって音声通話は増加した。一方で、在宅率が上がり、自宅でのインターネット利用が増えたことで、モバイルデータ通信は微増に留まった。大きな影響を受けたのが国際ローミング。当然のことながら、海外への渡航や来訪者が減ったことで大幅な減少となった。

また端末やサービスの販売にも影響が出ている。ドコモショップの営業時間短縮による来店客数の減少、さらには端末物品の納品遅れもあるという。これにより、4Gや5Gへのマイグレーションが減速するという影響も出始めている。

NTTドコモでは3月25日より5Gサービスを開始している。3月末までの契約者数は1.4万で、直近では4万を超えているという。その半数が定額制の「5Gギガホ」を契約。4Gのギガホは2割程度の契約率のようで、5Gスマホでは「無制限キャンペーン」目当てで契約しているユーザーが多そうだ。

NTTドコモでは、2020年度には約250万、2023年度には2000万規模の5G契約を目指すという。今年度に250万ということは、やはり秋に発表、発売となるiPhoneは5G対応ということなのか。

NTTドコモでは、5Gの2020年度における取り組みとして「リモート型社会に対応した価値創造」というものを挙げている。医療、教育、製造などの現場でリモート型への転換を図っていくというわけだ。

5Gが始まる前にも、様々な分野で「5Gをリモートで活用しよう」という機運があったが、なかなかピンとくるものではなかった。確かに技術的には導入できても「法律の壁もあって難しいよねぇ」という雰囲気だったのだ。それが、今回のコロナウイルス騒動で一変した。オンライン診療は、あっという間に初診から受けられるようになってしまった。

現状では電話やビデオ通話アプリなどを利用しているようだが、これが5Gスマホと5G回線との組み合わせになれば、4Kや8Kの映像を送って診療してもらうということも可能になるだろう。臨場感のある映像を送ることができれば、患者の肌の様子や息づかい、眼球の様子なども伝えることができ、診療の精度が上がるはずだ。また、スマホと血圧計、心拍計などが連携していれば、そうしたデータも同時に送ることができる。5Gスマホを使ったオンライン診療の世界が一気に広がるような気がしている。

新型コロナウイルス騒動がひと段落したとしても、これまでと同じ日常は戻ってこない。日本の経済を立て直し、さらに成長させていくには5Gの力が不可欠なのではないか。5Gが始まる前には「あらゆる産業にデジタルトランスフォーメーションを起こす」と期待されていたが、まさにコロナ危機を脱するためにも5Gが日本に変革をもたらすタイミングがきたと言えそうだ。

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緊急事態宣言下に「不急」の憲法議論を画策。政府自民党の非常識

5月1日、政府は緊急事態宣言の枠組みを延長することを発表。期間や対象エリアなどの詳細は4日に決定すると報じられました。例年とはまったく様相の違う連休を前にして、新聞各紙は何を伝えたのか、メルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』の著者で、ジャーナリストの内田誠さんが紹介。毎日新聞が伝えたこの時期に憲法議論を画策する自民党の動きや、東京新聞が伝えた都内での抗体検査の驚きの結果などに論評を加えています。

各紙はGW前に「新型コロナ」をどう報じていたか?

ラインナップ

◆1面トップの見出しから……。
《朝日》…緊急事態 延長で調整
《読売》…緊急事態宣言 延長へ
《毎日》…緊急事態宣言 延長へ
《東京》…抗体検査 5.9%陽性

◆解説面の見出しから……。
《朝日》…核以外の「抑止力」日本奔走
《読売》…軽症者ホテル 人手不足
《毎日》…都内感染 GW正念場
《東京》…韓・独 積極PCR 奏功

プロフィール

■欧米航空産業の黄昏■《朝日》
■米国経済の減速■《読売》
■自民党は「火事場泥棒的」■《毎日》
■抗体検査の驚くべき結果■《東京》

欧米航空産業の黄昏

【朝日】は5面の経済欄に、航空業界についての記事。昨日の《読売》の「後追い」感があるが、独自の内容も多そうだ。見出しから。

(5面)
欧米航空業界 コロナ急降下
ボーイング 680億円赤字 1~3月
1万人超削減案 英BA社
完全国有化へ 伊アリタリア

記事が対象にしているのは「欧米航空産業」。航空各社及び機体メーカーの苦境。

ボーイングは、コスト削減策として、「10%の人員削減に踏み切るほか、中型旅客機「787」シリーズの生産を半減させる」。売上高は前年同期比26%減の169億ドルで、主たる要因は事故が続いた主力小型機「737MAX」の運行再開が見込めないこと。そこに新型コロナウイルスの影響が重なった形。今は、「世界の旅客機」の3分の2が飛んでいない状態。業界が失う売り上げは今年、34兆円に達するという。

ボーイング787は「準日本製」とも言われる機体で、35%は三菱重工業など日本勢が担っているので、生産が半減する影響は日本にも直接及ぶ。

見出しにあるように、英BA社は人員の1万2千人削減を労働組合に申し入れ、アリタリアは政府が完全国有化の方針。ドイツのルフトハンザは支援を巡る政府との交渉で折り合いが付かない状態、エールフランスは8100億円の融資で政府が支援。

●uttiiの眼

どこもボロボロの状態で、これから数年は旅客が戻らないとすれば、ヨーロッパの航空産業は基本的に「国営」の性格を強めていくのだろう。既に半分そうなりかかっていたようだが、いっそう政府の財政支援がなければ成立しない産業になっていくように思える。

手厚さ、スピード感が日本と段違い。アメリカの支援金給付事情

ニューヨークに外出禁止令(ロックダウン)が発令されたのは3月22日。その1週間後の29日には、1人1200ドル日本円で12万円を超える給付金が振り込まれたと報告するのは、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者、りばてぃさんです。アメリカでは、このほかにも職を失った人たちの失業給付に政府や州の補助が上乗せされるなど、早い上に手厚い支援があると紹介。同じような個人ナンバーの制度があっても効果的に活用されず、事業主への助成制度が決まっても審査や給付に時間がかかる日本との違いを明らかにしています。

我が家にも届いた経済支援金

日本でもニュースになっているとおり、今回の新型コロナ問題で一般市民には経済支援金として1人あたりおよそ12万円が給付されることが3月末に決定していたが、我が家にも4月29日付で給付金が振り込まれた。夫と2人分なので2400ドルだ。

せっかくなので、備忘録がてら経済支援金について整理しておこうと思う。

(1)高所得者ではない一般人の場合

まず、1人あたり1200ドルの給付金は、連邦政府が個人に支給する救済金。報道によると、1億2000万人以上が受け取ることになるという。対象となるのは、アメリカ市民または永住権(いわゆるグリーンカード)保持者。所得が、個人の場合で年収7万5000ドル(約810万円)までが満額の1200ドルを受給できるが、年収7万5000ドル以上は段階的に金額が減る。また、9万9000ドル(1060万円)以上は受給対象ではない。

子供なしの共働き家庭の場合、年収15万ドルまでが2人分の2400ドルを満額で受給。個人同様にその金額を超えると段階的に金額が減り、19万8000ドルを超えると受給対象外となる。さらに、17歳未満の子供には500ドル(約5万5000円)が支給されるため、例えば、小学生2人いるご夫婦の場合、3400ドルが支給されるということになる。

年収は2018年または2019年の確定申告を基準とする(今回の新型コロナで2019年の個人の確定申告期限は7月15日まで延長されている)。確定申告の際には追加の税金の支払い、または払い戻し先として銀行口座を入力しておくのが一般的。

今回の給付金はすでに登録してある銀行口座に振り込まれるだけなので比較的給付が早かったのだろう(それでも失業し、再就職もできない状況の人は経済的な不安があるため、給付日が不明な状態は精神的に大変だったと察する)。

日本の場合、こういった給付金は、低所得者や生活に困窮した人が受け取る印象が強いと思うが、上述したように、アメリカの場合は低所得者層は当然のことながら、我が家のような中間所得者にも支給されているのだ。

とはいっても世帯年収15万ドルないし、19万ドルあればそれなりの所得だけど、ただこれは住んでいる地域や州によって家賃や生活費は大きく異なるので、なんとも言えないのも事実。マンハッタンのど真ん中に住んでいれば年収20万ドルでも子どものいるご家庭の場合は足りないかもしれないのだ。

いずれにしても、今回の給付金は、失業された方にとっては非常に助かるだろうし、そうじゃなくても、新型コロナ問題で食品のセール品は少ないしオンラインオーダーの配送料など普段はかからない費用がかかっているので、たいがいの人にとって助けになるだろう。

トランプ大統領「コロナは真珠湾攻撃や9.11より酷い」発言に賛否

ドナルド・トランプ米大統領は6日、ホワイトハウスで記者団に対し、新型コロナウイルスのパンデミックについて、「米国が経験した最悪の攻撃だ。(旧日本軍に攻撃された)真珠湾よりひどい」と述べたと読売新聞が報じている。

真珠湾攻撃や同時多発テロよりひどい

感染拡大が止まらないする中、その深刻さを旧日本軍による1941年の真珠湾攻撃を引き合いに出した。それだけではなく、トランプ大統領は(2001年の同時テロでハイジャック機が突入した)世界貿易センターよりひどい」とも訴えた。

なぜ、真珠湾攻撃と同時多発テロを比較対象として出したのか?

読売新聞によると、トランプ大統領は新型コロナウイルスに対する初動対応の遅れを批判されていて、これを真珠湾や同時多発テロのような「奇襲」だったと印象付ける狙いがあるのではと伝えている。

また、トランプ大統領は、「これは起こるべきではなかった。発生源で止められたはずだった。中国で止められたはずだった。発生源で止めるべきだった。だがそうならなかった」とも述べ、中国を非難した。

一方、記者団からの質問に対しては、「アメリカの敵はパンデミックであり、中国ではない」と述べ、批判の矛先をそらした。そして、「見えない敵(新型ウイルス)を戦争と見なしている」としたものの、「ここに到達した経緯が気に食わない。止められたはずだからだ。だが、見えない敵を戦争と見なしている」と語ったとBBCが伝えている。

新型コロナで別れる明暗。なぜ日本はアビガンを使わせないのか?

新型コロナウイルスによる感染症の初期段階に投与することにより、症状改善に大きな効果があるとされるアビガン。しかしながら日本発のこの薬剤、同感染症の治療薬として認可されておらず、医師の判断だけでは使えないというのが現状です。なぜこのような状況が続いているのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では、著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんがその真相に迫るとともに、政府の対応が招いた「宝の持ち腐れ」状態を強く批判しています。

アビガン投与される人、されない人の運不運はどこで分かれるのか

新型コロナウイルスに冒され、生き延びた人、亡くなった人。基礎疾患の有無とか年齢の違いもあろうが、その差に、運不運を感じる。ともに60歳代、二人の有名人のケースがそうだ。

岡江久美子さん。4月3日に発熱し、病院で診察を受けた。4、5日様子を見るよう言われ、自宅療養していたが、6日朝に容体が急変し、大学病院に入院。ICUで人工呼吸器をつけた。その後のPCR検査で、新型コロナ陽性が判明し4月23日未明、肺炎のため死去した。

石田純一さん。4月14日に病院で診察を受け、すぐにPCR検査を受けた。15日夜、文化放送のラジオ番組に電話で出演したさい、38.8度ほどの発熱が主な症状だと明かし、治療内容についても以下のように詳しく語っている。

「一刻も猶予がないのでアビガンでいかないか、というふうにお話をいただきまして。1回2回は大量投与だったですね。呼吸とかも弱くなってきたもんですから。…おかげさまでアビガンが効いて、4日間で平熱まできました」

岡江さんはPCR検査を受けられないまま自宅で様子見しているうちに重症化した。石田さんは迅速なPCR検査でコロナ感染が判明し、アビガンの投与で回復した。この明暗はあまりにもくっきり分かれている。

4月24日の衆議院厚生労働委員会で、小川淳也議員は加藤厚労相に問いただした。

「岡江久美子さんは4月3日に発症し6日まで自宅で様子見した。早期に病院でアビガンを投与すれば救えた可能性があるのではないか」

アビガンについては、安倍首相自身、4月27日の衆参両院本会議で「すでに2,000例以上投与され、症状改善に効果があったと報告を受けている」と効能を認めている。

小川議員の質問に対し、加藤厚労相は「個別についてはコメントを控えさせていただきたい」と安倍政権の閣僚らしい常套句でかわしたが、岡江さんと同じく、コロナ症状におびえ、PCR検査も受けられないまま自宅待機している人々にとっては、なんとも歯がゆい答弁であろう。

厚労省のホームページには、いぜんとしてこういう記述がある。

次の症状がある方は(1)(2)を目安に「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。

 

(1)風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。

(2)強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。

日ごろから人一倍健康に気を配っていたといわれる岡江さんは発熱してすぐに診察を受けた。ただの風邪ではない自覚があったのかもしれない。しかし、その時点では息苦しさまではなかったのだろう。厚労省の指針に従って医師は4、5日様子を見ましょうと言った。

高齢者や基礎疾患のある方は発熱が2日程度でもセンターに相談を、ということになってはいるが、岡江さんはまだ高齢者とまではいえない。昨年末、初期の乳がん手術を受け、放射線治療を続けていたが、乳がん治療の専門家は、岡江さんの受けた放射線治療で免疫が低下していたとは思えないと言っている。

したがって、岡江さんを診察した医師を責めることはできないが、厚労省の指針には、いささか問題がある。「37.5℃以上の発熱が4日以上」という、PCR検査の要件に医師はしばられ、ろくに応援要員をもらえずに多忙を極める保健所はその要件を、検査数絞り込みの頼みの綱としているフシがある。

一方、石田さんの場合、病院の対応はすこぶる早かった。岡江さんと3歳違いではあっても、66歳だといちおう高齢者の部類に入るが、なにより迅速なPCR検査とアビガン投与が可能な病院にかかったことが幸運だった。宮藤官九郎氏もアビガンで快方に向かったという。

疑いのある患者に対して迅速にPCR検査をし、陽性ならどこの病院であろうと、軽症のうちにアビガンを試すことができるよう、厚労省は早急に指針を出すべきである。

世界で失業者16億人も。コロナ禍は、先進国も途上国も平等に潰す

全世界の人々に不自由な生活を強いている新型コロナウイルスですが、仮に収束を見たとしても、もはやこれまでの日常を取り戻すことは困難のようです。元国連紛争調停官で国際交渉人の島田久仁彦さんは今回、自身のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』で、ポスト・コロナの世界をプロフェショナルの知見で大胆に予測。コロナを生き延びた先にどのような未来が待ち受けているのでしょうか。

 

ポスト・コロナの世界の政治・経済・社会の行方

「どこの国がぬかるみからいち早く抜け出せるかの競争だ」

ノーベル生理学・医学賞受賞者の本庶教授がポスト・コロナの見通しについて述べた言葉です。

まさに今、世界はその言葉の通りに動こうとしています。

4月中旬には経済活動の再開を強行した中国の習近平政権。COVID-19の発生地とされる湖北省武漢市とその周辺の都市封鎖も解き、製造と物流を再開させました。

また、「コロナを克服した!」と宣言し、「その知見を世界のために役立てる」と医療スタッフを各国に派遣したり、マスクや感染防止衣をはじめとする医療物資を【支援物資】として欧州各国やアフリカ諸国などにばら撒いていますが、支援物資が不良品であったりするケースが相次ぎ、支援外交によってポスト・コロナの世界で主導権を取りたいとの思惑は、惨めなまでに躓いています。

代わりにアメリカのトランプ政権はもちろん、欧州各国からも非難の対象にされ、その矛先は、事務局長が中国をかばったWHOにまで向けられています。そのせいで、アメリカはWHOへの支出をストップさせ、欧州各国もWHOの機能不全を認める事態に発展し、国際機関を通じた中国の覇権拡大の目論見も外れています。

5月22日に、3月から延期されていた全人代が開幕することになりましたが、そこでどこまで中国の面子を取り戻すような提案ができるのか、非常に見ものです。

目を欧米各国に向けてみると、同じく【経済活動の再開による自国経済の正常化】を早める動きが目立つようになってきました。

4月中旬に経済活動の再開を始めたドイツや、下旬に一部産業セクター(特にインフラなど)に対する制限を緩和したスペインに続き、日本のゴールデンウイーク中には、欧州で最も酷い被害を記録したイタリア(5月4日)、そして11日にはフランスも経済活動の一部緩和に乗り出します。【段階的な経済活動の再開】と謳われていますが、消費者たちの購買意欲を掻き立てる外食産業や旅行産業(航空産業含む)の再開はまだで、実質的な消費者心理の向上による消費拡大と経済回復にはなかなか至らないのが実情です。

イタリアを抜いて世界トップの感染者数と死者数を記録しているアメリカでも、州によっては外出制限の一部緩和に乗り出すケースが出てきました。最大の感染者数を記録したNY州や、第二の規模の州であるカリフォルニア州は、まだ制限を緩める動きは目立ちませんが(NY州については、緩和を一部検討)、感染拡大がまだコントロールできているとは言い切れない状況下で、今、封じ込めの手を緩めるのは得策ではないとの意見も多く聞かれます。

欧州、そしてアメリカで拭うことが出来ない大きな懸念が感染の第2波の可能性です。すでに東南アジア諸国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアなど)では感染の第2波が襲っており、再度感染が拡大しています。

第1波の流れを辿るとすれば、その次には欧州で感染の第2波が広がり、そのままアメリカに流れてくるということになります。その場合、再度のLockdown(都市封鎖)は人々の心理に非常に重いプレッシャーを与えることになり、ジョンズホプキンス大学によると、「人々はそのプレッシャーに対して心理的に脆くなり、恐らく耐えることが出来ない人が急増するだろう。その場合、各国の経済に与える影響は計り知れない」という状況が待っている恐れがあります。そうなると、欧米各国の国民の心理はさらに冷え込み、それにより消費が控えられ、経済状況はさらに悪化するという負のスパイラルを辿ることになるでしょう。そうなると、すでに落ち込んでいる世界経済に対して、さらなる本格的な恐慌が襲い掛かる可能性が囁かれています。

その本格的な恐慌は、個人消費に高く依存する構造が特徴のアメリカ経済を襲うことになり、その影響は、確実に世界各国経済を襲うことになります。

すでに発表されているアメリカのGDPの4月から6月の落ち込み予測は年率にして40%とも言われ、それは、さらなる大量失業と消費行動の停滞、心理の悪化を招くのみならず、政府からの経済活動の再開要請を受けても、GMやボーイングといった大企業はフル再開を見送るとの情報が入っていますし、すでにコロナウイルスの感染拡大の影響で大損害を被ったアメリカの畜産業(特に豚)は壊滅的な影響を受けるとされています。11月の大統領選までにV字回復を!と謳うトランプ大統領の狙いは、恐らく叶えられることはないかと考えます。

年金「75歳繰り下げ」にまつわる大誤解。むしろあなたは得をするかも?

最近、ニュースなどで話題となった、年金「75歳への繰り下げ制度」改正の国会審議入りですが、はたしてマスコミで報道されているように「年金が75歳からしかもらえなくなる」という不安は事実なのでしょうか? メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』著者で、年金アドバイザーのhirokiさんは自身のメルマガで、そうした報道はマスコミのミスリードだと一刀両断。そして、この改正で年金受給者が得をする可能性について解説しています。「年金75歳」問題の誤解と意外なメリットとは?

年金を何歳から受け取るか「自分で選べる」ことのメリット

最近、年金を貰う事を遅らせて、その遅らせた分を一定の割合で増額する年金の繰り下げ制度改正の審議入りというニュースがあった。

繰下げは現制度では65歳から70歳まで、最大60ヵ月遅らせる事が出来ますが、それをさらに75歳まで延ばそうという改正。

一ヵ月遅らせると0.7%ずつ増える制度ですが、65歳から年金貰うのを60ヵ月遅らせれば0.7%×60ヵ月=42%という事になり、75歳までの120ヵ月遅らせると年金が84%増えるという計算になる。

なお、支給開始年齢は今のところ65歳であり、この年金を貰うのを遅らせるというのは完全に個人の選択にゆだねられている。65歳から貰いたい人は65歳から普通に貰えばいい。

あと、65歳以降遅らせてたけど、やっぱり65歳に遡って年金を貰いたいという人は、65歳に遡って年金を今まで貰わなかった分が一時金として振り込まれる。途中気が変わった人はそうすればいいだけ。

ところで今は継続雇用が進んでるので、給与収入があるから年金をしばらくもらう必要は無いという人が増えているため、給与収入を貰ってる間はこの年金の繰り下げを利用するという方法もこれからは意義のあるものになるでしょう。

しかしながら、この年金の繰り下げを利用してる人は受給者の2%にも満たない。多くの人が年金を貰うのを遅らせる事に抵抗があるのか、そういう余裕がある人は少ないのであまり利用する人は居ない。

なので75歳まで繰下げ年齢を引き延ばしても、そこまで効果があるかは疑問。

マスコミのミスリードにご用心

さて、この75歳案は何年か前から改正案はありましたが、この話が出るたびにいっつも誤解される。

「最大75歳まで遅らせる事が出来ますよ、遅らせたら定期預金みたいに利子付けて支払いますよ」って話なだけなのに、「年金の支給開始年齢」が75歳に引き上げられると話がすり替えられてしまう。

メディアのタイトルはなんとなく誤解を招きやすいですが、記事の中身はちゃんと繰り下げの話になってはいるけども、SNSなんかでは国民がよく読んでないのか、ただ不安を煽りたいだけなのか結局「支給開始年齢」が75歳に引き上げられるっていう話に変わって拡散されてしまう。

毎回思うけど、ちょっと落ち着いてください^^;

支給開始年齢が完全に65歳に引き上がるのは2030年なので、今のところ支給開始年齢は65歳以上という事は無い。

もしかすると今後雇用が70歳までというのが普通になってきたら、70歳まで年金の「支給開始年齢」が引き上がる可能性はあるかもしれませんが、支給開始年齢の引き上げはそう簡単な事じゃない。

年金の財政を安定させるために、支給開始年齢の引き上げというのは非常に有効なものではありますが、今まで何度も反対され先延ばし先延ばしにされてきた。

年金の歴史を振り返れば――

ちょっと支給開始年齢の引き上げの歴史を振り返りますが、国民年金(今の老齢基礎年金)はそもそも昭和36年4月に施行された時からずーっと65歳支給開始年齢。

厚生年金は昭和29年5月に、この時は男子だけ55歳支給開始年齢から60歳支給開始年齢に引き上げられました。女子、船員、坑内員(炭鉱で働いていた人)は55歳支給開始年齢だった。

昭和29年頃の平均寿命は男子63歳の女子67歳。だから年金支給開始年齢も60歳支給というのはまあバランスは良い。

ちなみに女子を55歳支給開始年齢に据え置いたのは、昭和の時代は女子の就労期間が短かったから。

昭和の時代の厚生年金は基本的に20年以上を満たさないと貰えない年金でしたが、女子は寿退職をすると再就職という事は考えられない時代だったので、厚生年金期間を満たす人は少数派だからそのまま55歳支給開始年齢としていた。

その後、日本は少子高齢化の傾向が出始め、昭和45年に高齢化率7%に達して、高齢化社会となった(1994年に高齢化率14%の高齢社会となり、2007年に21%の超高齢社会に突入した)。

少子化傾向も女性が生涯に子供産む数の平均(合計特殊出生率)も昭和50年に2.0を下回ってきた。合計特殊出生率が2.0を下回ると、人口はいずれ減少に転じ始める。

2100年には今の人口1億2千万人が6000万~5000万人になると見込まれている。

人口が減りも増えもしないのは人口置換水準の2.08(令和2年度現在は1.4ちょい。最低は平成17年度の1.26だったからちょっと回復傾向ではある)。

このように少子高齢化となって、現役世代が減り、逆に年金を受給する世代が増えてしまうと財政が悪化してしまう。

現役世代の負担する保険料と国の税金(税金は毎年約11兆)が年金の主な財源なので、その財源を負担する人口が減って、高齢化で老齢人口が増えると現役世代の負担する保険料が際限なく増加してしまう事になる(今の制度は保険料上限の中で年金を支給するやり方ですが)。

だから、受給する側の人口を減らすために厚生年金支給開始年齢60歳から65歳まで引き上げなければならないと、昭和55年(大平正芳内閣)の時に引き上げの法案が提出された。

あと、平均寿命は昭和29年頃の男子63歳と女子67歳よりも、昭和55年時点では男子73歳で女子は78歳に急激に延びていた。年金支給開始年齢60歳に対して、寿命もバランスが悪くなっていますよね。

しかし、当時は定年がまだ55歳という会社が多く、自民党も労働組合も反対したため見送られた(選挙にも響くし^^;)。

この時期は昭和48年に起きた第四次中東戦争による石油危機のせいで、日本は昭和50年から赤字国債を発行するようになりました。

よって増税する前にまずできるムダを削減するために、昭和56年に行われた第二次臨時行政調査会(「増税なき財政再建」のための行政改革の方向性を示すもの)が設置されました。

第二次臨調では徹底した無駄を削減するために、社会保障改革としては昭和48年から70歳以上の老人医療費を無料にしていた老人福祉法に一部医療費負担してもらうとか、医療保険改革(健康保険に1割負担を導入)、年金改革が争点となりました。

特に70歳以上の老人医療費が老人福祉法で無料だったので、老人の多くが入っていた国民健康保険を運営していた市区町村なんかは悲鳴を上げていましたね^^;無料だからちょっとした事でも病院行きまくりだった。

だから、昭和58年に老人保健法(保健というのは健康も保つようにしましょうねって事)にして医療費の窓口1割負担が始まりました(2008年には75歳以上の人は後期高齢者医療保険に入り窓口1割負担だけでなく一部保険料負担も始まった)。その老人の医療費負担と合わせて、全保険者(国民健康保険、健康保険とか)と国庫負担で老人を支え合うというやり方に変えた。

あと、年金は昭和の高度経済成長で給付をバンバン引き上げすぎたし、平均寿命や平均余命も急激に延びたから、年金給付の抑制と保険料負担をあまり過大にしないためにも年金支給開始年齢の引き上げは重要な事だった。

しかし先ほど申し上げましたように引き上げは見送られてしまい、逆に配偶者加給年金等が月額6,000円から月額15,000円に大幅な引き上げがなされてしまっただけだった。

「支給開始年齢」の引き上げはこんなにも難しい!

その後に迎えた、昭和60年改正(中曽根内閣)の時に国民全員が国民年金に加入するという基礎年金制度ができた時に、支給開始年齢を60歳から65歳に引き上げようという話も同時に出たがまた見送られた。

とりあえず、女子がまだ支給開始年齢が55歳だったので、女子は昭和63年度から12年かけて55歳から60歳に引き上げられた。まあ、女子の雇用も進んできたし、男女平等の声も強くなってきたからですね(昭和61年4月に男女雇用機会均等法も施行)。

公務員が加入する共済も55歳支給開始年齢だったが、共済は厚年や国年より有利な事に対しての批判が多かったので、昭和70年(平成7年)までに55歳から60歳に引き上げられた。

そして次の平成元年改正の時も厚生年金の60歳から65歳引き上げの法律を通そうとしたが、次回の法改正の時考えようよって事でまたまたスルーされた。

支給開始年齢を60歳から65歳に引き上げないと国の負担が大きくなり、将来世代の負担を過剰にしかねないから引き上げようとしていたのにずっと見送られ続けてしまった。

平成6年改正になると、定年が55歳から60歳に引き上げとなった事、企業の60歳から65歳までの雇用努力義務がなされた事で年金もようやく60歳から65歳に引き上げる事が決まったのです。

とはいえ実際の引き上げは平成13年度からでした。つまり年金の60歳から65歳への支給開始年齢引き上げというのは20年間棚上げされ続けてきた。

まず男子は昭和16年4月2日生まれの人から昭和36年4月1日までの人が、生年月日に応じて20年かけて引き上げられている最中。支給開始年齢を60歳から65歳に引き上げるといっても、いきなり5年飛ばすわけではないです。

いきなりポーン!と5年引き上げたら、生活設計狂うからですね^^;ゆっくり時間をかけて61歳、62歳、63歳、64歳…とスケジュールを組んでゆっくり引き上げるんです。

昭和36年4月2日以降生まれの男子からは完全に65歳支給開始年齢となる(2001年から引き上げ始めて、2025年に引き上げ完了)。

女子は昭和21年4月2日以降生まれの人から昭和41年4月1日生まれまでの人が生年月日に応じて20年かけて61歳から64歳まで引き上げられている最中。

2006年から引き上がり始め、2030年にやっと65歳に引き上がる。

というわけで支給開始年齢自体は65歳支給開始年齢にまだ引き上げ最中なんです。現在の平均寿命が男子81歳、女子87歳にもかかわらず。

本当は昭和55年(1980年)から支給開始年齢引き上げ着手していたほうが財政としては安定していたでしょうけど、散々反対反対とばっかり言われて20年先延ばしにされてようやく平成13年(2001年)から着手開始となった。

年金というのは雇用と一体的なところがあり、支給開始年齢を引き上げる際は雇用の確保も一緒に議論となる事が多い。

昭和55年当時も単に年金の支給開始年齢を引き上げよう!というわけではなく、年金の引き上げもしながら雇用もその間に確保していきましょうという事だったのに見て見ぬふりをされてきてしまった。

なんでもそうですが、今取り組まなければならない問題は結局将来取り組まなければならない事になるのに、とにかく反対反対とゴネ得をやる。政治は選挙に影響するからと、都合の悪い事は引き延ばしにする。支給開始年齢を引き上げると直に選挙に影響するからですね。

じゃあ先延ばしにし続けた問題のツケは誰が払うのかというと今の子供や赤ちゃんなんですよ。

今は国の借金が1000兆円超えてますが、借金が増えれば増えるほど将来の増税要因となり、じゃあその増税された税金は誰が払うのかというと将来世代という事になります。

国が予算組むため国債使って借金して、お金返す時はまた借金やら税金から返す事になるからですね。

ツケを払わされるんですね。

だから、年金というのは今現在の人さえ良ければ、先の事は知らないというのではなく、今の子供世代にも同じく利益を共有しなければならない。

「持続可能な社会」という言葉がよく取り上げられますが、これは将来は資源が無くなるかどうかとかそういう意味じゃない。

将来世代の幸福と現在の世代の幸福が両立できる社会の事です。

この持続可能な社会の中で絶対にやってはいけない事は、限りある資源を全部自分の代で使ってしまう事です。

「繰り下げ」と「開始年齢」を混同してはならぬ

旧民主党政権時に、年金を貰うための期間が25年は長すぎるといって10年に短縮したり、消費税増税した分を年金に上乗せで給付金に回したり、未納の部分を支払った事にしようとしたり(3号不整合記録問題)、大衆迎合的な年金を壊すような事ばかり決めました。増税した消費税をこんなところに使っていいのかって話です。

というわけで、話を戻しますが75歳引き上げというのは「支給開始年齢」の事じゃない。

あくまで年金制度として存在する「年金の繰り下げ」を70歳から75歳までできるようにしたらどうか?という事です。そして年金貰うのを65歳以降遅らせるのは受給する本人の自由で選択なんです。

支給開始年齢と混同してはいけない。

支給開始年齢を引き上げる際は、平成6年改正時のように定年を60歳未満は禁止にして年金の引き上げにようやく着手したように、70歳未満に定年を引き上げるとかそうしないと年金の支給開始年齢自体は引き上がらないでしょう。

そもそも歴史的に、支給開始年齢引き上げというのは法案を通すのが本当に難しい事だったので、簡単には実施できない。

たとえ実施できたとしてもいきなり引き上げる事はできないから、65歳から70歳に引き上げるなら最低20年はかかってしまう。

とにかく現段階で75歳という年齢が出てきたら、支給開始年齢の事ではないという事です。勘違いしないようにしましょう^^

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「国民一律10万円」はどうすればもらえる?損をしないコツ4つ

新型コロナウイルス の影響で全国に出された「緊急事態宣言」も、5月いっぱいまで延長する可能性が出てきました。二転三転した上でようやく落ち着いた「国民一人当たり一律10万円」の特別定額給付金ですが、実は知らないと損する給付のコツがあることをご存知でしょうか? チャンネル登録者数10万名超の税理士YouTuberで、メルマガ『ヒロ税理士のYouTubeでは喋れないお金と税金とYouTubeの話!』の著者であるヒロ税理士さんが、今回の「10万円定額給付金」に関するお得な情報を自身のメルマガにて公開しています。大変な時だからこそ、損をしないために誰もが知るべき「4つのコツ」とは?

特別定額給付金・国民一人当たり10万円間もなく支給開始!

国民一人当たり10万円が満遍なく支給される『特別定額給付金』が先日、閣議決定されました。当初は世帯あたり30万円の支給予定でしたが、あまりにも受給要件が複雑過ぎてわかりにくいという声もあり、急遽このようなシンプルな形に変わりました。

この制度の概要をまとめると次のようになります。

〇 給付対象者

  • 基準日(令和2年4月27日)において住民基本台帳に記録されている者。
  • 年齢や所得制限等は一切なし。
  • 国内に住民票がある外国人も対象となる。

〇申請手続き

  • 世帯全員の氏名等が印字された申請用紙が各家庭に郵送される。
  • 世帯主が代表して申込みを行う。
  • 受給辞退も可能。
  • 郵送による申請用紙の提出かマイナポータル経由でのオンライン申請となる(マイナンバーカードが必須)。
  • 後日、申請者本人の口座に振込支給される。

〇申請期間

申請受付開始日(5月開始の見通し)から3か月以内。

〇税金

所得税法上、非課税。課税されない。

以上が制度の概要です。政府は12兆もの予算を準備した上で来月から申請が開始される見通しです。特に、申請期間が3か月というのが意外にタイトです。受給漏れがないように気を付けて頂きたいと思います。

家族や友人にこんな人はいませんか?4つの注意点

この特別定額給付金については他に気を付けておくべきことがあります。以下の各項目についてご留意下さい。

(1)DV世帯の特例

いわゆるDV、家庭内暴力で配偶者と別居している場合でも事前申請により別世帯扱いとして受給を受けることが可能です。泣き寝入りして諦めることなく、必ず申請しましょう!

(2) ネカフェ暮らしで住所不定の場合等

この場合は申請書類を郵送しようがないため、各市区町村の窓口での申請をしなければならない可能性が高いです。

(3) 現在妊娠中。5月以降に生まれる子は対象となるのか?

残念ながら対象となりません。4月27日生まれの子までとなります。住民基本台帳への登録が必要となりますので、もしこの基準日ギリギリの出産となった場合は早めの手続きが出来るよう段取りをしておきましょう!

(4) 詐欺多発! くれぐれもご注意を!

こういった助成金や給付金の申請が活発になると必ず現れるのが詐欺です。この特別定額給付金は、まず郵送により申請書が届きます。市区町村や総務省がわざわざ個人宅に電話し、通帳やキャッシュカードの暗証番号を聞き出したり、ATMでの操作を依頼するなんてことはまずありません!怪しいな、と思ったらすぐに総務省のコールセンター等に問い合わせましょう!

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元国税が教える「タワマン節税」のスゴイお得度!ただし相続時に罠も

成功者の証ともいえるタワーマンション。都心や湾岸地域の至る所に建つようになりました。そんなタワーマンションはもちろん物件価格もお高い。庶民にはなかなか手が届きませんが、富裕層がタワーマンションの高層階を好むのは、税制面でのメリットもあると、元国税調査官で作家の大村大次郎さんは語ります。自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』でその理由を明らかにしています。

富裕層がタワマンの「高層階」を好む本当の理由

前号まで、高級マンションは相続税、固定資産税などが安くなるということをご紹介してきました。今回からは、タワーマンションの「高層階」はさらに税金が安くなるということをご紹介したいと思います。

タワーマンションの高層階は、資産価値に比べたときの固定資産税が非常に安くなっています。固定資産税というのは、土地や建物などの「固定資産」にかかる税金です。マンションを所有している場合、マンション全体の固定資産税を、各所有者の所有面積割合に応じて、案分されることになっています。その按分割合には、これまで階層の違いは考慮されませんでした。

つまり、低層階であっても、高層階であっても、所有している面積に応じて、固定資産税が課せられるのです。が、ご存じのようにマンションの場合、低層階と高層階では、販売価格に大きな違いがあります。特にタワーマンションの高層階と低層階では、大幅な開きがあります。にもかかわらず、面積比では同じ固定資産税しかかかってこないのです。

しかも、固定資産税の評価額というのは、相続税の算出基準にもなっています。固定資産税の評価額が、マンションが相続資産となった場合の評価額の基準にもなるということです。つまり、高層階であっても、低層階であっても、同じマンションの同じ面積ならば、相続税の評価額は同じということになるのです。

高層階と低層階であれば、場合によっては倍近い価格差が生じることもあります。にもかかわらず、相続資産としての評価額は同じになるのです。ざっくり言えば、タワーマンションの高層階を買えば、固定資産税や相続税が低層階の半分になるということです。それを狙って金持ちたちは、高層階のマンションを競うようにして買っていたのです。

規制強化後もまだお得!ただし相続税には要注意

このタワーマンション高層階の節税策は、雑誌などでも紹介されました。税務当局もさすがにいつまでも手をこまねているわけにはいかなくなりました。明らかに不公平ですからね。

そのためタワーマンションの高層階は、2018年度から固定資産税の評価額が改正されました。20階以上のマンションの高層階に対しては、階を上がるごとに高くなるように設定されたのです。この改正により、最大で1階と最上階の差は、10数%程度になりました。

ただ、この程度の改正では、まだタワーマンションの実態からはかけ離れているといえます。ほとんどのタワーマンションで、高層階と低層階の価格の違いは、わずか10数%ではすみません。マンションによっては、2倍以上の価格差が生じる場合もあります。50階建てマンションの50階と1階を比較して、価格差が10%などということはあり得ないといえます。

またこの新しい課税方法が適用されるのは、2017年4月以降に販売されるマンションです。それ以前に販売されたものは、以前のままの固定資産税が適用されるのです。

これを見ても、タワーマンションの高層階というのは、節税アイテムとしてはまだまだ使えそうですね。ただし、このタワーマンション高層階を利用した「相続税」の節税には非常な危険もはらんでいます。

次回は、タワーマンション高層階を使った相続税節税の仕組みと危険性についてご紹介したいと思います。

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