菅新政権は「今なら米国にも勝てる」と知れ。米中対立が日本復活の鍵に

経済的にも軍事的にも対立を深める米中両国。これまでは米国の顔色を窺いながら中国にすり寄ってきた日本も、新政権誕生後すぐに政治的な決断が迫られそうな情勢です。メルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者で日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんは、米中対決は日本にとって大チャンスと見ていて、かつて米国に封じられた国主導の実用化研究投資こそが日本復活の方法だと論じます。さらに米大統領選の雲行きの変化にも言及。トランプ再選の可能性は株価次第になったと分析しています。

米中対決で日本復活か?

米中対決により、米国は1980年代の日本方式での研究開発を認めるしかない状態になっている。それを検討する。

菅官房長官の自民党総裁選挙での優勢は、動かしがたい。その菅さんが、立候補の演説をしたが、非常に分かりやすかった。庶民派の菅さんらしい演説であった。

その政策は、安倍さんの方針を引き継ぐということで、非常時の今は、菅さんしかいないということで、細田派、麻生派、竹下派、二階派は、結束して菅さんを応援するという。その裏には、安倍首相が菅さんを推していたようだ。ということで、次回の2021年秋の自民党党大会までの菅暫定政権の色合いが強い。

菅さんの問題点は、今後の日本の針路というビジョンが出せないことであり、実務や実行力は優れているが、大方針が示せないので、長期に政権を担うことは無理がある。菅さんは、官房長官が適任であったような気がする。ということで、菅政権での官房長官が誰になるのかが気になる。官房長官と首相の役割が逆転する可能性もあると見る。

ウイズ・コロナ時代での経済活性化は菅さんでできるが、日本復活の道筋を付けるには、外部の大きな助けと官房長官や首相補佐官が重要なことになる。安倍首相の裏からの支えも必要な気がする。

そして、今、米中対立で、日本復活の大きなチャンスが訪れている。それを逃してはいけない。その道筋を付けるのは、11月の米大統領選挙までの今しかない。大統領選挙戦後、日本は米大統領の政策に合わせた日本の道筋を決める必要があるが、その予備交渉は今からでも両陣営にできる。

アメリカに潰された日本

日本が衰退した原因は、日米貿易摩擦で、国主導の研究開発力を封じられたことにある。中国がイノベーションを起こした要因の多くが国主導の企業への研究開発費補助金である。

アベノミクスの第3の矢の成長戦略がうまく機能しないのもこのためだったが、制約がある中でできることを探すことになった。それが、農業と観光であったが、高付加価値産業ではないので労働者数は増やせたが、労働賃金は低いことで、非正規労働が多くなってしまった。

20年を経て、米国は、国主導の研究開発方式での中国の最新技術に負けた状態になってしまった。日本も同様である。国主導の研究開発とは、半導体開発で取った複数社の企業連合に、研究開発補助金を出す方法と国鉄や電電公社などの実業の国有企業の巨大研究所での研究という2つの方法があった。

国の単純な研究所での研究開発は事業がないので、実用化研究ができないし、事業で金を得るという大きな欲求がないことで、基礎研究しかできない。この国家主導研究方式で、国鉄は新幹線を生み、電電公社は携帯電話を生むことになったのであった。

これで、1980年代に米国の技術に追いつき、追い越したが、そこで、米国が立ち上がり、日米構造協議という形で、日本の研究開発力を破壊した。1つに国有企業を分割・弱体化させた民営化、もう1つが、企業への研究補助金を封鎖したことで、以後、企業研究に国が補助できなくなってしまった。

全米が絶賛。大坂なおみ選手に学ぶ痛みを抱えた人への寄り添い方

テニスの大坂なおみ選手は9月13日、全米オープン女子シングルス決勝でベラルーシのビクトリア・アザレンカ選手を逆転で下し、全米OPで2年ぶり2度目、四大大会で通算3度目の優勝を果たしました。今大会で注目された「黒人の名前入りマスク」も、優勝以上の価値があると海外で絶賛されています。ニューヨーク在住『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者のりばてぃさんは、米国での大坂なおみ評を紹介。静かに、そして真摯に難しい差別の問題に寄り添うその姿の価値を伝えています。

大坂なおみ選手から学ぶ寄り添い方

(1)大絶賛されている大坂選手

今、ニューヨークではテニスの全米オープンが開催中だが、今年は新型コロナの影響で、無観客で開催。でも大坂選手のある行動が例年以上に大きな感動を全米に届けている。

大会9日目の9月8日は女子シングルス準々決勝の大坂なおみ選手とシェルビー・ロジャース(Shelby Rogers)選手の試合だった。この試合で大坂選手は、これまで一度も勝てなかったロジャース選手に1セットも落とさず圧勝(第1セット6-3、第2セット6-4のストレート勝ち)という快挙を遂げ、2年ぶり2回目のベスト4進出を決めた。

大坂選手の素晴らしい試合もそうだが、今大会で大坂選手は、黒人差別事件などに巻き込まれて亡くなった方々の名前が書かれたマスクを着けて出場している。1試合勝つごとにマスクを変えるため、次の試合は別の人の名前が書かれたマスクになる。勝ち進めば勝ち進むほどに亡くなった方々のお名前が1人ずつUSオープンを見る視聴者の目に入るのだ。

すでに5試合終わっているので5人のお名前(Breonna Taylor, Elijah McClain, Ahmaud Arbery, Trayvon Martin and George Floyd)の書かれたマスクを着けて出場している。これについて、ロジャース選手との試合後のUSオープン会場でのインタビューでは、女性のアナウンサーさんからこんな質問があった。

「このトーナメントに、あなたは7つの(事件などに巻き込まれて亡くなった人の名前が書かれた)マスクを持っていらっしゃって、あなたがそれを着用することで、世間の人々を教育し、そうした犠牲者の方々の物語を伝えようとされていらっしゃる。そして、それを見る全ての人々にとり、とても力強いものになっています」

(原文)
“as you said you took seven and you brought seven with you to the tournament, as you display and try to educate and tell the stories of these victims and it’s been a very powerful thing for everyone to see”

そして、続けてその犠牲になられた若者たちの親御さんが大坂選手の行動に感謝の気持ちを伝える映像を流し、それを見た後に、「どのように思われますか?」と大坂選手に質問し彼女はこう答えている。

習近平の「日本人総家畜化」計画。劣等市民を峻別する中国共産党を警戒せよ

中国の江蘇省蘇州市が9月3日に導入した「文明コード」制度に対して、世界中から懸念の声が上がっています。市民を生活態度などで採点し、等級で区分するというこのシステム、現在は市民の反発により一次停止されていますが、中国共産党による人権侵害はいつまで続くのでしょうか?これに関して、『鈴木傾城のダークネス・メルマガ編』を発行する作家の鈴木傾城さんは、「中国は自国民を徹底監視するだけでなく、あらゆる手段を用いて他国を侵略しようとしている」と指摘。日本人は、今まさに非人道的な隣国が「異常な社会」を作り出そうとしている現実に向き合うべきだと警鐘を鳴らしています。

地獄のような監視社会・中国

強権主義で独裁主義で非民主的な政府が、ハイテクに通じていたらどうなるのか。その地獄のような世界は中国を見れば良い。

中国共産党政権はウイグルやチベットで全国民を監視して、少しでも中国共産党政権に反抗的な人間であれば、片っ端から逮捕して強制収容所に放り込んでいる。

いや中国共産党政権が邪魔だと思うタイプの人間であれば、本人が何もしていなくても全員がそうなっている。

中国共産党政権はウイグル人やチベット人の文化や宗教を叩きつぶし、民族そのものも抹殺しようと着々と歩を進めている。

国際社会が「人権侵害だ」と叫んだら「侵害なんかしていない、内政干渉だ」と叫び返し、明らかな強制収容所も「教育所だ」と言って憚らない。

しかし中国共産党政権は、チベット人やウイグル人だけを標的にしているわけではない。自分たちに都合の悪い人間はみんな「弾圧対象」である。中国共産党政権のやり方に危機意識を持ち、批判的である人間はすべて生命の危機に陥る危険がある。

中国共産党政権の手の及ぶ範囲で生きている人間はみんなそうだ。本土はもちろんのこと、今後は香港の民主活動家も先鋭的な人間からひとりひとり逮捕されて、拷問されたり、抹殺されたりすることになる。

もう香港は昔の香港ではない。すでに中国共産党政権が掌握し、支配し、監視する国である。中国が支配下に置いた国はすべてそのようになる。

刃向かう者は根こそぎ排除する

中国共産党政権は自国民も信じていない。だから、自国民をも徹底監視する。中国では何らかのSNSをするにもすべて実名でやらなければならない。2017年6月に「インターネット安全法」が施行され、2018年からそうなっている。

微博(ウェイボー)も、微信(ウィーチャット)もそうだ。こうしたサービス・プロバイダーは実名だけでなく、ユーザーの身分証番号も、携帯電話番号も、紐付けて管理しなければならず、違反すると処分される。

違反することはない。なぜなら、これらの運営会社である新浪微博やテンセントの企業内部には共産党部があって、社内からすでに監視されているからである。

グーグルやツイッターやフェイスブックは中国から締め出されている。なぜなら、これらのアメリカ企業は中国共産党政権の命令に従わない上に、サーバーは中国国外にあるからだ。

中国共産党政権は、自分たちが管理できないものは排除する。自分たちが管理できるものだけを入れる。

だから、中国の人民はインターネットで中国共産党政権に文句を言ったり、批判したり、習近平を馬鹿にしたりすると、公安に捕捉されたり、ひどい場合は逮捕されたりする。

日本のように好き放題に政権批判していたら、公安に連れて行かれて精神病院に連れて行かれて拷問されたり薬を盛られたりして別人格にされるか、もしくは殺されて闇に葬られる。

抗議デモなどしようものなら、強制連行されて「行方不明」となる。今まで多くの民主活動家がそうやって消されていった。中国共産党政権に刃向かう者は、そうやって根こそぎ排除していくのである。

こうした監視社会は年々ひどくなってきており、今では「信用スコア」まで取り入れられている。

「あなたは人間じゃない」にどう反論する?哲学者も悩む意識のハードプロブレム

人間の脳は物理的な物体です。それなのになぜ、私たちには「心」や「意識」があるのでしょう。同じ物体にすぎないコンピュータにも魂は宿る?でも、ちょっと待って。そもそも自分の家族や友達に「意識」が存在している保証なんてどこにもないのかも――そんなことを真夜中にベッドの中で考えたことがある人は、哲学者としての素質があるかもしれません。これは現代でも哲学者や科学者を本気で悩ませる「超難問」なんです。先人たちはこれまでにどんな議論を繰り広げてきたのでしょうか。メルマガ『中野明のストリートで哲学を語ってみた』の発行者で作家の中野明さんが、あなたを哲学の迷宮にご案内します。

なぜ私には「意識」があるのか。人生の超難問

現在の科学の基礎になっているのは唯物論だと言ってよいと思います。これは物質を根本的なものとみなす立場です。

ただし唯物論を基礎にすると困ったことが生じます。それは人間が持つ意識をどう説明するかということです。

脳は物理的な物体です。この物理的な物体である脳から、いかにして私たちの意識が生み出されるのでしょうか。

この難問をオーストラリアの哲学者デイビッド・チャーマーズは「ハード・プロブレム」と呼びました。

中野明①image by: Zereshk / CC BY-SA

チャーマーズはハード・プロブレムの思考実験として、「哲学的ゾンビ」を考案したことで有名です。

ここに人間と見分けがつかないゾンビがいます。ただしこのゾンビは私たち人間と決定的な違いがあります。

それはこのゾンビに意識がないという点です。そのため食事をしても「おいしい」と感じることはありません。笑顔で友人とおしゃべりしていても「楽しさ」は一切感じません。

これが哲学的ゾンビです。あるいは人間型コンピュータと言っていいかもしれません。ではこのようなゾンビを実際に想像してみてください。

意識のある私たちは、物理的現象の集合である意識のない存在を思い描くことができます。これは次のことを意味します。

つまり、別の人間の身体的状況、たとえば脳の中の状況を物理的現象として完全に記述できたとしても、その人間に意識があることを示すことにはならない、ということです。なんせ意識がいかに生まれるのか未だに分かっていないのですから。

いかがでしょう。意識はいかにして生まれるのか。まさに難問――ハード・プロブレムですね。

◎メモ:ハード・プロブレム
意識はいかにして生まれるのか。

コンピュータは本当に思考することができるのか

「中国語の部屋」という、この奇妙な言葉を作り出したのは、アメリカの哲学者ジョン・サールです。

サールは分析哲学から出発し、その後「心の哲学」に傾倒した人物です。心の哲学とは、脳科学や心理学などの科学的研究を念頭に、人間の意識や心とは何かを問う哲学の分野です。

中野明②Bimage by:Matthew Breindel uploader  / CC BY-SA

思考実験「中国語の部屋」

サールが、一躍その名を馳せたのは1980年に公表した論文「心・脳・プログラム」でのことです。

その当時、人工知能の第2次ブームが巻き起こり、専門知識を保有するエキスパート・システムがやがて登場し、弁護士業務や医師の診断は早晩これらのコンピュータに取って代わられるだろう、と言われていました。

このような中サールは、論文「心・脳・プログラム」の中で、「中国語の部屋」という思考実験を披露し、チューリング・テストを通過したコンピュータが「思考している」とする立場を痛烈に批判しました。

前回も述べたように(グーグルの音声AIはチューリング・テストをクリアしたのか 2020年3月23日 第32号)、チューリング・テストとは、イギリスの数学者アラン・チューリングが提唱したもので、会話している相手がコンピュータだと見破れない場合、そのコンピュータは思考していることを意味する、とチューリングは主張しました。

では、サールが提唱した「中国語の部屋」とはどのようなもので、チューリングの主張をどのように批判しているのでしょうか。

知らなきゃ大人の男じゃない。フォーマルスーツの選び方「7つのポイント」

年齢を重ねるごとに増えてくるのが冠婚葬祭への出席。そこで必要となるのがフォーマルなスーツですが、なかなか袖を通す機会も多くないため、何を選べば良いのか、どうやって着こなすのかわからないという人は多いのではないでしょうか?そんなスーツのいろはを教えてくれるのは、週刊誌記者・CNN本社勤務ディレクター・大手ネットメディアプロデューサーなどを経て、現在はエッセイストやBAR評論家として活躍するたまさぶろさん。ファッションにも精通するたまさぶろさんが、自身のメルマガ『たまさぶろの人生遊記』の中でフォーマルスーツの種類や選び方、着こなしまでわかりやすくレクチャーしてくれます。

フォーマルスーツとは? ビジネススーツとの違いや正しい選び方を知ろう

意外なことに「スーツ=フォーマル」と思い込んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。残念ながら、単に「スーツ」を着だけでは、フォーマルとは呼べません。式典やパーティの招待状に「平服でお越しください」という文言を見かけると思われます。それでも常識的には、ビジネススーツぐらいの出で立ちで出席しますよね。つまり、ビジネススーツは「平服」なのです。「平服で…」という招待状の意味は「正装でなくても構いません」という意味。つまり「フォーマルではありませんよ」というメッセージなのです。

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ひと言で「スーツ」と呼んでも、そこには階層があります。その階層の最上位に位置するのが「フォーマルスーツ」。では、フォーマルスーツとは、いっいどのような出で立ちなのか。この項で解説して行きましょう。

 1. フォーマルスーツの定義

それでは、そもそも「フォーマルスーツ」とはどのようなものでしょうか。簡単に言えば、表彰式、授賞式、結婚式など、いわば「ハレ」の日の式典に出席する際に着用する正装のことです。日本では冠婚葬祭で着用するとされますが、突然の不幸などでの出席は正装でなくとも許されるケースが多く見受けられます。

では、ふだんのスーツとはいっい何が違うのでしょうか。男性の場合、明らかな基準は色です。色は必ず黒、つまり「ブラック」となります。ダークブルーやダークグレーではありません。漆黒の黒です。

ヨーロッパなどでパーティなどに(ホームパーティではありませんよ)招待される予定がある方は、渡航前にしっかりチェックしておくと良いでしょう。ヨーロッパでは「出席はブラック・イで」という注意書きがされているケースも見受けられます。ブラック・イに合うスーツと言えば、フォーマルなブラックのスーツです。逆にフォルムが多少カジュアルでも、ブラック・イとブラック・スーツにホワイトのシャツであれば、フォーマルと見なされます。

映画『メイ・イン・ブラック』シリーズをご存知の方も多いと思われますが、あの出で立ちは正装。「メン・イン・ブラック」は正装の男性を指すわけです。

 2. ビジネススーツとフォーマルスーツの違い

男性の場合、フォーマルはブラックと決まっています。結婚式などでは近年、新郎がホワイトのキシードや柄のキシードなどの着用が流行っているようですし、正装が必要な式典にちょっとしおしゃれなデザインを着こなす奇抜な主賓がいることも目にしますが、あくまでブラックです。和装で言えば、紋付袴は黒であるように、やはり正装はブラックです。

このブラックも、まさに漆黒と表現してよく、時として光沢を持つ上質な仕立てであること見受けられます。ビジネススーツとの違いは明らかで、リクルートスーツなどの専門店で少々黒系のスーツなどを眺め、その生地を実際に「フォーマル」として売られているスーツと比べてみれば一目瞭然です。

生地にも差があります。日常使いが目的のビジネススーツは素材もカジュアルで、ポリエステル系の素材が使用されることさえありますので、質感が異なります。ま「仕立て」に関しても、比較的大量に作られるスーツと、ともすればハンドメイドとなっているフォーマルでは、その仕上がりにもおのずと差が出ます。

、正対するとフォーマルスーツの襟は「ピークドラペル」となっているのに対し、ビジネススーツは「ノッチドラペル」となっています。ジャケットを正面から見ると、そんな違いで明らかになります。

年金暮らし高齢者からマンションを奪う「ホワイト地上げ屋」の巧妙な手口

かつては荒っぽい方法で土地や建物を取得していた地上げ屋ですが、近年そのやり口は巧妙化しているようです。今回の無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では著者の廣田信子さんが、これまでのブラックな手法とは正反対とも言える「ホワイト地上げ屋」の手口を紹介しています。

地上げ屋は「終の棲家」を狙っている

こんにちは!廣田信子です。

立地はいいのですが、高経年で再生には手が付かず、高齢化、賃貸化が進んだマンションに起きた事件です。

ここを終の棲家と考えている一人暮らしの高齢者も何人かいらっしゃいます。老朽化で市場価格はかなり低くなっていますが、賃貸としては、そこそこの家賃が取れています。修繕積立金が不足していて将来展望はないけど、スラム化はぎりぎり免れている…そんなマンションです。

そこに突然、ある不動産会社がやってきます。「1戸1,000万円で買い取ります。こんなにいい条件で買い取るところはないから、区分所有者に伝達して話をまとめるように。こんな得な情報を伝えないと理事長の責任問題ですよ」…と。強気の発言は、すでに、幾つかの住戸を買い取って区分所有者になっているからのようです。

理事長は、そんなことを急に言われても、管理組合でそんな話をしたいことはないし、高齢の方は、当然、最後まで住み続けるつもりなので、話にはのらないだろうし、そもそも理事長にそんな義務も権利もない…とは思うのですが、1,000万円という買値は、リフォームなしの市場流通価格の2倍です。理事長は、地上げ屋に狙われたんだ、今後、何を仕掛けてくるんだ…と、不安をつのらせます。

従来からある「ブラックな地上げ」の手口

地上げ屋さんがよく使う手法は…まず、外部区分所有者等と個別に交渉して、住戸を買いとり、普通決議を確実に通せる数を確保するのです。建替えや敷地売却には全体の4/5の総会決議という高いハードルがありますが、そんなことをしなくても、普通決議のイニシアチブをとれば、地上げはできるのです。

まず、「何もしない」ということは簡単にできます。外壁や給排水管からの漏水があっても直さない老朽化したエレベーターをそのまま放置するというような形で、どんどん住めない環境にして、人を追い出し、安く買い叩くのです。区分所有者になってマンションをスラム化させるというブラックな手法です。

かつて、地上げ屋によってどんどん住戸が買われ、最後、電気も水も止められてスラムになったマンションで、最後まで1人頑張って住み続けた方がいました。

その話題が出たら、知人が言います。「今の地上げ屋はそんなブラックな方法はとらないよ。時間がかかり過ぎてコストが合わない。むしろ、逆のことをするんだよ」…と。

ジョブズとゲイツは「似たもの同士」火をつけ、煽って、監視する

ネットワーク時代である現代は変化が起こることが常です。そんなめまぐるしく変わる世の中でビジネスを成功させ、自身も成長するためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では著者の浅井良一さんが、ビル・ゲイツやスティーブジョブスのスタイルを例に挙げ、その答えを論じています。

異なるタイプの連合

マイクロソフトのビル・ゲイツやアップルのスティーブ・ジョブズに共通する仕事のスタイルは、高い“目標”と“価値観”のもとに、それを適えると思える“知識専門家(労働者)”をかき集めて、限界を超える要求を突きつけて成果の実現をはかろうとするところです。そこにあるのは、徹底的な“目的志向”と“継続する強い情熱”です。

ネットワーク時代ならではのものとして“世界標準”という独占のための位置取り戦略が、大きな威力を発揮しています。よほどの環境変化や技術変動がない限り、いったん勝ち得たポジションは揺らぐことなく、その市場での独占優位が可能となるからです。また、周辺の関連商品の開発においても独占状況を形成できます。

これは、最も早くトップ・シェアを獲得し模倣できない水準の機能を連続してバージョンアップすることと、大量販売のメリットを生かして破格の価格を実現させることで、他の追随を断ち切ることで実現できます。マイクロソフトやそれに続くGAFAの先駆的な独自開発がこれを実現させ、それに続く未知の事業でもこの状況が続くでしょう。

とにもかくにもという言葉になりますが、それを実現させるには生半可なレベルの“知識労働者”では役に立たず、そうした突き抜けた人たちでなければ限界を超える要求に応えることはできません。共通の目的とその方向性を共有して調整しながら、自分たちの使命に集中して最高のもしくは唯一の“効用づくり”をするのです。

そこでその“不可能事”を実現させるためのエンジンになるのが、マニアックな偏りをもつ“知識労働者”であり、普段では役に立たないような人財を資源化させられる“マネジャー”の存在です。意欲と忍耐を持つ“火付け役”“煽動者”“監視役”としての、その代表格がビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズと言えそうです。

ところで、この二人のマネジメント戦略なのですが、特に新規なものではなくて旧来からある基本型を踏襲しています。ビル・ゲイツは松下電器(現パナソニック)型の大量販売市場で高品質製品を格安価格でを、スティーブ・ジョブズはソニー型、革新的製品の開発で新市場を構築するというものです。

こんなことをここで述べるのは、新たなツールや手段が出てくる時に、それをいち早く真っ先に取り入れてトップに立つこと、それが大きく飛躍できる“貴重な機会”であると言いたかったからです。そこでは、組織のあり方もマネジメントも、より工夫が求められます。共通ビジョンのもと、異なる能力の知識労働者による協働行動なのです。

“従来型管理”が組織の唯一の運営手法などと信じて、ムダなコストや時間や人材を浪費しては、ロスの少ない競争相手に勝てません。“狭義の管理”が効果を発揮できたのは、経営環境の変化が少ないなか“過去の知識”が有効に機能できた大量消費時代の過去形です。官僚組織の管理は、閉鎖的な変化しない組織で機能する個別な形態です。

説明をあきらめると商品が売れ出す。やり手営業マンが見つけた法則

お客様に対して丁寧に商品の説明をしているのに一向に売上が立たないという方、どうやら意識の改革が必要なようです。今回の無料メルマガ『売れる営業マンの常識は売れない営業マンの非常識!』ではかつて日本一レーザーFAXを売った経験を持つ営業実務コンサルタントの島田安浩さんが、営業マンがすべきは「説明ではなく提案」と断言。さらに「提案すべきこと」についても記事中でレクチャーしています。

説明しない

以前も話しましたが、「説明ってダメなんです!」。カタログ持って、順番に説明する営業マンがいますが、商品が欲しい人っていないんです。だから、どんなに商品を説明されても、欲しくならないんです!ここが理解できないと、先に進めません。

まず、あなたが扱っている商品商材を考えます。例えば、複合機を扱っているとします。朝、目覚めた瞬間に、「今日はどんな複合機を買おうか?」って、ワクワクする人っていると思いますか?

…残念ながら、どこにもいないんです。何なら、複合機なんて無くしたいぐらいなんです。FAXの送受信ができて、スキャンがA3までできて、プリントアウトやコピーが出来る別のもので省スペースであれば、そっちを選ぶかもしれません。

では、お客さんはなぜ複合機を使っているのか?実は、これが重要なんです!

複合機が欲しいのではなく、導入することで得られる「何か」があるから、複合機を使っているのです。それは、さっきお話しした、FAXの送受信やプリントアウトです。まずは、これを理解してください。欲しいのは複合機じゃないってことです!だから、複合機の説明をしても、「売込だ!」としか思われないんです。

ということは、お客様が欲しいものを伝えればいい。欲しいのは、それを使ってできる「何か?」です。それって、何なのか?です。今も複合機を使っているとしたら、交換することで、どんな「何か?」を得られるのか?なにが、どう、便利になるのか?それ以外には興味が無いのです。それが、ベネフィットです。つまり、お客様は「ベネフィット」にしか興味が無いんです!ここまで、理解して頂けると、何をすればいいかが何と無く見えます。

ベネフィットを提案するんです。

営業って、説明ではなく「ベネフィットを提案すること」なんです!

そして、それをどのようにやればイイのかというと、5月に1ヶ月かけてお話しした「ピットフォールセールス」をやればイイのです。ベネフィットを落とし穴に変換して、そこにお客様を連れて行くのです。落ちる人もいれば落ちない人もいます。落ちたら、その落とし穴に対応したベネフィットを提案するだけです!そうすると、欲しくなり契約につながるのです。

決して、一方的に説明をしても嫌がられるのがおちで、売れないんです。たまに決まるのは、たまたま説明したそれがベネフィットだっただけです。もしくは、機能的なベネフィットではなく、単に料金営業で、安くなったから売れただけです!

また、説明が良くない点は、一方的だからです!お客様に望まれて説明をしないですよね、どちらかって言うと、一方的に、「今度の機種は…」とか、「新機種が出たんで…」とか、「説明だけ…」とか、あなたが、一方的に売り込みをやっているんです。つまり、押し売りをやっているだけなんです。…

営業って、双方向じゃないとダメなんです。説明じゃなく、ベネフィットの提案だと、思うようにしてください!

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客の財布の紐を緩ませる「特別扱い」個人店での具体的な成功事例

お客様に気分良くお店を利用していただくために欠かせないのが、心のこもったおもてなし。ちょっとした気遣いを添えるだけでも、リピート率はアップするものです。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、そんな「顧客の心を掴んで離さないサービス」の数々を紹介しています。

本気でお客さまのことを考える

あるファッション店は、LLサイズのお店。“おデブちゃん”の習性、気持ちを知り尽くし、大人気となっています。

品揃えの豊富さはもちろんのこと、試着室は2畳と広めに作られ、中には扇風機が設置されています。そう、おデブちゃんは暑がりなのです。また、冷たいお水も用意され、いつでも飲めるようになっています。

こんなサービスがあると、ゆっくり選んで、試着を楽しむこともできます。普通のブティックに、そんな発想はありません。

おデブちゃんに喜んでもらい、気持ち良くお買い物していただくための、店主の心配りなのです。

本気でお客さまのことを考えています。

特別扱い

私の知っている、沖縄のラーメン店店主は、屋台時代に、常連さんへのサービスとして、名前入りのドンブリを用意していました。そのお客さまが来ると、そのドンブリで出されます。

これは、うれしいですよね。“特別扱いされている”という感動があります。

あるレストランでも、最近、常連さん専用の箸を置くようにしました。そのお客さまが来ると、何も言わなくても、専用の箸が出てきます。喫茶店で、コーヒーカップを専用にしているお店もあります。

たとえば、美容室なら専用のクシ。ブティックなら、名前入りのショッピングバッグなども考えられます。

お客さま専用や名前入りで、常連さんを“特別扱い”してみましょう。

上得意客

お店の上得意客というのは、全体の2~3割程度の方々です。そのお客さまが、総売り上げの7~8割を買ってくれています。だとしたら、大切にするのは、この層のお客さまです。

もちろん、他のお客さまも大切ですが、同じように接していては、上得意客のプライドが許しません。VIP待遇で、お迎えしましょう。

そこで、ヒント!

過去1年間のお買い上げ金額の上位のお客さまから順番に、DMを出していきます。すると、確実に売り上げは上がります。金額に合わせた、それなりのオファーを提供することが必要ですが。

クレームか、恐喝か。会社で受けた「嫌な電話」を処理する3つのコツ

企業活動を続けている限り避けられないのが、お客様からのクレーム。その対応を誤ったり、良からぬ輩からの「脅迫」に屈したりしてしまえば、たちまちその会社は大きな危機に陥ってしまうと言っても過言ではありません。今回の無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』では、著者で衛生管理のプロでもある川岸宏和さんが、クレーム電話への正しい対応や、その電話がクレームなのか脅迫なのかを判断するポイントをレクチャーしています。

クレーム受付の電話について

あなたの工場の代表電話は、録音が出来ますか。特にクレームがかかってくる電話番号に対応している設備は、録音出来る物が必要です。録音出来るだけでなく、録音した電子ファイルは、パソコンに取り込めるファイルである必要があります。

代表電話に出る可能性のある方には、クレームなどで、脅迫された場合は、必ず録音するように教育を行い、録音されたファイルを持って、対応について、保健所、警察と打ち合わせるべきです。異物混入など、保健所に届け出ると、面倒になると思い、内密で進めると、取り返しの付かない事になる可能性があります。日常的に、保健所と、どのようなクレームが発生したら届ける必要があるか、打ち合わせておくべきです。

クレーム等の対応の場合、「わかった保健所に言うぞ」、「新聞社に届けるぞ」等と言われる場合がありますが、「保健所の指導の下でお答えしております」、「新聞社にお届けされるのであれば致し方ありおません」と怯まずに回答することが必要です。

代表電話に掛かって来た電話は、何時、誰から掛かって来たか、自動で記録され、内容をテキストファイルにし、外部から録音内容を確認出来るようにすることで、言った言わないと言ったトラブルを防ぐことが出来ます。従業員教育上でも、「この電話は常に録音している」と意識させるだけで、電話対応が良くなるものです。

恐喝かどうかを判断するために

一般の方のクレームと、恐喝にあたるか、あたる可能性があるかどうかを判断するポイントは次のようになります。

  • 話の中で「○○組の関係者だけど」、「○○団体の物だが」等、暴力団名などを名乗る
  • 殺すぞ、殴るぞなどの暴言を吐く
  • 話の中で、恐怖を感じたり、怖いと思った場合

必ず録音をとり、警察へ届け出を行い、「怖かった」旨を伝えることが大切です。