中国最大の宗教は「中国共産党」だ。幼少期から刷り込まれる“思想”

日本では、安倍元首相の銃殺事件以来、カルト宗教に関するニュースが続いていますが、お隣の中国ではどうなのでしょうか。今回の無料メルマガ『出たっきり邦人【アジア編】』では、中国・深セン在住のMochiさんが中国の宗教と「共産主義」について紹介しています。

『華南の風』中国・深セン【18】中国と宗教

皆さんこんにちは!とうとう本格的な夏到来で気温は36~37℃、高い湿度の関係で体感温度は45℃という日々が続いている深センです。コロナのせいで顧客訪問の頻度が激減している関係で、ほぼ一日中オフィスにいるところが救いです。

まずは安倍元総理のご冥福をお祈り致します。一般的には治安が良い日本でゆでガエルとなっているSPと警察には再発防止に取り組んで欲しいです。当初は時折発生する「自殺する勇気が無いから死刑になって国に殺してもらう」系の殺人犯かと思いましたが、カルト宗教に人生を狂わされた犯人が(その宗教を支援していたと思われる)安倍元総理への復讐という思わぬ方向へ進み、カルト宗教と自民党との癒着ぶりが連日のニュースになっています。ひどい話です…。新渡戸稲造の『武士道』には、宗教が社会システムや生活の中心となっていない(ように見える)日本は、宗教無しでどのように道徳教育を行っているのかと当時の外国人に不思議がられた話があります。お盆には墓参り、クリスマスを祝い、元旦に神社へ初詣する日本人は確かに宗教に執着していないように見えます。それだけに宗教が政治家とコネを持ち、国政に入り込んでいるという異常事態に鈍感になっているのかもしれません。それかK明党で慣れっこになっているのか。

中国にも仏教のお寺はありますが、存在感が希薄です。文化大革命で徹底的に破壊されてしまいました。ちょっと前は法輪功というスピリチュアル団体が弾圧されました。悪の宗教という政府の報道と、法輪功信者が受けた酷い弾圧の告発が大きく食い違い、真相はわかりません。

では中国で最大の宗教は何か?

ユヴァル・ノア・ハラリは『サピエンス』の中でいわゆるイデオロギーも宗教とみなしています。資本主義、共産主義、自由主義、ファシズム等々は「実体のないもの、概念、思想を多くの人が信じ、共有する」という点で宗教なのだと。つまり中国の最大の宗教は中国共産党が考える共産主義と言えます。15億人が幼少から教育され、無条件にそれを信じるようになってしまう。まさに信者です。信者は宗教的指導者(中国共産党)の言うことを疑わないので指導者はどんどんマインドコントロールをやり易くなります。欧米、日本などの民主・自由・個人主義は「サタン」であり、地獄に落ちるべき存在で、中国共産党だけが正しいのです。そんな中国人に我々の正論を言っても頭の中に入って行かない点はカルト宗教の信者が脱退というマインドセットになりにくいのと同じです。そして同様に私自身も逆の体制に入信しているので、共産主義がサタンに見えてくるのでしょう。

恐ろしい真実。統一教会が日本人女性を韓国人と結婚させる「本当の理由」

安倍元首相の銃殺事件の犯人が語った犯行動機から大きな批判を浴びることになった旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)。今回のメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』では、この宗教の実態について詳しく語られた一冊を紹介しています。そこに書かれていた、統一教会「合同結婚式」の恐ろしい真実とは?

【一日一冊】統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福

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統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福

櫻井義秀 , 中西尋子 著/北海道大学出版会

「統一教会」の教えの内容、勧誘方法、セミナーの内容、営業トークマニュアルから、会員へのインタビューと幅広く調査した内容となっています。

「統一教会」の教義は、キリスト教をベースとしながら、文鮮明がメシアであり、人々に「祝福」を与えるというものです。祝福とは教祖が配偶者を決めて信者同士が結婚するというものです。このような異様な教義のため、キリスト教各教派からは異端とみなされています。

韓国は神の国であり、地上天国を建設した後に、世界の中心になり、世界の言語は韓国語になる。そして日本は、韓国を植民地とした罪深い国家であり、韓国民に対して贖罪しなくてはならないとしています。

日本での統一教会の宣教は、キリスト教が一般的でないためうまくいきませんでした。結局、1960年代から若者をターゲットとした反共的な政治運動としてメンバーを集め、そのメンバーを統一教会員とすることで勢力を拡大させたのです。政権与党の政治家の庇護を受けたのも事実のようです。

日本の統一教会は…宣教の対象を若者に絞り込むことにした。1964年に小宮山嘉一を会長として全国大学連合原理研究会が創立され、大学生・青年の伝道が活発化した(p89)

1980年代に入ると日本の統一教会は、活動資金を調達するために該当や個別訪問で姓名判断を行い、先祖の供養や悪霊を解くといった名目で高額の印鑑、数珠、壺を売りつけ霊感商法として問題となりました。

1990年代半ばになると、日本の統一教会の幹部が韓国人に置き換えられ、日本の統一教会信者に対する献金の要請が激化ました。当時のビデオでは、韓国の幹部が日本の教会員に対して全財産を自らはき出すだけでなく、はき出す人を連れてこいと檄を飛ばしていたという。

合同結婚式も2000年代まで行われており、日本の女性信者6,000~7,000人が韓国人に嫁いだという。

日本は韓国を植民地とした罪深い国家であり、韓国への贖罪として金を支払わなくてはならず、韓国の花嫁不足問題の解消のために女性を提供しなくてはならないということなのでしょう。

日本が強制的に韓国を合併した後には、韓国民族の自由を完全に剥奪し、数多くの愛国者を投獄、虐殺し…多数の良民を殺戮した(p61)

米FBI、トランプ前大統領の別荘を家宅捜索。退任後に「機密文書持ち出し」で逮捕の可能性も?

アメリカのFBI(連邦捜査局)は8日、令状にもとづいてフロリダ州パームビーチにあるドナルド・トランプ前大統領の別荘(マール・ア・ラーゴ)の家宅捜査をおこなったことがわかった。CNN、共同通信、日本経済新聞などが報じた。ト…

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統一協会から目をそらす「安倍マンセー派」に小林よしのり氏が“贈る言葉”

一部を除く気骨あるメディアの追及により、次々と明らかになる安倍元首相を筆頭とした自民党と旧統一教会との「深すぎる関係」。しかし当の議員たちは反省する素振りもなく、安倍氏を支持してきた雑誌には疑惑発覚後も元首相に対する美辞麗句が並んでいます。そんな状況に疑問の声を上げるのは、『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』等の人気作品でお馴染みの漫画家・小林よしのりさん。小林さんは自身のメルマガ『小林よしのりライジング』で今回、耳を疑う発言を繰り返す自民党所属議員たちを強く非難するとともに、安倍元首相に対する強烈な「贈る言葉」を記しています。
※本稿では著者の意思と歴史的経緯に鑑み、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を「統一協会」と表記しています

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【関連】日本社会を蝕む「朝鮮民族主義」とは何か?創建1250年の神社宮司が斬る旧統一教会問題と「日本人も知らない神社の話」

ゴーマニズム宣言:安倍マンセーの方々へ

統一協会の話題を、テレビも週刊誌もどんどん扱っている。

先週の時点では、権力に忖度して沈静化していくのではないかと危惧していたが、統一協会を扱えば視聴率が上がる、部数が伸びるという現象に、もう各局・各誌とも抗えない状態になっているようだ。

安倍晋三があんなに無惨に殺され、しかもそのことによって安倍と反日・反社会カルトである統一協会の癒着関係が明るみに出されてしまうという事態は、「安倍マンセー派」にはとても耐えがたいことだろう。「私の心の中の美しい安倍晋三を汚さないで!」みたいな心の叫びが聞こえるようだ。

そんな、何が何でも安倍のことは美化しておきたい「安倍マンセー派」のために、「月刊WiLL」も「月刊Hanada」も「月刊正論」も、安倍追悼の大特集号を組んでいる。

そこでの安倍は「不屈の政治家」であり、「稀代のリーダー」であり「自由の守護神」であり「日本の宝」であり…と、賛美、賛美、賛美の嵐である。

まるで、文鮮明を「メシア」と賛美するかのように。

もちろん3誌とも安倍と統一協会の関わりなど一切触れず、そればかりか、銃撃の原因となったのは悪意ある安倍批判を繰り返した「アベガー」(サヨク)のせいだとする記事まで載っている。「愛する安倍さんの裏にそんな闇があったなんて、そんなこと見たくなーいっ!」といった状態である。

メディアでは連日、統一協会と安倍晋三・自民党の癒着関係が報じられているのに、ここは全くの異世界である。現実に対して徹底して目を塞いでいるその様子は、それこそが「信仰」であり「カルト宗教」であるとしか言いようがない。

そしてこれは信仰であるがゆえに、議論が一切通用しない。

首相時代の安倍があんなことをした、こんなことをしたといくら具体的に挙げても、「『アベガー』だ!」と言って、一切聞こうともしないのだ。

統一協会の信者が、「サタンの言葉だ!」と言って都合の悪い声に耳を塞ぐのと同じである。

だが、そんな安倍マンセー教信者にも、決して「『アベガー』だ!」では否定のできないことがある。

それは、安倍晋三が「戦後レジームからの脱却」を掲げながら、それを全てベタ降りしたことである。

安倍は第一次政権発足時に「村山談話」(侵略史観)を踏襲すると言い、「河野談話」(慰安婦強制連行)を踏襲すると言い、「東京裁判」に異議を唱える立場にないと言い、ついにこれを撤回することはなかった。

そして集団的自衛権の行使容認については、まずアメリカ議会で約束して、それから日本の議会での議論を開始した。

戦後レジームの根幹は、アジア侵略史観(自虐史観)とアメリカ追従である。安倍はこれから脱却すると言っておいて、より強化してしまったのだ。

これは決して否定のできない事実としてあるのだから、絶対に反論のしようがないことである。

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アメリカが蒔いた“不信の種”。NATO東方拡大という致命的な失敗

開戦から5ヶ月半を経てもなお激しい戦闘が続くウクライナ紛争ですが、その責任はロシアのみに求められるものではないようです。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、「NATOの拡大は米国の致命的な政策の失敗」とするピューリッツァー賞受賞作家の超大作の内容等を紹介。さらに自国優越思想で結果的にロシアを追い詰めたアメリカの責任について考察しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年8月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

NATOの東方拡大は米政策の最も致命的な失敗/ティム・ワイナー『米露諜報秘録』を読む

本誌はウクライナ戦争勃発の当初から、ロシアの侵攻は突然でも一方的でもなく、短く見ても2014年のミンスク合意以降の8年間、長くとれば1989年マルタ会談での冷戦終結宣言とその後の米欧によるNATOの東方拡大から33年間にも及ぶ米露の駆け引きの結末であることを指摘してきた。

※ 本誌No.1145(3/28)「歴史の物差しの当て方で視点が変わる」、No.1148(4/11)「NATOはなぜ今もこの世に存在しているのか」など

【関連】ソ連邦誕生から100年の物差しで想像すべき、プーチンが主張する「大義」
【関連】プーチンは本当に侵略者なのか?米国こそがウクライナ紛争の責任を問われる理由

元NYタイムズ記者で国際関係に関する調査報道でピューリッツァー賞も得ているティム・ワイナーの近著『米露諜報秘録1945~2020/冷戦からプーチンの謀略まで』(白水社、22年7月刊)は、冷戦の始まりから終わりまでの米ソの政治戦・情報戦を、機密扱いを解かれた外交文書や当事者の回想など豊富な資料を駆使して描いている。その中でとりわけ印象的なのは、まさに「冷戦」による旧ソ連の「封じ込め」戦略の立案者であるジョージ・ケナン元モスクワ駐在大使が、冷戦後の1999年、NATOにポーランド、チェコ、ハンガリーが加盟し、さらにバルト3国やルーマニア、ブルガリアなど旧東欧諸国が雪崩を打って加盟しようとしているのを見て次のように語ったことである。

▼NATOの拡大は、冷戦期の全期間で最も致命的な米国の政策の失敗だろう。
▼こうした決断は、ロシアの世論の民族主義的、反西側的、軍国主義的傾向を煽り、ロシアの民主主義の発展に悪影響を及ぼし、東西関係に冷戦期の環境を復活させ、ロシアの外交政策を我々にとって決定的に好ましくない方向へ押しやることが予想される……。

ケナンは2005年に101歳で亡くなったが、今ウクライナを巡って起きているのは、まさに彼が予言した通りのことではないのだろうか。

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つけるクスリがない。福田達夫氏ら自民“ボンボン”議員の劣化ぶり

次々と表面化する自民党と旧統一教会の深い関係。この問題について、「何が問題か、ボクよくわからないんです」と言ってのけたのが、自民党の総務会長を務める福田達夫代議士。政治家の系譜は曽祖父に始まり、祖父も父も総理大臣を務めた生粋の世襲議員。大炎上した福田氏の発言に対し「つけるクスリがない」と呆れるのは、評論家の佐高信さん。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、自民党の世襲議員の劣化ぶりを嘆き、三面記事に目を潤ませて政治家の資質を説いた自民党の代議士、河野金昇氏の言葉を紹介しています。

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統一教会と自民党のただならぬ関係

元首相の海部俊樹が秘書として仕えた自民党の代議士、河野金昇は新聞の三面記事をよく読んだという。そして親子心中の記事などが出ていると、いまにも泣き出しそうな顔で、「海部君、親子心中の記事が出ているよ。悲しいねぇ。こういう記事を読んで心が痛まないような男は政治家の資格はないよ」と言った。

又、足が不自由だった河野は、「足が治って運動会で1等になった夢をよく見るんだ。でもなあ、テープを切った瞬間に目がさめるんだ」という話をしながら、こう諭したとか。「政治とは、日の当たらないところに血を通わせるものでなくちゃいけないんだ。働く人や弱い人の味方、そんな政治家にならなきゃダメだよ」。

世襲の政治家はこういう感覚を身につけられない。麻生太郎、岸田文雄等、2世、3世の政治家が多くなって、自民党の劣化は救い難くなっているようである。

やはり、ボンボンの総務会長、福田達夫が統一教会と自民党の“癒着”について、「ボク自身がまったく関係がないので、何でこんなに騒いでいるのか、正直な話よくわからない」と言ってのけた。霊感商法による被害の実態も、自民党との関係も「よくわからない」ということだろう。つまりは、三面記事を読む精神がないのである。

「わが党が組織的にある団体から強い影響を受けて、それで政治を動かしているのであれば問題かもしれませんけど、ボクの理解の範疇だとそういうことは一切ないので正直に言います。何が問題か、ボクよくわからないんです」とも福田は言ったが、つけるクスリがないという感じである。

岸信夫、細田博之と、やはり、世襲議員の感覚がひどい。確かに、こうしたボクちゃんでなければ、統一教会とのただならぬ関係は続けてこられなかっただろう。『週刊新潮』の7月28日号で永田町の事情通が、特に自民党との癒着の実態をこう打ち明けている。

「(統一教会は)勝共連合や関連団体を通じて、国会議員のところにスタッフを送り込んでいました。派閥や政党には統一教会サイドに話をつなぐ窓口役がいた。彼らの仲介で議員の中には秘書や運転手を教会から派遣してもらう者もいました。スタッフの給与まで教会丸抱えのケースもありましたね。あるいは、選挙になると、教会から数十人単位で運動員が送り込まれ、ポスター張りや電話での投票依頼などを行うんです」

「とにかくよく働くんです。朝6時から始まって、夜の10時くらいまで懸命に働いてくれて文句ひとつ言わない。見返りを求めない。やはり宗教的情熱で働く人たちは違うんでしょうね」

しかし、「タダほど高いものはない」ということではないか。俗に「みこしは軽くてパーがいい」と言われるが、世襲のお飾り議員たちは選挙とかの実態をよく知らない場合もある。それで罪を免れるわけではない。

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image by:福田達夫Facebook

全国の高校の4割にあたる2000校が利用。リクルートの「スタサプ」が起こした教育革命

大学合格を目指す高校生やその親ならば誰もが一度は耳にしたことがある、リクルート運営の「スタディサプリ(スタサプ)」。コロナ禍にあってこのオンラインでの学習サービスは順調に業績を伸ばしていますが、学校向けの教育事業の成長は特に著しく、全国の高校の4割にあたる2,000校もが利用しているといいます。その成功の秘訣を探るのは、神戸大学大学院教授で日本マーケティング学会理事の栗木契さん。栗木さんは今回、学校向けサービスの萌芽からブレイクのきっかけ、そして現在に至るまでの足跡を丁寧に追いつつ、同サービスが教育現場にここまで受け入れられるに至った理由を解説するとともに、スタサプが期せずして起こした「教育イノベーション」についても紹介しています。

プロフィール栗木契くりきけい
神戸大学大学院経営学研究科教授。1966年、米・フィラデルフィア生まれ。97年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(商学)。2012年より神戸大学大学院経営学研究科教授。専門はマーケティング戦略。著書に『明日は、ビジョンで拓かれる』『マーケティング・リフレーミング』(ともに共編著)、『マーケティング・コンセプトを問い直す』などがある。

スタディサプリに見る新規事業の育て方

2020年からの急成長をリードした学校向け事業

コロナ禍がもたらしたニューノーマルの日々。そのなかで各種のインターネット・サービスの利用が拡大している。Eコマースやリモートワークに加えて、教育サービスの分野でもウェブの活用が広がる。

スタディサプリ(以下、スタサプ)は、リクルートが手がけるインターネット教育事業である。現在のスタサプの事業の柱は3つある。第1は、個人を対象としたオンライン予備校事業であり、大学受験対策などの動画授業を、個人会員に向けて配信している。現在のスタサプはさらに小中学生向けの講座なども充実させている。第2は、学校向けの教育サービス事業であり、高校をはじめとする学校の補助教材としてもスタサプの動画事業は広く採用されている。第3は、社会人向けのウェブ教育事業である。現在のスタサプは、英会話を含む、英語4技能の習得のための講座も幅広く提供している。

コロナ禍が発生した2020年以降のスタサプの事業は、3つの領域すべてで伸びている。そのなかで特に大きく成長したのが、学校向けの教育事業である。現在では全国の高校の4割にあたる2,000校ほどがスタサプを採用するようになっている。

しかし振り返ると、スタサプはそもそも、学校向けのサービスとして事業を開始したわけではない。個人向けのサービスとしてスタートしたスタサプは、どのようにして学校向けのサービスとしての機会をつかんでいったのか。以下では、そのポイントを振り返ってみたい。B to Cのサービスだった事業を、B to Bにも展開していくという方向転換を果たしていなければ、スタサプはコロナ禍のもとで生じた機会を十分につかむことはできなかったかもしれないのだ。

想定外のつまずき

スタサプの事業開始は、2012年である。この年の10月に個人向けの動画授業の有料配信をはじめる。大手予備校で人気の高い講義を担当していたカリスマ講師と契約し、有名大学ごとの受験対策講座をオンラインで個人向けに提供することからスタサプの事業ははじまった。教室などをもたないことによる低コストのビジネスモデルでの参入だった。

事業開始後のスタサプは、いきなり顧客獲得に苦戦する。リクルートはスタサプによる参入以前に、予備校などの運営のノウハウを蓄積していたわけではなく、畑違いの分野の新規事業に対して、社内には懐疑的な声も少なくなかった。実際に開業後の半年ほどの期間にスタサプは、有料受講者を数千人しか獲得できず、目標を大きく下回る。

スタサプが、当初のつまずきを脱するきっかけとなったのは、料金プランの変更である。当初のスタサプの料金プランは、1講座を5,000円で販売するという、買い取り型だった。スタサプはこれを、2013年の春に、月々980円(現在は1,980円(税抜き))で全講座使い放題というサブスクリプション型の料金プランに変える。講座の拡充も進め、5教科18科目のラインアップとする。こうした取り組みの結果、利用者が増えはじめる。懐疑的に見られていた新規事業が、ようやく成長軌道に乗りはじめる。

プロ講師が教える絶対に直したほうがいい3種類の「口癖」とは?

人の話し方にも癖は誰しもあります。あなたの口癖はなんでしょう。今回のメルマガ『深沢真太郎の「稼ぐ力がつく! 数学的思考の授業」』では、ビジネス数学教育家で大学でも教鞭を執る深沢真太郎さんが、スムーズに世の中を渡っていくために、なおしたほうがいい口癖となおさなくていい口癖について分析しています。

この記事の著者・深沢真太郎さんのメルマガ

なおしたほうがいい「口癖」となおさなくていい「口癖」

本日も学びのためにお時間をとっていただき、ありがとうございます。プロの講師は「口癖」はなおした方がいいのか。この問いに答えるのが今回の内容です。

人間ですから、誰しも「口癖」はあります。人前に出て話をすることを仕事にするプロ講師。はたして「口癖」というものはどのように解釈し、どのように付き合えばいいのでしょう。今回もぜひ最後までお付き合いください。

まず結論から申し上げます。

もしあなたに何かしらの「口癖」があったとしても、それをなおす必要はありません。

ただしこの結論には条件があります。その条件をしっかりキャッチすることがこの授業のゴールと言って良いでしょう。

まずは一般論から話しましょう。人は誰しも「癖」があります。「癖」のない人などいません。

例えば歩き方にも癖はあります。靴底のかかと部分がすぐにすり減ってしまう人がいます。一方で、そうでない人もいます。その違いは、歩き方の癖によるものでしょう。

物の見方にも癖があります。細かく掘り下げていくことが好きなタイプもいれば、要するに何であるかが分かればそれで良いと思うタイプもいます。前者は下位概念を探したいタイプで、後者は上位概念さえおさえればOKというタイプ。どちらが良い悪いではなくタイプの違いと言えます。

同じように、話し方にも癖がある。これは当然のことです。ですからまず重要なのは、口癖、つまり「話し方に癖がある」ことをダメなことだと思わないこと。

これは意外と重要なことです。なぜならそれをダメなことだと思ってしまっている時点で、その人は人前で話すことに何かしらのストレスや不安を抱えることになるからです。つまり、整理するとこのようになります。

【NG】口癖があることをダメなことだと思ってしまい、無意識にそれを気にしながら話なければならない

【OK】口癖があることは当然であり、そこを気にすることなく人前で話す

口癖があること自体は問題ではありません。口癖を気にすることで精神的に不安定になることが問題なのです。その不安定さは、悪いことにその講師の自信や積極性を奪ってしまいます。

この授業に参加されているあなたならお分かりと思いますが、自信や積極性のない講師が活躍できるほど、研修講師の世界は甘くありません。専門性やスキル以前の問題で「この講師はダメだな」と評価されてしまうのです。これほどもったいない(悲しい)ことはありません。

本来は気にする必要のない部分を気にしすぎるが故に、別の理由で「NG」を食らってしまう。これこそまさに(適切な表現ではないかもしれませんが)自爆です。私はあなたに「自爆」だけはして欲しくないなと思っています。

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【関連】「稼ぐ講師」が技術を伝授。アプローチ別オリジナル研修の作り方

米国独占の世界を変えるべく裏で動く挑戦者は我らの脅威となるか

現状、世界はアメリカが大きな支配力を持っています。しかし、それを変えようとする「挑戦者」のような国も存在しているようです。今回のメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』では、著者である本のソムリエさんが地政学的にその国の動き、紛争リスクを分析している一冊を紹介しています。

【一日一冊】不穏なフロンティアの大戦略-辺境をめぐる攻防と地政学的考察

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不穏なフロンティアの大戦略-辺境をめぐる攻防と地政学的考察

ヤクブ・グリギエル , A・ウェス・ミッチェル 著 奥山真司 監訳 川村幸城 訳/中央公論新社

ロシアのウクライナ侵攻を見て、地政学の重要性を感じ、やはり奥山 真司さんの本を読みたいと考えて手にした一冊です。この本は2016年のトランプ政権が生まれる前に、国務省での勤務経験もある国際政治の専門家によって書かれたもので、奥山さんが翻訳しています。

この本では「現状変更国家」として、ロシア、中国、イランをあげています。これらの国家は、アメリカが支配する現状を変更しようと小さなリスクを取り続けているのです。

現状変更の例として示しているのは、ジョージア戦争(2008年)、ホルムズ海峡危機(2012年)、尖閣諸島紛争(2013年)、ウクライナ戦争(2014年から現在)、バルト海における海・空域での緊張(2015年)、スプラトリー(南沙)諸島をめぐる対立(2015年)などです。

大きなリスクを取り続けるとアメリカと正面でぶつかる可能性があるため、これらの国々はアメリカの強い反発がない範囲で、現地の勢力図を変えることができないかどうかテストしているわけです。

今回のロシアのウクライナ侵攻も、前回のロシアのクリミア併合がうまくいったので、短期間でウクライナを武力占領することでアメリカの強い支援が届く前に終わらせることができるとロシアは踏んていたのでしょう。

今日のロシア、中国、イランは自信に満ち、高圧的な態度をとり、軍備を増強している…この三大国の侵略的な態度は、今に始まったものではない(p18)

アメリカのリベラル勢力はオバマ政権を成立させ、地球全体をパートナー国としてロシアや中国とうまくやっていくことで、グローバル化を推進してきました。

しかし、今のアメリカは挑戦者として中国、ロシア、イラン、北朝鮮といった「現状変更国家」が存在すると認識しているのです。

この本では仮に現状変更国家との紛争リスクが高まったとき、現状変更国家の要求を受け入れたほうが好ましいと考えるべきなのか、軍事力で対抗したほうがよいのか、それとも同盟国と連携して対応したほうがいいのか検討しています。