三島由紀夫と共鳴し合った才能。あの澁澤龍彦が全霊を注いだ雑誌『血と薔薇』の時代

昭和という時代を代表する知の巨人・澁澤龍彦。小説家・評論家である彼はまた、「エロティシズムと残酷の総合研究誌」を掲げた『血と薔薇』の責任編集者の顔も持ち合わせていました。今回のメルマガ『家畜人ヤプー倶楽部』では、小説『家畜人ヤプー』の全権代理人にして『血と薔薇』の創刊者でもある康芳夫さんが、澁澤が同誌の責任編集を降りた真相や自身と彼との関係悪化の理由を告白。さらに澁澤の「美学」や人となりを語っています。

康芳夫、澁澤龍彦を語る。「澁澤の『血と薔薇』にかける意気込みは相当なものでした」

澁澤の『血と薔薇』にかける意気込みは相当なものでした。ただ、僕たちの考え方の違いとかその他色んなことがあって3号で降りちゃった。それで4号目で平岡正明を責任編集兼編集長にして、そこにヤプーを載せた。

この間平岡が死んでね、大きな葬儀で若松孝二君とかみんな来ましたよ。当時平岡はすでに色んな本も書いてたしね、ある意味ではすでに有名人だった。澁澤にしてみたら、ヤプーが自分と入れ替わりに掲載されたというのはきわめて複雑な心境だったでしょう。僕との関係も『血と薔薇』の一件以来微妙なことになっちゃって、絶交状態というか、会うには会ってたけど、そのうちに死んじゃったしね。

澁澤と三島はとても親しかった。澁澤美学と三島美学はちょっと違うんだけど、両者お互いにインタラクトというか、フィードバックし合っていた。彼は東大仏文科が生んだ、一つの奇形児ではあるよね。決して正統派ではなく、大学もほとんど行っていなかったし、脇に外れた、言わば東大仏文科劣等生ですよ。

でも、自分でああいう世界をつくって、受け売りという言葉は彼には失礼だけど、元ネタが全部ヨーロッパにあって、それが彼が元々持っていた嗜好と一致したっていうこともあるだろうけど、独特の美学及びディレッタンディズムと、何と言うか、趣味性の強い男だった。

あれ以来ああいう人は何人かでてるけれど、東大仏文科が生んだ最初の奇型ディレッタントであるし、かつ、変種だな。突然変異みたいな。今も澁澤の本が昔程読まれているということはないけど、根強い人気はあるね。

今、『血と薔薇』が4冊並んでいることはほぼないけど、昔は4冊並んでいると15万とか20万くらい値段がついた。一度当時の編集者が河出から復刻させたんだけど、権利は僕のものだからそれは法的に差し止めた。4巻で終わっちゃったのは、うちの会社もおかしくなっちゃったし、経済的な理由もあって、やめちゃったんですよ。その後僕は最終的にパートナーだった神彰と別れて、それでモハメド・アリをやったわけ。

『血と薔薇』は当時1冊1,000円ですから、今で言ったら1万円で、最初の本格的なエロス美学雑誌とは銘打ってたけど、実際は高級エログロ誌。ただ、あの頃は情報が拡散してなくて、今は情報が極度に分散している。もう、ああいう雑誌をつくるのは物理的に無理だと思いますね。

※ 『虚人と巨人 国際暗黒プロデューサー 康芳夫と各界の巨人たちの饗宴』より抜粋

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80歳でエベレスト、90歳で富士山へ。三浦雄一郎の強さはどこから来るのか?

二度の心臓手術を経て80歳でエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎さんは、90歳になっても山に登り続けています。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、三浦さんの心の強さの原動力について語ったインタビューを掲載しています。

90歳で富士山に挑戦──なぜ三浦雄一郎さんは山に登り続けるのか

史上最高齢の80歳で世界の最高峰エベレスト登頂に成功した、三浦雄一郎さん。
90歳になったいまなお、その挑戦心は衰えず、富士山登頂へ挑んでいます。三浦さんの挑戦心の根本には何があるのか、語っていただきました。

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2003年5月、私は目標としていた70歳でのエベレスト登頂に成功しました。頂上からの素晴らしい眺めに感動した私は、再びここに戻ってきたいと思いました。

一方で、私の心臓はかなりのダメージを受けていました。登頂の途上で不整脈と心房細動を発症し、命の危険にも直面しました。心臓の専門医には引退を勧められましたが、エベレストへの思いは断ちがたく、2度にわたって心臓の手術を受け、2008年5月に75歳でのエベレスト再登頂に成功したのです。

二度目の登頂を果たした私は、帰ってくるなり「今度は80歳でエベレストに行きたい」と口にしました。家族は猛反対です。既に2度の心臓手術を受けた身です。80歳となると、果たして心臓がもつかどうかと家族は心配したのです。

おまけに2009年にはスキーをしていて骨盤と大腿骨の付け根などを骨折し、再起不能になる恐れもありました。しかし、私の挑戦意欲は衰えませんでした。強く反対をする家族には「エベレストに行かせてくれないなら家出する!」と決然と言い放ち、何とか説得に成功しました。

3度目の出発までに私は2度の心臓手術を繰り返しました。まさに80歳のエベレストは命懸けの挑戦になったわけですが、諦める気持ちは微塵もありませんでした。

「処理水問題」と「米中対立」に共通。正しく伝えないメディアの存在

8月28~29日、米国のレモンド商務長官が訪中し、北京で中国の閣僚らと相次いで会談しました。しかし、福島第一原発の「処理水」問題と重なったことで、中国においてもニュースとしての注目度は低かったようです。どちらの話題にも共通するのが、「議論がかみ合っていないこと」と指摘するのは、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学の富坂聰教授。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、物事を正しく理解するための助けにならないメディアの伝え方を問題視。西側メディアが伝えたがる中国にあるビジネス上のリスクも、通常の商行為の中にはなく、政治の中にあると強調しています。

レモンド米商務長官の訪中でも変わらない米中関係

ジーナ・レモンド米商務長官が訪中していた期間、筆者は北京にいた。目的は取材ではなかったので雰囲気しか分からなかったが、訪中が盛り上がったとか、米中関係に進展があったと感じられる事象はなかった。

何といっても日本が福島第一原子力発電所に貯まった「処理水」をついに排出したというニュースへの関心度が高過ぎて、レモンド長官訪中の話題はすっかり隅に追いやられてしまったのだ。

不思議なことは「処理水問題」と「レモンド訪中」はまったく別の話題なのに共通点があることだ。それは議論がかみ合っていないことだ。

処理水の問題では、日本側が「排出する水のトリチウムの濃度が低いから安全だ」と主張を続けるの対し、中国は「きわめて汚染度の高い燃料デブリに触れた水と通常の発電で排出される水とは一緒にできない。トリチウム以外の核種が残っているのか、第三国を入れて検証すべき」と主張している。

レモンド訪中の方は、アメリカ側が「対中輸出規制は『スモールヤード・ハイフェンス』(限定された技術について敷居を高くして守る戦略)だ」と限定的である点を強調するのに対し、中国側は「アメリカは約束を守らず必ず範囲を広げてくる」と警戒する。

だが、このように対立は極めて明確で単純なのだが、関係各国の世論には、それがなかなか浸透しない。問題の所在は明らかだろう。要するにメディアが正しく伝えていないのだ。最初から中国の主張をきちんと整理して伝えていれば、日中関係が現在のような悪質な対立に陥ることはなかっただろう。レモンド長官の訪中では、「中国あるある」の一つだが、現地メディアと西側先進国のメディアで伝え方がほぼ逆であった。

中国側はこの訪問が概ね有意義だったと受け止めたようで、現地メディアも好意的なトーンで伝えている。例えば、対外的に厳しい論調として知られる『環球時報』だ。同紙は「米商務長官がアメリカの企業に語る。あなたたちが中国に投資することを希望する」、「商務長官 私は楽観的な気持ちで中国を離れる」(いずれも8月30日)という前向きな見出しを付けて記事を発信している。

この記事の著者・富坂聰さんのメルマガ

もはや日本という国の「自殺」。結婚できない低所得層と打つ手のない少子化の深刻度

これまでに経験のない速度で進む我が国の少子化。先日政府はその原因分析を含む、2023年度の年次経済財政白書を発表しました。この問題を論じるのは、健康社会学者の河合薫さん。河合さんは自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で今回、少子化に本気で取り組む気のない日本政府の姿勢を諦念混じりに紹介するとともに、これまでの制度に拘らない「結婚の抜本期な改革に向けた議論」の必要性を強く訴えています。

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

「結婚」とは何なのか?「夫婦」とは何か?制度とリアルの狭間で

家族のあり方、制度のあり方について抜本的に考える必要がでてきたようです。

日本経済を分析し、課題などをまとめた2023年度の経済財政白書が公表され、年収により未婚率に差があり、その格差が4倍にものぼることが明らかになりました。

白書では日本の少子化の原因について「女性人口の減少」「非婚化の進行」「夫婦の出生率の低下」が三重の要因となって進行していると分析。このうち未婚化が進む背景として、賃金水準の低さや男女の賃金格差が深く影響している可能性を指摘しました。

職に就いている30代男性の所得と未婚率の関係を分析したところ、所得が低いほど未婚率が高く、200万円台の層は64.7%、100万円台で76.3%が未婚と壊滅的な状態に。一方で、年収800万円以上の高所得層では17.3%、600万~700万円台で21.4%と未婚率の低さが際立っていたのです。

所得の低さが未婚につながるリスクは10年以上前から認められていましたが、今回は所得階層によって最大4倍超の差があるとして、「構造的な賃上げの実現などで若年層の所得向上を図ることが結婚を増やすのに重要になる」とまとめていました。

構造的な賃上げ…。いったい何度この言葉を聞いてきたでしょうか。非正規と正社員の賃金格差は何度も指摘されてきましたし、男女の賃金格差が大きいことが「女性が高所得の男性を好む傾向」を強めているという指摘も繰り返されています。つくづく「日本は本気で少子化をなんとかしようと考えてないのだなぁ」と暗澹たる気分になります。と同時に「非正規の賃金が低いって?そりゃあ仕方ないでしょ。自己責任だよ」という認識も、日本社会に深く根を下ろしてしまったのです。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

元明石市長・泉房穂氏が有料メルマガを創刊。「まぐまぐ!」から10月6日より独占配信決定

元明石市長で現在ではさまざまなメディアに登場している泉房穂氏が、2023年10月6日(金)より有料メールマガジンを配信いたします。配信プラットフォームは株式会社まぐまぐ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:松田 誉史)に決定しました。

泉房穂氏は、「人にやさしい街をつくる」というスローガンをかかげ、市政においてはすべてが敵という四面楚歌のなかで、すべての弱者を救済する施策を明石市長として実行に移し、10年連続人口増を実現。明石市を活気ある街へと再生しました。

そんな泉房穂氏が人生の指針としているのは、来るものは拒まない「なんでもOK!」という精神。そんな思いから、どんな人からの悩みも受け付けるために、今回の有料メルマガの発行に至りました。

公の場では聞きにくい質問でも、有料メルマガ内なら気兼ねなく聞くことができると思います。皆様の質問をお待ちしております。

有料メールマガジン『泉房穂の「何でもOK!」』(2023年10月6日創刊)

https://www.mag2.com/m/0001697266

当社ではこれからも、「伝えたいことを、知りたい人に。」というビジョンのもと、ユーザー一人ひとりにとって価値のある最適なコンテンツを届け続けます。

■泉房穂氏について
1963年 明石の漁師町の生まれ。明石西高校、東大(教育学部)卒業後、NHKディレクター、石井紘基氏の秘書などを経て、弁護士。衆議院議員を経て、社会福祉士の資格取得。2011年より12年間、明石市長。柔道三段、手話検定2級、タコ検定達人。

■株式会社まぐまぐについて(https://www.mag2.co.jp/)

1997年に運営開始した日本初・国内最大級のメールマガジン配信サービスです。著名人の方はもちろん一般の方も、誰でも無料でメルマガの発行を行うことができ、ジャンルもビジネス利用から個人の趣味まで多岐に渡り約6,500誌が発行されています。

所在地 :東京都品川区西五反田3-12-14 西五反田プレイス8階
代表  :代表取締役社長 松田 誉史
設立  :1999年1月
事業内容:コンテンツ配信プラットフォームの開発・運営、インターネットメディアの企画・開発・運営

日本と日本人のために偉大な足跡を残した「たった4ヶ月だけの総理大臣」

日本国民が静かに黙祷を捧げる夏─。太平洋戦争の敗戦から78年が経ちました。今回のメルマガ『歴史時代作家 早見俊の無料メルマガ』では、時代小説の名手として知られる作家の早見さんが、 戦争の終結を天皇に求め、国賊とすら言われた首相、鈴木貫太郎にフォーカスをあてています。

終戦の使命を遂行

8月になると太平洋戦争に関する話題がされます。

明治維新から昭和20年、太平洋戦争の敗戦までが77年、今年で戦後78年です。

1945年8月14日、米軍が日本本土に迫る中、皇居御文庫地下会議室で昭和天皇臨席の御前会議が行われました。招集されたのは鈴木貫太郎首相以下全閣僚、参謀総長、軍令部総長、枢密院議長です。

昭和天皇は、「自分は如何になろうとも、万民の生命を助けたい。これ以上、戦争を続けてはわが国が焦土となる。万民にこれ以上の苦悩を嘗めさせることは、私としては実に忍び難い。少しでも種子が残りさえすれば、さらにまた復興という光明も考えられる。この際、堪え難きを耐え、忍び難きを忍び、一致協力、将来の回復に立ち直りたいと思う」と、ポツダム宣言受諾、すなわち連合国への降伏の断、すなわち聖断が下されました……

と、理解しておられる方は珍しくないと思います。決して間違いではないのですが正確に言うと、この聖断は二度目で、ポツダム宣言受諾は前回の聖断で決定されていたのです。

最初の聖断は4日前の8月10日でした。この時はポツダム宣言を受け入れるか否かで会議が割れ、首相鈴木貫太郎が、「畏れ多い極みでございますが」と、天皇の聖断を仰いで受託か決せられました。対して14日は連合国側の通達に対しての聖断でした。ポツダム宣言受諾に際し、日本政府は、「天皇の大権を変更しない事」と唯一の条件を付与しました。

連合国は、「天皇および日本国政府の国家統治の権限は、連合国最高司令官の制限の下に置かれるものとする。マッサカーサー元帥はポツダム宣言を遂行すべく、適切な処置を取るものである。日本国政府の最終的な形態は、日本国民の自由に表明する意志により、決定すべきものとする」と回答してきました。

“お金持ち”港区民の中学生は、修学旅行先シンガポールで「真の格差」を目の当たりにする

来年度以降の全区立中学校の修学旅行先を海外にすると発表した東京都港区。2024年度はシンガポール3泊5日、区が生徒1人あたり68万円を補助するとのことですが、ネット上では「地域格差」を巡り賛否両論が渦巻いています。この件について、「港区の中学生には思い切り格差を感じてもらいたい」とするのは米国在住作家の冷泉彰彦さん。冷泉さんはメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で今回、生徒らが海外で身を持って感じるべき「格差」を列挙するとともに、港区の補助額が決して高いものではないと判断する理由を解説しています。

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年9月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

悔しい思いをしてこい。港区の中学生が修学旅行先のシンガポールで感じるべき格差

東京都の港区では、区長が、「来年度からすべての区立中学校で海外への修学旅行を実施する」と発表したそうです。初年度の2024年度はシンガポール3泊5日、つまり丸3日半滞在して夜行便で戻る日程で、シンガポール訪問としては十分な期間になると思います。

対象となるのは、区立中学校3年生の全生徒にあたる約760人で、公立中学の全員を対象に海外修学旅行を実施するのは都内初だそうです。

その目的ですが「国際人育成に向けた取組の集大成」だそうで、「海外の現地で対話する経験を味わい、言語の重要性に対して認識を深める」ということで、日本に近い英語圏の国で、治安もよいということが、選ばれた理由とされています。

裏の事情としては、港区は私立中学への進学率が4割以上であり、税収の割には公立中学の生徒が少ないので、この種の予算が計上可能ということが指摘されています。その金額ですが、総額は5億2,000万円で、1人あたり68万円の補助ということです。

このニュースに対しては、「絶望的な格差社会」だという意見がネットでは溢れています。金ピカの港区だから可能な企画で、地方の自治体では逆立ちしてもムリ、そんな印象のようです。

私は大いに結構だと思います。そして港区の中学生には思い切り格差を感じてもらいたいと思います。といっても、「自分たちは港区民だから豪華な修学旅行ができてザマミロ」という格差ではありません。

まず2022年のデータですが、一人あたりGDPが82,807ドルのシンガポールと、その半分以下の33,815ドルに甘んじている日本との「格差」を徹底的に痛感して欲しいと思います。豊かさ、人々の自信、都市の活気、国家としての威信、もしもそこで「格差」を実感したら思い切り悔しいと思って欲しいです。

その上で、かつて日本は世界のトップクラスであったのが、どうして没落したのか、シンガポールはどうして浮上したのか、その成長率の「格差」も痛いほど痛感して来て欲しいです。

人々がどんな生活をしているのか、日本のように夜遅くまでダラダラと会社や酒場にいるのか、それとも夕方以降は家族とともに過ごしているのか、平日は外食の多いのは何故か、そうしたライフスタイルの「格差」も、そこにある「幸福度」などの「格差」も、もっと言えば女性が活躍している実態の「格差」もできれば発見して欲しいです。

この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ

肝心の中国経済が崩壊か。独裁国家の下に集結したグローバルサウスを待ち受ける困難

8月に南アフリカで行われた首脳会議で、イランやサウジアラビアなど6カ国の加盟を認めたBRICs。中ロの下に結集するグローバルサウスと呼ばれる国々ですが、このような動きを識者はどう見るのでしょうか。今回のメルマガ『j-fashion journal』ではファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、西側先進国と中ロ、そしてグローバルサウスそれぞれの関係性を改めて解説。さらにBRICsに参加する国々の思惑を考察するとともに、政治と経済が一体化している昨今の国際社会の状況に強い懸念を示しています。

グローバルサウスにも連鎖。迫りつつある中国経済の崩壊

こんにちは。

グローバルサウスが注目されています。その中心となるBRICsに入りたいという国が殺到しているとか。これには、米国嫌いの感情も影響しているようで、BRICsが米ドルに依存しない決済を始めれば、ロシアのような経済制裁を受けなくても済むと考えているのです。

日本国内でもG7は年寄りの国の集合体であり、これからはBRICsが存在感を増すと考えている人も多いようです。

また、サウジアラビアなどの中東産油国もBRICsに合流することが決まり、中東への依存率が高い日本は原油の調達ができなくなるのでは、と心配しています。

しかし、資源国は、資源を輸入する国があるからこそ、成立しています。グローバルサウスの国々の中には、原油産出国が多いのですが、グローバルサウス域内だけの貿易や経済では経済が成立しません。やはり、先進国に輸出することが成長の条件なのです。

それは、中国もインドも同じですが、なぜか、中国は自国の経済発展より、BRICsのリーダーになりたいようです。中国が先進国と縁を切ったままでは、中国経済が復活することはないでしょう。

実は、先進国とグローバルサウスは相互依存しているのです。

1.中国バブルの崩壊に大喜びする愚か者

中国バブルの崩壊のニュースを聞いて、大喜びしている人達がいます。中国だけが損失を出して、衰退していくなら構いませんが、世界経済は繋がっています。中国の製造業が衰退すれば、中国に部品や工作機械を輸出していた日本企業は売上が減少します。

ロシアがウクライナに武力侵攻した後、石油や天然ガス、穀物の流通が止まりました。すると、食料危機、エネルギー危機を警戒する声が増えました。資源の流通が滞ったことで、供給不足となり、欧米ではインフレが進みました。

中国とサウジアラビアが接近し、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成されるBRICsに、サウジアラビア、イラン、アルゼンチン、エチオピア、UAEが新たに加わりました。BRICsは米ドルの支配権から脱したいと考えています。まずは、各国通貨で原油取引を行うとしています。これでペトロダラーは崩壊します。米ドルは金本位制をやめました。現在の米ドルは、FRBの信用を裏付けに発行されています。それでも基軸通貨として認められているのは、原油取引はドルで行うというルール、ペトロダラーでした。しかし、ペトロダラーの枠組みは、一部の国で崩されました。明らかに米ドル経済圏は縮小しています。

そんな状況の中で、中国経済が減速しています。これまでの中国経済は異常でした。中国経済は借金で回っていました。そもそも、不動産の前払いという制度も借金で回しているということです。これは、その他の製造業も同様で、中国では前払いの商習慣が定着しています。企業は内部留保しなくても、銀行から融資を受ければいいと考えています。商品取引も前払いですので、本来ならばリスクはありません。しかし、これがバブルを膨らませたともいえます。資本がなくても、事業が拡大できるのですから、最終的に供給過剰になるのです。

しかも、不動産価格は政府が決定しているため、市場原理が機能しません。不動産の不良在庫が積み上がっても値下げができないのです。

異常な勢いでインフラ整備を進めてきた中国ですが、最早インフラ整備をする余地は少なくなりました。不動産バブルの崩壊と共に、インフラ整備関連のビジネスも消滅するでしょう。

この記事の著者・坂口昌章さんのメルマガ

今の職場では未来が見えない。留学するチャンスがあるなら留学すべき?

社内に社員留学生制度がある会社に勤務するという若手社員。いっそ留学してみようか、どうしよう…政情が安定していない国への留学は、悩みどころなのかもしれません。そんなお悩みに、メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』著者で、世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、的確なアドバイスしています。

留学をするチャンスがあるなら留学すべきでしょうか。今の職場でこのまま続けていてもいまいち将来が見えません

Question

shitumon

27歳で、大手商社に入社5年です。先輩に米国留学をされた方がおられて、留学に関心を持ちました。社員留学生制度があり、狭き門ではありますが、一応留学のチャンスがあります。ただ、今、米国が結構荒れているという話も聞きますし、仕事に直結するわけでもないので、決めかねています。今の職場でこのまま続けてもそれほど将来性を感じないので、この際、リスクを取って留学に賭けてみてもいいのかなと考え始めています

赤羽さんからの回答

ご相談どうもありがとうございます。結論から言えば、留学をするチャンスがあるならもちろんお勧めです。大手商社で社員留学生制度があるとは、何と恵まれていることでしょう。私もコマツに社員留学生制度がちょうどできたときだったので、即座に手を挙げて応募させていただきました。

ただ、留学はどこの大学に行ってもいいということはありません。さすがにHBS、スタンフォード大学、MITなどトップスクールに行けば素晴らしい先生がいますし、素晴らしい生徒が集まっています。できるだけ準備をして、上を目指してください。その価値が十二分にあります。

米国の社会問題に関しては、ご心配の通りかと思います。ただ、大学のキャンパス内は比較的安全であり、行動に気をつけてさえいれば、そこまで危険ではないでしょう。実際、3億3,000万人もの人が住んでいるわけですから。地域によって危険な場所もありますが、このチャンスを流してしまうほどではないです。十分、避けようがあるからです。私が留学した際も、パロアルトという全米でも指折りの場所だったのですが、隣のイーストパロアルトには絶対近づくなと言われていました。

留学後のキャリアをどう考えるかですが、今考えるのは決して簡単ではないと思います。私自身、向上心が大変強かったために迷わず手を挙げて留学のチャンスを得ましたが、その時点では留学後はコマツでさらに活躍していこうと100%信じ切っていました。ところが帰国後、考え方が大きく変わってしまいました。全く予想もつかない方向に。

誰も将来のことはわかりません。ただ、よい大学に留学するチャンスがあるなら、まずは受けてみるのでいいのではないでしょうか。

なお、米国の大学にオンラインで入学するオプションももちろんありますが、刺激の度合いから言っても、深い人間関係を作るチャンスから言っても次元が違いますので比較できないほどの違いがあります。

この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ

 

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竜星涼「永山絢斗代役」決定で思い出す、川口春奈「沢尻エリカ代役」からの大ブレイク

いま話題のTBS系ドラマ『VIVANT』でも存在感のある演技で注目されている、俳優・竜星涼。先日、大麻取締法違反容疑で逮捕された永山絢斗被告が出演予定だった来年の大河ドラマ『光る君へ』の藤原隆家役の代役として、白羽の矢が立ったのが、その竜星でした。この大抜擢について、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト芋澤貞雄さんが真っ先に思い出したのは、『麒麟がくる』で沢尻エリカの代役に選ばれた川口春奈の顔だったといいます。

竜星涼 大河ドラマ代役抜擢で蘇る、川口春奈のシンデレラ・ストーリー

2ヶ月以上空白だった来年の大河ドラマ『光る君へ』の藤原隆家役がようやく決まったようですね。

大麻取締法違反容疑で逮捕された永山絢斗被告に代わり選ばれたのは竜星涼でした。

このニュースに私の頭の中に真っ先に浮かんだのは、竜星の所属事務所の先輩、川口春奈の顔でした。

川口も竜星と同様、『麒麟がくる』の濃姫役に決まっていた麻薬取締法違反で逮捕された沢尻エリカの代役に選ばれていたからです。

キャスティングまでのプロセスが“丸被り”だったわけです。

沢尻の逮捕は『麒麟がくる』オンエアの1ヶ月半前で、現場は大混乱に陥ったと聞いた事も思い出しました。

時代劇…それも国営放送の歴史ある大河ドラマに初めて挑戦するという川口が、着物の所作やヅラ合わせをめまいがするほど短時間で受け止めなければならなかったことを考えるとその努力はおそらく相当なものがあったでしょうね。

そしてその努力は報われ、この“濃姫”をきっかけに川口は、一躍日本の芸能界を代表する女優やCM女王にジャンプアップ…芦田愛菜や今田美桜、本田翼を押さえ、見事好感度1位になったわけです。

 

そんな“シンデレラ・ストーリー”から3年経ち、またもや大河ドラマ出演者が薬物事件で逮捕、降板というバック・グラウンド…代役役者が同じ事務所というニュースに驚いてしまいます。

ふたりの所属事務所はこういった“隙間”に入り込むのが実に巧妙です。

これも普段から熱心に足繁く根回しをしている、川口ではありませんが営業“努力の賜物”の成果なのでしょうね。

さて、だとしたら竜星も、川口と同じ様にジャンプアップすることが期待できます。