本当のところ、寝酒はカラダに良い?悪い?

寝酒は欧米では「ナイトキャップ」と言われ、習慣となっている人が少なくありません。

確かに、多くの方がお酒を飲むと眠くなる、寝つきが良くなるという経験をしたことがあるでしょう。一方で、夜中に目が覚めた、早朝に起きてしまった、熟睡できなかった、疲れが残っていた、という経験もあるのではないでしょうか。

お酒と睡眠の関係から、寝酒の良し悪しを考えてみましょう。

お酒が睡眠に与える影響とは

アルコールには脳の興奮を鎮める作用があり、身体がリラックスし、寝入りをよくする効果もあると言われています。

一方で、悪影響もあるのです。アルコールの分解には3時間ほど時間がかかります。その間、分解によって発生する「アセトアルデヒド」という物質が、交感神経(活動するために働く自律神経)を刺激し、体温や脈拍が上昇し、身体を覚醒させてしまいます。

また、眠りのリズムにも悪影響を及ぼします。通常、入眠後、まず深い眠りが起こります。これを、ノンレム睡眠と言います。次に、浅い眠りのレム睡眠へと移ります。この2種類の眠りがひと晩に4~5回繰り返されます。

アセトアルデヒドは、深い眠りのノンレム睡眠を阻害してしまいます。その結果、浅いレム睡眠が長く続き、目が覚めやすくなったり、熟睡したと感じられないことにつながります。

さらに、お酒には利尿作用があるため、トイレに行くために起きてしまうことも。

少量なら良い?

良い影響もあることから、「少量なら寝入りを良くするために寝酒はいいのでは」という意見もあります。

ただ、アルコールは耐性ができやすく、はじめは少量でいい効果を感じられていても、段々と同じ量では効果が感じられなくなります。

そうして少しずつ量が増えてしまい、ある程度の量を飲まなければ眠れなくなってしまうと、睡眠の質への悪影響が出るだけでなく、肝臓などの臓器に障害が起こったり、アルコール依存症をひき起こす危険性が高まります。

総合的に考えると、寝酒は寝入りを良くするというメリットよりも、睡眠の質を悪くさせたり、健康を害する危険があるなど、デメリットの方が大きくなると言えます。つまり、「寝酒の習慣はカラダに良くない」ということです。

お酒を楽しむことは悪いことではありません。ただし、眠れないからお酒に頼ることはやめましょう。眠れずに困るときには、眠れない理由を解決することが優先です。規則正しい生活ができているか、過度なストレスがかかっていないかなど、日常生活を振り返り、改善できることを実践してみましょう。

執筆:山本 ともよ(管理栄養士)
監修:坂本 忍

 

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日本のバスと何が違う?欧米の長距離バスが低運賃で快適な理由

多くの大学生の命を奪い、ニュースでも大きく取り上げられた軽井沢スキーバス転落事故。格安なのにも理由があるのだと思い知らされた事故でした。欧米でも低運賃の長距離バスはありますが、その低賃金の理由や安全対策など、日本のバスとは何が異なるのでしょうか。メルマガ『高城未来研究所「Future Report」』では、そんな質問に高城剛さんが詳しく回答しています。

欧米の長距離バス。低運賃のからくりや安全対策は?

Question
shitumon先日、軽井沢行きのスキーツアーバスで事故があり、多数の大学生が亡くなりました。運行運賃に最低料金が設けられていることを初めて知りました。

欧米において、Bolt BusやFlix Busなどの長距離バスを利用したことがあります。LCCよりも安く数百円から数千円ですが、キャンペーン運賃では1ドルや1ユーロも設定されています。

低運賃のカラクリや安全対策はどうなっているのでしょうか?

日本のバスとは何が異なるのでしょうか?

欧米では無料でWifiが使えたり、快適さの次元が日本とは異なります。

路線バスを含めても欧米のドライバーの方が運転がうまいことが多いです。

LCCは高城さんのブログか書籍によって多くの日本人よりも早く知ることができ、非常に驚いたのでバスについてもご存知ではないかと思い、質問致しました。

高城剛さんの回答

欧米と言われるほとんどの先進国では、それなりに公平な競争制度があり、日本の新幹線や官僚天下り航空会社による寡占状態は、違法とされています。

それにより、鉄道、LCC、バスの移動異業種価格競争が起き、この15年ほどユーザーは多くの恩恵を受けると当時に、あわせて移動する人が爆発的に増え、民間レベルの国際交流も活発になりました。

この価格競争の最強のツールが、乗車予測です。

飛行機もバスも常に満員ではなく、必ず空きやシーズンによって偏りが出るものです。

それを過去データを参照し事前に乗車予測し、空きが出そうなら、早めに安価に販売してしまい、逆に空きが少ないことが予測できれば、価格を上げて販売します。

市場が競争に基づいていますので、各社このシステムに多大な投資をし、それが時によっては驚くべき安価なチケットとなるのです。

ここには多分に心理学要素(実際は脳科学)とゲーム理論が含まれます。

また、安全対策に関しましては、特に欧州では日本以上に最低賃金労働者を休ませることが法律で徹底されています。

事故のほとんどがヒューマンエラーですので、この点では日本より安全対策がなされているといえるでしょう。

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takashiro 『高城未来研究所「Future Report」』
著者:高城 剛
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
≪初月無料/購読はこちらから≫

思い出は海外で生き続ける。古いランドセルを誰かの夢の鞄にする方法

雨の日も風の日も、お子さんの成長を見守り続けてくれたランドセル。小学校を卒業し不要になったからといっても、なんとなく処分しづらいものですよね。無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では、そんなランドセルが誰かの役に立てるかもしれないシステムを紹介しています。

ランドセル、海を渡る

さて、本日は海を越えるリサイクルのお話。

3月になると、日本人は年次の終わりのような気がします。お子さんも進級や進学でそれぞれ区切りをつける季節です。新しいかばんや制服もイイものですが、それと同時に行いたいのが古いかばんや制服の処分です。特に小学校から中学に進学する場合、ランドセルは使わなくなりますね。こういうちょうどいい機会にちゃんと処分したほうが後々いいですよ。

私はしばらく取っておきましたが、最近ならランドセルのリサイクルもオススメです。ランドセルって愛着がありますからね。捨てるより誰かの役に立ってほしいものですが、新1年生は新しいランドセルをほしがるので、なかなかリサイクルできないんですよね。

…と思っていました。ところが最近は海外に送るという手があるんです。発展途上国など学齢期の子供のバッグまで手の回らない社会では、日本のランドセルは夢のかばん(☆▽☆)でしょう。

ランドセルのリサイクルの手続きは、どこも似ていて

ランドセルの状態をチェック
・豚革は宗教上の禁忌に引っかかるのでNGなんです
・使用に耐えないほどボロボロもダメです
・キーホルダーなどはすべて外しましょう

手数料を支払う
・国内集積地までの送料だけの場合と海外への輸送費も含む場合とあるようです。いずれにしても数千円です

段ボールに詰める
・テキトーな箱で良いようです

発送する

だいたいこんなカンジです。あ、ランドセルはリサイクルされるわけだから、ちょこっとキレイに拭いてあげるのはフツーですよね。それど、ささやかな学用品(未使用のノートや鉛筆など)を一緒に入れてあげると喜ばれるそうです。

ちなみに、ランドセルのリサイクルを行っている団体は複数あり、詳しい手続きがHPに紹介されています。そのうちいくつかを挙げておきます。

ワールドギフト
ジョイセフ
クラレ

このうちジョイセフとクラレでは、ランドセル募集(?)期間があります。クラレはすでに始まっており、ジョイセフは3月10日からです。

ワールドギフトなんて、ランドセルだけでなく、たくさんのものをリサイクルしているんです。ウチもオットのシャツとかスーツ(もう着ないもん)とか送ろうかしら。

6年間使ったランドセル。いろんな思い出とともに、海外の子供たちに使ってもらえたら嬉しいですね。

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【書評】嫌いな相手に振り回されなくなる簡単な方法とは?

プライベートでもビジネスの現場でも、かならず1人はいる「苦手な相手」。そんな人とはどう接するのがベストなのでしょうか。無料メルマガ『幸せを呼ぶ!クレーム対応術』では、人間関係にお疲れ気味の方必読の1冊が紹介されています。

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人間関係にうんざりしたときに読む本」 杉本良明 ・著 日本実業出版社

今回も、お客さま対応、クレーム対応をおこなううえで、どの本が参考にできるのか、書評をお伝えします。実は今回ご紹介する本は、クレーム対応や、文章作成のノウハウを学ぶ本ではありません。第33回目でご紹介する本は、「人間関係にうんざりしたときに読む本」です。

この本の著者である、杉本 良明さんの略歴です。

コミュニケーション研究家。

 

1959年兵庫県生まれ。関西学院大学経済学部卒。専門はシステム設計と語学(英語・中国語)。家業のかたわら、コーチングのプロとして活動し、官庁・学校・病院・一般企業の研修講師を担当している。

 

著書に『ネット・コーチングで開業しよう』(同文館出版)がある。

 

個人サイトはこちら。

杉本良明の問題解決コーチング

それでは、まずこの本の目次から、中身を見ていきましょう。

まえがき
第1章 世の中は「きつい人」だらけで疲れる
 ~なぜストレスがたまるのか~
第2章 人を責めれば人は変えられるというのは大間違い
 ~頭のいい人でもこんな言い方をしている~
第3章 相手の感情を認めれば、それだけでうまくいく
 ~円満な人間関係をつくる究極のヒント~
第4章 こうやればあの人との軋轢も消えていく
 ~こういう言葉使い・気使いが関係をうまくいかせる~
第5章 相手に期待するのをやめよう
 ~欠点を探すより、いいところをひとつでも認めよう~
第6章 ここがわかればあの人がもっと理解できる
 ~衆知を集めなければ競争に勝てない時代だ~

お客さま対応をおこなう仕事に就いていると、日々「よいお客さま」だけをお相手することは、まずあり得ません。また、職種や業務内容にもよりますが、本来、身内であるはずの同僚スタッフや上司、場合によっては部下にも「きつい人」がいます。人間関係のストレスにさらされる仕事ともいえますね。

この本「まえがき」にはこのように書かれています。

もしかしたら、こちらがきつい人のレベルまで降りていっているのが、問題の真相ではないでしょうか。相手もあなたのことを同じように「きつい人」だと思っているかもしれません。

この一文は、自分が「きつい人」に振り回されている被害者だと思い込んでいたわたしにとって、ものすごい衝撃でした。さらに、以下のような文章が書かれています。

コミュニケーション力とは苦手な「きつい人」といかに人間関係をつくり、いかに動かし、いかに引き立てを受けるかが試金石です。それができないようでは実戦に耐えません。

うーん、厳しい(笑)。でも、そのとおりですよね。

コーヒーは肝臓を救う?肝硬変のリスクを40%下げる意外な研究結果

コーヒーを1日2杯飲むと、肝臓への負担を下げるという最新研究結果が発表されました。コーヒーの取りすぎはよくないという諸説がもろもろありましたが、今回はコーヒーラバーにはグッドニュース!

コーヒーは肝臓を救う?

ロイター通信は2月18日、コーヒーを飲むと、アルコールなどによる肝臓へのダメージ・リスクを下げる事ができるという研究結果を記事として取り上げました。

43万人を対象に行われた過去の9つの研究論文をもとに分析した結果、なんと一日に2杯コーヒーを飲んだ場合、肝硬変にかかる確率を約40%下げることができるというのです。

現在、肝硬変そのものを治療できる薬剤はほとんどありません。

日本でも症例数は全国で40〜50万人前後と推計されており、肝硬変単独の死者数は年間1万7000人にものぼっています。

「もしコーヒーが本当に効果的なのであれば、今後の肝硬変治療にとってとても大きな意味のある発見になる」と、英サウサンプトン大学のオリバー・ケネディ博士は述べています。

現段階の研究によると、一日あたりコーヒーを1杯飲んだ場合、肝硬変にかかるリスクを、22%下げることができるそうです。

2杯飲めば43%、3杯では57%、4杯だと65%と、なにやらコーヒー摂取量に反比例してリスクが下がるという予測が立っているようです。

さらには、フィルター・コーヒーの場合は、より効果が高まるという事例も発見されているとか。

今までコーヒーの取り過ぎはよくないという説もありましたが、この記事を読んだコービーラバーたちは大盛り上がり。

一方で、この研究発表を冷静に受け止めている人もいるようです。

「飲めば飲む程肝硬変のリスクが下がるだけじゃなくて、眠気もなくなる!ってことは、俺たちもっとお酒飲んじゃっていいってこと!まさにwin-winの関係だね!」

「ってことは、アイリッシュ・コーヒーを無限に飲んでいいってこと? やったね!」

「肝硬変の原因の分析とかもちゃんとしてから言ってるのかね。疑わしい・・・」

「で、どこのコーヒー・チェーンがこの研究に加担してんの? 去年なんてスムージーよりもコーヒーを飲む方が健康に良いなんていう話もあったけど。」

身近で人気のある飲み物であるだけに、一般人の関心も向き易いトピックですが、実際、コーヒーには数百もの化合物が含まれているため、健康への効果とデメリットについてはまだまだわからないことも多いとされています。

コーヒーラバーにとっては今回の発表は吉報でしたが、今後の研究結果にもキャッチアップしていく必要はありそうですね。

image by: Shutterstock 

source by ロイター通信 /英インディペンデント/ 肝炎情報センター

文/長塚香織

なぜ、アメリカ大統領選はこんな茶番劇になっているのか?

世界中が驚いた米大統領選でのトランプ氏の「独走」、そして本命視されていたヒラリー氏の苦戦。メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』はこの選挙戦を「惨憺」を通り越し「漫画的」であるとし、それは「崩壊過程に入ったアメリカが針路を見失っている現れだ」と厳しい論を展開しています。

老帝国アメリカの徘徊癖・暴力癖をどう介護するか

アメリカの大統領選挙では、史上空前の珍風景が展開されている。私も長年、米大統領選は強い関心を持ってウォッチしてきたが、こんな惨憺たるというか、それを通り越して漫画的とさえ言える争いに迷い込んだのは見たことがない。共和党のトップを走っているドナルド・トランプというのは、ほとんど酔っ払いのオジさんでしょう。石原慎太郎と橋下徹の悪い所だけ寄せ集めて、それに浴びるほど焼酎を飲ませて演壇に送り出して、くだをまかせて面白がっているようなものだ。たちまち消え去るかと思えば、2月23日のネバダ州でもトップを確保した。他方、民主党は本命とされたヒラリー・クリントンが意外の苦戦で、ネバダではヒラリーが勝ったものの、社会主義者を名乗るバーニー・サンダースが格差拡大に苦しむ若者層を中心に根強い支持を固めている。北欧型の福祉社会を目指そうということであって、そんなに突飛なことを言っている訳ではないとは思うが、「いやあ、アメリカにまだ社会主義者がいたのか!」という新鮮な驚きがある。

何なのかというと、アメリカ帝国が崩壊過程に入って、この国が一体21世紀にどう生きていくべきなのか、国家も政党も政治家・候補者も国民も、羅針盤が壊れて針路を見失ってしまっていることによる意識混濁の表れである。

「金融帝国」の退廃

帝国の崩壊には2つの面があって、1つは「金融帝国」の崩壊である。

今日は時間がないので詳しくは触れないが、資本主義の総本山であるアメリカは、水野和夫が言う「資本主義の終焉」──16世紀以来、果てしなくフロンティアを求めてグローバル化を遂げてきた資本主義がもはや貪るべき物理的な辺境を失って、仮想的な金融空間で「カネがカネを生む」電子的な超高速取引という退嬰的なカジノ資本主義に隘路を見出して、しかしそれも08年リーマン・ショックで破綻して、さあどうするのか。今更、額に汗してモノを作る産業資本主義に戻れる訳もないのに「TPPで輸出を倍増して雇用を創出する」などと言い出して、ではその輸出先の最大市場となるはずの中国を招き入れるのかと思えば、最初から排除して、膝を屈して来れば入れてやってもいいという混濁した姿勢である。中国主導のアジアインフラ投資銀行AIIBへの度を超した警戒感を含めて、米国がまだ中国を上手く組み入れて多極世界の新秩序を形成していこうという戦略が立てられないでいることの反映と言える。他方、金融資本主義そのものについては、オバマは市場にいろいろな規制をかぶせて行き過ぎを是正し、「ほどほどの金融資本主義」に戻そうとしているかのようだが、実態はとんでもない方向に暴走していて、皆さん、マイケル・ルイス「フラッシュ・ボーイズ/10億分の1秒の男たち」(14年、文藝春秋刊)を、まだだったら是非読んで頂きたい。

いま株の取引の最先端は、ナノ秒、すなわち1秒間に10億回の取引ができるようなスパコンによって担われている。皆さんの中には、自宅のパソコンでデイ・トレーダーをやっている人はいないと思うが、画面を見て「おっ、この株は前から注目してきたけど、ここまで下がったら買い時かな」と、チョンチョンと入力して、「えーとっ」、エンター・キーを押して……などと何秒もかかって買い注文を出すわけだが、その瞬間にボーイズはそれを察知してフロントランニング先回り)して市場に出回っているその株を抑えてしまう。「あれっ?」と思って、「じゃあ、もう1円高くても買いだ」と思ってエンター・キー。するとボーイズはまたナノ秒で売りに出て差額を稼ぐのである。この超高速競争を勝ち抜くには、他よりも高性能のスパコンを、1メートルでも短い光ファイバーで取引所と繋いで、金融工学の粋を尽くした複雑なプログラムを開発して常に更新し続けなければならない。しかも彼らが手がけるのは、たいていの場合、株式だけではなくて為替や原油先物などの投機市場全般なので、例えば、原油がここまで下がると円安・ドル高に振れてそのためにこの株は上がりあの株は下がるといったことを、時差の推移を含めてすべて想定して自動的に売買を繰り返すようプログラミングする。目的はただ1つ、ナノ秒単位でいかにして「差額」を掠め取るかの詐欺的な行為でしかない。金融資本主義の電子的堕落は今ここまで来てしまった。

しかも、「フラッシュ・ボーイズ」を読んで驚くのは、こんな金融的詐欺が始まっていることを、ウォール街の投資銀行や証券会社も最初のうち気づかなかったという事実である。カナダ系の大手投資銀行のディーラーがある日を境に、大きな買い注文を出すと画面が真っ暗にかき消えてしまう事故に何度も遭遇する。おかしいなと思って調べていって、初めて超高速ボーイズによる詐欺のからくりが明らかになっていくというドキュメンタリーが本書の内容である。ボーイズにとっては、全世界の人々の慎ましい暮らしぶりはもちろんのこと、当該企業の業績や将来性も何も全く関心の外であって、ただ単に取引スピードにものを言わせて他人の注文にフロントランニングして巨額の富を横取りするゲームが面白いのである。

今やアメリカの証券市場には、スピードを基盤として、持つ者と持たざる者の階級構造ができていた。持つ者はナノ秒のために金を払い、持たざる者はナノ秒に価値があることを知りもしない。……かつては世界で最もオープンで、最も民主的だった金融市場は、盗品の芸術作品を集めた内輪の鑑賞会のようなものになり果てていた
(同書P.93)

今や「1%vs99%」どころではない。その1%の内部で、ナノ秒とミリ秒と1秒の格差が生まれつつある。まさに世も末で、米国が21世紀の資本主義の行方を見失って詐欺師や盗人の跳梁跋扈に転がり込んでしまったのでは、世界は一体どうしたらいいのか。

結婚したくてもできない…「日本」に未来を奪われた人たち

昨年、日本政府は成長戦略の一環として労働関連法の改正案を閣議決定しました。「女性、非正規社員、高齢者がもっと働きやすい社会に」と言えば聞こえはいいですが、長時間働いても残業代などの手当が払われなくなるのではないかと危惧されており、さまざまな方面から非難の声が上がっています。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さんは、政府は国民が幸せになれる手段を真剣に考えるべきだと強く非難し、独自の制度を提案しています。

人口、5年間で94万人減少の衝撃。どうすればいいのか?

2015年度の国勢調査で、「日本の人口が急激に減少している」ことが明らかになりました。

<国勢調査>総人口1億2,711万47人、初の減少くっきり

毎日新聞 2月26日(金)9時45分配信

 

◇15年速報値 39道府県で人口減、福島県は過去最大

 

高市早苗総務相は26日午前の閣議で、昨年10月に実施した2015年簡易国勢調査の速報値を報告した。昨年10月1日現在の外国人を含む日本の総人口は1億2,711万47人で、10年の前回調査から94万7,305人(0.74%)減り、1920(大正9)年の調査開始以来、初めて減少に転じた。

5年間で、94万7,305人(!)減少。毎年約19万人人口が減っている計算になります。これは、大問題ですね。

全体的に人口は減っている。しかし、「他より速く減っている」地域もあれば、「逆に激増している」地域もあります。

39道府県で人口が減少し、11年に東京電力福島第1原発事故が起きた福島県は、過去最大の11万5,458人減となった。

 

(中略)

 

前回調査から人口が増えたのは、「東京圏」の東京、神奈川、埼玉、千葉4都県と、沖縄、愛知、福岡、滋賀の各県。

 

人口増加率は、出生率が高く死亡率が低い沖縄県が2.97%増でトップ。前回1位の東京都は2.69%増で2位だった。

 

減少率が最も高かったのは秋田県で5.82%減。福島県の5.69%減、青森、高知両県の4.71%減が続いた。大阪府は0.30%減で、第2次世界大戦の影響で減った、47年の臨時国勢調査を除くと戦後初めて人口が減少した。

 

福島県の減少率は、原発事故前の10年調査(2.98%減)からほぼ倍増した。東日本大震災の被害が大きかった岩手県(3.78%減)と宮城県(0.59%減)は、10年調査の減少率と同水準だった。

秋田県、福島県、青森県、高知県、岩手県などの減少が激しいです。逆に、首都圏の人口は、「激増」しています。

東京圏は5年前の前回調査比50万人増の3,612万人で、全体の4分の1以上を占める。市町村別の増加数を見ても、東京23区が全国で最も多い32万人。東京圏に含まれる川崎、さいたま、横浜の各政令市もトップ10に入り、人口を引き寄せている。
(時事通信2月26日)

日本全体で94万人減っているのに、首都圏は50万人増えている。ここまでで、日本国にとって2つの課題が明らかになりました。

・人口をいかに増やすか?
・地方から首都圏への人の移動をいかに食い止めるか?

少子化問題は解決できる

「人口をいかに増やすか?」という課題について、一般的なのは、「移民で」というものです。これは、欧米で明らかに失敗した政策で、決して真似るべきではありません。実際欧州は、イスラム教徒の大量流入で、「キリスト教文明」自体が滅びつつあります。

もちろん、優秀な外国人はどんどん入れるべきですが、特に差別的動機(=日本人が嫌がる労働は、外国人に安くやらせればいいという)の「3K移民」大量受け入れは、絶対避けるべきです。欧州は、まさにこれで滅びようとしています。

というわけで、「人口増は、少子化問題解決で」が王道、正道です。「不可能だ!」という人も多いですが、世界をみわたせば、「出生率を劇的に増やした例」もあります。たとえば、私の住んでいるロシアです。1999年、ロシアの合計特殊出生率は、なんと1.17(!)だった。それが、2012年は1.7、2013年も1.7。死亡率の低下も手伝って、人口が「自然増」しはじめている。

<ロシアの出生率 記録更新>

2015年6月19日 Sputnik日本

 

ロシア保健省は、ロシアの2014年の出生率が、過去最高となったと発表した。2013年の出生率は、1990年代以降初めて死亡率を越えたが、2014年はさらによい結果が出た。自然増加数は3万3,600人で、死亡率も低下している。

 

ロシアでは2014年、出生率が前年比0.8パーセント増となり、出生数は192万9,700人から194万7,300人となった。これは、新生ロシア史上、最高値だ。

どうやってロシアは、出生率を増やしたのでしょうか? 以前にも触れましたが、「母親資本」(マテリンスキーカピタル)という制度によってです。簡単にいうと、「子供を2人産んだ家庭には、地方の人が家を購入できるほどの金を与える」という制度。

私は、実際に出生率を増やすことに成功した「母親資本」の制度を、日本の現状にマッチするようアレンジし、以下のような提案をしています。

日本で「家が買える金額」といえばいくらでしょう? 東京など大都市ではもちろん無理ですが、たとえば長野県松本市の近郊なら、2,000万円ぐらいあれば、まともな家が建ちます。ですから、「3人子供を産んだ家庭には、住宅購入資金2,000万円まで支援します」としたら、「じゃあ、そうします」という家庭も増えるのでは?

財源どうするんだ、ボケ!」そんな声が聞こえてきます。別に2,000万円、一括でその家族にあげなくてもいい。「住宅購入資金のローン(たとえば20年、30年)を、2,000万円まで国が肩代わりします」とすれば?

そうすれば、国は、20年とか30年とかかけて、3人子供を産んだ家庭に代わって、ローンの返済をしていく。すると、「3人子供を産んだ一家庭」につき、国の月々の負担は、10万円ぐらいなものでしょう(計算していませんが)。子供1人当たりの支援額は、月3万3,333円となります。これですと、かかわる人みんなにメリットがあります。

・3人産んだ家族=夢のマイホームが手に入ってうれしい
・銀行=国が払ってくれるなら、とりっぱぐれない
・国=出生率が劇的に増え、未来は安泰

この話、「社会主義的だ!」と生理的に受けつけない人もいると思います。しかし、「新自由主義」的に好きにやらせてたら、少子化はとまりません

「石油はあと30年でなくなる」を最近聞かないワケ

日本が経済発展するために欠かせない地下資源。「資源がなくなるから経済発展はそこそこにしよう」という声に対し、中部大学の武田邦彦教授は、自身のメルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』で、それは錯覚であると指摘。そして、実際に石油などの地下資源が枯渇する可能性はあるのか、詳しく解説しています。

日本経済発展のための第二の前提「地下資源の枯渇」

前回、これから日本が経済発展をするうえでの第一前提である「私たちは十分に豊かか」ということを考えてみました。最近ではしばしば「私は十分に豊かだから経済発展などしなくてもよい」という人がおられるからです。でも、先回整理したように私たちは平均的に1年で2500万円ぐらいの所得が必要で、日本ではそれはたったの1万人に8人しかいないことがわかりました。

つまり、簡単に言うと私たちはまだまだ貧乏なのです。

そして今回は第二の前提、「豊かにはなりたいけれど、資源がない。環境が悪くなる」とされることに真偽を確かめておきたいと思います。多くの経済学者は「資源や環境のことはわからない」ので悲観的になり、「どうも資源も枯渇するし、環境も悪くなるらしい。だから経済発展はそこそこにしなければ」と錯覚している人が多いからです。

まず第一に石油などの地下資源が枯渇する可能性があるかどうかを整理します。

よく「地下に埋まっているものは有限だ。有限なものを使っていくのだからそのうちなくなる」という考えが述べられますが、これはあまりにも荒すぎでなんの情報も与えません。たとえば、1年に100万円の貯金を下ろす人がいて、貯金が1000万円なら10年で貯金がなくなってしまいますが、貯金が10億円あるとなくなるまで1000年もかかります。だから、「地下にあるからなくなる」のではなく「どのぐらいあるか」が問題です。

“政策論争を…” 民主・維新の理念なき統合に海外メディアは冷ややか

夏の参議院選挙に向け、民主党は維新の党と3月中旬に合流することで合意した。両党代表は、党名も変え、自民党に対抗できる政党を目指すと意気込むが、海外メディアは新党の在り方に疑問を投げかけている。

落ちた民主党

自民党独走のなか、何をやってもぱっとしないのが、日本最大の野党、民主党のイメージだ。維新との新党結成の発表の前に、ジャーナリストのネビン・トンプソン氏も、民主党の力不足をウェブ・メディア『Global Voices』で指摘している。

同氏は、「民主党は嫌いだけど、民主主義は守りたい」をスローガンにした民主党製作の「自虐的」ポスターが、夏の選挙戦を前にその必死さを物語っていると述べる。自民党のままでは「非民主的」な政策が続くと訴えたが、ポスターはマスコミやソーシャルメディアでけなされ、信頼を得られないままだと指摘している。

2009年の選挙で民主党は地滑り的勝利を収めて政権を奪取し、政治の新時代到来かと思われたのだが、変人の政治的リーダーシップ、内紛、東日本大震災や原発事故で気づかされた無能さのため、多くの日本人は民主党を信用しなくなったと同氏は述べる。「感動的に浮揚し、劇的に沈下」した民主党は分裂の危機にあり、日本で影響力のある野党が不在となる恐れもある、と指摘していた。

理念なき新党に苦言

低迷する現状を打開するため、民主党は維新との合流を決めたわけだが、サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙(SCMP)は、新党に否定的な声を紹介している。

明治大学国際総合研究所客員研究員の奥村準氏は、新党は「古い枠組みの再結成。行く当ても、未来も、核となる有権者も、スターもいない2党だ」とし、「新しい党名やのぼり」だけでは有権者は得られず、「違いを出した政策なしで、与党とどう戦うのか」と辛辣だ。テンプル大学日本キャンパスのアジア研究者、ジェフ・キングストン氏も、「再出発のため新しい外見が必要な両党の、やけっぱちな行為だと感じる」と述べ、自民党が気にすることはないだろうとしている。

ディプロマット誌に寄稿した国際関係に詳しいミナ・ポールマン氏は、目に見える改革の欠如と両党の政策の違いは、選挙展望において期待される合流のポジティブな効果を削いでしまうと指摘。野党は先を争って打倒自民のための用意をするが、単なる数合わせでなく、政策論争をしたり、みなが合意できる主義原則に基づいた見解に達することにフォーカスすべきだと述べる。同氏はまた、日本の政治はイデオロギーの欠如で知られ、リーダーはアイデアよりも権力を得るために画策し、共産党以外は、基本的なイデオロギーの違いは政党間にないと主張する。野党共闘の動きにも注目する同氏は、野党がまとまり、じっくりと立ち位置について話し合うようになるまでは、党間の合意や合流の動きを見るだけで、自民党以外の真の選択肢を国民に提供することはできないだろうと述べている。

目標は3分の1

海外メディアは、新党に懐疑的だが、チャンスが全くないわけではないと見ている。

ブルームバーグは、ここ3年間スキャンダルに免疫のあった安倍政権だが、最近の不祥事の洪水は状況を変えそうだと指摘。不祥事の追及が予算審議の時間を食い潰すほどになっており、経済の低迷や市場の混乱も手伝って、今年夏の選挙を前に、支持率低下が進むかもしれないと述べている。

SCMPは、前回の選挙は投票率が低く、自民党の大勝はその半分の有権者の投票によってもたらされたと指摘する。キングストン氏も、投票率の低さが自民を助けたと述べており、安倍首相の政策に反対する層を動かすことで、議席は奪えるだろうと見ている。

同紙はまた、安倍首相の目的は衆参両院で3分の2の議席を獲得し、改憲を達成することで、これが不可能になることを懸念していると指摘。衆参どちらか一方で3分の1の議席を取ることが、安倍首相の野望をくじくため新党が結束する「シングルイシュー(ただ一つの争点)」になるかもしれないとしている。

(山川真智子)

 

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北海道新幹線って、なぜ特急券が高いの?

開業まですぐそこに迫っている、いま話題の北海道新幹線。しかし、この特急券は意外と高めの価格設定になっています。この件について、無料メルマガ「客車隊報」の発行者であり、「海峡同盟」で代表を務める中尾一樹さんが詳しく解説しています。なぜ、北海道新幹線の特急券は高くなってしまったのでしょうか?

北海道新幹線の特急券はなぜ高いのか?

新聞やテレビなどのニュースではとにかく「高い!」と紹介されている北海道新幹線。

では、なぜそんなに高いのでしょうか?

まずはJR北海道の社長さんに聞いてみました…って、うそうそ。

でも直接この耳で聞いてきたのであながちうそでもないかも?

つかお前なぜ直接聞いてきたの?

インタビューでもしたの?? 

…いえいえ。

昨年11月に函館で開かれた運輸審議会公聴会の席上で、私の2mくらい前で社長自ら説明していた内容ですから間違いはないでしょう(汗)

そのJR北海道社長いわく「北海道新幹線は青函トンネルを貨物列車と共有するため、余計にかかる経費がある。またJR北海道の区間はわずか(148.8km)しかないが、短くても必要な設備を維持する経費がかかってしまうため高めの設定となった」とのことでした。(筆者注:発言要旨ゆえ、若干意訳・短縮してあります)

では、その発言内容は真実なのか?

おおまかに言えば真実ですが、若干誇張されている部分もあります。

たとえば今回の開業時点で「必要な設備」に車両を検査する工場が必要なの?という点です。

今回JR北海道が保有する新幹線車両(H5系)はわずか4編成

残りはすべてJR東日本の車両が乗り入れてきます。

なので、北海道新幹線に乗っても、実は東北新幹線のE5系車両である確率のほうが高くなります。

昨年4月時点でE5系は28編成あり、さらに増加していますので、H5系に遭遇できる確率は十分の一くらいでしょうか。

その程度なら車両の大規模検査をJR東日本に委託すれば、車両工場を維持する巨額な経費は浮いたはずです。

ほかにも「それは違うだろ~?」と思う内容がいくつかありましたが、あいにく運輸審議会公聴会の式次第では公述人から質疑をする機会はありませんでした。

そして最大の課題は特急料金の加算」です。

たとえば東海道新幹線の東京駅から山陽新幹線の博多まで乗り通しても、東海道(JR東海)と山陽(JR西日本)の境目である新大阪駅で特急券が急に高くなることはありません。

しかし同じように直通運転が実施されている山陽新幹線の新大阪駅から九州新幹線の鹿児島中央駅まで乗った場合、山陽(JR西日本)と九州(JR九州)の境目である博多駅で特急料金が加算」されます。

かの妙なルールが今回の高額な料金となってしまった最大の原因です。