少子化の原因にも。日本にしかない時代遅れの戸籍制度を廃止すべき訳

未ださまざまなシーンで求められる戸籍の提出。しかしこの戸籍制度、採用しているのは日本のみという事実をご存知でしょうか。そんな制度の廃止を求め続けているのは、ジャーナリストの上杉隆さん。上杉さんは自身のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』で今回、そのきっかけとなったフランス政府による少子化対策を紹介しています。

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前編【戸籍制度の限界~差別の温床。ジダンも、アンリも、ロナウドも…。時代は「戸」から「個」へ】

戸籍制度の廃止を訴えてから約20年が経過する。

1868年の明治維新によって現在の戸籍制度は誕生した。比較的に新しいシステムなのだ。仮に、日本古来の伝統的システムを守ると言っている人がいたら勘違いだろうし、国民と家族を守るための制度だと語っていたら、それも違うと教えてあげてほしい。

現在の戸籍制度は、明治新政府が長州藩の行政管理システムを真似たもので、国民側の利益ではなく、あくまで行政側の利便性から導入されたものにすぎない。

東アジアに固有の制度だったが、台湾、朝鮮半島は戦後に廃止され、中国は2014年の改正で事実上、消滅した。ゆえに現在では、日本に固有の制度となっている。

筆者が、戸籍制度の廃止を求めるようになったのは2004年のこと。きっかけはパリでの入院だった。

当時のフランス政府は、移民問題と少子化問題の狭間で頭を悩ませていた。

少子化対策としてマグレブ(北アフリカ系)などから外国人を受け入れるのはよいが、国内での治安悪化で保守派の支持を失いかけていた。一方で、同地区から流入する移民がフランスの社会構造をよりよく変化させ始めていたのも事実だった。サッカーフランス代表のジダンやアンリなどその顔ぶれをみれば、移民は国力増強にも効果的だと確認できたし、税収増にもつながっていたからだ。

政策上、人口減を食い止めるのは「移民」か「出生率増加」のどちらか、またその双方を活用するしかない。

1990年代には、1.66点まで落ち込んでいた合計特殊出生率の低下は、フランス経済を痛めつけ、社会に暗い影を落としていた。移民政策によってかろうじて保たれている少子化対策の抜本的な転換が必要だった。人口増は、出生地主義をとるフランスにとっては、納税者を増やすチャンスであり、国の財政を潤す急務の政策なのであった。

そんな時に登場したのが、選択的移民政策を推進するサルコジ内務大臣だった。2003年11月26日、第二次大戦以来の伝統的な移民法を改正し(03年法)、返す刀で、女性に向けた、手厚い出産育児支援制度(少子化対策というとネガティブな印象があるので何か別のネーミングはないだろうかと当時より考えている)の推進を加速させた。

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経産省主導の半導体会社「ラピダス」成功の鍵を孫正義社長が握るワケ

11月10日、経済産業省が旗振り役となり、トヨタ自動車、NTT、ソニーグループ、デンソー、NEC、ソフトバンク、キオクシア、三菱UFJ銀行の8社が出資する次世代半導体の新会社「Rapidus(ラピダス)」が設立されました。国が主導する半導体会社と言えば過去に失敗を重ねていて、ラピダスに関しても評判は芳しくありません。そこで、今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんが、ラピダス成功ために、AI投資で大きな損失を出したソフトバンクの孫正義氏に働きかけ、armの最先端の技術を取り込む私案を披露しています。

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日の丸半導体会社「ラピダス」が孫社長を救えばいい──売り先がなく困っているarmと一緒にするのが吉

次世代半導体の新会社「ラピダス」が話題だ。メディアでは「失敗するに決まっている」「経産省主導でうまくいくわけがない」と早くも非難轟々だ。確かに今からTSMCやサムスン電子と戦うにはあまりに遅すぎる感は否めない。

日本政府がラピダスを立ち上げる背景には安全保障の問題も大きい。中国情勢によって、台湾に半導体を依存するのはあまりに不安だ。そこで日本でも半導体を製造できるような環境を整備するというのは理解できる。ただ、現状、半導体ビジネスは中国市場なくしては回らない。

先週、ハワイ・マウイ島で「SnapdragonSummit」が開催されたが、基調講演は午後1時からと中国市場でオンライン視聴しやすい時間帯が設定されていた。

今週、東京・五反田でメディアテックの記者説明会が開催されたが、フラグシップスマートフォン向けチップで、メディアテックのシェアが大幅に伸びている点がアピールされた。メディアテックといえばエントリーやミドルクラス向けというイメージが強いが、着々とフラグシップ向けにもシェアを拡大しているのだ。

中国メーカーには、OPPOやシャオミ、Vitoといった世界的に販売台数を稼ぐメーカーが多い。自社でチップを手がけるアップルやサムスン電子以外に、チップを買ってもらうには中国メーカーへの販売は避けて通れないのだ。

ラピダスはスマートフォンをターゲットとした半導体の大量生産モデルとは一線を画し、専用の半導体を多品種少量生産するビジネスモデルを目指すようだが、やはり中国メーカーとの取引は避けられないのではないだろうか。

ラピダスはIBMからの技術協力を仰ぐようだが、いっそのこと、ラピダスは孫正義氏からarmを買い叩けばいい。armと協力関係になれば、ラピダスは世界最先端の技術を手に入れることができる。一方、AI投資に失敗し、意気消沈の孫社長は、armの企業価値向上に全力を注いでいるようだが、ラピダスがarmを買い取ってくれれば、ソフトバンクグループも一気に状況が改善するはずだ。

あれほどチップに対して情熱を注いでいる孫社長なのだから、armとともにラピダスの舵取りをしてくれればいい。アップルやグーグル、マイクロソフト、フォックスコンなど名だたる企業に顔が効く孫社長が営業していけば、ラピダスの半導体は一気に世界で普及する気がしている。armと孫社長とラピダスの組み合わせが日本の半導体ビジネスの救世主になるのではないか。

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マラソン中の補給「水分だけでOK」は本当?糖尿病医に聞いてみた

以前のようにマラソン大会が各地で開催されるようになり、多くの市民ランナーが走ることを楽しんでいます。マラソンのエネルギー源として糖質は効率的ですが、糖質制限食を実践していてもパフォーマンスに悪影響はないという研究結果があるようです。今回のメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』では、医師で糖質制限食の提唱者である江部康二先生が、米国の医学雑誌に掲載された論文を紹介。マラソン前や最中に糖質制限を継続するのは問題なく、むしろ糖質を摂らないことで効率的に脂肪が消費されると伝えています。

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マラソンに市販の携行食やゼリーは摂取すると悪影響?

Question

shitumon

46歳男性。毎日5-10kmのランニングをしています。たまに登山をするときは、ほとんど何も食べずにするのですが、フルマラソン大会ではどうしても心配で栄養ゼリー等を補給します。

糖質制限をしている時も糖質の補給は不要という記事も読みました。市販の携行食やゼリーは糖質を多く含んだものばかりです。そういうものは逆に摂取すると悪影響でしょうか?水分補給のみで何も摂る必要はないと考えて良いのでしょうか?

江部先生からの回答

マラソンのエネルギー源ですが、グリコーゲンは肝臓に約100g、筋肉中に約300gしか蓄えがありません。従って、<ブドウ糖-グリコーゲン>エネルギーシステムでは400g×4=1600kcalしか賄えませんので、フルマラソンに必要なエネルギー量(体重60kgの男性で約2600kcal)には到底足りません。

その点、脂肪は、体重60kgで体脂肪率15%なら、9kg、81,000kcalであり必要充分な備蓄量と言えます。つまり、理論的には42.195kmの走行課程のほとんどを、有酸素運動の<脂肪酸-ケトン体>エネルギーシステムで走り、ラストスパートだけ、無酸素運動の<ブドウ糖-グリコーゲン>エネルギーシステムで全力疾走というのが、理想的な配分と言えます。

結論からいうと、マラソン前も最中もスーパー糖質制限食でOKです。水分も水で大丈夫で、塩は必要量を適宜補充です。

米国の医学雑誌・代謝(Metabolism)に、2016年3月、興味深い論文が掲載されました。『糖質制限食は、ウルトラマラソンやトライアスロンにおいて普通の高糖質食と比べて、遜色なし』という内容です。

普段から
(A)<炭水化物:たんぱく質:脂質 = 10:19:70>の糖質制限食を食べている10人
(B)<炭水化物:たんぱく質:脂質 = 59:14:25>の高炭水化物食を食べている10人
いずれの群もエリートランナーです。

研究施設に2泊3日で滞在、最大酸素摂取量、体組成、筋生検など実施、その後トレッドミルで走った後、直後と2時間後に筋生検を実施です。

(A)(B)群を比較したところ、糖質制限群(A)は、(B)群と比較して、運動中のエネルギー源として脂肪酸化の利用が極めて高率でした。一方、筋肉のグリコーゲン利用と充満のパターンは、運動中も3時間のランニング後も、(A)(B)群で同様でした。

つまり、普通に糖質制限食をしているランナーがそのまま、ウルトラマラソンやトライアスロンをしても、筋肉中のグリコーゲンの量及び増減と回復パターンは、糖質摂取群と比べて、全く遜色ないという研究報告です。

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なぜ、本物志向の洋服を着れば着るほど日本人はダサくなるのか?

洋服作りの本場はヨーロッパです。しかし、ヨーロッパに渡り技術を学んだメルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、日本人の体型や日本の気候に合わないことを知りました。今回、坂口さんは本物を志向するのではなく、日本に合った良いものを作り出すビジネスの方法について語っています。

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日本発メンズアパレルの可能性

1.本場のテーラードを学んだけど…

洋服のルーツはヨーロッパにあります。本物の洋服を作るには、ヨーロッパに学ぶしかありません。そこで、日本の紳士服メーカーはヨーロッパのブランドとライセンス契約を締結し、ヨーロッパの紳士服を学びました。

初めに英国式の重厚なテーラードを学び、次にイタリア式の軽やかでセクシーなテーラードを身につけました。

しかし、技術は学べても、それが日本人に似合うかは別問題です。体型が異なるのです。

例えば、私がイタリア製のジャケットを着ると、思いっきり胸を張らないと、服に身体がはまりません。見た目はかっこいいのですが、その姿勢を維持するのは厳しい。結局、その時は日本メーカーのライセンスブランドのジャケットを選びました。

気候の差も重要です。ヨーロッパの気候は夏でも乾燥しています。服の中が蒸れたり、汗でベタベタすることがありません。

そういう気候で発展したのが、外気を遮断するスタイルです。ネクタイで首周りを密閉し、カフスで袖口から外気が侵入するのを防ぎます。革靴も足を外気から遮断します。

極論すれば、テーラードスーツは日本の気候には適していません。日本の高温多湿な気候に適しているのはきもののように開放的な構造の服です。襟元も袖口も裾も全て開放され、常に外気が身体の表面を対流しています。

気候と服の構造が合わないので、日本のテーラーは「背抜き」を発明しました。また、服全体にゆとりを持たせ、換気を良くしました。これが昭和のスーツです。

しかし、快適性を追求すると、本物の洋服を知っている人にはダサく見えます。最近、空調が完備されたので、夏でもヨーロッパのようなさわやかな環境で仕事をする人は増えました。しかし、満員電車では汗でドロドロになります。

本物に近づけば近づくほどに、服は気候風土、宗教的な価値観、美意識等に準じたものであることが分かります。そして、本物を志向する限り、日本製品はヨーロッパ製品の二番煎じにしかなりません。本物が欲しければ、ロンドンやナポリでスーツを仕立てればいいのです。

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テレビはなぜ「高齢者の運転が危ない」キャンペーンをし出したのか?

テレビを見ていると「高齢者の危険運転」についての報道が多いと感じませんか?メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』の著者で現役医師の和田秀樹さんは、その報道自体が偏向であるとして批判しています。

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テレビの偏向報道

97歳の頭がしっかりした歌人が死亡事故を起こしてまたここぞとばかりに高齢者の運転が危ないというキャンペーンが始まり、高齢者から免許返納プレッシャーが高まっている。

しかし、よく考えてほしいが、今交通死亡事故が減り続け、2021年は2,636人になっているが、それでも一日7件以上の死亡事故が起きているのに、高齢者が起こした時だけテレビで何日も流し、高齢者が危ないと思わせるのは、明らかに偏向報道だ。高齢者だけが危険というミスリードは許されない。

少なくとも高齢者の死亡事故は減り続けている。2021年は高齢者の死亡事故割合が15%になり過去最高だと騒いでいるが、全免許保有者の20%が高齢者なのだから、本来なら20%でもおかしくないのだ。

ついでにいうと75歳以上の高齢者の場合、自爆が4割で、人を撥ね殺す割合は2割をきっている。高齢者が人を撥ねるのはほかの年代と変わらないのだ。

テレビ局のポルシェやBMWを乗り回している連中は高齢者がゆっくり走っているのがうざいかもしれないし、みんなが免許を返納してくれたほうが、イライラしないで済むのかもしれないが、移動の自由は基本的人権だ。

高齢者の事故報道をする際には、かならずその日に起こったほかの死亡事故も報道すべきだろう。

実際、97歳の起こした死亡事故なんか聞いたことがない。でも、97歳以上で運転しているというのは万単位でいるはずだ。むしろそのくらいのほうが安全なのかもしれない。

今回の事故も池袋の事故も暴走事故だったが、ふだん暴走しない車が暴走したとしたら、意識障害の可能性が大きい。

その場合、おそらくは薬のせいなのだろうが、製薬会社に忖度するテレビ局でその可能性を論じる人はいない。

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「おかげさま」と「もったいない」という言葉に込められた日本神話の世界

私達が何気なく使っている言葉の中にも、実は深い意味が込められているものがあります。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、日本最古の神社の宮司さんのお話を紹介しながら、日本人に息づく神話の世界について語っています。

「おかげさま」と「もったいない」何気ない日本語に込められた深い意味

奈良県天理市に佇む日本最古の神社の一つ、石上(いそのかみ)神宮。宮司の森正光さんと、同市出身で遺伝子工学の世界的権威であった村上和雄先生〈筑波大学名誉教授/故人〉のお話からは、日本の歴史の懐の深さがじんわりと伝わってきます。

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村上 「神様をお祭りしている時の境地というのはどんなものですか」

森 「どんな境地かと言われると、そうですね……。もともとの時代というか、祭りが始まったその時代に戻ってますね」

村上 「その時代に戻る?」

森 「例えば、毎年10月15日には年間で最も重要な『例祭』という祭があります。

この祭りは白河天皇在位の永保元年に始まったものですが、その祭りを真剣に奉仕していると、平安時代の終わりくらいのところまでタイムスリップするといった雰囲気になるんですよ。我われのご先祖も代々奉仕してきたわけで、祭りの度にその当時と同じ空間に立つことができると言ってよいかもしれません。

もっとも、そういったことは肌で感じるだけであって、実際に奉仕している時には、余計なことは何も考えていません。ただ、これだけは言えるのは、拝殿という建物の中で過ごしている時には、何となく原点に返るという感じになるということですね。それだけに、その祭りが厳粛なものであればあるほどに、終わった後にはほっとします」

村上 「一般的に宗教には教祖様がいて教義があるわけですが、神道にはそういったものがないだけに、いまおっしゃったようなことが感じられるのかもしれませんね」

森 「よく言われることですが、神道とは信じるか信じないかの世界であって、言葉を変えれば、感じる宗教であると。何となく境内に入って、『あぁ、神々しいな。ここにはきっと神様がいはるんだ』といった感じです。

私たち神職にとっては、見えない世界を信じることが何よりの役目だと言ってもよいと思います。

神様とか仏様にしてもそうなんですけど、目には見えない。見えないけど、実際にはいる。それが見えないからといって、神職がその存在を信じなければ話にもなりません。

だから、信じることからすべてが始まる。先ほど肌で感ずると申しましたが、もっと言えば五感すべてで感じるようなものを持ち合わせていたいものですね。

『古事記』や『日本書紀』に記されている神話についても、そういった感覚で接することが大切なのではないかと思います」

上司が必死に指導するほど「部下は言うことを聞かない」科学的な理由とは? 職場で絶対口にしてはいけないアドバイスまとめ

「君のためを思って…」そんな気持ちでアドバイスしたのに、相手に全く想いが届かないどころか迷惑そうな顔をされたといった苦い経験はありませんか。それ、相手にとっては「クソバイス」だったのかもしれません。今回のメルマガ『ブラック企業アナリスト 新田 龍のブラック事件簿』では“ブラック企業アナリスト”新田龍氏が伝授する、職場で絶対口にしてはいけないアドバイスをご紹介します。部下が言うことを聞かない科学的な理由とは?

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「説教する脳」はドーパミンを分泌している

人はなぜ、説教やアドバイスをしたがるのか。それは「気持ちがいい」からだ。

米ハーバード大学社会的認知・情動神経科学研究所の研究チームが発表した論文によると、自分の感情や考えなどを他者に伝える「自己開示」によって、脳内では快楽物質ドーパミンに関連する領域が反応を起こしているのだという。ドーパミンは報酬への期待や満足感に関係する化学物質だ。すなわち、人は自分のことを話すとき、脳は食事や性行為で得られる満足感と同じような快楽を感じているのだそうだ。

また、アドバイスは精神的な快楽のみならず、自己肯定感も高めてくれる効果がある。誰かに「教える」という行為は、その瞬間、教えている相手よりも自分が優位な立場におり、能力的にも優れているという確信を与えてくれる。

また、アドバイスを通じて自分が誰かの役に立てている、価値発揮できているという承認欲求も満たされる。これほど手軽に精神的な充足感を得られる手段は他になかなかない。道理で、愚にもつかない無益なアドバイスが世の中に溢れているわけである。

今や世界の常識、「教え魔」の弊害とは?

「頼んでもいないのに、相手に配慮した風を装い、一方的に『余計なお世話』のようなアドバイスをする行為や人」のことを、世の中では「教え魔」とか「クソバイス」などと呼び、強く忌避されている。さらには、主に男性が、相手を無知と決めつけて何かを解説したり、知識をひけらかしたりすることを指す「マンスプレイニング(Mansplaining)」という言葉さえ存在する。

実際、クソバイスについて論じた書籍も存在するし、スポーツジムやゴルフ練習場、ボウリング場などで「教え魔に注意」といった喚起がなされている旨が報道されたこともあった。マンスプレイニングは比較的新しい用語だが、2010年にはニューヨークの「ワード・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、2018年には辞書最大手のオックスフォード英語辞典にも掲載されている。迷惑なアドバイザーの存在は世界共通のようだ。

いずれも、教える側は善意で近づき、良かれと思ってやっているのかもしれないが、教えられるほうは邪魔なうえに断りづらい。周囲から迷惑がられていることに気づけないまま繰り返してしまえば、さらに信頼を無くしてしまうことになる悪循環だ。

痛々しい上司にならないためのポイント

そんな痛々しい、空虚なアドバイザーにならないために留意しておくべきことがある。それは、「アドバイスは相手が求めたときだけにする」ことと、「『昔話』と『自慢話』は封印する」ことだ。

米国メジャーリーグには、「教えないコーチが名コーチ」という格言がある。最初から教えすぎてしまうと、選手自身の問題意識や、自らが考えようとする力を奪ってしまうとの思想に基づくものだ。実際にメジャーリーグのコーチは、コーチの側から選手に近づいていってあれこれ技術指導をすることはなく、逆に選手が疑問を持って聞きに行くと徹底的にアドバイスするのだという。

相手から求められてもいないのに、自らの充足感や承認欲求を満たすために一方的に助言しようとするのは、アドバイスではなく単なる「説教の押し売り」であり、到底相手のためになっているとはいえない。逆の立場で考えれば、あなたが唐突に上司や先輩などから「こうすべきだ」などと言われたら困惑するだろうし、たとえそれが真っ当な意見だとしても、何となく煩わしく感じ、距離を置こうと感じてしまうかもしれない。一方で、仕事で行き詰まっているときに助言を求め、懇切丁寧にアドバイスを得られたなら、その相手に対して感謝や信頼さえすることだろう。

あくまで大前提は、アドバイスは相手が必要とし、求められ、積極的に聞きたいという姿勢になったときだけにおこなうことだ。そうすれば具体的なアクションにも繋がり、良い結果が導き出されることにもなるはずだ。

「昔話」と「自慢話」も同様。やっていいのはそのテーマの話題を求められたときだけであり、自分から語り出すことほど痛々しいものはない。あたかも、現在の自分には他者から尊重も承認もされていないため、せめて過去の栄光だけでも認めてほしい、というあがきのようにも見えてしまう。

カネが絡まぬハズはない。恐ろしい統一教会「養子縁組問題」の犯罪度

数々の疑惑が噴出し続ける旧統一教会問題にあって、先日新たに国民が知ることとなった「養子縁組あっせん疑惑」。教団は信者間の養子縁組の存在は認めているものの、あっせんは一切行っていないと主張していますが、果たして真実はどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』ではかつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さんが、「教団主導の養子縁組は昔から存在する」と断言。さらにあっせんに関して金銭の授受がないとは考えられないとして、その理由を自身の体験を交えつつ紹介しています。

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養子縁組問題、文化庁の質問権行使、政府の驚きの救済法案、次々に噴き出す旧統一問題!

1.養子縁組問題で、教団を追い詰められるか!?法令違反を問われる可能性も

養子縁組問題という新たな火種が旧統一教会に浮上しました。

都道府県の許可を受けずに、養子縁組のあっせんを一定の目的を持って反復継続的に、旧統一教会が組織的な仲介を行った場合、養子縁組あっせん法違反を問われる可能性があります。2018年以降に関する件に関して、厚生労働省も調査に乗り出しています。

霊感商法では、数多くの被害を生み出して社会問題化していますが、神のためなら何をしても構わないという、この世の法律を軽視してきたこれまでの姿勢が、今回の事態を生んでいると考えます。

養子縁組あっせん法に違反は、1年以下の懲役または、100万円以下の罰金に処するとなっており、決して軽くありません。教団の対応しだいでは、教会本部への刑事罰もありえるのではないかと考えています。それは後ほど。

教団主導の養子縁組は昔から存在します。

離教した信者の取材からも、1980年~90代の合同結婚式で引き合わされた男女が多くなったことで、子供の生まれない家庭も多く出てきたことにより、養子に出されるケースが出てきていることがみえてきています。当初は、生まれた子を養子に出すことが多いとの印象を受けますが、しだいに子供が生まれる前から、養子の約束をしているケースが増えてきたように感じています。

すでに「旧統一教会の養子縁組問題で解散請求命令へのカウントダウン?もはや逃げ道なしか。根底に教祖の教えも存在」のヤフーニュースでも書きましたが、2014年に光言社から発行された「侍義生活ハンドブック」(光言社)からもそれがわかります。

「養子の約束を交わすのは、捧げる前の妊娠前が最も望ましく、遅くとも出産前には決定し」とあり「両家で合意がなされたら、必ず家庭教育局に報告が必要です」となっています。

さらに「両家の合意がなされたら、『養子縁組申請書』と家族写真を本部家庭教育局に提出し、会長に承認をいただきます」と続き、教団の承認が必要であることが書かれており、養子縁組に組織的に関与していた実態も浮かび上がってきます。

この背景には、文鮮明教祖の「産児制限禁止」の言葉によるところが大きいと感じています。「統一教会員たちは産児制限をしてはいけません」「サタン世界はますます産児制限をして、私たちはますますどんどん生んで…」という言葉もあります。それゆえに、10人近くの子供を持つ家庭もあります。こうなると、ただでさえ献金で生活が苦しいなかで、子供を育てることができずに、養子を決断する人もいるのではないかと思います。

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ウクライナが米国の停戦案を拒否。戦争の長期化必至で歪む世界の均衡

ロシア軍によるインフラ施設への攻撃が続くウクライナ。国民はこれまで以上に厳しい状況に置かれていますが、戦争終結には長い時間を費やすことになるようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、ウクライナの指導層が米軍トップの停戦交渉促進の声に対して「NO」を突きつけた理由を紹介。さらにロシア不在となった中東地域で戦争が勃発する可能性を指摘しています。

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ウクライナ戦争「停戦交渉」の頓挫

ウ軍は、次の攻撃に向かっているが、雪が降り始めて、泥濘が酷く装甲車の移動が難しい状態で、凍結するまで部隊に他再編や移動を行うようである。ロ軍もドンバスとザポリージャ地域に向かっている。この状況でも停戦交渉は頓挫した。今後を検討しよう。

ヘルソン州ドニエプル川西岸からロ軍は撤退し、撤退部隊をドンバスやルハンスク方面に回している。海軍歩兵部隊はドンバス地域で、空挺部隊はドネツクとルハンシクに配備したようである。

それと、9月下旬に動員した予備役を、ベラルーシで訓練したが、その戦車軍団や機甲歩兵旅団をルハンスク州に投入した。

ウ軍はドニエプル川西岸の戦車隊をルハンスク州に回してるが、地面凍結がまだなく、機甲部隊が動ける状態になっていない。ザポリージャ州にも回しているとみるが、まだ攻撃を行わない。

巡航ミサイル攻撃

ロ軍は、地上攻撃が期待通りではないので、巡航ミサイルとUAVによるウクライナ全土のインフラ攻撃をし、ウクライナを厭戦気分にしようとしているようだ。

11月23日は70発以上の巡航ミサイルの内50発を撃墜、自爆型無人機5機の内5機を撃墜した。今回の空爆では、送電線と変電所を狙い、このため、4つの原子力発電所が停止して、このため、停電がウクライナ全土に広がった。今回はKh-101巡航ミサイルを使用したが、残存132機中70機を使ったようである。

ロシアはミサイル生産を続けて、S300のミサイルは7,000機もあり、対空ミサイルを地上攻撃に使用する理由も分かるような気がする。

短距離弾頭ミサイル・イスカンダルは119機しかなく、欧米などの戦線参入にも備える必要があるために、あまり使えないようである。

イランのUAVの残りも少なくなり、ロシアで生産するようであり、その部品をイランが提供するようだ。ウ軍はクリミアで複数のイラン人軍事顧問殺害を認めた。イランの軍事顧問団は攻撃目標になるとした。ロシア生産になれば、イラン軍事顧問団もイランに帰るのであろうか?

大きなミサイル攻撃は1週間ごとに行っているが、生産との見合いでそうなっているようだ。

冷蔵庫や洗濯機をロ軍が、ウクライナで一般家庭から略奪する理由も、ミサイルの制御に冷蔵庫や洗濯機の半導体を転用するためで、最新の冷蔵庫の並行輸入も増えているという。民生用半導体を軍事転用しているようである。

このようにして、経済制裁をくぐり抜けているようだ。イランのUAVも民生半導体や部品であり、経済制裁をくぐり抜けることができる。

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