「言わないでも分かる」が増やす職場をダメにする「つもりくん」

「以心伝心」「目は口ほどにものを言う」などの言葉が表すように、わが国では言葉にするよりも察することを美徳とする傾向があります。そのため、本来大切なはずの「きちんと理解したのち言語化して伝える」という手順が疎かにされてきました。今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』では著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんが、企業理念を言語化して伝えることの重要性を説いています。

「つもりくん」を作らないようにするには、「言語化」という作業が重要!

よく、「分かっているんだけど、うまく話せない!(伝えられない)」という人がいるが、それは、実際は“理解してないから伝えられないだけ”である場合がほとんどだ。

もしきちんと理解していれば、例えをだしたり、言葉を変換して伝えられることができるはずだからだ。

そして、何より怖いのは、「これを良し!」とするような社内風土があると、社内に「分かったつもりつもりくん」スタッフをたくさん作ることになる。

そうすると、仕事が常にブレることになる。

なぜなら、すべて、「つもり」、で仕事をするからだ。だから、必然的に質も低下するし、間違った理解をしたまま進むから成長もいないし成果もでない

このケースで良く見受けられるのが、「理念についてである。

「君は、俺の言わんとすることが分かっていると思うんだ…」
「君は、理念のことは、分かっていると思うんだ…」

ということばを社長さんから聞くことがあるのだが、得てしてこういう人ほど、僕から見ると、「彼は、全然、社長のことも理念も分かっていないのになあ…」と思うことが多い。

というのは、勉強会で理念の掘り下げの時間をとる事が多いのだが、彼らはこの時に、ズレた答えをすることが多いからだ。

このズレた答えを聞いて、「君の言わんとすることは分かるよ…」と社長さんはフォローするのだが、僕は、このスタッフは理念を全く理解できていないといつも感じている。

なぜなら、冒頭で述べたように、理解していれば必ずことばで人に伝えることができるからだ。

理念というのは、すごく感覚的な部分もあって、この感覚だけを大切にされる社長さんもいる。もちろん、感覚的なことも大切だとは思うが、理念というのは、「実際の現場でどう活かすか?」ということが最も重要な事である。でなければ、理念を掲げる意味がない。

理念は、“現場でどう活かすか、活用するか”が大切だということだ。

そのためには、理念を何度も何度もスタッフに経営者自らが語ることも大切なのだが、「理念に基づいた行動とはこういう行動だ!という具体的事例を言語化する」ことも必要だ。

こういった理念事例集のようなものがあると、自分の行動が「理念に沿ったものかどうか」が社員にも理解しやすくなるし、社員スタッフもアルバイトにより伝えやすくなるはずだ。

このように、飲食店の仕事において、「言語化するという業務はすごく大切な業務なのだ。また、飲食店のスタッフは「ことば」にすること、伝えること、話すことが非常に苦手で、これが、仕事の質の低下につながっている傾向が強い。

この「言語化する」ということに会社全体で取り組まなないと会社と社員間社長と社員間社員とアルバイト間で大きなギャップたくさんのギャップを生むことになる。

さて、あなたの会社でも「つもりくん」を作り出さないようにするために、「言語化するという業務に今以上に取り組んでみてはどうだろうか?

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おカネ持ちになれる人は、財布を開くとき何を最優先させるのか

お金を使うときというのは、「今必要だから」「欲しいから」という方向ばかりに意識が向いてしまい、「将来を見据える」発想が抜けてしまいがちです。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、「過去<現在<未来」を優先順位とするお金の使い方を、その理由を交えつつ提唱しています。

3つの時間とおカネ

我々は中学の頃の英語で習った通り、時制には現在、過去、未来の3つがあるわけです。そして我々の日常生活で、おカネを使う時にこのことを意識するべきなんです。つまり今財布から出そうとしているこのおカネは現在過去未来のどの時制に効いてくるのかを考えるということです。

これを考える時に、それぞれの時制に於ける価値、つまり3つの時間軸の価値の違いを知っておかないとならないんですね。

人生って現役時代に於いては、「過去<現在<未来という順序でランキングが付けられるはずなんです。

余談ですが、歳を取る老後を過ごすということの最大の問題は、人生に於いて大事であるはずの未来が、質としてショボく量としても少なくなるところにあるわけですよ。80歳になってから未来のために投資をしようなんて考えないのも、そこに理由があるんですね。つまり人生に於ける時制が、「過去<現在だけになってしまうわけですね。未来という価値観が消えてしまうと、自分の人生を形作ってきた様々な秩序が変更を余儀なくされる、それに耐えられるだけの精神と頭脳の柔軟性を失ってしまうところが、老いの根源的な苦悩なんじゃないかと思います。

閑話休題。

つまりこれから使われるおカネが未来に対して効いてくるのであればそれは正しい使い方なんです。あなたの未来を彩るために使われていると言えるのかということですね。

反対に、過去のために使うという話になると、これはほとんどの場合過去の清算という意味合いになりますからここには後悔の感情が生まれるんですね。これが住宅ローンのようにレバレッジが利いているというのならまだ分かるんですが、遊興費や一時の快楽の為に使ったおカネの返済とか、罰金や慰謝料という話になると、暗くなるでしょ。同じように、病院のように身体の治療もまた、過去の自分の生き方、暮らし方の影響を多分に受けているわけですから、過去の清算に使っていると言えるわけですよ。

もちろんこれを、現在の痛みを除去するために使っているのだと考えればそれは現在に対して使っているとも言えるんですよ。つまり通院というのは、過去と現在のふたつの時制にまたがっている行為なんですね。

おカネを使うという行為は、あまりにも日常的すぎて、おまけに瞬間的に行為が完了してしまう(契約書を交わすようなことは、一般にはほとんどありませんから)ので、一陣の風が駆け抜けるように、あっと言う間なんです。さらにおカネを使うということは、その対価として何かを享受することが目的で、財布を開くときにはその受け取るモノに焦点が合ってしまうためこういう振り返りってほとんどしないんですよ。

特に快楽に関する消費って、ほとんどが「現在」のために使っているのに、これをガマン出来ないのは、未来のために使うこととの比較をする時間的精神的余裕がないからだと思われます。

ニューヨーカーにとって深刻な「書店の消滅」その意外な理由

時代の流れか、街から書店がどんどん姿を消しています。これは、日本に限ったことではなく、ニューヨーカーにとっては日本人以上に影響が大きいようです。どういうことなのでしょうか?日頃、書店で過ごす時間をリフレッシュのための大切な時間にしているという米国の邦字紙『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんが、自身のメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』で、「社交の場」としての役割も果たしてきたNYの書店事情をユニークな筆致で伝えてくれます。

最強空間「街の本屋さん」in NY

リフレッシュの仕方って人それぞれだと思うけれど、僕の場合は、書店に行くことです。特に購入しなくてもいい。日系でも、米系でもふらっと本屋さんに立ち寄って、色々物色することがいちばんの気分転換。なぜか気持ちがリセットされます。理由はわかりません。むかしっから。日本にいた時から。

結局は、数冊ほど購入する時もあるのだけれど、それが目的ではないので「気分転換」という意味では、買っても、買わなくても、効果は変わらない。ただ、行くだけで、ストレス発散になるのだから、これ以上ないほど安上がりなリセット法です。(書店さん、ごめんなさい) 新刊を眺めたり、雑誌をパラパラしたり、するだけなのですが、案外、効果的なのが、まったく興味ないジャンルの棚に寄ってみること。これ、意外とおすすめです。僕の場合は、料理、天文学、ファッション、競馬、麻雀、剣道、宗教、卓球、歌舞伎、などの本棚。これらに僕はまったくと言っていいほど、興味がありません。さすがに「週末に編むニットセーター」とか「恋愛星占い」とか「おすすめスイーツスポット」とかは人目が気になって手に取ることはないけど、とにかく、まったく興味ない分野の書籍をチラッとでいいので、読んでみること。かなりおすすめします。

それらは興味がないので、自分からあえて手に触れないと、一生目にしない情報ばかりです。で、意外と面白かったりする。天文学などは、ついつい立ち読みが面白すぎて、数冊購入するまでに至りました。それはそれで当初の目的から離れていってしまってるけれど。まったく知らないジャンルに、そこに少し触れるだけで、なぜか今の現状を頑張ろうと思えたりするのです。理由は説明しにくいけれど、でも、そうなんです。

書店にただ立ち寄るだけの効用は他にもあります。まず世の中のトレンドが手に取るようにわかる。ファッション誌や、週刊誌の表紙を見れば、有名人で誰が今、“きてる”のか、一目瞭然だし、新刊のビジネス書を見れば、経済の流れすら掴むことも可能だと思います。そして、結構な問題発言をするならば、今、話題のビジネス書や自己啓発本や健康本は、タイトルでその内容の50%は予想できたりします。もちろん100%は無理でも、さらに、パラパラと前書きと目次を読めば、その書籍で作者の伝えたい内容の全体像が見えることもあります。

実際、購入して、ジックリ読むと本文はそれらのアウトラインの根拠や詳細だったりします。購入した見返りは、タイトルと前書きと目次を立ち読みした時ほどなかったりすることも珍しくありません。(今回のメルマガは、かなりバッシングされる内容なので、どうぞ、まぐまぐさん、まぐまぐニュースで取り上げないでください・笑。もし、僕が有名コラムニストなら、クレームと炎上の嵐だな、こりゃw)

Amazonで粗悪品を掴まされない方法は?人気コンサルに聞いてみた

読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「Amazonでの買い物で失敗しない方法、自衛策」についての質問が届きました。永江さんは、質問者が行なっている自衛策を肯定した上で、最も確実な自衛手段の徹底を推奨しています。

Amazonで詐欺ショップに騙されないために

Q.
私は現在、日用品の購入をAmazonにシフトしているユーザーです。が、ご存じの通り、現在のAmazonは粗悪商品が多く出回っており、それに加えて詐欺的なショップによる住所の抜き取りなど、後の生活にも悪影響を及ぼす事例が見られます。

ニッチな商品を試してみたり、高額な商品を丹念に調べるのはいいのですが、普通の商品はあまり手間をかけずに事故を避けたいと思っています。永江さんはどのような対策をしていますか?以下に自分の対策を示しますが、その他にありましたら教えてください。

  1. Amazon配送品以外はできるだけ避ける(詐欺対策)。または購入実績のあるショップを選ぶ
  2. レビューをざっと見て偏りがあれば避ける
  3. 類似品と比較して極端に安い場合は避ける

高額商品の場合はレビューを丹念に見たり(特に星2~3)、同じショップの他の製品を調べたりしています。

それにしても、このような状態はAmazonのECのブランド価値を下げる行為だと思いますが、Amazonは何か対策しないのでしょうか(最近はポイントカード&Amazonゴールドカードでヨドバシ購入も多いです)。最近AmazonがBICやライフといった、いわば商売敵と提携をするのは、このあたりに理由があるのでしょうか。

永江さんからの回答

わたしもAmazon配送品以外は購入していません。詐欺ショップを避ける意味もありますが、例えば中国の店舗など万が一不良品が届いた時の交渉が大変だから。レビューも日本語が変だったりやらせも多いので全く信用出来ませんよね。

その点、Amazon配送品なら1ヶ月以内であれば返品をほぼ完全に受け付けてくれるので安心です。以前ブログにも書きましたが、よくレビューに「すぐ壊れた」「金をドブに捨てたようなものだ」などと罵声を書き込んでる人がいますが、文句を言うならすぐ返品すれば良いんです。

また「このような状態はAmazonのECのブランド価値を下げる行為」については、そのとおりではありますが、正直Amazon側の人手不足の側面も否めないと思います。モンスタークレーマーもいますから双方の話を聞かないとならず、けっこう大変ですよね。

もちろん詐欺ショップと判明すればその都度垢BANしているはずですが、いたちごっこになっているため、予期せぬ事故を避けるにはAmazon配送品以外は買わないという一択だと思います。

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蚊に刺されなくなる新常識。足裏アルコール消毒が蚊を遠ざける

「蚊に刺されたほどにも感じない」という表現もあるにはありますが、実際に刺されようものならうっとうしいだけでなく、時には深刻な病気の媒介もする蚊。どうにか刺されずに済む方法はないものでしょうか。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、ある高校生の研究に裏づけされた、効果バツグンの「蚊に刺されない方法」を紹介しています。

人類史上最悪の強敵

さて、本日は夏になるとやって来るアイツのお話

最近のニュースで気になったものはなんでしょうか。どうしても悲惨なニュースに目が行きますよね。クルマの暴走による交通事故や児童虐待、自殺などなど。こうした人の生き死にに関するニュースを見ない日はありませんよね。

ところが、最悪の殺人者が今日もあなたのすぐ近くにいるんです。最悪というのは、誇張ではありません。その殺人者によって

  • 全世界で年間75万人

もの人が死んでいると言われています。そう、その殺人者とは

  • 蚊 ~_’^.・~……“~;

です。蚊は、たくさんの病気を媒介しますからね。蚊に刺されただけだなんてカルく考えていると大変なことになっちゃうんです。

でね( ̄∇ ̄) 私は、とても残念なことに、一家族に一人はいる

  • 蚊に刺されやすい人(;_\)

なんです。そりゃ、もう、子供の頃から刺されまくりました。しかも追い打ちをかけるかのように、周囲の人たちから

  • 血液型が●型でしょ
  • 汗臭いんじゃないの
  • 体温が高いからだよ

などから始まって、果ては

  • 血が汚れているんだよ(▼_▼)

などという、言われなき非難まで浴びてきました。ヒドいわ。

なので、夏の外出時には虫除けスプレーは忘れず、常に網戸を閉め蚊取り線香を焚いて……

  • それでも刺されちゃう

んですけどね( ̄∇ ̄) きっとみなさんの周りにも、私のような悲しい運命を背負いかゆみに耐えている人がきっといるはずなんです。

ところが!私は、そんな悲しい運命とオサラバしたのですよ!!!!蚊に刺されなくなったんです!!!

なぜかというと、とあるコーコーセーの研究結果を実践したから。

 ● 蚊に刺されない方法を高校生が研究したワケ

面白いので、見て下さいね。

ま、研究結果をかいつまんでいうと

  • 足裏をアルコール消毒すればヨイ

ということです。コーコーセーによると、蚊に刺されやすい人は足裏の菌の種類が他の人より多いそうです。このため、この菌の中に蚊を誘引するものがあるのではないかと推測。なので、足裏をアルコールで除菌したところ刺されにくくなった!ということなんです。スゴいよね。このコーコーセー。ちなみに彼は、コロンビア大に特待生として進学したそうです。末は博士ですねえ。

「大ぼら」吹けば会社が儲かる。なぜ有能な経営者ほど吹くのか?

有能高名な経営者の共通点は、これまでもあらゆるところで語られてきています。そんな中のひとつに「大ぼらをふく」という面もあるとするのは、無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』著者の浅井良一さん。浅井さんは今回、日本を代表する経営者が口にしてきた様々な「大ぼら」を紹介すると共に、その効用を解説しています。

「大ぼら」をふく

日本電産の永守さん、ユニクロの柳井さん、そしてソフトバンクの孫さんの3人は「大ぼら3兄弟」なのだそうです。そのなか、最も「小ボラ」なのが永守さんだと本人が言っています。

永守重信さんは、仲間3人とゼロから創業し、今や世界一のモーターメーカーにまで成長させたのですが、その「社名」からして壮大で、「松下電器産業をも超えるような日本一の会社を目指す」として「日本電産」と名付けたと言われています。そして、最初に手がけたのは、なんと基本方針作りだったそうなのです。

その基本方針たるや「非同族企業」「いかなる企業のカサの中にも入らない」「インターナショナルな企業」の経営3原則であって、何故そこから始めたのかについて「永守イズムを記した冊子『挑戦への道』のなかに『始めにめざす目的、志をしっかりと掲げなければ、何事も成就出来ない』」とその意思を述べられています。

これも「ほら」なのか、上質なマネジメントの基本セオリーなのか。ところで、永守さんが目標にした「松下電器産業」の松下幸之助さんも、少し趣が異なるものの「大ぼら」のようなものがあります。“水道哲学”で「真の使命は、物資を水道の水のごとく安価無尽蔵に供給して、この世に『楽土を建設する』ことである」というものです。

日本電産もパナソニックも卓越したエクセレント・カンパニーであり、この両社の「大ぼら」と「卓越性」には、何か相関があるのでしょうか。

またドラッカーに言葉を手がかりに考えてゆきたいのですが、

「成果をあげる人とあげない人の差は才能ではない。いくつの『習慣的な姿勢』と『基本的な方法』を身につけているかどうかの問題である」

「卓越性」を実現させる経営者の「習慣的な姿勢」には、「経営の節目」ごとに時宜に適った「大ぼら」を宣言することもあり、宣言したらなら、それを有効に「卓越性」に導かなければなりません。また「大ぼらこそが卓越を適えるための道具」でもあります。

そうしたら「大ぼら」を実現するための「基本的な方法」とは何か。

「自らの強みを知り、得意とする仕事の仕方を知り、自らにとって価値のあるものを知ればよい。これに加えて、成果をあげるための原則を知ればよい。何に貢献すれるべきかを明らかにし、何に集中すべきかを定め『目線を上げればよい』」

が解答で、その含蓄をご理解ください。

日本美術会をリードし続ける画家が、心の中に「置いて」いるもの

芸術家として生きていくというのは大変なことで、才能があるにもかかわらず、将来に不安を覚えその道をあきらめるという人も多いのではないでしょうか。東京芸術大学の名誉教授で洋画家の絹谷幸二さんも、若いころには葛藤した一人。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、そんな絹谷さんと筑波大学名誉教授の村上和雄さんの対談を通して、強い気持ちを持つことの大切さを紹介しています。

安定の道を捨てた先に掴んだもの

力強い色彩をもって圧倒的な迫力で迫ってくる作品群で多くのファンを魅了する画家・絹谷幸二さん。画家として40年以上にわたって日本の美術界をリードしてこられましたが、若い頃は画家の道に進むべきかで煩悶の日々を繰り返したといいます。

絹谷さんは、どんな決意をもって画家の道に身を投ぜられたのでしょうか?

生命のメッセージ 絹谷幸二(画家)×村上和雄(筑波大学名誉教授)

絹谷 「画家として順風満帆だったかというと、必ずしもそうでもなくて、自分は画家としてやっていけるだろうかという悩みは常にありましたね。

例えばイタリア留学中のことですが、文化庁からの依頼で高松塚古墳の壁画保存対策委員に就任することが決まり、ローマ国立中央修復研究所で技術を学ぶことになりました。実際に修復技術を学んでみると、まるで探偵小説を読むかのようで、科学的な世界が広がっていて非常に面白いんです。

ところが修復の世界と新しいものを創造する画家の世界っていうのは相反するんですよ。しかし、絵の世界は描いても描いてもなかなか売れない。非常に不安定です。一方、修復の仕事は食っていける

村上 「そこで迷われたわけだ」

絹谷 「ええ。クリエイティブな世界に行くんだという意志は、そこで揺らぎましたね(笑)。他にもイタリアの陶器を日本に持ち込めば、当時は小さいものでもよく売れたんですよ。だからそれを商売にすれば生活が成り立つ。とにかくそういう落とし穴はいっぱいありました)。でもそれにはまらないようにするには、貧乏するしかありません。日本にいる時も、絵描きなんかやっていたら食べていけないよ、生活に困るよ、とどれだけ言われたことか」

村上 「それでも絹谷先生は自分の意志を曲げなかった

絹谷 「それはね、いまは強いけど昔の弱い阪神タイガースが好きだったとか、どこか偏屈なところがあったからでしょうね(笑)。ただ、それだけではなくて、当時はまだ若かったでしょう。命に対する不安っていうものがまだないから、どうなろうと生きていけるという自信はあったんですよ。

時にはあまりに絵に熱中し過ぎて、心臓がね、ガーンと痛くなるようなこともありましたけど、常に心の中に無常観というものがあってそれをバネにして画家として一道を歩んできたというのはありますね」

村上 「そういった葛藤の中で、画家として見事に大成されたわけですね」

絹谷 「いやいや、無鉄砲なところはずっと変わらなくて、最近では積水ハウスさんに協力していただいて、大阪の梅田スカイビルに常設美術館をつくりましてね。『絹谷幸二 天空美術館』という名称なのですが、その一角には私の絵が3Dの大画面で展示されているんですよ。こうした取り組みは初めてのようですが、やはり芸術家というのは進取の気性を発揮して、時代の切っ先に身を置いて行かなきゃいけないと思うんです。もちろん、これまで継承されてきたものを大切にするのも大事ですが、その反対のことも同時に行う。穏やかに穏やかにという中に不動明王の如く強い気持ちで前進していかなければいけません」

■『致知のキーワード

  • 無常観をバネにして画家として一道を歩んできた
  • 穏やかに穏やかにという中に、不動明王の如く強い気持ちで前進

image by: Koji Kinutani 絹谷幸二 - Home | Facebook

JFKが尊敬した日本人とNYで注目の実店舗経営者に共通「利他の心」

メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者でNY在住のりばてぃさんが、NYで注目される小売店を紹介する中で、「また行きたくなるお店」の共通点に気づいたときに想起したのは、『無欲万両』という上杉鷹山の名言なのだそうです。現代の小売業にも通じる商売の極意とはどんなものなのでしょうか?なお、上杉鷹山は、米国で有名な日本に関する3冊の書籍のうちの1冊『代表的日本人』で紹介され、あのジョン・F・ケネディが尊敬する人物として名前を上げる江戸時代の米沢藩主です。

想いと無欲

5月のメルマガでご紹介した、『ニューヨーク生まれの女性の味方、 ブルティン』や、つい昨日、ブログの方でご紹介した『世界初のジェンダー・フリーのお店「フルイッド・プロジェクト」The Phluid Project』。この2つのお店は消費者と商品を作る生産者の両方のニーズをうま~く捉えていると思う。

そしてそれだけでなく、経営者の想いがあると感じる店になっていて、どちらもまた行きたくなるお店だ。

ご参考:
NYで「実店舗」復活ムードを牽引する「ブルティン」成功の秘密 – まぐまぐニュース!
世界初のジェンダー・フリーのお店「フルイッド・プロジェクト」The Phluid Project

他にもニューヨークには、何かしらコミュニティに還元したいとか、店を続けることで社会に貢献している実感を得られるといった理由で何年も続いているお店が多い。

そういえば、2号店を出したドーナツ屋さんもそういった理由から本業がありながらも長年続いている。

ご参考:NYの老舗ドーナツ屋さん「ドーナツ・パブ」(The Donut Pub)が、突如、2号店

ちなみに競争の激しいニューヨークで実店舗を運営していくのは、想像できないほど大変で、営利企業である以上、ちゃんと利益に繋がる工夫もしていて、例えば、フルイッド・プロジェクトはケーブルTVのHBOとコラボして3つのポップアップ店を出す予定となっている。

ご参考:HBO’s ‘Euphoria,’ The Phluid Project to Launch Gender-Free Pop-up Shops

想いと運営のバランスを取っているのだ。客としては、経営者の想いを感じるから店に行きたくなるし、実際に行ってみると何か買わずにはいられない気持ちになる。

Eコマースが普及したからこそ、改めて実店舗でのインパルス購買(衝動的な買い物意欲)に注目が集まっている。このあたりは、改めてまとめようと思うので、何かご質問あればぜひ。

城を攻め、城を築いて天下を取った日本史上最強の「城武将」秀吉

日常生活において不思議に思ったり、ちょっと気になったあれこれについて考察するメルマガ『8人ばなし』。著者の山崎勝義さんが今回取り上げ論じるのは、「秀吉の城攻め」です。山崎さんは、秀吉による中国毛利の支城攻略について「面白い」と好奇心をかき立てられているようで、鳥取城の兵糧攻め時に用いた戦術について詳しく紹介しています。

秀吉の城攻めのこと

信長は奇襲で名を挙げ、家康は野戦を得意とした。そして秀吉は何と言っても城攻めである。特に主君信長の訃報で終わることとなる、備中高松城水攻めまでの中国毛利の支城攻略は実に面白い。

秀吉の城攻めは、極力正面突破を避けるというところに真骨頂がある。鬼上司信長の下で働く以上は、なるべく早く、できるだけ多くの成果を上げなければならない。そのためには将兵は失いたくないし、城もできるなら無傷で手に入れたい。一番リスクが少ないのは直感的に包囲戦である。しかし、包囲籠城となれば長期化というリスクがどうやっても生じてしまう。となれば、このリスクを如何に抑えるかが包囲戦の鍵となる。

一方、籠城側からしてみれば勝利の方法は二通りである。包囲側の兵糧が尽きての撤退か、後詰めの援軍と城内からの挟撃による撃退である。故に包囲側はこの二つの問題をまずクリアしなければならない。このため補給路の確保と背後の防衛戦の構築が重要となるのである。秀吉の軍団はまずこれが抜群に上手い

一般的に包囲戦は兵糧攻めと同義になる場合が多い。つまり、包囲側は籠城側の兵糧を如何に早く消費させるかが第一の戦略ということになる。

中世以来、定石としてはまず周囲の村々から包囲網を小さくして行く。村を追われた領民は城内に避難する。これで籠城側の兵糧消費率が上昇する。次に包囲を厳とし、降伏して来る者があれば、これを城内に追い返す。こうすることで忠誠心の高い者だけに食糧が行き渡らないようにするのである。最初の内から降伏する者は言うまでもなく忠誠心は低い。彼らにできるだけ兵糧を消費してもらおうという考えである。そうして士気が下がり切ったところで降伏交渉に入るというシナリオである。

夜の散歩でも肉球やけどの可能性。怪我や事故から愛犬を守る方法

夏は、暑さを避けて愛犬の散歩を夜にしている飼い主さんが多くいますが、夜だからといって暑さや熱さへの注意を忘れてはいけないようです。メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』の著者で獣医師の佐藤貴紀先生が、夜の散歩でも欠かせない「水」や、地面の熱さと周囲の暗さなど、注意すべき点を指摘。予期せぬ怪我や事故に遭わないための予防法を教えてくれます。

夜のお散歩に欠かせない「お水」について

夜のお散歩の時にも「お水」は欠かせません。脱水症状を起こす事もありますので「お水」は必ず持参してくださいね。また、その「お水」も自販機で売られている「硬水」は飲ませないでください。

マグネシウムやカルシウムが多く含まれている為に「尿路結石」になる子もいます。水道水か軟水をあげてください。

「夜のお散歩」2つの危険性と防ぐ知恵

1)地面の温度が高ければ高いほど、怪我をする可能性

今年の夜は「スーパー熱帯夜」と言ってもいいほどの暑さです。地面が「コンクリート」ならなおさらです。熱いハズです。愛犬を歩かせる前に、必ず手で暑さを確認してください。30秒くらい手を地面に当ててみて下さい。熱い時には、夜のお散歩はやめるという決断も必要です。

犬の肉球が、火傷し、赤く腫れてしまい歩けなくなってしまう事もあります。お散歩には、ならないですが、抱っこして少し外の空気を感じさせてあげるだけでも、犬にとっては、家にいるよりもストレス発散になります。

2)暗いと「愛犬」の様子がわからず事故に遭う危険性

人間が見えないところでは、犬も見えるわけはありません。前が見えにくいために、様々な危険が起こります。自転車とぶつかってしまった。車にひかれそうになった。という事も、よく耳にします。

特に、黒い毛の犬は、暗いと普通の子よりも人間の肉眼で認識しにくいとも言われているので、特に神経を使って欲しいです。また、リードを昼間よりも、短く持つなどの気も使って頂きたいですね。

3)「ここに犬がいますよ」と知らせる方法

夜道では「ここに犬がいます」という存在をアピールすることが一番大切です。1つ方法としては、懐中電灯や、リードに夜でも光るものをつけてあげる事です。飼い主さんも、周りの方も「犬のお散歩だ」と認識されるので注意してくださる目印になります。

家庭で簡単にできるのは「蛍光塗料シール」を首輪や、お洋服を着ている子でしたらお洋服に貼ってあげたり、リードにつけてお散歩してあげるとすぐにわかります。

100円ショップで「白色 LED ライト」の小さいのも売られていますのでそれもリードにつけてあげると見やすいと思います。もちろん、ペット用のも売られていますので、そちらを使われるのも良いと思います。

まとめ

最後に、今年の夏は本当に暑いです。夜お散歩に行って、怪我をしたら意味がありません。また、飼い主さんも夜、歩いていると不審者にあってしまったり愛犬とは別の危険も伴う事もあります。十分に気つけて、楽しい「お散歩タイム」を過ごしてほしいです。

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