なぜノーベル化学賞に輝いた吉野彰氏は10年先のニーズを読めたか

日進月歩の技術革新。昨日まで生活の核を担っていた商品が、ある新商品出現を境に一気に無用の長物と化すことも不思議ではありません。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、今や生活に欠かせないリチウムイオン電池の開発に携わり、2019年のノーベル化学賞に輝いた吉野彰氏の、「発明の難しさ」を垣間見ることができる言葉を紹介しています。

ノーベル賞受賞者の先読み力

ノーベル化学賞に決定した旭化成の吉野彰名誉フェロー。商品化が困難とされていたリチウムイオン充電式電池の研究開発をいかにして成功へと導いていったのか。月刊『致知』2019年3月号に登場された時のインタビューに、研究にかける信条が語られています。

――これまでの経緯を踏まえて、優れた研究をするために大切なことは何だとお考えですか?

基本的には極めて単純な話です。自分が持っている知識、あるいは技術といったシーズ)と、世の中で必要とされているニーズこの二つを線で結びつければいいだけのことなんです。

ところが厄介なことにシーズもニーズも日々変化していく

技術というのは日々進化していくので、昨日まで不可能だったことが翌日には可能になることがある。また、昨日までは世の中で必要とされていたことが、ある別の製品の開発によってわざわざ研究する必要がなくなることだってある。

つまり、動いている物同士をどうやって線で繋ぐかという、非常に難しい問題なんです。

それがどれほど難しいかというと、何か難しいことを表現するのに「針の穴を通す」という言葉がありますよね。実際の研究開発では、ジェットコースターに乗りながら針の穴に糸を通すようなものだと僕は思うんです。

だからこそ、先ほど話したように5年10年先のことを先読みできるかが大事になってくるんです。

目の前のニーズをいくら追いかけても、時間の経過とともにいずれそこからいなくなる。いま見えているターゲットに弾を撃ったところで、研究開発の世界では絶対に当たりません。

そうではなくて、あっちの方向に向かって撃てばこういう軌道を描いて当たるだろうと考える。そういう読みが大切ですね。

子どもを脅して言うことを聞かせた親が後でハマりがちな落とし穴

「イヤイヤ!」と言うことを聞かない子どもに対して、脅かすような「しつけ」をする親御さんは案外少なくないようです。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では著者のパピーいしがみさんが、そんな「脅しの育児」をすることで起きる弊害について、経験者の方の相談に回答するかたちで解説しています。

脅しの育児

こんばんは。パピーいしがみです。

今日のメルマガは「脅しの育児」としました。

冷静になれば「脅して言い聞かせようとしてもそんなやり方は良くない!」とお感じになるとは思うのですが、でも案外やっておられる方は少なくありません。例えば…ちょっと前にはやった鬼のアプリがありましたね。言うことを聞かない子供に「じゃあ鬼に叱ってもらうよ」と鬼に連絡をしたように見せかけ恐ろしい映像と声で子供を怖がらせて「親の言うことを聞けよ」と言わせるものでした。それを使った親から「ものすごい効果」「面白いように従順になった」のような声が上がり、瞬く間に知れ渡りました。又、それに対する非難の声もあり「トラウマになる」とか「子供の心に傷を負わせるのような声も聞かれました。

私も「どう思われますか?」と聞かれたことがありますが、推奨はしないものの完全否定もしません。というのは、子供にも「怖い」と思う物があった方がいいと考えるからです。例えば「悪い事をしたら罰が当たる」のような物語は今でもありますし、私たちの子どもの頃も「言うこと聞かないと押し入れに入れちゃうぞ」のような事を言われました。過去の「お父さん」の存在も子供にとっては怖い存在で、間違ったことをすればお父さんに叱られる…との気持が、子供が自分で自分を律する事にも一役買っていたと思うのですね。今は断るお宅も多いみたいですが、秋田のナマハゲも子供達には恐怖の対象でした。

ただ、子供を脅して言いつけを守らせる…のは、スパイスとしての使い方はあってもいいとは思いますが、それだけを続けると弊害が起きてしまいます。今日はそんな「脅しの育児」をしてきた(と仰る)シーちゃんママさんからのご相談と、お返事した内容をご紹介したいと思います。

パピーさん、こんにちは。勉強を始めたばかりでの相談で心苦しいのですが、ずっと悩んでいたのでメールさせて頂きました。

私は、4歳の一人娘を持つ、シーちゃんママと申します。ご相談させて頂きたいのは、私の接し方が子供の心を傷付けてしまったのではないか?と悩んでいる事です。と言いますのも、私は子供に恐怖を与えて言い聞かせる事をずっとしてきてしまいました。

最初は、娘が2~3歳の時に、イヤイヤが激しくて保育園のママ友に「これいいよ。聞き分けが悪い子が一発で聞くようになる」と言われて、スマホのアプリ(鬼の電話)を試したことからです。

お風呂から出てテンションが上がり、パジャマを着ないで遊んでばかりいる娘に聞かせました。その効果はてきめんで、娘は震え上がり、今までにないほど泣きましたが「ママを困らせないでちゃんとできれば鬼はこないよ」と言うと、すぐに服を着て布団にもぐり込み、しばらくは泣きながらもスッと寝たのです。

その時に「こんなに効果があるんだ!」と驚いて、子供がワガママを言ったり、聞き分けが悪いと「じゃあ、鬼から電話が…」と、毎日のように鬼をちらつかせ脅してきました。とても聞き分けが良くなり、良い子になった…と思っていました。

ですが、心配な事も起きるようになりました。「鬼が…」と言えば、怯えて言うことを聞く代りに、夜中に目が覚め「怖い怖い…」と泣き続けたり、「窓から鬼が見てた(我が家は3階です)」と言ったり、トイレが怖い、玄関が怖い、虫が怖い、夜が怖い、ママと離れるのが怖い…と異常に怖がる様になってしまいました。

明らかに情緒不安定な状態で「これはヤバい」と、それからは鬼の事を口にするのはやめました。その結果、娘の夜泣きや「窓から鬼が見てる」は無くなったのですが、異常な怖がりは続いており、朝起きて私がいないと「ママーママー」と大声で叫んだり、「保育園に行きたくない」「ママと一緒にいる」と泣き止まなかったり、保育園でも「元気がなくて小さなことで泣きやすい、積極性が見られない」と指摘されています。

私も仕事がありますし、いつまでも泣いている娘にイライラしてしまい「ママは泣いてばかりいる子は嫌い」とか「もう○○のママをやめたくなっちゃった」とか、必死の形相でくっついてくる娘に「しつこい!もう離れて!」など突き放したりしてしまいます。「鬼が…」をやめて1年が過ぎたのですが、この状態が変わらず、この先この子は大丈夫なのか?と不安になります。

元はと言えば、携帯アプリで躾をしようとしていた私が悪い事は十分に分かっていますが、今後、どうやって接して行ったらよいか教えて頂きたいです。

よろしくお願いします。

という内容でした。

この後、いろいろお話を聞いてみると、シーちゃんママさんは、アプリで脅かして子供を動かすことをやめた後も「××しないとママやめるよ」と言ったり、「嘘をついたらおまわりさんに言う」など、子供に恐怖心を与えて言い聞かせる事をし続けておられたようです。それはアプリで感じた「この方法が最も効果的なしつけ」と感じてしまった事にあったようでした。

「どうすれば売上が上がるか」と聞く経営者ほど繁盛店を作れない

経営者の共通にして永遠の課題の一つといえば「売上の向上」ですが、「楽して儲けたい」との考えを抱いている方も少なくないようです。今回の無料メルマガ『飲食店経営塾』では飲食店コンサルタントの中西敏弘さんが、繁盛店に共通している特徴を挙げるとともに、売上が毎年前年比110%程度をクリアしているとあるお店の取り組みを紹介しています。

日々の小さな取り組みを続けられることが、とんでもない繁盛店になれるただひとつの道

「どうやれば売上が上がりますか?」

コンサルタントという仕事をしていると、昔からこの質問はたくさん受けてきました。そして、こういった質問をする人の特徴も昔から変わらないなあって最近思うようになりました。

その特徴は、「楽して売上を上げたい!」と考えているということ。

もちろん、本人的には「楽して」とは思っていないと思うのですが、でも彼らの聞きたいこととというのは、

  • ネット集客をどう活用して集客アップに繋げればいいか?
  • SNSの活用でどうやって集客を増やすか?
  • 効果的な販促はどのようなものか?

などなど、僕からすれば「小手先の対策を聞きたい人が多いようです。こんな人たちから、「メニュー構成はどう考えればいいか?」「接客のレベルアップを図るためにどんなことから始めればいいか?」「スタッフのモチベーションをあげるためにどんな対策が必要か?」などなどの、店の”ソフト面”に関する質問をしてくる人は皆無です。

それだけ、「集客だけが一番と考えているからなのでしょう。

さて、最近、すごく思うことは、繁盛店といわれることは、「小さな努力を継続できる力がある」ということです。

例えば、皆さんのお店では、ロープレをやられていますか?やっているお店はあると思いますが、きっと、月1回のミーティング時か気づいたときに、という店が多いのではないでしょうか?

僕のご支援している会社で、ロープレを毎日5分やっている会社があります。しかも、もう2年近く全店で毎日実施しています。

毎日実施するとどうなるか?驚くほど接客レベルが向上していきます。動作、表情、ふるまい、声のかけ方、お客様への対話などなどが、格段にレベルアップしていきます。

でも、皆さんは、「毎日継続することができますか?」

なかなかできる店は少ないように思います。でも、この小さな取り組みを毎日継続できるかできないか?この差が繁盛店と売れない店の差になっていると思います。

冒頭で「売上はどうやれば…」といった質問をしてくる人ほど、この小さな行動を大切にしていませんし、また、やろうともしません。売上は、お客様の満足度の結果であり、この満足度は、日々の小さな積み重ねからしか高めることはできないのです。

先述した僕のご支援している会社は、ロープレ以外にも「小さな行動」をこの3年ぐらいずっと継続して行っておられます。その結果、どうなったかと言えば、売上が常に上がり続け毎年前年比110%程度をクリア)、街で評判を得ることができる店になりました。

イチロー風に言えば、「日々の小さな取り組みを続けられることがとんでもない繁盛店になれるただひとつの道」ということなのでしょう。

さて、あなたに、小さな行動を積み重ねられる気概はありますか?

image by: Shutterstock.com

誓約書無視で客を引き抜いた元社員。裁判で受けた意外な判決は?

独立、もしくは競合他社に移った元社員による「顧客の引き抜き」が問題になることが多々あります。中には移籍前の社と交わした誓約書に批判する形で引き抜きを行うというケースも見られますが、法律的にはどのように判断されるのでしょうか。今回の無料メルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』では著者で特定社会保険労務士の小林一石さんが、そんな元社員が訴えられた裁判の意外な結末を紹介しています。

顧客情報は秘密情報?

接客業においては特にそうかも知れませんが「顧客は人店員につく」という言い方をすることがあります。例えば、アパレル業界などの「カリスマ店員」といわれる人には転勤でお店が変わってもそのお店まで買いに行く熱心な顧客がいると言われています。これはおそらく、美容師や料理人でも同じでしょう。もしかしたらみなさんも経験があるかも知れません。

ただ、ここで問題になることがあります。それは「顧客の引き抜き」です。これが、同じ会社の別のお店であれば会社全体で見れば売上は変わらないので特に大きな問題は無いでしょう(お店間でのトラブルはあるのかも知れませんが)。ただこれが他の会社のお店であったり独立したお店であったりすると大きな問題になります(これは私が以前にいた会社でもたびたび問題になっていました)。

では実際に顧客の引き抜きがあった場合に、法律的にはどう判断されるのでしょうか。それについて裁判があります。ある美容系の会社が「元社員が顧客情報を利用して別の会社で営業をしている!」として、その元社員を訴えました。

その元社員は入社時に「退職後2年間は在職中に知り得た秘密情報を利用して同市内で競業は行わない」とする入社誓約書を提出していたにもかかわらずそれに違反したというのです。ではこの裁判はどうなったか。

会社が負けました

裁判所は「この誓約書は有効」と判断しつつも「ただし、顧客情報は秘密情報にはあたらない(よって競業にはならない)」としてこの会社の訴えを棄却したのです。なぜか。それは顧客情報の管理の仕方に問題がありました。この会社では以下のように管理していたのです。

  • 顧客カルテが社員であれば誰でも閲覧が可能な状態であった
  • カルテの保管棚に施錠がされていなかった
  • 社員が私用のスマホを使ってカルテを撮影しデータ共有するなどが日常的にあった
  • 就業規則に秘密管理の規程が無かった

つまり、「秘密情報(顧客情報)を秘密として管理していなかったので秘密情報とは言えない」ということです。

いかがでしょうか。みなさんの会社ではもちろんしっかりと管理されているとは思いますが、もし上記のような管理をされていると万が一の場合は、この裁判のように判断をされる危険性があります。また、情報漏えいやトラブルの原因にもなりますし社員のモラルダウンにもつながります。

今一度、見直してみてはいかがでしょうか。

image by: Shutterstock.com

悪い印象を植え付けるだけ。業界オモシロ話が後輩指導に使えぬ訳

新しい仕事を選ぶ際、経験談や口コミが「悪い話」ばかりだと、その業界や店舗への興味を失ってしまうものです。では、どんな話題が人を惹きつけるのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では、接客販売コンサルタント&トレーナーで専門学校の講師でもある坂本りゅういちさんが、業界体験談のまとめ方にコツがあるとし、仕事内容を紹介する際に注意すべき点を記しています。

次世代にどんな話をしていくか

昨年から、ありがたいことに、専門学校で、販売の仕事の授業を任せてもらっています。私も、教壇という舞台に立つことは、初めての経験でしたので、色々と今現在も勉強をしながら、やっている最中です。

そんな中でも、やっぱり、「接客って楽しそうだな」「販売員って面白そうな仕事だなと思ってもらえるようにするには、どうすれば良いのかは常に意識しています。もしこの授業で、「接客って楽しくなさそう」「販売員になんてなりたくない」と思われたら、それは私の責任ですし、販売業界にとってもとてもよくないことになってしまいます。

で、そうならないようにするために、気をつけている、あることがあります。苦労話語りをしないということです。

私は、今現在、研修講師として仕事をしていますが、そこに至るまでに、いくらかの販売員生活を経験してきました。その生活の中では、正直、「めちゃくちゃしんどいよね」とか、「これは本当にきつかったみたいな経験がたくさんあります。販売員同士でそんな話をしだすと、もう、きりがないくらいに出てきますが、誰だってそういう経験はしてきていることだと思います。

恐ろしいことに、そういう話をするのは、みんな結構得意なんです。私もそうですが、「この時、こんなにしんどかったんだよー」なんていうのは、とても簡単で、しかも、誰かに聞いて欲しいと無意識に思ってしまうもののような気がします。

でも、そんな話を聞かされた人が果たしてその道を目指したいと思ってくれるかで考えてみると、決して良い結果には繋がらないと思うのです。「僕が接客をしていたら、こんなことがあってね。それはもう大変だったんだよ。だから、販売員って大変な仕事なんだよ。甘く見ないでね」なんて、学生に言っていたら、誰一人、販売の道に進みたいなんて思ってくれません。

だからこそ、そこにはとても気をつけていてむしろ販売や接客ってこんなに楽しいことがあったんだよこんなに良いことがあるよ、ということを伝えるようにしています。

これは、現場でも同じことが言えるのではないでしょうか。新人スタッフが入社してきた時に、「うちは、こんなお店で、こんなに厳しいことが待っている。だからあなたも、気をつけて仕事に取り組んでね」なんて言われたら、どうでしょうか。その新人スタッフは、最初から、きつい苦しい部分ばかりを耳にすることになってしまい、その後、仕事に対してモチベーションを上げることなどできなくなってしまいます。それが尾を引いて、実際にきつい場面を迎えた時には、「やっぱりしんどいから辞めます」「いや、働くの楽しくないんで」となってしまうかもしれません。

現実的にそういうお店は結構よくあって、そんな店ほど、先輩や上司が、苦労してきた話、自分たちが苦しんだ話を語りたがります。「そこから学んで、今はこんなに楽しい」というような話なら良いのですが、そうではないことが多いのです。新人スタッフのことだけでなく、誰かに新しく仕事を任せる時にも、似たような現象は起こっていますよね。

これから後進を育てていかなければいけないという時に、どんな話をしていかなければいけないのか。どんな話なら、楽しそう、やってみたいと思ってもらえるのか。ここは、かなり注意をしておかなければいけないことだと考えています。

今日の質問です。

  • 自分が先輩や上司から仕事の話を聞くとしたら、どんな話を聞かせてもらいたいですか?

image by: Shutterstock.com

法隆寺、ハローキティ、紙の規格に共通。大和比はなぜ美しいのか

この世の中に存在するあらゆる物について「美しい」と感じるとき、意識するしないにかかわらず、そこには数学的に共通するなんらかの法則が隠れているのかもしれません。メルマガ『8人ばなし』の山崎勝義さんが、黄金比と大和比(白銀比)、人が美しさを感じる2つの金属比について解説。日常においてそれらを発見することは「智の喜び」となると伝えています。

黄金比と白銀比のこと

黄金比というのがある。そのアスペクトレシオを分かり易く近似値的に表せば「1:1.618」となる。この縦横比が人間が最も美しいと感じる長方形と言われ、名刺を始め、建築(ピラミッド、パルテノン神殿)、美術(ミロのビーナス、モナリザ)等、世界中に多くの例を見ることができる。

先付けか後付けかこじ付けはともかくとして、自然界の現象の多くに見られるフィボナッチ数列もこの黄金比に収束して行くから、それなりの説得力があることも事実として認めざるを得ない。とは言え、前挙げた自然現象はほとんど螺旋として表れるものであるから、即、長方形的黄金比と直結すべきこととも言えない。

おそらく、先付け的に歴史的名建築等があり、後の世の人がそれにあやかろうと後付け的にそれを倣い、通時的観察者がそれほどのものなら何らかの理由がある筈とこじ付けたのであろう。実際、比として書いた時の面倒くささの割には幾何学的には容易に得ることができる。つまり、理論というよりは実用の比なのである。

話は少し変わるが、黄金だけが貴金属ではないのと同様に他にも貴金属比と呼ばれるものがある。それはちょうどオリンピックのメダルのように第一、第二、第三とあり、それぞれ金、銀、銅である。まとめると、

  • 第一貴金属比 黄金比 1:1.618
  • 第二貴金属比 白銀比 1:2.414
               1:1.414(所謂、大和比)
  • 第三貴金属比 青銅比 1:3.303

となる。

このうち我々日本人にとり身近なのが、大和比と呼ばれる白銀比である。この「1:√2」で表わされる比は、建築(例:法隆寺)、美術(例:鳥獣戯画)、キャラクターデザイン(例:ハローキティ)等、通時的に見ても共時的に見ても日本のものづくりと共にあると言っていいほどのものである。特に紙の規格としての大和比は世界規格でもある。

この大和比は(当然のことだが)良くできていて、例えばコピー用紙の長辺をきっちり半分になるように折るとそれまでの短辺を長辺とする相似形が得られる。実はこの相似性の継続こそがその比を貴金属化させている理由なのではないかと思うのである。

というのも、人が何かを作ろうとする時、二つに折る、二倍に展開するなどの簡単な縮小・拡大作業をしても猶縦横比のh変わらないモデュールは極めて使い勝手が良いものだからである。

前挙げた黄金比にも相似性の継続がある。白銀比(大和比)が展開式に生長して行く相似であるのに対し、黄金比(フィボナッチ数列)は螺旋式に生長して行く相似なのである。そう考えればこの黄金比が自然界に多く見出せるのも頷けるのではないだろうか。

例えば、巻貝が成長する際、古い部分はそのままでもその螺旋に沿って開口部だけ大きくすれば全体のバランスは全く変えずにサイズだけを大きくすることができる。自然は極めて合理的なのである。

人は相似が好きである。同一分野内でも分野横断的にでも、そこに相似形を見出せば智は喜びを感じる。その知性に感情が共鳴した時「ああ、美しい」と感じるのである。改めて自分の周りにどれだけの相似形を見出すことができるかやってみると楽しいのではないだろうか。

image by: RPBaiao / Shutterstock.com 

「田舎で一軒家の転貸ニーズはある?」人気コンサルに聞いた結果

読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、空き家の転貸ビジネスを始めたい人からの「空き家情報のリスト」を作る方法の相談でしたが、永江さんは、そもそもビジネスとして成立するだけのニーズがあるのかという、前段階の判断について慎重な検討を助言します。

田舎で一軒家の転貸ニーズはあるか

Question

shitumon

田舎の中核都市近郊で、一軒家の転貸を始めようと思います。『常識破りの「空き家不動産」投資術』という本を読みまして、地道に地域を回って空き家を探して交渉・契約すれば本業の傍ら、月数万円程度は稼げると思いました。

そこで地道に空き家を探していこうとは思いますが、効率を良くするために空き家情報のリストを作れないかと考えました。

公民館などを訪問してビラ配りをしつつ、道端のおばあちゃんに話しかけて情報収集をしようとは思いますが、ネットでも何か方法はないでしょうか。たとえばジモティーで「空き家を無料修繕・掃除します!」と募集をしようとは思っています。

少々、広告料は払っても転貸契約ができればいいので、何か近隣の空き家情報リストを作る方法はないでしょうか?

永江さんからの回答

ご質問にある本は読んでいないのですが、人口が減って田舎に空き家が急増している中で借り手を探すのは難しいので、簡単には成り立たないビジネスモデルだと思います。

まず前提として、いま地方は人口が急減して空き家で溢れています。自治体も空き家が増えると荒れて困るので、無料で住んでくれる人を探している程です。各自治体が「空き家バンク」を運営しているので、これを見るだけでも空き家が相当量あることが分かります。東京に近い埼玉県でもやっているのでどこの地方でも同じでしょう。

参考:
市町村空き家バンク – 埼玉県

そもそも人口が減少して借り手がいないから空き家になるわけで、そこに住む人を探すのは困難です。ボロボロのアパートを買い上げて住めるまで修繕して生活保護世帯に貸し出すようなビジネスならありですが、それはもう専門にやっている業者がいます。情報商材屋さんがセミナーしてるので引っかからないように注意してください。

なので、本一冊読むだけじゃなくてもっと現地の実態や他プレイヤーも調べて本当にやれるのか考えた方が良いでしょうね。

image by: Shutterstock.com

中国を笑えるのか。静かに、しかし確実に監視社会化するニッポン

今や全世界が知るところとなっている、街頭カメラを駆使した中国の監視社会化。共産党一党支配と併せて日本や米国では否定的に報じられていますが、果たしてその報道は正しいと言えるのでしょうか。ジャーナリストの高野孟さんは今回、自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で、中国監視社会の「別の一面」を記した書籍の内容を紹介しつつ、現在日本でなされているマイナストーンの記事や報道を、「控えめに言ってもミスリーディング」と切り捨てています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2019年10月21日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

偏見のレンズこしに中国を見るのはもう止めにしよう――梶谷懐・高口康太『幸福な監視国家・中国』を読む

前号で、日本経済新聞の編集委員が何のためらいもなく「民主主義国家ではない共産党一党支配の中国と表現し米国や日本を脅かす深刻な体制間競争の相手であると規定していることを紹介した。「共産党一党独裁なのだから民主主義国でないに決まっているだろう」と言わんばかりの勢いだが、その独裁国=中国の習近平主席がモデルにしているのはシンガポールだと言われている。

さて、ここで質問ですが、シンガポールは民主主義国なのかそうでないのか。周知のようにこの国では、与党=人民行動党がかつては国会の全議席を独占していたが、80年代以降は野党が1~数議席を占めるようになり、現在は89議席中6議席を野党に譲っているものの、事実上の一党独裁である。政府への不満や民族対立を煽る言論・表現は禁止で刑事罰の対象となり、結社の自由も集会の自由もない。そうであるにもかかわらず、ではなくて、そうであるからこそ高度経済成長を続ける典型的な開発独裁体制である。中国も、たぶん今では共産主義の理想を追っているのではなく、改革・開放以来、共産党という統制のとれた巨大組織を開発独裁の手段に転用して市場的社会主義の実験に活用しているのだと捉えるべきである。

あるいはロシアはどうなのか。一応自由な選挙が行われ、国会には4つの政党が議席を得ているが、プーチン大統領の強力な独裁の下にある。これは「民主主義国」側なのか「非民主・独裁体制」の側なのか。そもそも、複数政党制であれば民主主義国とみなされるというのは本当なのか。逆に、一党独裁でもそれなりの民主主義が実現するということもあるのではないか。

ちょっと一拍置いてこういうことを思い巡らせてみることをしないで、鬼の首でもとったかに「民主主義国家ではない共産党一党支配の中国」と隣国を敵扱いするのは、20世紀の冷戦思想の後遺症以外の何物でもない。

重いテーマが世界の時流。今年のNo.1台湾ドラマは『悪との距離』

今年も台湾のテレビ番組を表彰する「ゴールデン・ベル・アワード」が開催され、無差別殺人事件を題材とした連続ドラマ『悪との距離』が最多6部門を受賞しました。紹介するのは、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で台湾出身の評論家・黄文雄さん。台湾に限らずドラマや映画のテーマが重くなっていると、各国の話題作をいくつか取り上げ、その背景を論じます。

【台湾】台湾で話題の映画・ドラマ紹介

「悪との距離」が最多6部門受賞 台湾のテレビ番組賞 第54回金鐘奨

台湾で「第54回ゴールデン・ベル・アワード」(電視金鐘奨)授賞式が行われました。これは、より多くの支持を得たテレビ番組および関係者を表彰するものです。

今年、やはり最も注目されるのは連続ドラマ作品賞でしょう。今回は、『我們與惡的距離(悪との距離)』が最多6部門の受賞で圧巻でした。このドラマは、ある無差別殺人事件を題材とし、加害者、被害者、支援者、メディアなど様々な立場の人々の視点を通じて、「悪との距離」を考察した社会派ドラマです。人気俳優の温昇豪が出演していたことも人気を得た一因でしょう。

このドラマのテーマは、日本、台湾、韓国などの東アジア各国が共通して抱く課題です。韓国では、実話に基づいた子供の虐待を描いた映画『虐待の証明』が大ヒットしたそうです。虐待を受けて成長した女性が、ある日、被虐待児と出会い、その子を守ろうとするという内容です。虐待シーンや主人公の壮絶な人生など、全編通して重い内容です。日本では11月15日に公開予定だということです。

虐待被害者が痣だらけの少女と出会う…実在事件を基にした衝撃作が日本公開

また、アメリカ映画で現在世界的ヒットとなっているのが『ジョーカー』です。この話もとても悲惨です。現在日本でも公開中なので、あらすじを詳しくは書きませんが、社会から見放された男が、殺人をきっかけに狂気に走る話だということです。

『ジョーカー』、『ダークナイト』比251%で圧倒的No.1「ガツンと心に残る」

NY在住日本人社長が10年ぶりの香港のタクシーで感じた変化と持続

11月でニューヨーク在住20年になるという米国の邦字紙『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんが、自身のメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』で、3週間に亘ったアジア出張記を届けてくれました。第1弾の今回は、ラスベガスを経由しての香港到着まで。NY以外で感じる車社会アメリカの実態と、10年ぶりとなった香港の空港からのタクシーで感じた変化、そして10年経っても変わらない部分を伝えています。

秋のアジア出張

来月、在ニューヨーク20年目に突入します。自分だけは「アメリカ暮らしの変な日本人」にならない自信がありました。大人になってからアメリカに渡ったから。これ以上ないほど、日本人だと自覚しているから。ただ…20年も経つとどうやらそうとは言い切れないようです。あきらかに浮きまくった、ラスベガスー香港ーマカオを経由した、日本出張記をお届けします。

翌日、飛行機に乗るくせに、新日本プロレスのニューヨーク大会のうちあげに参加、でっかいレスラーたちと飲んで、おつかれさまして、タクシーに乗った頃にはうっすら明るくなっていました。

うちあげに一緒に参加したうちの社員、20代の女性インターンは、たまたまスーパースター棚橋弘至選手の前の席に座り、あまりのカッコよさにぽーっとなり、帰り道、家路とはまったく真逆の方向に行く僕のタクシーに何も考えず乗り込んでくるほどでした。バカなのか?到着してから、また逆方向へのタクシーに乗せました。余計な経費をかけた彼女に反省の色はなく、お酒の入った顔で「タナハシ、カッコよかったぁ~」とつぶやいて帰っていきました。明日から3週間の海外出張、社長、気をつけてー、のひとこともないまま。

シャワーを浴びて、うとうとベッドで仮眠をとったら出発です。子供が生まれる前は出張、特に母国日本へのビジネストリップは楽しいイベントでした。今は、結構、キツイ。幼稚園に通い始めたばかりの双子と離れるのは、結構、せんちめんたるになります。でも、仕事なので仕方ありません。今回は、日本に行く前に、一回ラスベガスに寄り、そのあと香港にも寄ります。3週間分のスーツケースは50キロを超えています。完全に体力勝負です。30代には意識することすらなかった自身の体力を疑いまくりです。大丈夫か、おじさん。