医師が警告。糖尿病患者の関節異常は「糖尿病性手関節症」も疑え

糖尿病で恐ろしいのはさまざまな合併症を引き起こすこと。そして、糖尿病が引き起こす疾患のすべてが解明されているわけではありません。メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』では今回、最近になって注目されている「糖尿病性手関節症」を紹介。まだ医師の間でもあまり知られていないようで、糖尿病を患う人が指や肩の関節に異常を感じたときには、医師へ相談した方がいいようです。

糖尿病には数々の合併症が。関節の病気も

糖尿病が増えています。それに伴って、慢性的に血糖のコントロールが不良な糖尿病ではさまざまな合併症が起こりますので、糖尿病の合併症も増えています。このうち、心筋梗塞や脳梗塞、末梢動脈疾患などをきたす動脈硬化症の病気に加えて、糖尿病特有の合併症である腎臓、神経、眼の合併症が問題です。

腎臓では糖尿病性腎症をきたし、慢性腎不全では透析導入が必要となります。神経では糖尿病性神経障害と呼ばれ、末梢神経や自律神経が侵され、手足のしびれや起立性低血圧などをきたします。眼では、糖尿病性網膜症で失明することがあります。

このように、糖尿病の合併症では、腎臓、神経、眼を侵すものが有名ですが、体の他の組織を障害する病気が最近注目されています。それは関節の障害です。主な症状は関節の可動域の制限です。指や肩の関節が好発部位です。関節周囲の皮膚が厚く硬くなりますので、ものをつかまえたり、握ることができにくくなったり、肩を上げることができにくくなったりします。

糖尿病性手関節症とは?

糖尿病で関節の可動域が制限されるのは、長期間にわたって血糖が高くなった人でみられます。血液中のブドウ糖が関節周囲の組織に存在するコラーゲンというタンパク質に結合し、異常なコラーゲンが増加して、関節とその周囲の皮膚が硬くなるものと考えられています。

この糖尿病の合併症は、指の関節にくることが多いので、糖尿病性手関節症と呼ばれています。しかし、この病気が注目されてきたのは最近のことであり、医師の間でも意外と知られていません。そのため、内科や整形外科の医師の元で別の疾患と思われていたケースもあります。特に、鑑別に紛らわしい疾患には、関節リウマチや強皮症などの膠原病、そしてパーキンソン病などがあります。

最近、私のセカンドオピニオン外来で診た患者さんは、60才代男性で会社の社長さんでした。仕事が忙しいために、ここ数年間は健診を受けていなかったとのことでしたが、最近から全身の関節に硬さがみられていました。他の病院を受診すると、パーキンソン病の疑いがあるといわれ、パーキンソン病のお薬を勧められていました。そこで、この患者さんにある診察をすることで、糖尿病性手関節症であることがわかりました。

祈祷者徴候とは?

糖尿病性手関節症によく見られる診察所見に、祈祷者徴候があります。これは簡単な診察であり、祈るときの祈祷者のように、単に両手を合わせてもらい、これを観察するだけです。このときに指の関節が伸展できないために、両手掌をきちんと合わせることができないのです。英語サイトですが、参考写真はこちらです。
http://clinical.diabetesjournals.org/content/19/3/132.figures-only

私のセカンドオピニオン外来に訪れた患者さんをこのように診察してみると、パーキンソン病特有の関節の固縮はなく、関節可動域の制限があることがわかりました。血糖を調べてみると1デシリットルあたり約300ミリグラムとかなり高く、ヘモグロビンA1cも約10パーセントであり、長期間糖尿病にかかっていたのです。糖尿病は、高血圧のように、長期にわたり症状が出ないことが多いので、健診では血圧と血糖を調べてもらうことをお勧めします。

この患者さんには、血糖コントロールの重要性を説明して、糖尿病の治療をスタートしました。関節の症状に対しては、関節の可動域を正常化させる理学療法を受けることをお勧めしました。

糖尿病では手関節症以外にも、糖尿病に特有の病気ではありませんが、さまざまな手の症状をみることがあります。これらには、ばね指(指の腱鞘炎による弾発指をきたす)、デュプイトラン拘縮(手掌腱膜が肥厚・収縮し、皮下の硬結、手指の屈曲拘縮、伸展障害をきたす)、手根管症候群(正中神経が手首で圧迫されてしびれや握力低下をきたす)などがあります。糖尿病を持つ人が手に異常を感じたら、かかりつけ医に相談しましょう。

文献
Yoganathan K et al. Prayer sign due to diabetic cheiroarthropathy. BMJ 2017; 359: j4878

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カシオ、売上半減の大ショック。何が名門企業を追い込んだのか?

「創造 貢献」を社是に、これまで数々のヒット商品を生み出してきたカシオ計算機が窮地に立たされているようです。今年1月末には1946年の創業以来初の早期退職優遇制度の実施を発表、さらに19年3月期の連結売上高がピーク時に比べ半減するなど、事態は深刻です。何が同社をここまで追い詰めたのでしょうか。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが自身の無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』で、その理由とカシオが解決すべき2つの課題を記しています。

売上半減のカシオが抱える2つの課題

「Gショック」で知られるカシオ計算機が創業以来初となる早期退職者の募集を始めたことが大きな話題になった。

1月31日、国内の営業部門、勤続10年以上の45歳以上の社員など約700人を対象に早期退職者を募集することが発表された。200人程度の募集を想定していると複数のメディアが報じている。2月12日から3月15日まで募り、退職予定日は6月20日とする予定。募集に応じた社員には通常の退職金に加え、特別退職金を支給する。

同日発表の2018年4~12月期の連結決算は、売上高が前年同期比5.7%減の2,182億円、本業のもうけを示す営業利益は3.4%増の224億円だった。最終的なもうけを示す純利益は14.7%増の169億円だった。

同社は19年3月期の連結売上高を前期比1.7%増の3,200億円と見込んでいるが、ピークの08年3月期6,230億円の半分に縮小している。売上高の落ち込みは08年のリーマン・ショックに端を発した景気の低迷が引き金となったが、理由はそれだけではない。市場環境の変化の波にのまれたことやGショックに代わるヒット商品を生み出せなかったことも大きい。このような状況のため、早期退職者の募集を実施するなどして立て直しを図りたい考えだ。カシオは今、大きな変革が求められている

カシオは立て直しに向けて、昨年5月にコンパクトデジタルカメラ市場からの撤退を正式に発表した。同社はGショックなど腕時計事業と電卓や電子辞書など教育関連事業が収益の柱となっているが、デジタルカメラ事業は市場の縮小などにより収益が悪化し「お荷物」となっていた。同社は同事業の採算を抜本的に改善することは難しいと判断し、撤退を決めた。18年3月期決算に資産廃棄などに伴う特別損失46億円を計上している。

カシオは1995年に一般消費者向けで世界初となるカラー液晶モニター付きデジカメQV-10を発売。撮った画像をモニターでその場で確認できたり、気に入った画像をパソコンに取り込んで保存できることなどが受けヒットした。02年には厚さがわずか1センチ強で胸ポケットに収まる名刺サイズのデジカメ「EXILIMエクシリム)」を日本で売り出し、わずか2カ月で増産が決まるほどの人気商品となった。最近では、11年から売り出した自分の顔を見ながら撮影できる「TRシリーズが自撮りできるデジカメとして中国でブームを巻き起こしている。

このようにカシオは革新的なデジカメを世に出してきた。かつてキヤノン、ソニーと並んで「デジカメ御三家」と呼ばれることがあったほどだ。だが、競合が台頭し競争が激化したほかスマートフォンの普及でカシオのデジカメ事業は次第に苦戦するようになった。

国内のデジカメ市場は急速に縮小した。カメラ映像機器工業会によると10年に1,057万台だった出荷台数は18年には284万台まで減った。わずか8年で73%も減った形だ。TRシリーズも自撮りブームが一巡すると苦戦するようになった。こうした流れにカシオも抗うことができず、18年3月期のデジカメ事業の売上高は前期比34%減の123億円と大きく縮小し、営業赤字は5億円から49億円に膨らんだ。今後の回復も見込めず、撤退に追い込まれた格好だ。

日本のために首脳会談を決裂させたトランプが目論む「皮算用」

非核化を巡る条件が折り合わず、事実上の決裂となった米朝首脳会談。事前の日米首脳電話会談で、完全なる非核化を強く求めた安倍首相の意見が取り入れられたとも言われていますが、その「代償」は小さくないようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者の津田慶治さんが、今月中にも始まるとされる日米通商交渉でトランプ大統領が「北朝鮮への非核化要求を日本との取引カードに使う」とした上で、相当に厳しい要求が来ることを覚悟すべきと記しています。

非核化と日米通商のバーターか

米朝首脳会議は決裂し、次の話題は米中首脳会議と日米通商交渉に移っている。日米株価は上昇しているが、今後はどうなるのであろうか検討しよう。

日米株価

NYダウは、12月26日21,712ドルまで下がり、PKOなどで2月6日25,439ドルまで戻した後、2月25日26,241ドルまで上昇し、3月01日26,026ドルになる。

ライトハイザー通商代表が、中国との交渉で構造改革部分でまだ交渉が難航していると発言して、今までの米中通商交渉楽観論が少し遠のいた。しかし、パウエルFRB議長の利上げを当分しないという議会証言で、適温相場に戻ったような雰囲気が一層濃厚になっている。まるで、FRBの政策目標が、株価安定のためであるかのようだ。FRBは、雇用安定、物価安定が二大目標としていたので、三大目標に変更したような感じにもなっている。

NYダウと連動して動く日経平均も、12月26日18,948円になり、12月27日にPKOを行い20,211円まで戻して、その後も上昇して3月01日に21,625円まで上昇した。こちらも22,000円に迫る上昇であり、上昇が止まらない

日米ともに、景気後退の方向であるのに株価だけは上昇ということになっている。円ドルの為替相場は、レンジ・ブレイク・アウトして円安ドル高になった。このため、3月1日の日経平均が上昇したのは、円安になったからである。ドルベースでは株価が下がり、買いが入ったようである。

株価上昇に伴ない、先行き下落と見る人が多いので、インバース系の持ち高が極端に増えていることで、ある投資銀行は、逆に積極的に買いに走り、買いの半数を占め、株価を踏み上げてインバース系持ち株の投げ売りを狙っているように見える。この状態で投げ売りが出ると、極端な株高になる。

また、ゴールドマン・サックスは、1月が底であり景気は持ち直したとも述べている。そして、投げ売りが出た時点で、ピーク株価になると見る。この動きから、最高値26,951ドルを越える可能性も出てきたように感じる。

米国も日本も国債などの債務残高が大きく、米国は今後も赤字幅が拡大していくが、国債などの債務残高を増やす方向である。米国の債務残高は2,200兆円であり、日本は1,100兆円である。どちらも債務残高が大きいが、金利を抑えることでデフォルトしないようにする。今、米国は先行きの景気が落ちると見て、国債の長期金利が下がり、金利負担が少ないので国債依存を高めるようである。しかし、金利上昇したら、FRBは量的緩和政策を即座に取り、金利上昇を抑える必要がある。

そして、大規模な財政出動を行い、景気を維持して株価を高値安定にしたいようである。日本は30年もこの政策を続けているが、デフォルトしていない事が証拠と、米経済学者は言っている。今の所、成功しているが、大丈夫なのであろうか?

ジム・ロジャーズ氏はもし、このバブルが崩壊したら、2008年のリーマンショックより相当に大きな世界的な経済崩壊になると言って警告している。ガンドラック氏も、遅くても2020年から2021年に債務危機が来ると言っている。

金正恩の姑息な作戦に乗らず。米朝首脳会談が成功と言える理由

世界中が注目する中、「非核化」について歩み寄ることなく決裂に終わった第2回米朝首脳会談。その結果については様々な評価がなされていますが、国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、米朝双方の主張の明確な内容が明らかになった事自体が収穫で会談は「成功」だとし、その理由を詳しく解説しています。

なぜ米朝会談は【大成功】といえるのか?

皆さんご存知と思いますが、トランプさんと金正恩は2月27日、28日、ベトナムのハノイで会談しました。これも皆さんご存知と思いますが、合意には達しなかったのですね。なぜ?トランプさんは、解説しています。BuzzFeed JAPAN 2/28から。

<トランプ大統領の発言要旨>

  • アメリカが望んだ非核化についてある程度は認める用意があったようだが、我々が求めているレベルではなかった
  • 北朝鮮は完全な経済制裁の解除を求めてきたが、アメリカはそれに応じることはできない。我々は何も譲歩していない
  • 寧辺の核施設の廃棄だけでは十分ではない。アメリカはより多くを求めている。アメリカとしては制裁を解除したいという気持ちはあるが、そのために今回の条件は飲めなかった

というわけで、「交渉決裂」となったのです。

2018年6月12日に、初の米朝首脳会談が行われた時、ほとんどすべての人が「完全な失敗だ!」と宣言していました。なぜかというと、「CVID」(=Complete, Verifiable, and Irreversible Denuclearization、完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄)の約束を得ることができず、非核化までの具体的スケジュールも決まらなかったからです。

しかし、私は、「そんなもん一度の会談で決まるはずがなく、会談は成功だ」と書きました。この後、北朝鮮は核実験もミサイル実験も止めました。安倍総理がトランプさんを「ノーベル平和賞に推薦した理由」だとされていますが。実際2017年は、核実験、ミサイル実験で、戦争の危機に怯えていた。しかし、2018年6月の米朝首脳会談後は、皆心穏やかに眠れるようになったのです。

米朝、それぞれの思惑

一体、トランプと金は何を望んでいるのでしょうか

トランプさんは、いうまでもなく「完全な非核化」です。過去を振り返ると、アメリカ大統領は北にだまされてきました。1994年、北朝鮮は「核開発凍結」を確約し、見返りに軽水炉、食料、毎年50万トンの重油を受け取った。しかし、彼らは密かに核開発を継続していた。2005年9月、金正恩の父・正日は、「6ヵ国共同宣言」で「核兵器放棄」を宣言。しかし、現状を見ればそれもウソだったことは明らか。

これらの例から、アメリカは、「完全な非核化がなるまで制裁を解除してはならないことを学んだ。それで、トランプさんはいいます。

  • アメリカが望んだ非核化についてある程度は認める用意があったようだが、我々が求めているレベルではなかった
  • 北朝鮮は完全な経済制裁の解除を求めてきたが、アメリカはそれに応じることはできない。我々は何も譲歩していない

つまり「少し非核化するから制裁解除してよ!」という過去のやり方は通用しないよと。

では、金の思惑は?金は、リビアのカダフィの例を知っています。カダフィは03年、核開発を止め、欧米と和解しました。ところが11年、欧米が支援する反体制派に捕まり惨殺された。そう、金は「核を放棄したらカダフィのようにいずれ殺される」と思っている。だから彼の作戦は、「段階的非核化」なのです。

つまり、少し非核化、少し制裁解除。また少し非核化、また少し制裁解除。「いや、ていうか、北は、『少し非核化して、『完全な制裁解除を主張したのでは?」と思いますね。トランプさんが、そういっています。しかし、北はこう主張しています。

北朝鮮外相、米主張を否定 首脳会談巡り異例の会見

3/1(金)5:13配信

 

【ハノイ共同】北朝鮮の李容浩外相は1日未明、ベトナム・ハノイのホテルで記者会見を開いた。事実上決裂した前日の米朝首脳再会談について、北朝鮮側は寧辺の核施設廃棄と引き換えに国連制裁の一部を解除するよう現実的提案をしたと主張。制裁の全面解除を要求したとのトランプ米大統領の説明を否定した。

北が主張したのは、「全面解除」じゃなくて、「一部解除だ」と。これ、どっちがホントのことをいっているかわかりませんが。まあ、どっちでもいい。実をいうと、「一部解除全面解除そう大差ない

今、北朝鮮は中国とロシアからの支援でなんとかサバイバルしています。しかし、それは国連安保理の「制裁違反」なので、「大っぴら」にできないし、「大々的」にもできない。これが「一部解除となったらどうなります?中国とロシアは、「合法的」に支援ができるので、歯止めをかけるのが難しくなる。北朝鮮は核を保有したままで経済は息を吹き返すことでしょう。

というわけで、トランプさんは、金の作戦にひっかからなかった。

【動画】これは無理だ!対向車線のトラックから外れたタイヤが…

アメリカのとある交差点を映したドラレコの映像。

右から大きなトレーラーがこちらに向かって左折しようとしているのだが・・・

 

 

対向車線のトラックの左後輪から外れたタイヤが、一直線にこちらに向かってくる!

ドライバーも気づくが、一瞬すぎて避けることもできずにそのまま衝突してしまう。

その後路肩に寄せて車を降りるドライバー。どうやら車の前部分が破損してしまったよう。

これがもしもっと大きなトラックの、巨大なタイヤだったらタダではすまなかったかも・・・ドライバーたちが無事で良かった!

 
(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:YouTube(ViralHog)
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

 

記事提供ViRATES

相手がバカにしか見えない「専門性エリート」が高めるべきもの

現代のビジネスでは「特定分野に関する知識と経験」がものを言うのは間違いありませんが、同時に「組織は人間でできており、そして人間は感情の生き物」であることも忘れてはいけません。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、20代のうちに専門性を身に付けることの大切さを論じつつ、同時になぜ人間性を磨くべきかについて力説しています。

人間性プラス専門性を高める

ちょうど私がサラリーマンだった頃に、スペシャリストなる表現が定着しまして、これからはゼネラリストではなくスペシャリストの時代だなんて言われたモノです。

ゼネラリストというのは、かつての高度成長期で出世した人のことで、ひとつのことに飛び抜けて知識や経験、スキルがあるのではなく、どんな業務もそれなりにそつなくこなす全く知らない分野を極少化した人たちのことです。その対語としてスペシャリストという人がいて、これはひとつのことに特化して、そればかりを何年も研鑽を積み、スキルを磨き上げ、プロとしてこれをやらせたら私が一番と言われるような努力をする人なんですね。その代わり、その専門性の枠外のことにはほとんど知識がなくて、つまりはその専門的な分野以外の仕事はアサインできないという人たちのことです。

で、21世紀になって、このどちらを目指すべきかと言われたら、これはもう結論が出ています。役人以外の民間の業務なら、まずは何かひとつ専門性を身に付けてこれをあるレベルにまで高めるというのが、20代でやるべきことなんです。20代で何かの分野で、偏差値60を超えるような知識と経験、スキルを身に付けるというのが、若手に私がアドバイスすることです。

これにはいくつか理由があります。

ひとつには20代というのは、知力と体力がこれからの社会人生活でマックスですから、ここで何かひとつのことに特化して打ち込んで、これを身に付けるというのは、年代的にふさわしいんですよ。50歳になってからそんな分野を作ろうとしても、老犬に芸を仕込むようなモノですから。

もうひとつの理由は、どんな分野でも偏差値60レベルになったと評価されるレベルまでやると社会人としての学び方の軸が出来るんですよ。素人から始めて、何をどのような順序でやったら、どういう壁にぶつかって、それをどう乗り越えたかみたいな経験値って、これからの学びに非常に役に立つんですね。それを早いうちに身に付けるのって、有意義なんですよ。

理想的には20代でなんとなく学びの目星を付けて30代になったらそれを水平展開するもしくはもうひとつ別の分野の勉強を始めるというのも良いと思います。グーグルではこれをπ思考(二つの専門分野を横に繋いで有機的に結びつける)と呼んでいるようです。

日本という国に誇りが持てる子を育てるため、大人がすべきこと

「国を大切に想う心」を持つことは当たり前のことではありますが、ではどのようにして養えばよいのでしょうか。今回の無料メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』では著者で現役教師でもある松尾英明さんが、教育基本法の精神に立ち返り、まず自分を尊重し仲間を気遣い多様性を認めること、そして身近なコミュニティを大切にすることが出発点になると記しています。

集団も大切にする

先日の教育者モラロジーでの学び。

国家が不安定になる国民が不幸になるというお話があった。論理的に考えて、当然のことである。ここに関連しての気付き。

国を大切にしよう、というのは、右だ左だという思想の問題ですらない。自分の所属する集団がピンチになれば自分もピンチになるから大切にしようという単純な話である。

逆に、国家を転覆させようという運動が盛んになっている国もある。そもそも政権が不安定すぎる状態である。国民の大方が既に不幸な状態なのである。

日本という国が世界から信用を失いそっぽを向かれたら借金すらできなくなって崩壊である。例えば国内で国家転覆をはかるクーデターが盛んに行われるようになったと世界中に知られたとする。あるいは、日本人は不真面目で働かず、国に税金もまともに払わない、個人主義のわがままな人間の集団だという評判が流れるとする。この時点で、世界から見捨てられ、外的な力によって確実に国が終わる。国民が国を大切にしなかった結果として国民みんながとんでもない不幸な目に遭う

莫大な借金があってもやっていけているのは、偏(ひとえ)に根強い「信用」の一点に尽きる。日本という国家、ひいてはその真面目で誠実な国民性への信用が換金されている状態といえる。金貸しは返す気と能力がある上に安全と判断できる相手にしか金を貸さないものである。

教育基本法の第1条教育の目的)を引用する。

教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

この目的に沿って子どもを育てるというのは、国と国民そのものを守ることにつながる。世界の信用に足る国民の育成である。

それは単なる「便利な子」。本当に「自立」した子どもの育て方

「部屋の片づけができない」「宿題も自分からやらない」…。親としては気がかりですが、実はそれほど心配する必要はないようです。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等さんが、自立心を育てるためには、苦手なことをつつくのではなくむしろやりたいことを応援してあげるのが親の役目だと記しています。

大人はみんな「自立」の意味を勘違いしている。本当の自立とは?

子どもを自立させたいと、親たちはよく言います。

「うちの子は毎日同じことで叱られている。何度言ってもできない。言われなくても自分でできる子にしなければ。ちゃんと自立させなければ」。

そこで、考えてもらいたいのですが、自立とは何でしょうか?わが子にとって、あるいは人間にとって、本当に必要な自立とは何なのでしょうか?みなさんは、それについて考えたことがありますか?

失礼ながら言わせていただけば、たいていの親は1分間も考えたことがないと思います。みんなが言うことや本や雑誌やテレビで見聞きしたことを、そのまま受け入れて思考停止状態になっています。

親たちが漠然と思っている自立とはこういうことです。

朝は自分で起きて、自分で顔を洗って、食事をしたら自分で歯を磨き、自分で着替えて、自分で学校の支度をして…。帰ってきたら自分でうがいと手洗いをして、遊ぶ前に自分で進んで宿題をやり始め、次の日の支度も自分でして、玩具で遊んだら自分で片づける、整理整頓がバッチリできる…。

いちいち親に言われなくてもこういった生活習慣的なことが自分でできるそれを自立と呼んでいるのです。

本当の自立とは自己実現力があること

でも、本当はそんなものは自立ではありません。それは、親たちがやらせたいことを自動的にやってくれる便利な子というに過ぎません。自立ではなく自動化です。親たちの望み通りに動く、親たちにとって都合がよい、手のかからない育てやすい子というに過ぎないのです。

もちろん、そういった生活習慣的なことはできたほうがいいです。できるにこしたことはありません。でも、実は、今できないことがあってもそれほど心配することはありません。なぜなら、本人がその気になれば一瞬にしてできることばかりだからです。

本当に大切な自立とはそういったものとは全く別ものです。ある意味で正反対かも知れません。

本当に大切な自立とは、自分がやりたいことを自分で見つけて自分でどんどんやっていくということです。つまり、自己実現力のことなのです。「自分がやりたいこと」を「自分で見つける」のです。親がやって欲しいことではありません。自分の人生を自分で展開するということです。そのために人は生まれてきたのです。それができる人が本当の自立した人間です。

そして、それは大人になって急にできるものではありませんなぜならその人の生き方そのものだからです。子どもの頃からさんざん「そんなことはやめて、これをやりなさい」と言われ続けて大人になり、そこで急に「あなたはなにをやりたいの?自分のやりたいことを自分で見つけなさい」と言われてもできるはずがありません。

心を奮い立たせる一言。黒四ダム建設に命をかけた男・太田垣士郎

現在では観光客で賑わっている黒四(黒部)ダムですが、建設計画が立ち上がったころの現場は、まだ高度な登山技術が無ければたどり着けない秘境の地でした。建設資金を調達し、山間部の奥地までいかにして建築資材を送り込むか、などの難題に取り組んだのが、当時の関西電力社長・太田垣士郎です。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、関西の電力不足を解消した、太田垣社長の先見性に満ちた手腕を紹介しています。

言葉から滲み出る「経営者の格」

北アルプスの奥地にそびえる黒四ダム。その規模の大きさと建設の困難さから、実現不可能とも言われていました。その大事業に果敢に挑んだのが、関西電力初代社長の太田垣士郎でした。

どんなリスクが待ち受けていようとも、信念を持って臨むその姿には、経営者としての格違いを感じさせられます。

志ある者、事竟(ことつい)に成る 北康利(作家)

発足間もない関西電力には難問が山積しており、太田垣の社長就任はまさに飛んで火に入る夏の虫であった。しかし彼は、とりわけ深刻な電力不足に対応するため、戦前に頓挫していた丸山ダムの建設再開や、多奈川火力発電所の建設などの大きな決断をする一方、徹底した経費節減によって、後に九つの電力会社で随一となった経営基盤の実現へ道筋をつけていった。

そうした中で決断に至ったのが、黒四ダムの建設であった。

黒四は人跡未踏の地に一大ダムを建設しようとする試みである。北アルプスにそびえ立つ立山連峰と後立山連峰の間のV字谷が黒部峡谷であり、高度な技術を持つベテラン登山家以外足を踏み入れたことのない秘境。それはまさに想像を絶するほど過酷な現場であった。

戦前にもその構想はあったが、工事の難しさと費用が膨大に上ることから着工の目処が立たなかった。とりわけ懸案になっていたのが、奥地にある建設現場へ大量の建設資材をいかに運び込むかということであった。これに対し、北アルプスの真下に長さ3.5キロのトンネル大町トンネルを掘り、鉄道のある長野県大町市からダム建設現場まで一気に結んでしまおうという提案が上がり、太田垣はそれに懸けることにしたのである。

役員会では様々なリスクが指摘されたが、太田垣は言った。

「経営者が10割の自信をもって取りかかる事業。そんなものは仕事のうちには入らない。7割成功の見通しがあったら勇断をもって実行する。そうでなければ本当の事業はやれるものじゃない。黒部はぜひとも開発しなきゃならん山だ!」

この言葉に心を奮い立たされた役員から、もう消極的な意見は出なかった。