メンツ丸潰れ。ペロシ訪台で苛立つ習近平政権に懸念される大暴発

何よりもメンツを重視すると言われる中国。再三の牽制にもかかわらず行われたペロシ米下院議長の電撃訪台は、そんな中国社会における習近平国家主席のメンツを完全に潰すものであったようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、ペロシ氏の訪問に沸く台湾の様子や中国市民のネット上での反応を紹介。さらに顔に泥を塗られることとなった習近平氏が暴走する可能性を指摘するとともに、日本に対して憲法改正を含めた対中安全保障強化の必要性を説いています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年8月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。 

【中国】メンツを潰され暴走する習近平政権の行方

ペロシ氏訪台/蔡総統「民主主義の防衛線守る」ペロシ氏「結束重要」 総統府で会談

8月2日、ナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪れ、翌3日には蔡英文総統と会談しました。米下院議長の訪台は1997年のギングリッチ氏(共和党)以来25年ぶりとのことです。

ペロシ氏は、アメリカが1979年に台湾関係法を成立させたことに触れ、アメリカが台湾の味方であり続け、安全保障においてアメリカと台湾の結束を発展させてきたと述べ、これからもアメリカは台湾との約束を守り続けると述べました。

台湾ではペロシ氏が松山空港に到着してからの一挙手一投足がメディアで報じられ、また、熱烈歓迎する台湾人の「おっかけ」も現れました。彰化縣花壇郷のパン屋では、ペロシ氏が1時間台湾に滞在するごとに1パック6個入りのスフレケーキにおまけ1つ、2時間なら2つをおまけにつけるとして、話題になりました。

裴洛西在台18小時 待愈久送愈多/彰化業者霸氣 送出9千顆蛋黄酥

なお、ペロシ氏が訪台した期間、台湾高速鉄道の新左営駅の壁面ディスプレイがハッキングされ「老巫婆竄訪台灣,是對祖國主權的嚴重挑戰」(老魔女の姑息な台湾訪問は、祖国の主権に対する重大な挑戦だ)という文字が映し出されたそうです。

裴洛西訪台期間台鐵螢幕遭駭 畫面出現神秘簽名字樣

加えて、高雄のスーパーではレジ後ろのディスプレイがハッキングされ、「戦争屋ペロシ、とっとと台湾から出て行け」という文字が表示されたとのことです。

廣告螢幕單日收視900萬人次 統一超商遭駭客鎖定

これが中国当局によるものか、あるいは台湾国内の親中派によるものかはわかりませんが、情報セキュリティの専門家は、有事に国内を混乱に導くことが可能になるとして、強い警戒態勢を当局に求めました。

今回、訪台したペロシ氏は、国民党政権下で行われた台湾人弾圧「白色テロ」の関連施設である牢獄などを訪れ、さらには、習近平批判本を扱ったことで中国当局に監禁された銅鑼湾書店の林栄治氏、中国の民主活動家ウアルカイシ氏、台湾チベット亡命政府代表ケルサンジェンセン氏などと会見しました。

裴洛西赴人權園區 見證白色恐怖遺址

ペロシ氏といえば、中国のチベットや新疆ウイグルでの人権弾圧を批判し、北京オリンピックの開催にも反対を唱えてきました。中国から渡ってきた国民党と中国共産党の非道を並べることで、台湾人意識を刺激するとともに、民進党の正当性を訴える意味もあるでしょう。

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プーチンがキーウ再侵攻の準備も。ベラルーシ巻き込み戦況打開を図るロシア

ウクライナ東部及び南部の完全制圧に向け一時は圧倒的優位が伝えられていたロシア軍ですが、ここに来てウクライナ軍の巻き返しが激しさを増しているようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、欧米供与の武器により大きく変わったウクライナ紛争の戦況を紹介。さらにプーチン大統領が存在する限り戦争が拡大する可能性は否定できないとし、限定的核戦争の危機も指摘しています。

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ウ軍優勢に逆転した

ウクライナ情勢が大きく動き始めた。ハイマースにより、ロ軍の弾薬庫、指揮所、兵器保管庫など100ケ所以上が破壊されて、ロ軍の砲撃が止まり、ウ軍が反撃に出ている。今後を検討しよう。

ウクライナ東部での戦闘では、ロ軍は優勢ではなくなり、一部でウ軍に攻撃される事態になっている。勿論、大きな前進もない。

しかし、スラビアンスクの南に位置するバクムットには、ロシアの傭兵会社ワグナー部隊の攻撃で、火力発電所や小さな街を取られている。

ウ軍は、スラビアンスクの北に位置するイジューム方面では、パンカやヤレミカなどに進撃して、その近くの森に陣地を作り、ロ軍部隊を待ち伏せ攻撃している。イジューム方面ではロ軍は、ハイマースで弾薬庫、司令部、防空システム、駅などを破壊されて、補給ができない状況になり、ここに展開していた大隊戦術群(BTG)を南部やバクムット、ベラルーシに転戦させたようであるが、ウ軍も守備が薄いところをロ軍に攻撃されて取られているので、油断はできないようだ。

しかし、鉄道の拠点クビャンスクやボルチャンスクなどへの砲撃で鉄道による補給ができなくなっているようだ。このため、こちらからのスラビアンスク攻撃をせずに、スラビアンスクの東や南に位置するバクムットやリヒチャンスクからの攻撃に変化している。

しかし、この方面でもほとんど前進できていない。ワグナーが展開しているバクムットの一部で前進できているが、ほとんどでは攻撃を撃退されている。しかし、ワグナーの司令官の一人で、シリア、リビア、ドンバスと転戦してきたセルゲイ・コノノフが東部戦線で戦死したという。ワグナーも勇敢な攻撃をするので、戦死者が増えている。

東部は、ウ軍の偵察隊がロ軍の守備が甘い地域を見つけて、そこを攻撃しているようである。全般的には、東部は膠着した状況だ。

ドネツクでは、ロ軍の捕虜施設をハイマースで砲撃して、ウ軍捕虜が50人が死亡したが、誤爆のようである。このようなこともある。しかし、ゼレンスキー大統領はロシアによる攻撃としたので、その可能性もあるのかもだ。

ドネツク方面をハイマースで多くの個所を攻撃しているが、ロ軍は対応策を取れないので、このような行為で止めたいのかもしれない。今は、どちらがか分からない。

キーウ方面ではM270MLRSを投入して、ロシア領内ブリャンスク州のクリモビ基地を砲撃した。ベラルーシとの国境付近にロ軍とベラルーシ軍がウクライナのチェルニーヒウ州に侵攻の準備をしているので、その対応策であろう。

ロ軍の不利な状況を打開するために、再度、キーウへ侵攻を準備しているようである。ベラルーシ軍も巻き込むようで、戦線が拡大することになる。ルカシェンコ大統領もプーチンに逆らえなかったようだ。

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リピート率は高いのに売上が伸びない店に効く「新規客獲得」の秘策とは?

「売上を伸ばしたい」。お店を経営していれば誰もが思うことですが、思ったように売上が伸びない理由はお店それぞれ。まずは売上を細かく分析して原因を探ることが必要です。一例として新規売上とリピート売上の分析を上げるのは、船井総合研究所で史上最年少のフード部マネージャー職に就き、現在は京都で外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポートする堀部太一さんです。今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、リピート率が高いのに売上が伸びないお店に効く対策として、初めての客を惹きつける“強み”を絞り込んで訴える方法を具体的に伝えています。

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リピート率は良いのに売上が伸びない店の特徴

うちの店はこんな良さがあるのに業績がなかなか上がらないんです。このような相談は非常に多く頂きます。この時にまず把握するのは「売上の詳細」です。一番シンプルなものだと下記です。

  • 売上=新規売上+リピート売上

飲食業は前年対比で店の良し悪しを見ることが多いとは思いますが、
(昨年)
全体売上:500万円
新規売上:250万円
リピ売上:250万円

このようなお店が、
(今年)
全体売上:550万円(110%)
新規売上:350万円(140%)
リピ売上:200万円(80%)
上記の場合、手放しで喜べるか。ここは大切な視点になってきます。

今回のテーマは逆のパターンです。リピート率は高くリピート売上も伸びているのに全体としての売上が悪く利益を残せていないお店。この活性化で行うことを書かせて頂きました。

<売上を上げるために>

  • 売上=組数×組単価

これもシンプルな売上の方程式の一つです。リピート率が高いということは内部体制は良いと言えます。そのため、そもそもの組数の絶対数を伸ばす。つまり集客力をどこまで高められるか?の勝負です。

<組数を伸ばすために>

  • 組数=商圏人口×認知率×ブランド好感率×来店率
  • 組数=アクセス数×来店率
  • 組数=ポスティング枚数×来店率

組数で見ても上記のような方程式が挙げられます。上述の通り、リピート率が良いお店なのに不振ということは新規集客を伸ばす必要があります。そのためには、「認知率」を高める必要があります。

<認知率を高めるために> まず大前提として考えることがあります。それは「どのように認知されるか?」です。ここを明確にしておかないと、手段を駆使してもうまく浸透しないからです。

ただこの「どのように認知されるか?」ですが、事業規模であったり立地で変わってきます。ただ総じて言えることは、「新橋のうどん屋」「大阪のお好み焼き屋」などでは認知の分類がデカすぎると言えます。

全国展開しているなら、

  • 全店舗店内調理のうどん屋
  • 全店舗店内串打ちの焼き鳥屋
  • サードプレイスを提供するカフェ

などの表現になってきますが、局地的に勝つにはそれだと広すぎます。

局地的に自分達が何屋なのか?ここの設定が前提となります。

  • 大阪一、刺身がお得な立ち飲み居酒屋
  • 全て地産で揃えた京もつ鍋屋
  • ○県で唯一△を取り扱うとんかつ屋

など、「ここだけ」の情報は強くなります。これが「業態としての認知率」の話です。

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京セラも実践している『死に銭』を一銭も使わない方法とは?

さまざまな視点からビジネスにもプライベートにも役立つ話題を提供するメルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』。著者で、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されている尾原和啓さんには、人生で一番大事にしている格言があるといいます。家訓ともなっているその言葉の意味とは?

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家訓「死に銭一銭もつかうな、生き銭惜しむな」

今日は尾原が人生で一番大事にしてる格言についてお話したいと思います。今日まで、パリにいたんですけども、急遽、スイスのジュネーブに行くことになりました。今朝にチケットを取って、パリのド・ゴール空港に向かっています。

尾原家の家訓

実は今まで話したことがなかった、尾原家の家訓がありまして、それは「死に銭一銭もつかうな、生き銭惜しむな」という言葉なんですね。

今時あんまり使わない言葉なんですが、死に銭っていうのが、そのお金を使ったとしても、そのあとに生きてこないお金のことで、一銭も使わない。というのが、商売の基本なんですね。

これを徹底的に会社で実践していて、羽ばたいている会社が「京セラ」です。

京セラって各部署ごとに電気代とかえんぴつとか、全ての利益管理を徹底されていて、人がいないときには電気を消すとか、もっと言えば、トイレットペーパーの長さを本当に、最小にしてるのか。とか、そういう無駄なところをひたすらに削って、1銭、1円を削ることで、メーカーとしての競争力を強められ、お客様に安く提供できるようになるので、メーカーとして選ばれるようになって、業績が上がり、みんなのお給料に反映されるよ。だから、死に銭を1銭も使うな!ってことですね。

それに対して、生き銭ってなにかというと、それを使うことによって、新しく何かが生まれるお金ってことなんですね。これは金銭的な、例えば株価がすごく安くなっているから、底値で買って、お金が増えるみたいな金銭的なインセンティブの報酬というよりかは、例えば、本当に活躍するであろう人をそっとサポートしてあげる。

見返りを求めずに、いいよ!お前は絶対活躍する人間だから、サポートする、だったりとか、自分の知見が増えるだろう旅を増やすところだったりとか。将来、相手のため、世の中のため、結果として、自分に返ってきて、それがどんどん膨らんでいくっていう、お金の使い方が生き銭なんですね。

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世界が注目。韓国陸上界の生ける伝説・禹相赫が語った『覚悟』とは

走り高跳びの世界ランキング1位にのしあがった韓国陸上のリビングレジェンド。スマイルジャンパーという愛称を持つほどに笑顔の耐えない禹相赫は、世界最高の選手だけが出場する大会を控え、何を思うのでしょうか。韓国在住歴30年を超える日本人著者がメルマガ『キムチパワー』の中で彼について詳しく紹介しています。

韓国陸上の生ける伝説_禹相赫

最近韓国の陸上界で話題なのが「スマイルジャンパー」という愛称をもつ禹相赫(ウ・サンヒョク、26)だ。

韓国陸上の生きた伝説に生まれ変わった禹相赫=国軍体育部隊=が、「夢の舞台」2022年世界陸上ダイヤモンドリーグ大会を控え、「テレビ、ユーチューブだけで見ていた試合に出場できるので、毎日夢じゃないのかと思う」とし、「とてもわくわくしている。コンディション調節をしっかりしてプレーしたい」と話した。

笑顔を振りまくスタイルから「スマイルジャンパー」という愛称で親しまれている禹相赫は、8月3日、ソウル松坡区(ソンパグ)オリンピックパークテルで開かれた大韓陸上連盟の「世界陸上選手権大会メダル獲得褒賞金授与式および世界ダイヤモンドファイナル大会出征式」に参加し、大会を控えた覚悟を明らかにした。

連盟は先月、米オレゴン州ユジンで開かれた2022世界屋外陸上選手権大会の男子走り高跳びで2m35cmを飛び、韓国陸上史上最高成績の銀メダルを獲得した禹相赫に褒賞金5000万ウォン(約508万円)を授与した。

禹相赫を発掘したユン・ジョンヒョン大田陸上連盟事務局長に250万ウォン(約25万4,000円)を支給した。このあたり、韓国らしくておもしろいところだ。ちなみに世界記録は、ハビエル・ソトマヨルの2m45cm(1993年)である。

禹相赫は昨年東京五輪4位、今年世界室内選手権優勝など国際大会を行うたびに褒賞金を受け取った

賞金と褒賞金をどのように使っているのかという質問に「軍人の身分なので使う所がなくて貯蓄している」と笑いながら答え「賞金をたくさんもらって満足です。さらに気持ちを引き締めて熱心にやろうと思う」と述べた。

暴露系ユーチューバーで参議院議員。ガーシーって一体何者なの?

暴露系ユーチューバーとして話題となり、参議院選挙に出馬、当選を果たしたガーシーこと東谷義和氏。突如現れた彼は、一体何者なのでしょうか。今回のメルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』では、著者である本のソムリエさんが彼の今までの軌跡を語った一冊を紹介しています。

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【一日一冊】死なばもろとも ガーシー(東谷義和)

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死なばもろとも

ガーシー(東谷義和) 著/幻冬舎

ガーシー(東谷義和)って何者?と手にした一冊です。ギャンブルで数億円を失い、友人からの数千万円の借金も溶かしてしまい、さらに韓国人俳優と会わせると約束して女の子から集めた数千万円もギャンブルに使ってしまったという。

カネがない!絶望して自殺を覚悟して雪山に出かけると、山は雪解けしていて死ねなかった。死を覚悟して死ねなかったガーシーはひろゆきや、カルロス・ゴーンと同じように海外逃亡することにしたのです。

そして海外の逃亡先で、これまでに経験した芸能界の闇を暴露する「ガーシーチャンネル」をYouTubeで発信し100万人以上の読者登録で、カネを稼いで借金を返すつもりらしい。

実はガーシーの父もギャンブルの借金苦で自殺しているのです。どんな家系やねん!ギャンブルをしているときのヒリヒリ感が忘れられないのだというのです。

ひろゆきには総額で30億円もの損害賠償金支払いの判決が下ったらしい。しかし、ひろゆきは一切払わず、フランスでのほほんと暮らしている(p218)

ガーシーの人生は水商売からはじまっています。

未成年時代はナンパが好きで、ナンパしたかわいい子を、カネ持ちの社長のところへ連れて行って5~10万円もらっていた。20代は、女の子をソープランドやファッションヘルスに送りこみ、報酬をもらっていたというのです。

ガーシーはアテンダー(紹介者)と表現していますが、要はナンパした女の子のリストがあり、口が固く、かわいくて、すぐにセックスさせてくれる女の子を紹介してくれるのです。かわいい女の子を物のように表現していることに、違和感を感じました。

スシロー、純利益8割減でひとり負け。客足遠のき大幅下方修正、まだまだ燻る炎上の火種

6月には「おとり広告で」景品表示法で再発防止命令、7月には生ビールの半額キャンペーンでの品切れで炎上した回転寿司チェーン「スシロー」が22年9月期の予想純利益を大幅に下方修正した。回転寿司業界でまさかのひとり負け状態。客の信頼を裏切ったスシローはこのまま失速していくのだろうか?

失った信用は大きすぎた?スシローの業績悪化

スシローを運営するFOOD&LIFE COMPANIES(F&LC)は4日、2022年9月期の連結純利益を従来予想の87億円から30億円と大幅に下方修正した。

6月には昨年9月から12月に販売されたウニやカニなどのメニューが、実際には約600店舗で9割も提供できなかったのにCMを継続していたことで、「おとり広告」として公正取引委員会から措置命令を受けたスシロー。

その後も「生ビール半額キャンペーン」の展示物を誤って前倒しで掲示し、半額だと思って飲んだ客に通常の価格を払わせたことで炎上した。

コロナ第6波が収束後は、軒並み大手回転寿司チェーンは回復基調にあり、ほとんどの会社が、前年度を上回る売上げだったが、「スシロー」だけは騒動が持ち上がった6月期からは前年度より売上げが下がり、ひとり負けの状態が続いている。

「くら寿司」は店長の焼身自殺でブラックな体質が明らかになり、「かっぱ寿司」寿司全皿半額キャンペーンで長蛇の列を作り、いずれも炎上した。

同じ炎上にしても、「スシロー」の場合は消費者を裏切っていることから、大きなダメージを受けることになったようだ。

措置命令を受け、F&LCの社外取締役や外部弁護士の調査報告書によると、企業体質に問題があり、「消費者に対する配慮を欠き、売上げを偏重する傾向があった」「コンプライアンス上の問題を上司に進言しにくい企業風土があった」と指摘している。

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おとり広告は改善したが再びやらかす可能性も?

8月になってスシローは「100円祭り第二弾」を展開中。8月3日から9日まで行われる「いくら二貫」は1週間で200万食を販売予定で、今のところ全店舗売り切れることなく販売されそうだ。供給可能な商品を広告にしており、「おとり広告」の面では改善されているとみえる。

しかし、スシローは10月には全メニューを一皿120から150円にする値上げに踏み切ると。信頼回復もなしえないままの値上げが消費者に受け入れられるのだろうか。

「大阪王将」の炎上騒ぎ同様、飲食チェーンの経営は数字だけでなく、全方向のコンプライアンスにもバランスよく気を配ることが必要だといえそうだ。

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株価も急落したスシローだが、下方修正発表の翌日にはなぜか持ち直した。株価が一番下がったときが買いのチャンスであり、「スシロー」はまだ持ち直す可能性があると予測している投資家が多いのかもしれない。

ヤクザ、右翼、統一教会。反社勢力を利用し続けてきた自民党の自業自得

旧統一教会と所属議員との浅からぬ関係が次々と明らかになり、国民から大きな批判を浴びている自民党。しかし党本部からも関係が取り沙汰されている代議士からも、悪びれる様子は微塵も伝わってこないのが現状です。なぜ自民党と国民の感情との間にここまでの乖離があるのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、自民党の「裏面史」を紐解きつつその理由を解説。さらに岸田首相の当問題を巡る一連の対応を批判するとともに、今こそ党総裁として強いリーダーシップを示すべきとの率直な意見を記しています。

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反社会的集団を利用してきた自民党の裏面史

次々と、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と関わり合った政治家の具体事例が明るみに出ている。関連団体のイベントに出席したり祝電を送った国会議員がこれだけいますと先手を打って発表した日本維新の会や立憲民主党のケースもあるが、教会との深い関係を漂わせるのは、圧倒的に自民党だ。

平井卓也衆院議員は昨夏、地元・香川で開催されたUPF(天宙平和連合)のイベント「ピースロード」で、実行委員長をつとめた。武田良太衆院議員と山本朋広衆院議員は17年2月、UPFが開いた「世界平和国会議員連合」の総会に出席、韓鶴子総裁から「それぞれ自分の国の氏族メシアになってください」とご託宣を受けた。

ほかにも、細田博之衆院議長、逢沢一郎衆院議員、萩生田光一衆院議員、江島潔参院議員、岸信夫防衛相、二之湯智国家公安委員長、末松信介文部科学相…と数え上げればきりがない。

それでも「統一教会と自民党には、組織的関係はない。個別の調査はしない」と茂木幹事長は言う。

党執行部の決定や承認を経て統一教会となんらかの関係を取り結ぶことを「組織的関係」というのなら、むろんないだろう。自民党の政治には昔からオモテとウラがあり、統一教会はウラの担当だ。統一教会の組織票を自民党が割り振っていたとしたら、それはウラの動きといえよう。

統一教会票といっても、せいぜい10万票ていどとみられる。だが、この票の強みは教会本部の号令一下、確実に決められた候補者に流すことができるところだ。その割り振りを安倍元首相がしていたという疑惑があるが、ここへきて重大な証言が飛び出した。

統一教会のイベントに2020年から3度参加した伊達忠一前参院議長は、HTB北海道テレビの取材に対し「選挙でお世話になったお礼」と、参加の目的を明かしたうえで、安倍元首相と統一教会の関係について次のように語ったのだ。

「宮島喜文。長野から出てる。これを前回(2016年の参院選)で『どうだろう?』と安倍さんが(聞いて)、『統一教会に頼んでちょっと(票が)足りないんだウチが』と言ったら、『わかりました、そしたらちょっと頼んでアレ(支援)しましょう』ということで」

「今回(今年7月の参院選)は安倍さんは『悪いけど勘弁してくれ』と。『井上(義行氏)をアレ(支援)するんだ』という話になって、宮島は辞退したんですよ」

伊達氏が同じ臨床検査技師出身であることから肩入れした全国比例候補、宮島喜文氏(前参院議員)への統一教会票の割り振りをめぐる、安倍元首相との生々しいやり取りである。どうやら、安倍氏に頼めば教会票を動かせると伊達氏は認識していたようだ。

16年の参院選では、安倍氏が教会票を回してくれたので宮島氏が当選、今年の選挙ではその分を井上義行氏に割り振ることになったため、宮島氏は出馬を断念したということらしい。

安倍氏の意向しだいで票の行き先を変えられるというのは、どうみても尋常な関係ではない。安倍事務所には、統一教会の関係者が出入りしていたとも聞く。

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打ち砕かれたプーチンの野望。ロシアの軍事的完封に成功した欧米

2月24日の侵攻開始以来5ヶ月以上に渡り、ウクライナで侵略行為を続けるプーチン大統領。西側諸国はロシアに対して厳しい経済制裁を科していますが、エネルギー問題などで揺さぶりをかけられているEU各国が早期停戦を望んでいるとの声も聞かれます。しかし、欧州が停戦を急ぐのはエネルギー供給不安が原因ではない、とするのは立命館大学政策科学部教授で政治学者の上久保誠人さん。上久保さんは今回、EU各国に戦争を継続する意義がなくなった理由と、ウクライナの徹底抗戦と領土の回復について、日本がもっとも強く支持すべき訳を解説しています。

プロフィール:上久保誠人(かみくぼ・まさと)
立命館大学政策科学部教授。1968年愛媛県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、伊藤忠商事勤務を経て、英国ウォーリック大学大学院政治・国際学研究科博士課程修了。Ph.D(政治学・国際学、ウォーリック大学)。主な業績は、『逆説の地政学』(晃洋書房)。

NATO拡大の完成により、ロシアは既に負けた

ロシアがウクライナに軍事侵攻してから5か月が経った。ロシアが、東部ドンバス地域ルガンスク州、ドネツク州の完全掌握を目指して攻勢を強めている。また、東部2州にとどまらず、南部など周辺地域の掌握も視野に入れることを表明した。さらに、東部の占領地域併合の正当化のために「住民投票」を実施する動きを本格化させるとも発表している。

ロシアは、欧米の経済制裁に対抗し、外交でも攻勢を強めている。ロシアは、中国、インド、ブラジル、南アフリカとともに新興5か国(BRICS)首脳会談を開催した。会議では、習近平中国国家主席が米欧主導の経済制裁に同調しないことをあらためて示した。

また、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領の3首脳はイラン・テヘランで「第7回アスタナ和平プロセスサミット」を開催した。

シリアの最近の状況やテロ対策強化について意見交換を行うことが目的だったが、トルコが「いかなる口実の下でも東ユーフラテス地域に米軍が存在することは正当化できず、その地域から撤退すべき」と主張するなど、米国への批判を強める会談となった。

ロシアは、BRICSや中東など、欧米が弱い多国間枠組みを活用し、その背景にいる対ロ制裁に慎重な中東やアジア、南米などの国々への影響力を強化することで、欧米に対抗する思惑があると考えられる。

一方、ロシアのウクライナ軍事侵攻が始まって以降、ロシアからの石油・ガスパイプラインに依存していない米英を中心に、欧米諸国は一枚岩となってロシアに経済制裁を科してきた。例えば、欧州連合(EU)は、ロシアからの石油の輸入を年内に92%減らすほか、ロシア銀行最大手のズベルバンクを国際的な資金決済網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除することを決めている。

その欧米諸国の間に、不協和音が生じている。ロシアが、欧州へのエネルギー供給を大幅に削減したからだ。例えば、ロシア国営エネルギー会社ガスプロムが、ドイツにつながる「ノルドストリーム1」パイプラインの流量を半分に減らし、輸送能力のわずか20%にすると発表した。そのため、今冬に欧州で深刻な天然ガス不足を引き起こす懸念が出て、欧米諸国に動揺が走っているのだ。

対中韓でも露呈。日本人の「ケンカ嫌い」が外交の弱点になる理由

しばしば「外交オンチ」と揶揄される日本ですが、それは私たちの国民性に起因する可能性が高いようです。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では起業家で大学教授でもある大澤さんが、米国の有力誌に掲載されたウクライナ戦争を巡る論文を紹介しつつ、欧米では「戦争も交渉の一形態」とみなしている実態を紹介。その上で、日本人の「けんか嫌い」が外交における弱点になっていると指摘するとともに、「柔軟かつ緻密に計算された喧嘩をする」という発想の重要さを訴えています。

この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ

 

外交ゲームとしてのウクライナ戦争

ウクライナ戦争が長期化しています。

ゼレンスキー大統領は西側にさらに多くの支援、武器の供与を求めていますが、西側は必ずしも要望に応じていません。

7月29日に米国の有力な外交専門誌フォーリンアフェアーズに「ウクライナにおけるエスカレーションのパラドックス」というオースティン・カーソン氏の論文が掲載されています。

The Paradoxes of Escalation in Ukraine

学ぶ点があります。抜粋紹介しましょう。

ロシアがウクライナに侵攻して以来、戦争の境界に関するパラドックスが浮かび上がってきた。

 

欧米諸国は、ウクライナ戦争においてある種の関与を慎重に避けている。それは、それがモスクワとの戦争をさらに誘発することを恐れてのことだ。

 

ウクライナでは、西側諸国がロシア軍を直接攻撃していないことと、各当事者がウクライナ領内での活動を限定していることの2点が、最も重要な境界線として明確である。

 

またNATOは、航空機の提供や義勇軍の組織化など、この制限の範囲内で行える関与でも、モスクワが挑発的と見なす可能性があるため控えている。

 

NATO、ロシア、ウクライナの3者がどの境界線を尊重するかしないかをめぐる複雑さは、限定戦争のルールが厄介であることを反映している。

 

境界は、歴史、地理、そしてさまざまな種類の戦時行為に影響される。双方は相手が何を許容するかを見極め、何がフェアなゲームで何がそうでないかの共通理解に収束する。

 

紛争を限定的なものにするためには、西側諸国が賢明に行ってきたように、戦争当事者は互いの境界線を徐々に試していく必要がある。

 

NATOは、西側の動きに対するロシアの反応を注意深く観察することで、ロシアのレッドラインを見極めながら、今後も緩やかなペースで関与を強めていくべきだろう。

解説

西側NATOのウクライナへの軍事支援がどの程度までなら「支援」とみなされ、どこから「ロシアの直接の敵」とみなされるのかは難しい問題です。

確かに言えることは、西側もロシアもお互いを「直接の敵」とした戦争にはしたくないという事です。NATOとロシアの全面戦争はまさに第三次世界大戦となるからです。

日本では「戦争は外交の失敗である」という言葉が有名ですが、欧米ではクラウゼヴィッツの「戦争は政治(外交)の延長である」の方が一般に介しています。

日本は我慢に我慢を重ねて、一挙に爆発する(戦争する)、パターンがあります。戦争が始まったら、あとは勝つか負けるかだけです。竹やりでも突っ込んでいきます。

そのあたり戦争を見る視点においても意識の差を感じます。

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