モノを売る側と買う側が「友人」になることで商売は上手くいく

「自分は客なのだから優遇されて当然」とばかりに横柄な態度を取っている方、結構な頻度で見かけるものですが、そのようなタイプは結局損しかしていないようです。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、売る側と買う側が「友人」となることがもたらすメリットを解説。知ってしまうととても相手に対して居丈高な態度など取れなくなる、ある意味恐ろしい「理論」です。

B2Cは友人になれたら勝ち

ここのところずっと「お友達」というキーワードであれこれ考えていたら、ふと気付いたことがあったのでメルマガにまとめてみようと思います。

これはタイトルの通りなんですけど、B2Cのビジネスが強固になるための最も理想の形は、販売する側のあなたが、売りたいと考えている相手と友人になってしまうことなんです。

誤解しないで下さいよ、既存の友人に売りなさいと言っているわけじゃありませんからね。この人に買ってもらいたいなと思う相手と、あなたが友人関係になれたら、もしくは過去に売った相手と友人の関係になれたら、これは強いんですよ。

もちろん前提として、売っているモノなりサービスなりが、ちゃんとしたモノだという話の上で、こういうことを書いているんですよ。最近はこのあたりのことまで、しつこく書かないと誤解する(というかクレームを付けてくる)人がいるので、蛇足かもしれませんがちゃんと書いておきます。

これは買う側の人にとっても同じでして、売っている側の人と友人関係になれたら、その後は非常にラクになりますから。

例えば、車を買ったとして、これがちょっと調子が悪いとか、バンパーを擦っちゃったので直したいんだよねといった場合、普通の「顧客対販売者」の関係だと、これはいきなりオフィシャルな話になるわけです。オフィシャルというのはいわゆる「お仕事」ということで、それはつまり

 ▼ かしこまりました、それではお見積もりを…
 ▼ それでしたら修理の部門に連絡をします…

みたいな話になって、最後は公平、公正かつ適正な金額と書類がついた処理をすることになるわけです。イヤイヤ、そこまで大袈裟な話じゃなくて、ちょっと見て欲しいだけなのよ、とか、ちょっと塗装に傷が入っただけだから簡単に誤魔化すワザを知りたかっただけなのよ、というのは通用しません。だってお互いがビジネスで繋がった「顧客対販売者」という関係なんですから。

鼻を木で括るとはいいませんが、厳密且つ厳格にビジネスとしてのルールと手順に則って話が進められることに、文句を付けることはできませんよね。

でもこれが相手が友人ならどうなるのか?というと、

 ● ちょっとお願いがあるんだけど、見てくれないかな

で話はお終いでしょ。まさか次の指し手で、

 ■ かしこまりました、ではお見積書を…

ってことにはならないじゃないですか。これがお友達になった場合の、お客さんの立場でのメリットです。

これと同等のメリットが、販売者側にもあるわけです。お友達なんだから、強いクレームにはなりにくいでしょうし、関係が維持されていれば、再度購入してくれる可能性も高いでしょう。もしかしたら友人を紹介してくれるかもしれません。

これはあなたが売る側であろうが、買う側であろうが、ちょっと状況をイメージしたら理解できますよね。

サムスン会長20兆遺産に韓国中が騒然。その6割を社会還元した遺志

韓国最大の財閥・サムスングループのオーナーが残した莫大な個人資産が今、大きな注目を集めています。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、遺族らが公表した遺産の配分方針を紹介。そこで明らかになったのは、20兆ウォンを超える遺産の実に60%が社会に還元されるという事実でした。

三星のノブレス・オブリージュ

去年2020年10月25日に78歳で逝去した故李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン会長。彼の遺族が発表した史上最大規模の相続税納付と歴代級の社会還元計画は、生涯を事業報国に尽力した故人が残した「偉大な遺産」と評価されている。

12兆ウォン=1兆1,700億円以上を相続税として納め、かつ1兆ウォン=980億円規模の感染病・小児ガン・希少疾患支援、そしてさらに10兆ウォン=9.800億円台と推定される美術品寄贈など、社会還元方針を公開した。相続税は税として納付し、寄付と美術品などの寄贈は寄贈としてまた別にやるというから驚きだ。以下は詳しい内容。なんともすごい規模の話なので、実感がわかないが、ネット記事を参照しながら筆者のことばで書いてみたい(「故이건희 회장의 ‘위대한 유산’..재산 60% 국가·사회에 남겼다」をベースとした。感謝)。

洪羅喜(ホン・ラヒ)夫人と李在鎔(イ・ジェヨン)三星電子副会長、李富真(イ・ブジン)ホテル新羅社長、李曙鉉(イ・ソヒョン)三星福祉財団理事長ら遺族はこの日、三星電子を通じて発表した資料で、12兆ウォン(=1兆1,700円)の相続税納付計画とともに、1兆ウォン(=980億円)規模の感染病・小児ガン・希少疾患支援、そしてさらに10兆ウォン(=9,800億円)台と推定される美術品寄贈など社会還元方針を公開した。

遺族たちが発表した税金納付と社会還元の規模は、故人が残した財産の60%に達するものと推定される。生前、三星をグローバル企業に育てあげ国家と社会に貢献した故人が、死後も「ノブレス・オブリージュ」を見せたわけだ。

遺族が納める相続税は、韓国国内はもちろん、世界的にも歴代最高額だ。昨年、韓国政府の相続税歳入規模の3~4倍の水準に達する金額でもある。

李健煕会長が昨年10月25日に死去した後、韓国の財界では他の国に比べて過度に高い相続税率を見直すべきだという指摘があった。しかし遺族は、「税金納付は国民の当然の義務であり、当然すべきこと」と明らかにした。これは李健煕会長の遺言でもある。今年4月から5年間、6回にわたって相続税を分納する計画だ。相続税の財源調達計画は発表されていないが、今月納付する第1次分は保有現金と金融機関からの融資を利用して納付するものとみられる。

遺族らはまた、故人の「人間尊重」経営哲学に基づいて、感染病・小児がん・希少疾患の克服に向け、1兆ウォンを寄付する。「コロナ19」で全世界が苦しんでいる中、人類の最大の脅威として浮上した感染病に対応し、これを克服するためのインフラ構築のために7,000億ウォンを寄付することにした。このうち、5,000億ウォンは韓国初の感染病専門病院である「中央感染病専門病院」の建設に使われる予定だ。2,000億ウォンは疾病管理庁傘下の国立感染病研究所の最先端研究所の建築および必要設備の構築、感染病ワクチンおよび治療剤開発のための諸研究支援など、感染病に対応するためのインフラ拡充に使われる予定だ。

今後10年間、小児ガン・希少疾患の子どものうち生活が苦しい患者を対象に遺伝子検査・治療、抗がん治療、希少疾患新薬治療などのための費用を支援されるわけだ。これを通じて、今後10年間、小児ガン患者1万2,000人余り、希少疾患患者5,000人余りなど、計1万7,000人余りが恩恵を受けることになる見込みだ。

心理学者が「禁欲ブーム」をバッサリ。快楽は悪ではないと断言するワケ

近ごろ、欲望や快楽を求める心を抑える「禁欲」が身体に良いとする言説がネット上などに出回っているようです。さまざまな快楽を求める「欲求」は人間の本能ですが、それを抑えることが本当に健康だと言えるのでしょうか? 今回のメルマガ『富田隆のお気楽心理学』では著者で心理学者の富田隆さんが、昨今の「禁欲ブーム」を一刀両断。「快楽そのものは悪くない」として、その「使い方」に問題があると指摘しています。

脳は変化を嫌う?

脱快楽中毒

最近、ネット上で「禁欲」が身体に良いとか、こんな効果がある、といった動画が増えているように感じます。

たとえば、「ポルノ断ち」の薦め。つまり、インターネット上のポルノと縁を切ることで人生が良い方向に変わる、といった主張です。

「なるほど」と納得させられるものも多いのですが、一時の「断捨離ブーム」の時のように、何となく表面的な「禁欲ブーム」の波に乗っているだけのものもあります。

こうしたトレンド?の原因ですが、ひとつには、「コロナごもり」が長く続くせいかもしれません。

私なんぞも「小人閑居して不善を為す」といった具合ですから、気を付けないと、何時間も「酒池肉林」の世界に溺れかねません。

手軽にアクセスできるインターネットの世界には、危険な罠が溢れています。

それに、コロナ禍でも頑張って営業しているコンビニなどには、素敵なスイーツなどが貴方に衝動買いされる機会を待ちわびています。

「巣ごもり需要」でアイスクリームやケーキの売れ行きは伸びています。

ネットショッピングでは、高級なお菓子の販売も好調だそうです。

つまり、性的な快楽であれ、美味しい食べ物やお酒であれ、さらにはもっと危険な薬物であれ、ギャンブルであれ、ゲームであれ、人は快楽にハマる危険があるわけです。

要するに、人間はあらゆるものに「依存」する可能性を抱えた動物なのです。

ですから、「いかに依存症から抜け出すか」あるいは「いかにして依存症にならないようにするか」という問題提起は大切で、中には、具体的な改善法を提案している建設的な動画なども少なくありません。

実際、世の中には、人々を快楽漬けの依存状態に落とし入れて、これを思うがままに支配しようとする「悪の組織」?も少なからずあって、油断はできません。

自由に生きるためには、確かに、こうした快楽による「操作」を上手くすり抜ける必要があります。

ただ、こうした忠告を表面的に捉え、「快楽は悪だ」とか「美味しいものとか気持ちの良いものは身体に悪いんだよねえ」などと誤った「一般化」を教訓にして、できもしない「快楽断ち」の流行に乗ってしまうのもまた愚かなことなのです。

今なら野党も勝てる。菅内閣「自民全敗」で見えた政権交代の目

菅政権に対して、「身内」からもNOが突きつけられ始めたようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、自民党が全敗となった25日の衆参3選挙の内、「保守王国」であり自民党が最も力を入れていた広島の参院補選に注目。そこで明らかになったのは、3割もの自民党支持者が敵対候補に投票したという異変と、低投票率でも野党候補が勝利できたという、これまでの選挙の常識を覆す事実でした。

 

菅政権、初の国政選挙で3戦全敗

4月25日(日)投開票で行なわれた衆参3選挙は、菅政権下での初めての国政選挙ということで、全国的に注目されました。

北海道2区の衆院補選は、収賄罪で起訴されて自民党を離党した吉川貴盛元農相の辞職に伴う補選だったため、自民党は有権者からの風当たりを考えて候補者の擁立を断念し、不戦敗の道を選択しました。その結果、2017年の衆院選で吉川貴盛氏に敗れた立憲民主党の松木謙公氏(62)が、他の候補の2倍以上の5万9,664票を獲得して当選し、雪辱を晴らしました。

新型コロナで亡くなった立憲民主党の羽田雄一郎氏の弔い合戦となった長野の参院補選は、羽田雄一郎氏の弟で立憲民主党新人の羽田次郎氏(51)が41万5,781票を獲得し、自民党新人の小松裕氏(59)に9万票の大差をつけて圧勝しました。

そして、自民党の河井案里氏の逮捕・当選無効に伴う広島の参院再選は、諸派新人で立憲民主、国民民主、社民が推薦したフリーアナウンサーの宮口治子氏(45)が37万860票を獲得し、自民党新人の西田英範氏(39)に3万4,000票近い差をつけて勝利しました。

不戦勝も含め、衆参3選挙すべてで野党が勝利し、自民党は全敗しました。最長でも今年の秋までに総選挙を余儀なくされている自民党にとって、これはとても厳しい結果となりました。中でも、自民党が最も力を入れていた保守王国、広島の参院再選での惨敗は、党にとっても県連にとって大きなダメージとなりました。

宮口治子氏に当確が出た瞬間、どんより度がMAXになった自民党の西田英範陣営の事務所では、選対本部長をつとめた「政治資金でSMバー」でお馴染み、宮沢洋一氏が「最後の最後まで河井夫妻にたたられた選挙戦だった」などと、まるで恨み言のような敗戦の弁を述べたのです。この厚顔無恥な発言をリアルタイムで聞いていたあたしは呆れ果て、開いた口からエクトプラズムが流れ出て幽体離脱しそうになってしまいました。

そもそも自民党本部が工作資金1億5,000万円を渡して行なった党ぐるみの犯罪なのに「河井夫妻はすでに離党したので自民党は無関係」などという我田引水なロジックで有権者を騙せるわけがありません。それまで自民党のカネと看板を利用して悪事を働いて来た議員なのに、犯罪がバレたとたんにマッハで離党させて「自民党は無関係」というこのパターン、いい加減にしてほしいと思います。

さて、そんな自民党が全敗するという最高に気分の良い結果となった衆参3選挙ですが、もう1つのポイントは、その投票率の低さでした。北海道2区の衆院補選の投票率は30.46%、衆院補選では過去2番目の低さです。長野の参院補選は44.40%、参院選では過去最低です。そして、広島の参院再選は33.61%、前回2019年の参院選を11ポイントも下回り、広島選挙区では過去2番目の低さとなりました。

あたしは開票速報を見ながらツイッターのTL(タイムライン)も見ていたのですが、宮口治子氏に当確が出た瞬間、喜びのツイートが次々と流れて来る中に、投票率の低さを憂うツイートも散見されました。ひと足早く当確が出た北海道2区と長野も、同様に投票率の低さを嘆くツイートが数多く見られました。しかし、この投票率の低さは、ある意味、とても素晴らしい側面もあるのです。

愛犬・愛猫がケガで出血。飼い主が知っておくべき2つの応急処置

ペットを飼っていると、病気やケガなどのアクシデントに遭遇するのは覚悟しなければなりません。何かあっても慌てないよう知っておくべきことはさまざまありますが、今回のメルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』では、著者で獣医師の佐藤先生が「出血のあるケガ」への応急処置を2つ伝えています。注意したいのは市販の消毒液は使用しないこと。応急処置後はお医者さんに診てもらうことも忘れずに。

外傷や出血をしている時の応急処置とは?

犬や猫にありがちな怪我としてあげられるのが外傷や出血です。出血した時に、家でできる応急処置を今回、2つほどお伝えしていきましょう。

1)水で汚れを流して止血しよう

散歩中などで、肉球などから血がでていたりする事があります。その時には、最初に汚れを洗い流す必要があります。傷口にばい菌などが入って感染症になることや悪化を防ぐためです。

生理食塩水が最適ですが、もし、家にない場合は水道水で洗い流しましょう。洗い流した後は、きれいな布で濡れた場所をふきとりガーゼや布などを押し当てて止血してみて下さい。

2)深いケガの場合は強くしばろう

傷が深かったり出血量が多かったりする場合はタオルや包帯などを傷口に巻き、手ぬぐいなどで縛るかテープで固定しましょう。そして、その状態で動物病院の診察を受けて下さい。

<まとめ>
血が出た場合には最終的は医師に見せて欲しいです。傷消毒のために市販の消毒液を使う飼い主さんがいますが、オキシドールなどは傷口には染みます。刺激の強いものを受けることで犬や猫が痛さで暴れる場合があるので、絶対に使わないでくださいね。

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「昭和の笑い」は本当に時代錯誤か?チャーリー浜さんの死に思うこと

1991年の新語・流行語大賞にも選ばれた「…じゃあ~りませんか」のギャグで、吉本新喜劇を全国区にした立役者の一人、チャーリー浜さんが4月18日に死去されました。メルマガ『井上公造の「とっておき芸能情報+LIVE」』では、1999年頃から20年余り、近くで取材をしてきたという芸能リポーターの中西正男さんが、“昔の新喜劇”そのままに若手に厳しかった故人のエピソードを紹介。愛情を込めて身体的な特徴を笑いにする“昭和のお笑い”が受け入れられなくなってきている世の中への思いとともに綴っています。

中西正男の「マル秘取材メモ」:チャーリー浜さん死去で思うこと

4月18日、チャーリー浜さんが誤嚥(ごえん)性肺炎で亡くなりました。78歳でした。昨年3月末の京都・よしもと祇園花月が最後の舞台になりましたが、その後も、吉本新喜劇の後輩座員と飲みに行ったりはされていました。ただ、昨秋あたりから体調が悪くなり、体力が落ちていったと聞きました。

振り返ると、99年にデイリースポーツに入社した時から、僕は新喜劇を至近距離で取材してきました。89年からの大規模なリストラ企画「新喜劇やめよっカナ!?キャンペーン」を乗り越え、97年からは東京でも新喜劇が放送されるように。99年の時点で、すっかり“ニュー新喜劇”としての歩みが定着していたとはいえ、それでもまだ昭和の新喜劇を引きずる話を目の当たりにしていました。

とある座員さんが、ギャンブルが原因で数千万円単位の借金をしている。それを取り立てるために、新喜劇に出てくるのとはまるで違う、ポップさの欠片(かけら)もないコワいお兄さんたちが楽屋口に押しかけている。そんな話を劇場関係者から聞き、記事にしたこともあります。

ハチャメチャな昭和の芸能界をさらに煮詰めたのが、昔の新喜劇。そこに座長として君臨していた故・花紀京さんの付き人を務め、これでもかと芸の厳しさと不条理さをたたき込まれていたのがチャーリーさんでした。だからこそ、芸に厳しい。後輩座員の多くが「怒られた」エピソードを話していることが示しているように、芸の世界の厳しさを教え続けた人でもありました。

マイルド、スタイリッシュ、押し付けない、怖くない、踏み込まない…。今の新喜劇、芸能界、そして、世の中全体を見ても、それが1つの是となっています。その中にあって、シーラカンスのように昔の姿のまま生き続けていたチャーリーさん。個性の宝庫のような新喜劇の世界で、そこの住人から見ても異彩を放つ。だからこそ、チャーリーさんにはこれでもかとエピソードが残っています。

「祇園花月の楽屋に若手のリュックなどが無造作に置いてあったら『邪魔になる!』と全力で蹴り上げる。リュックの舞い上がる高さで、その日のチャーリーさんの体調が分かる」。「20分ほどノリノリで電話をしていたので、久々に話す友達とかかなと思っていたら、最後に『おたく、どなた?』と間違い電話だった」。

地図のゼンリン、コロナ禍に業績絶好調。中小企業向け重視の巧妙な戦略とは?

私たちの社会生活に欠かせない「地図」は、時代とともに媒体の形を変えて利用され続けています。昔は紙や冊子が中心だった地図も、カーナビやGoogleマップと使われ方も変化していますが、老舗の地図メーカーはどのような生き残り戦略をはかっているのでしょうか? メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』発行人の理央周さんは今回、大手地図メーカー「ゼンリン」の新しいサブスクサービスを分析しながら、ターゲットを大企業から中小企業にシフトさせた巧妙な戦略を紹介しています。

【関連】7割のカーナビで使われる地図メーカー「ゼンリン」急成長の理由

地図の「ゼンリン」がとった機会損失を回避する顧客・製品戦略

今号は、「なぜ、地図のゼンリンは大企業から中小企業にターゲットをシフトしたのか?~機会損失を回避する顧客・製品戦略」です。

ビジネスは弱肉強食ではなく適者生存、だとよく言われます。ビジネスにおける適者生存とは、何を指すのかについて、ゼンリンの事例から学んでいきましょう。

さて、地図大手のゼンリンが、興味深い取り組みをしています。いわゆる「地図」を制作して、卸売をする、というビジネスモデルから、さまざまな分野に拡大を試みているのです。

まず今年は、中小企業に向けて、地域の情報が分かる「らくらく販促マップ」という定額制のサービスをはじめました。いわゆるサブスクリプションサービスです。

日経新聞の記事によると、ゼンリンはもともと、紙の地図の制作販売をするビジネスが中心でした。しかし、80年代からITに力を入れ始て、地図のデータ化を進めてきたそうです。

2000年代くらいまでは、その地図データを、大企業向けのカーナビ用に提供する形で業態を転換してきました。

ネット通販が流行ってきたこともあり、大手の物流会社に向けてカスタマイズした地図なども手掛けてきたのです。

このような流れを見ていると、ゼンリンは世の中の変化にとても敏感で、かつ、市場の動きを先取りして、素早く体制を変えることを得意としています。

ところが、大企業を相手にしていると、得意先の方針が急に変わったり、市場の動きが大きく変わったりすると、急に大口の注文がなくなるので、売り上げが大きくブレたりします。

たとえば、カーナビへの地図データの卸販売でいえば、新型コロナウイルスの影響などで、新車の台数が減ったりすると、その分、大きな打撃になってしまいます。

大企業向けだけでは、このようなリスクも出てくるので、中小企業に対して何かできないのか、という発想から、今回の新サービスの提供になったそうです。

広島にできて全国で進まぬ謎。PCR検査すら増やせない菅政権の無能

先日掲載の「ワクチン接種もPCR検査も後進国の日本。政府の無策に気づかぬ国民」では、自身がPCR検査を受けてみて判った日本の検査体制の脆弱性を指摘した、健康社会学者の河合薫さん。河合さんは今回、自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、県内の居住者と就業者を対象に無料PCR検査の実施に踏み切った広島県知事の英断を高く評価するとともに、感染対策の有効な手段になるPCR検査の規模を広げようとしない菅政権と、そのような国の姿勢を問わずにいるメディアを批判しています。

【関連】ワクチン接種もPCR検査も後進国の日本。政府の無策に気づかぬ国民

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

かかる費用と血税と

ここのところ立て続けに、エビデンスなきコロナ対策の不毛さについて書いてきましたが、「あ~、日本にもまだちゃんとした“リーダー”がいた!」と小躍りした記事を見つけたので、紹介します(リーダーの無策に関する記事は、メルマガVol.218及び、日経ビジネスのこちらのコラムをご覧ください。

信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々

腑に落ちる感染対策を行っているのは、広島県です。日経新聞によると、広島県では4月から「誰もが無料でPCR検査を受けられる“広島方式”」をスタートしたことがわかりました。

東京大学の合原一幸特別教授と中国・上海師範大学の応用数学者らの研究グループが、社会の複雑な現象を数式に落とし込み、最適解を探る「数理工学の手法」を用いて、この1年で蓄積されたデータを分析。そこで得られた結果をもとに、「感染症モデル」を構築したところ、感染拡大に影響を及ぼす3つのパラメーターが確認されました。

「感染率」「感染に関与する人口」「新規感染者の見逃し率」の3点です。

1つ目の「感染率」を押さえるには、コロナ感染当初から指摘されている「3密」の回避、手洗いの徹底、さらには、スーパーコンピューター富岳で実証されたマスクの着用が有効です。

2つ目の「感染に関与する人口」とは「外出する人の多さ」です。不要不急の外出をやめることや、リモート勤務の推進が感染対策として考えられます。

そして、最後の「新規感染者の見逃し率」とは、無症状者など感染しているのに「コロナ」とは思わず、普段どおりの生活をしている人たちのこと。

「見逃し率はPCR検査を徹底し、隔離すれば、かなり押さえられる。結果的に実効再生産数を効果的に押さえることも可能」(by 研究者グループ)

つまり、すでに多くのエビデンスから明かされているように、「無症状の感染者」を見つけ、「発症2日前から他人に感染させる」という事態を防ぐことの重要性が改めて確認されたのです。

この結果を知った広島県の湯崎知事は、「よし!だったらPCR検査を徹底しよう!(←おそらくこんな感じで言ったはず)」と、県内5カ所に設置したPCRセンターで、県内の居住者と就業者であれば、何回でも無料で検査できる体制を整備。さらに、無症状者が多い20代と30代には、薬局で検査キットが受け取れる仕組みも作りました。

広島県によれば、時短要請などにかかる費用は約1,500億円。一方、検査コストは一人あたり2,000円。「PCR検査費用は桁違いに小さいのに、高い効果が期待される。感染を未然に防げば社会・経済へのダメージも小さくてすむ」(by 県健康福祉局)

つまり、広島方式とは、「クラスターを潰す」のではなく、「クラスターを出さない」方向に舵を切った対策であり、費用対効果も高い政策なのです。

このようにPCR検査に予算を投じることが、感染対策の有効な手段になるのならば「全国でやりましょう!」と国が立ち上がってもいいはずです。

日本政府の「バカさ」が頼みの綱。東京五輪強行をエンタメ業界はどう見ているか?

コロナ禍で苦しい日々を過ごしているエンタメ業界の人々。ガイドラインに従って如何に開催するか、工夫し準備を重ねてきたにも関わらず、4都府県では大型連休を前に「人流抑制」の言葉で切って捨てられ、不信と不満の声が大きくなっています。しかし、7月後半からの半月だけは中止や縮小を気にせず進めている業界関係者が多いのだとか。今回のメルマガ『8人ばなし』では、著者の山崎勝義さんがその理由を解き明かします。緊急事態宣言発出後も行政が期待する効果が出ない理由としても考えられる「皮肉な信用」が影響しているようです。

信用と不信のこと

仕事柄、私の知り合いにはエンタメ関係の人が多い。最近、その人たちから同じような話を聞くのである。それは7月の第3週末(7/16金)以降から各都市部でイベントラッシュが起こる、というものである。

言うまでもなくこの1年、飲食業、観光業と同様にエンタメ業界も煮え湯を飲まされ続けて来た。開催中止に伴うチケットの払い戻し、入場制限による収益の減少、これだけでもバックに大企業でもついていない限りは再起不能レベルの大損失である。それでも何とかしようと、昼・夜公演にしてみたり、慣れない有料LIVE配信を導入したり、さまざまな工夫をした。この1年、どんな形であれ我々が所謂「コンテンツ」というものに飢えることがなかったのはひとえにこの努力によるものである。

そうやって我慢に我慢を続けて来たエンタメ業界が今年の7月後半から堰を切ったようにイベントを再開させる、一体どういうことなのだろうか? コロナは大丈夫なのだろうか? もちろん業界もやみくもにスケジュールを組んでいる訳ではない。実は7月後半以降に関しては「間接的保証」が「政治的」に得られたも同然だからこうなったというのが実際のところである。

保証とは言うまでもなくオリンピックのことである。今年(強行)開催予定の東京オリンピックは7月21日(水)に先行競技が始まり、その2日後の7月23日(金)が開会式である。この御墨付きは大きい。というのも如何なビッグイベントも世界最大級の祭典であるオリンピックと比べればどれもミニイベントも同然であるし、オリンピッククラスのイベントがOKならたかだか通常レベルのイベントがNGとなる筈がない、といった解釈が容易に許されるからだ。

逆に言えば、通常のイベントができないならオリンピックなどおよそできよう筈もないという論理である。「オリンピック?やめれるもんならやめてみろ!」1年も苦しんできた業界関係者なら、そのくらいの気概はあっても不思議ではない。

ただこの業界心理はちょっとばかり面白い。その気概(つまりは自信)は政府への信頼からではなく、逆に不信から来ているものだからだ。「(感染の状況がどうであれ)何が何でもオリンピックはやる」これを裏打ちにして成り立っている自信なのである。

自民党の二階幹事長がオリンピックの中止に言及した途端にそれは「叱咤激励」ということになった。この一事をとっても傍証としては十分なのではないだろうか。「こんな無理筋解釈が許されるなら、今後出るかもしれないどんな否定的要素も確実に曲解されること請け合いだから7月後半は安心だ」この政府への不信から来る絶対の自信があるから業界関係者も大きく張れるのである。

それにしても一番信用できるのが政府への不信という「逆説的信用」とでも呼ぶほかないようなこのあり方は一体何なのか。現在発出中の「蔓延防止等重点措置」も「緊急事態宣言」も以前ほどの自発的抑制効果を有してはいないと言う。もしかしたら国民もこの「逆説」にとっくの昔に気付き、逆張りをすることに何となく決めてしまったのかもしれない。

image by: 首相官邸

箱根駅伝を変えた「3本指靴下」という新発想。全校シード獲得の実力

2021年の箱根駅伝で準優勝を遂げた創価大学を始め、計3校の連続シード権獲得に貢献し話題となった「3本指ソックス」をご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、人間工学に基づき「スリーグリップス」を開発した「メディカルヤマモト」の戦略と戦術を分析し解説。注文に生産が追いつかないという人気の秘訣を探ります。

まとめる

今号は、新発想の競技用靴下を分析します。

● メディカルヤマモトが展開している競技用靴下「スリーグリップス

パフォーマンスを向上したいアスリートをターゲットに「“三点歩行”理論」に支えられた「運動パフォーマンスを補助してくれる」等の強みで差別化しています。

参入が容易ではないスポーツウェア業界において、着用した選手が、箱根駅伝とういう陸上界の一大イベントで結果を出したことで、注目を集めてます。

■分析のポイント

タイムを競う競技においては、結果が全てです。なので、かつて競泳では、「レーザー・レーサー」という競泳用水着を着用した選手が次々と世界記録を樹立して、ブームが起きました。結局、使用禁止になってしまいましたが…。

陸上界では、厚底シューズが話題になりましたね。やはり、好タイムを出す上で、機能性の高い商品の重要性は高いということでしょう。

今回、紹介した「スリーグリップス」も同様に機能性の高い商品と言えます。何よりも箱根駅伝という陸上界の一大イベントで結果を出したという実績は、アピール効果が絶大ですね。

今回のポイントは、「まとめる」という発想です。

5本の指の中でも、実は、人差し指と中指は、同じ作用をしているからまとめた方が、力が入りやすい。同様に、薬指と小指は同じ作用をしているから、まとめた方が力が入りやすい。このように、力を発揮するために“まとめる”という発想はいままで無かったわけですから、素晴らしい目の付け所だと思います。

足について研究していた企業はたくさんあったと思いますが、足の指一本一本の作用について、分析し、その共通点を見出した企業は無かったということでしょう。「木を見て森を見ず」とは、よく言いますが、「森を見て木を見ず」、「木を見て枝を見ず」、「枝を見て根を見ず」といったことも言えるかもしれませんね。

分析対象の構成要素をひとつひとつ見ていくということは基本ではなありますが、その基本を徹底することは容易ではないということです。ですが、そこを徹底することが、差別化につながるということを示しているのが今回の事例と言えるでしょう。

現在は、注文に生産が追いつかない状態のようですが、今後、「スリーグリップス」が、陸上界ひいてはスポーツ業界でどのような存在になっていくのか注目していきたいです。