依然として緊張状態が続いている米中対立の舞台となっている「台湾海峡」周辺ですが、中国側は日本に「間に入ってほしい」という主旨のメッセージを送っているようです。今回のメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤先生が、香港の英字紙のオンライン版が配信した、中国・北京大学の国際戦略研究所の所長からの論文を紹介した記事を翻訳しながら、その裏に隠された中国政府側からの「メッセージ」を読み解いています。大澤先生が軽視すべきではないと指摘した、中国側の「本音」とは?
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中国からのメッセージ
台湾海峡等をめぐって中国と米国、西側諸国の緊張が高まっています。
日本も岸田総理大臣が6日、オーストラリアのモリソン首相と自衛隊とオーストラリア軍が円滑に活動を行うための「日・豪円滑化協定」の署名をしました。
続いて7日は日米の外務・防衛の閣僚会合「2+2」で共同声明を発表。中国の新疆ウイグル自治区と香港における人権問題について「深刻な」懸念を示して、また台湾海峡の平和と安定の重要性を強調しました。
これに対して 中国外務省は日本とアメリカについて「中国の内政に干渉し中国の顔に泥を塗った」と非難しました。
中国と西側諸国の対立は先鋭化していて、どちらも引く気配はありません。
しかし、そんな中で中国は別なメッセージも出しています。以下、香港サウスチャイナモーニングポスト1月8日オンライン記事です。
【中国、日本との関係改善と米国との3者会談の模索を要望】
北京大学国際戦略研究所のチャン・トゥーシェン所長は12月下旬に国際関係専門誌「中国国際戦略論壇」に論文を発表した。
人民解放軍陸軍士官学校の元教官でもある同氏は、「戦争はもはや紛争を解決する手段とは見なされない。しかし危機管理の失敗は本格的な紛争につながる。対話が唯一の道である」と発表した。
続いて「中国と日本は、適切な時期に中日米3カ国の安全保障対話を共同で推進すべきだ。多くの安全保障問題を議論することも検討すべきだ」と、チャン氏は述べている。
同氏は、中国が日本との関係を修復する方法を模索し、東京とワシントンを含む3者間安全保障協議を推進するよう求めている。
解説
北京大学の国際戦略研究所の所長からの論文ですが、こういったメッセージ、軽視すべきではないと思います。
現在、中国と米国は真正面から対立しています。
両国政府は、国民の目もあり相手に簡単に妥協できる雰囲気にありません。妥協すると弱腰とみなされて、国内の政治基盤を失う可能性があるからです。
しかし、そんな中でも第三者(日本)が入ることで、その先鋭化した対立をやわらげた交渉ができることがありえます。
この論文は中国共産党トップにも了解をえたメッセージである可能性が十分にあります。 日本が入ることで交渉の余地が生まれえるのです。
現在、日本は米国および西側諸国と歩調を合わせています。それについては、私も同意するものです。しかし、こういった中国からのメッセージは、適切なレベルで受け取って対応しておくべきです。
かつて「ピンポン外交」という言葉がありました。1971年に日本の愛知県で行われた世界卓球選手権に、中国が6年ぶりに出場して、大会終了後に中国がアメリカ合衆国など欧米の卓球選手を自国に招待したことをきっかけにして、米中関係が緩和したのです。リチャード・ニクソン大統領の訪中から日中国交正常化にもつながりました。
正面切っての対立解消が難しい場合でも、ちょっとした事(この場合は卓球)をきっかけにして、糸口が見つかる事があるのです。
もちろん、対立すべきところでは対立すべきですが、その一方でピンポン外交のようなチャンネルも多くもつべきです。
そのようなチャンネルは作ろうとしてもなかなか作れるものではありません。この論文は日本を名指ししているのですから、この機会を利用したチャンネルを作っておくべきです。
日本の政府機関、大学、研究所や企業でもよいです。北京大学国際戦略研究所のチャン・トゥーシェン所長に手紙を書いて「論文を読みました。ぜひ一度、意見交換したいです」と言えばよいのです。
返信があるかもしれませんし、ないかもしれません。しかしそんなところからも世界は変わっていくと思います。必要なら私もお手伝いします(笑)。(この記事はメルマガ『在米14年&起業家兼大学教授・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』1月9日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
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