これだから「とっておきのアイデア」を温めている奴には発想力がない

何日も考えてやっと浮かんだ素晴らしいアイデアを「ここぞという時に使おう!」と温め続けていませんか? 無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者でマーケティング戦略の指導者として知られる弘中勝さんは、そのようなアイデアにロクなものはないとピシャリ。本物の発想力について、自身の考えを熱く語っています。

虎の子アイデア

発想力に自信があります!」という人は、すごくたくさんいます。「発想力に自信のある人!」と採用募集をかけたら、もう驚くほどめちゃくちゃ集まります。

でも、発想力というのは数値化しにくいものなので、誰だって「発想ぐらいできますよ」と言うことができ、そして大体は全く使い物になりません

なぜかというと、アイデアというものは、その状況に応じて変化させたり産んだりしていくもので、前の業界ではすごいと言われていたアイデアがそのまま次の業界で使えるというわけでもないから、「今の業界では、大した発想力とは言えない」ということだって十分にあるわけです。

大した発想力ではない人によく見られる特徴に、「虎の子自慢」というのがあります。虎の子というのは、「自分は今すごいアイデアを持っているんですけど、このアイデア、聞きたくないですか?」という秘蔵っ子のアイデアのことです。

まず、こういうことを言う人は発想力がない証拠です。

アイデアというのは水物で、「これは今までにない、すごい画期的なアイデアだ。これは人に漏れるとまずい。ずっと温めている」なんていうアイデアに限って、もう世の中の何百人も同じことを考えているのです。本人だけがすごいと思っているだけなんですね。そしてそれを後生大事にしているということは、「それ以上の発想ができていない」、つまり発想力がないのです。

本当に発想力のある人は、状況に応じてどんどんアイデアを出していくから、「とっておきの虎の子アイデア」なんて使い物にならないことはよく分かっています。だから、虎の子アイデアを引っさげて「このアイデアを売ろう」なんて考える人は、ものすごく考え方が浅はかです。大事なのはアイデアではなくて、そのアイデアを形にしたものだからです。

イギリスEU離脱が確定。日本がほとんど報じぬユーロ経済「大不況」の実態

イギリスで6月23日に行われた、EUからの離脱か残留かを問う国民投票の集計結果が、日本時間の午後12時40分過ぎに判明し、イギリスのEU離脱が確定しました。この結果は今後のイギリスや欧州経済にどのような影響をおよぼすのか、そもそもどうしてこの問題が起きたのか、人気コンサルタントの吉田繁治さんが無料メルマガ『ビジネス知識源:経営の成功原理と実践原則』で、今後の予測や離脱問題の原因などを速報で詳述しています。

緊急時事:英国のEU離脱が決定した

おはようございます。今、英国のEU離脱を問う国民投票の開票が行われています。結果はどうなるか。EUは、日本人にとって馴染みが薄い。EUと英国が加盟していないユーロの区別も言える人は少ないでしょう(※編集部注:24日午後12時40分現在、イギリスのEU離脱が確定したと、日本のNHK、英BBCなどが報道。EU離脱が決定した)。

【EUは28か国の準国家連合】

まずEU(欧州連合)です。欧州の28か国が加盟し、国家主権の一部をEUの機構(欧州議会、欧州理事会、欧州連合理事会、欧州委員会)に譲るものです。5年ごとの選挙で議員を選ぶ欧州議会と理事会で決定された法は、加盟国の法(ローカルルール)に優先します。準国家連合の仕組みをもちます。

【商品の動きでは関税の撤廃】

経済面で大きなものは、EU加盟国間での、関税の非課税です。商品の移動の障壁をなくしたのです。消費税のような付加価値税(VAT)の率は各国で異なりますが、28か国間の輸出入には関税はない。ただし、日本のようなEU外の国との貿易では、EUの共通関税を課しま
す(TARIC:EU統合関税)。

【人の動きでは国境審査の廃止】

次は人の動きに関する「シェンゲン条約」です。条約を結んだ、大陸のEU25か国内(人口では4億人)では、国境での審査が廃止され、自由に行き来して、居住、労働ができます。ただし島国のアイルランド英国などは除外されています。このためフランスから英国に行くときは、われわれも入国審査があります。なお日本人の、ビザ免除での1回のEU入国による最大滞在日数は、90日です。(注)永世中立を言うスイスと、歴史的に英独不信のノルウェーはもともとEUに加盟していません。

関税の撤廃が商品の移動を、シェンゲン条約が人(労働力)の移動を自由にしているのです。これがEUです。統一通貨(法定通貨)のユーロは、EU28か国のうち、19か国です。もっとも最近の加盟は、スロバキアの2009年でした。英国はもともとユーロには加盟していません。

【ビジョン】

EUは、二度の世界大戦を経た欧州で再び戦争を起こさないこと、米国に対抗できる28か国(5億740万人:米国の1.6倍)の自由貿易圏をつくるという2つのビジョンにより誕生しています。

ペッパーが海外でアルバイト開始。20ヶ国語も話せてかなり有能

日本ですっかりおなじみになった、家庭や仕事で大活躍するソフトバンクの人間型ロボット「ペッパー」。そのペッパーがついに海外の病院でアルバイトを開始したことが話題になっています。今後は「ピザハット」のスタッフとしても働く予定で、世界中から引っ張りだこのようです。

ベルギーの医療施設がペッパー導入 近未来で革新的な挑戦に懸ける

英BBCによると、ペッパーが働く舞台となったのはベルギーの2つの病院。

受付に患者が向かうと、そこには「近未来型の受付嬢」が温かく迎え入れてくれます。

ショッピングセンターや銀行、駅での設置に続き、医療施設におけるペッパー導入は今回が初めてとのこと。

このベルギーの病院では、今後10年にわたり、この「近未来型アルバイト」を増員させる予定とのことです。

ペッパーの売れ行きは好調で、すでに日本国内で1000台の販売実績があります。

さて、気になるこの”受付嬢”ペッパーのお値段ですが、通常の基本モデルのペッパーは1850ドル約19万円)、こちらのペッパーはベルギーの病院用の特注で作られたため3万4千ドル約350万円)もするとのこと。

受付業務だけでなく子供の心のケアや老人患者への運動プログラム支援もこなす

この身長1.2mの小さなロボットは、20ヶ国語に対応し、話している人間の性別も判別できます。

こうした特性を活かし、ベルギーのオーステンデにあるAZ Damiaan hospital では、受付業務だけでなく患者を適切な病棟に連れていくことも可能とのこと

ペッパーに課せられた業務はその他にも、小児科や老人専門の病棟における運動プログラムの実施や、手術を怖がる子供達の心のケアに貢献するため映画館へ連れていくこともあるそうです。

すでに病院で働くペッパーを見かけた人も。

「病院でペッパーに会ったよ!彼は壁に向かって”ハロー”といってたわ(笑)」

ただ、ロボット関連の専門家たちの中には家庭用、商業用のロボットの利便性について懐疑的な意見を述べる人もいます。

Noel Sharkey教授は「いかにも人間らしいジェスチャーができるのはいいことです。しかし、人間の感情を見抜くことができるのかというと、それは言い過ぎかもしれません」と話しています。

ピザハットの新たな「刺客」 注文処理からお会計まで有能なペッパーにお任せ

情報サイトTHE VERGEによると、Pizza Hut AsiaとMastercardがタッグを組み、2016年度末までにペッパーを店舗に配置すると報じています。

計画通りいけば、ペッパーが顧客のオーダーを取り処理するまでの工程を担当できるようになるとのこと。

これが実現すれば、このシステムをペッパーに取り入れるのは史上初になるそうです。

また、何を食べようか迷う顧客に対して、「本日のおすすめ」も含め、フレンドリーに商品説明をするなどの手助けも可能とのこと。

さらに、お会計の処理までこなすとのことですから有能な従業員になることは間違いなさそうです。

ふと入ったお店でペッパーがオーダーを取りに来る、なんていう日は意外と近いのかもしれませんね。

近未来的な接客は、お客さんのハートをつかむことができるのでしょうか?

image by:
 Instagram

source by: ソフトバンクBBCTHE VERGE

文 / 臼井史佳

 

イギリスのEU離脱が決定。今後、世界はどうなるのか?

EUから離脱か残留か。世論が真っ二つに分かれているイギリスで6月23日に行われた国民投票の集計結果が、日本時間の午後12時半過ぎに判明し、イギリスのEU離脱が確定した。イギリスの民放ITV、国営放送BBCが速報で伝えた。この結果は今後のイギリスにどのような影響をおよぼすのか、投票前に書かれたメルマガ発行者たちの意見を振り返ってみよう。

離脱すれば一流半国に

無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』で嶌さんは、イギリスが離脱した場合に起きうる「激震」について考察。『常識的には離脱はないし、私も「離脱すべきでない」と考える。』とし、『イギリスがEUから離脱すると、世界が混乱することは必至だし、何よりかつての栄光の大英帝国のイメージがますます没落して、10年もしないうちに普通の中流国家とみなされてしまうだろう。』と述べていた。記事の詳細はこちら↓

EU離脱は英国と世界を地獄に落とす。栄光の大英帝国は中流国家転落か

ロンドン在住の日本人が見たEU離脱問題

無料メルマガ『出たっきり邦人【欧州編】』では、ロンドン在住の日本人・藤隼人さんが、目の前で起こっている「Brexit=EU離脱問題」について、独自の見解を交えながら詳しくリポート。その中で、藤さんは離脱派について『明らかな将来像を描くにはいたっていません。あくまでEUから主権を取り戻すことが目的でどのように国家を運営するかにまで考えが及んでいないかのよう』と痛烈に批判していた。記事の詳細はこちら↓

運命の6月23日。EU離脱の是非を国民投票に託したイギリスの行く末は

 

国民投票により決定した今回のEU離脱だが、イギリス国民の半数が反対の意志を示したという事実に変わりはない。この結果を受けて、今後のイギリスは、ヨーロッパは、日本は、世界はどこへ向かおうとしているのだろうか。すでに「受け身の時代」は終わり、自分自身の頭で考え、自分自身の責任において行動しなければならない時期がやってきたのかもしれない。

文責/MAG2NEWS編集部

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ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」
ジャーナリスト嶌信彦が政治、経済などの時流の話題や取材日記をコラムとして発信。会長を務めるNPO法人日本ウズベキスタン協会やウズベキスタンの話題もお届けします。
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出たっきり邦人【欧州編】
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【競馬】宝塚記念の予想に困ったらコレ!人気競馬予想メルマガ6選

いよいよ今週末に迫った、中央競馬の“春のグランプリ”ことG1宝塚記念。上半期の総決算としても位置付けられるレースだけに、今年も有力馬がズラリと揃い、果たしてどの馬から勝負すればイイのか迷うこと必至? というわけで今回は、競馬初心者の方はもちろんのこと、最近予想がスランプ気味で……という馬券玄人にもオススメできる、評判の競馬予想メルマガを紹介しちゃいます。

キタサン、ドゥラ……今年も実力馬が揃った宝塚記念

6月26日に阪神競馬場で開催される宝塚記念。年末の有馬記念と同じくファン投票によって選ばれた人気馬を中心に、この春のG1シリーズを盛り上げた馬が一堂に会する一戦です。

そのファン投票で、今年、晴れて第一位に輝いたのがキタサンブラック。あの演歌界の大御所・北島三郎さんがオーナーを務めることで、早くから知られていた馬ですね。

人気だけでなく実績のほうも、昨年秋の菊花賞でG1初勝利を果たしたのにくわえ、今年の天皇賞・春ではG1での2勝目を飾るなど、着実に積み重ねて来ています。このレースも、人気投票トップの期待に応える走りで制し、オーナー・サブちゃんによる『まつり』の熱唱が、再び競馬場に響き渡る……といったシーンを心待ちにしているファンも、多いのではないでしょうか。

そんな人気ナンバーワンのキタサンブラックに対して、実力面でナンバーワンではと目されるのがドゥラメンテ昨年は皐月賞でG1初制覇を飾ると、続く東京優駿(日本ダービー)はレースレコードで勝利し、2015年の最優秀3歳牡馬にも輝いています。

ところが、2冠を果たした後に骨折が判明し、約9か月間の休養を余儀なくされる形に。その後、復帰戦となった今年2月の中山記念(G2)は見事に制しましたが、続く3月のドバイシーマクラシックは落鉄のアクシデントもあって2着に敗れています。今年秋には凱旋門賞への挑戦も控えているだけに、ここで復活の走りを披露したいところでしょう。

これら2頭以外では、前回の宝塚記念を制するなど昨年重賞レースで6勝を挙げたラブリーデイも、連覇に向けて虎視眈々。また過去のデータを紐解くと、この宝塚記念でG1初制覇を果たす馬が結構多く、その面ではアンビシャスステファノスといったG1未戴冠の実力馬たちにも、注目が集まるところです。

とても常識人なのに「私、変わってるんです」アピールしたがる日本人

メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』の著者・高橋さんは長いNY生活の中で、日本人が頻繁に口にする「あたし、変わってるんです」という言葉に大きな違和感を感じているそうです。高橋さん曰く、アメリカ人は逆に「ノーマル」であることを執拗にアピールするのが普通だとか。なぜ、両国?その理由を面白く解説してくれています。

「今の時代、真っ正面から」

日本出張のたびに、気付くことがあります。 よくよく耳にする言葉があります。

当初から違和感はあったけど、最近気がつきました、その違和感。

例えば、人と会って、食事をする。 その際、よく、

「アタシって変わってるんで~」とか

「ちょっとアタシ、ヘンなんです」とか

「アタシ、ちょっと人と違ってー」とか

そういった類いのセリフをよく言われるんです。

自分が人と違うアピール】に、しかも日本人の謙虚さも手伝って、自分が変人と言われてるアピールが、むっちゃくちゃ、めっちゃくちゃ多い。 ホントに多いです。 (あれ、なんでだろ)特に女性に多い気がします(女性って言っちゃった・笑  もちろんあくまで個人のデータなので、男性にも多いのかもしれませんが、30代の女性は、お会いした方ほぼすべてこういった類いの自己申請をされます)10人会えば、大げさでなく、8人くらい、「人と違ってアタシ変わってるんです」とアピールされる。 あるいわソレに類いする言葉。

あれ、ホント、なんでだろう。 。 。 めちゃくちゃ多いです。

日本はとてもインテリの国で、国民みなさんがある一定の常識を持ち合わせている。 人と変わったことをすれば、出る杭を打たれる社会の中、あえて、他者との差別化、他の人とのブランディング化をするためには、とりあえず口頭で「変わってる」申告をしなきゃいけない、と思うのは意地悪な見方過ぎるでしょうか。 で、謙虚さもあるので「変人って言われるんです~」になるのかな。

東電「メルトダウン隠蔽」の背後にもいた、舛添氏の逆ギレ弁護士

「官邸から炉心溶融という言葉を使うなという指示があった」。福島第一原発事故を巡り東電が設置した第三者委員会のこの調査結果、検証方法に各所から疑問の声が挙がっています。注目すべきはこの第三者委員会にも、先日掲載の記事「汚職の守り神…舛添、小渕、猪瀬を擁護した『逆ギレ弁護士』の正体」で取り上げた逆ギレ弁護士こと佐々木善三氏が名を連ねているという事実。メルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者・新 恭さんが、会見での委員会の言を引きながら、彼らの調査のでたらめさを強く非難しています。

マムシの善三、今度は東電の炉心溶融隠ぺいを擁護

またしても「マムシの善三」がらみの話をしなければならない。

舛添問題のずさんな調査報告書で一躍、悪名をとどろかせた「マムシの善三」こと、佐々木善三弁護士元東京地検特捜部副部長)が、こんどは東京電力の炉心溶融隠ぺい疑惑でも、「第三者検証委員会」を名乗って片手落ちの調査報告書を作成し、依頼主に大サービスした。福島第一原発事故から2か月もの間、東電が「炉心溶融」ではなく「炉心損傷」だと世間を欺いたのは、官邸の指示があったからだと思わせる内容の報告書を、当時の官邸の主である菅直人元首相らに何一つ聞くこともなく作成し、公表したのである。

福島第一原発の原子炉は2011年3月14日から15日にかけて次々と「炉心溶融」に陥った。原子炉建屋が爆発するなど苛烈な事故の状況がテレビに映し出され、いわゆる「原子力村」に属さない専門家は「炉心溶融」との見解を明らかにしていた。ところが東京電力は「炉心損傷だとウソをつき続け、しぶしぶ「炉心溶融」を認めたのは約2か月も後のことだった。

この問題を継続して追及していた新潟県の技術委員会に対し、東電は「炉心溶融」の判断基準がなかったと言い逃れてきたが、今年2月24日になって社内に「炉心溶融」の判断基準マニュアルがあったことを認め、新潟県に謝罪した。同日の朝日新聞によると、この判断基準に従えば事故3日後の3月14日には13号機について「炉心溶融」を判定できていたという。

マニュアルがあったのに生かされなかったことについて、東電の言い訳は次のように、きわめて不自然だった。

新潟県の技術委員会の求めで当時の経緯を調べ直すなかで、判断基準の記載があることに社員が気づいた。

マニュアルはイントラネットで社員が共有していたはずである。いくら東電がいい加減な会社でも、このように重要なマニュアルを見つけるのに、なぜ5年もかかるのか

東電はマスコミの追及をかわすため自ら説明するのをやめ、「第三者の協力を得て、経緯や原因を調べる」と、佐々木弁護士らの第三者検討委員会」なる隠れ蓑にふたたび逃げこんだ。2013年、国会事故調への虚偽説明問題で同委員会を設置し急場をしのいだのに味をしめたのだろう。舛添問題の調査報告書についての記者会見で「事実認定とはこんなもの」「第三者委員会とはこんなもの」と独善的な素顔をのぞかせた「マムシの善三」がよほど頼りになるらしい。

モルガン財閥の大富豪に惚れられた「日本人女性」波乱の半生

京都の魅力を様々な切り口で届けてくださる無料メルマガ『おもしろい京都案内』。今回紹介されているのは、明治時代に「日本のシンデレラ」として世を賑わせた祇園の芸妓「モルガンお雪」の波乱に満ちた人生です。一芸妓がなぜアメリカの金融王と結婚することになったのか。そしてなぜ彼女が「京都を救った」と伝わるのか。興味深いストーリーが綴られています。

京都を救ったモルガンお雪

今回はアメリカの金融王ジョージ・モルガンと結婚して明治時代、日本のシンデレラと言われたお雪の物語です。

モルガンお雪とはどんな人?

モルガンお雪の本名は加藤雪といい、1881年(明治22)生まれの女性です。姉が祇園でお茶屋兼置屋「加藤楼」を経営していたので、14歳で芸妓となりました。芸妓名は雪香。舞踊が上手く胡弓(こきゅう)が得意だったようです。21歳の頃、お雪には京都大学に通う10歳年上の川村という彼氏がいました。お雪は苦学生だった彼の学費や生活費を払って面倒をみていたようです。お雪は将来彼と結婚することを心に決めていたのでしょう。

そんなときアメリカ人のジョージ・モルガンと出会います。明治35年春、都をどりの時にその出会いがありました。都をどりは今でも祇園甲部の芸舞妓さんが年に一度4月に日頃の精進の発表の場として舞を公演する歌舞会です。

都をどりについて詳しくは、おもしろい京都案内第30号を。

舞台に咲く京都の春。「都をどり」で日本の魅力を堪能する

当時芸妓だったお雪は毎年恒例の都をどりで舞を披露していました。そこへ、失恋して日本に旅行しに来ていたアメリカの大富豪がやってきます。アメリカの3大銀行の1つJ.Pモルガンの創始者の甥のジョージ・モルガンです。モルガン家はカーネギー、ロックフェラーと並ぶアメリカの金融大財閥で、今もその影響力は絶大です。

ジョージは都をどりで紙吹雪や桜の景色などの舞台演出を観て感激し大喜びしたそうです。それから数日後、ジョージはお雪と料亭で食事するきっかけを得ました。胡弓(こきゅう)をひき、ひたすら客に尽す日本女性のやさしさにジョージはすっかり惚れ込んでしまいました。しかしお雪には当時川村という恋人がいます。川村は前途有望な京大生でしたが、芸妓の恋人がいるという理由で就職が難航している時期でした(なぜそのようプライベートなことを面接で言ってしまうんだろう?(笑)

料亭でお雪と食事をしたジョージはお雪に結婚を申し込みました。ジョージの求婚は誠実でとても激しいものでした。お雪は川村とモルガンとの間で悩み苦しみました。お雪は当時親交のあったマキノ省三に相談しました(マキノ省三は日本最初の映画監督で日本映画の父と言われてる人物です。津川雅彦の祖父)。彼はお雪の川村に対する純粋な愛に同情し、2人のために一肌脱ぎました。

マキノは、ジョージにお雪との結婚を諦めてもらうために、お雪を芸妓から水揚げさせるために4万円必要だと告げました(当時4万円あれば南座が買える金額だったという大金)。途方も無い金額をふっかければ諦めてくれるだろうという作戦でした。しかしそこはアメリカの金融王の御曹司、ジョージはお雪と結婚出来るならと一度帰国しすぐに4万円用意して京都に戻ってきました。お雪と川村は逃げるようにして駈落ちをし、北海道に行き、新しく出発する決意をしました。しかし、お雪は祇園のしきたりから逃れることは出来なかったのです。4万円もの大金で身請けしてほしいと言われれば祇園芸妓としては断る理由がありません。それは一芸妓が判断出来るようなことではなかったのです。

インターネットが殺せなかった「物流業者」が勢いを増してきた

インターネットやeコマースの普及により、一時期は不要論まで囁かれていた物流業者。しかし、無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんは、「大手はむしろ勢いを得ている」とし、昨今の「ビジネスの複雑化」がさらに物流業者の地位を向上させると分析しています。

物流業者の必要論が高まっていく?

問屋不要論、卸不要論が唱えられて久しいですが、問屋や卸などの物流業者が完膚なきまでに淘汰される気配は今のところ見ることができません。

インターネットやイーコマースの普及により、事業者から消費者へダイレクトでの販売が進むため、物流機能は縮小していくとみられていました。また、SPA(製造小売業)の台頭による物流業者を介さないビジネスが進化してきたことも、物流業者不要論が勢いを増す理由となっていました。

たとえば、インテリア・家具小売業大手のニトリは物流を自社で行っています。物流業者を介さないため、物流コストを抑えることに成功しています。

ニトリのような企業が増えることで、物流業者は締め出されていくのではないかとも言われていました。しかし、統廃合の動きはあるものの、大手の物流業者はなくなるどころか、むしろ勢いを得ている傾向にあります。

ここで、物流業者の役割について考えます。物流業者の一番の役割は、製造業者が製造した製品を顧客に届ける配送機能物流機能)にあります。そのため、ビジネスの流通経路が増えれば増えるほど、物流業者の役割は大きくなります。ビジネスのプレイヤーが多ければ、それに合わせて、流通経路は多くなります。よって、ビジネスのプレイヤーが多ければ多いほど物流業者の役割は大きくなります

北朝鮮「ムスダン」6発目で成功か。最大射程4000キロが持つ意味とは

北朝鮮がまたもやミサイルを発射した。新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられている。今年4月の初発射後、5月までに計4発のムスダンが発射されていたが、いずれも直後に爆発するなどし、失敗したとみられている。だが今回に関しては、2発発射されたうちの2発目が約400キロと、過去最も飛距離が長かった。さらに2発目に関しては、北朝鮮の計画どおり飛び、実験は成功だった、との見方が強まりつつある。もし成功であれば、日本やアメリカ、韓国にとって大きな脅威となりうる。

国連安保理の制裁強化後にミサイル実験を加速

言うまでもなく、北朝鮮は現在、国連安全保障理事会決議によって、弾道ミサイル発射を禁じられている(ロケット含む)。北朝鮮が今年1月に行った4度目の核実験と、2月のロケット発射を受けて、3月、安保理は北朝鮮への制裁をさらに強化した。にもかかわらず、もしくはそれゆえに、北朝鮮は以来、ミサイル発射をさらに頻繁に行うようになっている。

韓国・聯合ニュースによると、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長(当時は第1書記)は3月、早い時期に核弾頭の爆発実験と、核弾頭の装着が可能な弾道ロケット(ミサイル)の発射実験を実施するよう指示したという。NHKによると、3~5月に発射された弾道ミサイルなどは計24発に上る。ムスダンもその一角だ。

ムスダンは唯一、グアムを直接攻撃可能な中距離ミサイル

ムスダンは、日本の防衛省によると推定射程が2500~4000キロ(ロイター)。ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)や聯合ニュースは3000~4000キロと伝えている。これは、日本全域をカバーするばかりか、米軍基地のあるグアムまでを射程に置く。

北朝鮮は常々、事と次第によってはアメリカを核攻撃すると挑発を繰り返してきた。もしも仮に、ミサイル搭載可能な核弾頭を開発済みだという北朝鮮の最近の主張が事実であれば、ムスダンは搭載機としてまさにうってつけだ。韓国国防省によれば、ムスダンには約650キロの弾頭を搭載できるという(朝日新聞)。

国際社会からの制裁で追い込まれている北朝鮮にとって、アメリカとの交渉のテーブルに着くために、(本土は無理としても)アメリカを直接攻撃可能な核ミサイルを今何よりも手に入れたいはずである。またグアムは、インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ紙(INYT)によると、朝鮮半島有事の際には米軍が援軍を送りだす重要拠点になる。同紙によると、ムスダンは、グアムの米軍基地に到達可能な射程を持つ北朝鮮の中距離弾道ミサイルとして唯一のものである。

さらに、ムスダンは移動式発射台からの発射が可能だ。22日に発射された2発のうち、最初の1発の発射後に、韓国軍合同参謀本部は、これは移動式発射台から発射されたものだとの見方を示していた。WSJが指摘するように、固定設置のミサイルと比べ、移動式は発射前の探知、破壊が難しくなる。またWSJが一般論的に語るところでは、北朝鮮がもし潜水艦搭載型や、車両型移動式発射台から発射可能な核ミサイルを保持していれば、北朝鮮に対しいずれかの国が先制核攻撃を行った場合、北朝鮮から核による報復を受ける可能性がある。つまり、北朝鮮は核抑止力を持つことになる。

日本にとっては、ムスダンによって、日本を射程とする北朝鮮のミサイルの種類が増えることになる。中谷元防衛相は22日、そのことにつき「日本の安全保障上、強く懸念する」と語った(ロイター)。日本はこれまでにも、射程約1300キロの中距離弾道ミサイル「ノドン」によって、ほぼ全域が射程に入れられていた。ロイターが韓国メディアの情報として伝えるところによると、北朝鮮は最大30発のムスダンを所有していると考えられているという。

驚きのハイペースで失敗の連続

ムスダンの初めての発射実験は4月15日に行われた。しかしこれは発射直後に爆発し、失敗したとみられている。その次には、同月28日に2発を発射したが、これも失敗。5月31日に発射した1発は、車両に載せた移動式発射台で爆発したと韓国軍当局は分析したという(聯合ニュース)。

聯合ニュースによると、(驚いたことに)北朝鮮は2007年、発射実験もなしにムスダンを実戦配備したという。これは、ムスダンがロシア製の潜水艦発射弾道ミサイルを改造したものであるため、性能に問題がないと北朝鮮は判断したのかと、聯合ニュースは1つのアイデアを示している。

そして、22日の2発の発射だ。積み重なった失敗にもかかわらず、驚きのハイペースである。韓国科学技術研究院の李春根研究委員は、過去の失敗事例について、「根本的な技術欠陥であれ、維持補修能力の問題であれ、これほどの欠陥なら1年程度は点検しなければならない状況」と述べていた(聯合ニュース)。通常なら、それぐらいの間隔をあけて再実験に臨むというのだろう。だが、そう言っていられないほど、北朝鮮は焦っている。金委員長が焦らせているのだろう。INYTは、この金委員長の焦りこそが、失敗を連続させている原因だとの専門家の見方を伝えている。金氏は、核兵器、化学兵器でグアムの米軍基地を攻撃する能力を証明しようと急ぐあまり、技術者たちに問題を修正するのに十分な時間を与えていない、というのが専門家らの言だった(技術者は崖っぷちの努力を強いられていたことだろう)。

そして、22日発射の1発目も、失敗とみなされた。これで5回連続の失敗だった。韓国政府の消息筋は「ミサイルは数分間飛行したが、弾道ミサイルとしての最小限の射程にも届かなかった」「弾道ミサイルは放物線を描くが、今回は弾道ミサイルとして正常な飛行をしなかった」と説明したという(聯合ニュース)。なお、ムスダンの最低射程は500キロ以上とのこと。

6発目の正直? 異例の高度1000キロ

ところが、2発目に関しては話が違った。2発目は水平距離で約400キロ飛んだ。たしかに推定射程距離よりははるかに短い距離だったが、今回の実験はアメリカや韓国が、ムスダンの実験で即座に失敗だと片づけなかった唯一のものだった、とINYTは語る。ロイターは、これまでの実験で最も望ましい結果を出したとみられるものだと語り、フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、今までのムスダンの実験で最も成功したとみられるものだと語っている。

韓国軍合同参謀本部は、韓米両政府が2発目について「徹底的な解析」を行っていると述べた(BBC)。

防衛省の分析によると、2発目のミサイルは、高度1000キロ超にも達していたという(ロイター)。米ミドルベリー国際大学院モントレー校のジェフリー・ルイス氏がロイターに語っているところでは、ミサイルは通常、最大射程を得るためには一定の角度で発射されるもので、よって2発目が高高度に達したことは、日本の上空(通過)を避けるために意図的に選ばれたのかもしれない、という。「このミサイルは完璧に動作していたことがほのめかされる」「通常の角度で発射されていたなら、最大射程まで飛翔していたことだろう」と同氏は語っている。

「北朝鮮が実験を続けるなら、やがては北朝鮮のミサイル開発者は、そのムスダンと同じ技術を、アメリカ(本土)を脅かしうるミサイルに使用するだろう」と同氏は語っている。それはつまり長距離弾道ミサイルだ。時事通信によると、射程1万キロ超の大陸間弾道ミサイル(ICBM)もこの高度まで上昇すると、日本国際問題研究所の戸崎洋史主任研究員(核・ミサイル防衛専門)が指摘しているという。

FTによると、北朝鮮政権の最終目標は、核搭載の弾道ミサイルで米本土に脅威を与える能力であり、それによって国際社会への影響力を得ようとしている、と専門家らは考えているという。

今回の発射がもし成功だったとして、今のところ、ムスダンの成功率は6分の1でしかない。だが、その意味は大きいようだ。

(田所秀徳)

 

 

記事提供:ニュースフィア