富士山7合目で男性の遺体発見。ニコ生配信中に滑落した人物か?

動画配信サイト「ニコニコ動画」で、人が富士山から滑落する様子が生配信されていたとの通報を受け、周辺部の捜索を行っていた静岡県警は30日、富士山須走口の7合目にある山小屋・大陽館付近(標高約3000m)で、身元不明の遺体を発見したと、朝日新聞NHKニューステレビ朝日などが速報で報じた。警察はライブ配信をしていた人の可能性もあるとみて身元の確認を進めることにしているという。

NHKニュースによると、警察からの話として、9月から閉山している富士山で28日、男性とみられる人が雪が積もった山を登る様子を動画配信サイトでライブ配信していたところ、配信中に滑落する様子が流れたという。このため警察はこの人物が遭難したとみて、ヘリコプターや山岳救助隊を出して捜索した結果、30日13時40分頃、7合目の山小屋「大陽館」から南に800mほどの標高約3000mのところで、遺体が見つかったという。朝日新聞によると、遺体は損傷が激しく、衣服も破れていたとしている。近くにはリュックサックが落ちていたが、身元の確認につながるものは見つかっていないという。

すでにネット上では29日に、生配信者である男性が富士登山にしては軽装であったこと、また滑落したと思われる際の動画が拡散するなどして話題となっていた。テレビ朝日によると、28日に動画を見た人から「富士山から滑落したような動画がアップされていて心配になった」と110番通報があり、警察が捜索していたとしている。

Twitter上では、今回の騒動とともに、遺体で発見された男性の問題点などについて書かれたツイートが多く投稿されている。

Twitter上の投稿





※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

sauce: 朝日新聞NHKニューステレビ朝日

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現役医師が警告「治療成績ランキング」で病院を選んではいけない

「○○飲んだらすべての病気が治った」「○○制限食をとったらすべての人が健康になる」等、出鱈目情報が溢れる昨今。現役の呼吸器内科・総合内科専門医の畑地治先生が最先端の精密医療を解説するメルマガ『ドクター畑地の診察室』で、ネットや雑誌でみかける「がん治療成績病院別ランキング」に隠された罠について述べられています。

治療率ランキング1位は、簡単に作れる

癌と診断されたら、少しでも良い病院を受診して、腕が良いと評判の医師を受診したいと思うのは万人の願いです。昔なら病院別の5年生存率ランキングは表には出なかったのですが、最近は少しインターネットで検索すると病院別の5年生存率ランキングがデカデカと掲載されています。掲載されている最上位の病院と最下位の病院では治療成績にかなりの開きがあります。
果たして、これを真に受けて良いのでしょうか

極論を言ってしまうと、癌患者さんが無制限に来院するといった条件の下では、私が所属する松阪市民病院を全国1番の治療成績にすることは簡単です

例えば、肺癌の手術をするときに、80歳女性のAさんと、50歳女性のBさんでは、どちらの患者さんが手術がうまくいく可能性が高いでしょうか。50歳女性のBさんの手術をした方が、80歳のAさんの手術をするより上手くいくことは自明の理です。

残念ながら日本においては、若年者は都会に集中しています。ランキング上位に大都市のがんセンターや大学病院が並ぶ理由の1つは同じ癌患者さんでも大都市の病院には若い患者さんが多いことにあります。

例えば癌患者さんの平均年齢が80歳の病院と65歳の病院では、どんな名医が治療しても平均年齢が80歳の病院の治療成績が上位になることはありません。

もう一つの問題は、どこまでのリスクを許容して治療するかということです。81歳男性のCさんは、数年前に脳梗塞を患い車椅子で生活しています。昨年には突然の胸痛をきたし心筋梗塞と診断され、カテーテル治療を受けました。本年の検診でたまたま肺癌が見つかり、検査の結果ステージIの肺腺癌と判明しました。
最初に訪れた病院では「高齢であり、車椅子生活と昨年心筋梗塞を患ったことを考えると手術のリスクが非常に高いです。このまま手術はせずに経過観察した方が良いです」と説明を受けました。
どうしても手術を希望したCさんは別の病院を訪れました。その病院では「リスクが色々あるために、手術後合併症を起こす危険性もあるが、早期の肺癌で手術すれば完治する可能性は高いです。頑張って治療をしましょう」と説明を受け手術することになりました。

医学的にはどちらも正解ですが、皆さんはどちらの病院を希望されますか?リスクが高い患者さんの治療を積極的に行うと、病院の治療成績の悪化に繋がります。医師目線ですが、治療成績を良くしようと思えばリスクが高い患者さんの治療をできるだけ少なくすればよいわけです。

癌患者さんが多い都会の病院では、病院の受け入れられるキャパシティーには限界があるので、どうしても患者数を絞らなければなりません。そういった場合、やはり若年者で合併症がない癌患者さんを優先して治療する機会が多くなります
逆に田舎の病院には高齢者でリスクがある癌患者さんが多く来院します。病院の経営の問題もあり、全ての癌患者さんの治療を断るわけにもいかず、必然的にリスクが多い癌患者さんを治療する機会が多くなります

そうすると、若年の癌患者さんが多い都会の病院の治療成績が良くなり、その成績を知った患者さんが多く訪れるため、さらに状況が良い患者さんのみ治療できるようになる循環が生まれ、病院間の治療成績の格差が開いていくわけです。

治療成績が良い病院には敬意を評します。そのような病院に勤務する先生達のモチベーションは総じて高く、優秀な先生が多いことは事実です。しかし治療成績が悪い病院が一概に悪いわけではなく、むしろリスクが高い癌患者さんの治療については経験豊富で優れていることが多いわけです。

我々の松阪市民病院では、昔から宗教的な理由で輸血をしない患者さんの手術を数多く行なってきました。そのような患者さんこそリスクが高いので、人手も多く高度な設備をもちあわせた都会の大病院や、大学病院で手術対応していただきたいです。

しかし、手術は言うに及ばず、抗癌剤治療なども断っている病院がほとんどなのです。リスクがない若年者の癌患者さんをしっかり治療することは大切ですが、それ以上に色々なリスクがあっても、どうしても治療したい患者さんの希望を叶えてあげることも大切だと私は思っています。

松阪市民病院の治療成績を1番にすることは簡単だとのべました。75歳以下で合併症がなくて、元気な患者さんだけを治療していけばすぐに達成できるからです。

しかしながら、我々の目標はもっと高くに置いています。皆さんのおかげで私が赴任した16年前には、肺癌の入院患者数は年間10名以下でしたが、今や年間750名を超えており、三重県内では肺癌入院患者数は最多となっています。若年者の癌患者さんだけ、元気な癌患者さんだけといった治療は行わず、出来るだけ多くの癌患者さんに少しでも元気でいてもらえるよう頑張っています。三重県は言うに及ばず、少しでも多くの癌患者さんに全国から来院していただけるよう、これからもたゆまず努力していきます。

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ヨーカ堂もイオンも瀕死。総合スーパーの凋落が止まらない理由

かつては隆盛を誇った総合スーパー(GMS)大手が苦境に立たされています。誰もが知る老舗のイトーヨーカ堂や流通最大手イオンがともに不振に陥り改善策を講じるも、両社ともに凋落に歯止めがかかりません。この先、GMSに明るい未来はあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』では店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、GMA大手2社が追い詰められた原因を分析するとともに、両社が今後成長を果たすために取るべき施策を考察しています。

ヨーカ堂は減収減益、イオンリテールは赤字 総合スーパーの凋落鮮明

流通大手セブン&アイ・ホールディングス傘下の総合スーパー(GMS)大手、イトーヨーカ堂の業績が冴えない。2020年2月期第2四半期(19年3~8月)決算は、営業収益が前年同期比3.5%減の5,928億円、営業利益が72.7%減の5億円と減収減益だった。既存店売上高は0.8%減とマイナス成長となった。

ヨーカ堂は長らく不振が続いている。19年2月期は営業収益が前期比0.6%減の1兆2,361億円、最終損益は78億円の赤字(前の期は58億円の赤字)だったが、減収は3年連続最終赤字は5年連続となっている。業績悪化に歯止めがかかっていない状況だ。営業利益は53.0%増の47億円と増益だったが、営業利益率はわずか0.4%に過ぎない。

ヨーカ堂はこれまで不採算店の閉鎖や売り場の大胆な見直しを実施し、店舗の構造改革を進めてきた。売り場に関しては、不振が続く自営の衣料部門と住居部門を縮小してテナント化を進めた一方、十分なニーズがある食品部門はさらなる強化を図ってきた。しかしこうした対策が功を奏しておらず業績回復がままならない状況が続いている。

そこでセブン&アイは10月10日にヨーカ堂の構造改革案を発表。展開する158店舗のうち33店舗で閉店やグループ外企業との連携を検討するほか、従業員数を22年度末には18年度末比で約1,700人減らす方針を示した。

22店舗ある食品スーパーの「食品館」については分社化を視野に入れる。首都圏でスーパーを展開するヨークマートなどグループ企業と連携して新たな店舗フォーマットの確立やサプライチェーン(供給網)の効率化などを実現し、収益性を改善したい考えだ。

継続可能な103店舗については、自営の衣料・住居売り場のさらなる縮小を実施して代わりに有力テナントを誘致するショッピングセンター化を推進し、脱GMSを図る

ヨーカ堂の苦戦が続いているが、GMSの苦境は同社だけではない。流通最大手のイオンもGMS事業の不振で苦しんでいる

まずは同社の連結業績を確認する。20年2月期第2四半期(19年3~8月)決算は、営業収益が前年同期比0.6%増の4兆2,902億円、営業利益が3.9%減の863億円だった。純利益は64.1%減の37億円。連結子会社の不正会計の処理で費用を一括計上したことが響いた

次に同社の中核事業、GMS事業の業績を見ていく。同事業の営業収益は前年同期比0.3%減の1兆5304億円、営業損益は75億円の赤字(前年同期は58億円の赤字)だった。減収となり赤字幅は拡大した。

同社の中核子会社のイオンリテールが足を引っ張った。売上収益は前年同期比0.3%増の1兆880億円とわずかながらも増収となったが、営業損益が63億円の赤字で、前年同期から赤字幅は28億円拡大した。最終損益は98億円の赤字(前年同期は81億円の黒字)だった。

イオンリテールの店舗数は増えている。19年8月末時点で411店を展開しているが、2月末からは8店舗増えた。一方で既存店売上高は苦戦しており、19年3~8月期は前年同期比0.3%減とマイナス成長だった。19年2月期もマイナス成長となっており、1.4%減だった。個店毎の販売不振が続いており、それが全社の収益性低下につながっていることがうかがえる。

通期ベースの業績も冴えない状況が続いている。イオンリテールの19年2月期の営業収益は前期比0.6%減の2兆1,854億円と減収だった。営業利益は微増の118億円、最終損益は118億円の黒字(前の期は169億円の赤字)とどちらも前期からは改善しここ数年は上向いているが、営業利益率はわずか0.5%に過ぎず決して十分とはいえない。

もちろんこうした状況にイオンは手をこまぬいているわけではない。GMS改革を掲げて事態の打開に動いている。ヨーカ堂と似たかたちで衣料の絞り込みと食品の強化を図っている。また、子ども用品や家具・雑貨など4分野の専門店を分社化する方針で、それに向けて組織改革を進めている。加えて、他の専門店の分社化も視野に入れる。分社化して商品開発などの機能を強化し、専門性を高める狙いがある。こうした施策でGMS改革を成し遂げ、業績を上向かせたい考えだ。だが、改革は途上で、目立った成果を出せていないのが現状だ。

訪日客に文句ばかりの日本人に足りぬ「迷惑」をカネにする発想

外国人観光客による「ルール違反」や一部鉄道愛好家による「迷惑撮影行為」、さらには街を「占拠」するハロウィン参加者等が批判的なトーンで報じられ、賛同する声も多数に上っています。そんな流れに異を唱えるのは、米国在住の作家・冷泉彰彦さん。冷泉さんは今回、自身のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』で、ルール違反や迷惑とされる行為に対して「お金」を介在させることで関わる人すべてが笑顔になれるとして、その具体的な方法を記しています。

経済で社会を動かせないという不幸

インバウンド旅行者だけでなく、国内の観光客も含めてスマホで写真を撮ってインスタなどSNSで拡散するというのは、大流行となっていますが、これに対するアンチと言いますか批判記事が目に余る感じです。

例えば、京都の祇園では、舞妓さんや芸者さんに対して観光客の「迷惑行為がエスカレート」しているというのです。まるで犯罪行為が日常的となっているような記事が多いのですが、具体的には「許可なき撮影」が横行しているというのです。

その結果として、撮影禁止の高札を立てたり「無断撮影は1万円」という罰金を科す(法的拘束力はないわけですが「罰金」的な意味合いということのようです)としている、ということになっています。

報道によれば「まちづくりに協力する京都女子大、龍谷大の学生ら約60人がマナー向上を訴える活動も行い、観光客に注意を呼び掛けるステッカーなどを手渡す」といった「活動」もされているようです。

どうにもおかしな話です。まず罰金の1万円という金銭感覚がわかりません。20万の航空券を買ってきて、一生に数度の日本旅行を楽しむ中で、他でもない京都で、本物の舞妓さんが京都の家並みの中で自然に歩いている写真が撮れるのであれば、1万円というのは多少高いかもしれませんが、リーズナブルな範囲です。本当に怒っていて禁止したいのなら、一桁違うのではないでしょうか?5万とか10万とか請求するぐらいやっても良いと思います。

それはともかく、ここには猛烈なニーズがあるわけです。であるのなら、観光協会などが率先してやるべきなのは、舞妓さんの写真が撮れるスポットを「公式認定」して、そこで1万円はともかく5から10ショット一緒に写って3,500円とか、京らしい町並みの中での撮影なら4,500円とか、商業化したらいいのです。別に儲ける必要がないにしても、金で秩序を整理するというのでどうでしょうか?本当に収益とか要らないのであれば、観光地としての交通整理の資金にするとかしたらいいと思います。

似たような話はゴロゴロあります。

例えば、今は豊洲に移転してしまいましたが築地市場がブームだった時は、撮影したい観光客が殺到して問題になったり、ついでに魚に触ったりして怒られたり大騒ぎになっていましたが、これもちゃんと「ツキジ・スーパー・ツナ・センター」とか作って、解体ショーとかセリの実際をショー化して金を取りしっかり撮影チャンスを用意すればよかっただけのことです。

インバウンドついでに言うと、東京では今でも「なんちゃってマリオカート」と言う乗り物で観光客から金を取る商売が横行しています。任天堂さんは、カンカンですし、住民からは観光公害とか言われて散々な状態です。ですが、これも猛烈なニーズがあるのですから、都内でキチンとクローズドなサーキットを作って「公式マリオカートトウキョウの豪快な景色をバックに走れるようにしたら1時間1万5,000円とか取ってもジャンジャンお客は来るのではないでしょうか。

こうなったら、首都高の環状線などは、中央環状とか外環道とかある現在は、通り抜け需要もないことですし、この際「マリオカート+頭文字D+東京ドリフト専用」のテーマパークにした方が、経済効果は大きくなるかもしれません。これはまあ半分冗談ですが、ニーズがこれだけあるのにグレーな営業だけが横行してしかも社会的には白眼視していると言うのはバカみたいです。

韓国に切迫感なし。東アジアに予期せぬ事態を引き起こす文政権

10月24日、日韓は「厳しい両国関係の修復」への見解を一致させたと報じられていますが、そもそもこれほどまでに日韓関係がこじれてしまったのは、どこに原因があるのでしょうか。ジャーナリストとして数々のメディアで活躍中の嶌信彦さんは今回、自身の無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』で、日米韓が均衡を崩した要因と、その隙を狙う中国・ロシア・北朝鮮の動向を考察しています。

広がる日韓関係悪化の波紋

日本と韓国の関係悪化が、アジア情勢全体の波乱につながりはじめた。アメリカは日本・韓国の早急な和解を求める一方、中国やロシアはアジア情勢の変動を自国に有利な方向につなげようと水面下で動いている

事の発端は大戦中に日本が韓国人を日本の鉱山や道路建設などに徴用した事件について、最近、韓国の最高裁が違憲判決を下し、日本企業は賠償すべきだと命じたことに始まった。これに対し、日本側は「1965年の日韓請求権協定で全面的に解決しており、今後は徴用工問題を両国の間に持ち出さないと約束したはずだ」と抗議した。しかし文在寅・韓国大統領は「司法の判断に行政は口を挟まない」と述べ、事実上、韓国最高裁の判断を尊重する姿勢を打ち出した。

このため、日本側は「国際的な司法の約束を無視したものだ」と主張。さらに韓国を貿易上で優遇措置を取るホワイト国から除外すると発表した。日本は世界の27カ国をホワイト国に指定し、輸出入の規制を大幅にゆるめて優遇しているが、そこから韓国をはずしたのである。

すると今度は韓国が日韓の軍事情報をお互いに交換し、防衛秘密を共有する「日韓軍事情報包括保護協定GSOMIA)」を突然破棄すると宣言した。日韓の貿易問題を安全保障問題へと飛び火させたのである。この決定には、「日米韓3カ国の安全保障政策の連携深化を進めたい」と会談していたアメリカのエスパー国防長官とポンペオ国務長官は「アメリカは他分野での日韓対立に関係なく防衛・安保に関する連携は今後さらに深めるべきだ」と説得していただけに韓国の決定には失望した」と不満を露わにし、「文在寅政権は我々が北東アジアで直面する深刻な安全保障上の脅威について大きな誤解をしている」と批判した。

日米が安全保障問題で最も懸念するのは北朝鮮のミサイル発射だ。発射直後は日本側の地上レーダーだけでミサイルの動きを把握でき、日本寄りの日本海や太平洋に着水した時は韓国のレーダーでは捉えきれない。全体像を掴むには日米韓の情報協力で迎撃態勢を取れるとされてきた。

すでに今年夏にロシア軍機が領空侵犯した事件が発生しているし、中国も日韓の対立に乗じてインド太平洋地域にさらに揺さぶりをかけてくる可能性も強い。それだけに文在寅政権は日米が思うほど北朝鮮や中国ロシアなどの脅威戦略について切迫感を持っていないのではないかとみてしまうのだ。実際、文政権は南北朝鮮の融和に力を入れており、日米韓、特に日本との結束に熱心ではない。文政権の登場は今後もアジアに予期せぬ事態を引き起こしそうだ。

(財界 2019年10月8日 第504回)

※ 補足情報

24日付けのロイタは安倍首相が同日付の韓国の李洛淵首相との会談で、日韓関係が「厳しい状況にありこのまま放置してはいけないとの認識を示し、さらに「北朝鮮問題をはじめ日韓・日韓米の連携は極めて重要」だと述べ、「日韓両国はお互いにとって重要な隣国」「国と国との約束を順守することで、日韓関係を健全な関係に戻していくきっかけを作ってもらいたい」と要請したと報じました。

また、韓国外務省も同日、日韓両首相が日韓関係を困難な状態で放置すべきではないとの見解を共有したと明らかにし、韓国の趙世暎(チョ・セヨン)外務次官によると、両首相は米国とともに北朝鮮問題で協力することが重要との認識で一致した。

聯合ニュースが韓国の文大統領は安倍首相宛の親書で、二国間の関係を複雑化させている問題を解決するよう促したとも報じています。

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NY在住日本人社長が渡った「世界一」の橋とマカオドルの特殊事情

初の著書『武器は走りながら拾え!』が発売される今年の11月でニューヨーク在住20年になるという米国の邦字紙『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんが、自身のメルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』で、3週間に亘ったアジア出張記の第2弾を届けてくれました。高橋さんは、成功者特有の行動力を持つという香港在住日本人社長とともに、「世界一」だと感じた橋を渡ってマカオへ。マカオ独特の通貨事情と、ベガスの売上を超えたというマカオでのカジノ体験を伝えています。

秋のアジア出張(2)

香港の中心地に位置するホテルに到着したのは、すでに夜10時を過ぎていました。今回の香港出張はもちろん、お仕事。クライアントへの挨拶と打ち合わせと、先方の工場への下見目的でした。今の時代、地球上のどこにいても、打ち合わせはすべてスカイプ等でできるけれど、やっぱりご一緒するプロジェクトが大きければ大きいほど、直接の顔合わせも必要です。

そのあたりは今も昔も変わってないと思います。先方の会社に直接、挨拶に伺うことで、スタッフ全員と顔合わせもできる。これから最低2年間は香港とニューヨークで仕事をするメンバーたちと。ということは、今回の出張は結局のところ「挨拶」くらいなもの。特に具体的な業務が待っているわけではありません。

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ホテルは先方がとってくれました。チェックインする前にタクシーで降りて、建物を見上げた時点でビビります。「…、超高級ホテルじゃん…」。しかも、その最上階。窓からは香港市内が一望できる89階のペントハウス

その時点で「ラッキー」と思うより、「こっりゃ、一緒になるプロジェクト、絶対に手を抜けないなぁ」と逆にプレッシャーを感じました。その香港在住の日本人社長はさすがのビジネスマン。「人を動かす」ことに、ケチらない。僕に超高級ホテルを1泊プレゼントしたことで、僕をサボらせない権利を得たようなものです。窓から眼下の夜景を見下ろし「やられたなぁ」と感動し、苦笑いしたものでした。その時、LINEに「おつかれ!ルームサービスも自由にとってね」と入りました。「やっぱり…やられたなぁ…」

ただ、その社長の唯一の誤算は、僕が高級ホテルのルームサービスよりも、街中の屋台のやっすいローカルの食事の方が好きだということ。89階からエレベーターで降りて、真夜中の街をうろつきます。さすがにこの時間になると、従来の路面店はほとんど閉まっている。それでも、人の声がする方向へ歩くと、やっぱりありました。きったない屋台の群れ。

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屋台の木のカウンターに座ります。この時間だというのに、数台並んだ屋台はどれも超満員。旅行者ではない、あきらかに現地の人間で埋まっていました。壁にかかっているメニューを眺めるも「さすがに広東語はさっぱりだなぁ」と思っていると、首に汚いタオルを巻いた下着姿の店主が「メイ・アイ・ヘルプ・ユー?」とカタコトでも英語で聞いてきます。さすが香港。見た目、ジャッキーチェンの映画に出てきてすぐ殺されそうなおっさんがまさかの英語で聞いてくれました。

たしかに、香港では英語だけでもなんとか生活ができる、と聞いたことがあります。そのあたりは中国本土とは別世界。僕自身、かつて世界100都市ほど巡って、英語が通じないのは、中国と日本くらいのものでした。香港人は、広東語、英語、そして中国語(標準語)を使い分けられると聞いたことがあります。そういった意味では、東京よりはるかに国際都市なのだと思います。

メニューの中に「出前一丁」の文字を発見。この屋台に来る前に、ふらっと寄ったコンビニの中でも「出前一丁」の存在感はひときわ目立っていました。「NISSHIN」は、日本の人が思っている以上に、国際的大企業なのだと実感させられます。試しに、観光でもいいので、世界のどこへでも出かけてください。そこがどこであっても、おそらくはかなりの確率で、出前坊や(例のキャラクター)を見ることになります。

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(翌日、そのクライアントの会社にお邪魔して、香港人スタッフにそのことを話すと、あるYouTubeを見せられました。香港で流れる出前一丁のTVCMで、あの出前坊やが、少女漫画のイケメンキャラクターに変身して、お客さんの女性に壁ドンをしている動画でした。ちょっと面白かった。暇な時、探してみてください)

迷走Brexitで生じた独仏結束の綻び。国際交渉人が危ぶむEU分裂

離脱期限の延長が繰り返されてきたBrexitの問題も、10月31日に迎える期限においては、これ以上の延期はないと見ているのは、EUとの交渉経験も豊富な国際交渉人の島田久仁彦さんです。島田さんは、自身のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』で、その理由として、期限延長への反対姿勢を鮮明にしているマクロン大統領の存在を上げ、Brexitがどのように決着しても、独仏の主導権争いによって生じたEU内の綻びが、大きな裂け目となって広がる可能性を指摘しています。

Brexitの迷走が作り出したEU分裂の危機

「何としても10月末までの離脱を実現する」と高らかに宣言し、自らに盾突く保守党幹部を21人も追放したジョンソン首相。

EUのバルニエ交渉官と英国の交渉官が何とかまとめた妥協案を下院にかけ、大枠で賛成を取り付けたものの、24日までに110ページにわたる妥協案の採決を行おうとした提案が23日に否決され、英国下院は、先に合意している法律に基づいて、EUに対して離脱期限延期を要請することになりました。同時に、ジョンソン首相は「離脱期限延期要請に対するEU側からの回答があるまでは、Brexitについての議論は停止する」と宣言し、ボールをEUサイドに投げてしまいました。

彼の意図するところについては、諸説ありますが、もうすぐ任期満了でポジションを去るトゥスクEU大統領はEU27か国に対して「英国からの離脱期限延期要請を認めるようにしてほしい。私の辞書にはHard Brexitという言葉はない」と急遽呼び掛け、数日中の回答・合意を求めていますが、先述の通り、全会一致を要する本件が、すんなりEU首脳会合で合意される見込みは低いと思われます。

その理由は、これまでのEU側の英国を突き放すような頑なな態度からも予想できますが、これまで2年以上にわたるBrexitの先延ばしは、EU27か国の結束、One Europeの姿勢を確実に蝕んできたようです。

Brexitの内容を巡る英国下院でのやり取りは、あまり生産性の高くないものであることは、メディアの報道でも明らかですので、その詳細については書きませんが、EU各国の対応には、確実にsplitが入り、それは日ごとに広がっています。

その主なactorsは、EU統合の基礎で、EUの中心を占めるドイツとフランスです。当初、両国は苦労して築き上げてきた欧州統合の道を、通貨統合の際に一人距離を置き、冷や水を浴びせた英国に、再度崩されてはならないと、メイ首相率いる英国政府に非常に厳しく当たってきましたが、時が経つにつれ、両国の対応に温度差が顕著に見えるようになりました。

ドイツのメルケル首相は、「メイ首相が完全にEUと議会の間に板挟みになったのは、EUサイドの不寛容が原因ではないか。かわいそうなことをした」と同情にも似た気持ちになり、退任前のメイ首相からのBrexit期限延期の嘆願に対しても、2020年5月までという1年の延長を呑む可能性を表明しました。

批判的な声も多かった中で、それでもメルケル首相のリーダーシップを認めて、「ドイツがいいのなら…」と寛容な回答が用意されかけましたが、それに真っ向から立ち向かい、最後まで対英ハードライナーを貫いたのが、フランスのマクロン大統領です。

「いつまでもEU首脳の大事な時間が、英国1国の都合で無駄にされるべきではないし、フランスはそれをもうこれ以上看過できない」と、4月末には「今、出ていくか、EUとの妥協案を即座にのむか、どちらかだ!」と半ば、英国に最後通告を突きつけるような勢いだったようです。

家庭教育のプロが教える「自立」の極意「自立するって頼ること」

子育てのひとつの終着点は、子どもをしっかりと「自立」させることかもしれません。では「自立した人」とはどんな人なのでしょう。ひとりで何でもできる人でしょうか?メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんが、自立とは「人に頼らなくなること」ではなく、本当に身に付けるべき力があると教えてくれます。

自立するって頼ること!

1.人に頼る力をつける

「人に頼る力」をつけよう、と言うと、自立とは逆に聞こえます。自立とは「人に頼らなくなること」ではありません。むしろ「頼れる人を増やしていくこと」です。自分の「困りごと」を、自分で解決するためには、一人で出来ないことは、「人に頼る」ことになります。

例えば、一人暮らし先で、高熱を出し身動きが取れないとしたら?もしも家族がそばにいれば、自分は何もしなくても病院へ連れて行ってくれるでしょうし、温かい食事や身の回りの世話もしてくれるでしょう。

しかし今は自分で何とかするしかありません。その時に「人に頼れるか」です。つまり「助けてくれ」と、他人にアクションを起こせる力があれば、病院にも行けますし、温かい食事も、身の回りの世話も問題ありません。

この例は極端かもしれませんが、「困りごと」を抱えた時に、「助けて」と頼れる人が多ければ多いほど、人は生きていけます

2.共有・分かち合う力

親元を離れて一人暮らしをするようになると、よく親のありがたみがわかる、などと言いますが、人との関わりがいかにありがたいか、と言うこともわかります。「困りごと」を他者に話すことで解決したり、気持ちが楽になったりします。

これまで「一人で抱え込んでいた」ことが、他者と共有すること、分かち合うことで解決に向かうからです。

家庭教育アドバイス…「繋がることの大切さ」

人は自立していようがいまいが、集まればコミュニティができます。家族、親戚、趣味のグループ、学校、企業、地域、社会活動グループなど様々です。その中には繋がって窒息しそうな人、繋がらずに、はぐれている人もいるでしょう。

それぞれに、生きにくさも持っているかもしれません。けれども、繋がってさえいれば、「助けて」と言えなくても誰かが気づいてくれます。「助けて」と言えれば、「助ける」こともできます

繋がることは、生きる上で欠かせない大切なことなのです。「頼れる先」を増やすことこそが、社会と繋がり自立する、ということなのです。

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秋の冷えやむくみ取りのボディケアに鍼灸師が勧める入浴時の工夫

肌寒さを感じる日が増えてくると、カラダのあちこちにさまざまなタイプの痛みを感じることが増えるようです。メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者、のぶ先生が、この時季に痛みが生じる原因と、神経痛、筋肉痛、関節痛それぞれの痛みに効果がある入浴時の工夫の仕方を教えてくれます。

実は梅雨から続く湿気症状

【寒くなる時になる痛み症状】

陽気が秋めいてきて、徐々に肌寒くなってきました。そんな中、体中のさまざまなな痛み症状がめだつようになっています。

  • ピリピリ痛い神経痛
  • ズキズキ痛い筋肉痛
  • 動くと痛い関節痛

などなど。冷えると痛いこうした症状は、じつは体内に停滞している梅雨からの湿気が原因です。

【梅雨から続く体内の湿気】

今年は梅雨が長く、夏は猛烈な暑さに見舞われました。暑さが厳しいと、ついついエアコンをかけるようになります。熱中症の心配がありましたから、エアコンをかけるのは必要。でも、夏の間、汗をかいて梅雨の間に体内にため込んだ湿気の排泄が適うことができませんでした。

夏は汗をかいて筋肉や関節を解きほぐし、身軽にリフレッシュする季節です。長梅雨で猛烈な暑さでエアコンの冷気でカラダを冷やし続けたカラダは、秋本番を迎える時、体内の湿気を秋の冷え込みでいっそう冷やしてしまうことで、さまざまな痛み症状をひきおこしているわけです。

【毎晩のバスタブ入浴は必須】

夏の間に発汗できなかったために、カラダは慢性的にむくみがち。毎晩の入浴は、しっかりバスタブにつかることで、体内の血流をうながし、痛みやこわばり症状を予防することができます。

●「入浴の効果と工夫」

  • こわばる筋肉の痛み症状は、温かいお風呂の中で軽くつまむようにもみほぐすことが効果的
  • ピリピリ痛い神経痛症状は、お湯で患部を温めながら軽くさするようにすると、症状が軽減
  • 動かすと痛い関節痛症状も、温かいお風呂の中だと浮力の効果で関節の負担を減らせるので、痛みのある関節をお湯に浮かべるようにして、軽くゆするように運動させると関節の柔軟性をとりもどすとともに、痛み症状も軽減

お風呂ではカラダが温まり軽く汗ばむことを実感しながら、こうした冷えやむくみ取りのボディケアも積極的に行うようにしてみましょう。

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リニア乗客の安全問題に切り込まず。堕ちた日本のジャーナリズム

2027年の品川・名古屋間の開業に向け工事が進むリニア中央新幹線。開業後、約25kmに及ぶ南アルプストンネル内で立往生する事態が起きたときの安全対策に不備があると、メルマガ『NEWSを疑え!』の共著者の一人、西恭之・静岡県立大学特任助教が訴えたのは今年7月初めのことでした。この問題について、静岡県知事が10月11日に言及。しかし、問題意識を持って追取材に動いたマスコミは現時点で確認できていないようです。メルマガ『NEWSを疑え!』主宰者である小川和久さんは、こういった現状に接し、日本のジャーナリズムの劣化を嘆きます。

リニアの問題を報じないマスコミ

今年7月1日号のテクノ・アイ(西恭之・静岡県立大学特任助教)を憶えていらっしゃるでしょうか。建設中のリニア中央新幹線について、地震や停電時の乗客の避難対策の不備を指摘したものです。

静岡県内の場合、乗客は緊急停車したリニア中央新幹線から斜坑を3キロ以上歩いて2個所の非常口から地上に出ることになっていますが、まず、元気な人間でなければたどり着くのは難しいほどの勾配と距離です。たどり着いたとしても、非常口は標高1000メートル以上の高さにあり、そこから下山しようとしても標高1000メートル以上の高地を避難所が設けられる可能性のある場所まで、10キロ以上を歩かなければなりません。冬などであれば、東京や名古屋の服装のままの乗客が寒さから命を落とす危険性は明らかです。

しかも、南海トラフ地震や東海地震が起きた場合、緊急停車したリニア中央新幹線の乗客に対して、自衛隊を含めて、災害対応で大わらわの行政組織の手が回るとは思われません。救援の手はさしのべられないと思わなければならないのです。

そう考えれば、非常口などはもっと脱出しやすい位置や構造にして、乗客の自助・共助だけで危機を脱することが可能なものにする必要があります。西さんのコラムでは、乗客の安全に配慮したスイスのゴッタルドベーストンネル(57キロ)の例などが紹介されています。

この問題について、10月11日、静岡県の川勝平太知事が記者会見で触れ、西さんのコラムも配付しました。その結果は、日本のマスコミの惨憺たる現状を表すものとなりました。