海に眠る5千億トン。海底資源ビジネスが元気ない日本を救う可能性

陸上に存在する金属などの資源の枯渇が懸念される中、海底資源に改めて注目が集まっています。もちろんその採掘には、超えなくてはならないさまざまなハードルが存在しているのもまた事実ですが、「Windows 95を設計した日本人」として知られる世界的エンジニアの中島聡さんには「アイディア」があるようです。中島さんはメルマガ『週刊 Life is beautiful』で、話題となっている海底資源「polymetallic nodules」を詳しく紹介するとともに、自身が思い描く「新しい採掘方法」を披露しています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2019年11月26日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

海底資源

最近になって、海底資源の話題が目につくようになったので(例:「Electric car future may depend on deep sea mining」)、少し勉強してみました。

話題になっているのは、海底にふんだんに存在するpolymetallic nodulesと呼ばれる金属を含んだ石のようなもの)です。イメージが湧きやすいように、Wikipediaの画像を貼り付けておきます。

nakajima20191126-1

大きさは直径3センチから10センチ、ジャガイモぐらいの大きさです。海水中のミネラルが何か(貝殻の破片など)に付着する形で作られると考えられていますが、成長のスピードは非常に遅く、1センチ成長するのに100万年かかるとされています。

海底にはnodulesが沢山ある場所とほとんど無い場所がありますが、多いところでは海底を埋め尽くすほどに豊富にあり、総量は5,000億トンほどあると見積もられています。

nodulesが注目されているのは、リチウムイオン電池に必須なコバルトなどが含まれているためです。コバルトは主にコンゴでしか採掘できないため、コバルトの供給源としてnodulesが注目されているのです。

豊富にあるとは言え、海底にあるnodulesを効率良く採掘する手法はまだ開発中で、海洋生物に与える影響にも配慮する必要があります。

60 minutes (米国のCBS が製作するドキュメンタリー番組)の「Why the U.S. is missing out on the race to mine trillions of dollars worth of metals from the ocean floor」によるとnodulesは、Clarion Clipperton Zone(CCZ)と呼ばれる、ハワイとメキシコの間の海底に多く存在するそうです。

この領域の採掘に関しては、International Seabed Authority(ISA)という団体が管理をしており、すでに(日本を含む)16カ国がそこでの許可をISAから受けて、採掘実験を開始しているそうです(参照)。

ちなみに、採掘実験はトラクターのような大きな機械を海底に沈めて行っているようですが、そんなものを使うと海底の泥が大きく巻き上がって生態系に多大な影響を与えてしまいます。

私だったら、船から放り投げると自重で海底まで沈み周りにあるnodulesをアームで数十個集めてからバルーンを膨らませて海面まで浮かんでくる小型ドローンを開発するというアプローチを取ると思います。大量に生産すれば一台当たりのコストは安く出来るため、多少(ドローンの)回収に失敗しても痛くも痒くもありません(この例のように、今までは大型の機械でしか出来なかったことを、小型のドローンやロボットを大量に投入して行うことにより大幅にコストを減らす、というアプローチは色々なところで応用できると思います)。

ちなみに、この手のビジネスアイデアを思いついた時に、サクッとハードウェアのプロトタイプを作ってくれるそしてうまく動くとなったら事業化してくれる母体が欲しいと常々考えています。日本の大企業は、イノベーションの欠如で悩んでいるし、このあたりで私と組んでくれる企業があれば大歓迎です。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊 Life is beautiful』2019年11月26日号の一部抜粋です。

※表記に間違いがあり、タイトルの一部を訂正しました。(2019年12月2日)

image by: Philippe Saget [CC BY-SA 3.0], ウィキメディア・コモンズ経由で

条件は「オンリーワン」。日本のアパレル、テキスタイルへの提言

消費者の意識が大きく変わり、日本のアパレル企業を取り巻く環境は大きく変化。コストの安い海外で生産するアパレル企業が増え、やはり環境が変わったテキスタイル企業。ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんが、メルマガ『j-fashion journal』でこれらの環境変化を解説し、生き残っていくための道を提案します。共通点として上がってきたキーワードは「オンリーワン」でした。

日本のアパレル、テキスタイルへの提言

1.アパレルを取り巻く環境変化

インターネットもスマホもオンラインゲームもなかった時代、ファッション消費の優先順位は高かった。また、ファッションによる自己主張はカッコイイと評価された。しかし、最近は、頑張りすぎるファッションを「寒い」と感じる人も増えている。

生活におけるファッションの優先順位が下がっている。ファッションに対する憧れも減っている。社会全体がカジュアル化し、ドレスアップするシーンが減っている。常にドレスダウンであり、安価なアパレル製品でことが足りる。

アパレル生産の機能が、国内から海外に流出したことは、アパレル産業の空洞化を意味している。アパレル生産に携わってきた人材は職を失い、デザイナー、パターンナー、縫製工等の就職先も減っている

アパレル企業はアパレル卸からアパレル小売へと主役が交代した。ユニクロも無印良品も小売店であり、小売店が海外工場から直接商品調達している。国内生産が減少し、ミシンなどの縫製機器も国内需要よりも海外需要が増えた。

2.テキスタイルを取り巻く環境変化

かつて、繊維産地は産地内でサプライチェーンが完結していた。しかし、生産量が減少し、装置産業である染色工場が維持できなくなった。

また、アパレルの海外生産と海外素材調達が進み、テキスタイルコンパーター(生地問屋)の淘汰が進んだ。付加価値の高い別注専門のコンバーターは淘汰され、比較的安価な生地を在庫販売するコンバーターが生き残った。しかし、これらのコンバーターが扱っている生地の国内生産比率も下がっている。中国から生機を輸入し、国内で染色加工するケースが多い。

中国テキスタイルとの価格競争により、国内生産の生地の価格が下がり、利益が上がらない業態になった結果、事業承継をあきらめ、廃業する工場も増えている。その中で、一部のテキスタイルメーカーは、独自の高付加価値商品を海外ブランドに売り込んだり、国内のデザイナーアパレルと直接取り組むことで、量の拡大ではなく、質の向上と一定以上の売り上げを両立している。

また、テキスタイルメーカーが最終製品であるストール等の製品を直接消費者に販売することで、付加価値の高いビジネスを展開し、成功している企業もある。染色工場のように規模を縮小すると成立しない業態の生き残りは厳しく、規模を縮小しても付加価値の高い商品を開発できる業態は生き残る確率が高いと言えよう。

冬に注意したいペットの病気。「皮膚炎」と「関節炎」の予防法

冬になると、暖房による乾燥、朝晩の寒さが、室内で生活しているペットの体調に異変をもたらします。メルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』の著者で獣医師の佐藤先生が、冬に起こりやすい2つの病気について、症状と原因、家庭でできる予防法や対処法を教えてくれます。

寒さとともに出てくるペットの「病気」

冬になると犬と猫の体調にも様々な変化が生じてきます。室内でくらしてるペットたちにとっては、寒さだけでなく家の中の暖房による乾燥や寒暖の差が体にとって負担となることがあるんです。よって、冬に起こる病気も多いのが事実です。

冬によく見られる病気としては「皮膚炎」「関節炎」が主に見られます。この2つの病気と予防について、お話しさせてください。

「皮膚炎」「関節炎」の病状と家庭でできる予防法

まず、冬に起こる「皮膚炎」の予防です。人間同様、暖房などによる「乾燥」をどうするかです。ファンヒーターなどの影響で、乾燥した温風が直接皮膚に当たることが原因で「乾燥肌」になる事もあります。

乾燥しないように「保湿」を心がけてください。動物用の保湿ローションも売られています。そういったものを利用する事もいいと思います。

あとは「関節炎」です。寒さにより、血管は収縮し血液の流れが悪くなります。血液によって運ばれる酸素や栄養が筋肉にも行き渡りにくくなり筋肉が「固く」なります。

痛みがあるときには、安静に関節を休ませることが重要です。あとは、温めたり、関節を軽くマッサージしてあげると血行が良くなる場合もあるので、やってみる意味が大いにあると思いますので、是非実行をしてみてください。

●まとめ

動物は「寒い」と人間のように話せません。飼い主さんが代弁してあげる必要があります。SOSを必ず出していると思いますのでそれを感じてあげてほしいです。健康にこの冬を乗り越えてほしいですね。

image by:  Shutterstock.com

人類史上「破格の天才」2人、モーツァルトとラマヌジャンの共通点

日常生活において不思議に思ったり、ちょっと気になったあれこれについて考察するメルマガ『8人ばなし』。著者の山崎勝義さんは今回、あまりに安易に使われるきらいのある「天才」の定義付けを改めて行っています。その結果に従うとあのアインシュタインすらも「天才」ではなくなり、山崎さん自身が知る「天才」は人類史上2人だけになると紹介。その2人の共通点について語ります。

天才について

歴史上天才と呼ばれる人は意外に多い。そもそも「天才」という言葉自体が揮発的な意味を若干持ちつつ「お前って天才だな」風に軽薄に使われるせいもあって、用例としてはどうしても数的に多くなってしまい、結果稀少価値が下がるということはある程度は仕方のないことであろう。

では、真に天才たる者が存在したとして、どのように定義付けたらよいのだろうか。それは空前絶後という言葉に尽きる。つまり、何の脈絡もなく突然現れ、死後それを継承する者がいない、といった存在である。言い換えれば人類の発展における特異点とでも言うべき存在である。

この定義を厳格に運用すれば、あのアインシュタインでさえ、天才には入らない。彼の相対性理論は、彼がいなくても十年以内には誰かが発表しただろうことは理論物理学の歴史を振り返ってみても容易に想像ができるからだ。つまり、特異点とは言えないということで天才たりえないのである。

しかし、一般的にはアインシュタインは大天才だから、ここで言う「天才」とはもっとも厳しい基準によって定義された「破格の天才」くらいでちょうどいいのかもしれない。

さて、その定義に従えば、自分の知識の及ぶ限りでは、天才は2人しかいない。モーツァルトとラマヌジャンである。長い人類史の中で比較的近代に偏っているのは空前絶後かどうかを証明する程にその当時の資料が残っていないからである。他にもきっといたに違いない。

SNS依存の子どもにしっかり伝えたい。ネット情報の正しい収集術

SNSや友だちからの情報は信用しても、親や新聞などの情報は信用しない。そんな子どもも多くいるようですが、メディアの種類や発信者によって情報の真偽を決めつけてしまうのは危険なことです。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんは、親がサポートすることでメディアリテラシーを伸ばせると、意識したい3つの情報収集術をアドバイスします。この収集術、親自身のリテラシーアップにも有効だと思います。

息子の「メディアリテラシー」を伸ばしたい

Question

shitumon

ツィッターなどのSNSや、友だちから情報を信用し、親からの情報や新聞の情報などには「当てにならない」と聞く耳をもちません。(高校1年男子のお母様より)

柳川さんからの回答

高校生にとっての情報源は、今まさにSNSやインターネットニュースです。最近では、SNSでの人違いやフェイクニュースなどで逮捕者も出ています。ネット情報の正しい収集術を子どもに伝えましょう。

1.複数の情報源を確認する

ある情報に接したとき、その情報に関して各メディアの伝え方を比べましょう。

子どもに、普段から子どもが目にしているSNS上の複数メディアの情報を示し、まずはその情報が正しいかどうかの結論を出す前に「今のところはどうなのか」という現状を把握するよう促しましょう。

子どもが自分の意見を持つのは良いことですが、考えを固めずに色々な見方をして新しい情報を吸収し続けられるようになることの方が大切です。

2.疑問を持つ

例えば、面白い書き込みを見つけるとリツイートしたくなりますが、確かではない情報を拡散すると、自分がデマを流す加害者になる可能性があります。友だちやSNSの情報に面白く思っても発信する前に「ホントかな?」「まだわからないのでは?」と疑問を持つことです。

自分で確認が取れずに、発信したいのであれば、リツイートするときに「ホント?」と加えることで、それを目にした人たちは、そもそもの情報を鵜呑みにすることはなくなるでしょう。

3.先入観を捨て反対意見を探してみる

「テレビだから」「ネットだから」「新聞だから」などメディアの種類だけで、情報の真偽を決めつけてしまうのはよくありません。1つ1つの情報を先入観を捨てて丁寧に見たり読んだりしながら自分で考え、自分で判断することが大切です。マスコミが正しいとは限りません。

親としては、子どもの意見とは反対の意見を見つけ、それを子どもに伝えましょう。ネットは便利になりすぎて、自分の興味有る情報が優先されて届くようになっています。ですから、目にしにくくなっている自分とは違う意見を、敢えて目に触れさせることが情報を取捨選択する上でとても大切なのです。

雑談に乗るな。税務署に抜き打ち調査に入られた時守るべき3ケ条

「税務調査は事前に税務署から予告が入る、それから準備すれば大丈夫だろう」。そんなふうに高をくくっている方、「無通知調査」はご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』では著者で現役税理士の今村仁さんが、突然の税務調査に慌てず実行すべき3か条について、わかりやすく解説しています。

突然の税務調査、どうすればいいの?

事前連絡なしの税務調査を現況調査通称:抜き打ち調査)といいます。なぜ抜き打ち調査が行われるかというと、事前連絡をすることにより、不正の証拠隠滅や処分がされることを防ぎ、公正で公平な課税を守るためです。税理士会の調査によると、抜き打ち調査は全体の5%ぐらいで実施されています。

また、抜き打ち調査も任意調査の一種で納税者の同意が必要ですが、納税者には「受忍義務」がありますので正当な理由なしに調査を断ることはできません

正当な理由

  • 調査官が質問検査章の提示を拒むとき
  • 時間と場所と方法が納税者の権利を不当に侵害したり、得意先の信用を失わせたり、日常生活に著しい支障をきたすとき

突然の税務調査3ケ条

突然、調査官が来て慌てない人はいないでしょうが、過剰に怒ったりおどおどしたりすると、何もなくても怪しまれます。人間というのは、切羽詰った状態に追い込まれると思わぬ言葉が出てしまうものですから、冷静に次の3ケ条を実行しましょう。

突然の税務調査3ケ条

1ケ条 質問検査章で身分を確認すること
2ケ条 顧問税理士に電話して、税理士の到着を待つ
3ケ条 先方の雑談になるべくのらない

身分確認はなぜするの?

1ケ条で、「質問検査章で身分を確認する」とあるのですが、これはニセ調査官対策です。しかし実際、今まで税務調査の立ち合いをする中で、ニセ調査官に出くわしたことはありません。他の税理士に聞いても、同様です。

ではなぜ、最初に身分確認をするのでしょうか。

端的には、こちらの心の動揺を鎮めて冷静に対応できるようにするためです。動揺したままですと、調査官のパワーに押されて、そのまま中に入れて一気に調査が進んでしまうということになりかねません。

そのため、最初に身分確認をしつつ冷静さを取り戻し、2ケ条にある「税理士に連絡を入れ」て、更には、3ケ条にある「雑談に乗って余計なことを話さない」ようにするのが、ベターでしょう。

image by: Shutterstock.com

昔から潜在需要あった「◯◯ブラ」を女子大生はどう開発したのか

流行を扱う短命なビジネスではなく、「細々とであっても継続可能なビジネス」を狙う際には、どこに着目すればいいのでしょうか。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、「マイノリティの視点」にヒントが隠されているとし、ひとりの女子大生が立ち上げ、一部から熱烈な支持を得ているある商品の事例を紹介しています。

「貧乳ブラ」から学ぶ、マイノリティビジネスの可能性

「貧乳ブラ」という商品が売れています。胸が小さなことを密かに悩んでいる女性向けに開発されたブラジャーです。貧乳でも可愛く見えるようにデザインされた、貧乳特化商品だと言えます。

これまで、Aカップのブラジャーは、対象者が少ないせいか、品揃えが貧弱で、“お洒落”“可愛い”といった選択ができないでいました。諦めるしか仕方のないジャンルだったのです。

そこに、ひとりの女子大生が立ち上がりました。自身も貧乳の悩みを持ち、お洒落できない淋しさを経験していることから、この商品の開発に取り組んだのです。貧乳を気にすることなく、お洒落&可愛くなれる、ブラ&ショーツを創り上げたのです。しかも、自分ひとりの個人事業として、ブランドを立ち上げたのです。

貧乳人口はそれほど多くありません。いわゆるマイノリティ(少数派)なので、大手企業が参入するのは難しいのです。個人だからこそできることなのです。

「貧乳ブラ」は、これまで潜在需要がありながらも、存在しなかった商品です。しかし、例え対象人口が少なくても小さな事業体には充分な数なのです。「ブラジャーなんか、いらないだろ!」という、おやじのセクハラ発言に耐えてきた女性が、これで自信を取り戻せるでしょう。

商品の写真を見ましたが、かなり可愛いと思います。デザインセンスが素晴らしいのです。

こうした“マイノリティな需要”は、他にもたくさんあるのではないでしょうか。

  • 足のサイズが26センチ以上の女性
  • 身長が170センチ以上の女性
  • 子ども体型の女性

少数派ゆえにあまり気づかれない需要が、どこかに眠っているはず。それを見つけ出せば、新たなビジネスチャンスとなるのではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

あなたのタイプはどれ?リーダーにふさわしい自己表現の型は?

3つのタイプに分かれるという、自分の考えを他者に伝えるための自己表現法。中でも「アサーティブな自己表現」は、職場等の組織内コミュニケーションで重要とされていますが、具体的にはどのような表現法なのでしょうか。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では著者の石丸智信さんが、自己表現をタイプ別に解説。さらに相手の感情を損ねることなく自分の要望を伝える「DESC法」を紹介しています。

どのように自己表現していますか

以前聴講した研修の中において、「自己表現のタイプ」をテーマにした講義がありました。弊誌でも関連して、794号「『子供のくせに』が個を潰す。コミュ力の高い人間を育てる方法」にて、自らの意見や考えなどを発言、発信することの大切さについて考察しました。本号では、研修の中で学んだ内容を踏まえて、自己表現について考察していきたいと思います。

自己表現のタイプとしては、3つのタイプが挙げられます。

まず、1つ目のタイプは、「アグレッシブな自己表現をするタイプ」です。このタイプは、自分の意見や考えなどを一方的に主張して相手の主張をまったく受け入れない、攻撃的なタイプです。

イメージとして思い浮かぶのは、マンガ『巨人の星』の星一徹のようなガンコ親父だったり、部下に対して一方的に命令する上司だったり、そのような感じかなと思います。

2つ目のタイプとしては、「ノン・アサーティブな自己表現をするタイプ」が挙げられます。このタイプは、相手の主張をひたすら受け入れて自分の主張をしない守備的なタイプです。

このタイプが注意することは、自分自身が受け身になりやすく、相手に対して依存する部分が多くなってしまうことがあると言われます。

最後の3つ目のタイプは、「アサーティブな自己表現をするタイプ」です。このタイプは、自分の考えや意見などをしっかりと主張もするし相手の主張も受け止めることができる攻守のバランスのとれたタイプです。

組織内でのリーダーとメンバーとのコミュニケーションの場などにおいて、求められる自己表現のタイプは、お互いに尊重し合う、このタイプが挙げられるのでしょうね。

アサーティブな自己表現をしていく上での1つの手法として挙げられていたのは、「DESC法」という手法です。

  • D(Describe):状況をそのまま描写する
  • E(Express):自分の気持ちを表現する、説明する
  • S(Specify):妥協案や解決策を提案する
  • C(Choose):相手の返事に対する自分の選択肢を用意する

研修の中で、講師が自ら経験した「DESC法」の具体例として、会議中の喫煙が挙げれていました。

  • D:会議が始まって1時間経ったので、部屋がタバコの煙でいっぱいですね
  • E:私はタバコを吸わないのでのどが痛くて、頭もボーっとしてきました
  • S:ここでしばらく休憩して、空気の入れ替えをしませんか?
  • C:そうすれば、皆が気持ちよく、会議が続けられると思います。無理ならば、しばらくタバコをやめてもらえませんか

といった事例でした。

また、アサーティブな自己表現は、相手との交渉事の時などにも有効ではないでしょうか。例えば、相手が「80~100」、自分が「70~90」の範囲で要求していると仮定します。

お互いにアクティブな自己表現だと、相手は「91~100」を要求し、自分も「70~79」を要求したら、交渉は決裂してしまいます。そして、自分又は相手が、ノン・アサーティブな自己表現だと、相手もしくは自分は納得するが、自分又は相手とっては良い結果にはなりませんね。では、お互いにアサーティブな自己表現で交渉すると、お互いに折り合いがつく「80~90の範囲で妥協案や解決策を考えてお互いに交渉の成立に向かっていくのでしょうね。

自己表現のタイプとして、アサーティブな自己表現が、すべてにおいて万能なわけではないかもしれませんが、これからの自分自身の自己表現の幅を広げる意味でも、アサーティブな自己表現を加えていくことも大切ではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

ダメ出しなんてもっての外。私にもできる!と思わせる新人教育

新人が育たない、もしくはすぐに辞めてしまうと嘆いている教育スタッフの方、もしかしたらそれはご自身の「研修開始時の失敗」が原因かもしれません。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、新人教育を行う際、特にスタート時に注意しておきたい重要なポイントを紹介しています。

まずは「できる」を知ってもらう

接客や販売の仕方などを、新人スタッフに教える時、最初に、なぜそれをやるのかを理解してもらうことはとても大事なことです。しかし、それにばかり時間を使いすぎても、まだ慣れていない、仕事についてよくわかっていない新人スタッフは、困ってしまいます。具体的にどういう仕事なのかを理解できませんし、体験をしたことがなければ、結局何のことかがよくわからないからです。

ですから、まずは、実際に体験してもらうことをやらなければいけません。例えば、接客の話で言うなら、ロープレなどで、ファーストアプローチをやってみてもらうとか、そういうことです。

そしてここで、とても大事なことがあります。最初に、「自分もできるんだということを実感してもらうことですね。これを実感させてあげられないと、新人スタッフは、その後の学習がなかなかうまくいきません。

よくある話なのですが、教育しようとして、新人スタッフに、「じゃあファーストアプローチをやってみて」と、実際にやってもらいます。しかし、一番最初にやらせてみたときに、「いやいや、それじゃダメだよ」「今みたいなアプローチをしちゃうとお客様は嫌だよ」と、ダメを出してしまうわけです。すると、当然、ろくにやったこともない、体験したこともない新人スタッフはこう感じてしまいます。

「私にできるんだろうか?」
「私は向いてないかもしれない…」

そして、残念なことに、元気を無くしてしまい、場合によっては、すぐに辞めてしまうこともあるのです。

そうではなく、まず体験をさせるのであれば、「自分にもできることを感じてもらいましょう。最初は、誰でもできるような簡単なやり方で構いません。先ほどのアプローチなどであれば、「じゃあ、一回やってみようか。私がお客様役をやるから、お客様が入ってきたら、いらっしゃいませと挨拶して、ごゆっくりご覧くださいねって言ってみよう」と、アシストをしてあげます

で、実際にやってみてもらうと、ここまでアシストをしてあげているので、あっさりとできますよね。ここで、その言い方がどうなのかとかは一旦置いておいて、「良いね!できるじゃない!」と、成功したことを伝えてあげるわけです。これだけで、新人スタッフは、「あ、こんな感じでいいんだ。これなら私もできそう」と思ってくれるようになります。

そこから先の、レベルの高い接客や販売法については、それからじっくり覚えてもらえばいいのです。

まずは、「自分でもできるんだ」を感じてもらう。そこから、新人教育はスタートしていきます。

今日の質問です。

  • なぜ「自分でもできる」を感じてもらう必要がありますか?
  • 最初にどんな関わり方をすれば、そう感じてもらえると思いますか?自店の新人教育に照らし合わせて、考えてみましょう

image by: Shutterstock.com

「消費税15%が望ましい」IMF報告書に批判殺到「余計な事を…」

国際通貨基金(IMF)が25日、日本経済について分析した2019年の報告書を公表し、医療や介護などで増える社会保障費を賄うため、2030年までに消費税率を15%に上げる必要があるとした内容を発表したと日本経済新聞産経新聞などが報じました。この発表内容に、ネット上では1日経った現在でも「ふざけるな」「余計な事いうな」など批判の声が殺到しています。一方で、同報告書は世界的な景気減速を受け、足元では日本でも財政出動が望ましいとしています。

日本経済新聞によると、IMFは加盟国と年1回、その国の経済情勢について協定第4条に基づく協議をしているとし、25日に約2週間の日程を終えて、来日したゲオルギエバ専務理事が麻生太郎財務相に報告書を手渡したということです。その報告書で、消費税については2030年までに15%と、期限を明記して増税を促したとしています。さらに2050年までには20%への増税が必要としているということです。2018年9月の報告書では「段階的に15%へ引き上げ」と提言していたとしています。

この報道に対して、日本のネット上では批判の声が殺到。それでなくても10月1日から10%に引き上げがおこなわれたばかりの消費税。早くも増税の話が出たことに「余計なことを言わないでくれ」「上げてもいいけど給料を今の3倍にしてくれ」「10%に上がったばかりでこれかよ」といった批判の声が殺到。近頃は「消費税廃止」を党是に掲げる野党も出ており、消費税増税の代わりに法人税が減税されているという指摘も出ています。こうした動きも背景にあった中での、IMF「消費税は15%に」報告。しばらく、日本国民からのIMF批判、財務省批判は続きそうです。

Twitterの反応







※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

source: 日本経済新聞産経新聞

image by: Bumble Dee / Shutterstock.com