小泉進次郎大臣、COP25演説で具体策示せず国内から落胆の声

スペイン・マドリードで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)は11日、閣僚級会合を開き、小泉進次郎環境相が演説しました。日本の取り組みや成果をアピールする一方、国際的な批判が高まる石炭火力発電の今後の利用に対する具体的な言及はなく、国内からは落胆の声が挙がっています。

演説の中で小泉環境相は、温室効果ガスの排出量を5年連続で減少させていることや、国内の自治体が2050年までに排出量を実質ゼロにする目標を相次いで表明していることなどを紹介。「結果をともなう脱炭素化に向けた行動を確実に進めている」と報告しました。

その一方で、石炭火力発電に関しては、「世界的な批判は知っている」と強調した上で、「残念ながら今日は、石炭関係の政策について新たな進捗を共有できない」などと述べ、具体的な削減策について踏み込みませんでした。この演説に対し、ネット上では多くの批判の声が挙がっています。

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石炭火力が全発電量の約3割を占め、17基の新設計画もあるという日本。国際NGOのグループは日本に対して、温暖化対策に消極的な国に贈る化石賞を授与しました。

公費で不倫デート報道に「問題ない」官房長官が首相補佐官かばう

安倍首相補佐官である和泉洋人氏と、厚生労働省大臣官房審議官の大坪寛子氏が公費で京都に出張した際に私的な観光をしていたと、12日発売の『週刊文春』がスクープした。これに対して菅義偉官房長官は12日午前の会見で、「公私はしっかり分けていた」と述べ、問題ないとの認識を示したと、朝日新聞産経新聞などが報じた。

菅義偉官房長官は12日の記者会見で、公費を使ってデートをしたと週刊文春に報じられた和泉洋人首相補佐官について、「公務として手続きを取った上で出張し、午後の京都市内での移動は私費で支払われている。適切に対応したと聞いている」と説明。「公私混同はない」との認識を示した。

問題となっている和泉氏は、国土交通省出身で菅氏に近しい人物。週刊文春の記事によると、和泉氏は不倫相手とされる厚生労働省大臣官房審議官の大坪寛子氏と8月9日、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥所長に面会するため京都に出張。午前中に山中氏と面会し、ハイヤーで河原町へ出かけたという。老舗の甘味処では、和泉氏が自分のスプーンで大坪氏に食べさせたり、貴船神社では腕をからめて参道を歩いていたとし、記事内には写真も掲載されている。

不倫関係であるということはもちろん、往復の新幹線代は「公費」から出されているということなどから批判の声も相次ぎそうだ。これについて日本のネット上では、「もはや無茶苦茶」「モラル崩壊」「もうなんでもありだな」など呆れる声で溢れている。

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ギャンブル依存に保険適用へ。不妊、花粉は「適用外」に疑問も

厚生労働省は11日、ギャンブル依存症治療について、来年度から公的医療保険の対象とする方針を固めたと読売新聞東京新聞などが報じた。ギャンブルとされるのは、カジノや競馬、パチンコなど。世界保険機構(WHO)は、ギャンブル依存症について、ギャンブルを頻繁に繰り返し、自分の社会・職業・家族的価値を損なうほど生活を支配する障害と定義している。

国内では、カジノを含む統合型リゾート(IR)の開業を可能とする「IR実施法」が昨年7月に成立したことにより、依存症対策が課題となっている。厚生労働省は、依存症患者に対する適切な医療体制の整備が急務と判断したようだ。

これについて日本のネット上では、「この国まじかよ」「難病も出産も不妊治療も保険適用外で、ギャンブル依存症に保険適用はおかしい」「これからカジノを誘致なんですよね?おかしい」と不満の声が挙がっている。

厚生労働省の調査によると、ギャンブル依存症の治療を受けた人は、2014年度では2019人から昨年度で3499人まで増加。さらに治療を受けていない潜在的な患者も多くいると見られ、17年に国立病院機構久里浜医療センターの研究班が行なった調査では、依存症が疑われる成人は全国で約320万人にものぼるという推計も出ている。

そんななか、カジノを含む統合型リゾート(IR)の開業を可能とする「IR実施法」が昨年7月に成立した。それに伴い、ギャンブル依存症対策基本法が成立したが、現状ギャンブル依存に特化した治療に公的保険は適用されていない。

保険の適用対象について、患者が数人から10人程度のグループで意見交換を行ない、ギャンブルにのめり込んだきっかけや対処法などについて考える「集団治療プログラム」を想定しているとのこと。このプログラムは、日本医療研究開発機構(AMED)の研究班が、全国35の医療機関で患者187人に対して実施したところ、プログラムを受けた人の方がギャンブルをやめた割合が高かったという結果が出ている。

一方で、ギャンブル依存症の治療への公的保険の適用には反発も予想される。先月23日には、健康保険組合連合会が花粉症の適用外の提言を発表したばかり。長年少子化について問題視しているにも関わらず、不妊治療には保険は適用されない。適用されるべき問題から目を逸らし続けるのはいかがなものか。

同協議会の会議でも、ギャンブル依存症の治療への保険適用に多くの委員が賛同する一方で、「ギャンブル依存症は自分の努力で回復すべきもの。安易に保険適用することで、(依存症患者が増えるなど)逆の方向に向かうかもしれない」など、慎重な検討を求める声もあがったという。

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さすがはセブン。話題の和スイーツ「クリームぜんざい」が超贅沢

甘いモノ大好きの日本人には欠かせない、「和スイーツ」。ようかんやお団子、あんみつなど種類が豊富にありますが、みなさんのお好きな和スイーツは何ですか? 「たくさんあって選べない!」という優柔不断な方に朗報です! 大手コンビニ「セブン-イレブン」より12月の新商品「わらび餅&白玉クリームぜんざい」では、名前のとおり和スイーツの王道たちがそろう贅沢スイーツなんです。一体どんな味なんでしょうか? さっそく編集部サイタマコが買ってきました!

王道和スイーツが詰まった「わらび餅&白玉クリームぜんざい」

「セブン-イレブン」でスイーツ探しの真っ最中に、12月の新商品「わらび餅&白玉クリームぜんざい(税抜 260円)」を発見。“新発売”のシールにも弱い私は、即購入しました。では、さっそくいただきます!

香りも美味しい北海道産小豆を使用したぜんざいあんの上には、つやもちな白玉、本格京風きな粉がまぶされているわらび餅と贅沢なクリームぜんざいとなっています。

白玉のもちもち感とぜんざいあんの食感が楽しめる同商品。わらび餅の京風きな粉はじっくり焙煎されており、コク深い味わいです。本格的な贅沢クリームぜんざいが260円(税抜)で食べられるとなると、ついついコンビニに足を運んでしまいそうですね。

同商品の人気のヒミツは、和の王道スイーツが同時に食べられるという、お得感。ということで、贅沢にも全乗せしてひとくちでいただきました! ほどよい甘さのぜんざいあんとホイップクリームがシンプルな白玉との相性ぴったり。深みのあるわらび餅がぜんざいの味をさらに引き立ててくれます。

今回は、和スイーツ好きにはたまらない「わらび餅&白玉クリームぜんざい」をご紹介しましたが、さすがは「セブン-イレブン」。期待を裏切らない本格派な1品です。以前もクリームぜんざいが販売されていましたが、さらにパワーアップした味をぜひチェックしてみてください。

【商品情報】

「わらび餅&白玉クリームぜんざい」

  • 価格:260円(税込280円)
  • 販売地域:全国(沖縄除く)
  • 公式サイト

image by:編集部

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。

2019年今年の漢字が「令」に決定。ネットの反応は?

年末の恒例行事となっている「今年の漢字」。日本漢字能力検定協会は12日、京都市東山区の清水寺で、その年の世相を漢字一文字を発表。令和最初となる今年の漢字は『令』に決まった。応募総数は21万6,325票。新元号の幕開けとなった2019年、明るい未来に向けて希望が込められた漢字が選ばれた。2位には「新」、3位には「和」、また9位には「嵐」という結果になった。この発表を受けて、ネット上では様々な感想が挙がっている。





2020年の祝日はいつ?今から最大「12連休」を獲得するコツ

来たる、2020年。新年を迎えるこのタイミング、気になり始めるのが来年の祝日ではないだろうか。2020年は「東京オリンピック」が開催されたり、新天皇陛下即位にともない「天皇誕生日」がかわるなど、今までとは異なる休日も発生する年。今回は、内閣府が発表した資料をもとに、2020年の祝日と、12連休を獲得するコツをご紹介しよう。

2020年の祝日

祝日がない月は、6月、10月、12月。

1月

1日:元日

13日:成人の日

2月

11日:建国記念の日

23日:天皇誕生日 24日:振替休日

3月

20日:春分の日

4月

29日:昭和の日

5月

3日:憲法記念日

4日:みどりの日

5日:こどもの日

6日:振替休日

7月

23日:海の日

24日:スポーツの日

8月

10日:山の日

9月

21日:敬老の日

22日:秋分の日

11月

3日:文化の日

23日:勤労感謝の日

2020年の特徴

2020年は、オリンピックが開催される影響で、「海の日」が7月の第3月曜日から7月23日に移動。「体育の日」が10月の第2月曜日に移動し、名称を「スポーツの日」に変更。山の日は8月10日とされている。また、新天皇陛下即位にともない、毎年12月23日に制定されていた「天皇誕生日」が2月23日に移動した。

 

3日以上の連休は8回

3連休は、成人の日を含む「1月11日(土)〜13日(月)」、天皇誕生日を含む「2月22日(土)〜24日(月)」、春分の日を含む「3月20日(金)〜22日(日)」、山の日を含む「8月8日(土)〜10日(月)」、勤労感謝の日を含む「11月21日(土)〜23日(月)」。

4連休は、海の日とスポーツの日を含む「7月23日(木)〜7月26日(日)」、敬老の日と秋分の日を含む「9月19日(土)〜 9月22日(火)」。

憲法記念日、みどりの日、こどもの日、振替休日を含む「5月2日(土)〜5月6日(水)」をプラスすると、3連休以上の休日は6回となる。

有給取得にオススメの日

8回も大型連休があるとはいえ、もっと休みたいという方もいるだろう。そんな方にオススメの「有給取得日」は、2月10日(月)と11月2日(月)。この2日は、いずれも祝日と休日に挟まれており、有給を取得できれば4連休となる。

また、ゴールデンウィークを心ゆくまで満喫したいという方は、4月30日(木)、5月1日(金)、5月7日(木)、5月8日(金)に有給を取得すれば、夢の12連休が実現する。

※本文の一部を修正致しました。(2019年12月13日)

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銀行口座を持っているだけで手数料?大手銀行別「値上げ」まとめ

銀行の手数料引き上げが続いている。長引く低金利で収益の好転が見込めず、苦しい経営を強いられている銀行。コストと人手がかかる昔ながらの窓口業務に次々とメスを入れている。銀行を利用する我々にとっては、まさに直結するとも言える問題。では、具体的にどんな値上げが行われていくのか?時事通信産経新聞が報じた内容をもとに、その対応をメガバンクごとに見ていこう。

相次ぐ各メガバンクの手数料値上げ

『みずほ銀行』

みずほ銀行は11月、窓口での振込手数料を100~200円上乗せして、400~900円へと改めた。また、ATMでの振込手数料も2020年3月から引き上げると発表。日本経済新聞によると、「キッシュカードで3万円未満を振り込む際、同一支店間は無料、みずほ銀の他支店宛ては110円だったが、いずれも220円」とし、「他行宛ては220円から330円に改める」と伝えている。一方、ネットバンキングでの振込手数料は据え置く

『三井住友銀行』

三井住友銀行では、今月2日から海外に送金する際の手数料を現在の2倍前後となる7千~8千円に引き上げた。加えて、「硬貨入金整理手数料」を新設し、多くの効果を店頭に持ち込んで入金する際の手数料を徴収。300枚までは無料だが、301枚から500枚までは500円、501枚から1,000枚までだと1,000円の手数料を徴収するという。

『三菱UFJ銀行』

最大手の三菱UFJ銀行は、窓口での海外送金手数料をすでに6月に引き上げ済み。4月には50枚入りの手形帳と小切手帳の窓口での交付手数料を引き上げている。

いずれの銀行でも、手数料値上げに踏み切ったのは「窓口業務」における作業。その背景にはスマートフォンやパソコンが普及し、ネットでの取引が増える中、手間や人件費がかかる窓口業務からの脱却を図る狙いがある。窓口で行う業務の手数料を引き上げることで、利用者の窓口離れを促したい考えだ。実際にみずほ銀行ではこの10年間、ネットでの取引が約3.5倍に増える一方、店舗への来店客数が約4割減少しているという。



口座を持っているだけで維持手数料がかかる時代に

そんな中、三菱UFJ銀行では、2年間取引がない不稼働口座から1,200円の管理手数料を取る案の検討に入り、2020年10月にも実施したい運びだ。既にりそな銀行や一部の地方銀行で同様の手数料を徴収しているが、口座を維持するためだけに手数料を払うという感覚が日本では少数派のため、慎重に導入の是非を探っているという。これに対してネット上では、「使っていないのに手数料発生するなんて嫌」「おかしい」など様々な声が挙がっている。

 

一連の手数料値上げの流れには、窓口業務からの脱却を狙っているだけではなく、「キャッシュレス決済でIT企業などの新興勢力が台頭していることへの焦りもある」という。しかし、預金者や利用者から現金を引き離したばかりいると、銀行を訪れる機会そのものが失われてしまう懸念もあるといえよう。

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大学入学共通テスト、国・数の記述式も見送りへ「振り回された」

文部科学省は、来週にも大学入学共通テストの国語と数学の記述式問題の導入見送りを正式発表すると複数の関係者が認めたことを朝日新聞東京新聞などが報じた。記述式問題は、質の高い採点者の確保や自己採点との不一致率の高さが課題となっており、現状のままでは実施できないと判断したという。

約50万人の受講生が受ける大学入学共通テスト。答案を採点するために、8千〜1万人の民間委託の採点者が動員される。短期間で正確な採点ができるか懸念されていた。

特に、国語では数々の問題が浮き彫りに。2017年、2018年に行なわれた2回の試行調査では、生徒の自己採点と大学入試センターの採点が3割前後と大きくズレていたのだ。2021年1月に導入される予定だった国語の記述式部分には点数をつけず、記述式問題全3問を総合して5段階で評価するというものだった。しかも、段階ごとの得点換算は各大学に任されていたのだ。

こうした点から自己採点が難しく、受験生が実力にあった出願先を選びにくくなるなどの問題点も挙げられていた。受験生の理解が得られないとして、野党が秋の臨時国会で追及し、与党からも見直しや延期を求める声が高まっていた。

政府は、11月1日に英語民間試験の活用見送りを表明したばかり。記述式問題導入も見送りで、ただ受験生を混乱させただけの結果となった。これに対して日本のネット上では「発表遅すぎだろ」「かなり振り回された…」「延期にとどまらず、断念を」との声が挙がっている。

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タワマン水没で露呈した、武蔵小杉と二子玉川の「致命的な弱点」

各地に甚大な被害をもたらした台風19号ですが、中でも「セレブタウン」と称される武蔵小杉や二子玉川のタワーマンションを襲った「水害」がセンセーショナルに報道されました。一方、立地については両地と共通点が多い埼玉県川口市のタワマンからは、さしたる水の被害の報告はありません。その差はどこから生じたのでしょうか。前回の記事「洪水を阻止せよ。暴れ川の氾濫防いだ日産スタジアム異次元の備え」で、鶴見川の治水対策を紹介したフリー・エディター&ライターでジャーナリストの長浜淳之介さんが、何が武蔵小杉・二子玉川と川口の明暗を分けたのか、現地取材を敢行し詳細に分析・考察しています。

プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)、『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ、行列研究所名儀)など。

武蔵小杉・二子玉川と川口「タワマン大水害」の明暗が分かれた原因

今年の台風19号は、過去最強クラスと言われ、各地で水害をもたらしたが、首都圏では多摩川水系に被害が集中したのが1つの特徴だ。特に、武蔵小杉と二子玉川は平成になって発展した、庶民が憧れるセレブタウンで、「失われた20年」と言われる日本の停滞期に資産形成した勝ち組が集住する、タワーマンションが立ち並ぶことで知られているが、思わぬ水害に見舞われて脆弱性が露呈している。

一方で、埼玉県の川口もまたタワマンの多さでは引けを取らないが、たびたび洪水を起こしてきた荒川に面し、かつての工業地帯で土地も全般に低くて雨水が溜まりやすい地形であるにもかかわらず、下水道や遊水地の整備が進んで、被災を逃れている。どうして明暗が分かれてしまったのだろうか。

武蔵小杉には11棟のタワマンが林立するが、そのうち2棟で停電が発生し、電動のポンプも使えなくなって水道までもが止まった

武蔵小杉は東急東横線・目黒線とJR南武線が交差する交通の要地で、川崎市中原区の中心地。ショッピングセンターのららテラス、東急スクエア、ダイエー系スーパーのフーディアムなど、市内でも川崎駅周辺部に次ぐ商業集積を持っている。中原区役所、市立中原図書館も駅前にある。

2010年には横須賀線の駅が開業し、現在は湘南新宿ラインに加えて、相鉄線と埼京線への直通電車も停車する。電車で、渋谷、品川、横浜にそれぞれ15分程度と、利便性が非常に高い

元々は多摩川の水利を活かした工場街で、現在は地方や海外に移転した企業も多いが、今も日本電気(NEC)の工場から転用したオフィスビルや研究所などがある。工場ができる前は、下沼部という地名が示すように、多摩川の旧流路であり、水が溜まりやすい低地の湿原だった。

撤退した工場の跡地が、タワマン街となった。ここ10年ほどで急速に発展し、計6,700戸ほどが入居しており、今も建設中、計画中のタワマンも数棟ある人気タウンとなっている。一方で、保育園の数や駅の設備増強が追い付かず、保育園に落ちたとか通勤時の改札口の混雑が半端ないといった、住民の悲鳴が聞こえるようになった。

川崎市上下水道局によれば、武蔵小杉駅周辺部で起こった冠水は、多摩川の堤防が決壊したり、水位が上がって堤防を越水したりしたものではなく、多摩川の水が下水道を通って逆流してきたものだ。なぜなら、冠水した地域には大量の土砂が入ってきており、多摩川から来たと考えられるからだ。

水道局の職員が、10月12日の夜、地域の下水を集めて多摩川に放出する山王排水樋管を閉める前に、中原消防署前と横須賀線口(新南口)バスターミナル入口、2ヶ所の交差点付近のマンホールから、下水が逆流して噴出するのを確認している。武蔵小杉一帯では、最大で1.4mの浸水があった。深刻な災害をよそに、ハイテンションになっている住民もいたようで、海水パンツ姿で浮輪を浮かべて水遊びをする猛者も出現した。

この地域のタワマンはかつての工場街の下水道インフラの上に、建てられている。台所、トイレ、風呂などの生活排水も雨水も一緒に、下水処理場に送られる旧型の合流式下水道を採用。大雨が降って下水処理場の能力を超える場合は、その分の生活排水と雨水が多摩川に放流される仕組みだ。

今回は放流しようとした下水が、多摩川の水位が想定以上に上昇したため、川の水と共に逆流し、内水氾濫を起こした。従って、武蔵小杉を覆った泥水は、多摩川の水に、希釈化された生活排水が混じった混合物ということになる。

ただし、14日夕刻に武蔵小杉を訪れたところ、泥に塗れた道でも、異臭が立ち込めた場所は確認できなかった。台風通過直後にはあったのかもしれないが、速やかに処理されていたということだろう。

勉強しても報われない。日本の若者の大学院進学率が低下した理由

このまま行けば、日本の国際競争力低下に歯止めをかけることはますます困難になるかもしれません。東大教授らの調査により、日本の修士・博士号取得者数が減少していることが明らかになりました。なぜ我が国では、世界的な流れに逆行するこのような状況が進みつつあるのでしょうか。健康社会学者の河合薫さんは今回、メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、その原因を世界の常識とは乖離した日本企業が続ける「超ガラパゴス採用」にあるとしています。

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2019年12月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

「低学歴化」が止まらまい日本の闇

日本の「低学歴化」が止まりません。

世界の先進国では過去10年間「修士・博士号」の取得者数が加速しているのに、日本は1割以上減少していることがわかりました(東京大学渡辺安虎教授らの分析による)。

特に米国と中国では博士号取得者が2割超増加し、修士号でも同様の傾向があるなど、進学意欲が高まっています。一方、日本では16%も減少。東大の修士課程では留学生が半数以上を占めるなど、日本人の「大学院進学意欲が乏しいこともわかりました。「大学進学率」は一貫して増えているにも、関わらずです。

その背景にあるのが、企業が求める人材の質の違い」です。世界は専門性を活かした高学歴社会に突入し、博士号や修士号を持っていないと入社できない企業が増えています。ところが、日本では専門性よりコミュニケーション能力大学の成績より人柄を重視。おまけに、入社後の給料の差が極めて小さいのです。

例えば米国では、修士の平均年収は学部卒の1.4倍、博士では1.68倍であるの対し、日本では修士・博士共に学部卒の1.25倍です。学部卒の平均年収は418万円なので、博士号を取得していても525万円しか稼げないかっこうです(日経新聞「博士」生かせぬ日本企業より)。

就活でも評価されない、入社しても大して評価されない、大学に残ってもポスドクになるか非正規しかない。そんな状況でわざわざ高い授業料払ってまで日本の大学院に行くわけないですよね。

こんなことをやっていたらますます世界から取り残されて行くのに…。残念です。

そして、このような問題が報じられると決まって「だから年功賃金が悪い!」「だから終身雇用が悪い!」と言い出す人たちいますが、そもそもの問題はそこなのでしょうか?

いいえ、違います。

学問の府である大学が就職予備校化しているのが問題であり、もっと言ってしまえば、自分たちが使いやすい人材=優秀な人材と勘違いしている企業の問題です。

経団連が加盟各社に毎年実施している「新卒採用調査」を見ると、2001年時点では、「誠実性」「協調性」「主体性」「チャンレジ精神」「コミュニケーション能力」はほぼ同じ程度、採用時に重視されていました。

ところが2005年以降は、「チャレンジ精神」が低下傾向に転じ、一方で「コミュニケーション能力がダントツトップに躍り出ました。

その引き金になったのが、経済産業省が2006年2月に「社会人基礎力に関する研究会」の中間とりまとめの中で提唱した「社会人基礎力」にあると、私は考えています。

この研究会では、社会に出るまでに身につけておいて欲しい能力を議論。かつては、職場や地域社会で活躍するために必要な能力は、大人になる過程で自然に身につくものと考えられていました。しかし、家族の形が変わり、地域の結びつきが弱まり、日本社会の中でこうした能力を身につけることが難しくなり、「社会人基礎力」を定義することで大学のキャリア教育に生かそうとしたのです。