100均の3倍でも快進撃。300円ショップ「3COINS」が売れまくる理由

「スリコ」の愛称で親しまれ、コロナ禍のステイホーム需要を追い風に売上を伸ばしている300円ショップ「3COINS」をご存知でしょうか。今回、フリー・エディター&ライターでジャーナリストの長浜淳之介さんが、「3COINS」がここまでの人気を獲得できた理由を分析。さらに多岐のカテゴリーに渡る売れ筋商品を紹介した上で、「3COINS」に対して「ヒット商品を生み出す確かなノウハウがある」との率直な見立てを記しています。

プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)、『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ、行列研究所名儀)など。

コロナ禍の巣ごもり消費拡大が奏功。300円ショップ「3COINS(スリーコインズ)」好調の秘密は?

300円ショップの「3COINS(スリーコインズ)」が好調だ。

「3COINS」の店舗は駅ビル、ファッションビル、ショッピングセンターといった、商業施設に多く入っており、緊急事態やまん防(まん延防止等重点措置)で時短、休業となるケースもしばしばありながらも、売上が伸びている。底堅い強さがある。

経営するパルグループホールディングス(HD)の2021年2月期決算によれば、「3COINS」の売上は前年比100.8%の259億6,000万円と好調に推移した。「3COINS」の店舗数は215店となっており、10年前の約3倍にまで増えている。

「3COINS」は、ファンから「スリコ」の愛称で呼ばれ、購入された商品がインスタグラム、ツイッターなどのSNSに数多く投稿されている。連日のように店舗を訪れて、新しい商品から掘り出し物を探す熱心なファンたちは、“スリコパトロール”と呼ばれ、インフルエンサーと認知されている。

このようなコアなファンを多数持つところに「3COINS」の強さの源泉があり、100円ショップの「セリア」、グロサリーの「カルディコーヒーファーム」などと共通している。

今の市場の背景として、新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々が外出を控えて家に居る時間が増えている。そのため、日々の暮らしをより快適にしようといった機運が醸成され、家庭用品を扱うホームセンターや100円ショップが好調だ。

社団法人日本DIY・ホームセンター協会の統計によれば、2020年度のホームセンター総売上は、前年比107.0%の4兆2,680億円となった。また、100円ショップ大手3社の決算は、セリアが前年同期比10.6%増の2,006億8,200万円(2021年3月期)、キャンドゥが同2.4%増の730億3,400万円(20年11月期)、ワッツが同2.7%増の527億9,500万円(20年8月期)と伸びている。最大手で非上場のダイソーも業績好調と、伝えられる。

そうした、ステイホームによる巣ごもり消費の拡大が、「3COINS」にプラスに働いている。

「3COINS」の人気の秘訣を探った。

夏のお出かけはペットも熱中症に注意。100均で買えるオススメ対策グッズ

日本の夏の暑さは人間だけでなくペットにとっても危険なもの。キャリーバッグで一緒にお出かけするときに、熱中症対策は欠かせません。今回のメルマガ『佐藤貴紀のわんにゃんアドバイス』では、著者で獣医師の佐藤先生が、デリケートなペットが嫌がらず、なおかつ安く手に入るオススメグッズを紹介し、熱中症予防策を教えてくれます。

夏のペットとのお出かけ時、キャリーバッグの中での「熱中症」に要注意!おすすめグッグ紹介

夏、本番ですね。ペットとお出かけしたい方たくさんいらっしゃると思います。ただ、ペットは体内の温度調整ができない上に毛皮を着ているようなものなので、外だけではなく、キャリーバッグの中はエアコンがついているように、涼しくしておいて欲しいです。しかし、特に犬は硬いものが嫌いな傾向があるため、保冷剤1つとっても選び方が大変です。

今日は、簡単に手に入れる事ができて、さらには便利で安いグッズのご紹介です。

1)ペットボトルを凍らせよう!

外に出るときに必ず持っていくお水。そのお水を500ミリリットルのペットだったら3分の1くらいお水を入れて凍らせます。出かける前にお水を足して、キャリーバッグの中に入れます。そうすると「冷える」他、お水を飲ませるときにも便利です。

2)100円ショップの柔らか保冷剤と濡らすと冷たいタオルは必需品

「凍らない保冷材」は優れものです。柔らかい上に3~5時間は冷えています。おすすめは、濡らすと冷たくなるタオルをビニール袋に入れて保冷材のそばに入れておくこと。

保冷材が融けても、このタオルが冷えているので安心です。しかも、100円ショップで売っているので安くて簡単に手に入れられますよ。

●まとめ
夏の熱中症は本当に命取りになりかねません。安全にお出かけしてくださいね。

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さまざまな相続の中でも「不動産」がここまで揉めるのは何故か?

平和で仲良しだった家族や兄弟が揉めてしまうことが多い「不動産」の相続。何故かこじれやすい不動産相続は、どうすれば平和的解決へ導くことができるのでしょうか? 今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』で著者の真井花さんが紹介するのは、意外と見落とされがちな方法でした。

使うんなら別だけど。「相続不動産」について

さて、本日はちょっと重ためのお話。

家庭の平安♪大事ですよね。みなさんもこれを大切にしようと思って、いろいろな家事のスキルや考え方を学ぼうとしているんだと思うんです。だよね?

思うんですが、この家庭の幸せや平安を決定づけているのは家事スキルなんかじゃないんですよ。もっと大きな「残業が多くて家にいられない」とか「家族や親戚と冷戦状態」とか、そういうモンが重要なんですよ。

でね。結構たくさんの家庭にとってカンケーのある大きな事情ってのがあるんですよ。それは

・不動産

です。土地と建物ですね。え?今賃貸物件に住んでいるからカンケーない?ははは。それは、あなたが不動産を所有していないということですね。でも、

・あなたの親御さん

は、不動産を所有していませんか。田舎の実家ってヤツです。

一億総中流だなんて言われた時代があったんですよ。そのせいで、ある年齢以上の人は結構な確率で不動産を所有しているもんなんです。いわゆる

・田舎の家

ってヤツです。それが、その時代の家庭の幸せに直結していたからです。

ところが、時代は変わってしまいました。家族がいつまでも同じ場所に暮らし続けるとは限りませんし家族がかつてと同じ姿、同じ関係とも限りません。でも、不動産だけは変わらず不動産のままなんです。

で、そんな不動産の存在が突然クローズアップされるときが来るんです。それは不動産の所有者、ほとんどの場合親御さんが

・死んだとき

です。死亡とともに親御さんの財産の相続が開始するからです。経済的に価値のあるもの全てが、配偶者と子供たちのものになるからです。

でね。そう、もうはっきり言いますが、他の財産…預貯金とか株とか宝石とか、これはそれぞれ良いやり方があるんでしょうがこと不動産に関しては

・処分して現金化する

一択ですね。

家庭に突如大騒動を巻き起こす

・相続不動産

のお話ですね。

単一競技で成功の「バブル方式」が、東京五輪では“無理ゲー”な訳

「安心安全」をお題目のように掲げる東京五輪は、選手や大会関係者を隔離に近い状態で管理するいわゆる「バブル方式」で運営していく算段のようです。しかし、単一競技の大会では成功しても五輪のような多競技多地域にわたる大会のバブルなど、その名の通り弾けてしまう「無理ゲー」と語るのは、メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さんです。山崎さんは、わずか9人のウガンダ選手団ですら陽性者を確認しながら国内で新たに濃厚接触者を発生させてしまった事態を鑑みて、「安心安全」など「完全な絵空事」と厳しく断じています。

バブルのこと

少々修辞に過ぎた物言いかもしれないが、バブルとははじけるものである。そしてそれは大きくなればなるほどにはじけ易くなる。こちらは物の理である。

コロナ下で如何にしてスポーツイベントを安全に行うか。この一年間、世界中のスポーツ運営関係者が知恵を絞って何とか形にしたのがこのバブル方式というやり方なのである。簡単に説明すると、他国からやって来た競技者とその直接的(第一次的)関係者をバブル内に閉じ込めるようにして隔離し、入国から出国までバブル外の人とは直接接触しないようにする、というものである。これは飽くまで私見だが、単一の競技会においては割と成功率は高いような気がする。

しかしながらオリンピック東京大会においては33競技339種目である。競技関係者はオリンピックだけで5万人(競技者約1万1000人、関係者約4万1000人)を超える。仮にアスリートに限ったとしても1万1000人、33競技、339種目という複雑にして巨大なバブルとなる。しかもこのバブルはつくればいいというものではない。安全に移動させなければならない。バブル包装の巨大物流作戦など、まずもって無理ゲーである。

実際、考え得る最少レベルとも言える、高々9人というウガンダ選手団でさえバブル内に収めきることはできなかった。結果、当該選手団を受け入れたホストタウンの職員からも濃厚接触者として認定される人が出るという残念なことになってしまった。

そもそも空港検疫において選手団の1人が陽性と判明したにもかかわらず、残り8人の危険度評価すらしないまま滞在予定のホストタウンに文字通り先送りされ、そこでさらに1人の陽性者を出すなどあってはならないことであろう。

何より恐いのは、こういった事態が全く想定されていなかったということである。ただ現実問題として、防疫に従事する者がこういう場合を想定しない筈はないから、おそらく無視されていたのだろう。こう思えば猶恐ろしい。ついでに言うと、無視にしろ、想定外にしろ、こういった類の所謂不測の事態が起こった際に取り敢えず「STOP!」ではなく、何となく「GO!」というのが如何にも無責任ではないか。

本来、防疫計画というものには隙があってはならない。もしあればそういった弱点は事前に打ち消されていなければならない。そのためには、偉い人の立案した計画の粗を探し、けちをつける「嫌われ者」の存在が絶対に欠かせない。

日本人にはこれができないのである。偉い人に嫌われることを極端に避ける傾向があるからだ。基本的に偉い人の背後には官権の存在がある。故に偉い訳だが、この官権というやつが実に厄介で、完全な上意下達の権力構造を持つ。故に現場からの、言い換えれば下からの意見は無視され、問題として騒がれて初めて対策を取るという泥縄状態となる訳である。

我々は改めて、こう問わずにはいられない。「9人でできないものがどうして5万人でできるのか」。答えがないなら、政府や五輪関係者の言う「安心安全」など完全な絵空事である。

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文在寅へ「余命宣告」。韓国大統領選に出馬表明の“天敵”が猛批判を展開

先日掲載の「見えてきた文在寅の末路。政界入りを決意した元検事総長の使命感」でもお伝えしたとおり、水面下で着々と政界進出の準備を進めていた尹錫悦氏が、6月29日、ついに大統領選レースへの参入の意思を明らかにし、支持者たちから熱狂をもって迎えられたようです。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年を超える日本人著者が、興奮のあまり倒れて意識不明になる聴衆も出たという現地の様子をレポートするとともに、尹氏が語った内容を詳細に紹介。さらに、文在寅大統領により破壊された日韓関係を修復できるのは尹氏以外にはいない、との私見も記しています。

【関連】見えてきた文在寅の末路。政界入りを決意した元検事総長の使命感
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尹錫悦氏、満を持して大統領選への出馬表明

元検察総長の尹錫悦(ユン・ソンヨル)氏が、満を持して大統領選への出馬表明をした。6月29日、午後1時。ソウル瑞草区の梅軒(メホン)尹奉吉(ユン・ボンギル)義士記念館前は、尹錫悦氏を応援する人で埋まった。赤い花輪が100個以上も並べられ、興奮のあまり倒れて意識不明になる男性もあるほどだった。

来年3月9日の大統領選挙出馬を、明示的には宣言しなかったものの、「政権交代に献身する準備ができた」とし、大統領選挙レースに臨む意思を明確にした。尹元総長は15分ほどの宣言文の朗読で、8回ほど「政権交代」という語に言及した。尹元総長は「産業化と民主化で今の大韓民国を作った偉大な国民だ、その国民常識から出発する」とし「常識を武器にして、崩れた自由民主主義と法治、公正の価値を必ず立て直す」と明らかにした。今の文在寅(ムン・ジェイン)政府は「国民を敵と味方に二分し、常識と公正、法治を投げ捨てて国の根幹を崩壊させ、国民を挫折と憤りに陥れた」と痛烈に批判した。さらに「現政権が犯した非道な行為を一々羅列するのも難しいほど」と語った。

文在寅政府に任命された検察総長が任期を全うできず、退いて、大統領選に挑戦する背景も無能な政権に対する国民の怒りがあるとし、「腐敗して無能な勢力がこれ以上政権を延長して、国民を略奪することを防ぐために献身して先頭に立ってほしいという国民の意思」と説明し、「国民が憤りを感じない国を作る」と誓った。

尹元総長は「国を正常化させ、国民が真の主人である国を作らなければならないという考えを共にするすべての人々が力を合わせなければならない」と強調したが、これは政権交代のために、いわゆる「反文在寅ビッグテント」を張るという構想と読めるだろう。

最大野党の「国民の力」についても、「自由という価値、政治哲学の面で国民の力と考えを共にする」と述べた。入党するかどうかという質問には「今後の政治については、この場に立つ前にすべて申し上げた」と即答を避けたが、「候補ナンバー2番(=最大野党=国民の力の意)をつけて大統領選挙に出る」という基本原則は再確認したものと考えていいだろう。

静養も小池劇場。都議選告示前に入院した都知事の絶妙なタイミング

五輪開会式までおよそ1ヶ月に迫った6月22日、過労のため突如入院静養に入った小池都知事。30日早朝に退院したものの当面はテレワークで公務に当たるとのことですが、これまでのところ知事に対する批判的な報道は皆無と言っても過言ではありません。そんなマスコミを味方につける小池氏の手法を「さすが」と評するのは、小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さん。石川さんはメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』で今回、小池知事の入院の真の理由を「都議選回避」として、タイミングの絶妙さを解説。その上で、「入院も小池劇場」と結んでいます。

【関連】小池知事の誤算。「都民ファースト」への裏切りで消えた首相の座

 

入院も「小池劇場」/マスコミは「ねぎらい」ばかりで批判は皆無

政治家が一番元気になるのは選挙である。政治家は特に選挙が好きだ。

私の周りでも小沢一郎さん、鈴木宗男さん、鉢呂吉雄さんなどみんな70代だが、選挙になれば年齢を忘れる人ばかりだ。小池百合子・東京都知事も勝負師であり、選挙となればアドレナリンが湧き出てくると思う。

その小池都知事が6月22日、東京都議会議員選挙(25日告示)を前にして突如、入院した。

理由は「過労」。27日までは公務を入れず静養する予定だという。ワイドショーでは、小池知事をねぎらうコメントが相次いでいる。(※ 編集部註:東京都の発表によると、小池知事は30日朝に退院。当面はテレワークで公務を行うとのこと)

「コロナ対策で一日も休みがなかったのでゆっくり休んでほしい」
「愛犬の死が追いうちをかけたのだろう」

小池知事を批判するコメントは皆無である。

マスコミを味方につける手法は「さすが」というほかない。普段は小池知事に恨み節の飲食店関係者もこんなときに文句も言えない。

しかし、入院の理由は「都議選回避」であることは言うまでもない。

小池知事は、記者団から「都議選で都民ファースト候補者の応援に入るか」と聞かれたも、明言を避けてきた。都民ファーストの応援に入れば、今回の都議選で過半数を獲得すると予想されている「自公」との関係が悪化し、都政運営に支障を来たすからである。

入院のタイミングは絶妙だ。

都議選は9日間。27日までの静養であれば、一番の見せ場である告示日(25日)の第一声も出なくて済むし、土日の応援も回避できる。月曜からは公務を理由に応援演説をしなくて済む。最後の土曜日だけ、自身の側近議員数人のところに応援に行くくらいだろう。

それくらいの応援であれば、二階俊博幹事長をはじめ自民党側も容認するだろうし、そのことについては、すでに打診して了解も取り付けているだろう。

入院も小池劇場なのである。

 

image by: 東京都知事 小池百合子の活動レポート - Home | Facebook

驕りにも似た感覚のズレ。朝日新聞「値上げ理由」に抱く強烈な違和感

東京五輪オフィシャルパートナーでありながら大会開催中止を首相に求める社説を掲載、それからおよそ2週間後には7月からの購読料の値上げを発表し、大きな物議を醸した朝日新聞。一見無関係に思えるこれらの事象を統合して鑑みると、同社が抱える問題が浮かび上がってくるようです。今回のメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』では毎日新聞や共同通信に勤務経験のある引地達也さんが、「値上げは最悪のタイミング」とした上で、一連の騒動の中で自身が朝日新聞に「驕りにも似た感覚のずれ」を覚えた理由を記しています。

 

コロナと五輪、そして値上げの朝日新聞を「応援」できるのか

東京オリンピック・パラリンピックの開催が近づくにつれ、日本では陸上など各種目での代表選手の選考や発表が行われ、開催に突き進む国際オリンピック委員会や日本政府への批判のトーンから徐々に競技モードになりつつある。

懸命に競技に打ち込もうとする選手の姿は見栄えがよいが、コロナ禍での五輪開催に心痛めている選手の様子を知るのはつらい。様々な矛盾を抱えたままメディアは東京五輪をどのように報じていくのだろうか。

そんな中、五輪のオフィシャルパートナーである朝日新聞は、社説で五輪中止を訴えた。さらにコロナ禍で先行き不安な社会情勢の中で、7月から新聞購読費の値上げを行うことを発表した。

オフィシャルパートナーと五輪反対と値上げ。

一つひとつは矛盾の関係にあり、どうもしっくりこない。この不信感は社会不安の中で、矛盾だけが増幅していくような印象だ。

「朝日新聞を応援してください」。

値上げ発表から数日後、我が家には値上げを知らせる案内がポストに入っていた。直接会った新聞配達員が私に訴えたのが冒頭の言葉である。まるで選挙の立候補者への投票を呼び掛けるような口上に、戸惑う私。

「応援?」。

誠実そうな配達員にこんなことを言わせている状況を記者たちはどう考えているのだろう、と記者をしていた自分としても自分事として考えてみた。

やはり、値上げは最悪のタイミングである。

先行きの見えない不安と五輪への姿勢も賛否あいまいなまま、配達員は朝日新聞という製品の良さを言うのではなく、「応援」という感情に呼び掛けて、購読者離れを防ごうとしているようだ。

応援、という言葉が出てくると、それほど「頑張っているのか」と言いたくもなる。しかし、朝日新聞は頑張っているらしい。値上げの理由に書かれた説明には、自分たちの頑張りを主張する。

ネット上にフェイクニュースが飛び交う今、新聞の役割は増していると考えています。事実を正確に報じるという報道機関の使命を肝に銘じ、新聞を広げるのを楽しみにお待ちいただけるよう、内容とサービスを一層充実させてまいります。ご理解をお願いいたします。

ここにある「新聞の役割は増している」のであれば新聞の市場価値は高まっているはずで、購読者が離れていくことにはならない。しかしながら、経営を圧迫するほど購読者離れが進み、収益は落ち込んでいる。

ここには、驕りにも似た感覚のずれがある。

 

東京五輪で日本が世界に恥を晒す「ドラクエリスク」とは?すぎやまこういちのLGBT差別に重大懸念、“物理テロ”発生を危惧する声も

開幕まで1カ月を切った東京五輪・パラリンピック。急ピッチでさまざまな準備が進められていく中、メインスタジアムとなる新国立競技場では入念なリハーサルが行われているようだ。そこから漏れ聞こえてくるのは『ドラクエ』の音楽だといい、ネットでは「開会式の演出がドラクエ風か」「ドラクエ人気は日本だけなのに」などと話題になっている。

東京五輪、開会式は『ドラクエ』演出か?

紆余曲折がありながら1500億円以上かけて完成した新国立競技場から、まさかドラクエの音楽が流れてくるとは驚きだ。

SNSでは「ドラクエのテーマ曲が聞こえてくる」というツイートが続出。そのうちなぜか既に削除されてしまったものも複数あるが、多くのツイッター民から情報が寄せられている。

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詳細は不明だが、東京五輪の開会式で『ドラゴンクエスト』にちなんだ演出が行われるとみられる。

前回のリオ五輪の閉会式では、マリオに扮した安倍晋三首相(当時)が登場して周囲を驚かせるという演出があった。世界中で大人気のマリオだけに、多くの人が喜び話題となった。

それで味を占めたということなのか。今回の東京五輪ではドラクエがチョイスされたようだ。しかし、ドラクエ人気が高いのは日本だけ。マリオと比べれば圧倒的に人気は低く、むしろガラパゴス状態にあるといってよい。

ネットでは「スクウェア・エニックスならFF(ファイナルファンタジー)の方が良いのでは」「任天堂つながりでゼルダの伝説の方がマシだった」などの声があがっている。

おまけにスクウェア・エニックスはスマートフォンゲーム『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』の“10連ガチャ”で、実際は10回抽選していないことがバレて炎上、消費者庁から景品表示法違反があったと28日に行政指導を受けている。

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すぎやまこういち氏、LGBT差別発言擁護の過去

ドラクエの音楽といえば、作曲者であるすぎやまこういち氏を抜きにしては語れない。ドラクエシリーズだけではなく、競馬のファンファーレも手掛けるなど、作曲家として多大な貢献を果たしてきた。

しかし、その一方で、今年で90歳を迎えたすぎやま氏が「老害化している」としてネットを賑わすことがある。

2015年6月に公開された番組『チャンネル桜』に出演したすぎやま氏は、「生産性がない同性愛の人達に皆さんの税金を使って支援をする。どこにそういう大義名分があるんですか」と語った自民党の杉田水脈議員(当時は落選中)に対し、「正論ですよ」と同調。LGBT差別発言を繰り返す杉田氏をすぎやま氏は擁護していたのだ。

その後も杉田氏は同性カップルなどを否定し続け、大きな問題となったことは記憶に新しい。

東京五輪でドラクエの音楽が使用されれば、当然すぎやま氏も注目される。

そんなすぎやま氏のLGBTに対する間違った思想が世界へ広まってしまう恐れが出てきた。

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クローズアップされてしまえば世界中で炎上してしまうのは必至。世論が大騒ぎしかねない事態となる可能性もある。

刑務所の面会か。丸川大臣「五輪食事会場に監視員とアクリル板」の不見識

開幕まで1ヶ月を切ったものの、先日確認されたウガンダ選手団2人以外にも、来日した関係者4名が新型コロナウイルスに感染していたことが発覚するなど、混乱の兆しが絶えない東京五輪。丸川五輪相は感染対策の一環として、食事会場にアクリル板を設置した上で監視員を配置し、選手や報道陣に会話を控えてもらうとしていますが、果たしてそれは「悪手」とはならないのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では著者で米国在住作家の冷泉彰彦さんが、「このアイディアはかなり難しい」として、4つの問題点を指摘。さらに英語を話さない人にしか監視員を任せられない理由を挙げるとともに、その導入が日本にもたらす弊害を記しています。

 

五輪の食事会場に「監視員配置して会話禁止」、どう考えても不可能

五輪担当の丸川珠代大臣は5月13日の国会(参議院の内閣委員会)で、東京五輪・パラリンピックの新型コロナウイルス対策として、「選手や大会関係者に求められる行動管理や感染予防策の実効性を高める」ために、「監視員」を設置することを表明したそうです。

通信社等の報道によれば、丸川大臣は「息苦しい思いをすることになるかもしれないが、お互いのコンディションを守ることにつながる」というコメントもしています。尚、同じ報道によれば、選手村や報道関係者の食事会場ではテーブル上にアクリル板を設置し、会話を控えてもらうなどの対策を徹底する方針だそうです。その上で「こうした場所に監視員を配置する」計画だと報じられています。

このアイディアですが、かなり難しいと思います。4つ指摘したいと思います。

1点目は、欧米だけでなく、アジアやアフリカも含めたグローバルな社会では、食事と会話を切り離すことはできないということです。家族やカップルだけでなく、友人や知人同士での食事もそうですし、特にスポーツ選手がチームメイトや、コーチ、スタッフなどと食事をする、あるいは対戦相手と食事をするような場合にも、会話を楽しみ、お互いを知る社交の機会として食事というのは位置づけられています。

例えば、「個食」であるとか、「食事中は私語禁止」といった文化は皆無ですし、そもそも五輪への参加という中で、選手村での交友を広げることは、多くのオリンピアンに取って極めて重要な目的になっています。とにかく、食事中の会話禁止といった「感染対策」については、事前に詳しく説明して徹底的に納得させるにしても、そもそも納得させるということが困難を極めると思います。

一部の地域では、食事の場面というのは食事を共にする人同士のプライバシーだという考え方もあります。宗教的な理由から、食事の様子を撮影されたり、他人に覗かれることへの強い抵抗感を持つ場合もあり、そもそも「監視員」などという発想は成立しないかもしれません。

2点目ですが、アジアはともかく、アメリカやEUでは、コロナ感染拡大を阻止するために、飲食店における「会話禁止」「マスク会食」「アクリル板」といった対策が取られたことはないと思います。少なくともアメリカではほぼ皆無です。

勿論、飲食店の屋内営業を禁止したことはありましたし、州により詳細は異なりますが、屋内営業を許可した場合に、定員の50%とか25%といった規制がされた時期はありました。また、アクリル板については、スーパーマーケットのレジに設置されたことはありました。

ですが、飲食店における「会話禁止」などというのは、そもそも「それでは飲食店に行く意味がない」ことになります。更に「食べる時はずらして、会話の時は戻す」というマスク会食などという習慣は、全くありません。保健行政や専門家が推奨したこともありません。

アクリル板に至っては、仲間同士が会食する場合に、その仲間同士を隔てるアクリル板などというのは、少なくともアメリカ人は許容しないと思います。と言いますか、そもそも見たことはないわけで「刑務所の接見か?」というような不満が出てくる可能性は十分にあります。