「充実感を味わう日がほとんどない」人に教えたいモノの考え方

あなたの毎日は充実していますか? それとも、日々充実感を味わえずモンモンとしていますか? 今回、メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者で経営コンサルタントの菊原智明さんは、「潜在意識は“あるもの”しか認識できない」を利用したポジティブな思考法を伝えています。

日々「今日は充実したな」と実感する方法

1日を過ごして「今日は充実したいい日だった」と心から実感できる日が何日あるだろうか?

こう質問されて「毎日が充実している」と答えられる人はあまりいないと思う。

たいていは「まあ、月に5~10日程度かな」と答えるだろう。

中には「充実感を味わえる日などほとんどない」という人もいるかもしれない。

私自身もそうだった。ほとんどの日は「今日もイマイチだったな」という気持ちが残ってしまう。

これは気持ちがいいものではない。気持ちが晴れない。眠りも浅くなり翌日の目覚めも悪くなる。こうして翌日のパフォーマンスも下がっていく。

まさに悪循環。これでは何かで成功するのは難しい。

ここでもう1つ質問がある。あなたは日々の活動において“充実感を味わうための工夫”をしているだろうか?

私の知っている限りこの工夫をしている人は少ない。やっている人はごく限られた人だけ。そして、この工夫をしている人たちだけが結果を出している。

ある時、このヒントを教えてもらったことがある。脳科学に詳しい知人から「潜在意識は“あるもの”しか認識できない」という話を聞いた。

裏を返せば「ないもの、出来なかったことは認識できない」ということ。つまりはゼロ換算になってしまう。

例えば1日を過ごす。10の仕事を予定していたが3はできなかった。こんな日もある。

しかし、考え方を変えれば“7は達成した”ということになる。そんなに悲観することではない。

しかし、「これができなかった」と考えてしまうと、潜在意識は「この仕事に関して成果はゼロ」と判断する。

このように考えてしまうと、「あぁ、なんか充実感がない」と感じてしまう。こうして悪い方向に向かってしまう。

これは私もよくやっていた。原稿を書いていて「思ったよりも進まなかったな」と思う日もある。

とはいえ“10のうち5~6”は書けている。

できない割合にフォーカスしてしまい「あぁ、今日もダメだった」と思ってしまっていだ。

ある時から、同じ状況でも「5割は書けたぞ」と思うようにした。

するとどうだろう。気分が全然違う。これだけでも随分と気持ちは前向きになったものだ。

 

この記事の著者・菊原智明さんのメルマガ

ロジカルシンキングには罠がある。変化の時代に必要な考え方とは

ビジネスに欠かせない思考と言われる「ロジカルシンキング」。しかし、そこには「罠がある」と 話すのは、Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されているメルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』の著者・尾原和啓さんです。今回は、変化の時代に対応するための術を解説しています。

変化の時代のロジカルシンキングの罠

4月に入って、みなさんいろいろなことを学び始めていると思います。特に4月は、「ロジカルシンキング」などをするのが多いのではないでしょうか?

今日は、「ロジカルシンキングは間違えると犬の道になっちゃうよ」という話をしたいと思います。

“犬の道”って何かと言うと、ワンコって「どこに餌があるかなー」ってウロウロして、最終的に実は自分の近くにあった餌場に気づく。こういう、元気で体力があるがゆえに、いろんなところをウロウロしてしまって疲れてしまうことを“犬の道”って呼ぶんですね。

ロジカルシンキングの2つの罠 

「尾原さん、一見すると『ロジカルシンキング』は論理的に物事を分けることによって、効率的に物事を分析する手法なんじゃないですか?」ってみなさん思うかもしれないんですけど、これには2つ罠があります。

1つ目の罠

「ロジカルシンキング」の基本的な概念を“MECE(ミッシー)”と言います。

物事を区分けしていくときに、「この部分、探すの忘れてたよ」みたいな漏れがあったり、AとBのやり方をしていて結果的にAとBで重なりがあったら、「同じこと2回やってるよ」みたいなことが起こる。こういうのを「漏れやダブり」がないように、

・物事を量と質に分ける
・物事を分析するときに、3C(Consumer=ユーザー、Company=自社、Competitor=競合)のかたちで見る

というのがMECEの考え方ですが、本当に漏れなくダブりなく、全部を見なければならないのでしょうか?

変化の時代は、今のお客さまじゃないお客さまや、今の自分の強みじゃないところにいかなければなりません。今、西野(亮廣)さんが言っているような「意味変」の話です。

例えば、アロマキャンドルは、もともと光を提供するところで電気より圧倒的にボロ負けしてしまう。でも、「ロウソクの光の揺らぎはロマンティックな気持ちにさせる」という意味を抽出することで、

・ロウソクは小さくて揺らいだほうが、よりロマンティックさが求められる
・アロマという匂いを付けたことで、ロマンティックさを増幅させる

という話に変わりました。もし、「灯りとしてのロウソクの3C」を“犬の道”でウロウロしていたら、こんな正解には至らなかったでしょう。

つまり、昨日までの正解が今日正解じゃなくなる時代において新しい意味を見つける時には、自分の内側にあるものを大事にしたり(インサイド・アウト)、「クリティカルシンキング」として前提を疑って新しく作り直すことが大事です。

2つ目の罠

新しい意味が見つかったあと、それをどうやって一番効率よく実施していくかという時に「ロジカルシンキング」を持ってくる。

この順番を間違えると、今の前提条件の中でウロウロしてへとへとになってしまうんですよね。

4月になって、「ロジカルシンキング」や「ピラミッドストラクチャー」を身につけるのは武器としては大事です。

でも、それを過信しすぎて今すでに正解ではなくなっているエリアの中で「ロジカルシンキング」を展開したら、疲れるだけの“犬の道”になってしまいます。

そうではなくて、新しい意味を見つける。みんなが「そっちになんて行かないでしょ?」って言っている雲の上の星を見つける。それをやってから、次に「ロジカルシンキング」という順番で考えていくことも大事です。

まとめ

新しい意味だったり、みんなが「そっちじゃないでしょ?」って言ってるバイアスを超える(雲の上の星を見つける)力は冒険を紡いでいくところで、いろんな人とつながっていくことでみえてくる。そこで、オンラインサロンが有効になってくると思うんですよね。

というわけで、今日は「ロジカルシンキングは使い方を間違えると、むしろヘトヘトの犬の道に至るよ。そうならないための2つのヒント」というお話をさせていただきました。

・ヒント1 新しい意味を見つけてから、ロジカルシンキングという順番で考えていく
・ヒント2 新しい意味を見つけるときには、自分の内側を大事にしたり、クリティカルシンキングで前提を疑って新しく作り直す

4月、新しい学びが広がるシーズンなので、みなさんも変化の時代を楽しんでいければと思います。じゃあね~

この記事の著者・尾原和啓さんのメルマガ

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仕事ができる人は断らない。「飲み会が苦手」とか言ってる場合じゃない理由

仕事ができる人の共通点はなんだと思いますか? それは「他の人をよく助けること」だと、無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょうおんさんは語ります。今回のメルマガでは、仕事をする上で忘れがちだけど、一番重要かもしれない「人とのつながり」について解説しています。

会社って最後は人との繋がりで作られているから

現場のマネージャ、つまりラインマネージャが人事権を持っていて、その人が新しい組織やプロジェクトを立ち上げる時にどうするか?というと、そのマネージャは自分の上司プラス、その人から見て、最も信頼に足る人に相談をするわけです。そんな内輪の会話で、誰が適任かとか、誰が必要なスキルや経験を持っているのかという値踏みが行われて、なんとなく組織の骨格が決まっていくんですよ。

そんな時に、現場に近いところにいて、たくさんの人と繋がりを持っている人の方が、ピックアップされやすいのは当然ですよね。

だから社内ではある程度社交的に振る舞う、飲み会で場を盛り上げる、こいつと一緒に仕事をしたら楽しいなと思わせる、あの人は良い人だなと思ってもらえる、こういう要素は非常に重要なんです。だから私はサラリーマン時代に、飲みに誘われたら原則として断りませんでした。だってそこに誰がやってくるか分からないんですから。

ある時、誰かが企画した飲み会に参加したら、なぜかそこに事業部長が参加していて、たまたま席が私の目の前で、いつものように座持ちの良い話をしていたらやたら気に入られたことがあります。そういうのって、後で地味に効いてくるんですよ。

当然ですが、情けは人の為ならず、という格言の通り、頻繁に人の仕事を手伝ったり助けたりしていたら、自分が困った時にも助けてもらいやすくなるわけですよ。そういうネットワークは、自分が能動的に動かないと構築できないんです。

だから仕事ができる人は、アクティビティーの参加率も高いですし、他の人の仕事をヘルプすることに積極的なものです。そうやって人脈をメンテナンスしているから、社内で気持ち良く仕事ができるんです。

衝撃の事実。お金持ちになるためにはこの3つの方法しかない

お金はないよりも、もちろんあったほうがいいですよね。では、お金持ちになるためには何をすればいいのでしょうか? 今回の無料メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』で本のソムリエさんが紹介するのは、お金持ちの特性とそこに至るための方法をまとめた一冊です。

【一日一冊】大金持ちの教科書

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大金持ちの教科書

加谷珪一 著/CCCメディアハウス

投資ファンド運用会社からコンサルタントとして独立した加谷さんからお金持ちの特性を教えてもらいましょう。ここでいうお金持ちとは、年収3,000万円もしくは金融資産1億円くらいと定義しています。

お金持ちになる方法は、主に3つに集約されます。働いて高額の給料をもらうか、事業を行うか、投資をするかです。お金持ちになるためには、企業の中でのし上がるか、自分で事業を立ち上げるか、成功する人に投資するしかないのです。

いずれにしろ、自分自身の特性や判断によって左右されるわけで確率は低いということになります。

ただ、見方を変えてみると、大富豪に比べれば庶民は失うものが小さいという利点があります。つまり、10億円持っている人は今の資産を失いたくないと強く感じるはずですが、200万円しか持っていない人は、お金を失う心配は比較的小さいのです。

失うものがないということは、挑戦して失敗してもショックは小さいのですから、あるいみチャンスであるともいえるのです。

失うものがないことはある意味で強力な武器といえる。失うものがないのにチャレンジしないのは、非常にもったいない行為である(p143)

この本で一番興味深かったのは、なぜ成功している事業家が、「運」を大切にするのかという理由です。

事業が成功する確率は、起業して10年存続している企業が1割程度ということを考えれば、10分の1かそれ以下でしょう。

しかし、死ぬほど事業に取り組めば、その確率を2分の1か4分の1くらいにまでに高めることができるというのです。

成功している事業家は、死ぬほど頑張っても、そこから成功するかどうかは、「運」しだいということなのです。それだけ努力しているからこそ、「運」の大切さを感じ取れるということなのです。

これはオリンピックに挑戦する人とも似ているのでしょう。死ぬほど頑張っても結局コントロールできないところがあるわけで、やりきった後に見える世界があるわけです。

死ぬほどがんばれば成功する確率を4分の1にできると聞いて、これを高い確率と考えるか、バカバカしいと考えるかは、人それぞれだろう。(p91)

 

偉業を達成してもなお進化を続ける羽生善治が大切にしている事

日本の将棋界で多くの伝説ともいえる偉業を成し遂げてきた羽生善治さん。『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、羽生さんに棋士にとって一番大切なものについてインタビューした際の記事を掲載しています。

打たれ強さ、これに尽きる

将棋界において前人未到の7冠や通算1,500勝を達成し、いまなおさらなる高みに向かって進化を続ける羽生善治さん。

最近では、藤井聡太さんとの熱戦、そしていま日本将棋連盟の新会長を決める選挙に立候補し、注目を集めています。

羽生さんが長く進化成長、活躍し続ける秘訣とは──。

※ 対談のお相手は世界的指揮者の小林研一郎さんです。

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小林 「羽生先生は2017年、渡辺明先生から竜王位を奪取したことによって永世七冠を達成されます。それまで誰一人として果たせなかった大変な偉業を成し遂げられました。しかし、その後、AIなどの台頭で棋士として大変、苦しい時期を過ごされますね」

羽生 「おっしゃるようにタイトルを七つ取った後、それが若手に奪われていく時期が続きました。しかし、勝負の世界なのでそういう浮き沈みがあるのは当然だと思っているんです。自分としてはそれほど気にはしていなかったんですけど、ファンの人たちが心配してくれて味噌や野菜を送ってくださったりしました(笑)。

もちろん、将棋の世界も新しい人や新しい考え方が出てくるわけですし、そういうものに学んでいく姿勢は常に決して忘れてはいけないと思っています」

小林 「それは僕たちも同じです」

羽生 「棋士にとって一番大切な課題は、やはり負けた時にどう気持ちを切り替えられるかでしょうね。結果は人のせいにはできないし、自分が選んだ手は完全に自分の責任なんですね。将棋に偶然性というものはありません。ただ、それを100%受け止めるのは相当きついので、結果については自分の負担にならないようにワンクッション置いて、ある程度処理した上で受け止めることにしています。

そういう意味で言うと、睡眠はすごく大事です。単に長く寝ればいいというのではなく、しっかりと休息を取ることで体も安まるし、気持ちも切り替わる。簡単なようで、これがなかなか難しいんです」

顧客データ「盗み見」の卑劣。大手電力会社を「新電力つぶし」に走らせる岸田政権の無為無策

大手電力会社による独占を解消する目的で、2016年に完全自由化された電力の小売り。しかし彼らの「やりたい放題ぶり」はとどまることを知らないようです。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では著者で元全国紙社会部記者の新 恭さんが、カルテルや顧客情報の不正閲覧など、次々と明るみに出る大手による不正行為を紹介。さらに日本において再生可能エネルギーの普及が立ち遅れている理由を解説するとともに、再エネに対する姿勢をはっきりさせることのない政府を批判しています。

顧客データを盗み見。新電力会社を営業妨害の大手が取り組むべきこと

岸田政権は原発回帰をめざして原子力政策を大転換した。その一方で、資源小国日本を救うであろう再生可能エネルギーの普及は、諸外国に大きく後れをとっている。

その原因としてコストや環境、技術などさまざまな問題が指摘されているが、電力の全面自由化をうたいながら、いぜんとして大手電力会社が送配電の実権を握っているため、再エネを扱う新電力会社の経営が成り立ちにくくなっている面も否定できない。実際、新電力が撤退するケースも目立っている。

大手電力会社は自らの経営努力の足りなさを棚に上げ、電気料金の大幅値上げを申請したり、カルテルを結んだり、顧客無視でやりたい放題だが、さすがに当局もこれを見過ごすわけにはいかないとみえ、この3月末、独禁法違反で、中部、中国、九州の電力3社が公正取引委員会から総額約1,010億円の課徴金納付命令を受けたのに続いて、大きな動きがあった。

関西電力と九州電力の社員が、子会社の送配電会社のシステムを通じ、商売ガタキである新電力会社の顧客情報を見ていたとして、経済産業省の電力・ガス取引監視等委員会(電取委)が、業務改善命令を出すよう西村康稔経産相に勧告したのだ。

大手電力が地域独占する状態を解消し、自由競争により顧客サービスを高める目的で「発送電分離」が行われたはずなのに、親会社・子会社の関係が働いて、いまだに大手電力が送配電会社を支配し、新電力に移った顧客をとり戻そうとしているようなのだ。なんとも不公平な実態である。

電力事業は大手10社が各地域で独占していたが、それでは電気料金が割高になるため、段階的に自由化を進め、2016年に完全自由化された。これにより、電力小売に多くの新電力が参入した。

しかしこの段階では、「発電」と「小売り」が自由化されたものの、「送電」を大手電力会社が握ったままだったため、送電網に再エネ電力を接続するのを拒むような動きも多々あった。

このため、2020年4月、大手電力会社から送配電部門を法的に切り離す「発送電分離」が行われたのだが、これでも不十分なことが顧客データ盗み見事件で露呈した。

関西電力社員が昨年12月に内部告発したのが事件発覚のきっかけだ。子会社である「関西電力送配電」のシステムにアクセスし、新電力の契約者の名前や電話番号、電力使用量など顧客情報を盗み見し、自社から新電力に切り替えたユーザーらに対してより安い電気料金を提示する「取り戻し営業」をしていた。

この記事の著者・新恭さんのメルマガ

台湾ラーメンも尾道ラーメンも。日本の「麺類文化」を支えた台湾人の功績

名古屋グルメとして広く知られ、今や全国区の人気を誇る台湾ラーメン。そんな「台湾にない台湾ラーメン」はどのようにして生まれ、そしてどのように広まっていったのかご存知でしょうか。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、名古屋在住の在日台湾人・郭明優氏が台湾ラーメンを考案するに至ったきっかけを紹介。さらに尾道ラーメンの誕生にも台湾人が深く関わっているというエピソードを取り上げつつ、安藤百福氏は言うに及ばず、日本のラーメン文化には台湾の人々が大きく関わっているという事実を記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2023年4月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

日本のラーメン文化を支えた台湾人が逝去。台湾ラーメン生みの親「味仙」創業者・郭明優さんの功績

「台湾ラーメン」生みの親 「味仙」創業者の郭明優さんが82歳で死去

ニラや豚の挽肉などを唐辛子の味付けをして炒め、醤油ベースのラーメンに加える「台湾ラーメン」。名古屋名物であり、また、台湾料理店でもよく見かける料理ですが、じつはこの台湾ラーメンは、「台湾にない台湾ラーメン」と言われており、台湾にはありません。

この台湾ラーメンを考案したのは、名古屋「味仙今池本店」の創業者で、在日台湾人の郭明優氏でした。3月29日、この郭明優氏が82歳で亡くなり、日本の多くのテレビや新聞が報じました。

郭氏の父親は台中の大甲出身で、幼い頃に日本へ渡ったそうです。郭明優氏は日本で生まれ、父親が開いた中華料理店を継ぎました。

そして1970年代、20代の頃、旅行で台湾で担仔麺を食べ、とても美味しかったことが「台湾ラーメン」の誕生につながりました。

担仔麺は台南の名物料理です。郭明優氏は台北龍山寺の『台南担仔麺』という店で食べたようですが、ジャーナリストの野嶋剛氏による郭明優氏のインタビューによれば、これを覚えて日本で作ろうと思ったそうです。台湾ラーメンが担仔麺と違うところは、唐辛子とニラが入っているかどうかだといいます。

名古屋・味仙創業者が明かす「台湾にない台湾ラーメン」の誕生秘話

台湾ラーメンの人気が出ると、多くの料理人が味仙を訪れて、他の中華料理店でも台湾ラーメンを出すようになりました。郭明優氏に対して、商標を取ったほうがいいと勧める人もいましたが、郭氏が自由させたことで、台湾ラーメンは名古屋、そして日本各地に広がっていったのでした。

戦後の日本で活躍した台湾人としては、日清食品創業者の安藤百福がいますが、彼もまた、世界初のインスタントラーメンの製法特許を開放して、良質なインスタントラーメンの普及に務めました。安藤には「野中の一本杉であるよりも、森として発展した方がよい」という信念がありました。郭明優氏にも、それに通じるものがあります。

ちなみに日清食品からは台湾ラーメンのカップヌードルが販売されていますが、郭明優氏も開発に協力したそうです。

この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ

ホンジュラスとの断交で露呈。「札束外交」で中国に勝てない台湾の限界

中米のホンジュラスが台湾と断交し中国と国交を樹立。中国による「札束外交」と非難する声に、中台が互いに「援助合戦」をしていたのは世界の常識で、台湾が経済的に中国に勝てないことが露呈しただけと指摘するのは、多くの中国関連書を執筆している拓殖大学の富坂聰教授です。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、ブラジルと中国が自国通貨で貿易決済をすることで合意したことや、LNGの人民元建て決済が初めて行われるなど、「人民元取引」が拡大する現状と理由を伝えています。

結局、世界経済の行方は中国の出来次第というなかで激化する米中対立のネジレ

中米・ホンジュラスが中国と外交関係を樹立し、台湾と断交した。このニュースは中台を勧善懲悪でとらえようとしてきた西側の主流な世論に衝撃を与えた。これで台湾と外交関係を持つ国は13カ国まで減り、蔡英文政権下で断交した国の数は8つを数えた。

ネットには、民進党が野党だった時代、外交関係を一つ減らした馬英九政権を「外交の怠慢」と批判した蔡英文党首の映像が流され、台湾の未来を嘆く言葉もあふれた。

ホンジュラスとの断交が政権への逆風となることを警戒した蔡英文総統は、ビデオメッセージを発出。そのなかで「中国との無意味なドル外交の競争には参加しない」と、暗に中国の札束攻勢を批判した。

しかし、中台が互いに援助合戦で競い合ってきたことは世界の常識であり、札束外交は中国だけの特徴ではない。また、中台対立で台湾に味方し訪台する西側の政治家を迎えるために、民進党政権が多くのお土産を用意してきたことを、台湾の人々は地元メディアを通じてよく知っている。

つまり中国とホンジュラスの外交関係の樹立は、援助や貿易の形をした札束外交であって、その戦いにおいて台湾の限界を露呈した一つの結果でもあったのだ。背後にあるのは、いうまでもなく経済力だ。

中台の差が広がり続けていることは周知の事実だが、そんななかさらに驚くべきニュースが飛び込んできた。3月29日、ブラジル政府と中国が、今後、米ドルを仲介通貨として使用せず、自国通貨で貿易決済を行うことで合意したというニュースだ。目的は、第三国通貨への依存を減らすことで、外部の金融リスク、特に為替レートによる不可測性をある程度減らすためだとされる。つまりドルへの過剰依存への不安だ。

背景には最近、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を引き上げ続けた影響でドルが上昇したことがある。ブラジルの輸出収入に負の影響を与えたのだ。

ドル依存への警戒はこれまで、例えばロシアやイラン、北朝鮮など、アメリカと敵対し国際決済から排除されてきた国だけが抱く問題と考えられてきた。ロシアは「脱ドル」を急ぎ、今年2月にはモスクワ取引所で、史上初めて人民元が米ドルを抜き、月間取引量で最大の通貨となって話題となった。

ブラジルはもちろん、ロシアのようにアメリカと敵対する国ではない。しかし、それでも不透明な未来を考えれば選択肢は多いほうが良いのだ。世界ではいま、地政学的なリスクが高まり、世界経済の脆弱性の要因にもなっているのだ。

この記事の著者・富坂聰さんのメルマガ

暴力団や独裁者の資金も管理。破綻回避した「クレディ・スイス」の深い闇

スイスのチューリッヒに本社を構え、世界的な金融グループとして知られるクレディ・スイス。そんな名門銀行が経営危機に陥り、同じスイスの金融機関最大手のUBSに買収されたというニュースが各国に衝撃を広げています。なぜ同社は破綻直前にまで追い込まれてしまったのでしょうか。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』ではジャーナリストの伊東森さんが、その原因と買収劇の舞台裏を紹介。さらにクレディ・スイスの闇の一面にも迫っています。

スイス大手金融グループ「クレディ・スイス」、UBSに買収 クレディ・スイスとは? 日本の暴力団や世界の独裁者の資金も管理

経営不安にさらされていたスイスの大手金融グループ「クレディ・スイス」は、同じスイスの金融大手「UBS」により買収された。

買収総額は、日本円で4,200億円あまりと伝えられている(*1)。スイスのベルセ大統領やスイスの中央銀行である「スイス国立銀行」などが3月19日、首都ベルンで記者会見し、発表。

UBSが株式交換の形で買収した。しかし買収総額は、17日時点のクレディ・スイスの時価総額のおよそ1兆円を大きく下回る。

クレディ・スイスは、相次ぐ不祥事やリスク管理の甘さなどから、業績が大きく悪化。

それとともに顧客の資金流出が止まらず、15日には株価が大きく下落、経営への不安が高まるとともに世界の金融市場に動揺を与えていた。

海外メディアの報道によると、当初、UBSは1,300億円での買収を提案していたものの、クレディ・スイスが難色を示していたという。

交渉はスイス政府や中央銀行の支援を経てまとまり、結果、アジアの金融市場が開く前に“強力に”交渉を仲介した。

買収で合意したUBSのケレハー会長は、会見で、

「はっきりさせておきたい。UBSはクレディ・スイスの投資銀行業務を縮小し、われわれの保守的なリスク管理に合わせていく」(*2)

と語った。

目次

  • 買収の舞台裏
  • 発端 ファミリーオフィスとアルケゴス・ショック
  • クレディ・スイスの闇 日本の暴力団や世界の独裁者の資金も管理

買収の舞台裏

今回の買収劇は、スイス時間3月16日の午後4時に幕を開ける。スイスの高官がUBSの会長に“緊急の”電話をした。

「昨年4月からUBS会長を務める破天荒なアイルランド人経営者のコルム・ケレハーは、17日の聖パトリックの日を祝った後は、18日のラグビーのアイルランド対イングランド戦をチューリヒのパブで観戦しようと考えていた。欧州6カ国対抗戦で祖国が圧勝かグランドスラムを達成すると期待していた」

「だが電話を取る前から、週末を楽しめる可能性が低いことは分かっていた。業界の競合クレディ・スイス(CS)は3年前からスキャンダル続き。今や欧州銀行業界の膿とされ、その混乱は過熱気味にあった」(*3)

16日、スイス国立銀行は、500億フラン(約7兆1,000億円)の流動性供給策を発表したものの、しかし貸し手の間に広がる不安を食い止めることはできない。

さらにクレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクのアンマル・フダリ総裁が追加出資の可能性を問われ、

「絶対にない」

と答えた発言が広がると、クレディ・スイスの株はさらに暴落する。

1日で420億ドルの預金が流出したアメリカのシリコンバレー銀行を米規制当局が管理下に収めたのと同様のことが、クレディ・スイスにも降りかかった。

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

「丁寧すぎる文章」がかえって解りにくい理由は?元大手新聞校閲センター長が解説

文章の大きな役割と言えば、読み手にその内容をはっきりと伝えること。しかしながら世の中には、何度読んでも理解できないような文章があふれているというのが現状でもあります。何がそのような事態を招いているのでしょうか。今回のメルマガ『前田安正の「マジ文アカデミー」』では朝日新聞の元校閲センター長という経歴を持つ前田安正さんが、「文章がわかりにくくなる構造」を「わかりにくい文章」を修正しつつ解説。その上で、相手に伝わる文章を書くための2つのポイントをレクチャーしています。

わかりやすく書こうとしてかえってわかりにくくなる構造

丁寧に伝えようという思いは、とても重要なことです。ところが、丁寧に書いたつもりが、かえってわかりにくくなるという皮肉な現象は、意外と多く見られるものです。

わかりにくさの原因となる「丁寧」は、主に二通りです。

  • 相手に対して過剰な敬語を使っていて、やたら甘ったるい善哉のようになっている
  • 説明が丁寧過ぎてころもの多いエビ天のようになっている

これは、文章のコンサルタントという仕事をしてよく感じることなのです。

善哉もエビ天も、どうせなら美味しく食べたい。ところが、善哉も甘すぎてはせっかくの小豆の味が引き立ちません。ころもの多いエビ天は、中身のエビが細くて小さいからです。中身がないのに大きく見せても、むなしいだけです。

過ぎたるはなお及ばざるが如しの言もあります。行き過ぎは、足りないのと同じです。

きょうは、そんな「丁寧の行き過ぎ」について、考えてみます。

次の文を見てください。

私は、社会福祉法人○○会に勤めさせていただいておりますが、私共の施設・障がい者施設△△園・特別養護老人ホーム◇◇荘・地域密着型介護老人施設××園のいずれかの利用者さんも次々におそってくる、コロナ禍のためにいつも心待ちにしている家族、親戚、友人との面会もままならず、買い物などの外出も極端に制限され、それに施設内での行事も縮小され、寂しく心細い思いの日々を得ない状況になっているのです。

障がい者施設などでは、コロナ禍によって利用者は行動制限がかかり、心細い日々を送っている、ということは何となくわかります。

しかし、192文字もあるこの長い1文は、わかりやすさからは程遠いものになっています。

複雑な原因は、謙譲語と接続助詞

その一つが、「勤めさせていただいておりますが、」という謙譲語と接続助詞「が」にあります。

まず、誰に対する謙譲語なのかがわかりません。おそらく筆者は、丁寧な自己紹介のつもりなのです。「させていただきます」を謙譲語というより丁寧語として理解しているのです。

その後に「が」という接続助詞を使ったため、文が切れずに次が続きます。

~勤めさせていただいておりますが、私共の施設・障がい者施設△△園・特別養護老人ホーム◇◇荘・地域密着型介護老人施設××園のいずれかの利用者さんも次々におそってくる、

主語は書き出しの「私」だったはずです。ところがここで一転、

~の利用者さんも次々におそってくる、

とあるので、主語が消えてしまったのです。

この記事の著者・前田安正さんのメルマガ