【書評】一部の人間の「正義依存症」が数多の炎上を引き起こす

「正義」という言葉には中毒性があり、不正を働く人々を見つけてはネット上やSNSで正義感によって叩く人たちこそ「正義依存症」なのかもしれません。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では編集長の柴田忠男さんが、目を背けたくなるけれど、背けるべきではない、そんな『現代の日本』の状況を記した一冊を紹介しています。

偏屈BOOK案内:橘玲『事実VS本能 目を背けたいファクトにも理由がある』

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橘玲 著/集英社

脳科学の実験では、裏切り者や嘘つきへの処罰が脳の快楽中枢を刺激し、ドーパミンなどの神経伝達物質が放出されることが分かっている。かつてドーパミンは、「快楽ホルモン」と呼ばれていたが、いまやその機能は「もっと欲しくなる」焦燥感を煽ることだとされて、泥酔や多額の借金などをやめられなくなる。「バッシング」でも同様で、これは「正義依存症」という病理である。

正義には中毒性がある。不道徳な人間を処罰すると、脳はドーパミンという報酬を与える。匿名で不愉快な相手を叩くのは「道徳(正義)」の一部であり、それがいかにグロテスクでも、我々の社会は市井の「道徳警察」なるものによって支えられている。ネットやSNSには「正義という快楽」を求めて徘徊する人々(中毒患者)が溢れかえり、あちこちで炎上騒ぎを起こしているらしい。

らしいというのは、わたしはそんな現場に近寄るつもりはまったくないからだ。リアル世界で絶対に近寄りたくないのは喫煙の現場だ。駅周辺には微妙な距離に喫煙所がある。そこに立つ人たちは××の見本みたいだが、タバコが合法である以上、その前を呼吸停止して通過するしかない。「喫煙は健康を害する」と言っても、彼らには全然効果がないし、彼らの権利は守らなければならない。

「喫煙者は医療費を増やすことで社会に負担をかけている」という主張がある。がんになれば治療が必要だから、一見わかりやすい理屈だが、よく考えるとそうともいえない。タバコが死亡率を高めることは多くの研究が示しているが、死んでしまった人には年金を払う必要もないし、高齢者医療や介護もいらない。

医療経済学では、こうした効果を総合すると、「喫煙は医療費を削減する」というのが定説になっているそうだ。世界的に受動喫煙が問題とされるようになったのは、こうした背景があるからだろう。喫煙者がフィルターを通して吸い込む煙より、副流煙の方が有害物質が多く含まれることが明らかになった。

喫煙者よりも、そばにいる非喫煙者の健康のほうが危険である。だから客だけでなく、従業員の健康にも配慮が求められるようになった。たまに行く有名ラーメン屋チェーンでは、禁煙席という表示があるだけで、空間は一緒のような感じである。時間限定の禁煙の店舗もあるようだ。喫茶店って、もう何年も行ったことはないのだが、まだ「紫煙をくゆらす」とかいう人いるのだろうか。

日本も早晩、受動喫煙に厳しく対処せざるを得なくなる。しかし、そうなると、喫煙を批判する根拠はなくなる。誰にも迷惑をかけない自宅などで、思う存分吸うのは喫煙者の権利である。彼らは統計的には早死にするから、非喫煙者に比べて社会の負担にならない。どんどんタバコを吸って、さっさと死んで下さいという「自己責任」の世の中になるのか。それもいいかもしれぬ。いつも、ホンマかいな?と思いつつ、説得されてしまうのがこの人の本。

菅氏、桜を見る会データ「復元できないと聞いてる」に怒りの声

菅義偉官房長官が28日の記者会見で、廃棄された「桜を見る会」の招待者名簿の電子データについて「復元はできないと聞いている」と述べたと、共同通信NHKニュースなどが報じた。この発言に対して、ネット上では「誰に聞いたんですか?」などと批判や怒りの声が殺到している。

共同通信によると、菅官房長官は名簿廃棄の経緯について、内閣官房、内閣府の公文書管理ルールに従った措置だと重ねて説明。電子データの復元は技術的にできないのか、ルール上できないのかと質問され「ルールに基づいて対応している」と述べるにとどめたという。また、技術的に復元が可能かどうかについては答えなかったとしている。

NHKニュースによると、「桜を見る会」をめぐって野党側は反社会的勢力などが参加していた疑いがあり、実態の解明が必要だとして、終了後に廃棄された招待者名簿について電子データを復元するよう求めているという。それに対して述べたのが今回の「復元はできないと聞いている」という発言だった。

この、桜を見る会の参加者名簿データ「復元できないと聞いてる」発言について、ネット上では「できないんじゃなくて、しないんでしょ」「誰にできないと聞いたんですか?」「他人のせいにしないでください」など、批判や怒りの声が多く挙がっている。

Twitterの反応






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source: 共同通信NHKニュース

image by: 首相官邸

日本と韓国に8つの類似点。生き残り賭けた両国関係改善の行方は

日本のマスコミではあまり報じられない海外のメディアのニュースを、本当はどう報じられているのか解説する無料メルマガ『山久瀬洋二 えいごism』。今回は日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄延期するも依然として改善していない日韓関係について、韓国での様子とともに分析されています。

日韓の切ることのできない関係を見つめ直して

【ニュース解説】

日本と韓国との関係はどうしてここまで悪化したのでしょうか。ぎりぎりのところでGSOMIAの破棄は回避されたものの、隣国同士の国民に生まれた不信感を拭うことはできないようにも思えます。

先日韓国に出張しました。ソウルの仁寺洞(インサドン)という観光地の近くの建物には独島(竹島)は韓国固有の領土という看板があり、そこからさほど遠くない広場には、徴用工の被害者の連名による抗議の看板が掲げられていました。

その翌日から知人の出版社を数件訪ねました。すると、そうした政治的スローガンとは対照的に、私と応対する人は誰もが明るく日本語で交流してくれました。日本語が話せない人とは英語で様々な商談を行いました。それは、仁寺洞でみた光景とはまったく異なる暖かい歓迎でした。その席でお互いに政治とビジネスとを一緒にすべきでないことも確認できたのです。

この二つの事実は、日本と韓国との状況をそのまま物語っています。実は日本にとって韓国、そして韓国にとって日本は失うことのできない大切な隣人なのです。正直なところ、その現実を冷静にみることのできない双方の国の政治の世界の貧困さに思わず絶望してしまいます。

実に単純なことです。経済的に、日本も韓国も中国とアメリカという巨大なIT大国に挟まれています。どのようにもがいても、GAFAと呼ばれるアメリカの巨大IT企業、さらには中国のアリババやテンセントといった同様の企業の間におかれ、二つの国は連携をすることでかろうじて自国の経済的利益を守れるのが実情です。軍事的にも同様です。日本と韓国とが分裂した瞬間に、どちらもアメリカに対して強いカードをきれなくなるのみならず、中国の拡張政策にも抗えなくなるのです。

今回、実はGSOMIAの破綻を一番気にしていたのはアメリカでした。日韓関係が破綻すれば、アメリカにとって極東への軍事的な傘の骨を失うことになりかねないからです。

牛めし松屋オリジナルカレー終売へ。ネット騒然も「ちょ待てよ」

大手牛丼チェーンで「牛めし」で知られる松屋フーズは27日夜、公式ツイッターで「オリジナルカレー」(並390円)を12月1日までに順次終売すると発表した。このツイートの直後、ネットユーザーからは驚きと悲しみの声であふれ返る事態に。

まさに大事件、あのちょっとスパイシーでクセになる松屋のカレーがもう食べられないなんて。。そう思い込み落胆していたところ、同じ公式ツイッターが新メニューの発表を投稿。

おいおいおい、俺の昨日の涙を返せ!!と思った方、多いのではないでしょうか。なんと12/3から、以前より限定メニューとして登場していた「創業ビーフカレー」が定番化することが決定したというのです。なんだなんだ炎上商法の宣伝かよ!!と思った方、私と同じく多いのかもしれません。松屋でカレーが食べられなくなるかと思ったじゃないか!!

でも待ってください、この創業ビーフカレー。私も食べたことありますが結構うまかった記憶があります。いや、松屋さんから広告料はもらってませんよ。あくまで個人の感想です。これが定番化するなら、それはそれで嬉しいのです。でも、松屋のカレー好きとしては、あのオリジナルカレーも創業ビーフカレーも選べるようにしていただきたいと思うのが本音です。松屋さん、また創業ビーフカレーと同様に、オリジナルカレー復活&定番化、そして昔お世話になった200円台のチキンカレー復活、首を長くしてお待ち申し上げております(土下座)。

Twitterの反応

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source: 松屋公式Twitter

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香港を笑えない。選挙の投票率が5割を切る日本人が捨てた民主主義

大規模なデモが続く香港で、11月24日に行われた区議会選挙。投票率は過去最高の71%を記録し、民主派が8割を超える議席を確保し圧勝しました。それでも「香港の真の民主化はまだ遠い」との見方を示すのは、有名ブログ「きっこのブログ」の著者にして、メルマガ『きっこのメルマガ』で毎週社会問題を独自の視線で切り続ける「きっこ」さん。きっこさんは今回の記事で、その理由を香港のトップである行政長官選の実態を挙げつつ解説するとともに、今年7月に実施された我が国の参院選の低投票率を「恥ずかしい」とし、日本国民がデフレや不景気から本当に脱却したいのならば投票に行かなければならないと記しています。

本当の民主主義とは?

正式名称「中華人民共和国香港特別行政区」、通称「香港」の地方議会である区議会選挙の投票が11月24日に行なわれ、翌25日までに開票されました。ちなみに「香港」という名称は、沈香(じんこう)や白檀(びゃくだん)などの「香木」の集積地だった島の南部の港や周囲の村の名称で、それが島の名称になったそうです。また、日本語や英語の「ホンコン」という発音は、中国の一部地域だけで使われている広東語の発音に倣ったもので、中国の公用語である普通話(ふつうわ)では、「香港」を「シャンカン」と発音しています。

今回の区議会選挙は、定数452議席に対して過去最高の1,104人が立候補しましたが、全体の85%に達する388議席報道によっては390議席を民主派が占める結果となりました。1997年の中国への返還後、民主派が過半数を取ったのは初めてです。改選前は親中派が議席の7割を占めていたので、民主派の歴史的大勝利となりました。これは、今年6月の「逃亡犯条例改正案」に端を発した大規模デモが、多くの市民に支持されたことを意味する結果です。

香港の人口は約750万人、東京都の半分ほどです。そして、この約750万人のうち、18歳以上で選挙権を持つ市民は約420万人です。前回2015年の区議会選挙では、430万人の有権者のうち投票所に足を運んだのは約140万人だけ、投票率は過半数に達しませんでしたが、今回は前回の倍、300万人もの有権者が自分の1票を行使し、投票率は過去最高の71%に達しました。それが、民主派の歴史的大勝利という結果となったのです。

しかし、この大勝利という結果を受けても、香港の民主活動家で日本でも良く知られる周庭(アグネス・チョウ)さん(22)に笑顔はありませんでした。「この結果は第一歩にしか過ぎません。私たちはこれからも警察による暴力の問題を解決し、行政長官選での真の普通選挙導入など、本当の民主主義を実現するために戦って行きます」と宣言しました。

今回の区議会選挙は「定数452議席」と書きましたが、実際には区議会の議席は「479議席」なのです。でも、市民が選挙で投票できるのは「452議席」だけで、残りの27議席」は北部の新界地区と離島に振り分けられた議席で、最初から親中派の議席」として固定されているのです。つまり、100%の投票率で有権者全員が民主派に投票したとしても、この27議席だけは親中派の議席として残るのです。もう、この時点で民主主義とは呼べないですよね。

先ほどの周庭さんの宣言にもありましたが、民主派が香港政府に対して掲げている「5大要求」の1つに「行政長官選での真の普通選挙導入」があります。現在の香港の行政長官は、6月から続く大規模デモで日本でも有名になった林鄭月娥(りんてい・げつが)長官で、英語圏では「キャリー・ラム」と報じられているメガネのおばさんです。中国の名前で姓が二文字なのは珍しいですが、もともとは「鄭月娥(てい・げつが)」という名前でした。その後「林」という姓の夫と結婚したため、夫の姓を自分の名前に冠したのです。

入試改革の弊害か。勉学より集団適応力を求められる高校生の不安

大学入試における学力偏重主義からの路線変更は、高校生たちに思わぬ「弊害」をもたらしてしまっているようです。健康社会学者の河合薫さんは今回、メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、「勉学の努力より学級集団に適応することの方が進学を左右するようになった」という記事を紹介。その結果として彼らが常に意識せざるを得なくなった「孤立への不安」の深刻さを指摘するとともに、「高校の役割」についての再考を促しています。

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2019年11月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

仲間いない=ダメな人?

今回は日経新聞の教育欄(11月25日付朝刊)に掲載されていた「揺らぐ高校の役割 人間関係築く教育を」というタイトルの記事をとりあげ色々と考えてみます。

内容は高校生の実態に関するもので、筆者は中央大学教授の古賀正義氏。古賀氏によると大学入試で推薦やAO入試が増えていることから、「受験生の学力よりも高校での生活・学習態度を問う」ようになり、勉学の努力より学級集団に適応することの方が、進学を左右するようになったと指摘。

その結果、「教室でコミュニケーションのできる仲間を見つけられない孤立への不安」という、これまでにないリスクを高校生が感じるようになったとしています。

孤立への不安――。確かにありますね。といってもかれこれ10年以上前から「仲間至上主義」に走る学生たちを見て、その「不安」の存在は感じていました。

学生たちはものすごく仲間に優しい。それ自体は大いに結構だし、仲間を大切にするのはある種の美徳です。問題は、彼らが「みんなと一緒でなければいけない」といった意識を強烈に持ち、仲間と違う行動を取ることは「協調性がない」と捉えていたこと。

「仲間がいない」=ダメな人、「仲間に嫌われる」=人間失格という雰囲気が学生たちの間にあり、仲間を大切にする一方で、仲間に縛られる息苦しさを彼らから度々感じたことです。

そして、彼らは仲間の中での「自分のキャラ」を演じることに疲弊し、「本当の自分はこんなんじゃない。でも、キャラを演じないと…」と悩んでいました。

なるほど。古賀氏の理論に基づけば、学生の仲間至上主義の萌芽は、高校時代からあったということなのでしょう。

記事では高校生の退学理由に関するデータを掲載し、孤立への不安の深刻さを裏付けていました。

東京都内の都立高中退者を対象に行ったアンケート調査で、最も多い退学の理由は「遅刻、欠席などが多く進級ができそうになかった」という生活リズムの乱れ。次いで「友だちとうまく関われなかった」という人間関係の問題が多くなっていたのです。

学校での生活は、決められた時間に登校することから始まり、時間割にそった学習、昼食時間、休憩時間、掃除の時間が、毎日繰り返されます。こういった日常生活は「ルーティン」と呼ばれ、「2人以上のメンバーを巻き込んだ観察可能な日々の反復性のある行動」と定義されます。

軍事アナリストが憂慮。ミスリードを招くメディアのF35関連記事

朝日新聞が1面から2面にかけて報じたF35に関する独自取材の記事に関し、専門家として言いたい個所がいくつもあると声をあげるのは、メルマガ『NEWSを疑え!』を主宰する軍事アナリストの小川和久さんです。小川さんは、F35の追加調達があたかもトランプ大統領の圧力によるものであるかのような記述は、取材不足による「誤報」とも言えると指摘。その取材姿勢では、国家権力や企業に都合良く使われやすく、歴史をねじ曲げると憂慮してします。

なんでもトランプのせいにするな!

自分の専門分野というだけでなく、朝日新聞の1面左の準トップ扱いで、2面にまで続いている「力作」なので、ついつい読んでしまいましたが、あら探しになってしまったようです(笑)。

1面の見出しは「F35、生産進む米工場 日本、147機導入予定」、2面の見出しは「F35、量産の陰で 巨額コスト・部品・安全性に懸念」というものです。

テキサス州フォートワースのロッキード・マーチン社の工場を取材した記事は、朝日新聞のエース記者の一人Sさんによるもので、軍事問題に関心のある一般読者の立場で読めば、面白いし、ためになる記事かもしれません。しかし、軍事専門家の一員としては「ちょっと待ってくれ」と言いたい個所がいくつもあるのです。

より専門的なことは、おなじみ西恭之さん(静岡県立大学特任助教)が取り上げますので、私は総論的なところでひとこと言っておきたいと思います。

この朝日の記事は、日本的な受験秀才に顕著な「要領のよいとりまとめ」の臭いがぷんぷんしています。集めた材料を素早く、スマートにまとめて読者の前に出しているのは悪くないのですが、一歩踏み込んだ取材はもとより、事前の勉強も不足で、その結果、ステレオタイプで時代後れの記事になっているのです。例えば次の部分。

「日本政府は当初、F35を42機導入する方針だった。だが、105機の追加調達を18年12月に閣議了解し、147機体制となった。   『爆買い』の背景には、「バイ・アメリカン(米国製品を買おう)」を迫るトランプ米大統領のトップセールスがあるとみられる。閣議了解の約20日前の日米首脳会談では、トランプ氏が安倍首相に『日本は我々の戦闘機を大量購入しつつあり、とても感謝している』と述べ、対日貿易赤字の解消に期待感を示した」(11月22日付 朝日新聞)

これは明らかに取材不足だし、一種の「誤報」でもあります。日本政府は2011年末にF35を選定した段階で、既に140機以上のF35の導入を決めていたと言ってよいのです。

これは、最も経済効果の出る「1年10機」を14年間で導入しようとの計算に基づくもので、約100機の非改修型F15の後継機としても機数がぴったり合うことから決まったわけです。いきなり140機以上の導入をぶち上げるわけには行かなかったので、中期防衛力整備計画に計画の変更がありうることを書き、それを目標に進めてきたのです。

このように、トランプ大統領が登場する前に決まっていた話ですから、トランプの圧力による「爆買い」と書いては、読者をミスリードすることになります。さらに、F35の背後にある米国のNCW(ネットワーク中心の戦い)の位置づけにも触れていません。

約7割が管理組合との契約辞退も。管理会社側に実施した貴重な声

マンション管理会社を対象に最近実施したアンケートで、「マンション管理を辞退した経験がある」と回答した社が70%以上もあったことが明らかになりました。これを受け、マンション管理士の廣田信子さんは無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』で、当アンケート結果をさらに分析し、管理会社へのコンプライアンスやカスハラに抵触する不合理な要求が目立つとした上で、管理組合側も言動を再点検すべきと指摘しています。

「管理組合の不合理な要求」が契約辞退理由のトップ

こんにちは!廣田信子です。

人手不足、働き方改革、最低賃金上昇等により、採算がとれなくなった管理会社から契約辞退があることが話題になっていますが、マンション管理新聞社が管理会社30社に行ったアンケート結果が、発表されています(10月25日号)。それによると、73.3%、約3/4の管理会社が管理組合に契約辞退などの措置を取ることがあると答えています。

契約辞退の理由で一番多かったのは、「管理組合の要求注文が不合理で、86.4%がこれを挙げています。

採算が取れない」68.2%
人手不足」22.7%

を大きく上回っているのです。複数回答なので、実際は、「管理組合の要求・注文が不合理」で、しかも、「採算が取れない」というように、複合的な判断になっていると思います。

どんな点が「不合理」と判断したかを聞くと、「コンプライアンスに関わる事項を要求されたとする回答が多かったのです。これは、私が実際に管理会社の方から聞く話と合致しています。

さらに、どんな「コンプライアンスに関わる要求」があったかを聞くと、

  • 委託費を下げるため法定点検を省くことを求められる
  • 契約書に押印しない
  • 管理組合が行おうとしていることに法的な問題があることを理事会で指摘したが、聞かなかったことにしたいと議事録への記録を拒否された

等が上がっています。その他の契約辞退の理由としては、「契約上の無理難題」として、

  • 契約にない事項を要求
  • 根拠のない減額要求
  • 管理会社が行うべきではない事項の要求

カスタマーハラスメント」として、

  • 営業時間外の長時間の電話
  • 脅迫的な言葉、どう喝、呼び出し
  • 管理会社やフロントが気に入らないと言って、管理会社の業務遂行を妨げる
  • フロント、社員に高圧的な発言が繰り返される

安全性の維持に責任が持てない」として

  • 修繕積立金の値上げ承認が得られず修繕積立金不足で老朽化に対する措置を取れない

等が上がっています。管理会社から見た理由なので、管理組合側の問題点が強調されている部分が多少あることを割り引いて考えても、「管理組合の要求注文が不合理が契約辞退の一番の理由になっていることは、管理組合の側もしっかり受け止める必要があると思います。

特に「カスタマーハラスメント」は、管理組合としても、そんなことがないよう特に役員には徹底する必要があると思います。一見、温厚そうな理事長が、管理会社の人に対しては、別人のように高圧的な発言をするのに、驚くことがあります。そんなことは、管理組合にとって何の得もなく、場合によっては、契約辞退等のマイナスを招くことにもなりかねないのです。

また、今後は、修繕積立金の値上げができず、安全性確保の修繕できないために、管理会社が契約辞退するケースも増えてくるのではないかと思います。修繕をしていくのに必要な資金を確保する合意形成ができないマンションは、管理会社から見捨てられることもあるのです。管理組合と管理会社との関係も、より対等な契約関係の時代に入ったと感じます。

そして、コンプライアンスは、管理会社に求めるだけでなく、管理組合にも求められるのです。

「お客様は神様」の時代を引きずっている人がいないか点検が必要です。

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定年世代に勧めたい。若者から搾取しない「ビジネスの自給自足」

過去のどの国も経験したことのない超高齢化社会となっている日本。「定年後は余生」という考え方は今後も通用するのでしょうか。メルマガ『j-fashion journal』の著者で、ファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さんは、若者から搾取しないためにもビジネスをしていく必要があると訴えます。それは、現役世代のように利益を追求するものではなく、自分たちのことを自分たちで賄う「ビジネスの自給自足」を目指すのが心身の健康のためにも良いと、持論を展開しています。

仕事と遊びとライフスタイル

1.ビジネスとライフスタイル

自営業の私に定年はない。自分が仕事をしている間は現役。仕事がなくなれば、自動的に引退である。そんな私にも社会的圧力は加わる。どうせ仕事を頼むならば、若い世代の方がいい。高齢者はいつまで仕事ができるか分からないし、何より将来性がない。若い世代で仕事ができる人が見つからないと、仕方なく高齢者に仕事が回ってくる。そんな気がする。

定年代を過ぎた友人や知人は、仕事ではなく遊びに投資する。facebookには、スポーツ、旅行、趣味等の楽しい写真が並ぶ。当然だが、定年になれば仕事をしないのだから、仕事に投資しない。むしろ、残りの人生をいかに楽しく有意義に過ごすか、が課題になってくる。

そういう世代の友人と仕事の話をしても盛り上がらないが、一方で、定年世代を対象にしたビジネスは盛り上がっている。定年世代は巨大な市場だ。この市場を狙うには、ビジネスの発想だけでは通用しないのではないか。

プロのコンサルタントとしても、一人の生活者としても、自分のライフスタイルに向かい合わなければならない。「どのように売上を上げるか」ではなく、「どのように幸せになるか」というテーマが重要だ。マネーから人への転換。そして、遊びと仕事の境界が曖昧になっていく。

2.定年世代の異業種ネットワーク

先日、定年を迎える自動車業界の知人から声を掛けられた。「カーシートに使われるパイル織物のメーカーを知らないか」ということだった。パイル織物は、かなり特殊な織物で、国内では和歌山県の高野口で生産されている。そう説明すると、彼もそれを知っていた。そこから始まって、「パイル織物を残したい」という話になり、「何か新しいプロジェクトはできないか」と発展していった。

私も以前、電車のシートに使う生地を見て、「これでソファーや椅子を作ればいいのに」と思ったことがある。それを電鉄会社や自動車会社のブランドで展開できれば、マニア向けの面白い商材になると思ったのだ。しかし、私一人の力ではプロジェクトを実現できそうにもなかったので、アイディア段階で終わってしまった。

定年が迫る段階で、彼は会社と関係ない新しいプロジェクトに取り組みたいようだった。定年過ぎるからこそできるプロジェクト。会社の予算に縛られず、新しい可能性に挑戦する個人プロジェクトである。

そういうことならば、一人でやるより、数人のグループで取り組んだ方が実現性は高くなる。テキスタイル業界に詳しい私と、自動車の内装デザイナーである知人が組むことで、プロジェクトの見え方も変わってくる。

定年だからこそできるプロジェクトは意外に多いのかもしれない。個人的ネットワークがプロジェクトチームに生まれ変わる可能性を感じている。

上白糖だけじゃダメ?料理好きな科学者が教えるお砂糖8つの違い

料理に欠かせないキッチンの必需品の一つといえば砂糖ですが、売り場をざっと見渡すだけでもかなりの種類が並んでおり、そのチョイスに迷うこともありますよね。今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では現役科学者のくられさんが、 そんな砂糖の種類とそれぞれに合った料理等を詳しく紹介しています。

料理によって使い分け!?砂糖の種類

今回は砂糖の種類の話です。砂糖is砂糖じゃないの?と思う人もいるかと思いますが、市販されている糖にはいくつか種類があります。

砂糖と呼ばれているものは基本的になんらかの植物から得られた糖で、化学的にはスクロースショ糖とグルコースブドウ糖の組み合わせによって成り立っています。スクロースはブドウ糖と果糖が合体した構造で分解されてから吸収されるので多少血糖値が上がるのが遅いとか、ブドウ糖は甘みが少し弱い上に頼りない甘さである感じもあるので、それらを補う感じで市販の砂糖は調整されたモノになっています。

上白糖

一番日本人に「砂糖」として認知されている、少ししっとりした砂糖オブ砂糖という感じのものですが、上白糖がメインなのは日本くらいで、他国ではサラサラしたグラニュー糖のほうがメジャーです。日本での砂糖の使用はジャムにせよ煮物料理や溶かす前提なので、水に溶けやすくするために徹底した上白糖が好まれるわけです。

上白糖は主成分はグラニュー糖と変わらないのですが、粉体を細かくしてそれを転化糖(平たく言えばガムシロップ)で飛び散らないようにした手間のかかった製法で提供されています。味も日本人好みに調整されており、とても使いやすくどこの家の台所にもあるわけです。

グラニュー糖

上白糖より粒が大きくGranulate(ざらざらの)なショ糖というもので、上白糖と成分は同じです。なので製菓などで使う時以外は上白糖と並べて置いておく理由はありません。自分もお菓子作りの時以外は使いません。

三温糖

なんか少し茶色い上白糖でミネラルたっぷりで体に優しい感じがしますが、本来は精製過程でカラメル化した部分から作った砂糖で、色味はただの糖が熱変成してできたカラメル色素です。

カラメル色素はほんのりとコクを持ちますが、それだともっとコクの多いザラメ糖のほうがいいですし別に選んで買う理由はどこにもない感じです。よっぽど安ければ買いますが色の付いた上白糖程度。あえて選んで買う理由はないです。

黒糖

黒糖はサトウキビの絞り汁からあまり精製せずに、ミネラル分などをそのままにして結晶化させたものです。ようするに未精製なので、独特の味を持ちます

この独特の味はそのまま黒蜜などにするときは良いのですが、魚料理や煮込み料理などで肉類と混ざるとえもいわれぬ味になることもあり、黒糖イズ健康志向みたいな感じで全部黒糖で料理してる自然派ママをたまに見かけますが、料理として失格です。ミネラルが多いとかそういう話もありますが、煮物を作れば根菜類などの野菜に含まれるミネラルのほうが圧倒的に多いので、誤差の範囲です。故にこれらの糖の利用は「おいしいかどうかで使い分けることが重要なのです。