老後破産にならないために、誰もが知っておくべきこと

「長寿大国ニッポン!」と手放して喜んでいたのはもう過去の話。介護や孤独死など、高齢化社会ならではの問題が次々と浮かび上がっています。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では、「老後破産」に注目。現代社会が抱える問題を分析しながら、老後破産という最悪の事態に陥らないための対策を提唱しています。

老後破産

さて、本日は最近ハヤりの悲しいお話。

日本は、言わずと知れた世界屈指の長寿国です。良いことだ♪ ところがそうも言っていられなくなってきているようですね。

・早期退職した退職金を投資に突っ込んで全額パー
・家族のガン治療の高額の医療費のせいで、生活費が不足
・介護離職したものの、貯金は瞬く間に底をついて
・独身の兄弟がリストラされて同居することになって

などなど。こういう暗~いことが原因になって最近クローズアップされてきたのが「老後破産」という言葉です。昔は悠々自適と同義だった「老後」ですが、最近では「悲惨と同義になりつつあるようです。いやだいやだ。

お金関係で問題になるのは、

・収入が低減する
・支出が増加する

ということで、この一方、もしくは両方が問題なんですよね? で、かつてはこの両方が大して問題じゃなかったわけです。

・年金がガッポリもらえて 
・定年間近が一番高給取りで 
・退職金もソコソコ 
・息子家族と同居で生活費もかからない

という時代でしたからね。年金や退職金で収入もあったし、大家族で暮らしていたので、単身世帯より生活費の負担が少なくて済んでいたからです。

ところが現代、というか現代をベースにした未来。この前提のすべてが崩れているわけです。年金が今の受給世代より高くなることはないでしょうし、年功序列がなくなった今、年齢とともに給料が上がるわけではありません。退職金なんて一部の大手企業と公務員くらいだけがもらえるモノになりました。

こうした社会的な変化も含めて、結局のところ、老後破産の原因はいくつかあるようです。

・年功序列型の給料体制が崩れたこと
・年金制度の破綻が濃厚だということ
・晩婚化によって人生の貯めどきに貯められないこと
・家族がミニマムになりすぎて社会的なセーフティネットにならなくなったこと

こんなところでしょうか。で、こっから本題なんです。老後破産って急に言われるようになりましたが、老後って言葉がついているだけで、実体はフツーの「破産」ですよ。破産が老年期に起こるということです。老後と破産にまつわるネガティブなイメージが重なるのでとても暗く辛いものに思えますが、破産は破産なんです。

破産っていうのは

支出(負債)>収入(資産)

になってしまうということです。これは老後破産でも同じなんですから、老後破産って結局のところ

老後の生活での支出>年金+貯金

っていうことですよね? だから、これをよくよく考えてみる必要があると思うんです。

日本の潜水艦売り込みが加速、来日豪外相に猛プッシュ。中国は牽制

オーストラリアのジュリー・ビショップ外相が15-16日、来日した。豪メディアは、ビショップ外相は滞在中、同国の次期主力潜水艦を日本の「そうりゅう」型に決めるよう、盛んに売り込みをかけられたと報じている。一方、続けて訪問した中国では、会談した王毅外相が日本の動きを牽制。潜水艦の選定に際しては「歴史問題」を十分に考慮するよう、ビショップ外相に進言した。

先日、衛星写真によって南シナ海のパラセル(西沙)諸島に中国の地対空ミサイル部隊が展開していることが明らかになるなど、アジア太平洋地域の軍事的緊張はさらに高まっている。そうした中、中国は豪潜水艦選定問題でも日本を牽制しながら強気の姿勢を示している。オーストラリアは今のところ「中立」を強調しているが、日本にもさらにデリケートな駆け引きが求められそうだ。

「防衛戦略上の効果」をセールスポイントに売り込み

豪紙オーストラリアンは、ビショップ外相は「2日間の東京訪問で、安倍晋三首相を含む日本のあらゆるレベルから、潜水艦の強い売り込み(hard sell)を受けた」と報じている。岸田文雄外相、中谷元防衛相との会談では、両国の戦略的な利益のためにも、日本製の「そうりゅう」に決めるべきだと諭されたという。

オーストラリアは、老朽化している国産の潜水艦部隊を2020-30年代までに12隻の新型潜水艦に更新する計画を立てている。現在、日本、フランス、ドイツがそれぞれの最新鋭通常型潜水艦で契約獲得を争っており、豪政府は「今年中に勝者を決める」としている。三つ巴の競争が佳境を迎える中、ビショップ外相訪日を伝える豪メディアは「日本は売り込みのピッチを上げた」(オーストラリアン)といったトーンで一斉に伝えている。

日本側はビショップ外相への売り込みに際し、南シナ海などで中国の海洋進出が活発化する中、オーストラリアと同盟関係にあるアメリカ、日本との防衛戦略上の連携強化の面でも、米海軍・海上自衛隊と共通の通信システムなどを持つ「そうりゅう」が有利だという点を強調した。また、日米豪の同盟強化を内外に示す政治的な効果もアピールしたようだ。豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(SMH)は、「日本は、地域の緊張が高まるなか、次期潜水艦の選定は、両国にとって緊急の重要課題だと強調した」と伝えている。ビショップ外相自身も、岸田外相との会談後、「日本は、(潜水艦)契約の戦略的重要性を強調した」と記者団に答えている。

豪外相はあくまで「中立」を強調

日本の猛売り込みに対し、オーストラリア政府は、「決定はあくまで競争原理に基づく公平な判定を経て行われる」(SMH)と、あくまで中立を保っている。ビショップ外相も、記者会見で「オーストラリアは、能力、クオリティ、コスト、そしてオーストラリアの産業のニーズを保証する国際的なパートナーを探っている」と述べるにとどまり、特に日本を意識したリップサービスはしなかった。

また、「アメリカは日本製を選ぶことを望んでいるが」という質問が日本の記者から向けられたが、ビショップ外相は「アメリカは公式に、決定権はオーストラリアにあることを認めている」と答え、アメリカの「そうりゅう推し」を否定。ここでも「中立」を強調した(オーストラリアン)。

ビショップ外相は、中国の南シナ海での人工島建設・軍備拡張問題についても、直後の訪中を意識してか、日本との協力については次のように言葉を濁している。「日本が我が国に、もっと多くのことを求めているかどうかは、問題ではない。オーストラリア自身がどうしたいかが問題だ。オーストラリアは、既に南シナ海における(周辺各国の)異なる主張に対し、平和的解決を提唱し続けることを明言している」(SMH)

中国は「日本は敗戦国」と牽制

ビショップ外相は、東京を去った後、その足で北京入り。日本の売り込みに対する中国の牽制は、素早かった。外相会談で王外相は「日本は敗戦国だ」と、戦後、日本が平和憲法により武器輸出を厳しく制限されてきたことを強調。そして、「そうりゅう」に決めることは「日本との軍事協力」を意味するとしたうえで、決定に際しては「歴史的背景と、(第二次大戦で)アジアの人々が被った感情を最大限に考慮することを望む」と述べた。

また、王外相は、オーストラリアが日本から潜水艦を買うことを決めた場合、中国の海洋進出に影響はあるかと記者に問われると、それをきっぱりと否定した。「私はそれ(中国の軍事力に対抗すること)がオーストラリアの政策の意図だとは思っていない。また、我が国の台頭を止めることのできる国・軍隊は世界に一つもない」(ガーディアン)。

ビショップ外相は、衛星写真によって発覚した中国軍によるパラセル(西沙)諸島への地対空ミサイル配備について、西側の高官として初めて中国側に直接言及した。これについても、中国は強気だったようだ。ビショップ外相は楊潔チ国務委員(外交担当・副首相級)との会談後、「中国側はミサイル配備を否定も肯定もしなかった」と記者団に語った。その後、楊氏は「ビショップ外相に南シナ海の島々は古来から中国の領土だったことを説明した。中国が自国領内に設置した限定的な防衛施設は軍事化とはまったく関係がない」とする声明を出した(ロイター)。

ガーディアンは、オーストラリアは今、最大の貿易相手国である中国と長年の軍事的同盟関係にあるアメリカとの間で、「デリケートな局面を迎えている」と記す。日本が潜水艦の売り込みで「防衛戦略上のメリット」を打ち出せば打ち出すほど、オーストラリアを板挟み状態に追い込んでしまう恐れもあるのではないだろうか。

写真出典:外務省ホームページ

(内村浩介)

 

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今度は「日本酒」がヨーロッパで奪い合い。世界各国で「SAKE」ブーム

ここ数年、日本酒の知名度も徐々に高まってきています。アメリカやアジアへの輸出増加はもちろん、ヨーロッパ諸国でも日本酒が買えるオンラインショップが開設されています。日本酒人気はまだまだ高まりそうです。

日本酒の輸出、連続で過去最高を記録

先日、ウイスキーの人気ぶりについての記事を紹介しましたが、今回は日本酒について、世界からの反応をお伝えします。

国税庁の発表によると、2014年時点での日本酒(清酒)の輸出額は総額約105億円、対前年比117.6%と、順調な伸びを示しています。

輸出国のトップ5は、アメリカ、香港、韓国、台湾、中国と、まだまだアメリカやアジア諸国が中心となっているようですが、「SAKEを世界に広めるため国税庁も様々な取り組みをしている様子

例えば、在日外交官に対しての日本酒セミナー実施、「日本酒ラベルの用語事典」の外国版の作成、主要国際空港での日本産酒類キャンペーンの後援など。

活動の効果もあってか、今ではヨーロッパでも、「SAKE」への注目度が高まっているようです。

ヨーロッパでの反応は?

日本へ来たらやらなくてはいけないアクティビティのひとつとしてSAKEを飲むこと!」がリストにあがるくらい、その名を轟かせている日本酒ですが、いざ海外からの旅行者に「どんなSAKEが飲みたいですか?」と聞いてみると、「え?SAKEってそんなに種類があるの?!なんて驚かれることもしばしば

やはり「SAKE」の実態ついては、あまり知られていないのでしょうか。

しかし、ヨーロッパ国内での状況を見てみると、日本酒が買えるオンラインショップも続々増えてきているようです

さらにサイトを覗いてみると、ただ販売をしているだけでなく、初心者にもきちんと理解できるように、かなり丁寧に日本酒について説明されています。

イギリスのサイト、「TENGU SAKE」では酒ガイドというページを設けて「好みのSAKEの選び方」を説明していたり、飲むときの温度について詳しく説明していたりと、日本人でも勉強になるような内容が掲載されています。

ちなみに、このサイトでは、今冬の販売ベスト10が紹介されていて、岐阜の「三千盛」が「あぺりてぃふ」と名前を変えて15ユーロで1位にランクインしているほか、2位に岡山県辻本店御前酒・九」が「ロッキー・マウンテン」として18ユーロで、3位には「御前酒・上撰」が20ユーロでランクインしています。

ワイン大国、フランスにも日本酒が買えるオンラインショップがあります。

「MAISON DU WHISKY」では、埼玉産の「恋鯉」(42ユーロ)魚織(39.5ユーロ)新潟産「カワセミの旅」(42ユーロ)などが、ベストセラーとなっているようです。

また、日本酒はフランス料理によく合うということも、日本酒ブームの理由のひとつのようです。

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sake 02image by: MAISON DU WHISKY

そのお隣のドイツもお酒好きな人が多い印象がありますが、もちろん日本酒の評判も上々。

ドイツで日本人人口がデュッセルドルフに続いて多いフランクフルトでは、「国際唎酒師(ききざけし)」の資格を持つ日本人女性、向出真由子さんが、昨年「J’epoca SAKAbar」という日本酒バーをオープンしました。

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image by: J’epoca SAKAbarのFacebook

石川県の「神泉」をはじめ、梅酒、ゆず酒なども人気を集めているようです。

向出さんは、20〜25種類の北陸産の日本酒を仕入れて日本酒の良さを広めて行きたいと、その意気込みを語っています。

その他、オランダの「酒リシャス」、スイスの「SHINWAZEN」など日本酒を販売するオンラインショップが複数見受けられました。

スクリーンショット 2016-02-23 17.55.07image by: 酒リシャス

各国で好みにばらつきはありそうですが、ヨーロッパでの「SAKE」の人気ぶり、これからも期待できそう。

日本食ブーム、ウイスキーブームと同じように「SAKE」の海外での活躍も見守って行きたいですね。

image by: Shutterstock 

source by: 国税庁/ TENGU SAKE/ MAISON DU WHISKY/ Confectionery News/ NIKKEI Asian Review

文/長塚香織

「叱らない子育て」は虐待教育と同じ。子を傷つけない効果的な叱り方

お子さんを叱るとき、「人格を否定せず怒らずに」を心がけているけれど、子どもたちにあまり効果が見られない…と悩んでいる親御さんも多いはず。叱り方って本当に難しいですよね。家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんは、自身のメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』で、親子ともにストレスのない叱り方を紹介しています。

子どもの人格を否定せずに叱るコツはありますか?

shitumon (1)子どもたちを叱るとき、つい、怒ってしまいがちです。人格を否定しない、その場で叱る、と言われ、「何で○○なの?」「○○だとダメでしょう?」などと注意するのですが、叱った気になりませんし、子どもたちにもあまり効果がないようです。叱るときのコツはありますか? 

 

家庭教育アドバイザー 柳川由紀さんの回答 

前回お伝えした「褒める」同様に「叱る」とは、子どもたちが、「親から認められている」と感じられる要因の一つです。

ただ、叱り方を間違えると自分は何をしてもだめだ、と自信を失くしてしまうのでコツを覚えて、親子ともにストレスのない叱り方をしましょう。

1.叱ってでも教えたいことって?

そもそも叱ることはそんなに多くありません。
子どもに叱ってでも教えたいことは、
◇危険
◇社会のルール
◇家庭のルール の3つ程度。

危険なことについては、命にかかわることですし、緊急度も高いため、その場で語気を強めたり、強調したりして伝えることが必要です。その他ルールについては、その都度、穏やかに教えていきましょう。

2.かりてきたネコ:産業カウンセラー 渡辺卓氏 考案

叱り方のコツとして「かりてきたネコ」がわかりやすいです。
:感情的にならない
:理由を伝える
:手短に
:キャラクター(人格)に触れない
:他人と比較しない
:根に持たない
:個別に伝える

・感情的になると「叱る」ではなく、ひどい場合は「脅し」に近くなり、子どもの心に傷を負わせる虐待に発展する可能性もあります。
・人格に触れる叱り方をすると、子どもは自分を否定されたと感じてしまいます。正したいのは「人」ではなく「行為」だけです。

ゾクッとくる。東京ディズニーシー近海で“謎の物体”が確認される!

東京ディズニーランド、ディズニーシーの近海に、謎の物体が確認されたようだ。Googleマップで検索してみよう。

確かに近海に謎の影が見える!

 

画像出典:Google

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拡大すると航空機だということが分かる。海底に沈んでいるとでも言うのだろうか? ANAという文字も見えるが、これはいったい!?

 

(※↓詳しくはコチラへ)
参照・画像出典:Google
(本記事は上記の報道や情報を参考に執筆しています)

記事提供:ViRATES

 

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6千人のユダヤ人を救った杉原千畝と難民を温かく迎えた誇るべき日本

みなさんは、6000人ものユダヤ難民にビザを発行し多くの命を救った「杉原千畝(ちうね)」という人物をご存知ですか? 日本のシンドラーとの異名をもつ彼は、諜報外交官としても一流だったそうです。無料メルマガ『Japan on the Globe-国際派日本人養成講座』では、そんな杉原の情報収集能力にも注目し紹介しています。

杉原ビザは、諜報外交官としての手腕と国益への志から生まれた

先の大戦前、バルト三国の1つ、リトアニアの領事代理となり、ソ連のポーランド侵略から逃れてきたユダヤ人難民約6,000名に日本通過ビザを発給して命を救った杉原千畝(ちうね)の功績が国際的に知られつつある。

シカゴ近郊で、ユダヤ人受難の記録を展示するイリノイ・ホロコースト博物館の教育委員長リチャード・サロモン氏が史料の借り出しのために来日したさい、杉原のビザ発給リストを見つめていた様子を、「杉原千畝: 情報に賭けた外交官」の著者・白石仁章氏はこう伝えている。

「この名前は私の父です。これは叔父、これは従兄弟(いとこ)」と説明し、しばし絶句しつつ、涙を浮かべながら、しみじみと「杉原がいたから私たち一家がいるのです」と語ったことは、特に印象的であった。サロモン氏は両親がアメリカ到着後に生まれたそうだが、この世に生を享けたのも、杉原のヴィザ発給ゆえに他ならない。
(p 163)

杉原千畝については弊誌でもすでに3度紹介しているが、近年、研究が進んで、杉原が類い希なインテリジェンス・オフィサー(諜報外交官)であったことが判ってきた。ユダヤ人救出も、彼の人間愛のみならず、諜報外交官としての手腕と志から生み出されたものであった。

ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)

約6,000人のユダヤ人にビザを発給して救った杉原ではあったが、皮肉にも、彼自身のビザ発給を拒否されたことがある。

昭和11(1936)年暮れ、杉原はロシア語の二等通訳官として在ソ連日本大使館に勤務するよう命ぜられ、在日ソ連大使館にビザを申請したが、翌年2月に入っても発給されなかった。

外務省が督促すると、ソ連側は「関係省庁が反対するので、ビザの発給を見合わせることとした」と電話で通告してきた。外交用語での「ペルソナ・ノン・グラータ好ましからざる人物)」の扱いだが、大使・公使ならともかく、通訳官のような一般館員へのビザ発給拒否は「国際慣例上先例なきこと」として、外務省は激しく抗議した。

その後、重光葵(まもる)駐ソ大使まで乗り出したが、ソ連側は態度を変えず、しかも「杉原だからダメだ」というのみで、理由も明かさない。ついには互いへのビザ発給拒否の報復合戦にまで発展したが、杉原のソ連入国はついに諦めざるを得なかった。

ソ連が杉原を恐れたのは、彼の諜報活動で煮え湯を飲まされた経験があったからだ。1933年にソ連から北満(北部満洲)鉄道を売却するという提案がなされ、満洲国代表として当時、同国外交部に派遣されていた杉原が交渉にあたった。ソ連側の要求6億5,000万円に対し、満洲国側の提示額はわずかに5,000万円だった。

杉原はソ連側の金額の根拠について疑義を示した。満州国内で鉄道網整備が進み北満鉄道の経済価値が下がっていることから、鉄道施設が老朽化していることまで明らかにした。「ソ連がどれだけの貨車を持ち出したとか、北満鉄道の内部のあらゆることを自分の諜報網を使って調べ上げてしまった」と、杉原と親交のあった友人は証言している。

ソ連側はやむなく提示価格を2億円と一挙に3分の1以下に引き下げ、満洲国側も歩み寄って、1億4,000万円で妥結した。ソ連側のハッタリを諜報外交官・杉原が完全に読み切って大幅な譲歩を余儀なくさせたのである。ソ連にとって「好ましからざる人物」と烙印を押されたのも当然であろう。

プロの諜報外交官

杉原の「諜報網」とは満洲における白系ロシア人社会に築いたものだった。白系とは共産主義の「赤」に対する「白」という意味で、共産革命に反対したり、あるいは共産党の弾圧を逃れてきたロシア人という意味である。

杉原はロシア人の家に下宿し、個人教師を雇ってロシア語を学んでいた。さらにロシア婦人と結婚していた時期もあり、そうした縁から白系ロシア人社会に諜報網を築いていったようだ。

諜報とは機密情報を入手することだが、その正攻法は情報を握る相手と信頼関係を結んだ上で、「ギブ・アンド・テーク」を行うことだ。相手を騙して情報を盗むようなことをしていては、信頼を失い、相手にされなくなってしまう。この点で、諜報は相手を騙す謀略とは全く違う

杉原の諜報外交官としての類い希な手腕は、ソ連との交渉に現れている。杉原は、誰からどのような情報を得たのかという痕跡をいっさい悟られずに、情報提供者を護った。だからこそソ連側が入国ビザ発給を拒否した際も、具体的に理由も説明できず、単に「好ましからざる人物」としか言えなかったのである。

さらに白系ロシア人はソ連に敵意を抱いており、杉原に協力して価格交渉に勝たせれば、一泡食わせることができる。それゆえに、積極的に情報を入手し、杉原に提供しようとする協力者もいたのだろう。

こうした形でソ連の機密情報を掴み、それを交渉に活かしたのは、まさに一流の諜報外交官の手腕であった。

「睡眠の質」ってなあに?質を高める方法はあるの?

最新の『生活時間調査』(NHK放送文化研究所、平成28年2月)によると、日本人の平均睡眠時間は、平日で7時間15分。

1995年以降、睡眠時間(平日)が短縮されてきた傾向が止まったようです。

24時間営業のお店、24時間テレビ、24時間サービスなど、大都会は今や「眠らない街」。

これを受けて、就寝時間が遅くなったり、睡眠時間が短くなったりする傾向が進んできました。

脳の疲労回復や肉体の損傷修復、成長ホルモンの分泌、さらに最近では記憶の整理・整頓など、健康にとって睡眠の重要性はますます高まっています。

睡眠時間の調整は睡眠「量」に関することですが、同時に「睡眠の質」を高めることも奨励されています。

睡眠障害

睡眠は健康や長寿にとって大切な生活習慣です。

しかし、日本人の5人に1人が不眠に悩み、3人に1人が睡眠障害を抱えていると言われています。

睡眠障害には「不眠」と「過眠」があります。どちらも睡眠の質は悪い例です。

4つの不眠タイプ

・入眠傷害:不眠の中で最も多く、寝つきが悪い、なかなか眠れないタイプ
・中途覚醒:夜中に何度も目が覚めて、すぐに寝付けないタイプ
・早朝覚醒:必要以上に早く目覚めて、それから眠れなくなるタイプ
・熟眠障害:眠りが浅く、熟睡できないタイプ

過眠

寝不足の「不眠」と反対に、寝すぎも「過眠」と呼ばれ、質の悪い睡眠に当たります。

高じて過眠症になると、夜眠っているのに日中に強い眠気が生じて、起きているのが困難になります。

かくれ不眠:寝不足と不眠症との中間状態

最近になって注目されてきた「かくれ不眠」もまた、睡眠の質が悪い状態です。

「かくれ不眠」とは慢性的な不眠ではなく、睡眠に悩みや不満を抱え、日常生活に影響があり、しかも、睡眠の重要性について認識が低い状態を指します。

特定非営利活動法人(NPO法人)日本ブレインヘルス協会に属する「睡眠改善委員会」による造語です。

かくれ不眠は単なる寝不足と不眠症との中間状態ともいえます。

「快眠」のメカニズム

入眠すると、まず眠りは深くなり、もっとも深い睡眠段階4までいくと、今度は徐々に睡眠が浅くなり、睡眠段階2まで戻ってきます。

これを「ノンレム睡眠」と呼びます。脳が眠っている「深い眠り」です。

そして次に「レム睡眠:REM(急速眼球運動)」と言って、脳は起きている浅い睡眠になります。

この一連のセットを「睡眠周期」と言い、1周期平均90分で、たとえば7時間睡眠する場合、一晩に約4~5回、この睡眠周期が繰り返されます。

朝、すっきり目覚め、昼間は必要以上に眠くならず、夜になると自然に眠くなって熟睡するという質の良い睡眠には、睡眠周期の充足が基盤となってきます。

そして、これに関与する「体内時計」、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の作用、ひいては太陽の光を浴びたり、一定の時間に起き、朝食を食べるなどの「生活習慣」の果たす役割に、「睡眠の質向上のキーファクター」として最近では注目が集まっています。

厚生労働省健康局「国民健康・栄養調査報告」によると、平成24年に20歳以上で睡眠に不満を持つ人の割合は14.9%でした。

睡眠による休養が「あまりとれていない」または「まったくとれていない」と、睡眠に何らかの不満や問題を感じている人の割合です。

特に40歳台では約5人に1人が睡眠に不満を持っていました。忙しい勤労世代の睡眠の質がよくないことが伺えます。

睡眠の質を良くするには、「眠り方」ももちろん大事ですが、働き方や生活の仕方、ひいては生き方も併せて考える必要があるといえるでしょう。

執筆者:井上 愛子(看護師)
監修医:坂本 忍

 

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なぜだ?1カ月ご飯をよく噛んで食べるだけで人間関係が良くなる理由

いくつになっても、人間関係の悩みって尽きないですよね。無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』の著者・音多秀茂さんは「相手を変えるにはまず自分が変わること」が必要で、そのためにまず見直すべきは「自分の食事のとり方」だと意外なことをおっしゃっています。一体どういうことなのでしょうか…?

本当に良い人の特徴とは?

人間関係の悩みを解決する為に良く聞くのが「相手を変えるにはまず自分から変わる」といった「主体変容」の考え方です。でも、そう言われても早々に自分を変えられる人もいませんよね。何故なら「自分が変わる!」といくら決断した所で、数分後には忘れてしまうから。いや、ホントです。私もそうですから。なのでこうした教えには、セットで「何を、どうやって、いつやるか?」といったステップや仕組み化が必要となります。

あなたは人間関係を良くする為に、自分を変える、もしくは最適な状態に保つ仕組みを何かお持ちですか?というわけで今回は、私が現在続けている、今すぐ始められ、しかも一生使える効果的な方法をお伝えしたいと思います§^。^§。

本当に自分を大事にしているか

私が初対面の相手がどんな人なのか、を中身から判断する際の材料は、服装や姿勢など様々ありますが、中でも最近一番気になるのがその人が「本当に自分を大事にしているか」ということ。

特に注目するのはその「食べ方」で、これ、別にマナーとか所作が綺麗とかはどうでもいいんですが(ま、良いに越したことはありませんが)、見ているのは食べ物の扱い方と口に入れてから飲み込むまでの動きです。

「音多さん、そんなにジロジロ見ないで下さい…」

いやいや、別にまじまじ見るんじゃありません(笑)。そしてこれで人の良し悪しを判断しているわけでもありません。なんとなく見て「あ、そういう人か」とその人の一部を捉えるわけです。そして今日のテーマ「主体変容」で肝となるのが、後者の、「口に入れてから飲み込む迄の動き」なんですね。

ここで口に入れた食べ物を

・しっかり咀嚼し
・味わい
・後工程となる胃へ優しく送り出す

ということが出来ている人を見ると「あ、この人自分を大切にしているな~」と思います。何故なら逆にろくに噛まず、味わうこと無く、機械的に胃にドカドカ食べ物を流し込む人は、少なくとも自分の身体との関係が出来ていない、と考えるから。

なので、頑張っているけど人間関係が良くならない、上手く出来ない、他人に迷惑をかけてしまうという方は手始めとして、食事の際に上記したように食べ物を飲み込むことを心がけて下さい。目的は「自分に優しくすること」です。

健康も人間関係も、その健全さの全てを築くのはまず自分から。そして自分とはその肉体です。他人に迷惑をかけない人間になるには、まず自分に迷惑をかけない人間になることが一番です。だからまずは、自分の身体と良い関係を築くことが先決で、それが出来れば自然と他人も大事にできる自分に変われるはずなんですね。

これは1日3回毎日実践出来ますから、始めに挙げた課題の仕組み化はクリアできますね。こうした意識を1ヶ月でも続けてみて下さい。すると何も意識せずに過ごした場合と比較して、驚くほどの主体変容が達成されるはずです。

image by: Shutterstock

 

元旅行誌編集長が明かす、「現地取材していない記事」の見分け方

先日掲載した記事で「出版不況で旅行雑誌の紹介記事の質が落ちている」という現状を暴露した、元旅行雑誌編集長の飯塚玲児さん。最近の雑誌は、現地へ取材に行くことなく書いた記事も多いとか。飯塚さんは、自身のメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』で、本当に現地へ取材にいったかどうかがわかるを。信頼できる旅行雑誌を選ぶ基準にすることができますよ。

旅行雑誌のウラ読み術(2)

前号の続きである。 前号では、旅行雑誌業界の取材の現況について書いた。

売れない訳だ。大手旅行誌の元編集長が暴露する出版不況「負の連鎖」

出版不況が、紹介記事の質を落としているということを紹介した。今号は、そうした旅行雑誌の記事の中で、正しい情報を読み解くには、どういったこと、どういった表現に気をつければいいか、を解説しよう。

温泉の紹介記事は、一般的には写真と文章で成り立っている。

僕はカメラマンでもあるのだが、まずは、本業である文章について書く。

旅行雑誌の文章表現には、ある「宿命」というものが存在する。

それは難解な言葉を使えないということだ。

読んで楽しく、平易な文章を求められる旅行雑誌では、論文のような漢字ばかりの難しい記事は読んですらもらえない。 すると、どうしても語彙が限られてくる。 つまり、表現が似てくるのである。

たとえば料理を紹介する表現の常套句は、「四季折々の料理」「季節ごとの食材を盛り込んだ」「温かいものは温かく、冷たいものは冷たいままで」などがお馴染みである。

こうした表現ばかりが連続している記事というのは、取材が甘い、あるいは現地に足を運んでいないということが考えられる。

つまり、詳しく書くことがないから、曖昧な言葉で逃げを打っているのだ。

また、詳しく紹介すること、書くことがないということは、それだけその宿や施設ならではの魅力が乏しい、ということにもなる。

こういう記事で紹介されている宿や施設には注意が必要である。

同じような内容の料理でも「春はウルイや山ウドなどの山菜、夏は鮎、秋は松茸、冬はシシ鍋など」というふうに具体的なことが書かれていれば、1行プラスくらいの文章量でも明確な魅力を伝えることができる。

さらに「春のサヨリ、夏の岩ガキ、秋から冬のカサゴなど、旬の食材に“走り”と“名残”を盛り込んで、料理からも季節を楽しませてくれる」なんていう書き方になれば、ぐっと高級感も増しておいしそうな雰囲気になってくる。 こういう表現はキチンと取材をしていないと書くことが難しい。

僕自身は、料理に関して“おいしい”という言葉を使わないように心掛けている。 味の好みは個人的なもので、千差万別だからだ。

それに、自分がおいしいと思ったことを表現するのに、ただ「おいしい」と書いたのでは、プロのライターの名が廃るというもの。

それよりは、どんな食材をどういう風に調理してあって、舌触りや歯応えはどうなのかを書いた方が、読者にとってはずっと味のイメージをしやすい。こういうことを書くためには、やはり実際に味わわないといけない。

逆に言えば、そうした味わった人間にしかわからない表現で書かれている記事は信頼に足るといってもいいだろう。

巌流島に行かず武蔵を作り吉良邸から泉岳寺を歩かず忠臣蔵を語る三流

「百聞は一見に如かず」という言葉がありますが、ビジネスの場においても「実際に足を運ぶ」ことが大きいと言うのは無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さん。巌流島や忠臣蔵を巡るエピソードを交えながらわかりやすく解説してくださっています。

まず行く行動力

私の生まれ育った場所は、福岡県北九州市の門司港という場所で、山口県下関市と関門海峡を挟んだ場所にある、九州の玄関口とも言える場所です。

この関門海峡には、多くの日本人がよく知る、とても有名な歴史的な場所があります。それは、「巌流島」です。宮本武蔵と佐々木小次郎という2人の剣豪が決闘した場所として有名ですよね。

この武蔵と小次郎の巌流島での対決、何度もテレビドラマや漫画などで題材として取り上げられていますので、私も地元愛から気になってよく見るのですが、大抵は首を傾げる羽目になります。「この作者巌流島に来たことないだろ?」と思ってしまうのです。

というのは、巌流島というのは幅の狭い関門海峡の中にある島なのですが、大抵のドラマや漫画などでは、八丈島あたりの離島のような島なのです。

狭い海峡の中にあるから、巌流島はどんな位置からどんな角度で見ても必ず対岸の陸地が近くに見えるのですが、ドラマや漫画などでは、なぜか水平線が広がっていて遠くのほうから遅れてきた武蔵が小舟でやってきます。

すごく遠くから小舟を漕いでいて、夜明けと共に朝日の中から小さな島が見えてくる、みたいな演出をしている作品が多くて、恐らく朝鮮半島から竹島とかに向かってるんじゃないか、という感じがするんですね。

NHK大河ドラマで「武蔵 MUSASHI」が放送された時、さすがに時代考証に厳しいNHKは大丈夫だろう、と思って巌流島のシーンを楽しみにしてましたが、熊本県の天草あたりの砂浜でロケをしているから、やっぱり海岸線が広がっていて全く違ってました。

もちろん「そっちのほうが画になるから」という演出家のセンスもあるのでしょうが、小倉藩との絡みなど歴史的な背景も考えたら、そんな離島は意味ないでしょ……、と思うわけです。行ってみれば、間違いなくそれがわかるのにな……、と思ってしまいます。

恐らく武蔵関連の作品の制作者は、過去の武蔵関連の作品のイメージを引きずっていて、現地に行っていないか、行っても軽視しているか、ということなのでしょう。