イスラエル閣僚「核使用も選択肢」発言の衝撃。ガザ攻撃の“一線超え”が招くアラブ諸国の一斉蜂起

イスラエル閣僚の「核使用も選択肢」発言に世界中から批判の声があがる中、連日パレスチナのガザ地区からの衝撃的な映像が報道されています。罪のない無辜の市民が犠牲となる惨状に世界の人々が心を痛めていますが、この地に、そして世界の紛争地に安息が訪れる日は来るのでしょうか。今回のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』では元国連紛争調停官の島田さんが、ガザ危機における「調停・仲介の担い手が見つからなくなったという異常な状況」を解説。さらにイスラエルによるガザへの本格的な地上侵攻が行われた場合、世界はどのような状況に陥りうるのかについて考察しています。

第3次世界大戦は不可避か。イスラエルとハマスが火をつけた終わりなき戦争の導火線

【平和とはどのような状態なのか】

25年にわたって様々な立場から紛争の調停に携わってきた身として、いつも問いかけ、尋ねられる質問です。

私なりの解釈は【平和とは紛争がないということではなく、武力によらない手段で紛争を処理すること】です。

元ネタはロナルド・レーガン米大統領の考え方なのですが、様々な紛争を生で見て、実際に関わってくる中で、私自身、もっともしっくりと来て、かつとても大事にしている考え方です。

同様のことを、私は故 緒方貞子国連難民高等弁務官からも問われ、言われました。

「戦争は残念ながら人間が生きている限り、決してなくなることはない。それは私たち人間にはエゴがあり、もっともっとという欲が存在するから。私たちにできるのは、戦争が起きる状況をいかに作らないか、どうしても起きてしまった場合に、いかにして被害を最小限にするかだと考えるの。島田さんのお仕事はそのためにあるのではないでしょうか?」

今でも何度も思い起こしているとても大切にしているモットーであり、教えであり、指針です。

私たちがここ2年ほどで眺めている世界は、武力によって相手の望みを打ち砕き、武力によって自らのエゴを実現しようとする“他人から奪う”メンタリティーに溢れています。

そして「どちらが正しく、どちらが間違っているか」をハッキリさせようとする二分論の世界です。これは相手の考えやニーズ、懸念を全く考慮することなく、自身の面子を守り、重大なミスを覆い隠すために、相手を攻撃することで、自らの立場を正当化する、大変卑怯な手法です。

ミャンマー国軍による民主派勢力の駆逐もそうですし、ロシアによるウクライナ侵攻も同様の側面を持つことは否定できません。

そして今、イスラエルとハマスの間で激化する戦いも同様です。

イスラエルがパレスチナに行ってきた“こと”についてはあえてここで詳説する気はありませんが、70年以上にわたり“ユダヤ人の国をついに建設する”ために、先住者の権利を力によって奪い取り、その後、その人たちの権利や存在を常に脅かしてきました。

そして56年もの間、ガザ地区にパレスチナ人を文字通り“屋根のない監獄に”閉じ込め、人質に取り、物理的・心理的に抑圧を加えてきました。

今回のハマスによる一斉攻撃を受け、イスラエル政府は報復措置に出ますが、その内容は一般市民のライフラインを奪い、病院や学校などのセーフゾーンを襲い、罪なき人々を容赦なく殺害するという、“自衛権の発動”では説明できない、国際人道法の観点からも明確に常軌を逸脱している内容になっています。

歴史的にプロ・イスラエルの欧州各国も、自らが唱え、他国に押し付け続けていた人権重視・擁護の観点から、今回ばかりはもろ手を挙げてイスラエル支持とはいかない状況に陥っています。

ここまでの書きぶりからは、私は強いアンチ・イスラエルのようにお感じになるかと思いますが、私はハマスが選択した手法も手段も全く支持できません。

この記事の著者・島田久仁彦さんのメルマガ

汚職撲滅という「反腐敗」を利用。習近平が“徹底的な破壊”を呼びかける「壁」とは

習近平政権が強力に推し進める反腐敗運動。現在は金融業界への汚職取締が強化されていますが、彼らの真の狙いは別のところにあるようです。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、著者で多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんが、習政権が反腐敗を利用し徹底的な破壊に取り組んでいる「壁」の存在を紹介。中国で進む「表と裏からの大手術」を解説しています。

うっすらと見えてきた経済債権の道筋。「反腐敗」利用で習近平が目指すその先

汚職撲滅は習近平政権が掲げた「一丁目一番地」の政策だが、この看板はいまだ健在だ。

シンガポールのテレビCNAは10月17日の『アジアン・ニュース』のなかで「中国は金融業界への汚職取り締まりを強化しています」として、当局が元中国銀行会長の劉連舸を収賄と違法な融資の容疑で逮捕したことを伝えた。

実際、こうした動きは挙げればきりがない。11月4日、『中国新聞ネット』は「3人の『内鬼』、検査される」と、規律検査委員会の組織内部に腐敗が広がっていたことを報じた。この前日には、「王桂芝 長期にわたり『二面派(表と裏の顔を使い分ける)』を続けてきた」というタイトルで、やはり「内鬼」問題に焦点を当てた。

共通しているのは、いずれも国有企業、とくに銀行などとの間を行ったり来たりした経歴のある人物という点だ。

4日には元中国工商銀行副行長の張紅力が規律検査の対象になったことも報じられた。まさに、CNAが指摘したように、中国は「金融業界への汚職取り締まりを強化している」のである。

当局がいま金融業界をターゲットに取り締まりを強化しているのは、単純な「反腐敗」キャンペーンのためではない。背景には金融行政に対する党中央の不満がある。これは「中央の意図が正しく反映できる体制ではない」、もっとわかりやすく言えば途中で大穴が開いていて、水(資金)が末端に届く前にほとんどなくなってしまうことを問題視していると考えられているのだ。

10月30日から二日間の日程で開催された中央金融工作会議(以下、会議)は、その習指導部の不満が如実に表れた会議だった。内容を伝えたメディアは、「(金融業界への)党の指導を強化し、地方債務リスクを抑制する取り組みを加速させる」と一斉に報じた。

ただ、会議の目的は言うまでもなく「国内の金融発展と次のステージへの改革の方向性を示す」ことだった。問題の摘出よりも、「先進的な金融国家を構築するため」の方策が話し合われた。

経済大国を築くためには「金融大国を築かなければならない」という党の危機感を背景に、「今後の国の競争力を支え、経済社会の発展に質の高いサービスを提供するために『テクノロジー金融』、『グリーン金融』、『包摂金融(インクルーシブ・ファイナンス)』、『シルバー金融』、『デジタル金融』の五つを重視する方向が示されたのだ。

金融監督管理の強化や金融体制の整備、金融サービスの最適化に加え金融リスクの解決という四つのポイントも指摘された。

四つのポイントにおける注目点は、「債務リスク」だ。リスクが「地域間、市場間、国境を越えて拡大することを防止」する必要性が強調され、そのためには「地方の債務リスクを防止する長期的なメカニズムの構築」を図らなければならないと指摘された。

この記事の著者・富坂聰さんのメルマガ

ぼったくり男爵の本領発揮。IOCが28年ロス五輪“肥大化”で得る巨万の富

2028年、3度目の開催となるロサンゼルスオリンピック。先日行われたIOC総会で同五輪の追加競技が決定しましたが、その裏では激しい綱引きがあったようです。今回のメルマガ『ジャーナリスト伊東 森の新しい社会をデザインするニュースレター(有料版)』では著者の伊東さんが、クリケットが採用された裏事情を解説。併せて「ぼったくり男爵」ことIOCバッハ会長の誰一人として止めることのできない独裁ぶりを紹介しています。

プロフィール伊東 森いとうしん
ジャーナリスト。物書き歴11年。精神疾患歴23年。「新しい社会をデザインする」をテーマに情報発信。1984年1月28日生まれ。幼少期を福岡県三潴郡大木町で過ごす。小学校時代から、福岡県大川市に居住。高校時代から、福岡市へ転居。高校時代から、うつ病を発症。うつ病のなか、高校、予備校を経て東洋大学社会学部社会学科へ2006年に入学。2010年卒業。その後、病気療養をしつつ、様々なWEB記事を執筆。大学時代の専攻は、メディア学、スポーツ社会学。2021年より、ジャーナリストとして本格的に活動。

2028年ロス五輪、追加種目決定 金権体質、再び 「ぼったくり男爵」、インドにすり寄り 任期延長も視野に

IOC(国際オリンピック委員会)は16日、インドのムンバイで総会を開き、2028年に米ロサンゼルス五輪の追加競技として、大会組織委員会から提案されていた、野球・ソフトボール、フラッグフットボール、クリケット、ラクロス、スカッシュの5競技を一括承認した。

2021年東京大会で日本がともに金メダルを獲得した野球とソフトボールは、2大会ぶりに復帰したものの、しかし人口規模で中国を抜き世界第一位となったインド市場を狙い、クリケットを強く推したことで、IOCの“金権体質”が再び、露わとなった。

IOCのトーマス・バッハ会長は、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のフラッカ会長が、メジャーリーグのトップ選手の参加にも合意しているとした(*1)。

クリケットはインドなど英連邦諸国で人気を博し、五輪では128年ぶりの実施。北米発祥のラクロスは、120年ぶりの復帰となる(*2)。

アメリカで熱狂的な人気を誇るアメリカンフットボールから接触プレーをなくしたフラッグフットボール、そしてスカッシュは五輪では初めての実施。

なお、これら新しく追加される団体競技は、いずれも男女各6チームでの実施が予定されている。

一方、IOCによると、これら追加競技を実施すると、夏季五輪の上限となる選手1万5,000人の総枠を超えるという。追加競技は、742人の枠があり、そのため既存の競技の選手数の削減に踏み切り、人数の調整を行うという(*3)。

他方、追加候補に残っていたブレイキン(ブレイクダンス)や空手などは、組織委員会の提案から漏れた。

また、馬術を除外して障害物レースを採用することとなった近代五種と重量挙げはともに「保留」扱いとなっていたが、これまで通り実施することが決定。

IOCが承認した統括団体が存在しないボクシングも引き続き、「保留」扱いとなるが、選手保護の観点から、実施される見通し(*4)。

目次

  • 追加種目
  • 金権体質、再び
  • 「ぼったくり男爵」、インドにすり寄り 任期延長も視野に

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

福原愛「逮捕」秒読みか?長男連れ去り「捜査一課出動」報道で“泣き虫”愛ちゃんに最悪20年以下の懲役も

かつての「泣き虫愛ちゃん」が大ピンチに立たされているようだ。元卓球日本代表で2012年ロンドンオリンピック銀メダリストの福原愛が、元夫で台湾国籍の江宏傑に刑事告訴されたと文春オンライが報じている。2016年に結婚した江との間に2人の子どもを授かった福原。しかし江との離婚が成立した翌年の2022年7月からこれまで、福原は家裁の決定を無視して長男を連れ去っているとされ、捜査一課が出動し最悪の場合「逮捕」もありうる状態だと伝えられている。

国民的人気を誇っていた元天才卓球少女に、いったい何が起きているのだろうか。

W不倫の末の泥沼親権争い

2016年、同じく卓球選手で2016年リオデジャネイロオリンピックに台湾代表として出場した江と国際結婚した福原だが、江からのモラハラ疑惑や自身の「W不倫」が報じられるに至り、2021年に離婚。翌年7月23日、台湾の空港で江から長男を面会交流のため引き渡された後、1週間ほどして福原は江との連絡を絶ったという。

文春オンラインの報道によれば、子供との面会交流の期間中の親同士は連絡を取り合い、子の状況を共有するという取り決めが離婚時に二人の間でかわされていたというが、福原はその取り決めを無視するどころか面会交流期間を過ぎた現在も長男の「連れ去り」を続けているという異常事態だ。

これに業を煮やした江は長男の引き渡しを求め日本の裁判所に審判の申し立てを行っていたが、去る7月20日にその訴えが認められ、裁判所が福原に対して子の引き渡しを命じた。1週間後に行われた記者会見で江が、涙ながらに「平和的な形で子供を返してほしい」と訴えた姿は記憶に新しい。

引き渡しを拒む福原をついに江が刑事告訴

しかし事はスムーズには運ばなかった。福原の弁護人は「江氏の記者会見は、子供を守る配慮に欠けていました」といった内容を含む声明を発表。福原は裁判所から保全命令が出されたにも関わらず、長男の引き渡しにも応じることはなかった。その不誠実とも取れる対応に江サイドは「刑事告訴」という手に打って出たのだ。これを受け、現在警視庁が捜査を進めているという。

仮に「逮捕」ということになれば、最悪で20年以下の懲役もありうるというこの事態を、当の福原はとう受け止めているのか。文春オンラインの記事を引く。

「(警視庁から)お問い合わせがありましたが、弁護士さんとお話し頂き、問題ないと聞いております」

こちらも一歩も引く気はないようだ。

問題解決を困難にしている「国際結婚」と「共同親権」

複数の記事によれば、今回の問題解決を複雑にしている理由に「共同親権」があるという。日本では認められていないが、「離婚後も両親が共同して子供の親権を持つ」という制度だ。台湾でも主流となっており、福原も離婚に際してこの取り決めを選ばざるを得なかったのだろうとする専門家の声が紹介されている。

さらに国際結婚の場合、離婚後にどちらかの親が海外に子供を「連れ去る」という事態の発生が否めない。共同親権の場合はそうした状況を抑止できるというメリットが指摘されている。

我が国の場合は共同親権が認められていないのは前述のとおりだが、裁判所の司法統計データによれば、母親が親権を得るケースが約9割という。

福原人気の高い中国や台湾はどう反応したか

福原といえば、中国や台湾で抜群の人気を誇ったことでも知られる。彼らは今回の件にどう反応しているのだろうか。かつての生活拠点である台湾は騒然としているようだ。現地メディアでは「投獄されるのが怖いのか?」「福原愛さんに懲役20年の可能性も!」等、大々的に報じている。

中国でも日本発の仰天情報に敏感に反応。一時はニュース検索ランキングでトップとなる注目度で、SNSには「どうしてここまで地に落ちてしまったのか」と福原を非難する声と、「わが子の母親を訴えて牢屋に入れるというのは、男として好感が持てない」等と言った江への批判が交錯している状況だ。

かつては人気棋士もトラブルに

離婚や子供の連れ去りを巡るトラブルで逮捕された有名人といえば、人気棋士だった橋本崇載を思い出す向きも多いことだろう。しかし彼の場合は子供を“連れ去られた側”であり、逮捕理由も元妻とその父への殺人未遂容疑だった。橋本は現在も鑑定留置中の身だ。

テレビ業界関係者からは辛辣な声も

一連の報道に、福原が幼い頃からテレビで見てきた業界関係者はこう語る。

「彼女がこれまで重ねてきた努力は称賛されて然るべきものです。今回の騒動も双方の言い分が真っ向からぶつかり合っている状況で、警視庁の捜査の進展を見守るしかないのですが…、それよりも個人的に気になってしまったのは、幼少期からすべてを犠牲にして一つのことだけに“打ち込まされてきた”弊害です」

かつてSNS等で「イチャイチャぶり」を見せつけていたのが嘘のように思えてしまう離婚騒動に、今回の長男連れ去り。さらに最悪「逮捕」も視野に入ってきた福原の自宅インターホンを、刑事が「ピンポン」する日が来ないことを願うばかりだ。

沢尻エリカ4年振り復帰、共演者から透けて見えた小栗旬の“思惑”と松浦会長への「大きな貸し」

4年ぶりに芸能界へ復帰。あの沢尻エリカが舞台『欲望という名の電車』で復帰すると報じられました。芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんは、今回の芸能界復帰への感想を述べつつ、沢尻の復帰作をめぐるもろもろについて私見を述べています。

沢尻エリカ、“復帰する資格”を得た?4年ぶり芸能活動へ

沢尻エリカ、約4年ぶりの芸能界復帰作は鄭義信版『欲望という名の電車』!

ジェシカ・タンディ、ビビアン・リー、杉村春子、浅丘ルリ子、岸田今日子、栗原小巻、大竹しのぶ…芸能史に名前を残す大女優たちの仲間入りを果たすつもりでしょうか…。

個人的に、ブランチ役を沢尻が演じることに軽い憤りも感じてしまいます。

大女優たちでさえ、肉体的にも精神的にもブランチ役はそう簡単に務まる役ではないと思っている私は、木村拓哉ではありませんが「チョ、チョイ待てよ」まだ早すぎるんじゃないの?と感じます。

夫との夫婦生活、夫の死後、街を出て行くまでのブランチ…大地主の娘が次第に精神に支障をきたす生き様を描いた名作を、上辺だけ…話題集めだけで演じて欲しくないからです。

少し前、私は『日刊ゲンダイ』紙上に、沢尻が“執行猶予期間も終わり、女優復帰も近い”という記事を書きました。

『ヘルタースケルター』『人間失格 太宰治と3人の女たち』の蜷川実花の力を借りて…とも。

すると沢尻が所属する『エイベックス・マネジメント』は「女優復帰なんて絶対無い! 勝手な事を書くな!」と猛然と抗議してきたのです。

沢尻の芸能界復帰については、彼女が同社松浦勝人会長のYouTubeに何の前触れもなく登場したことで明らかに世間一般の反応を確かめているのは見え見えでした。

初公判で職業を問われた彼女が「無職です」と答え「女優への復帰は考えていません。多くの方を裏切り、傷つけてしまいました。復帰する資格はないです」と証言したのは何だったのでしょうね。

華やかなスポットライトを1度でも浴びた人間は、その快感を忘れられないと言いますが、まさにそういうことなのでしょう、芸能界からの引退なんて全く考えていなかったとしか想像できません。

独立派の民主党に代わって「親中派の総統」誕生なるか?台湾で支持を伸ばす“第3の勢力”とは

来年1月におこなわれる、日本のお隣「台湾」の総統選挙に世界の注目が集まっています。現在の総統である蔡英文氏が所属する民主党でも、また中国寄りの国民党でもない、第3の勢力が支持を伸ばしているようです。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、英国の「エコノミスト」誌の記事を引用しながら、現実味を帯びてきた「親中の総統誕生」の可能性について解説。世界一の親日「台湾」の行末を占っています。

台湾総統が親中派になる時

中国とどう付き合うかは多くの国にとって切実な問題です。

とくに台湾にとっては死活問題となります。そして来年1月に台湾総統選挙が行われます。

現在は独立派、民主進歩党の総統ですが、もし親中国の国民党の候補が勝てば、世界に衝撃が走るでしょう。 とても重要な選挙です、そこに第3の政党勢力が現れました。それについての英誌エコノミストの記事です。

記事

台湾は若い民主国家であり、直接の大統領選挙は1996年から行われている。

選挙は毎回、2つの主要政党によって争われている。

一方は中国との統一を望む国民党(KMT)、もう一方は独立を支持する民主進歩党(DPP)である。

しかし2023年1月に予定されている選挙に先立ち第3勢力が台頭している。

台湾民衆党(TPP)である。創設者であるコー氏は20~25%の支持率を獲得し、国民党の候補者と肩を並べている。

解説

台湾民衆党(TPP)の創設者である柯文哲(コー・ウェンチョー)氏の主張は国民党と民主進歩党の間です。しかし、どちらかといえば親中国よりなのです。

記事

コー氏は「台湾の政治が30年間にわたり無意味な統一と独立の論争に取り込まれてきた」と主張する。

アメリカは統一を許可せず、中国は独立を許可しないと考えているため、「若者、特に知識人は、解決できないことについて多くの時間を費やすのに疲れています」とも述べている。

そして自身の台湾民衆党の主張を「実用的な」代替案として位置づけている。

彼の台湾民衆党の中国に関する立場は国民党に近い。そして民主進歩党が中国共産党と直接対話できないことを批判している。

解説

台湾の人は、中国を恐れてもいますが、しかし今の政権のように対話がないのは問題だと考えています。

それで、台湾民衆党と国民党が候補者で一致できれば、来年1月の選挙で勝てるかもしれません。

11月24日が候補者選びの最終日です。統一候補がだせれば、台湾に親中国政権ができることが現実味を帯びます。

来年1月の選挙で台湾に親中国政権ができれば、世界に大きな衝撃を与えるでしょう。

参考
https://www.economist.com/asia/2023/10/26/taiwans-opposition-parties-are-struggling-to-unite

社会の分断化を推し進める「バランスを欠いた報道」を見極めるために

メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』 では、在米14年の経験と起業家としての視線から、世界で起きているさまざまなニュースを多角的な視点で分析。そして各種マスコミによる「印象操作」に惑わされないためのポイントを解説しています。10月中であれば、10月配信分のメルマガ全てが「初月無料」でお読みいただけます。この機会にぜひご登録ください。

月額:¥330(税込)/月
発行日:毎週 日曜日(年末年始を除く)
形式:PC・携帯向け/テキスト・HTML形式

この記事の著者・大澤裕さんのメルマガ

image by: O.O / Shutterstock.com

「この人しかできない」を街の中心で。参加者の“価値観を壊す”アート表現のこと

10月27日から3日間、「超福祉の学校@SHIBUYA~障害の有無を超えて、共に学び、創るフォーラム」が渋谷ヒカリエを主会場に開催され、インターネットでも配信されました。メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』著者で、生きづらさを抱える人たちの支援に取り組む引地達也さんは、今年3つのシンポジウムを視聴したとのことで、今後、数回にわたり、各シンポジウムで語られたことや新たな気づきについて報告を予定。今回は、重度知的障がい者の行動を「表現」と捉え、価値観を壊す「アート」として発信する浜松市のNPO法人の活動を紹介し、「共に生きる」ことについて考えています。

「共に学ぶ」の先の「生きる」に価値観崩すアートの破壊力(上)

「障害の有無を超えて、共に学び、創るフォーラム」超福祉の学校(主催・NPO法人ピープルデザイン研究所、共催・文部科学省、渋谷区、東京都教育委員会)が10月27-29日、渋谷区のヒカリエを会場としてインターネット配信で開催された。

2018年度から同法人と文科省共催で始まったイベントは、2021年から発信地域として渋谷区、2022年には文科省が事業委託する「共生社会コンファレンス」の一環として東京都教育委員会が加わった。

私自身、第1回目から参加し、ここから「新しい福祉」「新しい取り組み」をキーワードにした多くの出会いがあり、その出会いは「障がい者への学び」の提供に活力を与え、具体的な協働を継続しているものもある。

それは私だけではなく、参加した人どの人にも起こる変化、化学反応であり、常に新しさを追究してきたイベントだからこそ、期待感は大きい。

今年もシンポジウムのタイトルには新しい切り口が並ぶ。今年、私は「『共に学ぶ』の先にある『共に生きる』を考える」「Z世代とつくるインクルーシブな場」「大学生発!みんなのマナビ、私のマナビ」を視聴した。この報告を本コラムで数回にわたりお伝えしたい。

「『共に学ぶ』の先にある『共に生きる』を考える」のテーマは、障がい者の学びを「真剣に」考える際に行き当たる根源的なテーマである。「学ぶ」とは何か、学ぶとは誰に向けられたものなのか、誰が何のために、何を目的にするのか─。

障がい者の学びを実践するには、これらのテーマを検討することで、その意義づけが浮かび上がってくる。その中の主要テーマであるのが「共に生きる」である。

進行役の神戸大の津田英二教授は「共に生きることができていないから、『共に生きる』がテーマになる。共に学べていないから、『共に学ぶ』がテーマになる」と指摘し、ユネスコのハンブルク宣言「人間中心の開発と参加型の社会だけが、持続可能で公正な発展を導く」、障害者権利条約の24条「障害者を抱擁する、生涯学習を確保する」と小項目である「障害者が自由な社会に効果的に参加することを可能とすること」を紹介。

「共に生きる、学ぶを考える時にここに立ち返るのが必要」と説き、静岡県浜松市のNPO法人クリエイティブサポートレッツの活動を素材にして、すべての人が自由な社会に効果的に参加するのを学んでいこう」と呼びかけた。

同法人の代表、久保田翠さんは冒頭、自分たちを「アートのNPOだと思っている」と定義づけし、絵を描いたりではなく、社会の価値観を壊していく、疑っていくのが、役割、だとの認識を提示した。これは参加者の価値観をまさに壊したであろう。

自身の経験として「たまたま重度の知的障害の子を産みました。この誕生がレッツを立ち上げるきっかけになった」と話す。彼が袋などに石を入れて、それを叩くのが好きとのことで、これが学校では問題行動とされたという。

「(彼が)学校でできたことは一つもありません」と断言し、発語ができない彼にとって石を入れてたたき続けるのが彼しかできない「表現」だと説明した。

現在運営する福祉施設では、世の中では無駄にしか思えない行為を「彼しかできない」行為と位置づけ、同施設である「たけし文化センター」では「たたき続ける行為は守られる」と話した。この考えのもと、同法人で運営する3か所では福祉、文化センターが併設し「多様な人が集まってごちゃごちゃやろう」というのが狙い。

この場所を浜松の中心市街地に置くのも大きな意味があるという。通所する重度知的障害者には「作業はありません」。その市街地のど真ん中で「一日中好きなことをやる」ことが、基本的な考え方である「ありのままを認める存在を尊重する」ことであり、これをアート表現として「表現未満、」な存在、として発信している。

例えば、毎日水をかぶる行為をする青年、自分のルーティンをもくもくと行う人は壁にカレンダーを作る、床に絵を描く人、短冊のようなものを作り続ける人。これらはすべて「表現未満、」として当たり前に肯定される。それが街の真ん中にある、のである。

久保田さんは、「共に生きる」ことは「難しい」としつつも「その人を理解するからお互いに知り合う。まずは、彼の行為は何かを話す機会を設ける」から始まるとし、そのために同法人では配信や「玄関ライブ」「クラブ・アルス」のイベントを実施していると説明した。この機会を含めて「共にいるだけで学びになる」との経験を紹介した。

「タイムトラベルツアー」は有料で障がいのある人がひたすらそこにいる、ただただ彼らが寝ている、そんななまなましい姿を見るツアー。参加した偏差値の高い大学の学生7人は、障がい者を知らないところから100時間障がい者と過ごし、7人中4人が変わった、という。

親から期待された就職の選択から一回立ち止まって考えたとのことで、いったい何が彼、彼女を変えたのだろうか。(つづく)

この記事の著者・引地達也さんのメルマガ

image by: Shutterstock.com

「就活」は企業目線で考えろ。人気コンサルが勧める“アピール方法”は?

大学3年の早い時期から始めるのが一般的となった就活。入学時期がコロナ禍中だったいまの大学3年生にとっては、“ガクチカ”すなわち「学生時代に力を入れたこと」を見つけるのに苦労する人も少なくないようです。心配した母親からの相談を受けた『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で人気コンサルの永江さんは、企業側の立場で自分がどう貢献できるか考えることをアドバイス。業界や職種を絞って、その仕事につながる経験や勉強したことについて深掘りする必要があると伝えています。

大学生の就活で企業が重視する点とは

Question

shitumon

いま娘が大学3年生で、企業にエントリーシートを送ったりインターンシップに申し込んだりしているところです。エントリーシートでも面接でも必ず聞かれる「ガクチカ」つまり「学生時代に力を入れたこと」なのですが、とりたてて書くものがない、あるいは企業で評価されそうなことがないと思われる学生は、どうやって内定をもらっているのでしょうか。

コロナの最中で入学式すらなく1年目は完全オンライン、サークルにも入らず友人もほとんどできず。アグレッシブな子はその中でもキャンパスに行ってサークルや部活動など始めていたようですが、娘はそうでもないので、勉強と塾講師のバイト以外は、高校の友人とひたすら通信してスプラトゥーンをやっていたそうです。(ちなみにそちらはXP2500?とかで私はよく知りませんが相当強いらしいです)

ガクチカ=勉強です、といえるほど成績が良いわけでもなく、塾講師も優しくて生徒さんに人気はあったそうですが、力を入れていたかというほどでもなく。

自分を振り返ってみると、時代のおかげか「サークルで副会長をつとめ後輩のケアや多学年交流に力を入れてメンバーに喜ばれました」「英語力を高めるためにお金を貯めてアメリカに短期留学しました」など、それなりに評価されそうな話題があったのであまり参考にならないだろうなと思っています。

もちろん最後は本人が決めることであり、特にアドバイスを求められた訳でもなく、あくまでも私の疑問なのですが、永江さんのご意見を伺えれば幸いです。よろしくお願いいたします。

永江さんからの回答

これは企業の目線でどんな学生を採りたいかを考えて、自分の経験から、素質や適性・能力を見出して企業に伝えていくことが大事だと思います。ターゲット企業を絞っていくことも必要でしょう。

ほとんどの学生さんが勘違いしていますが、大前提として、企業は商売をしているので自社をどれだけ儲けさせられるかで人を採用しています。なので、学生は自分がその企業の収益向上にどれだけ貢献できる素質がある人材なのかをPRしなければなりません。

中途のきちんとした人なら「私は~~の能力と実績を持っているので御社にこういった利益貢献ができます」と話せますが、学生は商売が分からないのでそれが言えないんです。

この記事の著者・永江一石さんのメルマガ

ビジネス、勉強、人間関係…現役精神科医が教える「うまくいく自己暗示法」が意外と使える

めんどくさい気持ちが勝ってしまって取り掛かれない、やりはじめたけど集中できない……そんなときってありますよね。今回のメルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』では、著者で現役精神科医のゆうきゆう先生が、簡単な自己暗示をかければすぐにその問題は解決すると話します。しかも、苦手だなと感じる人ともそれで仲良くなれるとか……いったいどんなワザなのでしょうか?

苦手な相手でも、爆発的に親しくなれる!勉強でも使える自己暗示

こんにちは、ゆうきゆうです。

元気でお過ごしでしょうか?

さて皆さんは

「取り掛かろうとしても、なかなかスタートできない」
「いつまで経っても集中できない」

そう感じたことはありますか?

こんな状況で、非常に重要なテクニックを今回お教えします。

「好きな部分」で行動が変わる!

それこそが「面白い・好きな部分を意識すること」です。

これはほんの少し、たった一部でかまいません。

例えば勉強であれば、

「全然やる気が湧かない…」
「めんどくさいな…」

と感じてしまうことはあるでしょう。

例えばこれが英語の勉強なら、英語の好きな部分について考えてみるのです。

「英語で新しい単語を覚えるのは好きなんだよな…」
「Fの発音をするときだけ、少し楽しいんだよな…」

この程度でかまいません。

小さな喜びや楽しみ、面白味を意識的に思い出してみましょう。

またこれは、完全なる真実でなくても問題ありません。

「Fの発音って面白いんだよな」と、暗示として自分に言い聞かせるのでも良いのです。

すると「Fの発音だけでも、ちょっとやってみるか…」

と、一歩踏み出すきっかけができます。

そしてやってみれば、意外にも楽しい部分が出てくるはずです。

この暗示は勉強に限らず、どんな行動に対しても使えます。

例えば「ジョギングに毎日行こう!」と決めたのに、行きづらくなったとします。

「ジョギング中に聞く音楽は好き…」
「一歩踏み出すときだけ、少し嬉しいな…」
「風を感じるときは、ちょっと心地良いな」

という形で、たった一つでも面白い・ここが好きと思える点を挙げてみましょう。

そして「これだけの為ためにやってみるか」とダマしダマしで自分を動かしていきます。

そうすると本当に行動力が起きてくるのです。

運動経験ゼロのシングルマザーがボクシングで世界タイトル戦へいけた理由

運動経験のなかったシングルマザーが、ボクシング世界タイトルの舞台へ─。そんな、まるでフィクションのような話が実現しています。今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、女子プロボクサー葉月さなさんのインタビューを紹介しています。

ボクシング世界タイトルの舞台へ駆けあがったシングルマザーの感動実話

運動経験のなかったシングルマザーが、30歳でボクシングのプロデビュー。7年の苦闘を経て世界タイトルの舞台へ駆け上がった。

恵まれぬ家庭境遇、愛する家族との別れ、そして人生を変えたボクシングとの出逢い。どんな強敵にも臆することなくリングへ上がり続ける葉月さなさんが、我が子に、そして亡き弟に伝えたい思いとは──。

★女子プロボクサー、葉月さなさんの記事の詳細はこちら

─────────────────

(──スポーツ経験もなかった葉月さんが、なぜボクシングを。)

(葉月) 
最初は、勤めていた会社の上司がボクシング経験者だったので、そこの車庫を借りて、当時小学4年生だった息子と一緒に運動代わりにやっていたんです。

その頃、オリンピックで金メダルを取った村田諒太選手がプロボクシングに転向して、高額な契約金を得たという話がニュースになっていました。

それを見た息子が、「俺もオリンピックで金メダルを取って稼ぐよ」と言い出したので、本気でやるならジムを探してみようということになったんです。

そうした中で、地元福岡に黒木優子選手というユース世界チャンピオンがいることを知りました。

こんな身近な場所に、世界で活躍する女の子がいることにすごく勇気をもらって、もし自分も世界の舞台に立つことができたら、私をボクシングに導いてくれた弟も喜んでくれるんじゃないかと思ったんです。

(──弟さんがボクシングへ導いてくれた。)

(葉月) 
息子とボクシングを始めたのは、実は弟が自殺を図って病院へ収容されていた時期でした。じっとしていたらおかしくなりそうで、何でもいいから夢中で体を動かして、心のモヤモヤを払拭したかったんです。

弟は「どうせ俺なんか」といつも自分を卑下していました。でも、私はその弟がきっかけでボクシングに出逢った。そのボクシングで世界の舞台に上がり、拍手喝かっ采さいを浴びることができたら、弟にも価値が出るんじゃないか。そんな想像をしてしまったんです。

だから息子に、「あんたが金メダルを取るなら、私は……(『致知出版社の「人間力メルマガ」』2023年11月2日号より一部抜粋)

image by: Shutterstock.com