中国がオーストラリアに報復措置。米大統領選のさなかに輸入停止措置

中国がオーストラリアに大規模な報復措置をとった。中国政府が3日までに、「オーストラリア産の少なくとも7種類の商品の購入を停止するよう業者に指示した」とブルームバーグが報じている。両国の関係は、モリソン首相が今年4月、新型コロナウイルスの発生源をめぐって第三者による調査を要求したことをきっかけに急速に冷え込んでいた。

中国とオーストラリアで深まる対立

アメリカが大統領選挙を行っているさなか、中国がオーストラリアに対して経済面での報復を行った。「中国の業者が輸入できなくなるのは石炭と大麦、銅鉱石・精鉱、砂糖、木材、ワイン、ロブスターなど」だといい、今月6日から輸入停止になるという。

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中国による輸入停止をめぐっては、先月13日、中国政府が国有の発電所や鉄鋼メーカーに対し、オーストラリア産の石炭の輸入を停止するよう指示したと、オーストラリアのメディアが報じていた。

中国外務省は、「中国と互いに歩み寄り、相互尊重と平等、相互利益の原則を適切に堅持することを望む」と発言し、豪州側に注文を付けていた。

一方、オーストラリアのモリソン首相は、「関係当局と対応を協議中だ」としていたが、石炭以外の資源や商品も、今回輸入停止に加えられたことになる。

今後、中国とオーストラリアの間で対立がさらに深まる可能性が高く、緊張感が増すことは避けられなそうだ。

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Twitterの反応

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米大統領選挙、トランプ氏が「勝利宣言」。会見で「結果は圧倒的」

米大統領選挙、トランプ氏が「勝利宣言」会見

現地時間3日に行われたアメリカ大統領選挙。現職で共和党のドナルド・トランプ候補が日本時間16時20分過ぎに会見し、フロリダ州やテキサス州での圧勝を受けて「結果は圧倒的だ」とし、事実上の「勝利宣言」とも取れる声明を発表した。また、郵便投票などの集計が終わっていない残りの票については、「(勝利は確実なのだから)最高裁判所に残りの票の集計をやめさせる」といった趣旨の発言もあった。

選挙前は民主党のジョー・バイデン候補がリードしていると伝えられていたが、実際にはトランプ氏がフロリダ州、テキサス州などの激戦州での勝利が確定している。

トランプ大統領は自身のツイッターで日本時間の午後3時前、「私たちは大きく票をとったが、民主党はそれを盗もうとしている。私たちは決してそれをさせない。投票後に投票はできない」と投稿していた。

この10数分後、バイデン候補もツイッターに「私たちは現在の状況に満足しています。私たちはこの選挙に勝つために順調に進んでいると信じています」と投稿していた。

バイデン候補は同時刻に、上記のツイートと同様の勝利宣言とも敗北宣言とも取れない発言を米デラウェア州の集会でおこなっていた。

ただ、郵便投票の集計が遅れている州が複数あり、大統領選の勝者が明確になるのはさらに時間がかかるものと見られる。

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安倍さん劇的回復で改憲エレクチオンも?「3度目の首相の座」虎視眈々

自民党の安倍晋三前首相は1日、昭恵夫人とともに山口県長門市を訪れ、父・晋太郎元外相が眠る安倍家の墓参りをした。その後、引き続き地元である山口県内を精力的に回り、体調の回復ぶりをアピール。政治活動を徐々に再開し始めたようだ。

安倍前首相が積極的に政治活動を再開

安倍氏が地元入りしたのは、昨年夏以来で退陣後初めてとなる。安倍氏は「今、使っている薬がよく効いて、体調も非常に速いスピードで回復しています」と後援者たちに挨拶。今後は一議員として菅首相を支えながら地域振興にも尽くしていく考えを示した。

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また、安倍氏は先月、自身が会長を務めている保守系議員グループ「創生日本」の会合にも参加。首相在任期間にはできなかった靖国神社参拝も、辞任後は2度行っている。

安倍氏は悲願である憲法改正を在任中に実現できなかったことを心残りとし、「憲法論議こそ国会議員が自身の見識を示す機会」と主張。「野党は安倍政権の間は協力しないと言っていたが、菅政権では言い訳はもう通用しない」と述べた。

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こうした安倍氏の動きに対して、徐々に発言力を高めていこうとしているのではとの見方がある。出身派閥である細田派への復帰については明言を避けたが、来年中には戻るとの報道もあり、安倍氏の政治活動は今後活発化していきそうだ。

外国首脳との強いパイプを持つ安倍氏へ期待を寄せる声も一部の議員から上がっており、菅首相の今後の舵取り次第では、安倍氏の3度目の登板も現実味を帯びてくるかもしれない。

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しかし、安倍氏は1度ならず2度までも、体調不良を理由に政権を投げ出したことも事実。モリカケ問題やコロナ対応の不手際から、仮病を使って辞任したのではとの疑惑も囁かれている。

一方、首相としてのプレッシャーやストレスから解放され、体調が急激に回復したという見方もあり、政治家としての意欲が再び湧いてきたのかもしれない。

果たして安倍氏はこれからどこを目指していくのか。その動向が注目される。

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元国税が暴く竹中平蔵氏の住民税脱税疑惑「ほぼクロ」の決定的証拠

以前掲載の「元国税が暴くパソナの闇。持続化給付金の不正受給を防げぬ当然の理由」で、人材派遣会社の最大手「パソナ」の政官癒着体質を批判した元国税調査官で作家の大村大次郎さんですが、現在、同社の会長を務めている竹中平蔵氏にも数々の「疑惑」があるようです。大村さんは自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で今回、かつて国会で追求されるもいつの間にかうやむやとなってしまった、竹中氏の「住民税脱税疑惑」を改めて検証しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2020年11月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

 

パソナ会長・竹中平蔵氏の「住民税脱税」疑惑とは?

持続化給付金の不正問題が次々に明るみになっていますが、この持続化給付金は、そもそも欠陥だらけの制度だったのです。なにしろこの巨大な事業をサービスデザイン推進協議会という謎の団体に業務委託すること自体が不審なことであり、受給側だけじゃなく、支給する側自体が疑惑に満ちたものだったのです。

そしてこのメルマガの2020年10月1日号(「元国税が暴くパソナの闇。持続化給付金の不正受給を防げぬ当然の理由」でもお伝えしましたように、この持続化給付金の業務委託を実質的に請け負った主要企業の一角が、パソナという人材派遣企業でした。このパソナも疑惑だらけの企業であり、天下り官僚の巣窟のようなところでもありました。

このパソナで現在、会長をしているのは竹中平蔵氏です。竹中平蔵氏は、小泉内閣で総務大臣などを歴任し、経済政策を一手に引き受けてきた人物です。現在でも政府の諮問機関の委員などをしており、2000年代以降の日本の経済政策は、竹中氏の主導によって行われたともいっていいでしょう。そして、今の日本社会の閉塞感、少子高齢化の急加速などにおいて、竹中氏の責任は大きなものがあると思われます。

実は2000年代以降の日本経済は、決して悪くはありませんでした。小泉内閣の時代には、史上最長とされる好景気の期間もありましたし、トヨタなど史上最高収益を出す企業も多々ありました。経常収支の黒字も内部留保金も、2000年代以降、世界でも稀に見るほど積みあがってきているのです。

にもかかわらず、我々の生活はどんどん苦しくなり、少子高齢化は先進国最悪のペースで進み、自殺率も世界最悪レベルで高止まりしています。なぜかというと、企業が儲かっているのに、社員の給料を上げなかったからです。そして、大企業の賃下げを強力にバックアップしたのが竹中平蔵氏なのです。というより竹中平蔵氏は、大企業に賃下げを推奨さえしてきたのです。

そのため、日本は先進国の中で唯一、この20年間の賃金が減少しているのです。ほかの先進国はどこも、ITバブルの崩壊やリーマンショックを経験し、日本よりも企業業績の悪い国は多々ありますが、ちゃんと賃金は上がっているのです。

この賃下げ政策により、年収200万円以下の低所得者が激増し、若い人は結婚を諦めたり、出産を諦めたり、2人目の子供を諦めたりしなくてはならなくなったのです。

 

台湾の危機は日本の危機。「日台交流基本法」制定で中国に対抗せよ

尖閣諸島周辺での中国の活発な動きが止まりません。中国はさらに、「台湾に対する武力行使を放棄しない」と恫喝し、台湾への野心を顕にしています。こうした状況を非常に懸念するのは、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんです。黄さんは、日本と台湾が協力して対峙しなければ、共に中国に飲み込まれてしまうと、「日台交流基本法」の早期制定をはじめとした政治家の行動を求めています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2020年10月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【日台】日米同盟の強化にもつながる「日台交流基本法」の早期制定を

日台交流サミット、交流基本法制定を政府に提言=加賀で開催/台湾

10月26日、石川県加賀市で「日台交流サミット in 加賀」という日台友好促進の会が開催されました。この「日台交流サミット」というのは、日本と台湾の地方議員連盟の連携を含めることを趣旨として、2015年の石川県金沢市で開催されて以降、毎年、行われ、日台友好に関する宣言が採択されています。今年は6回目で、来年は兵庫県神戸市での開催が予定されています。

今年は新型コロナウイルスの影響により、台湾の議員は訪日できませんでしたが、それでも300人以上の日本の各地方議員や日台関係者が集まりました。サミット冒頭では台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)の謝長廷代表が挨拶し、また、台湾からは蔡英文総統、桃園市の鄭文燦市長、台南市の黄偉哲市長、高雄市の陳其邁市長からの祝電メッセージのほか、頼清徳副総統からのビデオメッセージが寄せられました。

昨年9月、富山市で行われた日台交流サミットでは、台湾のWHOや国際民間航空機関(ICAO)、アジア太平洋地域における経済連携協定(CPTPP)などの国際組織への参加支持を表明する「富山宣言」が打ち出されました。
謝長廷・駐日代表が「2019台日交流サミットin富山」に出席 – 台北駐日経済文化代表処

その数カ月後、中国発の新型コロナウイルスの猛威が世界を覆ったわけであり、この富山宣言はその危機を予見するかのようなタイムリーな宣言だったわけです。そして今年のサミットでは、外交・安全保障政策推進のため日本政府に「日台交流基本法」の早期制定を提言する「加賀宣言」が採択されました。

この「日台交流基本法」は、私が副会長を務める「李登輝友の会」が2019年3月に策定したものです。「李登輝友の会」は2013年にも、アメリカの「台湾関係法」にならって、「日台関係基本法」の制定を提言し、政界をはじめ各方面で法制定のための動きが見られましたが、実現には至りませんでした。

そこで、改めて「李登輝友の会」の渡辺利夫会長と林建良・常務理事の論考を参考に付して、7条からなる「日台交流基本法」を発表したのです。謝長廷代表も、日台の良好な関係を次世代に伝えていくための礎となると、日本側にこの法律制定を促したいと公言されてきました。
2019政策提言「『日台交流基本法』を早急に制定せよ」 | 提言 | 日本李登輝友の会 │ 新しい日台交流にあなたの力を!

【第10回】死後の世界って言うけど、全然違う人間として死ぬんじゃないかな。春日武彦✕穂村弘対談

「死後の世界」という言葉がありますが、皆さんはどんなものをイメージしていますか?天国はお花畑が広がるような幸せな世界で、地獄は血の池がグツグツしているイメージですか?往々にして私たちは、死後も生前からの連続性を持つと信じているところがありますが、本当は全く違うのかもしれません。今回は過去の作家たちの作品から死後の世界へとアプローチ。精神科医の春日武彦さんと歌人の穂村弘さんが語りつくします。

春日武彦✕穂村弘「俺たちはどう死ぬのか? 」

過去の連載一覧はこちら↓

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「自分」ではない自分として死ぬ恐怖

春日 小学生の頃、俺はよく朝礼で気持ち悪くなって倒れるタイプだったのね。スーッと意識がフェイドアウトしていって、気が付くと保健室で寝かされてるっていうようなことが散々あった。「死」もそんな感じじゃないかな、と思ってるんだよね。

フェイドアウトするように生から死に至るイメージ。その時、意識が戻れば生の続きがあるけど、戻らなければそれまで、みたいな感じ。だから正直なところ、本当は死後の世界もへったくれもないだろうと薄々思ってるんだ。

でも同時に、それじゃつまらんという気もしたりして。「死=無」って考えるのも、ちょっと怖い気もするしさ。

穂村 なんかリアルだね。夢の中では、現実とは異なるシチュエーションに置かれていても、それを「これは現実じゃないな」とは疑わないじゃない? 当たり前のこととして受け入れて、夢の中の現実を生きている。だから、死の直前に意識が混濁している時も、たぶんそうなんじゃないかな。つまり、生きている時のクリアな意識のままは死なない。何らかの夢なり妄念の中で死ぬだろう、って。

春日 つまり、もう「自分」じゃなくなっているわけね。

穂村 うん、この現実界での覚醒した自分との連続性はその前に失われていて、全然違う人間として死ぬんじゃないかな、って。でも、それってちょっと不安に思うじゃない? それまでの職業とか、家族とか友人とか、自分を形成してきたさまざまな属性がすべて無化されて、いわば「なかった」ことにされてしまうのは。

春日 今までの俺の頑張りは何だったんだ? とは思いそうだよね。死後も生前からの連続性を持つ、ということで言うと、あるのかないのか分からないだけにみんな気になるのか、けっこうたくさん書かれているのが「死後の世界」を描いたフィクションね。

例えば、前回取り上げた藤枝静男は「欣求浄土」(講談社文芸文庫『悲しいだけ・欣求浄土』収録)という連作を書いてて。そのうちの一編で、死んだ主人公が家族に会いにお墓に行くエピソードがあるんだけど、なんと墓の脇を自分でガバッと開けて中に入ってくんだよ。

穂村 死者が、物理的にお墓を開けて入って行っちゃうんだ(笑)。

春日 で、そこにはすでに故人となっている家族が待っていて、主人公は「戻って来たよ」とか言うんだけど、本人は角膜かなんかをすでにアイバンク的な所に提供してるんで、眼窩に脱脂綿かなんかが詰まってるんだよね。

穂村 そこはちゃんと現実からの地続きになってるのね。

春日 そうそう(笑)。そういった妙な律義さが藤枝静男の魅力のひとつでね。久しぶりに親と再会した主人公は「僕は悪い子だったよ」とか親父に謝ったりして、「いいんだいいんだ」みたいなやりとりがあって。それから、みんなでお祭りを見に行くんだけど、死んでいるから、みんな透明なんだよね。で、祭りを見て「ああ、面白かった」って、またお墓に帰っていくの。それだけの話なんだけど、死後の一家団欒の様子がなんだか妙に感動的でさ。

現実の中の特異点に「天国」を見る

春日 あとは変化球だと、アメリカのSF作家フィリップ・K・ディック(1928年〜82年)の短編「探検隊はおれたちだ」(ちくま文庫『フィリップ・K・ディック短篇集2 ウォー・ゲーム』収録)も面白いよ。火星に行っていた探検隊が地球に戻ってくるんだけど、みんな歓迎してくれるだろうと思っていたら、帰るなり銃向けられて殺されちゃうの(笑)。ひでえ! って思うんだけど、地球人の方は「やれやれ、またこいつらかよ」って反応で。

穂村 「また」?

春日 ネタバレになっちゃうけどさ、オチを言うと、火星に邪悪な異星人がいるらしくて、やってきた探検隊を殺して自分たちの思う通りにできる人間そっくりのクローンを作って、地球に送り込んでたんだよね。しかもクローン自身も、自分たちのことを元々の探検隊の人間だと信じ込んでいるのよ。それが延々と繰り返されています、って話なの。

穂村 ってことは、クローンの人たちは理不尽に思っているわけね。

春日 そうそう、「なんでみんな歓迎してくれないんだ?」って。

穂村 ちょっと気になったんだけどさ、死後の世界を描いた作品はたくさんあるっぽいけど、「死後はこうなりますよ」と、はっきりディテールまで描いているケースって少なくない? 作品上の「仕掛け」としてだけじゃなくて、どんな生活をしてるか、みたいな詳細にまで言及しているものはあまり読んだことがない。

春日 確かに、ふわっと描いているのがほとんどかもね。具体的に描こうとすると、丹波哲郎(1922〜2006年)みたいになる(笑)。彼は俳優以外に、心霊研究家の顔もあったんだよね。

穂村 自身の著作を映画化した『大霊界』シリーズね。誰もが想像する、一番ベタな形での天国と地獄が描かれていたよね。

春日 地獄なら、ラース・フォン・トリアーの映画『ハウス・ジャック・ビルト』(2019年)もいいよ。最後に主人公のシリアルキラーが死んで地獄に行くんだけど、そこが超リアルに実写で描かれたダンテの『地獄篇』そのまんまの世界なんだよね。馬鹿馬鹿しいもんを金かけて本気で撮る姿勢に好感を持ったよ。

穂村 地獄はケレン味のある描写とかもできるから楽しそうだけど、天国を描くのは作家的にどうなのかな?

春日 楽しく幸せで、くつろいだ状態のまま永遠の時間を過ごす——それだと、のっぺりとしすぎていて小説にするには難しそうだよね。書いてもあまり面白そうじゃないし。やっぱり直接書くとしたら、よっぽどの戦略を考えないとダメだと思う。素朴にそんなもの書いたら、陳腐なものになって馬鹿にされるに決まっているわけじゃん。あ、同じ天国でも、森敦(1912〜89年)の小説『浄土』(講談社学芸文庫)みたいなアプローチもあるけどね。

穂村 どんな風に描かれているの?

春日 直接天国を描いているわけじゃないのよ。朝鮮にいた時にお墓で踊ってる人たちがいて、「まあキレイ。浄土みたい」って一緒にいた女の子が言った、っていうそれだけの話でさ。

穂村 でも、そっちの方がイメージできるかもしれない。現実の中で、そういう特異点みたいなところに差し掛かった時に「天国」というイメージが喚起されると、それで自分の中の天国像が出来上がってしまうことって僕も覚えがあるよ。

竹富島に初めて行った時、大きな蝶がいっぱいいて、それが胸にばんばんぶつかってきてさ、何だかこの世の光景とは思えなかったんだよね。以来、自分の中の天国は「大きな蝶が胸にぶつかってくる場所」として定着してしまった。

人生における「クルマ」の効用。運転中の不便、実はメリット無限

時間に縛られず、他人との距離も気にする必要がないのはクルマ移動の長所です。一方で自分で運転する場合、移動中は運転以外のことがほとんど何もできないという短所もあります。そんな短所もひっくるめて「クルマ移動が好き」と語るのは、メルマガ『8人ばなし』著者の山崎勝義さん。言われてみれば納得の現代社会ならではの理由に加え、クルマに限らずバイク、自転車、ジョギングなどを人が気持ちいいと感じる理由についても見解を綴っています。

クルマ移動のこと

移動をする時、1000kmくらいまでは車で行く。勿論、スケジュール的に無理がないというのが大前提だが、体力的には結構な無理でも押して行く。要は運転することが好きなのであろう。とは言え、道程1000kmともなると高速道路でも半日コースである。周囲の者からは呆れられるか、感心する風を装いながら呆れられるかのどちらかである。少なくとも褒められることはまずない。

最終的には、好き嫌いの問題になるのだろうが、一応利便性の観点からもそれなりの主張はできる。まず1つ目の利点は、比較的時間が自由になるところである。出発時間や休憩時間などは任意に決められる。2つ目は、搬送能力の高さである。車だと乗り換えの度に大荷物に悩まされるということはない。3つ目は、出先が公共交通機関の発達していない地方都市でも移動に困らないことである。4つ目は、深夜割引や土日休日割引を上手く利用すればガソリン代を計算に入れてもそこそこ安くなるというところである。さらに同乗者の頭数が増えればそれだけ1人当たりの料金は安くなる。

一方、欠点はというと、とにかく時間がかかることである。それは移動距離が長くなればなるほど他の交通手段、例えば飛行機や新幹線と比べて顕著に差として表れる。また移動時間に何かするということもできない。せいぜい音楽やラジオを聴くくらいであろう。行った先々で駐車場探しをしなければならないし、あらぬ時間に到着することもあるから先方との時間調整も必要となる。そして一番大きな不安要素は必ず目的地に着くとは限らないというところだ。言い換えれば、移動における全責任は自己にあるということである。

ここまで書き立てると、自分が余程物好きのような気がしてならないが、そもそも横着者の自分がわざわざめんどくさいことを自ら進んでやるなどあり得ないことなのでそこには相当の理由がないと自己同一性の観点からも困ることとなる。何がそんなにいいのだろうか。

尖閣上空が中国の領空だと?習近平の傍若無人を許した日本の大失敗

昨年11月に尖閣諸島上空を飛行する航空機に対し、中国側から「領空を侵犯している」と警告があったとの報道がありますが、日本政府は事実関係を明らかにしませんでした。こうした態度そのものが中国の主張を許していると厳しく指摘するのは、メルマガ『NEWSを疑え!』を主宰する軍事アナリストの小川和久さんです。小川さんは、国際的には中国に理があると見られても仕方がないと、中国の言動の根拠を解説。領土問題に関する政府の姿勢の方向転換を強く求めています。

中国が尖閣上空を「領空」と主張するのは

尖閣諸島をめぐる中国側の動きと、それに対する日本政府の姿勢に苛立ちを募らせている向きも少なくないと思います。以下の産経新聞の報道によると、それを象徴するような出来事が1年ほど前に発生していました。

「加藤勝信官房長官は27日午前の記者会見で、尖閣諸島(沖縄県石垣市)付近の上空で昨年11月、海上保安庁の航空機が中国海軍の艦船から『中国の領空を侵犯している』と警告を受け、空域からの退去を求められていたことに関し、事実関係を明らかにしなかった。

 

『現場における個々のやり取りについては、これまでもお答えを差し控えさせていただいている。中国側が尖閣諸島に関する独自の主張が行われる、行う場合には、わが方としては適切かつ厳重に抗議している』と述べた。

 

政府関係者によると、中国海軍による尖閣周辺の領空主張は昨年11月中旬と下旬に計4回確認された。尖閣の領有権を主張する中国側が、海上から日本の公用機に対し領空主権を主張するのは初めてとみられる」(出典:『産経新聞』2020年10月27日付)

実を言えば、加藤官房長官が「事実関係を明らかにしない」とした背景には、尖閣諸島周辺の日本の領海について日本政府が断固たる姿勢をとることなくきたという問題が横たわっているのです。

尖閣諸島が日本の領土であるのなら、その周辺12海里が日本の領海であるのは当たり前の話です。ところが日本は、日本の排他的経済水域(EEZ)における中国との漁業交渉で、尖閣諸島周辺の海域について、あたかも中国側の領海と認めるような姿勢をとったのです。

2000年6月に発効した日中漁業協定は、北緯27度以南の日本のEEZについて決着を棚上げし、両国の漁船の操業と自国船の取り締まりを認めています。そこまでは、海洋資源を分け合おうということですから理解できないことはありません。問題は、そのときに尖閣諸島の周辺12海里については「主権が絡む」ということで漁業協定の適用除外海域としてしまったのです。

【関連】なぜ日本は尖閣領海に侵入する中国公船を取り締れないのか?

そうなると、尖閣諸島の領有権を主張する中国は周辺12海里を自国の領海だと主張できるようになります。1992年制定の領海法を適用して、日本の船舶を排除したり、拿捕したりすることも可能になりますし、中国側は領海上の空域についても「領空」として警告できるわけです。

中国側の立場に立てば、中国海軍の艦船は、自国の領海法に基づいて海上保安庁の航空機に警告したことになります。中国としては、日本と事を荒立てたくないので、習近平国家主席の訪日が迫っていた時期でもあり、4回の警告にとどめたと受け止めるべきでしょう。

いくら尖閣諸島は日本の領土だ、中国・台湾との間に領土問題は存在しないと口にしても、国際的には首をかしげられるでしょう。こんな状態が放置されているのですから、事情をよく知る加藤官房長官としては、事実関係は明らかにしないとしか言いようがなかったのです。

尖閣諸島だけでなく、日本が決着を先送りしてきた問題は少なくありません。気がついたときには取り返しがつかない事態すら考えられます。今回の事件を機会に、菅首相は決着を図る方向に舵を切ってほしいものです。(小川和久)

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菅政権「給付金」打ち切りの非情。老舗企業を待ち受ける倒産地獄

アメリカでは大統領選挙目前、欧州ではコロナの感染が再拡大し、欧米を中心に世界が混沌とする中、我が国ニッポンは景気が徐々に回復しつつあります。次々と新しい試みで「改革」を断行しようとしている菅政権は、今後の日本経済をどのような方向に引っ張ろうとしているのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者で日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、コロナ禍の「給付金」打ち切りでで多くの企業の倒産が懸念されるとし、さらに米国の衰退を良いことに中国の脅威が増すとして、日本国民に警戒を呼びかけています。

菅政権「給付金終了」の論理

菅首相は、個別の政策は話すが、日本の課題を整理して、その上での日本の戦略を話さない。ここでは、個別の政策を総括して、日本の戦略を検討する。        

日本の景気は、ウィズコロナでも徐々に戻している。そのため、「持続化給付金」や「雇用調整補助金」などを12月までには終了することになったようだ。

コロナの特性が徐々にわかり、効果的で低負担な感染防止策も見えてきたことにより、その防止策をしている企業は存続できるからである。

落ち込みの激しい業界に向けては、Go Toトラベル、Go Toイート、Go Toイベントなどで企業を応援する方策を打ち、そちらに予算を振り向けようとしている。徐々に感染防止策を打ち、野球や演劇などの観客数を満員まで戻せるようにするともいう。

海外への渡航も、感染数が多くない地域とは徐々に14日間の自粛期間なしで可能になるようだ。このように、感染防止策を講じた上で、経済活動の正常化を進めている。このような施策で経済活動の回復をさせないと、多くの企業の倒産が起こる可能性がある。

この防止策が抵抗なくできたのは、日本が事前に「花粉症」という季節性の疾病でマスクをする習慣ができていたことが幸いしているようだ。欧米では、マスクをすることが政治闘争になっているが、日本では皆が当たり前のようにマスクをしている。というより、日本ではマスクをしないと多くの人に睨まれる。

このように、花粉症という疾病は、神が日本を守るために与えた仕業とも見えてしまう。軽い疫病で、より大きな疫病を防止するという現代の神風が吹いたようだ。

だが、「持続化給付金」や「雇用調整補助金」を止めると、それを頼りにしていた、売上の回復しない企業の倒産や廃業などが、補助金がなくなった時点で急増することになる。そのため、一時的に景気は悪くなる可能性もあるだろう。もう1つ、日本の伝統的な文化を保持していた老舗企業の倒産や廃業が多発することを心配している。

給付終了の論理は、企業に対策する十分な時間を与えたので、その間にウィズコロナに適応できなかった企業の退去は仕方がないということのようである。雇用が求人率1倍以上であるし、海外からの労働力を入れられない現状では、雇用転換はできるとみているようだ。

特に、コロナ下で企業業績が絶好調な物流やECサイト、家需要関係の雇用は好調に推移している。そちらに移ってもらえば良いということのようだ。特に、プログラマーなどが不足することになるので「職業訓練」が必要になるが、そこは国が援助するべきだとは思う。

菅政権では、このコロナ下の時期に過去の実績がある企業より、将来に向かうウィズコロナ社会でも強い企業を伸ばす方向のようだ。

この見解を示すのが、政府の「成長戦略会議」のメンバーに入ったデービッド・アトキンソン氏である。彼が日本の改革を先導するようだ。デジタル化や中小企業の再編などで生産性を高めて、賃金を上げて、個人消費を増やすという。

クルーグマン教授の「トランプ嫌い」が示す、酔っ払い大統領選挙と米国の終焉

「アメリカの覇権による平和」を意味する、パックス・アメリカーナ。そのパックス・アメリカーナをトランプ大統領が破壊したという記事が米主要紙に掲載されましたが、はたして正しいと言えるのでしょうか。この認識に対して異を唱えるのは、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんはメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で5つの理由を挙げて反論するとともに、大統領選でバイデン候補が勝利しても米国が正気を取り戻す保証はないという、悲観的な予測をしています。

 

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年11月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

トランプがパックス・アメリカーナを壊した?――クルーグマンの混濁した議論

ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンが『ニューヨーク・タイムズ』に「トランプはいかにしてパックス・アメリカーナを殺したか」と題したオピニオンを寄稿している(10月31日付)。トランプがホワイトハウスを去ることになっても、国際関係の分野ではその悪しき遺産が長く残るだろう。「なぜなら米国は約70年間、世界の中でこれまでに前例のないある特別な役割を果たしてきた。今や我々はその役割を失ってしまい、それを取り戻すにはどうしたらいいのか、私には分からない」と。

大統領選の投票日を前にトランプ嫌いの知識人がこのように慨嘆したくなる気持ちもわからないでもないが、私に言わせると、米国の現状についての彼の認識は著しく不正確、というよりも混濁している。

第1に、トランプが登場したからパックス・アメリカーナが壊れたのではない。パックス・アメリカーナは、ブッシュ父大統領が1989年12月にマルタ島でゴルバチョフ書記長と共に冷戦終結の宣言を発した時点で、壊れることを運命づけられていたのである。

第2に、その時以降、米国の指導層にとっての中心課題は、いかにしてパックス・アメリカーナ、つまり「世界の中での特別な役割」から「軟着陸」的に――米国民を混乱させず全世界に迷惑をかけずに――降りるかにあったというのに、ブッシュ父以来のどの政権もそれに失敗してきた。

第3に、その結果として、(寓話的に言えば)神はついにトランプという野蛮極まりない悪魔を地上に遣わされて、最悪の「硬着陸」的な形でそれを強制終了させるよう取り計らったのである。

第4に、従って、パックス・アメリカーナを「取り戻す」などということは米国にとって課題であるはずがなく、それを「どうしたいいか分からない」などと呟くのは戯言である。

第5に、クルーグマンはここで触れていないが、中国はパックス・アメリカーナに代わってパックス・チャイナを築こうとしていないし、仮にそうしようとしてもできない。パックス・アメリカーナの終わりは、すなわち覇権主義の終わりであり、この後には誰も覇権国家となることはできない(このことはまた別に論じる)。