あなたの会社は、しっかりとした経営計画を立てていますか? 今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんは、「経営計画は目標設定から始まり、毎月チェック・修正をする必要がある」と解説しています。
スポーツ店の経営計画
1.5か年経営計画書
あなたのお店も、新年度に入りました。業績はいかがですか?3年前に作った「5か年経営計画」は、順調に進んでいるでしょうか。
今の計画書は、社員の皆さんが協力して作ったものです。ですから、皆さん、お店が目指すところが分かっています。いわゆる、「目標」ですね。それは、こうでした。
「5年後に売上と利益を倍増して、地域で一番優れたスポーツショップになる」
今、この目標に向かって進んでいます。そこで、読者の皆さんに参考になるかもしれませんので、あなたのお店の経営計画書を簡単に紹介しましょう。
「目標」に続いて、商売に関わる環境の変化を考えました。差しさわりのないものを、少し上げてみますと、
・ネット社会の進展
・メーカー、問屋の市場戦略変更
・学生の減少
・地域スポーツ店の減少
といったことです。
次に、お店の「強み」を挙げていきます。例えば、
・商品調達力がある
・販売スタッフの能力が高い
・立地が良い
・研究熱心である
というように。
「環境の変化」と「店の強み」を導き出したら、今度は、環境の変化の中から「商売の機会」を探し、その機会に対し、「店の強み」を活かす方法を考えます。
これが出来たら、次は、お店のお客様は誰か、ということを明確にしなければなりません。あなたのお店の場合、「近隣に住む、部活に熱心な高校生」としました。
その後に、このお客様が求めているもの(ニーズ)は何か、を考えて決めたのが、次です。
「自分にあった商品を手に入れたい」
この、「誰に、何を」を決めるのには、時間がかかりました。
2.戦略を考える
そして、時間をかけて決めた「目標、機会、強み、誰に、何を」を基に、商品戦略、価格戦略、流通戦略、プロモーション戦略を考えます。
細かくは紹介出来ませんが、例えば、商品戦略ならば、次のようなことです。
・販売員の商品知識を深める
・お客様の話をよく聞いて商品を選ぶ
・自店にしか無い商品を揃える
価格戦略は、
・商品の粗利率を決める
・安売りではなく、高売りをする
流通戦略は、
・中小メーカーとの取引も増やす
・ネット販売にも力を入れる
プロモーション戦略は、
・SNSを活用して、口コミで顧客を増やす
・店頭でのイベント企画を積極的に行う
といったことです。
実際にはそれぞれの基本戦略は、10項目以上あります。
そして、これらの基本戦略を基に、商品群ごとの具体的な戦略が立てられているはずです。それらの戦略に従って、商品の仕入れや販売が進められることになります。
3.計数計画
基本戦略が決まったら、次は計数計画です。計数計画は、最初に5か年の売上、利益、仕入、在庫計画を、1年ごとに決めます。
それが決まったら、その数字を商品群ごとに分けます。商品群別5か年計数計画ですね。その次は、同じようにチャネル別の計数計画を立てます。例えば、店頭、外商、ネット別のように。
そして、5か年分の計数計画が出来たら、アクションプランを立てます。5年間の中で行う、大きなイベントです。例えば、
・店舗改装をする
・新店を出す
・スクール事業を始める
といったことに当たります。それぞれのイベントを実施する時期を、決めておく必要もあります。
5か年分の計数計画、アクションプランが出来たら、今度は1年ごとの計数計画です。1年分の売上、利益、仕入、在庫計画を、12か月に分けて計画します。これも、商品群別、チャネル別に分けて計画しなければいけません。ただし、5年分を一度に作るのではなく、1年分だけで良いです。
同時に、アクションプランも12か月必要です。例えば、
・展示会での発注を行う
・店頭イベントを行う
・ニュースレターを発行する
といったことを、いつ、誰が行うかを決めておきます。
いかがでしょうか。経営計画は、概ねこれで出来上がりです。ただし、計画は、作った後が肝心。少なくとも、毎月、計画の進み具合をチェックする必要があります。そして、計画とのズレを見ながら、対策を打っていくことです。そうすれば、計画が「絵に描いた餅」になることはありません。
あなたのお店も、毎月チェックをして、計画の修正を重ねています。ですから、5か年計画は、順調に進んでいることでしょう。
■今日のツボ■
・経営計画は、目標設定から始まる
・続いて、戦略設定、計数計画、アクションプランで構成される
・経営計画は、作った後が肝心で、毎月チェック修正を重ねる
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