食品のカビは、削り取れば大丈夫?

2015年12月初旬に、国内の菓子メーカーが一部製品の容器にカビが付着していたとして、出荷済みの製品およそ170万パックを自主回収するという事態が起こりました。

このケースでは、製品に異常を感じた消費者からおよそ100件の報告が寄せられていたそうですが、いまのところ健康被害の情報はありません。

食品にカビが生えることがしばしばあります。「カビが付くいても、その部分を削り取れば食べられる」と言う人もいますが、実際はどうなのでしょうか?

カビが放出する数百種類の毒

結論から言うと、カビを削っても基本的に食べるのはNG。

最大の理由は、数万種類もあるとされるカビの中には、人や動物に対して有害な成分である「カビ毒」を出すものがあるからです。

カビ毒としては現在300種類以上が報告されていますが、食品に付くカビの種類は周囲の環境によって異なる場合も多く、目の前にあるカビが種類かは専門家でもすぐには判断がつかないと言われています。

「だから、削り取ればいいでしょ」と思われるかもしれませんが、食品の表面にカビが確認できる場合、すでに内部にまで菌糸が成長していると考えられます。どの程度まで侵食しているかは容易に判断できないうえ、中には目に見えないカビもあります。

「じゃあ、加熱すれば?」という意見もありそうですが、これもやはりダメ。

カビ毒は熱に対して非常に耐性が高く、通常の調理や加工の温度(100~210℃)や時間(60分以内)では、完全に分解することはできないのです。

カビ毒のある食品を茹でても50~80%の毒が残り、茹で汁からは10~15%ほどが検出されると言います。同様に、油で炒めた場合もカビ毒はほとんど減らないことがわかっています。

強い発がん性を持つものも

では、もし誤ってカビ毒を食べてしまった場合、どんな影響を受ける可能性があるのでしょうか?

カビ毒の場合、細菌などによる食中毒と異なり、食べた後すぐに吐き気や激しい腹痛に襲われるということは比較的少ないとされます。

その代わり、慢性的なアレルギーや肝臓・腎臓の障害、がんなどを引き起こす可能性があると言われています。自然界における最強の発がん性物質はカビ毒の一種という説もあり、急性の疾患を引き起こす恐れも否定できません。

もちろん、少量食べた程度なら大きな影響はないと思われますが、カビが生えた食品は食べないというのが、健康のための大原則。

食品を保存する際には、カビが付かないように心がけたいものですが、気温が20℃以上、湿度が60%になるとカビの活動は活発化します。

冬でもエアコンや加湿器などを使うとこうした条件に近づきやすくなりますので注意が必要です。

チーズ+青いカビ=ブルーチーズ?

一方、私たちにとって役に立つカビもあります。代表的なのが、醤油や味噌、日本酒、カツオブシなどを作るのに欠かせない麹(こうじ)菌です。これらの食品は、正式名称「ニホンコウジカビ」という日本にしか存在しないカビの一種の働きによって作られています。

またカマンベールチーズは白カビによって、ブルーチーズは、ペニシリウムという青カビによって熟成されています。ちなみに、青カビは抗生物質の「ペニシリン」の生産にも使われます。

ならば、冷蔵庫に放置した通常のチーズに青いカビが発生した場合、ブルーチーズとして食べられるかというと、それはダメです。

青カビの種類はざっと300以上あり、毒性があるものもないものもあるからです。

ブルーチーズやカマンベールチーズのカビが安全に食べられるのは、おいしくてかつ無害なカビを厳選し、さらに改良して作っているからなのです。

チーズや醤油、酒などは、数千年におよぶ人間の営みの中で幸運にも出会った素敵なカビたちの賜物と言えます。

それを知ったところで、改めてありがたくいただきたいですね。

執筆:阿佐木 ユウ(フリーライター)

 

<参考>

●東京都福祉保健局「カビとカビ毒」(PDFへの直リンク)

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/kabi/files/kabi.pdf

●健康・医療なんでもQ&A「カビは加熱すれば食べても大丈夫か」

http://www.cocokarada.jp/column/qa/0707/01.shtml

●チーズ資格・検定ナビ「チーズのカビが無害な理由。食べられるカビとの違いは?」

http://cheeseinfo.net/チーズのカビが無害な理由/

 

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絶対に断られない?弁護士が教える、あなたの企画書が必ず通る裏ワザ

企画といえば内容やプレゼン方法が大切なのは言うまでもありませんが、何としてでも通したいなら「粘り強さ」も重要な要素となります。無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』で今回紹介されているのは、「必ず企画を通す方法」。キーワードは「諦めない強さ」です。

必ず企画を通す方法

こんにちは。

弁護士の谷原誠です。

上司や取引先に対して、絶対に通さなくてはならない企画や商談があるとき、あなたはどうしますか?

もちろん、練りに練ったプレゼンテーションを、熱を入れて行い、何としてでも通す意欲を見せるはずです。しかし、力を入れたアピールであればあるほど、相手から一言のもとに拒否されたり、厳しい言葉で否定されたりすると、心が折れてしまい、諦めてしまうものです。

そして

「あの人は頭が硬いから」
「最初から何を言われても否定するつもりだったんだろう」

と、責任転嫁してしまうこともよくあります。そこで、今回紹介するのは「必ず企画を通す方法」です。そんな都合の良い物があるのか、と思われるでしょうが、あります。失敗する場合が全くないとはいいませんが、この通りに展開すれば必ず通すことができる方法です。

たとえば、企画を作って上司に持って行き、

「こんなんじゃダメだ」
「話にならん」

と一言のもとに拒否されたとします。ポイントはそのタイミングで引き下がらないことです。絶対にその場で「この企画のどこがダメなのでしょうかと意見を聞きます

「どこがいけませんでしたか」
「どういうすれば良くなるのか教えて下さい」

と、後でではなく、必ずその場で聞き何らかの答えを引き出します。そして、意見がもらえたら「勉強になりました。ありがとうございました!」と引き下がる。

そして、その後、「先日のご指摘をもとに、直してきました」と企画を修正してもっていきます。その際、「先日の私の企画に対し、○○というご意見をいただいたので、そのご意見を反映して、作り直してきました!」と、企画に対して上司がどんな改善意見を言ったのかを必ず思い出させなくてはなりません

それでも「ダメ」といわれた場合であってもすることは同じです。やはり引き下がらず、「前回のご意見に合わせて変えてきたのですが、今回はどうダメでしたか? どこをどう直せば検討の余地が出てきますか?」とその場で聞きます。

医学博士が教える、TVの「当社比較」を鵜呑みにしない方がいい理由

テレビのCMなどで「当社比較」や「自社による調査」なんて言葉をよく見かけますよね? なんとなく「今までより良いんだろうな」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか?  しかし、医学博士・しんコロさんは自身のメルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の中で、こうした一見「科学」に見えるものの中には「かなり曖昧」なものがあると警鐘を鳴らしています。

本当の科学とは、第三者の審査なくして成り立たない

僕は最近どうしているかというと、近々国際誌に投稿する論文の仕上げをしています。原稿を書き上げて、トビちゃんにも目を通してもらって、他大学の共同研究者にも目を通してもらったら、ジャーナルに投稿します。

そこからその原稿は査読(その道の専門家による審査)に回され、数週間したら批評が返ってきます。科学論文もピンキリですが、よっぽど「キリ」なジャーナルでもない限りは一発OK というのはまずありません。査読をしているのも同業者の科学者達ですから、あーでもない、こーでもない、と必ず批評をしてくるのです。そしてその批評に対して根拠を持って論破をするか、もしくは追加実験をして審査員達の疑問に答えて、やっと論文は掲載許可になります。

本当の科学」というのはこうして学説やデータが生まれた時に、必ず第三者の審査が入ります。こうして査読や審査が入ることで、実験が正しく行われているか、学説をサポートするだけのデータが揃っているか、そして場合によってはインチキはないかなどが厳しく評価されます。

どの世界も同じですが、科学者の中にも悪い人たちはいて、データや論文を捏造したり剽窃したりする人たちもいます。その捏造が巧みな場合、査読の時点ではそれが100%捏造だということが明るみに出ず、他の科学者がその学説に基いて追加実験をしたけれども再現性がなかったという形で明るみに出ることがあります。いずれにしても、インチキをしたらいつか必ずバレるものだし、命を助けるための科学をやっていてインチキをするのはとってもタチが悪いです。

話はそれましたが、つまり「本当の科学」はこうして第三者の審査というプロセスをまず通り、それから科学界から追加実験をされることで検証されてゆきます。どんなに有名な科学者先生が出した論文でも、「~先生の論文なら間違いないだろう」ということは科学の世界ではあり得ず、かならず審査が入ります。

日本のテレビなどで健康問題などを取り上げるときに、学説を唱える医者や学者が登場することがありますが、それらの実験やデータが審査を受けておらず、その医者や学者の「想定」や「仮説」や「思い込み」であることが多く見受けられます。企業が行う研究にしても「当社比較」や「自社による調査」などが多く、製品の宣伝のために「科学的にプレゼンする」というマネフ色が強いのも事実です。

元旅行雑誌編集長が明かす、花粉症患者がどっと押し寄せる温泉とは?

今の季節、多くの人を悩ませている花粉症。人によって症状も千差万別ですが、なんとか楽になりたいという人も多いはず。そこで、元『旅行読売』編集長の飯塚玲児さんが、自身のメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』で、花粉症に効果のある温泉について回答して下さっています。花粉症にお悩みの方は今週末でも行って見られてはいかがでしょうか?

Question

shitumon1

花粉症に効く温泉ってないでしょうか?

先日、「杉戸天然温泉 雅楽の湯」に行った友人と神奈川県厚木の「湯花楽」に行ってきました。

ここも本当に施設として良かったですね。

ミストのドーム型の温泉と桶風呂が特に気に入りました。

そのとき、僕もその友人も重度の花粉症なのですが、友人がひとこと「花粉症に効く温泉ってないのかなー」って言っていたので、メルマガ内で話題にできそうであれば、ご回答いただけたら幸いです^^

今後ともメルマガ楽しみにしております。 (東京都・おかもとさん)

旅行のプロ・飯塚さんの回答

いつもメールをありがとうございます。 本当に励みになります。

「湯花楽」は、僕はまだいったことがないのですが、多彩なお風呂があって、ゆっくり楽しめそうですね。 高濃度炭酸泉の横にテレビがあるというのは、なかなかいい趣向。 今は、甲子園の中継を見ながら入っている人もいそう。

食事メニューもかなり充実していますね。 特に野菜。 埼玉では北本にも系列の施設があるようですので、機会を見て訪ねてみたいと思います。

さて、ご質問の「花粉症に効く温泉」ですが、これが難しい

一昨年に改訂された浴用の適応症にも、花粉症というのは載っていません。

しかもこの病、個人差がかなりあって、鼻に来る人、皮膚に来る人、目に来る人、呼吸器に来る人など、様々です。 これらのすべてに対処療法的に効果が期待できる温泉があれば、毎週通ってもいい、という人もいるかもしれません。

実際、杉花粉のない沖縄や奄美、北海道に短期間移住する人もいるようです。 医学的には「転地療法」の一つだと考えられているようです。という具合に個人差があるので、これがいい、とは明言できず、しかも僕は医学博士ではないので、その効果については本などで勉強したものです。

で、以下に、簡単な結論を示します。

* 髪の毛や体についた花粉を洗い流すために、毎日お風呂に入るといい。

* 目がかゆい、肌がかゆいというタイプの人は、熱いお湯に入るとかゆみの原因であるヒスタミンが生まれてしまうので、ぬる湯がおすすめ。

* 鼻づまりタイプの人には、入浴は効果がかなり期待できる。 鼻の粘膜の下に血が溜まって鼻づまりを起こすわけなので、入浴で血流がよくなれば一時的にしても鼻づまりが解消されることが期待できる。

* お風呂の湯気を鼻から吸うことは、鼻腔内の花粉を洗い流すことにつながり、血流もよくなるので症状の緩和が期待できる。

* 同様に湯気を口から吸うことは、呼吸器にもよい影響が期待できる

以上、温泉に限らず家庭のお風呂でも効果が期待できるものですが、温泉地へ出かけるという転地効果と、共同湯などでは湯気もうもう状態が少なくなく、吸入効果(鼻ネブライザーみたいな感じでしょうか)も高まるとも思います。

また、自律神経との関連説もあることから、入浴によって自律神経の働きを正常化するようにすれば(温泉入浴にはそうした効果が謳われている)、症状の軽減に役立つともいえるかもしれません。

泉質別には「これだ」というものが答えられずに申し訳ないのですが、ちなみに僕が通っている草津温泉には前述の通り「時間湯」という独特の民間療法があって、その時間湯の湯長さんから、今の時期は花粉症の患者さんがどっと増えます、ということを聞きました。

ただ草津に行ってお風呂に入ればいい、というものではないので、本当に重症で困っているという人は、問い合せをしてみるといいかもしれません。

ただし、1泊程度では終わらない本気の湯治になるとは思います。

共同湯の千代の湯では観光客も気軽に体験できる時間湯が行われています。

花粉症、本当に憂鬱ですよね。 ここの温泉に入ったらよくなった、などのご意見、ご報告をお待ちしています!

image by:Shutterstock

 

『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋

著者/飯塚玲児
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!
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NYから日本食を発信。蕎麦と燗酒で和の心をおもてなし

「和の心」感じるもてなしと酒が心も体も温める

燗酒(かんざけ)とお蕎麦(そば)をちょこちょこっといただきながら、ゆったりと過ぎていく時間を楽しむ…。

そんな体験ができるお店がグランドセントラル駅から徒歩5分の好立地にある。

店の名は「こかげ(Kokage)」。

提供する蕎麦は毎朝手打ちで、のどごしと香りのバランスが良い7・5対2・5「しちご蕎麦」と呼ばれる割合で作る。

 

同店がこだわるのは「蕎麦屋でちょっと一杯」という楽しみ方ができること。

繊細に温度調整した日本酒と、ちょうど良い具合の季節の折々の「酒のアテ」。

日本なら日常的に手に入れられた「そうそう、この按配(あんばい)…。大将はやっぱり分かっているなぁ」という体験を提供したいのだ。

品書きは月に一度、市場に出回る食材と日本の四季を意識して刷新。

「鮒(ふな)ずし」「カラスミ」「鯖(さば)のへしこ」などニューヨークではなかなか食べられないアテは「日本から空輸する場合もありますし、こちらの材料で手作りすることも」と料理長の大堂さん。

「今が旬のあの味、食べたいな」というものをシーズンぴったりにニューヨークで提供するのは簡単なことではないが「日本の食文化をこの小さな店から発信したい」と情熱を持って挑む。

日本酒は5度〜55度ほどまで、酒によって温度調整し、客の好みや料理とのマッチングを考えながら提供。

「温度をこんなに厳密に調整するのも日本ならでは。この細やかさも日本文化として伝えることができたら」また、そのままの燗酒の他に、酒に弱い方にもぜひ試してほしい「純米酒のIPPODOほうじ茶割り、煎(い)り番茶割り」も用意。

日本から空輸した酒器は、割れたら日本に空輸して金接ぎし、使い続ける。

あらゆるところに「和の心」を感じるもてなしと燗酒が心も体も温めてくれそうだ。

Kokage
【電話】212-228-4873
【住所】125 E 39th St(bet Lexington & Park Ave)
(精進料理「Kajitsu」と日本茶専門店「IPPODO」との共通エントランス内)
【営業時間】月曜定休
ランチタイム:火―土曜 午前11時45分〜ラストオーダー午後1時45分(毎月初日は定休)
ディナー&バータイム:火―日曜 午後5時半〜ラストオーダー10時
【席数】20席。パーティー利用の場合は貸し切りで15〜20人ほど

記事提供:ニューヨークビズ

 

『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』 

著者/高橋克明
全米No.1邦字紙「WEEKLY Biz」「ニューヨーク ビズ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ400人のインタビュー記事「ガチ!」を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる
≪無料サンプルはこちら≫

 

「パナマ文書」流出は世界的スキャンダル…明るみになる富豪の金隠し

「パナマ文書」と呼ばれる流出文書が今、世界を騒然とさせている。パナマのある法律事務所の内部資料が流出したもので、この事務所が世界各地のタックスヘイブンに開設した法人など21万4000団体の実態が明るみに出た。その利用者として、国家首脳や首脳経験者12人を含む政治家143人や、サッカーのメッシ選手などの名前も挙がっている。タックスヘイブンの利用のほとんどは合法的なものだが、マネーロンダリングや資産隠し、脱税などに利用されることがある。今回の流出から、政治スキャンダルなどの発生が予想される。

これまでにない規模でタックスヘイブンの実態を暴露

流出したのは、パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」の1977年から昨年末までの内部資料で、電子メールや顧客情報、銀行取引記録など文書1150万点、情報量にして2.6テラバイトに及ぶものだ。ガーディアン紙によると、2010年のウィキリークスによるアメリカの外交公電のリーク、2013年のエドワード・スノーデン氏によるアメリカの情報収集活動の暴露よりも規模が大きく、過去最大のリークの1つだという。

米ニュース専門放送局CNBCによると、データは1年前から、匿名の情報提供者によって、独紙・南ドイツ新聞(SZ)への提供が始まった。SZは国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)、ガーディアン紙やBBCなど100以上の報道機関と情報を共有し、共同で分析調査に当たった。ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)によると、調査には76ヶ国、370人以上の報道関係者が携わった。3日、各報道機関は一斉に報道を始めた。

 この報道の調整に当たったICIJのディレクター、ジェラルド・ライル氏は、「このリークは、文書の範囲の広さから、オフショア世界がこれまでに受けたおそらく最大の打撃になると私は考えている」と語っている(DW)。

「極めて多数のうさんくさい金融取引が明らかになった」

今回の流出の画期的な点は、厚いベールに覆われているタックスヘイブンへの資産退避の実態が、これまでになく明るみに出たことだ。政治家やスター選手など大物の名前が挙がっていることから、DWは、エリートたちがお金を隠す方法を観察する前例のない機会を与えた、と語っている。フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、今回の流出は、裕福な有力人物によるオフショア金融センターの利用について、これまでにない実情の把握をもたらした、と語った。

CNBCは、モサック・フォンセカが設立したオフショア会社を通じた極めて多数のうさんくさい金融取引を、流出文書が明らかにした、とSZが発表したことを伝えている。同紙は今回の流出を「ジャーナリストがこれまでに取り組んだ中で最大」と呼んでいる。

流出元となったモサック・フォンセカは、公式ウェブサイトによると、42ヶ国、従業員600人の世界的ネットワークを有するという(ガーディアン紙)。その主要業務の1つは、英国領バージン諸島、キプロスといったタックスヘイブンに法人を設立することにあるようだ。CNBCは、同事務所はペーパーカンパニーとして知られる無名のオフショアカンパニーの販売を専門的に扱っていた、と伝える。ガーディアン紙によると、同事務所はオフショアサービス・プロバイダーとして世界4位の規模であるという。

タックスヘイブンには脱税やマネーロンダリングの疑いがつきまとう

モサック・フォンセカの流出文書の中には、多数のビッグネームが含まれている。SZによると、ペーパーカンパニーの設立者として、アルゼンチンのマクリ大統領、アイスランドのグンロイグソン首相、サウジアラビアのサルマン国王、アラブ首長国連邦のハリーファ大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領の名前が挙がっていたという。また、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席、シリアのアサド大統領、イギリスのキャメロン首相らの親類や友人によるオフショアカンパニーの利用も、文書中で確認されたそうだ。

プーチン大統領に近しい人物がタックスヘイブンに所有する法人と、銀行の間で、少なくとも20億ドル(約2224億円)が移動していたとICIJは結論しており、FTはこの点に注目した。CNBCによると、コンサルティング会社ユーラシア・グループの社長のイアン・ブレマー氏は、この金は「ロシア政府が実際にロンダリングしている金額のごく一部」だと考えているという。

オフショアカンパニーを所有すること自体は違法ではないことに注意するのは大切だが、SZは、モサック・フォンセカの場合、その本当の所有者の身元を隠すことが大部分のケースで第一の目的だった、と主張した(CNBC)。またオフショアカンパニーは、マネーロンダリングのような重大な違法活動に加えて、脱税に一般的に関連付けられてもいる、と語る。DWも、オフショアカンパニーの利用は違法ではないが、税金の支払いを避ける行為は違法となる可能性がある、と伝える。

DWは、タックスヘイブンに籍を置く一部の会社が、マネーロンダリング、武器、ドラッグ取引、税金逃れのために利用されている疑いがあることを文書が示していると言われていることを伝える。

脱税の他、主要な懸念点は、一部の国がオフショア会社を違法な活動の隠れみの(フロント)として使用しているということで、北朝鮮のような、いわゆるならず者国家に関しては特にそうだ、とライル氏はCNBCに語っている。

この流出による騒動はまだ始まったばかり?

今回の流出による騒動はまだ始まったばかりだ。ロイターによると、オーストラリアやニュージーランドの税務当局はすでに、モサック・フォンセカの自国民の顧客への調査を開始しているという。

アイスランドのグンロイグソン首相は、オフショアカンパニーを通じて、自国の銀行に間接的に投資していたことが流出文書で示された。国会議員になった際にこのことが報告されておらず、隠ぺいであるとして、同首相は退任要求を突きつけられているという。

DWは、政治にも影響が及ぶ可能性がある、と指摘し、中国共産党中央政治局常務委員会の現委員および元委員8人の家族が、タックスヘイブンに財産を置いていたことが発見されていると伝えている。

CNBCは、専門家が金融、政治面で恐ろしい結果が訪れると警告しており、暴露が世界的な騒動を引き起こしている、と語る。ブレマー氏は「今回の件は、スノーデン氏の件で見られた以上の不安定を引き起こすだろう」と語っている。

さらにブレマー氏は、ICIJがアメリカの大富豪ジョージ・ソロス氏のオープンソサエティ財団から一部出資を受けていることを考慮して、ロシア政府がアメリカに対しこれまで以上に敵対的な政策を取ることを予想している。

ライル氏はCNBCで「今後数日、数週間にわたる暴露の奔流となるものの始まりを、みなさんはいま目にしている」と語っている。またブレマー氏も「これは氷山のほんの一角だ。私たちはそのはるかに多くを目にするだろう」と語ったという。

image by: Shutterstock

 

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香港は大赤字。中国人は上海ディズニーランドに「夢」を見るのか?

6月のオープンを控え、先日チケットの販売も始まった上海ディズニーランド。中国本土に初お目見えする「夢の国」ですが、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、「超個人主義で人間不信の中国人にディズニーの感動的な世界観が理解できるのか」と疑問を投げかけています。

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高速道路でトラック荷台の生簀が爆裂 飛び散る魚を見て、後続車が次々に急ブレーキ、中から飛び出て「いただこう! それっ!!」=中国

中国は間違いや過失を犯した人、あるいは事故や天災による被害を受けた人ですら、他人から最大限叩かれたり、利用される社会です。

今年3月24日、湖北省襄陽市で、漁民がいけすをトラックに乗せて高速道路を走っていたところ、そのいけすが破裂して高速道路上に魚が散乱。後続の車が次々と停止したのですが、それは落下物をよけるためではなく、散乱した魚を拾い集めて持って帰るため。傍らで「やめてくれ」と懇願し、ついには泣き出してしまった漁民には目もくれず、みんな喜々として思わぬ獲物を持ち帰ったそうです。

湖北省といえば省都は武漢、辛亥革命が最初に起こった地でもあります。交通の要所であり3500年という長い歴史と文化を持つ地域ですが、民度の涵養にはまったく資することがなかったことがわかります。

事故や天災において人命救助よりもその「おこぼれ」を我先に奪い合うのが漢民族(華人)の風習となっているのは、それが「天からの恵み」だと考えられているからです。ですから誰かの悲劇を喜ぶことが数千年の伝統となっているのです。

だから、他人の不幸は最大限利用するというのが、中国人の考えなのです。日本人はこのことを理解していないために、中国へ進出したり、あるいは日本で中国人を雇ったりした場合、後で泣きを見ることも多いのです。

「いきなり!ステーキ」は、なぜ成功したのか? MBAが徹底分析

短い待ち時間で手軽にステーキが食べられる人気の立ち食いステーキ店「いきなり!ステーキ」。その躍進の秘密はどこにあるのでしょうか。無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で、図表を用いたわかりやすい分析・解説がなされています。

他社(競合以外)から学ぶ姿勢

今回は「立ち食いステーキ」で躍進している企業を分析します。

いきなり!ステーキ(ペッパーフードサービスが展開するステーキ屋) 

戦略分析

 図表1「いきなり!ステーキ戦略」

■戦場・競合

  • 戦場(顧客視点での自社の事業領域):立ち食いステーキ屋
  • 競合(お客様の選択肢):ステーキ屋、ステーキを扱うレストラン など
  • 状況:ここ数年は、「ステーキブーム」「赤身ブーム」が到来しているともいわれており、追い風が吹いている状況のようです。

■強み

1.本格的なステーキを手軽に食べられる(圧倒的な安さ

  • 厚切りビッグサイズの炭火焼きステーキ
  • リーズナブルな価格で大きなステーキ肉を食べられる
  • 上質な肉を安く食べられる

2.待ち時間が短い

  • 肉をカットし、焼いて提供するまでに5分程度
  • 手早くボリュームのある肉料理が食べられる

⇒上記の強みを支えるコア・コンピタンス

★ステーキ店運営ノウハウと少ない従業員でも店を回せる仕組み

  • 東証マザーズ上場のペッパーランチグループであり、本格ステーキ店「ステーキくに」を展開しています。
  • 従業員の教育制度としてステーキマイスター制度があります。
  • 扱う食材を徹底的に絞り込むことで調理工程を簡素化(これは廃棄ロス削減にも貢献しています)。
  • 従業員は、ピーク時でも5~6人程度で運営しています。

上記のように上質な肉へのこだわりと徹底的にムダを省く仕組みがあるからこそ、強みを実現できているといえます。

■顧客ターゲット

  • 高級肉を食べたい、でも時間はない方。
  • 手軽にステーキを食べたい方。

→女性の割合は意外に高く30%程度

シャープも買い叩かれた。なぜ日本企業のM&Aは失敗ばかりなのか?

大手家電メーカーのシャープが台湾の電子機器生産大手の鴻海に買収されたことで再び脚光を浴びている「M&A(合併と買収)」。近年、日本でもこのM&Aが相次いでいますが、無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』によれば、「日本企業は買うのも買われるのも慣れていないので失敗が多い」とのこと。それでは今後、M&Aを上手く乗り切るためにはどのような対策を取ればいいのでしょうか。

シャープ買収の行方。日本企業とM&A

最近、シャープの買収が大きな話題に。結局は鴻海(ホンハイ)に買収され、手玉に取られたという印象が強い。そこで今日はM&Aの話をしたい。

過去最高のM&Aブーム

今世界はM&Aブームであり、去年の世界全体の買収総額は4兆6,200億ドル(570兆円)。買収で動いた金額としては「過去最高」。日本企業による昨年の海外企業のM&Aの買収総額は11兆2,585億円。海外と比較すると規模は小さいが、件数、金額とも過去最高である。

日本企業による海外企業の買収は、2014年頃から活況となっている。2014年の買収金額上位3社は以下の通り。

1位 サントリー:158億ドル  アメリカのバーボン最大手「ビーム社」

2位 第一生命:55億ドル アメリカの保険大手(米プロテクティブ生命)

3位 大塚ホールディングス:35億3900万ドル アルツハイマーの薬などにも強いアメリカの製薬会社(米製薬ベンチャーのアバニアファーマシューティカルズ)

買収金額は年々増加だが

2015年になると買収金額は更に増加。

1位 東京海上日動:9,250億円 アメリカの保険会社を買収(HCCインシュアランス・ホールディングス)

2位 日本郵政:7,145億円 オーストラリアの国際物流を買収(トールホールディング)

3位 三井住友海上:6,317億円 イギリスの損保会(アムリン)社を買収

上記の数字のみをみると非常に良いように感じるが、買収をすると人件費も増加する。例えば5年前の従業員数を対比すると住友電工では7万3,000人、ソフトバンクでは5万人増加しており、ソフトバンクの増加率は234%となっている(2015年2月に東洋経済発表した「従業員を増やした」トップ500社ランキングより)。買収すると出て行くお金も多くなる可能性もあり、一概に全て良いということではないという問題もある。

現代とは異なるバブル期のM&A事情

日本企業が海外企業を買収・合併するのは、少子高齢化による国内市場の縮小に伴う市場を求めた拡大ということが言える。海外に進出し、一から工場を作るのはなかなか大変であるから既存の会社を買収するほうが早い。大型買収で目立つのは食品、保険、薬品、サービスといった内需型の企業が多い。これらの業種の企業が海外進出している傾向である。また、現在、低金利でおカネも余っている事にも起因している。カネ余りで海外企業を買うということから、バブル期のビル買収などを思い出した。

消える魔球は何球までだった?38年前の「野球盤」を遊び倒す

あの頃、俺たちを熱くした「昭和のオモチャ」をオトナ買い(落札)して振り返るシリーズ連載。今回は「消える魔球」でおなじみ、あの対戦型野球盤です。僕らの友情を育て、そしてぶち壊していった昭和の名機。オトナになった今遊ぶと、果たしてどんな思い出が蘇るのか? そこには、遊び倒した者だけがわかる、友情と情熱、そして熱いドラマが詰まっていた。

消える魔球は何投まで? 友情を作り、友情を壊した俺たちの「野球盤」

日本各地で「俺ルール」が制定されたのではないでしょうか。そんなオモチャの話です。

兄弟や友達とは遊びの中で友情を育て、人間関係を広げていきます。現代では携帯型ゲーム機で協力プレイや対戦プレイをしたり、キャラクターを交換したりといった遊びとなりましたが、昔は……というと? ふと自分が育ってきた過程を思い返してみたのですが、遊びの内容こそ違えど、やはり協力して力を合わせたり、対戦で競い合ったりしていたような気がします。

今回の昭和オモチャは「野球盤」

僕らの友情を育て、そしてぶち壊していった対戦型野球ゲームです。野球盤の歴史は古く、同様のボードゲームは戦前まで遡りますが、最もメジャーなのはエポック社の「野球盤」

初代は1958年(昭和33年)に発売。当時は木製で、プレーヤーはこけし人形。盤面は家具職人が作成するといった木工技術の詰まったオモチャでした。

その後「野球盤A-2型」、「野球盤D型」などリニューアル品が登場。1960年台になると鉄腕アトムとコラボした「アトム野球盤F型」、巨人の星とコラボした「巨人の星野球盤C型」など、キャラクター野球盤も登場します。

そして1972年についにあの機能が搭載されます。話題作であり、問題作。「オールスター野球盤BM型 魔球装置付き」が発売されるのです。

現代まで続く野球盤の歴史で、初めて「消える魔球」を搭載しました。この魔球に関しては、勝負に大きな変化をもたらしましたが、同時に争いも生み出したのではないでしょうか。

「ふざけるな」
「1イニング◯回までと言ったじゃないか!」
「昨日使っていなかった貯金を使った」

スタジアムの外で繰り広げられる「リアル場外乱闘」。なんという低レベルな戦い、なんという無常観。しかし、当事者にとっては真剣です。プロ野球は当時、子どもたちの憧れのスポーツであり、勉強ができるよりも野球が上手いことがヒーローの証です。テーブルの上での野球盤でも、全力で勝ちを取りに行かねばならぬ戦いだったのです。

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今回入手した野球盤は1978年に発売された「ジャイアンツ野球盤BM型」。エポック社はかつてよりジャイアンツを贔屓にしており、巨人軍コラボの野球盤も幾つか登場していますが、これもそのひとつ。ちょうどいまアラフォーの世代が遊んだ野球盤ではないでしょうか。