まさに運命か。ジャーナリストが新聞社の編集主幹になった話

夢を叶えたいと願い、それに向かって進む人は多くいれど、叶えられる人はほんの一握りとも言います。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では、著者でジャーナリストの上杉さんが、ご自身の夢を叶えた瞬間とその出発点について語っています。

 

「編集主幹」就任で新潟へ~ジャーナリズム最後の旅

久しぶりに記者会見に臨んだ。新潟県庁の記者クラブで、「にいがた経済新聞」の石塚健社長とともに、編集主幹の就任会見を行なった。

何を隠そう、新聞社の編集主幹への就任は、若き日の夢のひとつだった。組織ジャーナリズムの頂点、とりわけ新聞の編集トップは、自由な言論を守る砦の役割を果たす重責だと考えていた。

米ウォーターゲート事件における『ワシントン・ポスト』紙の劇的なスクープでは、ウッドワードやバーンスタインら二人の若き現場の記者に注目が集まった。彼らはスターだった。ジャーナリズム界における圧倒的ヒーローだった。しかし、当時の私は、彼らではなく、老練な編集主幹のブラッドリーの存在に惹かれたものだった。

社主のグラハム女史とのやり取り、政府との対決シーン、編集部をまとめる圧倒的な手腕(現代では独裁と言われるだろう)などにおいて、あのドキュメンタリーの主役はブラッドリーに他ならない。彼のパーソナリティと存在があったからこそ、時代を超えたドラマになったのだろう(当ストーリーは実話だ)。

編集主幹、その役職が自分のもとにやってきたのだ。ジャーナリズムの現場から離れて10年、新潟という自らの取材の原点からの再スタートは感慨深いものがある。

当時、人気を得始めていた田中真紀子氏を取材するため、文藝春秋の取材で新潟にやってきたのが22年前の4月のことだった。

北国の春が私を楽観的にさせたのかもしれない。最初の一文字が世に出るまで、まさかその後8か月間も歩き回ることになる困難な取材になるとはまだ予想だにしていなかった。

最初の2か月は、文字通りの門前払いが続いた。真紀子氏の話を聞こうとするのだが、その取材意図を告げると、誰もが静かに扉を閉ざしたものだった。

長岡の夜は孤独になる。駅前の「田舎家」(確かそんな名前の店だった)でひとり食事を済ませて、オークラホテル長岡の部屋に戻ると、メッセージランプが付いている。取材先からの連絡かと期待してボイスメッセージのボタンを押すと、「取材を辞めてすぐに新潟から出ていけ!」と警告する声があったものだった。

それでも、越後交通の幹部や地方議員の事務所、あるいは偉大な父であった田中角栄元首相の元秘書の家を一軒一軒訪れ、なにか知っていることはないかと尋ね歩いた。しかし、なかなかきっかけはつかめず、取材は冒頭から大きな壁にぶつかっていた。そんな時、すがるように日本最大級の地方紙『新潟日報』の報道部に電話を入れた。

「君のことをよく知っている。本も読んだよ。いいだろう。すぐに会おう」

長岡から新潟市内に移動し、当時黒崎にあった新潟日報社を訪ねた。気が抜けるほど簡単に報道部長への面会が叶う。彼こそが、田中角栄取材や横田めぐみさんの拉致取材で名を馳せた地方紙のスター記者の小田敏三氏(現・新潟日報代表取締役会長)だった。

「君は都立広尾高校の出身だろ?。俺もなんだ。本の扉に出身高校名を書くやつなんて珍しいから目についたよ。奇遇だな。都立高校の後輩とこうして新潟の地で会うことになるなんて」(つづく)

 

image by: Shutterstock.com

プーチン政権は終焉。ロシアの要人会議で上がる次期指導者の名前

6月12日の「ロシアの日」に行われた式典で、国民の結束の重要性を説くとともに、ウクライナ侵攻の正当性を改めて主張したプーチン大統領。両軍、そしてウクライナ市民に多数の犠牲者を出しながらも未だ出口の見えないこの紛争は、この先どのような展開を辿るのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、今後の戦況の推移を予測。さらにプーチン大統領の早期退任を証拠付ける2つの出来事を紹介しています。

プーチン戦争の目的は

ウクライナ東部での戦争は、ロシア軍の全勢力をセベロドネツクに投入して、把握を目指すが、ウ軍もここでの決戦が勝敗を左右するとして、撤退と見せかけて、ロ軍を誘い込み、叩く手法で互角に戦っている。

ドネツ川北側の高台のリシチャンスクからの砲撃も効果的であるが、M777榴弾砲も多数破壊されている。ロシア軍の203m自走榴弾砲の威力もすごく、その数が多いので、火力の面で負けている。

しかし、ウ軍撤退となり、ロ軍戦車部隊20BTG(大隊戦術群)はリマンなどに転戦して行き、その後、ウ軍は戻り市街戦に持ち込み、この戦いには砲撃ができないので、近接戦にウ軍はロ軍を誘い込み叩く戦術に転換している。これがある程度の効果を発揮している。だが、まだ激戦であり、勝敗の行方を見通せない状態である。

どちらにしても、ロ軍は、持てる力のすべてをつぎ込んでセベロドネツクと周辺を攻撃しているので、ルハンスク州を完全に取れないと、ロ軍は攻撃する体力がなくなる。相当な消耗になっているはずで、20BTGも実質は10BTG程度になっている。ウ軍も大きな犠牲を出しているようだ。

ロ軍は、とうとう戦車が不足して、T-64戦車主体のBTGをもセベロドネツク周辺に投入したようであり、T-72戦車もなくなってきたようだ。

反対に、ウ軍もTB2ドローンが撃墜されて、数が少なくなっているようであり、ロ軍203m自走榴弾砲の攻撃に使われていない。203m自走榴弾砲は、M777榴弾砲の射程外にあり、叩けないので、ドローンでの攻撃しかできない。ということで、スイッチブレードが使われているようだ。これらの操作のために外人部隊が投入されている。

そして、ウ軍の司令官は、砲門の不足が「悲惨なまでの状態にある」と訴えたが、火力という面では圧倒的な差がある。ウ軍1門に対してロ軍10門の比率だそうだ。

相当な榴弾砲の供与が必要であり、欧米各国は、旧式で廃棄予定の自走榴弾砲を大量にウクライナに供与するようであり、どんどん増強されるが、時間が問題になってきた。

ということで、ウクライナは、欧米諸国の兵器のゴミ捨て場であるが、ロ軍の兵器も同時代の古い兵器であり、十分対応できる。ということは、退役間近の米A-10攻撃機の供与もあるかもしれない。ドンドン、古い兵器でウ軍は増強されることになる。

ロ軍はセベロドネツクの住宅街を制圧したというが、TOS-1を住宅地に入れ、サーモバリック弾や焼夷弾で住宅地を完全破壊している。精密誘導ができないために、焦土作戦でしか市街地を制圧できないことによる。このため、ここでは近接戦ができないので、ウ軍は撤退して、市街地と工場地帯で戦っているようだ。

どちらにしてもロ軍のTOS-1や203m自走榴弾砲の無力化が急がれる状況であり、逆にロ軍はM777榴弾砲の破壊を急いでいる。この戦況で、ウ軍は、M142高機動ロケット砲(HIMARS)」が必要であり、ロ軍の203m自走榴弾砲を叩くためにリシチャンスクに置くことで、戦況は大きく劣勢なウ軍に傾くことになる。ウ軍は提供の早いHIMARSの到着を待って、総攻撃に出るようである。

それまでは、両軍ともに、持てる力をセベロドネツクに持っていくので、他地域の進展は進んでいないようだ。

ただ、ロ軍は、防空兵器もセベロドネツクに集めたことで、TB2ドローンは、ドネツ川湿地帯での戦闘では、有効に機能しているようであり、ドネツ川を挟んだ地域での戦闘に使用しているようだ。

 

「西側諸国の結束」は幻想。ウクライナへの“過剰援助”で孤立する米国

ロシア軍からの激しい攻撃を受け止め続け、各国に軍事支援を求めるウクライナのゼレンスキー大統領。しかしその対応を巡っては、西側サイドでもアメリカと西欧諸国との間に温度差が存在しているようです。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、「西側の結束」が幻想でしかないという事実を、さまざまな要素を総合し証明。さらに国際社会の中で孤立を深める一方とも言えるバイデン大統領を、「哲学の貧困」という強い表現を用いて批判しています。

 

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2022年6月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

ますますウクライナ戦争にのめり込むバイデン政権/援助の3分の2は米国が占める

いまバイデン米大統領が切望しているのは、「民主主義vs専制主義」の世界史的な戦いの関ヶ原と位置付けられるべきウクライナ戦争の先頭に立って雄々しくプーチンに立ち向かう「西側民主陣営の盟主」として賞賛を浴びることである。バイデンは6月2日付「ニューヨーク・タイムズ」への寄稿「米国はいかにウクライナを支援すべきか」で、「自由世界とその他の国々は、米国に導かれてウクライナ側に結束し、かつてない規模の軍事、人道、金融支援を提供している」と誇らしげに述べている。

しかし、そのようなイメージに酔いたがっているのはバイデンとその取り巻き以外には属国=日本の腰抜けメディアくらいなもので、世界の現実は必ずしもそうなっていない。

「西側の結束」という幻想

5月25日にスイスのダボスで開かれた「世界経済フォーラム」総会にリモート出席したウクライナのゼレンスキー大統領は「西側諸国の団結が必要で、それによって初めて我々はロシアに対する優位を誇れる。団結とは武器〔支援〕に関することだ」と、欧州各国の軍事援助が米国と比べて余りにも少ないことに不平を鳴らした。

ダボスで目立ったのは、米国と西欧の温度差だけではない。元チリの財務相で大統領候補にもなったエコノミストのアンドレス・ベラスコは「ニューズウィーク」6月14日号へのコメントで、「西側同盟、西側の価値観……など西側が付く言葉は全て、マーケティング戦略的には終わっている。それが決定的になったのはダボス会議だった」と述べている。「西側指導者はインド、インドネシア、トルコ、南アフリカ、パキスタン、サウジアラビアに『西側同盟』に入って対ロ制裁を強化するよう懇願したが、これらの国々の代表は唖然とし、後でさんざん陰口も叩いていた。……ダボスで鼻についたのは『西側はロシアを締め上げているのに、南の国々は何もしない』という論調。こういう言い方をするから、西側諸国はこの会議でほとんど何の成果も上げられなかったのだ」と。

本来であればそこにバイデンが臨席してゼレンスキーを称賛し、インドや南アなどBRICSや、インドネシアを筆頭とするASEANや、サウジなど中東の大国も、こぞって「西側」の旗の下に結束するよう促さなければならなかったはずだが、彼に代わってウクライナ戦争に関するビデオ・メッセージを送って「クリミア半島をロシアに渡すことを前提とした和平」を呼びかけて非戦派諸国の共感を集めたのは、何と99歳になったキッシンジャー元国務長官だった。

 

プーチンの“善き友人”池田大作創価学会名誉会長が「即時停戦」を直言できない訳

平和な世界の実現を標榜している創価学会の機関紙『聖教新聞』は、ロシアによるウクライナ侵攻が開始されるや、会長の原田稔氏が「即時停戦」に言及しました。しかし、そこに「ロシア」の文字はなく、その後もロシアの名指しは避けダンマリを決め込んでいると、評論家の佐高信さんは指摘します。その理由について佐高さんは、メルマガ『佐高信の筆刀両断』で、ロシアから12もの名誉博士号を授与され、2008年には友好勲章まで受章した池田大作創価学会名誉会長の存在があると喝破。プーチンに何度も会いながら停戦を呼びかけない安倍晋三元首相と池田氏を同列と断じています。

 

創価学会・池田大作名誉会長が「停戦」に触れぬワケ

やたらに勲章や博士号をほしがる創価学会名誉会長、池田大作。しかし、その結果、いま学会はロシアや中国に対して率直にものが言えなくなっている。

「宗教と社会のかかわりを考える月刊誌」の『フォーラム21』5月号で発行人の乙骨正生が、プーチンに「即時停戦」を直言できない「善き友人」の池田を痛烈に皮肉っている。

2008年に池田はロシア連邦から「友好勲章」を授与された。「ロシアの善き友人」としてである。この意義について、創価学会の「善き友人」の佐藤優は『潮』の同年7月号でこう持ち上げた。

プーチンの大統領令に基づいているから、「プーチン大統領自身が、池田会長(当時)とはいかなる人物なのかを徹底的に調べさせて、池田会長の経歴や、ソ連、ロシアとの関係における貢献を知った上で授与」しており、「今後の対日戦略において創価学会を重視するというシグナルが込められている」と。

しかし、池田は2002年にウクライナのキエフ国立貿易経済大学から名誉博士号を、06年には国立キエフ工科大学から、やはり名誉博士号を授与されている。

池田が初めて名誉博士号を受けたのは1975年にモスクワ大学からだった。そして、ソ連が崩壊してロシアになってからも、1994年の国際大学をはじめ、ロシアから12の名誉博士号を受けている。

また、中国からは124のそれを受けており、ロシアのウクライナ侵攻に対しても、ロシアや中国に対して学会はストレートに反戦を訴えられないのである。

前揚『フォーラム21』でジャーナリストの古川利明が指摘している通り、学会の機関紙『聖教新聞』が2月28日付の紙面で会長の原田稔が「即時停戦」に言及したが、どこにも「ロシア」の文字がない。『公明新聞』が公明党代表の山口那津男の「ロシアの戦争犯罪を厳しく批判しなければならない」という発言を載せているのと対照的なのである。

公明党は選挙もあるから、世の流れに迎合しているだけだろうが、学会のダンマリぶりはひどい。それを古川は次のように衝く。

「本来であれば、このタイミングでこそ、日頃からの『反戦平和』を口やかましく唱えている池田大作の名前で、そして、SGI(創価学会インターナショナル)会長の肩書でもって、『露軍はウクライナへの攻撃を即時停止し、撤退せよ』との緊急大提言を、聖教新聞は載せなければならないはずである」

4月16日付の『聖教新聞』はウクライナからの難民支援に寄付をしたことを報じているが、池田は声明は出していない。カネは出すけれども大々的に停戦を訴えてはいないのである。これではプーチンと何度も会っていながら停戦を呼びかけもしない安倍晋三と同じではないか。

 

image by: Shutterstock.com

もはや“政治内戦”状態のリアル・エヴァンゲリオン国家アメリカを襲う大分断

今や取り返しのつかない状況にまで深化し、修正不可能な地点にまで到達してしまった米国社会の分断。なぜ自由の国アメリカは、これほどまでの重病を抱えるに至ってしまったのでしょうか。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』では著者でジャーナリストの伊東森さんが、米国の分断を「予想以上に深刻」とした上でその歴史的経緯を紹介。さらに11月に控えた中間選挙の情勢と、次回大統領選におけるトランプ氏再登場の可能性を考察しています。

【関連】米国から逃避か。厳しい国内事情を放置して訪日したバイデンの崖っぷち

 

バイデンは日本に来ている場合か? リアル“エヴァンゲリオン”なアメリカの止まらない分断

現在のアメリカ政治を支配しているのは、キリスト教福音派だ。福音派はプロテスタントが発展する過程でカルヴァン派から派生した宗派のひとつであり、アメリカ国内においてはプロテスタントの中でも「非主流派」という位置づけになる。

しかし、その数はアメリカの全人口の30%~35%、約1億人にのぼり、単一の宗派としてはカトリックを抜いて、アメリカ最大の宗教勢力となっている。

就任直後は50%台を維持していたバイデン大統領の支持率は、現在は40%台前半から30%台にまで急落している。この不人気状態で、11月の中間選挙に突入し、現在は上下両院において優位に立つ民主党が過半数を失えば、バイデン大統領は早くも2年目にして“レームダック化”する。

その責任をバイデンひとりに負わせることは不可能だが、しかし議会のうち上院では与野党の勢力が拮抗しているため、結果、与党である民主党からひとりでも反対を出すと法案を成立させることが難しい綱渡りの状態がつづき、民主党内の急進左派と中道寄りの一部の議員の対立が激化しており、“決められない政治”に拍車をかける。

■前回までの記事

バイデンは日本に来ている場合か? 荒れ狂うアメリカから一時退避 もはや”政治内戦” ~1~ 不発に終わったクアッドとIPEF プーチンフレーション?
バイデンは日本に来ている場合か? 荒れ狂うアメリカから一時退避 もはや”政治内戦” ~2~ 相次ぐ銃乱射事件 中絶をめぐる最高裁の草案がリーク 永い眠りから覚めたネオコンが復活

目次

  • 「リアル・エヴァンゲリオン」なアメリカ
  • 止まらない分裂
  • レームダック化するバイデン

 

コカ・コーラ「1985年の失敗」はナゼ起きたのか?“データ分析”で評価

1985年、事前の消費者調査を経てニューコーク発売に踏み切ったコカ・コーラが、何千万ドルもの損失を出す大失敗を犯したのは、マーケティング業界では有名な話のようです。その失敗について、これまで語られていたマーケティング視点での原因と最新のデータ分析視点での原因を紹介するのは、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』著者で、人気ブロガーのりばてぃさん。マーケティングの専門家であり、現在データアナリストの講座を受けているりばてぃさんが、この比較で得られた気づきを伝えています。

 

コカ・コーラ新商品の失敗をデータ分析で評価すると?

データアナリストの証書をもらうためグーグル監修の講座を受けているので、今回はその講座の中にあった事例から「データ・アナリスト的に考えた場合」の考え方が出ていたのでご紹介します。

コカ・コーラVSペプシの話。1985年、コカ・コーラはそれまでの従来のコーラに代わるニューコークを発売しました。しかしその前にライバルのペプシに対抗するため20万人を対象に味覚テストを実施。その結果、テストの参加者はペプシよりも新しいコーラの味を好むことがわかったのです。

これならいける!と考えたコカ・コーラはそれまでのコーラに置き換えてニューコーラを発売。これで、ペプシに奪われた市場シェアを取り戻せると踏んだわけですが、結果は惨敗。新しい商品は大失敗に終わり、何千万ドルもの損失を出すことになりました。

この話はマーケティング業界では非常に有名なのでご存じの方もいることでしょう。

ただこれまでのマーケティング的視点での分析では、「消費者に味の好みを聞くことですべてを判断してはいけない。例えば、アップルのアイパッドやアイフォンは消費者に聞いて良い製品だと判断されたかはわからない。多数の一般人より1人のスティーブ・ジョブスという天才が革命的な商品やサービスを生み出すには必要だ」といった、どういう人に聞くことが大事かという視点で分析されていました。

グーグルのデータ分析視点になると、以下のような考察となります。

「正しいと思われるデータで、なぜこのようなことが起こったのだろうか。それは、データが完全でなかったために不正確なものになってしまったからである。

 

このデータでは、ニューコーラがそれまでのクラシックコーラに取って代わることについて聞いていないのだ。消費者がそれをどう感じるかを考慮していなかったのが問題である。

 

クラシックコークを引退させるという同社の決断は、不完全なデータに基づいたデータ主導の決断だったのである」

…とのことです。

データ分析をしたまでは良かったけども、そのデータだけで十分なのか聞く、考えることを改めて認識しましょうという話でした。

ところでマーケティングのお仕事もですが、データ分析の講座を受けていて思うのは、発想が豊かな人はけっこう向いているのではないかと思います。

 

image by:MAHATHIR MOHD YASIN/Shutterstock.com

ウクライナは明日の我が国。世界的歴史学者が日本に発する警告

主権国家への軍事侵攻というロシアの蛮行に対して、経済制裁を含めた対抗措置を取るのは当然の行いであるとする思想。しかしこのような考え方はあくまで「西側先進国的」ともいうべきもので、そうした動きに消極的かつアメリカに対して懐疑的な国々も少なくないのが現状です。今回のメルマガ『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』では、著者で多くの中国関連書籍を執筆している拓殖大学教授の富坂聰さんが、ここ一月ほどの間に東南アジアや中南米で明らかになった、アメリカの影響力低下を如実に表す出来事を紹介。さらに我が国の今後の国際社会での立ち位置について、世界的歴史学者のインタビュー記事を引きつつ考察しています。

 

アメリカの影響力は低下したのか 中南米・ASEAN諸国が日本を警戒する理由

対中包囲網の構築を目的にバイデン政権が積極的に動いたこの2週間余り、アメリカはかえってその限界に直面したようだ。

アメリカ外交の狙いは気心の知れた仲間(主に西側先進国)から、さらに広い世界に「アメリカ側」か「それ以外か」を問いかけ、立場を鮮明させることだった。当然、「それ以外」からの引き剥がしが目的だった。

ターゲットは東南アジアと中南米だ。具体的には前者がインド太平洋経済枠組み(IPEF=5月23日)であり、後者が米州首脳会議(6月8日~10日)である。

本メルマガでもすでに触れたようにIPEFの立ち上げは成功を宣言できるような雰囲気ではなかった。対中包囲網どころか、むしろアメリカの意を受けて動き回る日本に対し“苦言”を呈するASEANの重鎮たちの態度が目立ったのである。

【関連】平和ボケ国家ニッポン。台湾問題への余計な「口出し」が祖国を滅ぼすワケ

この流れは月が替わった6月にも引き継がれた。米州首脳会議である。ここではバイデン政権の焦りからなのか、オウンゴールとも思える失策もあった。事前に、「独裁者は招かない」として、反米左派のキューバ、ベネズエラ、ニカラグアの排除を決めたのだ。

名指しされたキューバ、ベネズエラ、ニカラグアは当然のこと強く反発。キューバのミゲル・ディアスカネル国家主席は「新植民地主義」とこれを批判。ニカラグアに至ってはロシアの軍隊の入境(人道支援などの条件下で)を認める動きさえ見せた。

3カ国の排除に反応したのは当事者だけではなかった。中南米・カリブ海諸国(以下、中南米)全35カ国の8カ国の首脳が会議をボイコットするという異例の事態へと発展してしまったのだ。

中南米では近年、左派政権が次々に生まれていたという背景から説明もされたが十分とは言えない。明らかにアメリカの横暴に対する反発もあったからだ。

そのことが分るのは会議期間中の討論である。バイデン大統領の、「民主主義国家が協働した時に発揮できる力を見せよう」との呼びかけに対し、アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は、「ホスト国に参加国を選ぶ権利があるわけではない。多様性こそ民主主義を育む」と逆にアメリカを批判した。

なかでもバイデン政権に痛手だったのは、メキシコのロペスオブラドール大統領の欠席だった。今回の会議では移民問題が大きなテーマであり、メキシコはアメリカとの貿易が堅調なだけにメキシコの選択にはメディアの興味が集まった。

ロペスオブラドール大統領は「われわれは覇権主義に対して沈黙を守っているべきではない」、「排除政策が南米に入り込む動きを放棄すべき新たな段階に入った」とまで語ったのである。

ロペスオブラドール大統領はかねてから米州首脳会議の裏にある米州機構(OAS)に「米国が中南米に介入する道具」との疑念を抱いてきた。中南米諸国は2011年、OASに対抗する形でラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)を設立。ロペスオブラドール大統領はCELACは欧州連合(EU)のような共同経済体を目指すべきだ」と宣言していた。

 

日本経済の凋落は“コンプライアンス・バカ”のせい。なぜ人材が小粒化してしまったのか

経済大国だったはずの日本がなぜ、こんな現状になってしまったのか。日本の凋落ぶりを嘆き、不思議に思う人は多いでしょう。そこで、今回のメルマガ『熱血日記』では外資系金融機関で30年間の勤務経験を持つヒデキさんが、その理由はコンプライアンスにあるとして、持論を展開しています。

 

コンプライアンス・バカが増えた民間。法令順守をやり過ぎて人材の小粒化が進行

最近、経済の落ち込みぶりが心配になるくらいのニッポンですが、往年の経済大国ぶりを知る人からは、「なぜこんなていたらくになってしまったのだ?」と、急激な経済の縮小ぶりを不思議がる声が後をたちません。

少子化の進行や輸入インフレばかりメディアに上がりますが、それ以外にも100くらい理由があります。ニッポン経済が復活するための提言です。

「日本は起業率は高いのに、GAFAクラスのグローバル企業が産まれなくなってしまった」と、よく言われます。日本の企業数は約300万社もあり、社長さんの数が大阪市の人口とほぼ一緒、というくらいに社長さんがそこら中にいるほど起業率が高いです。

ところが、従業員数10人未満の中小企業が多く、産業界から世界の基準を握るような革新的企業が産まれてきません。IT時代到来となり、巨大な新興企業が産まれてくるのは米国や中国ばかり。

かたや日本はどうかというと、戦争直後や高度成長期、バブル期に生まれたような創業者人材が起こす大企業が産まれくなりました。

人材育成に問題があるのと、企業社会がコンプライアンス部や法務部の設立と、あまりに法令順守をまじめにやり過ぎて、働く人が委縮してしまったところに大きな原因があります。社内結婚も“社内恋愛禁止”のためにできなくなり、少子化に拍車をかけてしまいました。

自由奔放に社員を伸ばしておけば、革新性や創造性に満ちた社員が、新機軸の製品やサービスを考案してくれるのに、規制遵守ばかり業務の最優先に掲げるようになった2000年頃からダイナミズムが失われるようになりました。

 

採算路線が存在しなくなってきた日本の鉄道を救う手立てはあるか

日本では、地方を走る鉄道の廃線が相次いでいます。国鉄が民営化したことにより、赤字が続けば倒産してしまうという当然のリスクを抱えたうえで、採算路線を存在させうるためにはどうすればいいのでしょうか。そこで今回は、メルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』の著者で、小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さんがもう一度鉄道を事業として見る目を考え直すべきとして意見を述べています。

 

各地で深刻化する鉄道の廃線問題/民間任せでいいのか

国鉄分割民営化から35年が経過した。

民営化ではっきりしたことは、大都市を抱えるJRには新幹線やリニア開発など景気がいい話が出てくる一方で、地方では廃線が相次いでいることだ。特に北海道では人口減少とモータリゼーションの波で、より一層の乗車離れが進んでいるので、このままでいくと主要路線以外は全て廃線という事態も予想される。

確かに、ただ「残す、残す」と言ってみても赤字を垂れ流しつづけることはできない。JRは民間企業だから、赤字が続けば倒産する。そうなってはいけないので国が補填をし続けてきたが、これも巨額になるので採算が合う路線以外は廃線にするということを続けているのが現状だ。

しかし、採算路線というものが存在しなくなってきている。コロナが拍車をかけているのは言うまでもない。では経済原理に合わせて廃線にした方が良いのだろうか。この問いに対し、多くの人は「何か他の方策があるでは?」と期待を寄せる。

では何があるだろうか。

一つは観光としての地方路線の活性化である。ストーブ列車(津軽鉄道)が代表例だ。車内販売で買ったスルメをストーブであぶって酒を飲むのが楽しい。九州の「クルーズトレイン ななつ星」はラグジュアリーな寝台列車で、1年先まで予約が埋まるほどの人気ぶりだ。そのほかにも地域と連携した取り組みを進めて経営を盛り返した例はある。

ローカルジャーナリストの田中輝美さんの記事を読んだ。欧州では「フライト・シェイム」(flight shame)と言い、気候変動への危機感から燃料を大量に使う飛行機を避けて鉄道などを利用する運動が起きている。ドイツでは鉄道やバスなどの公共交通を月額1,200円で乗り放題にした。オーストリアやニュージーランドも同様の政策を採っている。地球環境に配慮した結果だ。

鉄道を採算性を求める「事業」としてではなく、「資産」と位置付け、公的財源で支え環境負荷を減らすことが、SDGsに基づいた政策ではないだろうか。

【関連】金価格が20年で7倍!北海道で起きるか、令和の「ゴールドラッシュ」

 

image by: Shutterstock.com

米国が画策する中国包囲網。世界最大の連合海軍演習で見えてくる狙いとは

世界最大の連合海軍演習が始まろうとしています。今年は日本も環太平洋連合軍事演習に参加することとなり、その詳細を無料メルマガ『キムチパワー』で、韓国在住歴30年を超える日本人著者が分析し伝えています。

環太平洋連合軍事演習=リムパック、今月末から

今月末に開かれる世界最大の連合海軍演習「環太平洋連合軍事演習(RIMPAC=リムパック)」に米国・日本・オーストラリア・インドのクアッド4か国が参加することが分かった。

米国海軍第3艦隊が主導する今年の訓練には、中国と南シナ海領有権紛争中のマレーシア、フィリピン、ブルネイも参加する。

特に、韓国と日本は歴代最大規模の戦力が参加する。米海軍はこの訓練が「強大国(majorpowers)の攻撃を抑止・制圧」するのに寄与すると明らかにし、一時中国も参加した多国籍海上訓練=リムパックが、対中国牽制の性格を持つのではないかという分析が出ている。

米海軍によると、6月29日から8月4日までハワイ一帯とカリフォルニア南部海上で開かれる今年のリムパックに26か国約2万5000人の兵力が参加する。水上艦38隻、潜水艦4隻、170編の軍用機が動員され、9国の陸軍も参加する。

韓国海軍も将兵1,000人余りと馬羅島艦、世宗大王艦、文武大王艦の艦艇3隻、潜水艦1隻、海上哨戒機1台と海上作戦ヘリコプター2台など1990年初参加後最大戦力を送る。

日本の海上自衛隊も、リムパックを控え、「自由で開放されたインド・太平洋の実現」に向け、艦艇3隻、潜水艦1隻、ヘリコプターと兵力を派遣すると明らかにした。日本は今回初めて軽空母を送ることにした。

隔年で開かれるリムパックは、「ファイブアイズ」(米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランド5か国の軍事情報同盟)が1971年に始めた。

災害対応と海上安保確保などを目的とする多国籍海上訓練で、2014年と2016年には中国人民解放軍も参加した。

【関連】20年でGDP世界順位を26位も落としている日本はもはや後進国なのか?

しかし、2018年に米国が南シナ海の軍事要塞化を問題視して中国を招待しないことにし、今年クアッド4国と南シナ海諸国が参加することになった。