適度な「レッテル貼り」で褒める!人間関係を向上させる簡単テクニック

先日掲載の「よく当たる占い師に学ぶ。他人を操る『人たらし』の心理テクニック」では、回りの人間からの注目度、関心度、期待値をアップさせる方法を紹介してくださった投資コンサルタント&マネーアナリストの神樹兵輔さん。今回神樹さんは自身のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』で、認知バイアスを利用した人間関係を向上させる簡単な方法と、意中の異性に自分のことを好きになってもらえる裏技の使い方を解説しています。

【関連】よく当たる占い師に学ぶ。他人を操る「人たらし」の心理テクニック

ビジネスに役立つ! 認知バイアスで人を動かす方法!(第2弾)

ところで、唐突な質問ですが、勤め先や取引先との人間関係において、あなたは大切な存在として扱われているでしょうか。

考えてみたこともないな……という人も多いかと思いますが、自分が大事に遇されているかどうかは、人間関係形成の上でとても重要なポイントです。

人は誰でも、自尊心を持っています。

いつも軽んじられたり、否定的に扱われる状況が続くと、「どうせ私なんか」「自分はつまらない人間…」などと、マイナス方向にヤサぐれていきます。

そのうち、だんだんミスを気にしなくなったり、愚かな行動をとっても平気になっていくのです。

心理学ではこれを「ゴーレム効果」と呼んでいます。

人を誹謗するのは、もとよりよくないのですが、他人から軽んじられたり、否定的に扱われるモラハラに多く遭っている人は、次第に心に重大なダメージを引き起こすようになります。

自分を自分自身で尊重するだけでなく、他人からも尊重されるように、自己の人間性を培う努力をすることは、とても重要なことになります。

この記事の著者・神樹兵輔さんのメルマガ

小さなストレスに着目、大きな話題に。“1冊でも倒れないブックスタンド”という戦略

大きなストレスではないけれど、ちょっとだけイラっときたりすることってよくありますよね。今回は、MBAホルダーで無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者である青山烈士さんが そんな小さなストレスに目を向けて開発され、文具総選挙で大賞をとった「一冊でも倒れないブックスタンド」の開発と戦略について紹介しています。 

ストレスを感じる瞬間に着目

今号は、文具総選挙2023で大賞を受賞したブックスタンドを分析します。

事務用品の製造販売を手掛ける「リヒトラブ(LIHIT LAB.)」の「1冊でも倒れないブックスタンド

既存の本棚やブックスタンドにストレスを感じる方をターゲットに、「自由な発想力」に支えられた「1冊でも倒れない」等の強みで差別化しています。

本棚から本を抜いた時のストレスを解消するアイテムとして注目を集め、文房具総選挙で大賞を受賞したことで、人気に拍車がかかっている。

■分析のポイント

本棚から本を抜いた時に残っている本が倒れてしまうのが嫌だと感じたことがある方は少なくないと思いますが、そのストレスを解消できるのが、今回、紹介する「1冊でも倒れないブックスタンド」です。

今回のポイントは、ユーザーのちょっとしたストレス(感じるのは一瞬)に着目し「立てる収納」を追求しているということです。

本棚から本を抜いた時に、横の本が倒れて、イラっとするのは一瞬ですよね。気にも留めない方の方が多いと思いますが、そういったところに着目できるかが、商品開発の肝となるような気がします。

本棚に本が多く入っている状態では、倒れにくいですが、本が少ない状態ですと、倒れやすくなってしまいます。

つまり、本が少ない状態では本棚に本を立てて収納することが難しいわけです。

ですので、倒れることにストレスを感じる方は、諦めるか、本を横積みにしてしまうことになるのではないでしょうか。

そうした結果、本を横積みになっている状態がストレスだと感じる方もいると思いますし、本や書類は立てて収納したい方が多いことを「1冊でも倒れないブックスタンド」の人気が示しているわけです。

また、「1冊でも倒れないブックスタンド」は、本だけでなく、CDやDVDも立てて収納することが可能です。

この立てる収納にこだわった結果として、立てたくても立てられない不満を抱えていた多くのユーザーの共感を得ることができたのでしょう。

一方で、倒れにくい状態、本がいっぱい入っている本棚には不要かというとそうでもありません。

本がいっぱい入っている本棚ですと、図書館が思い浮かびますが一度抜いた本を元の場所に戻すことは意外と難しかったりします。

「1冊でも倒れないブックスタンド」の場合、本を抜いた場所が一目瞭然ですから、迷うことなく、元の場所に戻すことができます。

立てる収納へのこだわりが、プラスαの価値を創出することにつながっている、ということです。

整理された状態の気持ちよさが、ずっと続くということは本好きにとってはたまらない価値と言えるのではないでしょうか。

今後、「1冊でも倒れないブックスタンド」がどのように拡がっていくのか、注目していきます。

西武池袋本店で予告通りストライキ決行。上がらぬシャッターに貼り紙、スマホで撮影する人も…ヨドバシ開店に賛否【現地ルポ】

セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下の百貨店大手「そごう・西武」の労働組合(労組)は31日、午前0時から西武池袋本店で終日ストライキに突入した。同店は全館で終日休館となる。百貨店としては1962年の阪神百貨店以来、実に61年ぶりのストライキ決行となった。今回のストライキは、セブン&アイHDによる「そごう・西武」の売却計画を巡って、同社と労組が対立したことによるもの。平日の朝、開店時間にシャッターが開かないままの西武池袋本店の現地を取材した。

貼り紙を見つめる通行人、スマホで撮影する若者…

31日午前、池袋駅構内の西武百貨店池袋本店の入り口は、すべてシャッターが降りていた。開店時間の午前10時を過ぎても一向に上がる気配はない。そごう・西武の労組によるストが決行されたためだ。

報道によると、労組は28日に同社へ「スト実施」を予告、セブン&アイが売却を最終決定しなければストを回避すると伝えていたが、30日になっても同社の方針に変化が見られないため、ストに踏み切った。

貼り紙を不安げに読んでいた男性は、首をかしげながらその場を立ち去った。その後ろから普段着の若者が、スマホを片手にシャッターと貼り紙を撮影したあと、近くで待っていた友人と合流して談笑しながら雑踏に消える。そんな光景が、わずか10分の間に何度も繰り返されていた。

池袋駅構内にある西武池袋本店の告知を表示する液晶モニターには、ストライキによる臨時休館を伝える貼り紙と同様の文字が並んでいた。道ゆく人は、このモニターにも足を止め、スマホで撮影して立ち去ってゆく。

今回のストライキは、セブン&アイHDが米投資ファンドに「そごう・西武」を売却することに決めたことで決行された。今後、米投資ファンドは「そごう・西武」が持っている池袋、渋谷、千葉の不動産を、提携先のヨドバシカメラに売却する計画だと報道されている。

「セゾン文化」発祥の地、終焉へ

幼少の頃から池袋の街で過ごし、西武百貨店を利用してきたという50代男性会社員は、この「西武ヨドバシ化」について、こう語った。

「昔の西武池袋には、セゾン美術館やギャラリーが、リブロブックセンターには“アールヴィヴァン”や“ぽえむぱろうる”等のアートや現代詩の店があり、詩人でもあった堤清二社長(当時)によって培われた、いわゆる“セゾン文化”の発信地で、池袋はあらゆるカルチャーの最先端をゆく場所でした。それが、美術館やリブロの閉店によって、少しづつ文化の影が薄れてきて、今は見る影もありません。そんな西武百貨店がヨドバシカメラに変わると聞いて、愕然としましたね。まあ、西武がドン・キホーテになるよりはマシと思うしかないのかもしれませんが。これも時代の流れですね」

一方で、ヨドバシを歓迎する声もある。30代の女性会社員は、駅に直結した家電量販店の開店に期待しているという。

「雨に濡れずに家電量販店へ行けるのは、池袋に限って言えばメリットしかないですね。今はヤマダ電機もビックカメラも、そしてドンキも、一度は駅から出ないと行けませんから。たとえ雨が降っていなくても、今後はきっとビックやヤマダには行かなくなると思います」

記者が池袋から帰ろうとした時、西武池袋本店の外で労組によるデモが始まった。

労組「ご迷惑をおかけします」「クロージングは時期尚早」

労組の配布していたチラシによると、雇用および事業継続について協議を進めてきたが、団体交渉中にも関わらず「雇用維持」と「事業継続」に確証が持てないまま同社が株式売却を決定したという。8月に入って4回の団体交渉をおこなっただけで株式譲渡完了(クロージング)は時期尚早であり、継続協議を求めてストライキ予告を行ったが、クロージングの手続きを行うとの判断に至ったため、労組として手続きを踏まえたうえでストライキの実行に至った、としている。

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明日9月1日(金)、同店は平常通り営業するという。

【関連】西武池袋本店で31日に終日ストライキ決行。なぜ日本より米国はストが10倍も多いのか?

もう無理だ。林真理子氏よ、守旧派の「悪意」に満ちた日大からサクッと脱出せよ

理事長を務める日本大学のアメリカンフットボール部薬物事件に関する新たな疑惑が発覚し、マスコミから猛バッシングを受け続けている林真理子氏。稀代の作家はこの先、どう対処すべきなのでしょうか。今回のメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』では米国在住作家の冷泉彰彦さんが、マスコミが林氏のバッシングにのみ血道を上げる現状は全員を不幸にすると断言。さらに彼女に現在の状況を逆転するスキルはないとした上で、「林氏は日大から猛スピードで逃亡すべき」との見解を記しています。

【関連】とにかく逃げちゃえ。林真理子日大理事長が今すぐ取るべき「大胆な出口戦略」

※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2023年8月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

もう無理。守旧派の悪意に満ちた日大からサクッと脱出すべき林真理子氏

日本大学の状況はどんどん悪化しています。まず、8月22日に文部科学省は大学に対して「管理運営体制の再構築を求める通知」を出しました。また、アメフト部の違法薬物事件については、容疑者1名が複数名(OB含めて10名?)になる中で、大学内での情報伝達や警察への連絡の遅れといった問題があったとして、第三者委員会による調査・検証結果について9月15日を期限として報告せよとしています。

具体的には、保護者からの情報提供、部員からの大麻使用の申告などがあった際に部内だけでの情報共有にとどめた理由や、8月8日の会見での説明と報道されている警察関係者の発言との食い違いなど、10の項目について調査・検証するよう求めているようです。

何が問題なのかというと、まず、これまでの流れの中では、メディアが寄ってたかって「林真理子理事長」のことばかりを追いかけているわけです。「会見が下手」とか「沈黙している」などと批判しながら、とにかくTVは「これでもか」とばかり林氏の顔を映してきました。

ですが、よく考えれば、林氏のところに正確な情報が上がるはずもなく、また林氏に事実上の決定権もあるはずもないわけです。とにかく、「お飾り」として、据えられているわけで、メディアが「事件の本質」や「日大の本当の改革」といった問題の核心に踏み込むことはなく、ただ「林氏」が悪いというように、林氏のことばかりをフォーカスするような流れになっています。

今回の役所の対応にしても、これ自体はどの大学でも問題があれば、理事長宛に通知を出すことはあるのでしょう。ですが、今回に限ってはその「理事長名」が著名人であることから、「林真理子理事長に対して通知が出た」というように書くと、メディアとしてはニュースのヘッドラインにできてしまうのです。

問題は明らかです。

林氏には悪意はないと思います。母校の苦境について「あなたの力を貸してほしい」と言われて断れなかったのでしょうし、理事長をやることは名誉になるとその時は考えたのでしょう。

また、林氏が「巨大組織のポリティクスを駆使して、腐敗している部分を切り捨てて、組織全体を再生する」というような作業については、経験も知識もない方だというのは明らかです。

であるならば、容易に想像できるのは、日大の中に守旧派が巣食っていて、そのために組織防衛的な行動が反社会性を帯びてしまうとして、それでも「守旧派を守る」ためには、世間のバッシングを浴びるサンドバッグとして林真理子氏を「使い捨てにしよう」という勢力があるということです。そのような悪意が最初からあったのかは別として、現在起きているのはそういう力学です。

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再上場するソフトバンクG傘下「ARM」一番の懸念点は?世界的エンジニアが考察

2016年にソフトバンクグループ(SBG)が買収し傘下に置くイギリスの半導体設計大手ARM。買収時に同社を非上場化したSBGですが、8月22日、米Nasdaqへの再上場を発表しました。今後ARMはさらなる飛躍を遂げるため、どのような戦略を取るべきなのでしょうか。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』ではWindows95を設計した日本人として知られる中島聡さんが、ARMの創業からの歴史を簡潔に紹介。その上で、同社のビジネスにとっての一番の懸念事項を挙げるとともに、ARMが攻めるべき市場を考察しています。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

ソフトバンクG傘下の半導体開発会社「ARM」の上場が意味するもの

ソフトバンクが持つARMの上場が正式に発表されました。ARMの歴史について、AppleやQualcommの動きも絡めて簡単に復習しておくと、以下のようになります。

  • 1978年 イギリスのケンブリッジに Acorn Computer Ltd. がRISC(Reduced Instruction Set Computer)CPUの会社として誕生
  • 1980年 UC BerkeleyでRISCプロジェクトが発足
  • 1981年 Stanford大学でMIPSプロジェクトが発足
  • 1983年 Acornのエンジニアが、Berkley RISCを参考にRISCチップを設計
  • 1985年 製造を依頼されたVSLIにより、初のチップが完成。これがARM1。後に、Apple Newtonに採用される
  • 1990年 Adranved RISC Machine Ltd.が Acorn Computer、Apple、VLSI Technologiy の3社の合弁会社として誕生
  • 1991年 Apple-IBM-Motorolaが共同で、RISCアーキテクチャのPowerPCを発表
  • 1993年 Nokiaの携帯電話向けのTIチップ(ARM7T)に採用
  • 1996年 AppleがPowerPCベースのMacintoshをリリース
  • 1997年 AppleによるNeXTの買収で、Steve Jobs がAppleに復帰
  • 1998年 ARM Ltd.に社名を変更し、London Stock ExchangeとNASDAQに上場
  • 1999年 AppleがARMの株の大半を売却
  • 2001年 AppleがiPodをリリース。ARMベースのチップを採用(Samsungなど)
  • 2005年 AppleがMacのCPUをPowerPCからIntelに切り替えると発表
  • 2007年 AppleがiPhoneをリリース。当初はSamsung製のARMベースのチップ
  • 2007年 QualcommがARMベースのSoCチップ、Snapdragonをリリース
  • 2008年 HTCが最初のAndroid携帯をリリース(Qualcomm製のARMベースのチップ)
  • 2010年 Appleが、自社製のARMベースのチップA4を搭載したiPhone4をリリース(製造はSamsung)
  • 2016年 Softbankが£23.4 billion (US$32 billion)でARMを買収し、非上場化
  • 2017年 ARMの株25%をSoftBank Vision Fundに移行
  • 2020年 MediaTekが、SnapDragonに対抗して、Android携帯向けのARMベースのチップ、Dimensityシリーズをリリース
  • 2020年 Nvidiaが$40billionで買収すると発表。Google、Microsoft、Qualcommなどが猛反対し、独禁法上の観点から破談に
  • 2020年 AppleがARMベースのM1を搭載したMacBookをリリース
  • 2022年 Qualcommが2021年に買収したNuvia向けのライセンスに関して、ARMがQualcommを訴訟
  • 2023年 SoftbankがVision Fundの株を買い戻し($16 billion)、NASDAQに上場させることを発表

この記事の著者・中島聡さんのメルマガ

「AIが間違えるハズがない」は危険。平気で嘘をつく生成型人工知能の限界

今や「時代の寵児」的扱いを受け、話題にならない日はないと言っても過言ではない生成型AI。その能力は近い将来人間を超えるとの意見もありますが、識者はどう見るのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、様々な分野の専門家の論を引きつつ、生成型AIの本質を考察。さらにこの「技術」が本物のインテリジェンスにはなり得ない理由を解説しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2023年8月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

生成型人工知能は本当に人間を超えるのか?/「人知の代わりには決してなりません」という西垣通の説に賛成する

生成型(Generative)人工知能(ArtificialIntelligence)の話題がネットはもちろんマスコミでも溢れかえっていて、英フィナンシャル・タイムズ(FT)も「熱狂は空前の盛り上がりをみせている」と少々呆れ気味である。グーグルやマイクロソフトなど時価総額1兆ドル超の巨大IT企業が「AIは電気や火の発見に匹敵するようなものだと囃し立て」つつ、先頭を切ってその世界にのめり込もうとしている。米コンサルタント会社のマッキンゼーの試算では「AIは……63分野で年間2.6兆~4.4兆ドルの経済価値をもたらす可能性がある」とされるが、この額は21年の英国のGDP3.1兆ドルに匹敵する(FT8月17日付→日経23日付)。

このようなバラ色の夢が膨らむ一方で、米ハリウッドの俳優や脚本家たちが「待遇改善」と同時に「AIに仕事を奪われることへの懸念」を理由に7月中旬からストライキに突入し、今なお解決の目処が立っていないことが示すように、AIそのものに対する恐怖感や頭からの拒絶論もまた広がっているが、私の意見ではそのどちらも極端に走りすぎている。

確かに生成型AIは、注文に応じて膨大なデータを収集してそのパターンを分析し、それらしい文章、画像、音声、音楽、動画などのコンテンツを生み出して見せてくれるけれども、それはどこまで行っても「それらしいだけの擬似コンテンツ」であることを免れない。その生成型AIの本質を踏まえた上で、この便利な新技術をどう使いこなすかについての人間の知恵の発達が遅れていることの方が問題なのである。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

子育てと介護から解放されたのに「心が晴れない」シングルの悩み

苦しい時期を乗り越えたらちょっと楽しいことをしよう。そんなことを思って頑張って、いざその時が来てみるとなんだか気力が湧かないなんてことがあるようです。離婚後一人で育てた娘が就職して自立し、3年前から介護していた親も見送り、やっと自分の時間ができると思ったのに「心が晴れない」という単身女性の悩みに答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で、公認心理師の永藤さん。死力を尽くして、いまフルマラソンを走りきったばかりのような人にとって、必要なことは何かを伝えています。

ちょっと御相談がありまして:心が晴れるはずなのに

皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。

Question

shitumon

アラフィフ女性です。15年まえに離婚し、シングルマザーとして働きながら娘を育て、ようやく今年、彼女は就職で家を出ました。また、3年前から、近居で一人暮らしだった80代の父の見守り、そして介護をし、2か月前に見送りました。子どもも手を離れ、親の介護も終わり、ようやく肩の荷が降りました。

それまでは、子供の教育費がかからなくなったら、プチ贅沢をしよう、とか、親の介護が終わったら、旅行をしようとか、あれやこれやと考えて、それを目指して頑張っていたはずなのですが、今、その状態になったのに、全然やりたいと思えないのです。

また、亡くなるまで全く知らなかったのですが、親が残してくれたお金が、思ったよりあったということもありますし、マンションのローンも払い終えているのもあって、もうお金のことで大きな心配をする必要がない、ということもわかったのですが、なんだかちっとも心が晴れないのです。

ずっと歯を食いしばって、なにくそと思いながら働いてきました。お金がないことで娘が引け目に思わないようにと頑張ってきました。母は早くに亡くなっているのですが、父の面倒は自分が見ようと決意し、そちらもいろいろあったけど頑張りました。両方終わったら、自分のイメージとしては、ゴールテープを切った気持ちがするのかな、と思っていたのですが、なんだか全然実感が湧かず、次のステップに晴れやかに進んでいくこともできないのです。なんだか、しんどいです。

【永藤より愛をこめて】

本当に本当に、お疲れさまでした。シングルで働きながら娘さんを育て、そしてお父様の介護もされて、ずーっと歯を食いしばって頑張ってきたのですね。無条件に、手放しで、心の底からあなたをリスペクトします。

「ほかにも同じような人はいるから」とか「そんな大それたことやっていない」と謙遜される方も多いのですが、あなたがやってきたことは、誰が何と言おうと「偉業」です。堂々と、凱旋パレードをするような気持ちでいてください。

……それが、そんな気になれないんですよね。「心が晴れない」とおっしゃっている。終わったらゴールテープを切った気持ちがするのかな、と思っていたけれど、なんだかそんなドラマのような感じでもない。

この記事の著者・永藤かおるさんのメルマガ

無料サービスを見直せ。人時売上を1.6倍に改善した飲食店の巧みな戦略

昨今あらゆる業態で求められる生産性の向上。もちろん飲食業界も例外ではありません。そんな中にあって、生産性向上と売上アップに成功した昔ながらの飲食店の事例を紹介しているのは、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さん。堀部さんはメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』で今回、自身が10年に渡りサポートを続けてきた支援先が、いかにして生産性アップを果たしたかを解説しています。

※ 本記事は有料メルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2023年8月28日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読どうぞ。

人時売上3,300円だった企業が5,500円に改善した理由

とある県でシェア1位のご支援先。

長いものでもう10年程のサポートなのですが、当時は人時売上が3,300円でした。

  • 売上をめちゃくちゃ伸ばす!
  • 対応はひたすらマンパワー!

このような環境でした。

ただそれってもうダメだよね。という事で、着実に改善を重ねてきました。

そして今は人時売上が5,500円。飛び道具はなく愚直に色々と進めてきたのですが、今日はその辺りを振り返っていきます。

■なぜ戦い方を変えたのか

  • 地域でも常に最安値を狙う!
  • 絶対にお客様の声を聞く!

このような戦い方で売上を伸ばされてきた同社。

もちろん、定着率はもの凄く悪いものでした。しかしそれでも採用ができていた時代。

でもそれって今後の時代に合わないよねという事で色んな見直しを進めていきました。

■無料サービスって本当に必要?

上記にある「絶対にお客様の声を聞く!」の部分。昔ながらの戦い方でありがちなのが、「無料サービス」がめちゃくちゃ多いという事。

  • 無料ドリンクの量が多い
  • お客様の送迎サービスの距離が長い
  • 営業時間が長い
  • 法事仕出しで配膳、掃除までやる

などなど、過去の慣習から出来上がってきた無料サービスがめちゃくちゃありました。

それって本当に必要なのですか?

ここから見直しました。もちろんそれが差別化の重要なテーマで、それをやめれば売上が下がる。

そうなれば継続はするでしょう。

しかし、慢性的にやっているものは無くしていかなければいきません。

足し算だけでなく、引き算も定期的に行う。

これも生産性を高めるには重要なテーマです。無料サービスにちゃんとお金をつける。それをやりました。

結果的に売上減なんてことは一切なく、むしろ売上が上がる結果になりました。

この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ

ワイモバイルの新プランに責任者が「イヤイヤ導入したモノ」とは?

ワイモバイルが10月からの新料金プランを発表。「徹底的にシンプルにこだわった」というソフトバンク寺尾洋幸専務執行役員の言葉を紹介するのは、メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さん。今回の新プランには寺尾氏自身は導入を反対したサービスが2つあると、その背景を同氏の言葉を引いて解説。競合他社と比べて料金プランの設計でブレのない姿勢を見せるワイモバイルが、契約者を増やせるか注目しています。

ワイモバイル新プラン。責任者が「導入に反対」したもの

ワイモバイルは、10月以降、新料金プラン「シンプル2」に移行する。基本料金は従来よりも値上げとなるが、データ容量が増え、カード割引や光回線のセット割などを組み合わせることで、これまでに近い負担感を維持している。

寺尾洋幸氏は「プランには名前すらつけたくなかった」というほど、徹底的にシンプルにこだわったとしている。名前やブランドにこだわる他社とは大違いな印象だ。

そんな寺尾氏が「新料金プランに導入したくなかった。正直、反対派だった」と愚痴をこぼすのが「データくりこし」の採用だ。新料金プランでは従来通り「データくりこし」に対応している。

「データくりこしはユーザーからの要望が多く、導入を決めたサービスだが、正直、導入反対派だった。とにかく、データくりこしはARPUがものすごく落ちてしまう。しかし、ユーザーインタビューを何度も繰り返して、非常にニーズが強いサービスであることがわかり、導入を決定した」という。

もうひとつ、寺尾氏が「やりたくなかった」と本音で語るのが「1GB以下の場合、勝手に割り引く」というものだ。ワイモバイルの新料金プラン「シンプルM」では1GB以下の場合は割引が適用され1078円まで下がる。

記者から「20GBを選んでいるユーザーが、1GBも使わない状況なんてあり得るのか」という質問が飛んだが、寺尾氏は「これがあるんです。ボクはやりたくなかったが。数ヶ月に1回、旅行に行かれるのかどうか、その月だけ1GBも使わないという方が一定数、いらっしゃる。そういう人がいるなら、やるかということで今回、導入した」という。

ソフトバンクや他社のデータ使い放題プランでも、データをあまり使わない月は割引が適用される設計になっている。また、楽天モバイルも3GB以下は1078円という設定になっており、あれが意外と気になる立て付けになっているのも事実だ。やはり、実用的ではないが「使わない月は安くなる」という設計は、必要不可欠ということなのだろう。

寺尾氏の話は、ワイモバイルがスタートのころから聞き続けているが、本当にブレがなく、初志貫徹している感が強い。他社の場合、競合他社を意識しすぎて、ブレブレな料金プラン設計となっており、「策士策に溺れる」感が伝わってくるのだが、ワイモバイルに関しては、当然、他社を意識しつつも、軸をぶらしていない。

寺尾氏が「やりたくなかった施策」がユーザーに響き、ワイモバイルがこの先、どこまで契約者数を増やすことができるのか。NTTドコモ「ahamo」が作った「20GB」というデータ容量に、各社のサブブランドやオンライン専用プランが焦点を合わせるなか、どこが勝ち組になるのか、注目しておきたい。

この記事の著者・石川温さんのメルマガ

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記者の家にまで“嫌がらせ”、卑劣なジャニーズ事務所の自業自得。天国のジャニー喜多川が「絶対にYouを許さない!」と言いかねない現状

ジャニーズ事務所が設置した『再発防止特別チーム』は29日、報告記者会見を開き、藤島ジュリー景子社長について「早期退任」を提言、そして故ジャニー喜多川氏の「性嗜好異常」についても認めました。様々な反応がある今回の報告内容を、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんはどう見たのでしょうか?

“性加害”再発防止特別チームの会見を見て、ベテラン芸能記者が考えていた事

故・ジャニー喜多川前社長の“性加害”問題を調査していた『再発防止特別チーム』が昨日、報告記者会見を開きました。

ジャニーズ事務所が設置した『外部専門家による再発防止特別チーム』は“ジャニー氏の性嗜好異常”を公に認めた上で、藤島ジュリー景子社長の早期退任と同族経営の廃止を提言しました。

これは創業以来、60年余り続いた“芸能界におけるジャニーズ王国の終焉”を意味するものと解釈して間違いないでしょう。

おおよそ、その歴史の約半数年、芸能記者を生業としてきた私から言わせていただければ“実にあっけない最後”を迎えたと感じます。

遡れば私が“王国の終焉”とまず感じた時期は、今回の当事者・ジャニーさん急死の2019年夏の頃だったように思います。

大手芸能プロダクション関係者の口から「メリーさん(ジャニー氏の姉でジュリー社長の母。2021年8月逝去)も高齢だし、おそらくジュリーさんが新社長になるんだろうが、ジュリーさんがトップでジャニーズ事務所が存続できるのか…。何年か後には根こそぎ他の芸能プロに移籍するとか、どこかに乗っ取られる事態になってしまうかも」という、当時は“そんなバカな…”と想像も出来なかった話を聞いたことがありました。

この時点では“性加害”問題も、滝沢秀明氏の退社・『TOBE』設立の兆候も気配すら感じられませんでしたが、結果的にこの芸能プロ関係者が予言した“悲しい末路”通りになったということになります。

ジャニーズから自宅に届いた一通の「手紙」

『特別チーム』の会見を見ながら私の脳裏に蘇ったのは、以前私の自宅に送られてきた、同事務所からの抗議文の文面でした。

通常、記事の書き手と芸能プロの“丁々発止”は記事を掲載したメディア媒体を間に入れてやり取りが行われるものですが、この抗議文は何故か私に直接、尚且つ私の自宅というプライベートな空間に送られてきたのです。

どこでどうやって私の自宅の住所を知り得たのかも疑問でしたが、この抗議文が文面作成の担当者及び担当弁護士の名前も無記名な、実に摩訶不思議な文章だったのです。

熱狂的なファンの仕業?とも思ったのですが、文章中に“法的措置も辞さない”と書かれていたことから、ジャニーズ事務所にその真意を伺おうとコンタクトを取ってみたのですが、結局“たらい回し”にされただけで、担当者が誰なのか一向に埒が明きませんでした。

ちなみに抗議された私の記事というのは、木村拓哉に関するものでした。