数多の男を虜にし、破滅に導く美しい「魔性の女」ローラ・モンテスの生涯

「魔性の女」の異名をとる女性たちは世界に数多く存在しています。そのなかでも、美貌とダンスであまたの男性を虜にし破滅へと導いた一人の女性のことを『歴史時代作家 早見俊の無料メルマガ」』の著者で作家の早見俊さんが紹介しています。

魔性の女

古今東西、魔性の女と語られる女性がいます。今回は美貌とダンスで数多の男を虜にし、破滅に導いた魔性の女、ローラ・モンテスを紹介します。

彼女は1821年(1818年という説もあり)アイルランドに生まれました。父親はイギリス軍の仕官で、彼女が二歳の時にインド勤務となり一緒にインドに行きます。ところが、父親はコレラで死去、母親に連れられスコットランドに渡りました。

ローラは十六歳でイギリス軍大尉と恋に落ち、駆け落ちしました。駆け落ちしたのは母親がローラを意に染まぬ相手と結婚させようとしたからです。しかし、彼は酒癖が悪く、周囲からちやほやされるローラに苛つき、二人は別れました。

その後、ローラはスパニッシュダンスに活路を見出しました。スペイン貴族の末裔と偽り、美貌を武器にしたセクシーなダンスは大評判を呼びます。ヨーロッパ各地で大勢のパトロンと性遍歴を重ねつつ、作曲家フランツ・リストと出会いました。リストはローラのためにソナタを作曲しましたが、奔放過ぎる彼女についてゆけず別れます。

リストとの恋はローラの名を高め、パリの社交界にデビュー、ここでも大勢の著名人を虜にしました。そして、新聞社社長アレクサンドル・デユジャリエと同棲し結婚を考えますが、彼はローラを巡る決闘であえなく死んでしまいます。

ローラはパリを去ってミュンヘンに行きバイエルン国王ルードヴィッヒ一世を虜にしました。ダンスを披露し、豊満な胸に見入った国王の目の前でナイフでドレスの胸元を切り裂き、巨乳を見せつけたのです。国王は悩殺され、ローラを愛人としたばかりか爵位や宮殿まで与えました。これには国民が反発、ローラ追放、国王退位を求めるデモが起きました。ローラは国外追放、魔性の女の虜となったばかりに国王は退位させられました。

その後、ローラはアメリカに渡りダンスや自分の半生を題材にした舞台で好評を博し、自叙伝も出版しましたが、病魔に侵され、半身不随となります。結局、ニューヨークでひっそりと息を引き取りました。聖書を熟読し司祭に看取られての最期だったとか。魔性の女の魂は果たして天国に召されたのでしょうか、それとも地獄の悪魔たちを虜にしたのでしょうか。

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外国人が土足で民家侵入、福島原発・帰還困難区域「不謹慎動画」が衝撃的!再生数稼ぎかジャーナリズムか?ネット物議

福島原発事故の「帰還困難区域」に無断で立ち入り、民家に不法侵入して部屋の中を物色する外国人の動画が批判を浴びている。一方で、一部にはそんな動画を「評価」する声も。どういうことなのか?

民家に土足で上がり込み、部屋の中を物色する外国人たち

福島県の「帰還困難区域」に外国人が立ち入り、一般の民家などを物色する様子をとらえた動画がネットで物議を醸している。

「これらの動画は外国人TikTokerが無許可で撮影・投稿しているようで、日本のSNSユーザーからは、住居不法侵入窃盗被害を危惧する声が多数あがっています。多くの人が住み慣れた土地・住居を奪われた原発事故が、外国人に“エンタメ”として消費されている状況に不快感を示す人も少なくありません」(ネットメディア編集デスク)

以下は動画の一例だ。“2011年3月で時間が止まった”現地の様子を伝える内容となっているが、出演者がふざけたりおどけたりするシーンも。軽快なBGMもあいまって、どうしても興味本位の悪ふざけという印象は否めない。



「帰還困難区域」は、2011年3月の福島第一原発事故で放射性物質に汚染され住民の居住が制限されたエリア。除染により避難指示が解除された地域もあるが、2024年現在も300平方キロ以上が居住できない状態となっている。

外国人TikTokerの“探検気分”に批判殺到

動画では、ごく一般の民家に外国人TikTokerが侵入してタンスの引き出しなどを物色。宝飾品パスポートなど、慌てて避難したであろう住人が残していった私物を“発掘”する様子がおさめられている。この「やりたい放題」に対しネットでは、

《え、なにこれ…完全に不法侵入の証拠動画じゃん》

《外国人だろうと日本人だろうと許される行為ではない》

《住人がどんな気持ちで家を捨てたか想像できないんだろな》

《あの事故を動画再生数稼ぎの道具にするとかモラルがなさすぎる》

《帰還困難区域では窃盗が多発してます、本当にやめて…》

など懸念や批判が噴出している状況だ。

アートが「健康やメンタルなどにも影響を及ぼす」メカニズムとは?

アートは私たちの脳、感情、身体能力にどう影響していくのでしょうか? 今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』著者・土井英司さんが紹介するのは、さまざまな視点からアートについて掘り下げた一冊です。

【教育と自己開発におけるアート活用法】⇒『アート脳』

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アート脳

スーザン・マグサメン、アイビー・ロス・著 須川綾子・訳 PHP研究所

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、世界的ベストセラー『GRIT』のアンジェラ・ダックワース氏や『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?』の山口周氏が推す、注目本。

GRIT

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

アートが健康やメンタル、集中力、記憶力、やり抜く力に影響するメカニズムを解説した内容で、著者はジョンズ・ホプキンス大学医学部ペダーセン脳科学研究所の革新的な取り組みである、応用神経美学センターのインターナショナル・アーツ+マインド・ラボ創設者、スーザン・マグサメン氏。

共著者のアイビー・ロス氏は、グーグルのハードウェア部門でデザインを担当するバイス・プレジデントのアイビー・ロス氏。2019年には、『ファスト・カンパニー』誌の「ビジネスにおいて最もクリエイティブな100人」で9位に選ばれた人物です。

美的マインドセットを手に入れることで、われわれの身体能力がどう向上するか、神経生物学的視点から見た解説がなされており、勉強になります。

アートによって脳のシナプスが結合すること、豊かな環境を与えるとラットの大脳皮質の厚さが増すこと、音楽やぬり絵、詩、物語が与える影響など、興味深い雑学に、ぐいぐい引き込まれます。

いわゆる教養本に属する本ですが、詳細を読んでいくと、個人の能力開発やトラウマの克服、創造性を高めるヒントなどが書かれており、教師やマネジャー、コーチ、カウンセラーなどにも有用な一冊です。

400ページを超える厚い本ですが、面白くてグイグイ読んでしまうと思います。

個人的には、嗅覚や聴覚がどのようにして人間の感情に影響を与えるか、そのメカニズムが勉強になりました。(やっぱり匂いや音って重要ですね)

外国人の美的感覚に訴える商品・サービス作りをしたい方にとっても、ヒント満載の一冊です。

なぜ現役精神科医は「自分がカメだったらウサギのことはいったん忘れる」のか?

何かを始めて壁にぶちあたった時、先に進める人は多くなかったりしますよね。そこで、今回のメルマガ『セクシー心理学! ★ 相手の心を7秒でつかむ心理術』の著者で現役精神科医のゆうきゆう先生が、失敗しやすい目標の立て方を教えつつ、壁を壊す方法について語っています。

「数」を目標にすると失敗する! 壁を壊す最強の方法とは?

こんにちは、ゆうきゆうです。

元気でお過ごしでしょうか?

今回のテーマは「壁を乗り越えるためには点数や結末を気にするな」というお話です。

さて、人間は何かをやるに際して、努力をしているにも関わらず途中で止まってしまったり、強烈なライバルがでてきて上手くいかなかったり、もしくはなかなか自分の立てた目標に到達できなかったり…、

絶対にどこかで壁があると思います。

壁は、継続していればどこかでぶち破ってさらに先に進むことができます。

しかし、なかなかそこに到達できないで止まってしまう人は多いです。

一旦止まってしまって「こんなんだったらやらなくていいや」と疲れて辞めてしまう人です。

では、どうしたらそれを超えていけるかというと、一番重要なのは「数や結果をメインの目標にし過ぎるな」ということです。

例えば

テストの点数で90点以上を目指す、

もしくは年収何千万を目指す、

他にも友達100人目指す、

というように数は目標にしやすいのですが、数を目標にするとやる気が失われてしまうという所はあると考えます。

■ 危険!?数値目標の落とし穴とは?

数はとてもドライで、到達できなかった時のショックが大きいです。

例えば、「テストで90点以上取る」という目標をたて、頑張ったけど80点だった時、目標未達成で自分ダメだ~と思ってしまいます。

しかしながら、90点という目標を定めていなければ80点でも十分喜べるはずです。

その場合、80点で十分嬉しいと思えた人はより努力していって、最終的な結果はより良くなっていきます。

逆に90点という目標を立ててしまった人の方が、いつまでたっても90点に到達できなくて、「もうダメだ」となってしまうこともあるのです。

ですので、点数とか数、数値というのは重要なわかりやすい目標ではありますが、それを作り過ぎてしまうと、到達できない時にどんどん気持ちが落ちてしまいます。

目標を立ててもやる気が湧かない人は、いったん数のことを忘れることが手かなと考えます。

数や、特に結末や結果、これを意識し過ぎないことが重要です。

次はハリスかトランプか?「バイバイデーン」で米大統領選に急変化…バイデン撤退で「民主党内のゴタゴタ」が顕在化する訳

トランプ氏銃撃の衝撃も冷めやらぬ中、バイデン大統領が11月のアメリカ大統領選挙から撤退することを正式に表明した。SNSでは早速「バイバイデーン」なるダジャレが飛び交っているが、これは多くの日本人にとって米国の政治は馴染みが薄く、今後の選挙戦の「見どころ」が分かりにくいためかもしれない。本記事では、世界や日本の命運をも左右する米大統領選の最新情勢を、米国在住作家の冷泉彰彦氏が分かりやすく解説する。(メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:米大統領選、激変した構図

米民主党がバイデンにバイバイ、大統領選から撤退決定

米国東部時間の7月21日、バイデン大統領は11月の大統領選から撤退することを表明しました。

まず、撤退と任期満了までは現職を継続するという書簡が発表され、続いてハリス副大統領への後継指名を推薦するとの意思が流れる、という順番でした。

タイミングとしては、6月27日のTV討論で体調不良が顕在化した後、頑張って単独会見をやったわけですが、状況は改善しませんでした。そんな中で、トランプ暗殺未遂があり、共和党大会がありという流れを「やり過ごす」ことになったのでした。

結果的には、この週末に「民主党大会での指名手続きの詳細」を決める事務方の会議がセットされており、それが延期になったという辺りで「タイムオーバー」になったと考えられます。

公表された内容としては、バイデンは孤独な決断をしたということになっていますが、これを額面通り受け取ることはできません。側近や家族が必死になって説得する中で、時間を要したというのが恐らく真相だと思います。

そうだとしても、このタイミングというのは十分に想定内でした。世界に数多くある「決められない中で時間が浪費」という決定のパターンと比較すると、まだましという格好です。

後継候補はカマラ・ハリス(現副大統領)で一本化。ただしオバマは…?

問題はハリスへの後継指名ですが、バイデンが明確に推薦を出したこと、それが批判されていないというのは、まあ想定内です。ですが、ハリスと同じカリフォルニアのリベラル人脈に連なる同州のニューサム知事がいち早くハリス支持を打ち出すなど、意外と党内の動きは「ハリス一本化」へ向けて動き出したようです。こちらは想定よりスムーズに動いています。

クリントン夫妻も即座に支持を表明していますが、彼らは直前まで「バイデン陣営への献金を」と言っていたので、一見すると掌返しという感じを受けます。ですが、バイデン陣営とハリス陣営は選挙資金という面では一体なので、全くそこに矛盾はないのです。

また、彼らが強く支持することによって、大口献金者のマネーが、この24時間に一気にハリスに流れ込むように誘導した、そんな見方もできます。

ちなみに、バラク・オバマはバイデンの撤退は歓迎したものの、ハリス支持は打ち出していません。この件ですが、かなり昔の話になりますが、ハリスがまだ上院議員にもなっていないカリフォルニア州の検事総長だったときに、妙なエピソードがあります。

オバマは、ハリスのことを「最も美しい検事総長」と形容してしまい、物議を醸したことがあるのです。その際に、ミシェル夫人が珍しく激怒したという話も伝わっており、恐妻家オバマとしては「即時支持表明」は見送ったということかもしれません。

日本人がデジタル的思考を持たぬままExcelに出会ってしまった悲劇。我が国が「神Excel」を生み出してしまった理由

今や業種を問わず必要とされるデジタルツールのスキル。書店に足を運べばそれらの操作マニュアル本が多数並んでいますが、他のツールに比べ「Excel本」が多数目につくのが事実ではないでしょうか。その謎解きを試みているのは、文筆家の倉下忠憲さん。倉下さんは自身のメルマガ『Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~』で今回、Excel本が飛び抜けて多い背景と、現状の日本ではDX推進が上手く行くはずもない理由を解説しています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:Excelとデジタルツール的思考

「手軽に使えるレポート用紙」ワードや「楽につくれる紙芝居」パワポとは別格。なぜExcel操作本だけが図抜けて多いのか

書店のパソコンコーナーにいくと、WindowsやiPhoneの基本的操作の本に並んで、Excelの使い方の本が大量に並んでいるのを見かけます。WordやPowerPointの本もあるのですが、Excelの本は頭一つ抜けて種類が多い印象です。なぜExcelはそんなに特別なのでしょうか。

現代の高校生は「情報1」という素晴らしい科目があり、コンピュータやプログラミングを教えてもらっているようですが、私の世代だとせいぜい「技術」の授業で線で描かれたカメが進むのをプログラミングした程度。私より上となるとまったく触ったことがないまま大人になった、という人も多いでしょう。

しかしながら、現代で何かしら仕事をしようと思えば「Word、Excel」は最低限使えることが求められます(PowerPointがここに含まれない点が、日本のデスクワークを象徴している気もしますが、それはさておき)。WordやExcelの扱いは、労働における基礎スキルになっているわけです。

日本の義務教育というのは、社会に労働力を安定的に供給する役割を担っていたと考えられますが、少なくともある世代の人たちにとって、社会に出て働くようになってから急に「新しいスキル」が求められるようになったと言えるのでしょう。教育と需要にギャップがあるわけです。

書店に並ぶ数々のコンピュータ書は、そうしたギャップを埋めるものだと捉えられます。そして、その中でもExcel本の数が飛び抜けて多いのが面白いところです。

「Word、Excel、PowerPoint」は、どれもデジタルツールであり、ビジネスユースにおいて基本的な役割を担ってくれるものですが、この中でもExcelは一番「デジタル」っぽいのです。言い換えれば、「アナログ」っぽくない。

Wordは、究極的に言えば「手軽に使えるレポート用紙」として理解すれば問題はありません。細かい操作や設定を把握する必要はあっても、根本的な理解は既存の概念の流用でも可能です(実際は細かい齟齬がたくさん生まれるのですが、実用においては無視できます)。

PowerPointも同様で、「楽につくれる紙芝居」だと考えれば概念的把握は容易でしょう。アナログ的概念を使い回せるわけです。

しかし、Excelは違います。Excelは、「表計算ソフト」と呼ばれますが、アナログの表と同一の概念ではありません。見た目自体はたしかに「表」なのですが、Excelの力点はむしろ「計算」の方にあります。表を使って「計算」するソフトがExcelなのです。

ここで、コンピュータという単語が「計算機」を意味することに注意を向けてもいいでしょう。他の二つに較べて、コンピュータ性が高い(コンピュータ性を体現している)ツールがExcelだということです。

ある場所に数値を書いておくことで、他の場所でその数値を参照し、自動的に計算したり、グラフを作ったりする、というコンセプトはまったくもって「アナログ」的ではありません。非常にデジタルツール的な思考です。その意味で、アナログ的な感覚しか持たない状態では、うまく捉えられないのがExcelなのです。

だから最初はうまく使えないし、ガイドブックのようなものが必要になる。そういう構造があるのでしょう。

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PayPalマフィアが強力サポート。トランプが副大統領に指名したバンスを金銭的にも政治的にも支える人物の正体

7月15日、副大統領候補にJ・D・バンス上院議員を指名したトランプ元大統領。若干39歳の元ベストセラー作家というバンス氏の指名は大きな話題となりましたが、その背景には強力な後ろ盾があるようです。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では世界的エンジニアとして知られる中島聡さんが、バンス氏を金銭的にも政治的にも支え続ける人物の存在を指摘した記事を紹介。さらにその「King Maker」と呼ばれる人物やイーロン・マスク氏らが、上院議員歴わずか2年のバンス氏を副大統領候補として送り込むために取った行動についても別記事から引いています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:私の目に止まった記事

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

私の目に止まった記事:米副大統領候補JD Vanceは、”King Maker”が金銭的にも政治的にも支持して来た

Peter Thiel plays kingmaker again as Trump picks JD Vance for Veep

トランプ大統領が副大統領候補に選んだJD Vanceに注目が集まっていますが、彼を金銭的にも政治的にも支持をして来たのは、“King Maker”として知られるPater Thielだと指摘する、とても興味深い記事です。

Peter Thielは、PayPalマフィアの一人であり、Facebookに初期の段階から投資するなど、多くの起業家・ベンチャー企業を育てたことから“King Maker”とも呼ばれいるのです。

JD Vanceが初めてPeter Theilに会ったのは、彼がまだYale大学で法学を学ぶ大学院生だった時(2011年)だそうです。卒業後、Vanceは、しばらくして、シリコンバレーに移り、ThielのMithril Capitalに“junior investor”として参加し、その後、Steve Caseが立ち上げたVC、Revolutionに移り、さらに、自分のVC、Narya Capitalを立ち上げた際には、Thielに投資をしてもらったそうです(同時に、Eric SchmidtとMarc Andreessenからも投資を受けています)。

Vanceは、2016年にいわゆる“Rust Belt”で育った自分の少年時代を描いた本、『Hillbilly Elegy』という本を出版し、それがベストセラーとなりました。New York Timesは、彼の本を「なぜトランプ氏が大統領になれたかを説明する本の一つだ」と評価したそうです。この本は、後に映画化され、Netflixで視聴が可能です(邦題:「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」)。

Vanceが2022年の上院議員戦に参戦することを決めた際には、Thielは$15millionを政治資金として提供したそうです。Vanceは、共和党の中の予備選に勝ち、さらに本戦では民主党のライバルを倒して、上院議員の座を獲得しました。

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台湾が朝鮮戦争に“派兵”。国民党軍から選抜された心理作戦要員はどんな役割を果たしたか

1950年に勃発した朝鮮戦争で、中朝連合軍と戦った国連軍に「参戦していない」とされる台湾。しかしそれはあくまで表向きの話であり、特殊な任務を帯びた要員が派遣されていたというのが真実のようです。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では宮塚コリア研究所代表の宮塚利雄さんが、台湾国民党軍の特殊任務部隊員が朝鮮戦争で果たした役割を報じる記事を紹介。韓国の国防省軍史編纂研究所責任研究員を努めた男性の興味深い「秘話」を伝えています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:朝鮮戦争時に台湾が心理・情報工作──中国参戦で台湾の国民党などが参戦

※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2024年7月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

朝鮮戦争時に台湾が心理・情報工作──中国参戦で台湾の国民党などが参戦

朝鮮半島上空を乱舞する“風船ビラ”についていろいろ資料を収集しているが、私が本稿に今度そのことを書くことになったと知人に話したら、韓国の『月刊朝鮮』(7月号)に、「台湾が朝鮮戦争の時に韓国に派兵した」という記事が出ているが知っているか、と言ってきた。彼によると、記事は「台湾軍が心理・情報工作」を担当し、「大量のビラや写真を散布する活動を行った」というのである。

同誌にこの秘話を寄稿したのは徐相文・前韓国国防省軍史編纂研究所責任研究員で、6月25日の朝鮮戦争勃発から74年を迎えたことに合わせて寄せたものと言う。朝鮮戦争時に国連軍に参加したのは、14ヶ国の軍で台湾(国民党)軍は入っていない。

私は朝鮮戦争時に台湾に黒蝙蝠中隊なる組織が、アメリカ中央情報局によって開戦2年後の52年に台北に「西方公司」の全面支援で設立されたことを、いつも引用していた『台湾へ行こう』(藤田賀久 えにし書房)の「黒蝙蝠中隊文物陳館──台湾海峡を越えて大陸上空に侵入した極秘偵察部隊」で知った。この部隊の目的は、「国軍を支援し、台湾海峡の緊張を高めることにあった。緊張が高まると、中国は台湾海峡に気を取られ、朝鮮戦争に専念できなくなる。こうして中国の朝鮮支援をけん制することを狙った」ものであった。

一方、国共内戦で敗れ台湾に逃れていた蒋介石は、朝鮮戦争の勃発の報に触れると、国民党軍の朝鮮半島派兵を申し入れた。それは韓国軍と一緒に戦って鴨緑江や豆満江を越えて北上し、中国東北地方に共産党軍に反撃する拠点を作るのが狙いだったという。ところが、中国の参戦を誘発する可能性があるとして米英が反対。韓国の李承晩大統領も米軍の支援が手薄になるのを恐れて反対した。それでも蒋介石は諦めず、韓国内の国民党組織を拡大する一方、派兵支持を取り付けるため米有力紙に派兵計画を公表した。

台湾の朝鮮戦争参入は思わぬ転機によるものだった。戦争が開始して5ヶ月後の50年10月に中国が参戦してきたことにあった。前月に仁川上陸作戦で加勢した米国を中心とする国連軍と韓国軍にとって中国共産党軍(人民義勇軍)という新たな敵に対する情報収集や各種心理戦が急務となり台湾国民党軍の協力が不可欠となったのである。米軍は翌月、駐韓台湾大使館に対中心理戦の協力を要請した。これを受けた同大使館は陸上と上空からの拡声器を使った宣伝放送、ビラや写真の散布、中国共産党軍が寝返るための宣伝などを提案し、米軍は既に実施していた自分たち独自の心理戦を支援するよう台湾側に要請したのである。

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「征韓論」と「西南戦争」とは何だったのか。定説という“バイアス”を取り除けば見えてくる西郷隆盛の真実

維新の三傑に数えられながらも明治6年の政変に敗れ明治政府を去り、西南戦争で非業の最期を遂げた西郷隆盛。その政変の原因となった征韓論や西南戦争について、現代日本に生きる私たちはどのように解釈すべきなのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』ではジャーナリストの高野孟さんが、これまで語られてきたさまざまな説を詳しく紹介しつつ持論を展開。その上で、西郷を切り捨て反革命へと変転した明治政府が「大日本帝国」への道を爆走し始めたと結論付けています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:西郷隆盛の「征韓論」、「西南戦争」を定説の色眼鏡を外して見直すと何が見えてくるのか?《民権論12》

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

西郷隆盛の「征韓論」、「西南戦争」を定説の色眼鏡を外して見直すと何が見えてくるのか?《民権論12》

頭山満の玄洋社は、GHQの「東京裁判」史観によれば軍部のアジア侵略の手先となった超国家主義の右翼団体であり暴力団や闇世界の支配者にも繋がる危険極まりないダークな連中ということになっており、また戦後日本の歴史学界を支配した講座派マルクス主義の立場からしても、最初は自由民権結社として出発したかも知れないが早々に国権派に「転向」してしまった唾棄すべき脱落者なのだから、民権派の歴史からは除外され無視されてしかるべきということになっている。これが教科書にも反映されている戦後日本の《定説》である。

玄洋社はそもそも「西南〔戦争〕呼応の〔福岡の変の〕残党により形成されたる団結なり」と『玄洋社社史』で宣言されており、そこを支えていたのは頭山の西郷隆盛に対する深い崇敬であったのだから、そうすると今度は、頭山の親分格である西郷その人が超国家主義の右翼の大元をなした危険人物であり、国権派に分類すべき人物なのかという問題になってくる。

この記事の著者・高野孟さんのメルマガ

明治大正の『萬朝報』、昭和平成の『噂の真相』なき令和の渋沢礼讃

7月3日の新紙幣発行に際し、お札の顔となった人物について、メディアはこぞってその偉人ぶりを伝えました。そうした礼讃風潮を作る大手メディアが、不都合な一面に関しては口をつむぐ傾向にあることを問題視するのは、辛口評論家として知られる佐高信さんです。今回のメルマガ『佐高信の筆刀両断』では、渋沢栄一と北里柴三郎のお妾事情も取り上げた明治大正時代の新聞『萬朝報』について紹介。昭和平成で言えば『噂の真相』ような暴露誌がいまあれば渋沢批判に動いたであろうと綴っています。

黒岩涙香のスキャンダル暴露

NHKをはじめ、メディアがあまりに新札の顔を持ち上げるので、『社会新報』のコラムなどで、渋沢栄一や北里柴三郎のスキャンダルを紹介した。ネタにしたのは黒岩涙香の『弊風一斑 畜妾の実例』(現代教養文庫)である。

これは『萬朝報』の1898(明治31)年7月7日から9月27日までに連載されたものだが、そこに似顔絵付きで渋沢も北里も取り上げられている。伊藤博文や森鴎外も登場するが、この黒岩のスキャンダル暴露を受け継いだのが岡留安則の『噂の真相』だった。

『噂の真相』ありせば、とりわけ渋沢礼讃を痛烈に批判したはずである。朝鮮侵略の表の顔が暗殺された伊藤博文だったとすれば、裏の顔というか経済侵略もしくは経済収奪の顔が渋沢だった。だから、今度の新札にも韓国で抗議の声があがったのである。

土佐に生まれて自由民権運動の洗礼を受けた黒岩については三好徹の『まむしの周六』(中公文庫)という「萬朝報物語」がある。俗に「赤新聞」という蔑称があるが、これは萬朝報に由来する。ピンク色の用紙が使われ、センセーショナルに人身攻撃的な記事が載っていたので、それを嫌った上級階級からそんな呼び方が出たのである。

私は過日、鶴彬の故郷で講演した際、鶴が反戦川柳で捕まって「川柳屋のくせに戦争に反対しやがって」と警察で言われたことを取り上げ、蔑称に居直れと主張した。川柳屋でないとか言って上品になろうとしたら、批判の鋭さもなくなるし、差別されている存在から離れてしまう。

新聞も「赤新聞」と呼ばれるところから遠くなったために攻撃的精神を失ってしまった。黒岩は一方で、内村鑑三、斎藤緑雨、田岡嶺雲、内藤湖南、堺枯川、幸徳秋水ら、優秀な論説記者を招く。しかし、日露戦争を肯定する論調に反発して、堺と幸徳が退社する、のちに内村が離れた。

この時、黒岩は幸徳と堺に「退社の辞」を書くよう求めた。三好によれば、黒岩は賭けに出たのだという。もちろん、去られる『萬朝報』にとっては、それを載せることはプラスにならないが、「そのマイナスを、マイナスのままに終わらせずにプラスへ転化する唯一の道は、両名の書いた文を読んだものに感動を与えること」だった。

「去った者はいさぎよかったが、見送った者も立派だった、ということになれば、さほどマイナスではない。いや、場合によってはプラスたりうる」ということである。黒岩はその賭けに勝った。

「予等二人は、不幸にも対露問題に関して、朝報紙と意見を異にするに至れり。予等が平生社会主義の見地よりして、国際の戦争を目するに、貴族軍人らの私闘をもってし、国民の多数はそのために犠牲に供せられる者となること、読者諸君のすでに久しく本紙上において見らるるところなるべし」と始まった一文は「朝報紙編集の事以外において永く従来の交情を持続せん」と結ばれていた。

この記事の著者・佐高信さんのメルマガ

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